JP2002080971A - 真空処理装置、真空処理方法及び基体ホルダー - Google Patents

真空処理装置、真空処理方法及び基体ホルダー

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JP2002080971A
JP2002080971A JP2000273120A JP2000273120A JP2002080971A JP 2002080971 A JP2002080971 A JP 2002080971A JP 2000273120 A JP2000273120 A JP 2000273120A JP 2000273120 A JP2000273120 A JP 2000273120A JP 2002080971 A JP2002080971 A JP 2002080971A
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JP2000273120A
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Hitoshi Murayama
仁 村山
Tatsuyuki Aoike
達行 青池
Daisuke Tazawa
大介 田澤
Kazuto Hosoi
一人 細井
Toshiyasu Shirasago
寿康 白砂
Kazuyoshi Akiyama
和敬 秋山
Takashi Otsuka
崇志 大塚
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】真空処理特性の均一性および製品品質を向上さ
せることができ、良品率の向上によって生産コストの低
下を図ることが可能な真空処理装置、真空処理方法及び
基体ホルダーを提供する。 【解決手段】高周波電力によって生起されたプラズマを
用いて基体上に真空処理装置、真空処理方法及び基体ホ
ルダーにおいて、ホルダー上、または該ホルダー及び該
ホルダーに載置された基体上に生じる高周波電界定在波
の定在波比を小さくするための定在波抑制手段を構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は真空処理装置、真空
処理方法及び基体ホルダーに関し、例えば、高周波電力
によって生起されたプラズマを用いた堆積膜形成、エッ
チング等、半導体デバイス、電子写真用感光体、画像入
力用ラインセンサー、撮影デバイス、光起電力デバイス
等の形成に用いる真空処理装置、真空処理方法及び基体
ホルダーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体デバイス、電子写真用感光
体、画像入力用ラインセンサー、撮影デバイス、光起電
力デバイス、その他各種エレクトロニクス素子、光学素
子等の形成に用いる真空処理方法として、プラズマCV
D法、イオンプレーティング法、プラズマエッチング法
等、高周波電力によって生起されたプラズマを用いた方
法が多数知られており、そのための装置も実用に付され
ている。例えばプラズマCVD法、すなわち、原料ガス
を高周波グロー放電により分解し、基板上に薄膜状の堆
積膜を形成する方法は好適な堆積膜形成手段として実用
化されており、例えば電子写真用水素化アモルファスシ
リコン(以下、「a−Si:H」と表記する)堆積膜の
形成等に利用され、そのための装置も各種提案されてい
る。
【0003】このような堆積膜の形成装置及び形成方法
は、概略以下のようなものである。図2は電源としてR
F帯の周波数を用いたRFプラズマCVD法(以後「R
F−PCVD」と略記する)による堆積膜形成装置、具
体的には電子写真用光受容部材の形成装置の一例を示す
模式的な構成図である。図2に示す形成装置の構成は以
下の通りである。この装置は大別すると、堆積装置21
00、原料ガスの供給装置2200、反応容器2101
内を減圧にするための排気装置(図示せず)から構成さ
れている。堆積装置2100中の反応容器2101内に
は円筒状基体2112、基体加熱用ヒーターを内蔵した
基体支持体2113、原料ガス導入管2114が設置さ
れ、更に高周波マッチングボックス2115が反応容器
2101の一部を構成するカソード電極2111に接続
されている。カソード電極2111は碍子2120によ
りアース電位と絶縁され、基体支持体2113を通して
アース電位に維持されアノード電極を兼ねた円筒状基体
2112との間に高周波電圧が印加可能となっている。
原料ガス供給装置2200は、SiH4、GeH4
2、CH4、B26、PH3等の原料ガスのボンベ22
21〜2226とバルブ2231〜2236,2241
〜2246,2251〜2256およびマスフローコン
トローラー2211〜2216から構成され、各原料ガ
スのボンベはバルブ2260介して反応容器2101内
のガス導入管2114に接続されている。
【0004】この装置を用いた堆積膜の形成は、例えば
以下のように行なうことができる。まず、反応容器21
01内に円筒状基体2112を設置し、不図示の排気装
置(例えば真空ポンプ)により反応容器2101内を排
気する。続いて、基体支持体2113に内蔵された基体
加熱用ヒーターにより円筒状基体2112の温度を20
0℃乃至350℃の所定の温度に制御する。堆積膜形成
用の原料ガスを反応容器2101に流入させるには、ガ
スボンベのバルブ2231〜2237、反応容器のリー
クバルブ2117が閉じられていることを確認し、叉、
流入バルブ2241〜2246、流出バルブ2251〜
2256、補助バルブ2260が開かれていることを確
認して、まずメインバルブ2118を開いて反応容器2
101およびガス配管内2116を排気する。
【0005】次に、真空計2119の読みが約1×10
-3Paになった時点で補助バルブ2260、流出バルブ
2251〜2256を閉じる。その後、ガスボンベ22
21〜2226より各ガスをバルブ2231〜2236
を開いて導入し、圧力調整器2261〜2266により
各ガス圧を2Kg/cm 2に調整する。次に、流入バル
ブ2241〜2246を徐々に開けて、各ガスをマスフ
ローコントローラー2211〜2216内に導入する。
【0006】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下の手順で各層の形成を行う。円筒状基体211
2が所定の温度になったところで流出バルブ2251〜
2256のうちの必要なものおよび補助バルブ2260
を徐々に開き、ガスボンベ2221〜2226から所定
のガスをガス導入管2114を介して反応容器2101
内に導入する。次にマスフローコントローラー2211
〜2216によって各原料ガスが所定の流量になるよう
に調整する。その際、反応容器2101内の圧力が所定
の値になるように真空計2119を見ながらメインバル
ブ2118の開口を調整する。内圧が安定したところ
で、周波数13.56MHzのRF電源(不図示)を所
望の電力に設定して、高周波マッチングボックス211
5、カソード2111を通じて反応容器2101内にR
F電力を導入し、円筒状基体2112をアノードとして
作用させてグロー放電を生起させる。この放電エネルギ
ーによって反応容器内に導入された原料ガスが分解さ
れ、円筒状基体2112上に所定のシリコンを主成分と
する堆積膜が形成されるところとなる。所望の膜厚の形
成が行われた後、RF電力の供給を止め、流出バルブを
閉じて反応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を
終える。同様の操作を複数回繰り返すことによって、所
望の多層構造の光受容層が形成される。
【0007】それぞれの層を形成する際には必要なガス
以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うま
でもなく、また、それぞれのガスが反応容器2101
内、流出バルブ2251〜2256から反応容器210
1に至る配管内に残留することを避けるために、流出バ
ルブ2251〜2256を閉じ、補助バルブ2260を
開き、さらにメインバルブ2118を全開にして系内を
一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。膜形成
の均一化を図るために、層形成を行なっている間は、円
筒状基体2112を駆動装置(不図示)によって所定の
速度で回転させることも有効である。さらに、上述のガ
ス種およびバルブ操作は各々の層の作成条件にしたがっ
て変更が加えられることは言うまでもない。
【0008】このような、上記従来のRF帯の周波数を
用いたRFプラズマCVD法による堆積膜形成装置、形
成方法に加え、更には近年、VHF帯の高周波電力を用
いたVHFプラズマCVD(以後「VHF−PCVD」
と略記する)法が注目を浴びており、これを用いた各種
堆積膜形成の開発も積極的に進められている。これはV
HF−PCVD法では膜堆積速度が速く、また高品質な
堆積膜が得られるため、製品の低コスト化、高品質化を
同時に達成し得るものと期待されるためである。例え
ば、特開平6−287760号公報には、a−Si系電
子写真用光受容部材形成に用いうる装置及び方法が開示
されている。また、複数の電子写真用光受容部材を同時
に形成でき、生産性の極めて高い図3に示すような堆積
膜形成装置の開発も進められている。
【0009】図3(a)は、上記VHF−PCVD法に
よる堆積膜形成装置の概略断面図、図3(b)は図3
(a)の切断線A−A’に沿う概略断面図である。反応
容器301の側面には排気管311が一体的に形成さ
れ、排気管311の他端は不図示の排気装置に接続され
ている。反応容器301の中心部を取り囲むように、堆
積膜の形成される6本の円筒状基体305が互いに平行
になるように配置されている。各円筒状基体305は回
転軸308によって保持され、発熱体307によって加
熱されるようになっている。モータ309を駆動する
と、減速ギア310を介して回転軸308が回転し、円
筒状基体305がその母線方向中心軸のまわりを自転す
るようになっている。反応容器301内には原料ガスが
原料ガス供給手段312より供給される。VHF電力は
VHF電源303よりマッチングボックス304を経て
カソード電極302より反応容器301内に供給され
る。この際、回転軸308を通してアース電位に維持さ
れた円筒状基体305がアノード電極として作用する。
【0010】このような装置を用いた堆積膜形成は概略
以下のような手順により行なうことができる。まず、反
応容器301内に円筒状基体305を設置し、不図示の
排気装置により排気管311を通して反応容器301内
を排気する。続いて、発熱体307により円筒状基体3
05を200℃〜300℃程度の所定の温度に加熱・制
御する。円筒状基体305が所定の温度となったところ
で、原料ガス供給手段312を介して、原料ガスを反応
容器301内に導入する。原料ガスの流量が設定流量と
なり、また、反応容器301内の圧力が安定したのを確
認した後、高周波電源303よりマッチングボックス3
04を介してカソード電極302へ所定のVHF電力を
供給する。これにより、反応容器301内にVHF電力
が導入され、反応容器301内にグロー放電が生起し、
原料ガスは励起解離して円筒状基体305上に堆積膜が
形成される。所望の膜厚の形成が行なわれた後、VHF
電力の供給を止め、続いて原料ガスの供給を停止して堆
積膜の形成を終える。同様の操作を複数回繰り返すこと
によって、所望の多層構造の光受容層が形成される。堆
積膜形成中、回転軸308を介して円筒状基体305を
モータ309により所定の速度で回転させることによ
り、円筒状基体表面全周に渡って均一な堆積膜が形成さ
れる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法及び装
置により、良好な堆積膜形成、即ち真空処理がなされ
る。しかしながら、このような真空処理方法、真空処理
装置を用いた製品に対する市場の要求レベルは日々高ま
っており、この要求に応えるべく、より高品質の製品が
低コストで生産可能な真空処理方法、真空処理装置が求
められるようになっている。例えば、プラズマCVD
法、プラズマCVD装置を用いた電子写真用感光体形成
の場合、近年その普及が目覚しいデジタル電子写真装置
やカラー電子写真装置においては、文字原稿のみなら
ず、写真、絵、デザイン画等のコピーも頻繁になされる
ため、コピー画像の濃度むら低減に対する要求レベルは
非常に高まっており、これに対応可能な電子写真装置の
提供が急務となっている。
【0012】このようなコピー画像の濃度むら低減へ向
けての技術的検討は、さまざまな面からなされている
が、その中でも電子写真用感光体特性の均一性向上は不
可避の課題であり、その課題解決のため、真空処理特性
の均一性向上が実現可能な電子写真用感光体形成装置、
電子写真用感光体形成方法の実現が強く求められてい
る。また、このような真空処理特性の均一性向上に対す
る要求は、上述した電子写真用感光体のように、製品個
々が大面積である場合に限ったものではなく、製品個々
の面積が比較的小さい場合においても、例えば生産コス
トの低減といった観点からも強く求められている。これ
は、生産性向上のため複数の被処理物を同時に真空処理
する場合、真空処理特性の不均一性によって、同一ロッ
ト内でも被処理物ごとに処理特性が異なってしまい、要
求レベルの処理特性が得られない被処理物が生じてしま
う結果、生産時の良品率を低下させてしまうためであ
る。以上のように、真空処理特性の均一性向上が可能な
真空処理装置、真空処理方法は、製品の特性向上のみな
らず、生産コストの低減といった観点からも強く求めら
れている。
【0013】そこで、本発明は、上記課題を解決し、真
空処理特性の均一性および製品品質を向上させることが
でき、良品率の向上によって生産コストの低下を図るこ
とが可能な真空処理装置、真空処理方法及び基体ホルダ
ーを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために、つぎの(1)〜(47)のように構成し
た真空処理装置、真空処理方法及び基体ホルダーを提供
するものである。 (1)減圧可能な反応容器と、該反応容器中に基体を載
置するための少なくとも一部が導電性材料で構成された
ホルダーを備え、高周波電力によって生起されたプラズ
マによって、該ホルダーに載置された基体上に真空処理
を施す真空処理装置において、前記ホルダー上、または
該ホルダー及び該ホルダーに載置された基体上に生じる
高周波電界定在波の定在波比を小さくするための定在波
抑制手段を有することを特徴とする真空処理装置。 (2)前記定在波抑制手段が、前記ホルダー上を伝播す
る高周波電界に対して実質的に反射部として作用する部
位を、前記ホルダーに少なくとも1つ設けて構成されて
いることを特徴とする上記(1)に記載の真空処理装
置。 (3)前記反射部として作用する部位が、前記ホルダー
の基体非設置部に設けられていることを特徴とする上記
(2)に記載の真空処理装置。 (4)前記反射部として作用する部位は、インピーダン
スが前記ホルダーの他の領域と異なるようにした構造を
有していることを特徴とする上記(2)(3)に記載の
真空処理装置。 (5)前記反射部として作用する部位の構造が、コンデ
ンサ構造であることを特徴とする上記(4)に記載の真
空処理装置。 (6)前記コンデンサ構造の反射部において、該反射部
を構成する材料が絶縁性材料であることを特徴とする上
記(5)に記載の真空処理装置。 (7)前記絶縁性材料が、アルミナ、窒化アルミナ、窒
化珪素、窒化ホウ素、炭化珪素、炭化ホウ素より選ばれ
る材料のうちの1つ、または2つ以上の材料で構成され
ていることを特徴とする上記(6)に記載の真空処理装
置。 (8)前記反射部として作用する部位の構造が、コイル
構造であることを特徴とする上記(4)に記載の真空処
理装置。 (9)前記コイル構造の反射部において、該反射部を構
成する材料が導電性材料、または他のホルダー領域と透
磁率が異なる磁性材料であることを特徴とする上記
(8)に記載の真空処理装置。 (10)前記反射部として作用する部位の最表面材料が
前記ホルダーの他領域の最表面材料と異なる材料によっ
て構成されていることを特徴とする上記(4)に記載の
真空処理装置。 (11)前記反射部として作用する部位の最表面材料が
絶縁性材料であることを特徴とする上記(10)に記載
の真空処理装置。 (12)前記反射部として作用する部位の最表面材料が
アルミナ、窒化アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭化
珪素、炭化ホウ素より選ばれる材料のうちの1つ、また
は2つ以上の材料で構成されていることを特徴とする上
記(11)に記載の真空処理装置。 (13)前記反射部として作用する部位のうち、前記ホ
ルダーの端部から最も遠い部位と前記ホルダーの端部と
の最短距離をR(m)とするとき、該最短距離R(m)
が前記プラズマを生起させるための高周波電力の周波数
f(Hz)に対して、 R≧0.01×(3×108)/f の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
上記(2)〜(12)のいずれかに記載の真空処理装
置。 (14)前記定在波抑制手段が、前記ホルダーに前記高
周波電力とは異なる第2の周波数の高周波電力を供給す
る手段によって構成されていることを特徴とする上記
(1)に記載の真空処理装置。 (15)前記第2の高周波電力の周波数をf2(Hz)
とするとき、該f2(Hz)が前記プラズマを生起させ
るための高周波電力の周波数f(Hz)に対して、 0.1≦|f−f2|/f<0.5 の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
上記(14)に記載の真空処理装置。 (16)前記プラズマを生起させるための高周波電力と
前記第2の高周波電力とにおいて、これらの電力比率に
関して前記プラズマを生起させるための高周波電力の電
力をP、前記第2の高周波電力の電力をP2とすると
き、 0.01≦(P2/P)≦0.5 の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
上記(14)に記載の真空処理装置。 (17)前記高周波電力は、周波数が50MHz以上、
450MHz以下とされていることを特徴とする上記
(1)〜(16)のいずれかに記載の真空処理装置。 (18)前記基体は、筒状または柱状であることを特徴
とする上記(1)〜(17)のいずれかに記載の真空処
理装置。 (19)前記ホルダーにおいて、該ホルダーの端部間を
結ぶ線路のうち最も長いものの長さをL(m)とすると
き、該ホルダーの長さL(m)が前記プラズマを生起さ
せるための高周波電力の周波数f(Hz)に対して、 L>0.05×(3×108)/f の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
上記(1)〜(18)のいずれかに記載の真空処理装
置。 (20)前記基体において、該基体の最長部の長さをl
(m)とするとき、該基体の長さl(m)が前記プラズ
マを生起させるための高周波電力の周波数f(Hz)に
対して、 l>0.01×(3×108)/f の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
上記(1)〜(19)のいずれかに記載の真空処理装
置。 (21)前記真空処理装置が、電子写真用感光体形成装
置であることを特徴とする上記(1)〜(20)のいず
れかに記載の真空処理装置。 (22)減圧可能な反応容器中に、少なくとも一部が導
電性材料で構成されたホルダー上に載置された基体を設
置し、高周波電力によって生起されたプラズマを用いて
該基体上に真空処理を施す真空処理方法において、前記
ホルダー上、または該ホルダー及び該基体上に生じる高
周波電界の定在波を抑制して、前記真空処理を施すこと
を特徴とする真空処理方法。 (23)前記定在波を抑制するに際して、該ホルダー
に、ホルダー上を伝播する高周波電界に対して実質的に
反射部として作用する部位を少なくとも1つ設けた構成
のホルダーを用い、前記高周波電界定在波における定在
波比を小さくして、前記真空処理を施すことを特徴とす
る上記(22)に記載の真空処理方法。 (24)前記反射部として作用する部位が、前記ホルダ
ーの基体非設置部に設けられていることを特徴とする上
記(23)に記載の真空処理方法。 (25)前記反射部として作用する部位を、インピーダ
ンスが前記ホルダーの他の領域と異なるようにした構造
として、前記真空処理を施すことを特徴とする上記(2
3)または上記(24)に記載の真空処理方法。 (26)前記反射部として作用する部位の構造が、コン
デンサ構造であることを特徴とする上記(25)に記載
の真空処理方法。 (27)前記コンデンサ構造の反射部において、該反射
部を構成する材料が絶縁性材料であることを特徴とする
上記(26)に記載の真空処理方法。 (28)前記絶縁性材料が、アルミナ、窒化アルミナ、
窒化珪素、窒化ホウ素、炭化珪素、炭化ホウ素より選ば
れる材料のうちの1つ、または2つ以上の材料で構成さ
れていることを特徴とする上記(27)に記載の真空処
理方法。 (29)前記反射部として作用する部位の構造が、コイ
ル構造であることを特徴とする上記(25)に記載の真
空処理方法。 (30)前記コイル構造の反射部において、該反射部を
構成する材料が導電性材料、または他のホルダー領域と
透磁率が異なる磁性材料であることを特徴とする上記
(29)に記載の真空処理方法。 (31)前記反射部として作用する部位の最表面材料が
前記ホルダーの他領域の最表面材料と異なる材料によっ
て構成されていることを特徴とする上記(25)に記載
の真空処理方法。 (32)前記反射部として作用する部位の最表面材料が
絶縁性材料であることを特徴とする上記(31)に記載
の真空処理方法。 (33)前記反射部として作用する部位の最表面材料が
アルミナ、窒化アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭化
珪素、炭化ホウ素より選ばれる材料のうちの1つ、また
は2つ以上の材料で構成されていることを特徴とする上
記(32)に記載の真空処理方法。 (34)前記反射部として作用する部位のうち、前記ホ
ルダーから最も遠い部位と前記ホルダーの端部との最短
距離をR(m)とするとき、該最短距離R(m)が前記
プラズマを生起させるための高周波電力の周波数f(H
z)に対して、 R≧0.01×(3×108)/f の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
上記(23)〜(33)のいずれかに記載の真空処理方
法。 (35)前記定在波抑制手段が、前記ホルダーに前記高
周波電力とは異なる第2の周波数の高周波電力を供給す
る手段によって構成されていることを特徴とする上記
(22)に記載の真空処理方法。 (36)前記第2の高周波電力の周波数をf2(Hz)
とするとき、該f2(Hz)が前記プラズマを生起させ
るための高周波電力の周波数f(Hz)に対して、 0.1≦|f−f2|/f<0.5 の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
上記(35)に記載の真空処理方法。 (37)前記プラズマを生起させるための高周波電力と
前記第2の高周波電力とにおいて、これらの電力比率に
関して前記プラズマを生起させるための高周波電力の電
力をP、前記第2の高周波電力の電力をP2とすると
き、 0.01≦(P2/P)≦0.5 の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
上記(35)に記載の真空処理方法。 (38)前記高周波電力として、周波数が50MHz以
上、450MHz以下の高周波電力を用いることを特徴
とする上記(22)〜(37)のいずれかに記載の真空
処理方法。 (39)前記基体は、筒状または柱状の基体を用いるこ
とを特徴とする上記(22)〜(38)のいずれかに記
載の真空処理方法。 (40)前記ホルダーにおいて、該ホルダーの端部間を
結ぶ線路のうち最も長いものの長さをL(m)とすると
き、該ホルダーの長さL(m)が前記プラズマを生起さ
せるための高周波電力の周波数f(Hz)に対して、 L>0.05×(3×108)/f の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
上記(22)〜(39)のいずれかに記載の真空処理方
法。 (41)前記基体において、該基体の最長部の長さをl
(m)とするとき、該基体の長さl(m)が前記プラズ
マを生起させるための高周波電力の周波数f(Hz)に
対して、 l>0.01×(3×108)/f の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
上記(22)〜(40)のいずれかに記載の真空処理方
法。 (42)前記真空処理装置が、電子写真用感光体形成装
置であることを特徴とする上記(22)〜(41)のい
ずれかに記載の真空処理方法。 (43)減圧可能な反応容器中において高周波電力が供
給されプラズマ処理される基体に接して設けられる少な
くとも一部が導電性材料で構成されたホルダーにおい
て、該ホルダーは該基体上に生じる高周波電界の定在波
を抑制するための高周波反射部を有することを特徴とす
る基体ホルダー。 (44)前記反射部として作用する部位の材料が前記ホ
ルダーの他領域の材料と異なる材料によって構成されて
いることを特徴とする上記(44)に記載の基体ホルダ
ー。 (45)前記反射部として作用する部位の表面材料が絶
縁性材料であることを特徴とする上記(44)に記載の
基体ホルダー。 (46)前記反射部として作用する部位の材料がアルミ
ナ、窒化アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭化珪素、
炭化ホウ素より選ばれる材料のうちの1つ、または2つ
以上の材料で構成されていることを特徴とする上記(4
4)または上記(45)のいずれかに記載の基体ホルダ
ー。 (47)前記反射部として作用する部位のうち、前記ホ
ルダーの端部から最も遠い部位と前記ホルダーの端部と
の最短距離をR(m)とするとき、該最短距離R(m)
が前記プラズマを生起させるための高周波電力の周波数
f(Hz)に対して、 R≧0.01×(3×108)/f の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
上記(43)〜(46)のいずれかに記載の基体ホルダ
ー。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明者らは上記課題を達成すべ
く鋭意検討を行った結果、基体を載置するホルダー上、
またはホルダー及び基体上に生じる高周波電界の定在波
が、処理特性の不均一性を生じる原因となっていること
を見出した。そしてその解決手段として、ホルダー上、
またはホルダー及び基体上に生じる高周波電界定在波の
定在波比を小さくするための手段を構成することによっ
て、ホルダー上、またはホルダー及び基体上の高周波電
界定在波を抑制することが、真空処理特性の均一性向上
を実現する上で極めて効果的であるとの知見を得、本発
明を完成させるに至った。
【0016】すなわち、このような高周波電界の定在波
に起因する真空処理特性の不均一性については、従来高
周波電極上についてのみ検討され、その対策が種々提案
されてきた。例えば、特開平10−168575号公報
には、高周波電極両端の静電容量を調節することで、高
周波電極上の高周波電界定在波を緩和し、堆積膜特性の
均一性向上が可能であることが開示されている。このよ
うな高周波電極上の高周波電界定在波を緩和する手段、
方法により、真空処理特性の均一性向上は達せられてき
たが、更なる均一性を求める場合、このような手段のみ
では限界があることを本発明者らは見出したものであ
る。
【0017】そして、その原因がホルダー上、またはホ
ルダー及び基体上に生じる高周波電界定在波にあること
を見出し、この定在波を抑制することで真空処理特性の
更なる均一性向上が達成可能であることを見出したもの
である。ホルダーは一般的には直流的に定電位、一般的
には多くの場合アース電位に維持されるように、真空容
器等の定電位部に導通状態とされている。このため、ホ
ルダー上には直流的な電界は生じない。しかしながら、
高周波的にはその導通部分やホルダーそのもののインピ
ーダンスが存在するため、ホルダー上には高周波電界が
生じうる状態となっている。そして、このインピーダン
スのうちのインダクタンス成分は高周波周波数に比例す
るため、周波数が高くなるほどホルダー上に高周波電界
が生じ易い状況となる。基体が導電性の場合、基体に関
してもホルダーと同様に、直流的な電界は生じないもの
の、高周波電界が生じうる状態となっている。
【0018】このような状況下において、反応容器中に
導入された高周波電力は、反応容器中空間を伝播してホ
ルダー上、またはホルダー及び基体上に伝送され、ホル
ダー上、またはホルダー及び基体上に高周波電界を生じ
るところとなる。ホルダー上、またはホルダー及び基体
上に生じた高周波電界はホルダー上、またはホルダー及
び基体上を伝播して行き、ホルダー端部において反射し
反射波を生じる。この反射波とホルダー端部到達前の高
周波電界(入射波)との合成により、ホルダー上、また
はホルダー及び基体上には高周波電界の定在波を生じ
る。
【0019】ホルダー上、またはホルダー及び基体上に
高周波電界の定在波が生じると、定在波の節部分では電
界が弱まり、腹部分では電界が強まる。この電界の強弱
によって、ホルダー、基体近傍のプラズマ特性は影響を
受け、その結果、真空処理特性に不均一性が生じてしま
う。本発明者らの検討によれば、その影響は、ホルダー
もしくはその上に載置された基体上に入射するイオンエ
ネルギーに、特に顕著に現れる。即ち、ホルダー上、ま
たはホルダー及び基体上の定在波の節部分では入射イオ
ンエネルギーは低く、腹部分では入射イオンエネルギー
が高い。このため、真空処理特性が入射イオンエネルギ
ーに対して大きな依存性を持つ場合、特にその不均一性
は顕著となってしまう。
【0020】従って、このような真空処理特性の不均一
性を改善する上で、ホルダー上、またはホルダー及び基
体上に生じる高周波電界定在波の定在波比を小さくする
ことは極めて有効である。この定在波比を小さくするた
めの具体的手段については特に制限はないが、ホルダー
に、ホルダー上を伝播する高周波電界に対して実質的に
反射部として作用する部位を少なくとも1つ設ける構成
とすることが効果的である。このような構成とすること
で、ホルダー上、またはホルダー及び基体上の高周波電
界は、この反射部として作用する部位とホルダー端部の
少なくとも2個所で反射を生じるため、反射波として位
相の異なる2つの波が生じ、入射波との合成によって生
じる定在波の定在波比を小さくすることができる。ホル
ダー上の反射部として作用する部位の数に関しては、そ
の数が多いほど反射波の数が増え、定在波比をより小さ
くすることが可能となるが、その数が増えるに従ってホ
ルダーの構成が複雑となる場合があるので、必要とする
効果レベル、装置構成の複雑化を考慮して適宜決定すれ
ばよい。そして、このような反射部として作用する部位
はホルダーの基体非設置部に設けることが本発明の効果
をより顕著に得る上で効果的である。このような構成に
することによって、反射部として作用する部位での高周
波電界の反射率は基体の影響、具体的には基体の導電
率、透磁率、誘電率の影響を受けることがなくなり、制
御性、再現性が高まる。
【0021】また、ホルダー上の反射部として作用する
部位での電界反射率に関しては、各反射部ごとに反射波
強度が異なっていても本発明の効果を得ることができる
が、特定の反射部での反射波強度が極端に大きいと、そ
の反射波がホルダー上に生じるメインの反射高周波電界
となってしまうため、効果は小さくなってしまう。ホル
ダー上の反射部として作用する部位の設置位置に関して
は、実際に真空処理特性の均一性を確認しながら適宜決
定すればよいが、高周波電界に対して反射部として作用
する部位のうち、ホルダー端部から最も遠い部位とホル
ダー端部との最短距離R(m)が、高周波電力の周波数
f(Hz)に対して、 R≧0.01×(3×108)/f となるように設定することが好ましい。Rが上記条件よ
りも小さいと、複数の反射部で高周波電界を反射するも
のの、反射波の位相の差が小さく、顕著な効果が得にく
い。したがって、上記条件を満たすRの範囲において、
真空処理特性の均一性を確認しながら反射部の設置位置
を決定することが好ましい。なお、ここで「ホルダー端
部から最も遠い部位」とは、最近接ホルダー端部との距
離が最も長い部位、を意味するものとする。
【0022】このような反射部の具体的構成については
特に制限はなく、ホルダー上を伝播する高周波電界に対
して実質的に反射部として作用する構成、即ち、ホルダ
ー上でインピーダンスが不連続となるような構成であれ
ばよい。例えば、電子写真用感光体形成装置の場合、図
1に示すような構成のホルダーを用いることができる。
図1において、図1(a)は基体載置前のホルダーの概
略図、図1(b)は基体載置時のホルダーの概略図、図
1(c)は反射部近傍の断面図である。
【0023】図1(a)に示したように、ホルダー10
0は円筒状のホルダー母体101、円筒状のホルダーキ
ャップ102よりなる。ホルダー母体101の下部、ホ
ルダーキャップ102には反射部103が設けられてい
る。ホルダー母体101は反射部103を除いてアルミ
ニウム製であり、アルミナ製の反射部103をアルミニ
ウムにより挟み込むことによって反射部103がコンデ
ンサとして作用するように構成されている。ホルダーキ
ャップ102も同様に、反射部103を除いてアルミニ
ウム製であり、アルミナ製の反射部103をアルミニウ
ムにより挟み込むことによって反射部103がコンデン
サとして作用するように構成されている。
【0024】このようなホルダー100への基体の載置
は、ホルダー母体101に、まず、基体104を、次い
でホルダーキャップ102をはめ込むことにより、図1
(b)に示したようにしてなされる。この際、基体10
4はホルダー母体101、及びホルダーキャップ102
との接触によりこれらと導通状態にある。なお、反射部
103は、真空処理中に反射部103の表面に導電性膜
が堆積し、反射部103を挟み込むアルミニウム部分同
士が導通しないように、図1(c)に示したような凹部
が設けられている。このようなホルダー100を用いる
ことで、ホルダー100、基体104上の高周波電界は
ホルダー100上部、下部において、反射部103、及
びホルダー100端部の2個所で反射波を生じ、定在波
比を小さくするよう作用する。また、本発明においては
図9に示すような構成のホルダーを用いてもよい。図9
において、図9(a)は基体載置前のホルダーの概略
図、図9(b)は基体載置時のホルダーの概略図、図9
(c)は反射部近傍の断面図である。
【0025】図9(a)に示したように、ホルダー10
0は円筒状のホルダー母体101、円筒状のホルダーキ
ャップ102よりなる。ホルダー母体101の下部、ホ
ルダーキャップ102には反射部903が設けられてい
る。ホルダー母体101は反射部903を除いてアルミ
ニウム製であり、アルミナ製の反射部903をホルダー
母体101のアルミニウム部の外周にはめ込むことによ
ってインピーダンスの不連続個所を形成している。ホル
ダーキャップ102も同様に、反射部103を除いてア
ルミニウム製であり、アルミナ製の反射部103をホル
ダーキャップ102のアルミニウム部の外周にはめ込む
ことによってインピーダンスの不連続個所を形成してい
る。図9に示したホルダー構成においては、ホルダー母
体101、ホルダーキャップ102のアルミニウム部は
反射部103によって分離されておらず、従って完全な
コンデンサ構造とはなっていない。
【0026】このようなホルダー100への基体の載置
は、ホルダー母体101に、まず、基体104を、次い
でホルダーキャップ102をはめ込むことにより、図9
(b)に示したようにしてなされる。この際、基体10
4はホルダー母体101、及びホルダーキャップ102
との接触によりこれらと導通状態にある。このようなホ
ルダー100を用いることで、ホルダー100、基体1
04上の高周波電界はホルダー100上部、下部におい
て、反射部103、及びホルダー100端部の2個所で
反射波を生じ、定在波比を小さくするよう作用する。な
お、図9においてはアルミナ製の反射部903はホルダ
ー母体101、ホルダーキャップ102のアルミニウム
部に対して突出した構成となっているが、必ずしもこの
ようにする必要はなく、アルミニウム部と同一面となる
ようにしても良いし、逆に反射部903部分が凹形状と
なるように構成しても良い。
【0027】また、ホルダー上、またはホルダー及び基
体上に生じる高周波電界定在波の定在波比を小さくする
手段として、プラズマを生起するための高周波電力とは
異なる第2の周波数の高周波電力をホルダーに供給する
ことも効果的である。このような手段により、ホルダー
上、またはホルダー及び基体上には異なる周波数の高周
波電界が生じ、これらが合成された結果、高周波電界定
在波比が小さくなる。プラズマを生起するための高周波
電力と第2の高周波電力の関係、即ち、周波数の差、電
力の比率等は実際に真空処理特性の均一性を確認しなが
ら決定すればよいが、周波数の差に関しては、その差が
あまりにも小さいと実質的に同一周波数の高周波電力を
印加した場合と同等となってしまい好ましくない。ま
た、その差があまりにも大きいと、周波数が小さい方の
高周波電力の高周波電界定在波の波長が、周波数が大き
い方の高周波電力の高周波電界定在波の波長に対してあ
まりにも大きく、十分な効果が得られず好ましくない。
【0028】このようなことから、本発明においては、
プラズマを生起するための高周波電力の周波数をf(H
z)、第2の高周波電力の周波数をf2(Hz)とし
て、 0.1≦|f−f2|/f<0.5 となるよう設定する。また、プラズマを生起するための
高周波電力と第2の高周波電力の電力比率に関しては、
プラズマを生起するための高周波電力をP、第2の高周
波電力の電力をP2として、 0.01≦(P2/P)≦0.5 の範囲とすることが、本発明の効果を顕著に得る上で好
ましい。
【0029】第2の高周波電力がプラズマを生起するた
めの高周波電力に対してこの範囲よりも小さいと、ホル
ダー上、またはホルダー及び基体上の高周波電界はプラ
ズマを生起するための高周波電力に起因する成分が支配
的となってしまい効果が小さい。一方、第2の高周波電
力を大きくするに従って、第2の高周波電力が反応容器
中での原料ガス分解に及ぼす影響が高まるため、上述し
た範囲よりも第2の高周波電力が大きくなると真空処理
特性そのものに影響が生じる場合がある。このため、プ
ラズマを生起するための高周波電力と第2の高周波電力
の電力比率の決定に際しては、上記範囲内において、真
空処理特性の均一性、及び特性レベルそのものをも確認
しながら適宜決定することが好ましい。
【0030】このような本発明は、プラズマを生起する
ための高周波電力の周波数が50MHz以上、450M
Hz以下の場合に、特に顕著な効果を得ることができ
る。これは、50MHz以下では高周波電力の波長が長
いため、ホルダー上、またはホルダー及び基体上に明確
な高周波電界定在波の節、腹位置が生じず、ホルダー
上、またはホルダー及び基体上の高周波電界定在波が真
空処理特性の均一性に及ぼす影響が小さいためではない
かと推察される。また、450MHz以上では原料ガス
分解効率が高く、反応容器中における電力吸収率が大き
いため、ホルダー上、またはホルダー及び基体上に生じ
た高周波電界はホルダー端部に到達してそこで反射波を
生じる前にその多くが減衰してしまい、ホルダー上、ま
たはホルダー及び基体上に顕著な高周波電界定在波が生
じないためではないかと推察される。
【0031】また、本発明はホルダー上に載置される基
体が導電性である場合に、より顕著な効果を得ることが
できる。基体が導電性の場合、高周波電界は基体表面を
伝播するため、高周波電界定在波は基体表面に生じる。
一方、基体が非導電性の場合、高周波電界は基体裏のホ
ルダー上を伝播し、高周波電界定在波は基体裏のホルダ
ー上に生じる。このような関係から、基体が導電性であ
る場合、高周波電界定在波はプラズマに接した部分に生
じるためプラズマヘの影響が顕著となり、基体が非導電
性の場合と比べ、真空処理特性の不均一性がより顕著と
なる。このような状況下において本発明を用いた際に
は、その効果はより顕著なものとなる。
【0032】更に、本発明は基体が筒状、あるいは柱状
の場合に、より効果的に実現可能である。その理由につ
いては以下のように考えることができる。基体が筒状、
あるいは柱状の場合、基体の周方向には強い高周波電界
反射端は生じず、高周波電界の反射は主に基体の軸方向
で生じる。このため、高周波電界定在波に対する対処は
基体軸方向一次元に関してなされればよく、より効果的
に対処可能となる。
【0033】また、本発明は電子写真感光体形成装置、
電子写真感光体形成方法において、特に効果的である。
本発明者らの検討によれば、これまで述べてきたような
ホルダー上、またはホルダー及び基体上の高周波電界定
在波は、単に作製された感光体の電気的、光学的特性に
不均一性をもたらすのみならず、その節部分では膜中に
多数の構造欠陥を生じる。この構造欠陥は反応容器中の
ダスト、例えば容器壁からの膜剥れによって生じた膜破
片が核となって生じるものである。このような構造欠陥
が高周波定在波の節部分で多発する原因については定か
ではないが、節部分では、近接するプラズマのフローテ
ィング電位が他の領域と異なり、その結果、節部分では
ダストの電位、あるいはチャージアップ量が基体上に吸
着しやすい状況になるものと推察される。電子写真用感
光体上に形成されたこのような構造欠陥は、電子写真画
像上において白点、あるいは黒点となって現れ、画像品
質を著しく低下させる。その原因となるホルダー上の高
周波定在波を抑制し、構造欠陥を低減可能な本発明は、
電子写真感光体形成装置、電子写真感光体形成方法にお
いて特に効果的となる。また、このような本発明は、ホ
ルダーの最長部が比較的長い場合、特に顕著な効果を得
ることができる。ホルダーが短い場合には、ホルダー
上、またはホルダー及び基体上の高周波電界はホルダー
端部での反射を多数回繰り返し、その結果、さまざまな
位相の入射波、反射波が生じるため、強い定在波が立ち
にくいためではないかと推察される。本発明は、具体的
には、ホルダーの端部間を結ぶ線路のうち最も長いもの
の長さをL(m)、高周波電力の周波数をf(Hz)と
して、 L>0.05×(3×108)/f の場合に特に顕著な効果を現す。
【0034】また、本発明は基体の最長部が比較的長い
場合、特に顕著な効果を得ることができる。基体が長い
場合には、高周波電界定在波の影響で、同一基体上で最
も高周波電界の弱い部分と、最も高周波電界の強い部分
との差が顕著となってしまうためである。本発明は、具
体的には、基体の最長部の長さl(m)が高周波電力の
周波数をf(Hz)に対して、 l>0.01×(3×108)/f の場合に特に顕著な効果を現す。
【0035】以下に、本発明の実施の形態について、図
面を用いて更に詳しく説明する。図4は本実施の形態に
おける電子写真用感光体形成装置の一例を示す模式的な
構成図である。図4(a)は概略断面図、図4(b)は
図4(a)の切断線A−A’に沿う概略断面図である。
図4において、401は減圧可能な反応容器であり反応
容器401内には、ホルダー405上に載置された基体
404が回転軸410に支持されて設置され、発熱体4
13によって加熱可能となっている。反応容器401内
には更に、原料ガスを供給するためのガス供給管40
6、高周波電極403が設けられている。高周波電極4
03への高周波電力の供給は、高周波電源407より出
力された高周波電力が、マッチングボックス408を介
して電力分割部402中で4分割された後、高周波電極
403へと導かれる。高周波電極403の先端には高周
波電極403上の高周波電界定在波比低減のためのコン
デンサ(不図示)が設けられている。
【0036】ホルダー405、基体404はモータ41
1により、回転軸410、ギア412を介して回転可能
となっている。また、ガス供給管406より反応容器中
401中に導入されたガスは反応容器401の下部に設
けられた排気口409より不図示の排気装置により排気
される。ホルダー405として、例えば図1に示したも
のと同様の構成のものを用いることで本発明の効果を得
ることができる。なお、図1中において反射部103は
ホルダー母体101上の基体非設置部、ホルダーキャッ
プ102上に各々1個ずつ設置されており、合計2個存
在する構成となっている。反射部103の数は図1に示
した上下各1個の構成に限定されるものではなく、上下
各2個以上、あるいは上部のみ2個以上、または下部の
み2個以上設ける構成としてもよい。また、ホルダー1
00の片側、即ち上部のみ、あるいは下部のみに反射部
103を設置する構成としても本発明の効果は得られ
る。しかしながら、この場合、反射部103を設置して
いない方のホルダー端部での高周波電界の反射に起因す
る高周波電界定在波は緩和されないため、ホルダー上部
及び下部に反射部103を設置した場合と比べて本発明
の効果が小さくなるので、可能な限りホルダー上部及び
下部に反射部103を設置することが好ましい。
【0037】図1において、反射部103はホルダー母
材により挟み込まれ、コンデンサ構造となっており、こ
こでホルダーのインピーダンスが変化することで反射部
として作用する。このように、反射部103をコンデン
サ構造で形成する場合、反射部103を構成する材料と
しては絶縁性材料を用いる。絶縁性材料としては、ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロー
スアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリアミド等の合成樹脂、アルミナ、窒化ア
ルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭化珪素、炭化ホウ
素、ジルコン、コージェライト、ジルコンコージェライ
ト、酸化珪素、酸化ベリリウム、マイカ系セラミック
ス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス等を
用いることができる。これらのうち、アルミナ、窒化ア
ルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭化珪素、炭化ホウ素
が真空処理中の不純物放出が少ない点や、基体を昇温す
る際の耐熱性等の点から好ましい。
【0038】また、反射部103はインピーダンスがホ
ルダーの他領域と異なるように構成されておればよく、
したがって、コンデンサ構造に限らずコイル構造により
形成してもよい。この場合、反射部103は導電性材料
をコイル状にすることで形成してもよいし、あるいは、
他のホルダー領域と透磁率が異なる磁性材料を反射部1
03領域に挟み込んで形成してもよい。この場合、磁性
材料としては、鉄、けい素鋼、方向性けい素鋼、Alp
erm、Sendust、78Permalloy、S
upermalloy、Mumetal、Permen
dur、45−25Perminver、Ferrxc
ube2、Ferrxcube3、Ferrxcube
4等を用いることができる。このような反射部103は
ホルダー100の端部から最も遠い反射部(図1におい
ては反射部103)とホルダー端部との最短距離R
(m)が、高周波電力の周波数f(Hz)に対して、 R≧0.01×(3×108)/f となるように設定することが本発明の効果を顕著に得る
上で好ましい。
【0039】このような電子写真用感光体形成装置を用
いた電子写真感光体形成は、概略以下のようにして行う
ことができる。まず、反応容器401内に、図1に示し
た構成のホルダー405上に載置された円筒状基体40
4を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)に
より排気口409より反応容器401内を排気する。続
いて、発熱体413により円筒状基体404を200℃
〜300℃程度の所定の温度に加熱・制御する。
【0040】円筒状基体404が所定の温度となったと
ころで、原料ガス供給手段406を介して、原料ガスを
反応容器401内に導入する。原料ガスの流量が設定流
量となり、また、反応容器401内の圧力が安定したの
を確認した後、高周波電源407よりマッチングボック
ス408を介して高周波電極403へ所定の高周波電力
を供給する。これにより、反応容器401内に高周波電
力が導入され、反応容器401内にグロー放電が生起
し、原料ガスは励起解離して円筒状基体404上に堆積
膜が形成される。この際、高周波電極403より反応容
器401内に放射された高周波電力の一部はホルダー4
05に伝播し、ホルダー405上に高周波電界を生じ
る。ホルダー405上の高周波電界はホルダー405
上、及び円筒状基体404上を伝播する。そして、ホル
ダー上部、及び下部において、ホルダー上に設置された
反射部103、及びホルダー端部の少なくとも2個所で
高周波電界は反射し、位相の異なる複数の反射波を生じ
る結果、ホルダー405上の高周波電界定在波の定在波
比は緩和される。
【0041】このようにして所望の膜厚の形成が行なわ
れた後、高周波電力の供給を止め、続いて原料ガスの供
給を停止して堆積膜の形成を終える。同様の操作を複数
回繰り返すことによって、所望の多層構造の光受容層が
形成される。堆積膜形成中、回転軸410を介して円筒
状基体404をモータ411により所定の速度で回転さ
せることにより、円筒状基体表面全周に渡って均一な堆
積膜が形成される。
【0042】図5は、本発明の実施の形態における電子
写真用感光体形成装置の他の一例を示す模式的な構成図
である。図5(a)はその概略断面図、図5(b)は図
5(a)の切断線A−A’に沿う概略断面図である。図
5において、501は減圧可能な反応容器であり反応容
器501内には、ホルダー505上に載置された基体5
04が回転軸510に支持されて設置され、発熱体51
3によって加熱可能となっている。反応容器501内に
は更に、原料ガスを供給するためのガス供給管506、
高周波電極503が設けられている。高周波電極503
への高周波電力の供給は、高周波電源507より出力さ
れた高周波電力が、マッチングボックス508を介して
電力分割部502中で4分割された後、高周波電極50
3へと導かれる。高周波電極503の先端には高周波電
極503上の高周波電界定在波比低減のためのコンデン
サ(不図示)が設けられている。
【0043】ホルダー505、基体504はモータ51
1により、回転軸510、ギア512を介して回転可能
となっている。また、ガス供給管506より反応容器5
01中に導入されたガスは反応容器501の下部に設け
られた排気口509より不図示の排気装置により排気さ
れる。図5においては、更に、ホルダー505に高周波
電力が供給可能な構成となっている。第2の高周波電源
515より供給された高周波電力は、ホルダー505に
電気的に接続された高周波電力端子514よりホルダー
505に伝送される。高周波電力端子514はホルダー
505に直接接触していてもよいし、あるいは、ホルダ
ー505との問に適当な隙間を設けることによりコンデ
ンサ構造とし、そのコンデンサを介してホルダー505
へ高周波電力を伝送する構成とすることも可能である。
これらのうち、反応容器501内でのダスト低減という
観点からは、ホルダー505に対して非接触で電力伝送
可能なコンデンサ構造を用いた構成の方が好ましい。こ
の場合、高周波電力端子514とホルダー505の間で
のプラズマ生成による高周波電力の損失が生じないよう
に、高周波電力端子514とホルダー505の間の間隔
を設定することが好ましい。
【0044】第2の高周波電源515より供給される高
周波電力の周波数は、高周波電極503より反応容器5
01中に供給される高周波電力の周波数と異なるように
設定する。その具体的数値に関しては、装置構成、ある
いは電子写真感光体形成処方によって適正値が異なるた
め、形成される電子写真用感光体特性の均一性を確認し
ながら適宜決定すればよいが、高周波電極503より反
応容器501中に供給される高周波電力の周波数をf
(Hz)、第2の高周波電源515より供給される高周
波電力の周波数をf2(Hz)として、0.1≦|f−
f2|/f<0.5の範囲において設定する。
【0045】また、高周波電極503より反応容器50
1中に供給される高周波電力とホルダー505に供給さ
れる第2の高周波電力の電力比率に関しても、形成され
る電子写真用感光体の特性の均一性及び特性レベルその
ものを確認しながら適宜決定する。このような電子写真
用感光体形成装置を用いた電子写真感光体形成は、概略
以下のようにして行うことができる。まず、反応容器5
01内に、ホルダー505上に載置された円筒状基体5
04を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)
により排気口509より反応容器501内を排気する。
続いて、発熱体513により円筒状基体504を200
℃〜300℃程度の所定の温度に加熱・制御する。
【0046】円筒状基体504が所定の温度となったと
ころで、原料ガス供給手段506を介して、原料ガスを
反応容器501内に導入する。原料ガスの流量が設定流
量となり、また、反応容器501内の圧力が安定したの
を確認した後、高周波電源507よりマッチングボック
ス508を介して高周波電極503へ所定の高周波電力
を供給する。同時並行的に、第2の高周波電源515よ
り所定の高周波電力を出力し、高周波電力端子514を
介してホルダー505に第2の高周波電力を供給する。
このようにして、反応容器501内にグロー放電を生起
し、原料ガスを励起解離して円筒状基体504上に堆積
膜を形成する。
【0047】このようにして所望の膜厚の形成が行なわ
れた後、高周波電源507、及び第2の高周波電源51
5からの高周波電力の供給を止め、続いて原料ガスの供
給を停止して堆積膜の形成を終える。同様の操作を複数
回繰り返すことによって、所望の多層構造の光受容層が
形成される。堆積膜形成中、回転軸510を介して円筒
状基体504をモータ511により所定の速度で回転さ
せることにより、円筒状基体表面全周に渡って均一な堆
積膜が形成される。
【0048】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する
が、本発明はこれらにより何ら制限されるものではな
い。 [実施例1]実施例1においては、図4に示す構成の装
置を用い、直径80mm、長さ358mmの円筒状アル
ミニウムシリンダー404上に、高周波電源407の発
振周波数を100MHz、150MHz、200MHz
の3通りとして、表1に示す条件で電子写真用感光体を
作製した。ホルダー405は図1に示す構成のものと
し、反射部103を除いた部分はアルミニウム製とし
た。また、反射部103はアルミナで形成し、ホルダー
母材のアルミニウムによって挟まれた部分の厚さは1m
mとした。反射部103と反射端として作用するホルダ
ー405端部との距離Rはホルダー上部、下部共に1c
m、1.5cm、2cm、3cm、4cm、5cm、6
cmの7通りとした。また、ホルダー100の長さLは
0.55mであり、全ての周波数に対して、 L(m)>0.05×(3×108)/f(Hz) の範囲となっている。更に、円筒状アルミニウムシリン
ダー404の長さlは全ての周波数に対して、 l(m)>0.01×(3×108)/f(Hz) の範囲となっている。
【0049】高周波電極403は直径20mmのSUS
製円柱であり、その外部を内径21mm、外径24mm
のアルミナ製パイプにより覆う構造とした。アルミナ製
パイプはブラスト加工により、表面粗さを2.5mmを
基準長とするRzで20μmとした。このような高周波
電極403は、円筒状基体404を取り囲むように同一
円周上に等間隔で4本配置した。高周波電極403の先
端には高周波電極403上の高周波電界定在波比低減の
ための30pFのコンデンサ(不図示)が設けられてい
る。ガス供給管406は、内径10mm、外径13mm
のアルミナ製パイプで、端部が封止された構造とし、パ
イプ上に設けられた直径1.2mmのガス噴出口より原
料ガス供給可能な構造のものを用いた。ガス供給管40
6は円筒状基体404を取り囲むように同一円周上に等
間隔で4本配置し、高周波電極403に対して周方向に
45度ずらした位置とした。ガス供給管406の表面
は、ブラスト加工により、表面粗さを2.5mmを基準
長とするRzで20μmとした。
【0050】感光体作製手順は概略以下の通りとした。
まず、ホルダー405に固定された円筒状基体404を
反応容器401内の回転軸410上に設置した。その
後、不図示の排気装置により排気口409を通して反応
容器401内を排気した。続いて、回転軸410を介し
て円筒状基体404をモータ411により10rpmの
速度で回転させ、更にガス供給管406より反応容器4
01中に500sccmのArを供給した後、不図示の
圧力調整バルブにより反応容器401内の圧力を70P
aに維持しながら発熱体413により円筒状基体404
を250℃に加熱・制御し、その状態を2時間維持し
た。
【0051】次いで、Arの供給を停止し、反応容器4
01を不図示の排気装置により排気口409を通して排
気した後、ガス供給管406を介して、表1に示した電
荷注入阻止層形成に用いる原料ガスを導入した。原料ガ
スの流量が設定流量となり、また、反応容器401内の
圧力が安定したのを確認した後、高周波電源407の出
力値を表1に示した電力に設定し、マッチングボックス
408を介して高周波電極403へ高周波電力を供給し
た。高周波電極403より反応容器401内に放射され
た高周波電力によって、原料ガスを励起解離することに
より、円筒状基体404上に電荷注入阻止層を形成し
た。所定の膜厚の形成が行なわれた後、高周波電力の供
給を止め、続いて原料ガスの供給を停止して電荷注入阻
止層の形成を終えた。同様の操作を複数回繰り返すこと
によって、光導電層、表面層を順次形成した。
【0052】(比較例1)比較例1においては、ホルダ
ー405に反射部103を設けない以外は実施例1と同
様にして、表1に示す条件で電荷注入阻止層、光導電
層、表面層からなる感光体を作製した。このようにして
実施例1、比較例1で作製されたa−Si感光体を本テ
スト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6750
に設置し、感光体の特性評価を行なった。評価項目は、
「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「白ぽち」、
「画像濃度むら」の5項目とし、以下の具体的評価法に
より各項目の評価を行なった。
【0053】帯電能…複写機の主帯電器に一定の電流を
流したときの現像器位置での暗部電位を測定する。した
がって、暗部電位が大きいほど帯電能が良好であること
を示す。帯電能測定は感光体母線方向全領域に渡って行
ない、その中の最低暗部電位により評価した。従って、
数値が大きいほど良好である。感度…現像器位置での暗
部電位が一定値となるよう主帯電器電流を調整した後、
原稿に反射濃度0.1以下の所定の白紙を用い、現像器
位置での明部電位が所定の値となるよう像露光光量を調
整した際の像露光光量により評価する。したがって、像
露光光量が少ないほど感度が良好であることを示す。感
度測定は感光体母線方向全領域に渡って行ない、その中
の最大像露光光量により評価した。従って、数値が小さ
いほど良好である。光メモリー…現像器位置における暗
部電位が所定の値となるよう、主帯電器の電流値を調整
した後、所定の白紙を原稿とした際の明部電位が所定の
値となるよう像露光光量を調整する。この状態でキヤノ
ン製ゴーストテストチャート(部品番号:FY9−90
40)に反射濃度1.1、直径5mmの黒丸を貼り付け
たものを原稿台に置き、その上にキヤノン製中間調チャ
ートを重ねておいた際のコピー画像において、中間調コ
ピー上に認められるゴーストチャートの直径5mmの黒
丸の反射濃度と中間調部分の反射濃度との差を測定する
ことにより行った。光メモリー測定は感光体母線方向全
領域にわたって行い、その中の最大反射濃度差により評
価した。従って、数値が小さいほど良好である。白ぽち
…キャノン製中間調チャート(部品番号:FY9−90
42)を原稿台に置き、コピーしたときに得られたコピ
ー画像の同一面積内にある直径0.1mm以上の白点を
数え、その数により評価した。従って、数値が小さいほ
ど良好である。画像濃度むら…まず、現像器位置での暗
部電位が一定値となるよう主帯電器電流を調整した後、
原稿に反射濃度0.1以下の所定の白紙を用い、現像器
位置での明部電位が所定の値となるよう像露光光量を調
整した。次いでキヤノン製中間調チャート(部品番号:
FY9−9042)を原稿台に置き、コピーしたときに
得られたコピー画像上全領域における反射濃度の最高値
と最低値の差により評価した。従って、数値が小さいほ
ど良好である。
【0054】評価結果を表2に示す。表2において、評
価結果は、比較例1の結果を基準とし、「帯電能」、
「感度]に関しては、基準に対して15%以上の良化を
◎、6%以上10%未満の良化を◎〜○、2%以上6%
未満の良化を○、2%未満の良化を△、悪化を×で示し
た。また、「光メモリー」、「白ぽち」、「画像濃度む
ら」に関しては、基準に対して50%以上の良化を◎、
25%以上50%未満の良化を◎〜○、10%以上25
%未満の良化を〇、10%未満の良化を△、悪化を×で
示した。「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「白
ぽち」、「画像濃度むら」いずれの項目においても実施
例1と比較例1の間に明確な差が認められ、特に反射部
103とホルダー端との距離R(m)が、高周波電極4
03より反応容器401中に供給される高周波電力の周
波数f(Hz)に対して、 R≧0.01×(3×108)/f の範囲において特に顕著な差が認められた。
【0055】このことから、本発明による「帯電能」、
「感度」、「光メモリー」、「白ぽち」、「画像濃度む
ら」に対する効果が確認され、特に基体に最も近い反射
部(図1における反射部103)と基体から最も遠い反
射部(図1においてはホルダー端)との最短距離R
(m)が、高周波電力の周波数f(Hz)に対して、 R≧0.01×(3×108)/f とすることで、より顕著な効果が得られることが確認さ
れた。また、実施例1で作製された電子写真感光体を用
いて形成された電子写真画像は、画像流れ等もない極め
て良好なものであった。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】 [実施例2]実施例2においては、実施例1と同様にし
て、図4に示す構成の装置を用い、直径30mm、長さ
358mmの円筒状アルミニウムシリンダー404上
に、高周波電源407の発振周波数を105MHzとし
て、表3に示す条件で電子写真用感光体を作製した。但
し、ホルダー405は図6に示す構成とした。図6にお
いて、ホルダー600は円筒状のホルダー母体601、
円筒状のホルダーキャップ602よりなる。ホルダー母
体601の下部、ホルダーキャップ602には第1の反
射部603、第2の反射部604、第3の反射部605
が設けられている。反射部603、604、605の構
成は図9(C)に示した構成となっている。即ち、ホル
ダー母体601は反射部603、604、605を除い
てアルミニウム製であり、アルミナ製の反射部603、
604、605がアルミニウム部の外周に設置された構
成となっている。ホルダーキャップ602も同様に、反
射部603、604、605を除いてアルミニウム製で
あり、アルミナ製の反射部603、604、605がア
ルミニウム部の外周に設置された構成となっている。反
射部603、604、605の厚さはいずれも5mmと
した。
【0058】ホルダー100の長さLは0.508mで
あり、高周波電源407の発振周波数(105MHz)
に対して、 L(m)>0.05×(3×108)/f(Hz) の範囲となっている。更に、円筒状アルミニウムシリン
ダー404の長さlも高周波電源407の発振周波数
(105MHz)に対して、 l(m)>0.01×(3×108)/f(Hz) の範囲となっている。このようなホルダー600への基
体の載置は、ホルダー母体601に、まず、基体404
を、次いでホルダーキャップ602をはめ込むことによ
りなされる。この際、基体404はホルダー母体60
1、及びホルダーキャップ602との接触によりこれら
と導通状態にある。
【0059】基体404端部と第1の反射部603の間
の距離、第1の反射部603と第2の反射部604の間
の距離、第2の反射部604と第3の反射部605の間
の距離、第3の反射部605とホルダー母体601端部
またはホルダーキャップ602端部との距離は、いずれ
も1.5cmとした。ホルダー端部から最も遠い反射部
である第1の反射部603とホルダー母体601端部ま
たはホルダーキャップ602端部との距離Rは6cmで
ある。このようなホルダー600を用いて、実施例1と
同様の手順で感光体形成を行った。
【0060】(比較例2)比較例2においては、ホルダ
ー600には第1の反射部603、第2の反射部60
4、第3の反射部605を設けない以外は実施例2と同
様にして、表3に示す条件で電荷注入阻止層、光導電
層、表面層からなる感光体を作製した。このようにして
実施例2、比較例2で作製されたa−Si感光体を本テ
スト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6030
により、実施例1と同様の具体的評価法により、「帯電
能」、「感度」、「光メモリー」、「白ぽち」、「画像
濃度むら」の5項目について評価を行なった。
【0061】評価結果を表4に示す。表4において、評
価結果は、比較例2の結果を基準とし、「帯電能」、
「感度」に関しては、基準に対して15%以上の良化を
◎、6%以上10%未満の良化を◎〜○、2%以上6%
未満の良化を○、2%未満の良化を△、悪化を×で示し
た。また、「光メモリー」、「白ぽち」、「画像濃度む
ら」に関しては、基準に対して50%以上の良化を◎、
25%以上50%未満の良化を◎〜〇、10%以上25
%未満の良化を〇、10%末満の良化を△、悪化を×で
示した。「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「白
ぽち」、「画像濃度むら」いずれの項目においても実施
例2と比較例2の間に明確な差が認められ、本発明の効
果が確認された。また、実施例2で作製された電子写真
感光体を用いて形成された電子写真画像は、画像流れ等
もない極めて良好なものであった。
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】 [実施例3]実施例3においては、図7に示す構成の装
置を用い、直径80mm、長さ358mmの円筒状アル
ミニウムシリンダー704上に表5に示す条件で電荷輸
送層、電荷発生層、表面層からなる電子写真用感光体を
作製した。図7において、図7(a)は概略断面図、図
7(b)は図1(a)の切断線A−A’に沿う概略断面
図である。反応容器701内には、アルミナで形成さ
れ、真空封止可能な円筒状壁面702が設けられてい
る。原料ガスが分解される成膜空間は、円筒状壁面70
2により、円筒状基体704を内包する円柱状領域に制
限されている。円筒状壁面702の内面は、ブラスト加
工により、表面粗さを2.5mmを基準長とするRzで
20μmとした。
【0064】円筒状壁面702内には、6本の基体70
4が設置され、更には基体704を所望の温度に制御す
るための温度制御装置713、及び円筒状壁面702内
に原料ガスを供給するためのガス供給管706が設けら
れている。ガス供給管706は、内径10mm、外径1
3mmのアルミナ製パイプで、端部が封止された構造と
し、パイプ上に設けられた直径1.2mmのガス噴出口
より原料ガス供給可能な構造のものを用いた。ガス供給
管706の設置位置は円筒状基体配置円内とし、円筒状
基体704の配置円と中心を同じくする同一円周上に等
間隔で3本配置した。ガス供給管706の表面は、ブラ
スト加工により、表面粗さを2.5mmを基準長とする
Rzで20μmとした。
【0065】円筒状壁面702の外部には円筒状壁面7
02内に高周波電力を導入するための高周波電極703
が等間隔で6本設けらている。高周波電極703は、直
径20mmのSUS製円柱とした。高周波電源707よ
り出力された高周波電力はマッチングボックス708を
介して高周波電極703へ供給される。高周波電極70
3の先端には高周波電極703上の高周波電界定在波比
低減のために30pFのコンデンサ(不図示)が設けら
れている。反応容器701はアルミニウム製円筒状容器
であり、高周波電極703から放出される高周波電力の
シールド手段を兼ねている。
【0066】ホルダー705、基体704はモータ71
1により、回転軸710、ギア712を介して回転可能
となっている。また、ガス供給管706より円筒状壁面
702内に導入されたガスは反応容器701の下部に設
けられた排気口709より不図示の排気装置により排気
される。ホルダー705は図1に示す構成のものとし、
反射部103を除いた部分はアルミニウム製とした。ま
た、反射部103はアルミナで形成し、ホルダー母材の
アルミニウムによって挟まれた部分の厚さは1mmとし
た。
【0067】このような装置を用い、高周波電源707
の発振周波数を30MHz、50MHz、100MH
z、200MHz、450MHz、600MHzとし
て、実施例1と同様の手順により電子写真用感光体を作
製した。なお、ホルダー705上の反射部103の設置
位置は、反射部103と反射端として作用するホルダー
705端部の長さR(m)が、高周波電力の周波数f
(Hz)に対して、 R=0.012×(3×108)/f となる位置とした。また、ホルダー100の長さLは
0.658mであり、高周波電源707の発振周波数に
対して、 L(m)>0.05×(3×108)/f(Hz) の範囲となっている。更に、円筒状アルミニウムシリン
ダー704の長さlも高周波電源407の発振周波数
(105MHz)に対して、 l(m)>0.01×(3×108)/f(Hz) の範囲となっている。
【0068】(比較例3)比較例3においては、ホルダ
ー705に反射部103を設けない以外は実施例3と同
様にして、表5に示す条件で電荷輸送層、電荷発生層、
表面層からなる感光体を作製した。このようにして作製
されたa−Si系感光体を本テスト用に改造されたキヤ
ノン製の複写機NP−6750に設置し、感光体の特性
評価を行なった。評価項目は、「帯電能」、「感度」、
「光メモリー」、「白ぽち」、「画像濃度むら」の5項
目とし、実施例1と同様の具体的評価法により各項目の
評価を行なった。
【0069】評価結果を表6に示す。表6において、評
価結果は同時に形成される6本の感光体の平均値によ
り、比較例3の結果を基準とし、「帯電能」、「感度」
に関しては、基準に対して15%以上の良化を◎、6%
以上10%未満の良化を◎〜〇、2%以上6%未満の良
化を○、2%未満の良化を△、悪化を×で示した。ま
た、「光メモリー」、「白ぽち」、「画像濃度むら」に
関しては、基準に対して50%以上の良化を◎、25%
以上50%未満の良化を◎〜○、10%以上25%未満
の良化を○、10%未満の良化を△、悪化を×で示し
た。
【0070】「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、
「白ぽち」、「画像濃度むら」いずれの項目においても
実施例3と比較例3の間に明確な差が認められ、特に高
周波電力の周波数が50MHz以上、450MHz以下
において特に顕著な差が認められた。このことから、本
発明による「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、
「白ぽち」、「画像濃度むら」に対する効果が確認さ
れ、特に高周波電力の周波数が50MHz以上、450
MHz以下において、より顕著な効果が得られることが
確認された。また、実施例3で作製された電子写真感光
体を用いて形成された電子写真画像は、画像流れ等もな
い極めて良好なものであった。
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】 [実施例4]実施例4においては、図5に示す構成の装
置を用い、直径80mm、長さ358mmの円筒状アル
ミニウムシリンダー504上に、高周波電源507の発
振周波数を80MHzとして、表7に示す条件で電子写
真用感光体を作製した。図5において、第2の高周波電
源515より出力される高周波電力の周波数は50MH
zとした。また、高周波電力端子514はホルダー50
5と1mmの間隔を有して設置され、ホルダー505と
非接触で高周波電力を伝送する構成とした。なお、ホル
ダー505は図1において反射部103を除去した構成
のものを用いた。
【0073】高周波電極503は直径20mmのSUS
製円柱であり、その外部を内径21mm、外径24mm
のアルミナ製パイプにより覆う構造とした。アルミナ製
パイプはブラスト加工により、表面粗さを2.5mmを
基準長とするRzで20μmとした。このような高周波
電極503は、円筒状基体504を取り囲むように同一
円周上に等間隔で4本配置した。高周波電極503の先
端には高周波電極503上の高周波電界定在波比低減の
ための30pFのコンデンサ(不図示)が設けられてい
る。
【0074】ガス供給管506は、内径10mm、外径
13mmのアルミナ製パイプで、端部が封止された構造
とし、パイプ上に設けられた直径1.2mmのガス噴出
口より原料ガス供給可能な構造のものを用いた。ガス供
給管506は円筒状基体504を取り囲むように同一円
周上に等間隔で4本配置し、高周波電極503に対して
周方向に45度ずらした位置とした。ガス供給管506
の表面は、ブラスト加工により、表面粗さを2.5mm
を基準長とするRzで20μmとした。
【0075】このような図5に示した装置を用い、概略
以下のようにして電子写真用感光体を形成した。まず、
ホルダー505に固定された円筒状基体504を反応容
器501内の回転軸510上に設置した。その後、不図
示の排気装置により排気口509を通して反応容器50
1内を排気した。続いて、回転軸510を介して円筒状
基体504をモータ511により10rpmの速度で回
転させ、更にガス供給管506より反応容器501中に
500sccmのArを供給した後、不図示の圧力調整
バルブにより反応容器501内の圧力を70Paに維持
しながら発熱体513により円筒状基体504を250
℃に加熱・制御し、その状態を2時間維持した。
【0076】次いで、Arの供給を停止し、反応容器5
01を不図示の排気装置により排気口509を通して排
気した後、ガス供給管506を介して、表7に示した電
荷注入阻止層形成に用いる原料ガスを導入した。原料ガ
スの流量が設定流量となり、また、反応容器501内の
圧力が安定したのを確認した後、高周波電源507の出
力値を表7に示した電力に設定し、マッチングボックス
508を介して高周波電極503へ高周波電力を供給し
た。同時並行的に、第2の高周波電源515の出力値を
表7に示した電力に設定し、高周波電力端子514を介
してホルダー505に第2の高周波電力を供給した。
【0077】高周波電極503より反応容器501内に
放射された高周波電力によって、原料ガスを励起解離す
ることにより、円筒状基体504上に電荷注入阻止層を
形成した。所定の膜厚の形成が行なわれた後、高周波電
力の供給を止め、続いて原料ガスの供給を停止して電荷
注入阻止層の形成を終えた。同様の操作を複数回繰り返
すことによって、光導電層、表面層を順次形成した。
【0078】(比較例4)比較例4においては、第2の
高周波電源515からの高周波電力の出力を行わない以
外は実施例4と同様にして、表7に示す条件で電荷注入
阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。
このようにして作製されたa−Si系感光体を本テスト
用に改造されたキヤノン製の複写機GP605に設置
し、感光体の特性評価を行なった。評価項目は、「帯電
能」、「感度」、「光メモリー」、「白ぽち」、「画像
濃度むら」の5項目とし、実施例1と同様の具体的評価
法により各項目の評価を行なった。
【0079】評価結果を表6に示す。表6において、評
価結果は比較例4の結果を基準とし、「帯電能」、「感
度」に関しては、基準に対して15%以上の良化を◎、
6%以上10%未満の良化を◎〜○、2%以上6%未満
の良化を○、2%未満の良化を△、悪化を×で示した。
また、「光メモリー」、「白ぽち」、「画像濃度むら」
に関しては、基準に対して50%以上の良化を◎、25
%以上50%未満の良化を◎〜○、10%以上25%未
満の良化を○、10%未満の良化を△、悪化を×で示し
た。「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「白ぽ
ち」、「画像濃度むら」いずれの項目においても実施例
4と比較例4の間に差が認められ、本発明の効果が確認
された。また、実施例4で作製された電子写真感光体を
用いて形成された電子写真画像は、画像流れ等もない極
めて良好なものであった。
【0080】
【表7】
【0081】
【表8】 [実施例5]実施例5においては、図8に示す構成の平
行平板型の堆積膜形成装置を用い、高周波電源807の
出力周波数を300MHzとして、1インチ×2.5イ
ンチのコーニング#7059ガラス基板上に表9に示す
条件でa−Si膜を形成した。図8において、図8
(a)は堆積膜形成装置の概略図、図8(b)は図8
(a)中のホルダー805の概略図である。図8におい
て、801は減圧可能な反応容器であり反応容器801
内には、ホルダー805上に載置された基板804が図
8(b)のように9枚設置され、ホルダー805中に設
けられた不図示の発熱体によって加熱可能となってい
る。ホルダー805はその母体は直径30cmのSUS
製円板とし、SUS製のホルダー支柱812により反応
容器801と導通されている。図8(b)に示したよう
に、ホルダー805の基板載置領域外周には幅2mmの
アルミナ製の反射部810、811が設けられており、
その内部のSUS製部と、外部のSUS製部を絶縁する
構成とした。反射部810と反射部811との距離R
1、反射部811と反射端として作用するホルダー80
5端部との距離R2は共に2cmとした。
【0082】また、反応容器801内には更に、原料ガ
スを供給するための複数のガス供給孔が表面にシャワー
状に設けられた直径30cmのSUS製円板状の高周波
電極803が設置されている。高周波電極803の表面
より反応容器801内に供給されたガスは排気口809
より、不図示の排気装置によって反応容器801外へ排
出される。高周波電極803ヘの高周波電力の供給は、
高周波電源807より出力された高周波電力が、マッチ
ングボックス808を介して電力分割部802中で8分
割された後、高周波電極803へと導かれる。高周波電
極803への高周波電力供給点は、同一円周上等間隔の
8点に行う構成とした。
【0083】このような装置を用い、a−Si膜堆積は
概略以下のようにして行った。まず、ホルダー805上
に固定された9枚の基板804を反応容器801内に設
置した。その後、不図示の排気装置により排気口809
を通して反応容器801内を排気した。続いて、高周波
電極803表面にシャワー状に設けられた直径1mmの
複数のガス供給孔より、反応容器801中に500sc
cmのArを供給した後、不図示の圧力調整バルブによ
り反応容器801内の圧力を70Paに維持しながらホ
ルダー805中に設けられた不図示の発熱体により基板
804を250℃に加熱・制御し、その状態を2時間維
持した。
【0084】次いで、Arの供給を停止し、反応容器8
01を不図示の排気装置により排気口809を通して排
気した後、高周波電極803表面にシャワー状に設けら
れた直径1mmの複数のガス供給孔より、表9に示した
条件の原料ガスを導入した。原料ガスの流量が設定流量
となり、また、反応容器801内の圧力が安定したのを
確認した後、高周波電源807の出力値を表9に示した
電力に設定し、マッチングボックス808を介して高周
波電極803へ高周波電力を供給した。所定の膜厚の形
成が行なわれた後、高周波電力の供給を止め、続いて原
料ガスの供給を停止して堆積膜形成を終えた。
【0085】(比較例5)比較例5においては、ホルダ
ー805に反射部810、811を設けない以外は実施
例5と同様にして、表9に示す条件でa−Si膜形成を
行った。実施例5及び比較例5において形成されたa−
Si膜を以下のように比較・評価した。まず、コーニン
グ#7059ガラス基板上に形成された堆積膜上に、C
r製の250μmギャップの櫛形電極を蒸着した。この
櫛形電極は、1インチ×2.5インチ基板1枚につき6
組形成した。このように電極が形成された堆積膜を、以
下の具体的評価法により評価した。光感度…基板上に得
られた堆積膜の((光導電率σp)/(暗導電率σ
d))を測定することにより評価した。光導電率σp
は、1mW/cm2の強度のHe−Neレーザー(波長
632.8nm)を照射したときの導電率とした。した
がって、光感度の値が大きいほど堆積膜特性が良好であ
ることを示す。本評価においては、この光感度評価は全
ての基板上の全ての電極について行い、その中の最低値
を評価結果とした。評価結果は、比較例5の結果を基準
とし、比較例5の結果に対して10倍以上を◎、6倍以
上10倍未満を◎〜〇、2倍以上6倍未満を○、1倍以
上2倍未満を△、1倍未満を×で示した。
【0086】欠陥密度…CPM(Constant P
hotocurrent Method)法により、価
電子帯端から価電子帯端上(伝導帯側)0.8eVまで
の、欠陥密度を測定した。したがって、欠陥密度の値が
小さいほど堆積膜特性が良好であることを示す。本評価
においては、この欠陥密度評価は全ての基板上の全ての
電極について行い、その中の最高値を評価結果とした。
評価結果は、比較例5の結果を基準とし、比較例5の結
果に対して1/10倍未満を◎、1/10倍以上1/6
倍未満を◎〜○、1/6倍以上1/2倍未満を○、1/
2倍以上1倍未満を△、1倍以上を×で示した。
【0087】むら…光感度評価により得られた、((光
導電率σp)/(暗導電率σd))の最大値をSNma
x、最小値をSNminとして、SNmax/SNmi
nを求めた。従って、この値が小さい方がむらが小さい
ことを示す。評価結果は、比較例5の結果を基準とし、
比較例5の結果に対して1/10倍未満を◎、1/10
倍以上1/6倍未満を◎〜〇、1/6倍以上1/2倍未
満を〇、1/2倍以上1倍未満を△、1倍以上を×で示
した。評価結果を表10に示す。「光感度」、「欠陥密
度」、「むら」いずれの項目においても実施例5と比較
例5の間に明確な差が認められ、本発明の効果が確認さ
れた。
【0088】
【表9】
【0089】
【表10】
【0090】
【発明の効果】以上に、説明したように、本発明によれ
ば、高周波電力によって生起されたプラズマを用いて基
体上に真空処理を施す真空処理装置、真空処理方法及び
基体ホルダーにおいて、真空処理特性の均一性の向上が
可能となり、また、製品品質の向上、良品率向上による
生産コストの低下を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における真空処理装置に用
いるホルダーの一例を示した模式的な構成図である。
【図2】RF帯の周波数を用いたRFプラズマCVD法
による電子写真用光受容部材の製造装置の一例を示した
模式的な構成図である。
【図3】VHF帯の周波数を用いたVHFプラズマCV
D法による電子写真用光受容部材の製造装置の一例を示
した模式的な構成図である。
【図4】本発明の実施の形態及び実施例1及び実施例2
に用いる電子写真用感光体形成装置の一例を示した模式
的な構成図である。
【図5】本発明の実施の形態及び実施例4に用いる電子
写真用感光体形成装置の他の一例を示した模式的な構成
図である。
【図6】本発明の実施例2における電子写真用感光体形
成装置に用いるホルダーの一例を示した模式的な構成図
である。
【図7】本発明の実施例3に用いる電子写真用感光体形
成装置の一例を示した模式的な構成図である。
【図8】本発明の実施例5に用いる真空処理装置の一例
を示した模式的な構成図である。
【図9】本発明の実施の形態における真空処理装置に用
いるホルダーの一例を示した模式的な構成図である。
【符号の説明】
100:ホルダー 101:ホルダー母体 102:ホルダーキャップ 103:反射部 104:基体 2100:堆積装置 2101:反応容器 2111:カソード電極 2112:円筒状基体 2113:基体支持体 2114:原料ガス導入管 2115:マッチングボックス 2116:原料ガス配管 2117:反応容器リークバルブ 2118:メイン排気バルブ 2119:真空計 2200:原料ガス供給装置 2211〜2216:マスフローコントローラー 2221〜2226:原料ガスボンベ 2231〜2236:原料ガスボンベバルブ 2241〜2246:ガス流入バルブ 2251〜2256:ガス流出バルブ 2261〜2266:圧力調整器 301:反応容器 302:カソード電極 303:高周波電源 304:マッチングボックス 305:円筒状基体 307:発熱体 308:回転軸 309:モータ 310:減速ギア 311:排気管 312:原料ガス供給手段 401、501:反応容器 402、502:電力分割部 403、503:高周波電極 404、504:基体 405、505:ホルダー 406、506:ガス供給管 407、507:高周波電源 408、508:マッチングボックス 409、509:排気口 410、510:回転軸 411、511:モータ 412、512:ギア 413、513:発熱体 514:高周波電力端子 515:第2の高周波電源 600:ホルダー 601:ホルダー母体 602:ホルダーキャップ 603:第1の反射部 604:第2の反射部 605:第3の反射部 701:反応容器 702:円筒状壁面 703:高周波電極 704:基体 705:ホルダー 706:ガス供給管 707:高周波電源 708:マッチングボックス 709:排気口 710:回転軸 711:モータ 712:ギア 713:発熱体 801:反応容器 802:電力分割部 803:高周波電極 804:基体 805:ホルダー 806:ガス供給配管 807:高周波電源 808:マッチングボックス 809:排気口 810、811:反射部 903:反射部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田澤 大介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 細井 一人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 白砂 寿康 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 秋山 和敬 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大塚 崇志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 DA00 EA24 EA30 EA36 4K030 AA06 BA30 CA02 CA06 FA03 KA05 LA17 5F045 AB04 AC01 AC08 AC16 AC19 AD06 AE15 AE17 AE19 AF10 BB02 CA16 DA52 DP15 DP27 DQ05 EF05 EH05 EH14 EH15 EH19 EM09

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】減圧可能な反応容器と、該反応容器中に基
    体を載置するための少なくとも一部が導電性材料で構成
    されたホルダーを備え、高周波電力によって生起された
    プラズマによって、該ホルダーに載置された基体上に真
    空処理を施す真空処理装置において、 前記ホルダー上、または該ホルダー及び該ホルダーに載
    置された基体上に生じる高周波電界定在波の定在波比を
    小さくするための定在波抑制手段を有することを特徴と
    する真空処理装置。
  2. 【請求項2】前記定在波抑制手段が、前記ホルダー上を
    伝播する高周波電界に対して実質的に反射部として作用
    する部位を、前記ホルダーに少なくとも1つ設けて構成
    されていることを特徴とする請求項1に記載の真空処理
    装置。
  3. 【請求項3】前記反射部として作用する部位が、前記ホ
    ルダーの基体非設置部に設けられていることを特徴とす
    る請求項2に記載の真空処理装置。
  4. 【請求項4】前記反射部として作用する部位は、インピ
    ーダンスが前記ホルダーの他の領域と異なるようにした
    構造を有していることを特徴とする請求項2〜3に記載
    の真空処理装置。
  5. 【請求項5】前記反射部として作用する部位の構造が、
    コンデンサ構造であることを特徴とする請求項4に記載
    の真空処理装置。
  6. 【請求項6】前記コンデンサ構造の反射部において、該
    反射部を構成する材料が絶縁性材料であることを特徴と
    する請求項5に記載の真空処理装置。
  7. 【請求項7】前記絶縁性材料が、アルミナ、窒化アルミ
    ナ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭化珪素、炭化ホウ素より
    選ばれる材料のうちの1つ、または2つ以上の材料で構
    成されていることを特徴とする請求項6に記載の真空処
    理装置。
  8. 【請求項8】前記反射部として作用する部位の構造が、
    コイル構造であることを特徴とする請求項4に記載の真
    空処理装置。
  9. 【請求項9】前記コイル構造の反射部において、該反射
    部を構成する材料が導電性材料、または他のホルダー領
    域と透磁率が異なる磁性材料であることを特徴とする請
    求項8に記載の真空処理装置。
  10. 【請求項10】前記反射部として作用する部位の最表面
    材料が前記ホルダーの他領域の最表面材料と異なる材料
    によって構成されていることを特徴とする請求項4に記
    載の真空処理装置。
  11. 【請求項11】前記反射部として作用する部位の最表面
    材料が絶縁性材料であることを特徴とする請求項10に
    記載の真空処理装置。
  12. 【請求項12】前記反射部として作用する部位の最表面
    材料がアルミナ、窒化アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ
    素、炭化珪素、炭化ホウ素より選ばれる材料のうちの1
    つ、または2つ以上の材料で構成されていることを特徴
    とする請求項11に記載の真空処理装置。
  13. 【請求項13】前記反射部として作用する部位のうち、
    前記ホルダーの端部から最も遠い部位と前記ホルダーの
    端部との最短距離をR(m)とするとき、該最短距離R
    (m)が前記プラズマを生起させるための高周波電力の
    周波数f(Hz)に対して、 R≧0.01×(3×108)/f の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
    請求項2〜12のいずれか1項に記載の真空処理装置。
  14. 【請求項14】前記定在波抑制手段が、前記ホルダーに
    前記高周波電力とは異なる第2の周波数の高周波電力を
    供給する手段によって構成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の真空処理装置。
  15. 【請求項15】前記第2の高周波電力の周波数をf2
    (Hz)とするとき、該f2(Hz)が前記プラズマを
    生起させるための高周波電力の周波数f(Hz)に対し
    て、 0.1≦|f−f2|/f<0.5 の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
    請求項14に記載の真空処理装置。
  16. 【請求項16】前記プラズマを生起させるための高周波
    電力と前記第2の高周波電力とにおいて、これらの電力
    比率に関して前記プラズマを生起させるための高周波電
    力の電力をP、前記第2の高周波電力の電力をP2とす
    るとき、 0.01≦(P2/P)≦0.5 の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
    請求項14に記載の真空処理装置。
  17. 【請求項17】前記高周波電力は、周波数が50MHz
    以上、450MHz以下とされていることを特徴とする
    請求項1〜16のいずれか1項に記載の真空処理装置。
  18. 【請求項18】前記基体は、筒状または柱状であること
    を特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の真
    空処理装置。
  19. 【請求項19】前記ホルダーにおいて、該ホルダーの端
    部間を結ぶ線路のうち最も長いものの長さをL(m)と
    するとき、該ホルダーの長さL(m)が前記プラズマを
    生起させるための高周波電力の周波数f(Hz)に対し
    て、 L>0.05×(3×108)/f の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
    請求項1〜18のいずれか1項に記載の真空処理装置。
  20. 【請求項20】前記基体において、該基体の最長部の長
    さをl(m)とするとき、該基体の長さl(m)が前記
    プラズマを生起させるための高周波電力の周波数f(H
    z)に対して、 l>0.01×(3×108)/f の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
    請求項1〜19のいずれか1項に記載の真空処理装置。
  21. 【請求項21】前記真空処理装置が、電子写真用感光体
    形成装置であることを特徴とする請求項1〜20のいず
    れか1項に記載の真空処理装置。
  22. 【請求項22】減圧可能な反応容器中に、少なくとも一
    部が導電性材料で構成されたホルダー上に載置された基
    体を設置し、高周波電力によって生起されたプラズマを
    用いて該基体上に真空処理を施す真空処理方法におい
    て、 前記ホルダー上、または該ホルダー及び該基体上に生じ
    る高周波電界の定在波を抑制して、前記真空処理を施す
    ことを特徴とする真空処理方法。
  23. 【請求項23】前記定在波を抑制するに際して、該ホル
    ダーに、ホルダー上を伝播する高周波電界に対して実質
    的に反射部として作用する部位を少なくとも1つ設けた
    構成のホルダーを用い、前記高周波電界定在波における
    定在波比を小さくして、前記真空処理を施すことを特徴
    とする請求項22に記載の真空処理方法。
  24. 【請求項24】前記反射部として作用する部位が、前記
    ホルダーの基体非設置部に設けられていることを特徴と
    する請求項23に記載の真空処理方法。
  25. 【請求項25】前記反射部として作用する部位を、イン
    ピーダンスが前記ホルダーの他の領域と異なるようにし
    た構造として、前記真空処理を施すことを特徴とする請
    求項23または請求項24に記載の真空処理方法。
  26. 【請求項26】前記反射部として作用する部位の構造
    が、コンデンサ構造であることを特徴とする請求項25
    に記載の真空処理方法。
  27. 【請求項27】前記コンデンサ構造の反射部において、
    該反射部を構成する材料が絶縁性材料であることを特徴
    とする請求項26に記載の真空処理方法。
  28. 【請求項28】前記絶縁性材料が、アルミナ、窒化アル
    ミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭化珪素、炭化ホウ素よ
    り選ばれる材料のうちの1つ、または2つ以上の材料で
    構成されていることを特徴とする請求項27に記載の真
    空処理方法。
  29. 【請求項29】前記反射部として作用する部位の構造
    が、コイル構造であることを特徴とする請求項25に記
    載の真空処理方法。
  30. 【請求項30】前記コイル構造の反射部において、該反
    射部を構成する材料が導電性材料、または他のホルダー
    領域と透磁率が異なる磁性材料であることを特徴とする
    請求項29に記載の真空処理方法。
  31. 【請求項31】前記反射部として作用する部位の最表面
    材料が前記ホルダーの他領域の最表面材料と異なる材料
    によって構成されていることを特徴とする請求項25に
    記載の真空処理方法。
  32. 【請求項32】前記反射部として作用する部位の最表面
    材料が絶縁性材料であることを特徴とする請求項31に
    記載の真空処理方法。
  33. 【請求項33】前記反射部として作用する部位の最表面
    材料がアルミナ、窒化アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ
    素、炭化珪素、炭化ホウ素より選ばれる材料のうちの1
    つ、または2つ以上の材料で構成されていることを特徴
    とする請求項32に記載の真空処理方法。
  34. 【請求項34】前記反射部として作用する部位のうち、
    前記ホルダーの端部から最も遠い部位と前記ホルダーの
    端部との最短距離をR(m)とするとき、該最短距離R
    (m)が前記プラズマを生起させるための高周波電力の
    周波数f(Hz)に対して、 R≧0.01×(3×108)/f の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
    請求項23〜33のいずれか1項に記載の真空処理方
    法。
  35. 【請求項35】前記定在波抑制手段が、前記ホルダーに
    前記高周波電力とは異なる第2の周波数の高周波電力を
    供給する手段によって構成されていることを特徴とする
    請求項22に記載の真空処理方法。
  36. 【請求項36】前記第2の高周波電力の周波数をf2
    (Hz)とするとき、該f2(Hz)が前記プラズマを
    生起させるための高周波電力の周波数f(Hz)に対し
    て、 0.1≦|f−f2|/f<0.5 の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
    請求項35に記載の真空処理方法。
  37. 【請求項37】前記プラズマを生起させるための高周波
    電力と前記第2の高周波電力とにおいて、これらの電力
    比率に関して前記プラズマを生起させるための高周波電
    力の電力をP、前記第2の高周波電力の電力をP2とす
    るとき、 0.01≦(P2/P)≦0.5 の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
    請求項35に記載の真空処理方法。
  38. 【請求項38】前記高周波電力として、周波数が50M
    Hz以上、450MHz以下の高周波電力を用いること
    を特徴とする請求項22〜37のいずれか1項に記載の
    真空処理方法。
  39. 【請求項39】前記基体は、筒状または柱状の基体を用
    いることを特徴とする請求項22〜38のいずれか1項
    に記載の真空処理方法。
  40. 【請求項40】前記ホルダーにおいて、該ホルダーの端
    部間を結ぶ線路のうち最も長いものの長さをL(m)と
    するとき、該ホルダーの長さL(m)が前記プラズマを
    生起させるための高周波電力の周波数f(Hz)に対し
    て、 L>0.05×(3×108)/f の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
    請求項22〜39のいずれか1項に記載の真空処理方
    法。
  41. 【請求項41】前記基体において、該基体の最長部の長
    さをl(m)とするとき、該基体の長さl(m)が前記
    プラズマを生起させるための高周波電力の周波数f(H
    z)に対して、 l>0.01×(3×108)/f の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
    請求項22〜40のいずれか1項に記載の真空処理方
    法。
  42. 【請求項42】前記真空処理装置が、電子写真用感光体
    形成装置であることを特徴とする請求項22〜41のい
    ずれか1項に記載の真空処理方法。
  43. 【請求項43】減圧可能な反応容器中において高周波電
    力が供給されプラズマ処理される基体に接して設けられ
    る少なくとも一部が導電性材料で構成されたホルダーに
    おいて、該ホルダーは該基体上に生じる高周波電界の定
    在波を抑制するための高周波反射部を有することを特徴
    とする基体ホルダー。
  44. 【請求項44】前記反射部として作用する部位の材料が
    前記ホルダーの他領域の材料と異なる材料によって構成
    されていることを特徴とする請求項44に記載の基体ホ
    ルダー。
  45. 【請求項45】前記反射部として作用する部位の表面材
    料が絶縁性材料であることを特徴とする請求項44に記
    載の基体ホルダー。
  46. 【請求項46】前記反射部として作用する部位の材料が
    アルミナ、窒化アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭化
    珪素、炭化ホウ素より選ばれる材料のうちの1つ、また
    は2つ以上の材料で構成されていることを特徴とする請
    求項44または請求項45のいずれか1項に記載の基体
    ホルダー。
  47. 【請求項47】前記反射部として作用する部位のうち、
    前記ホルダーの端部から最も遠い部位と前記ホルダーの
    端部との最短距離をR(m)とするとき、該最短距離R
    (m)が前記プラズマを生起させるための高周波電力の
    周波数f(Hz)に対して、 R≧0.01×(3×108)/f の関係を満たすように構成されていることを特徴とする
    請求項43〜46のいずれか1項に記載の基体ホルダ
    ー。
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WO2019035223A1 (ja) * 2017-08-14 2019-02-21 株式会社Kokusai Electric プラズマ生成装置、基板処理装置および半導体装置の製造方法
JPWO2019035223A1 (ja) * 2017-08-14 2020-04-16 株式会社Kokusai Electric プラズマ生成装置、基板処理装置および半導体装置の製造方法

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