JP2002080968A - Cvd装置 - Google Patents
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Abstract
真空容器の内部がプラズマ生成空間と成膜処理空間とに
隔離され、プラズマ生成空間で生成された活性種が隔壁
部の貫通孔を通してのみ成膜処理空間に導入されると共
に、隔壁部に外部から供給された材料ガスが、プラズマ
生成空間から隔離されかつ成膜処理空間と複数の拡散孔
を介して通じている隔壁部の内部空間及び前記拡散孔を
介して成膜処理空間に導入され、このように成膜処理空
間に導入された活性種と材料ガスとで、基板に成膜を行
うCVD装置において、プラズマの安定性を高め、高い
製品歩留まりを維持し、かつ安定的に連続稼動でき、大
面積にわたり膜厚及び膜質が均一な成膜を可能ならしめ
るCVD装置を提供する。 【解決手段】 導電性隔壁部(14)の貫通孔(25)
を、成膜処理空間(16)側の孔径が、プラズマ生成空
間(15)側の孔径と同等、又は、大きくなるように形
成することによって課題を解決した。また、貫通孔(2
5)を、導電性隔壁部(14)から独立した構造体(3
0)によって形成して課題を解決した。
Description
l Vapor Deposition)(本明細書において「CVD」と
表す)に関し、特に、大型のフラットパネル基板への成
膜に適したCVD装置に関するものである。
て、従来、高温ポリシリコン型TFT(薄膜トランジス
タ)を利用するものと、低温ポリシリコン型TFTを利
用するものとが知られている。高温ポリシリコン型TF
Tを利用する作製方法では、高品質な酸化膜を得るため
に、1000℃以上の高温に耐える石英基板が使用され
ていた。これに対して低温ポリシリコン型TFTの作製
においては、通常のTFT用ガラス基板を使用するた
め、低温環境(例えば400℃)で成膜を行う必要があ
る。低温ポリシリコン型TFTを利用して液晶ディスプ
レイを製作する方法は、特別な基板を使用する必要がな
く、成膜条件の設定が簡単であるという利点を有し、近
年実用化され、その生産量は拡大しつつある。
ディスプレイの作製で、低温でゲート絶縁膜として適当
なシリコン酸化膜を成膜する場合、プラズマCVDが使
用される。
膜する際、代表的な材料ガスとしてはシラン、テトラエ
トキシシラン(TEOS)などが使用される。
によるCVDでシリコン酸化膜を成膜する場合、従来の
プラズマCVD装置によれば、基板の前面空間に材料ガ
スと酸素などを導入し、材料ガスと酸素の混合ガスでプ
ラズマを生成し、当該プラズマに対して基板を晒すこと
により、当該基板の表面上にシリコン酸化膜を形成する
ようにしていた。このように従来のプラズマCVD装置
では、材料ガスは、プラズマCVD装置内に生成された
プラズマ中に直接的に供給するように構成されていた。
このため、従来のプラズマCVD装置の構成によれば、
基板の前面空間に存在するプラズマから基板の成膜面に
対して高エネルギーのイオンが入射し、シリコン酸化膜
にダメージを与え、膜特性が悪化するという問題が存在
した。さらにプラズマ中に材料ガスが直接的に導入され
るため、材料ガスとプラズマが激しく反応してパーティ
クルが発生し、これによって歩留まりが低下するという
問題もあった。
願である特開2000−345349号により、従来か
らある遠隔プラズマ方式のCVD装置の改善が試みら
れ、新たなCVD装置が提案されている。
されたCVD装置は、真空容器内でプラズマを生成して
活性種(ラジカル)を発生させ、この活性種と材料ガス
で基板に成膜処理を行う装置である。真空容器には、真
空容器の内部を二室に隔離する導電性の隔壁部が設けら
れている。これらの2室のうち、一方の室の内部は高周
波電極が配置されたプラズマ生成空間として形成され、
他方の室の内部は基板を搭載する基板保持機構が配置さ
れた成膜処理空間として形成される。この導電性隔壁部
は、プラズマ生成空間と成膜処理空間を通じさせる複数
の貫通孔を有していると共に、プラズマ生成空間と隔離
され、かつ成膜処理空間と複数の拡散孔を介して通じて
いる内部空間を有している。この導電性隔壁部の内部空
間に外部から供給された材料ガスが、複数の拡散孔を通
して前記成膜処理空間に導入される。一方、プラズマ生
成空間で生成された活性種は、導電性隔壁部に形成され
た複数の貫通孔を通して成膜処理空間に導入される。こ
こで、前記の貫通孔及び拡散孔の大きさ(長さ及び径
等)・構造は、貫通孔に関しては成膜処理空間に導入さ
れた材料ガスがプラズマ生成空間に逆拡散しないような
大きさ(長さ及び径等)・構造に、拡散孔に関しては成
膜処理空間に導入された活性種が導電性隔壁部の内部空
間に逆拡散しないような大きさ(長さ及び径等)・構造
にされている。
されたCVD装置によって、ガラス基板上に成膜された
シリコン酸化膜の膜特性の悪化を防止し、製品の歩留ま
りの改善を図ることができた。
提案されたCVD装置によって、370mm×470m
mというような大面積のガラス基板上にシリコン酸化膜
を成膜すると、シリコン酸化膜の膜厚、膜質ともに、そ
れらの均一さの面において不十分となることがあった。
これは、図5に拡大して図示した特開2000−345
349号で提案したCVD装置の導電性隔壁部14にお
いては、導電性隔壁部14により分割されたプラズマ生
成空間15側と成膜処理空間16側とを通じさせる貫通
孔25のプラズマ生成空間15側の開口部の内部空間3
2で、局在的な異常放電(ホローカソード放電)が誘発
されることによりプラズマが不安定な状態になることが
あったためと考えられる。
たシリコン酸化膜の膜質、膜厚の均一性を左右する導電
性隔壁部の貫通孔は、材料ガスが充満した導電性隔壁部
の内部空間からのガス漏れの防止や、貫通孔部での異常
放電の防止、更に、良好な中性の励起種の輸送等を実現
させる重要な機能をもたせるため、製作上、精巧さが最
も要求される部分である。
提案されたCVD装置に対して、基板上に成膜される膜
厚の均一性向上といった性能面はもとより、最適な貫通
孔の構造、及び、作製手段の充分な検討を加える余地が
残されていた。
ポリシリコン型TFTを利用した大型液晶ディスプレイ
の作製等で、プラズマを利用するCVDに基づき、シラ
ン等の材料ガスを用いてシリコン酸化膜等を大面積基板
に成膜する場合において、材料ガスのプラズマ生成領域
への逆拡散などを防止した特開2000−345349
号で新たに提案した前述のCVD装置に対し、プラズマ
の安定性を高めることで、高い製品歩留まりを維持し、
かつ安定的に連続稼動できることにより、大面積にわた
り膜厚及び膜質が均一な成膜を可能ならしめるCVD装
置を提供することにある。
からのガス漏れの防止、プラズマ生成空間側から成膜処
理空間側へ通じる貫通孔部での異常放電の防止、プラズ
マ生成空間側からの効率的な中性の励起種の輸送等、貫
通孔を中心とした導電性隔壁部がはたすべき多くの機能
を安定的に維持できるCVD装置を提供することにあ
る。
は、上記目的を達成するため次の構造をとる。
容器内でプラズマを生成して活性種を発生させ、この活
性種と材料ガスで基板に成膜を行うCVD装置である。
真空容器にはその内部を二室に隔離する導電性隔壁部が
真空容器内に設けられており、隔離された前記二室のう
ち、一方の室の内部は高周波電極が配置されたプラズマ
生成空間として、他方の室の内部は基板を搭載する基板
保持機構が配置された成膜処理空間としてそれぞれ形成
されている。前記導電性隔壁部は、前記プラズマ生成空
間と前記成膜処理空間を通じさせる複数の貫通孔を有し
ていると共に、前記プラズマ生成空間から隔離されかつ
前記成膜処理空間と複数の拡散孔を介して通じている内
部空間を有している。そして、前記導電性隔壁部の内部
空間に外部から供給された材料ガスが前記複数の拡散孔
を通して前記成膜処理空間に導入され、前記高周波電極
に高周波電力を与えて前記プラズマ生成空間でプラズマ
放電を発生させることにより前記プラズマ生成空間で生
成された前記活性種が、前記導電性隔壁部の複数の貫通
孔を通して前記成膜処理空間に導入されるCVD装置で
ある。
プラズマを生成し、シラン等の材料ガスを用いて基板の
表面に薄膜を堆積する構成において、処理室である真空
容器の内部空間を、導電性隔壁部で隔離することによっ
て、プラズマを生成するプラズマ生成空間と成膜処理空
間とに分離し、成膜処理空間に配置された基板の処理表
面がプラズマに晒されない構成が採用されている。また
導電性隔壁部によって隔離されていることから、成膜処
理空間に導入された材料ガスがプラズマ生成空間側に移
動することが十分に制限される。すなわち、導電性隔壁
部には複数の貫通孔が形成され、導電性隔壁部の両側の
プラズマ生成空間と成膜処理空間は貫通孔を通してのみ
つながっているが、当該貫通孔に関しては、成膜処理空
間に導入された材料ガスがプラズマ生成空間側に逆拡散
するのを防ぐ大きさ・構造が採用されている。
は、先の出願である特開2000−345349号にお
いて提案しているuL/D>1の条件を満たすものであ
る。ここで、uは、貫通孔内でのガス流速、すなわち、
プラズマ生成空間に導入され、活性種を生成して成膜に
寄与するガス、例えば酸素ガスの貫通孔内での流速を表
すものである。また、Lは、図3、図4に図示している
ように、実質的な貫通孔の長さを表すものである。な
お、この場合、Lは貫通孔の直径が最小の部分における
貫通孔の長さである。更に、Dは、相互ガス拡散係数、
すなわち2種のガス(材料ガス、例えば、シランガス
と、プラズマ生成空間に導入され、活性種を生成して成
膜に寄与するガス、例えば酸素ガス)の相互ガス拡散係
数を表すものである。なお、拡散孔にも、導電性隔壁部
の内部空間に外部から供給され拡散孔を通して成膜処理
空間に導入されている材料ガスの拡散孔内での流速をu
としたときに(但し、希釈ガスがある場合には、材料ガ
スと希釈ガスとの混合ガスの拡散孔内での流速をuとし
たときに)、貫通孔に適用されている前記条件(uL/
D>1)が適用されるようにしておけば、成膜処理空間
に導入された活性種が、隔壁部の内部空間内へ逆拡散す
ることを防止する上で効果的であり、本発明のCVD装
置における隔壁部の貫通孔、拡散孔は、前記の条件を満
たすようにして形成されている。
VD装置において、前記貫通孔は、成膜処理空間側の孔
径が、プラズマ生成空間側の孔径と同等、又は、大きく
なるように形成されている点にある。
マ生成空間側の孔径と同等、又は、大きくなるように形
成されている貫通孔の形状としては、プラズマ生成空間
側から成膜処理空間側に向う円筒状の形状、又は、プラ
ズマ生成空間側から成膜処理空間側に向かう円筒状部分
と当該円筒状部分に連続して拡径する円錐状部分とから
なる形状などを採用することができる。
することによって、ホローカソード放電の条件を満たす
部分を排除できる。そこで、プラズマの安定性を高める
と共に、プラズマ生成空間側から成膜処理空間側へ通じ
る貫通孔部のプラズマ生成空間側での異常放電を防止で
き、プラズマ生成空間側からの効率的な中性の励起種の
輸送を図ることができる。また、高い製品歩留まりを維
持しつつ、安定的に連続稼動できることにより、大面積
にわたり膜厚及び膜質が均一な成膜を可能ならしめるC
VD装置を提供することができる。
前記貫通孔は、前記導電性隔壁部から独立した構造体に
よって形成することができる。
通孔が独立の構造体として導電性隔壁部の内部空間と隔
絶されるため、材料ガスが充満した導電性隔壁部の内部
空間から貫通孔へのガス漏れ防止が図られたCVD装置
を提供することができる。
を添付図面に基づいて説明する。
装置の実施形態を説明する。図1、図2において、この
CVD装置では、好ましくはシランを材料ガスとして使
用し、通常のTFT用ガラス基板11の上面にシリコン
酸化膜をゲート絶縁膜として成膜する。CVD装置の容
器12は、成膜処理を行う際、排気機構13によってそ
の内部が所望の真空状態に保持される真空容器である。
排気機構13は真空容器12に形成された排気ポート1
2b−1に接続されている。
電性部材で作られた隔壁部14が設けられており、平面
形状が例えば矩形の隔壁部14は、その周縁部が導電材
固定部22の下面に押さえ付けられて密閉状態を形成す
るように配置されている。
4によって上下の2つの室に隔離されて、上側の室はプ
ラズマ生成空間15を形成し、下側の室は成膜処理空間
16を形成する。隔壁部14は、所望の特定の厚みを有
し、かつ全体的に平板状の形態を有し、さらに真空容器
12の水平断面形状に類似した平面形状を有する。隔壁
部14には内部空間24が形成されている。
けられた基板保持機構17の上に配置されている。ガラ
ス基板11は隔壁部14に実質的に平行であって、その
成膜面(上面)が隔壁部14の下面に対向するように配
置されている。
同じ電位である接地電位41に保持される。さらに基板
保持機構17の内部にはヒータ18が設けられている。
このヒータ18によってガラス基板11の温度は所定の
温度に保持される。
12は、その組立て性を良好にする観点から、プラズマ
生成空間15を形成する上容器12aと、成膜処理空間
16を形成する下容器12bとから構成される。上容器
12aと下容器12bを組み合わせて真空容器12を作
るとき、両者の間の位置に隔壁部14が設けられる。隔
離部14は、その周縁部が、真空容器12と同電位の導
電材固定部22に接触するようにして取り付けられる。
これによって、隔壁部14の上側と下側に、隔離された
プラズマ生成空間15と成膜処理空間16が形成され
る。隔壁部14と上容器12aとによってプラズマ生成
空間15が形成される。
の実施形態においては、プラズマ生成空間15において
プラズマ19が生成されている領域は、隔壁部14と上
容器12a及びこれらのほぼ中央位置に配置される板状
の電極(高周波電極)20とから形成されている。電極
20には複数の電極孔20aが形成されている。電極2
0は、上容器12aの側部内面に沿って設けられた2つ
の絶縁部材21a、21bによって支持され、固定され
る。上容器12aの天井部には、電極20に接続された
電力導入棒29が設けられている。電力導入棒29によ
って電極20に放電用高周波電力が給電される。電極2
0は高周波電極として機能する。電力導入棒29は、絶
縁物31で被われており、他の金属部分との絶縁が図ら
れている。
地電位41となっている。
成空間15へ酸素ガスを導入する酸素ガス導入パイプ2
3aと、フッ化ガス等のクリーニングガスを導入するク
リーニングガス導入パイプ23bが設けられている。
てプラズマ生成空間15と成膜処理空間16に隔離され
るが、隔壁部14には成膜処理空間16に導入された材
料ガスがプラズマ生成空間15側に逆拡散するのを防ぐ
大きさ(長さ及び径等)・構造の複数の貫通孔25が、
内部空間24を貫通する状態で均等に形成されており、
これらの貫通孔25を介してのみプラズマ生成空間15
と成膜処理空間16はつながっている。
構造の概略拡大図であり、図4は隔壁部14の他の実施
形態の断面方向から見た内部構造の概略拡大図である。
よって形成されている。そこで、貫通孔25は、隔壁部
14作製時に隔壁部14と別工程で微細加工することが
でき、このように微細加工された貫通孔25を有する独
立した構造体30が最終工程で隔壁部14本体に組み込
まれ、図3、図4図示のように、かしめて固定される。
成されており、形状は直方体又は円筒状であるが、これ
らに限定されるものではない。なお、構造体30は、隔
壁部14全体が基板などから熱を受け、温度が上がるこ
とを考慮し、その様な場合であっても隔壁部14と構造
体30との間に隙間が発生することがないように隔壁部
14を構成する部材と同等の熱膨脹率を有し、更に、貫
通孔25を介しての励起種の輸送性や加工性に問題のな
い材料であれば、種々の材料を用いて形成することがで
きる。
4は、隔壁部14に外部から導入された材料ガスを拡散
させて均一に成膜処理空間16に供給するための空間で
ある。さらに隔壁部14の下部板27cには材料ガスを
成膜処理空間16に供給する複数の拡散孔26が形成さ
れている。
入するための材料ガス導入パイプ28が接続されている
(図1、図2)。材料ガス導入パイプ28は側方から接
続されるように配置されている。
散孔26から均一に供給されるように、複数の孔を有す
るように穿孔された均一板27bがほぼ水平に設けられ
ている。隔壁部14の内部空間24は、均一板27bに
よって上下の2つの空間部分に分けられている。
14の内部空間24に導入される材料ガスは、上側の空
間に導入され、均一板27bの孔を通って下側の空間に
至り、さらに拡散孔26を通って成膜処理空間16に拡
散されることになる。
全体にわたって材料ガスを均一に供給することが可能と
なるが、隔壁部14の内部構造は、成膜処理空間16の
全体にわたって材料ガスを均一に供給することのできる
構造であれば、前述した構造に限られるものではない。
空間15側から成膜処理空間16側に向う円筒状の形
状、又は、プラズマ生成空間15側から成膜処理空間1
6側に向かう円筒状部分と当該円筒状部分に連続して拡
径する円錐状部分とからなる形状などを採用することが
できる。
5側から成膜処理空間16側に向う円筒状の形状である
場合を表したものである。この場合、プラズマ生成空間
15に面する貫通孔25の開口部の径は、貫通孔25の
開口部がホロカソード放電誘発の原因となる広がりを持
たない程度の大きさとし、なおかつ、貫通孔25の大き
さ、形状が、前述の先の出願である特開2000−34
5349号において提案した条件(uL/D>1)を満
たすものでなければならない。
5側から成膜処理空間16側に向かう円筒状部分と当該
円筒状部分に連続して拡径する円錐状部分とからなる形
状である場合を表したものである。図4図示の場合も、
前記と同一の理由から、プラズマ生成空間15に面する
貫通孔25の開口部の径及び、貫通孔25の大きさ、形
状は、図3図示の場合と同様の条件を満たすものでなけ
ればならない。
処理空間16に開口しているため、ホロカソード放電を
起こすことがないので、特に制約されるものではない。
間15に面する開口部において局在的な異常放電が誘発
されず、なおかつ成膜処理空間16に導入された材料ガ
スがプラズマ生成空間15側に逆拡散するのを防ぐ前述
した条件(uL/D>1)を満たし、成膜処理空間16
に面する開口部においてその径が、プラズマ生成空間1
5側の径と同等、又は、プラズマ生成空間15側より大
きくなるように形成されているということが本発明の特
徴である。
施形態を表すものである。図2図示の実施形態の特徴的
構成は、上容器12aの天井部の内側に絶縁部材21a
を設け、かつその下側に電極20を配置するようにした
点にある。電極20には図1図示の第1の実施形態の場
合のような電極孔20aは形成されず、一枚の板状の形
態を有する。電極20と隔壁部14によって平行平板型
電極構造によるプラズマ生成空間15を形成する。その
他の構成は第1実施形態の構成と実質的に同じである。
そこで、図2において、図1で説明した要素と実質的に
同一な各要素には同一の符号を付し、ここで詳細な説明
を反復することは省略する。さらに、第2実施形態によ
るCVD装置による作用、効果も前述の第1実施形態と
同じである。
成膜方法を説明する。図示しない搬送ロボットによって
ガラス基板11が真空容器12の内部に搬入され、基板
保持機構17の上に配置される。真空容器12の内部
は、排気機構13によって排気され、減圧されて所定の
真空状態に保持される。次に、酸素ガス導入パイプ23
aを通して酸素ガスが真空容器12のプラズマ生成空間
15に導入される。
材料ガス導入パイプ28を通して隔壁部14の内部空間
24に導入される。シランは、最初に内部空間24の上
側部分に導入され、均一板27bを介して均一化されて
下側部分に移動し、次に拡散孔26を通って成膜処理空
間16に直接に、すなわちプラズマに接触することなく
導入される。成膜処理空間16に設けられた基板保持機
構17は、ヒータ18に通電が行われているため、予め
所定温度に保持されている。
棒29を介して高周波電力が供給される。この高周波電
力によって放電が生じ、プラズマ生成空間15内におい
て電極20の周囲に酸素プラズマ19が生成される。酸
素プラズマ19を生成することで、中性の励起種である
ラジカル(励起活性種)が生成され、これが貫通孔25
を通過して成膜処理空間16に導入され、その一方、材
料ガスが隔壁部14の内部空間24、拡散孔26を通っ
て成膜処理空間16に導入される。その結果、成膜処理
空間16内で当該ラジカルと材料ガスとがはじめて接触
し、化学反応を起こし、ガラス基板11の表面上にシリ
コン酸化物が堆積し、薄膜が形成される。
示のものであるとしたときに、前述したuL/D>1を
満たす条件としては、例えば、隔壁部14の温度を30
0℃、隔壁部14に形成された貫通孔25の直径を0.
5mm、直径0.5mmの部分の長さ(L)を3mm、
貫通孔25の総数を500個、酸素ガスのガス流量を標
準状態で500cm3/min(500sccm)、成
膜処理空間16の圧力を100Paとすることができ
る。この場合、uL/D=11となって条件が満たされ
る。
材料ガス等を変えることにより、窒化膜、フッ化膜、炭
化膜にも適用可能である。
16に面する開口部においてその径がプラズマ生成空間
15側の径と同等、又は、プラズマ生成空間15側より
大きくなるように形成されている形状である貫通孔25
の例として、図3、図4図示の形態を説明したが、前述
したuL/D>1の条件が満たされていて、成膜処理空
間16に面する開口部においてその径がプラズマ生成空
間15側の径と同等、又は、プラズマ生成空間15側よ
り大きくなるように形成されている形状でありさえすれ
ば、貫通孔25の形状は、図3、図4図示の形態のみに
限定されるものではない。
板にプラズマCVDによりシラン等の材料ガスを用いて
シリコン酸化膜等を成膜できる装置、例えば、複数の貫
通孔を有する導電性隔壁部によって真空容器の内部がプ
ラズマ生成空間と成膜処理空間とに隔離され、プラズマ
生成空間で生成された活性種が隔壁部の貫通孔を通して
のみ成膜処理空間に導入されると共に、隔壁部に外部か
ら供給された材料ガスが、プラズマ生成空間から隔離さ
れかつ成膜処理空間と複数の拡散孔を介して通じている
隔壁部の内部空間及び前記拡散孔を介して成膜処理空間
に導入され、このように成膜処理空間に導入された活性
種と材料ガスとで、基板に成膜を行うCVD装置におい
て、プラズマの安定性を高めることができ、高い製品歩
留まりを維持し、かつ安定的に連続稼動を可能にし、大
面積にわたり膜厚及び膜質の均一性を向上させることが
できる。
て達成されていた一般的な膜厚分布は±10%〜15%
であったが、本発明のCVD装置によれば、370mm
×470mmのガラス基板で±5.2%の膜厚分布を得
ることができた(シリコン酸化膜の厚さ:200n
m)。
空間からのガス漏れの防止、貫通孔部での異常放電の防
止、貫通孔を介しての良好な中性の励起種の輸送等、貫
通孔を中心とした導電性隔壁部がはたすべき多くの機能
を安定的に維持させながら、貫通孔を独立した構造体に
することで、貫通孔を形成する部分を隔壁部とは個別に
微細加工し、貫通孔の機能を十分に満たしたものに仕上
げることができる。
縦断面図である。
縦断面図である。
見た内部構造の概略拡大図である。
の断面方向から見た内部構造の概略拡大図である。
方向から見た内部構造の概略拡大図。
Claims (4)
- 【請求項1】 真空容器内でプラズマを生成して活性種
を発生させ、この活性種と材料ガスとで基板に成膜を行
うCVD装置であり、 真空容器の内部を二室に隔離する導電性隔壁部が真空容
器内に設けられており、隔離された前記二室のうち、一
方の室の内部は高周波電極が配置されたプラズマ生成空
間として、他方の室の内部は基板を搭載する基板保持機
構が配置された成膜処理空間としてそれぞれ形成されて
おり、 前記導電性隔壁部は、前記プラズマ生成空間と前記成膜
処理空間を通じさせる複数の貫通孔を有していると共
に、前記プラズマ生成空間から隔離されかつ前記成膜処
理空間と複数の拡散孔を介して通じている内部空間を有
し、 前記導電性隔壁部の内部空間に外部から供給された材料
ガスが前記複数の拡散孔を通して前記成膜処理空間に導
入されると共に、 前記高周波電極に高周波電力を与えて前記プラズマ生成
空間でプラズマ放電を発生させることにより前記プラズ
マ生成空間で生成された活性種が、前記導電性隔壁部の
複数の貫通孔を通して前記成膜処理空間に導入されるC
VD装置において、 前記貫通孔は、成膜処理空間側の孔径が、プラズマ生成
空間側の孔径と同等、又は、大きくなるように形成され
ていることを特徴とするCVD装置。 - 【請求項2】 貫通孔の形状は、プラズマ生成空間側か
ら成膜処理空間側に向う円筒状、又は、プラズマ生成空
間側から成膜処理空間側に向かう円筒状部分と当該円筒
状部分に連続して拡径する円錐状部分とからなる形状で
あることを特徴とする請求項1記載のCVD装置。 - 【請求項3】 貫通孔は、当該貫通孔内でのガス流速を
u、実質的な貫通孔の長さをL、相互ガス拡散係数をD
とするとき、uL/D>1の条件を満たすように形成さ
れていることを特徴とする請求項2記載のCVD装置。 - 【請求項4】 貫通孔は、前記導電性隔壁部から独立し
た構造体によって形成されていることを特徴とする請求
項1乃至3のいずれか一項記載のCVD装置。
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