JP2008283198A - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大面積基板にプラズマを利用したCVDによりTEOSを用いてシリコン酸化膜を成膜する場合、パーティクルの発生を抑制し、基板へのイオン入射を防止し、基板近傍でのプラズマ分布を良好にする。
【解決手段】真空容器12内でプラズマを生成して活性種(ラジカル)を発生させ、この活性種と材料ガスで基板11に成膜処理を行う装置であり、複数の孔22が形成された隔壁板15を設けて真空容器の内部をプラズマ生成空間16と成膜処理空間17に分け、材料ガスは、プラズマ生成空間と隔壁板を貫通しかつ分散して設けられた複数の通路を通して成膜処理空間に直接に導入され、プラズマ生成空間で生成された活性種は、隔壁板に形成された複数の孔を通して成膜処理空間に導入される。
【選択図】図1
【解決手段】真空容器12内でプラズマを生成して活性種(ラジカル)を発生させ、この活性種と材料ガスで基板11に成膜処理を行う装置であり、複数の孔22が形成された隔壁板15を設けて真空容器の内部をプラズマ生成空間16と成膜処理空間17に分け、材料ガスは、プラズマ生成空間と隔壁板を貫通しかつ分散して設けられた複数の通路を通して成膜処理空間に直接に導入され、プラズマ生成空間で生成された活性種は、隔壁板に形成された複数の孔を通して成膜処理空間に導入される。
【選択図】図1
Description
本発明はプラズマ処理装置に関し、特に、プラズマを利用するCVDであり、大型のフラットパネル基板への成膜に適したCVD装置に関するものである。
大型の液晶ディスプレイの作製方法として、従来、高温ポリシリコン型TFT(薄膜トランジスタ)を利用するものと、低温ポリシリコン型TFTを利用するものとが知られている。高温ポリシリコン型TFTを利用する作製方法では、高品質な酸化膜およびポリシリコン(poly Si)と酸化膜界面を得るために、1000℃以上の高温に耐える石英基板が使用されていた。これに対して低温ポリシリコン型TFTの作製においては、通常のTFT用ガラス基板を使用するため、低温環境(例えば400℃)で成膜を行う必要がある。低温ポリシリコン型TFTを利用して液晶ディスプレイを製作する方法は、特別な基板を使用する必要がなく、成膜条件の設定が簡単であるという利点を有し、近年実用化され、その生産量は拡大しつつある。
低温ポリシリコン型TFTを利用する液晶ディスプレイの作製で、低温でゲート絶縁膜として適当なシリコン酸化膜を成膜する場合、プラズマを利用したCVDが使用される。このプラズマを利用したCVDでシリコン酸化膜を成膜する際、代表的な材料ガスとしてはテトラエトキシシラン(以下TEOS)やシランなどが使用される。
TEOS等の材料ガスを使用してプラズマを利用したCVDでシリコン酸化膜を成膜する場合、従来のプラズマ処理装置によれば、材料ガスをプラズマ処理装置内に生成されたプラズマの中に直接に供給するようにしていた。このため、材料ガスと酸素が激しく反応してパーティクルが発生し、これによって歩留まりが低下するという問題があった。さらにプラズマが基板に接して存在するため、高エネルギのイオンが入射し、このイオンがシリコン酸化膜に入射することにより膜特性が悪化するという問題もあった。
そこで従来では、上記問題を解決するため、遠隔プラズマ方式を利用したプラズマ処理装置が提案されていた。遠隔プラズマ方式では、プラズマ処理装置内においてプラズマを生成しラジカル等の活性種が生成される領域を基板から離し、かつ材料ガスが基板の配置領域の近くに供給されるように構成している。プラズマ領域で生成されたラジカル等は、基板が配置された領域の方向へ拡散し、基板処理面の前面空間に供給される。かかる遠隔プラズマ方式のプラズマ処理装置によれば、プラズマと材料ガスの激しい反応が抑制され、パーティクルの発生量が低減され、かつイオンの基板への入射も制限するという利点を有している。
しかしながら、上記遠隔プラズマ方式のプラズマ処理装置の場合には、プラズマ生成領域と基板配置領域が接続空間を介し離れて形成され、基板から離れた所で生成されたラジカルを接続空間を通し拡散作用で基板へ供給するようにしたため、成膜速度が低くなり、基板の表面近傍での分布が悪いという問題があった。特に、基板の表面近傍での分布が悪いため、大型液晶ディスプレイに用いられる大面積の基板に対応することができないという問題が提起された。
本発明の目的は、上記の問題を解決することにあり、低温ポリシリコン型TFTを利用した大型液晶ディスプレイの作製等で、大面積基板にプラズマを利用したCVDによりTEOS等の材料ガスを用いてシリコン酸化膜を成膜する場合に、パーティクルの発生を抑制し、基板へのイオン入射を防止し、基板近傍でのプラズマ分布を良好にし、大面積基板への成膜に有効に利用できるプラズマ処理装置を提供することにある。
本発明に係るプラズマ処理装置は上記目的を達成するため次のように構成される。
即ち、真空容器内でプラズマを生成して活性種を発生させ、この活性種と第1のガスで基板に成膜処理を行うプラズマ処理装置において、前記真空容器の内部をプラズマ生成空間と成膜処理空間に分離する隔壁板を有し、前記隔壁板は前記プラズマ生成空間で生成された活性種を前記成膜処理空間に導入するための複数の孔を有し、前記第1のガスをプラズマに触れることなく前記成膜処理空間に直接導入するための複数のガス導入部を設けたことを特徴とする。
また、真空容器内でプラズマを生成して活性種(ラジカル)を発生させ、この活性種と第1のガスで基板に成膜処理を行う装置であり、前記真空容器の内部をプラズマ生成空間と成膜処理空間に分離する隔壁板を有し、前記隔壁板は前記プラズマ生成空間で生成された活性種を前記成膜処理空間に導入するための複数の孔を有し、前記第1のガスを前記成膜処理空間に直接導入するための複数のガス導入部を、前記プラズマ生成空間内に設けたことを特徴とする。
上記のプラズマ処理装置では、プラズマを利用したCVDで基板に成膜を行うとき、所定条件を満たす多数の孔を有した隔壁板でプラズマ生成空間と成膜処理空間を区画し、材料ガスを、プラズマが生成される領域を避け、基板前面の成膜処理空間に直接に導入するようにした。これにより材料ガスとプラズマの間で激しい化学反応が起きることを防ぎ、パーティクルの発生を抑制する。また生成されたプラズマ中の活性種は隔壁板の孔を通して成膜処理空間に導入される。
本発明においては、第1のガスは、基板を成膜処理するための材料ガスであることが好ましい。
また、複数のガス導入通路は、前記プラズマ生成空間内に設けられており、プラズマ生成空間と隔壁板を貫通するパイプであることが好ましい。
また、隔壁板に形成された複数の孔の各々は、孔内でのガス流速をu、実質的な孔の長さをL、相互ガス拡散係数(すなわち酸素ガスと材料ガスの相互ガス拡散係数)をDとするとき、uL/D>1の条件を満たす状態で、活性種を成膜処理空間に導入することが好ましい。隔壁板の孔が満たす条件としては、孔を通して、酸素ガスが物質移動流れとして、材料ガスが拡散によりそれぞれ反対側に移動することを想定するとき、拡散による移動量が制限されるように設定される。
また、隔壁板に接続された電力導入棒はクリーニング用高周波電力を供給する高周波給電部に接続され、隔壁板に適時に高周波電力を供給して成膜処理空間でクリーニング用プラズマを生成することが好ましい。
また、プラズマ生成空間の中間位置に放電用電極を設け、この電極とプラズマ生成空間を形成する隔壁板および上壁板との間でプラズマを生成することが好ましい。さらに、真空容器は上容器と下容器とから構成され、上容器と上壁板との間には、均一板を備えてなるガスリザーバが設けてあることが好ましい。成膜処理空間に導入される材料ガスを分散させ、大面積基板を成膜できるように均一化するためである。
また、プラズマ生成空間の上側位置に放電用電極を設け、この電極と隔壁板との間でプラズマを生成することが好ましい。さらに、真空容器は上容器と下容器とから構成され、上容器と放電用電極との間には、均一板を備えてなるガスリザーバが設けてあることが好ましい。成膜処理空間に導入される材料ガスを分散させ、大面積基板を成膜できるように均一化するためである。
また、プラズマ処理装置は、CVD装置であるこが好ましい。
また上記CVD装置で実行される成膜方法は、プラズマにより生成した活性種と材料ガスで基板に成膜処理を行う方法であり、複数の孔が形成された隔壁板で真空容器内をプラズマ生成空間と成膜処理空間に分け、真空容器に供給される材料ガスを成膜処理空間に直接に導入し、プラズマ生成空間で生成された活性種を、隔壁板に形成された複数の孔を通して成膜処理空間に導入する方法である。
上記のプラズマを利用したCVDによる成膜方法は、上記第1の方法において、隔壁板に形成された複数の孔の各々は、孔内でのガス流速をu、実質的な孔の長さをL、相互ガス拡散係数をDとするとき、uL/D>1の条件を満たす状態で活性種を成膜処理空間に導入することを特徴とする。
上記のプラズマを利用したCVDによる成膜方法は、上記の各方法において、好ましくは隔壁板に高周波電力を供給して成膜処理空間にプラズマを生成し、成膜処理空間を適時にクリーニングすることを特徴とする。
本発明によれば、大面積基板にプラズマを利用したCVDによりTEOS等の材料ガスを用いてシリコン酸化膜等を成膜する場合に、所定条件を満たす多数の貫通孔が形成された隔壁板でプラズマ生成空間と成膜処理空間を区画し、材料ガスはプラズマに触れることなく直接に成膜処理空間に導入するようにしたため、材料ガスとプラズマとの間の激しい化学反応を防止でき、その結果、パーティクルの発生を抑制し、基板へのイオン入射を防止することができる。
成膜処理空間に材料ガスを直接に導入するための通路は複数設けられ、かつ当該通路の上流側には均一板を備えたガスリザーバを設けたため、成膜処理空間で材料ガスを均一に導入でき、かつ上記隔壁板に形成された多数の孔によってラジカルも成膜処理空間に均一に供給でき、これによって基板の表面近傍でのプラズマ分布を良好にし、大面積基板への成膜を有効に行うことができる。
また隔壁板にクリーニング用電力導入棒を付設し、適時なタイミングで電力を供給してクリーニングを行えるようにしたため、隔壁板で区画してプラズマ生成空間と成膜処理空間を形成したとしても、成膜処理空間の清浄度を適切に維持することができる。
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図3を参照して本発明に係るCVD装置の第1の実施形態を説明する。図1において、このCVD装置では、例えばTEOSを材料ガスとして使用し、通常のTFT用ガラス基板11の上面にシリコン酸化膜をゲート絶縁膜として成膜する。CVD装置の容器12は、成膜処理を行う際、排気機構13によってその内部が所望の真空状態に保持される真空容器である。排気機構13は真空容器12に形成された排気ポート14に接続されている。真空容器12の内部空間は、導電性部材で作られた隔壁板15によって、上側のプラズマ生成空間16と下側の成膜処理空間17に分けられている。上記ガラス基板11は、成膜処理空間17に設けられた基板保持機構18の上に配置されている。ガラス基板11は隔壁板15に実質的に平行であって、その成膜面が隔壁板15の下面に対向するように配置されている。基板保持機構18は真空容器12の下容器12bの底壁に固定され、真空容器12と同じ電位であり、接地電位に保持されている。さらに基板保持機構18の内部にはヒータ20が設けられている。このヒータ20によってガラス基板11の温度は所定の温度に保持される。
図示されるごとく、真空容器12の内部は、上記隔壁板15によって領域的にプラズマ生成空間16と成膜処理空間17に分けられる。しかしながら、隔壁板15には所定条件を満たす複数の孔22が貫通状態で分散して形成されており、これらの複数の孔22を介してプラズマ生成空間16と成膜処理空間17はつながっている。孔22の断面状態の一例を拡大して図2に示す。孔22が満たす条件については後述される。
真空容器12の構造を詳しく述べる。真空容器12は、その組立て性を良好にする観点から、プラズマ生成空間16を形成する上容器12aと、成膜処理空間16を形成する下容器12bとから構成される。上容器12aと下容器12bを組み合わせて真空容器12を作るとき、両者の間に、隔壁板15およびこれに関連する部分を挟み込む。これによって、プラズマ生成空間16と成膜処理空間17が形成される。他方、隔壁板15およびこれに関連する部分と、上記上容器12aとによってプラズマ生成空間16が形成されるが、図示されるごとくプラズマ23を生成している領域は、前述の隔壁板15と、導電性部材で作られた上壁板24と、これらをつなぐ複数のパイプ部材25と、中央位置に配置される電極26とから形成されている。隔壁板15と上壁板24は、平行な位置にあり、複数のパイプ部材25で結合され、一体化されている。隔壁板15と上壁板24をつなぐ複数のパイプ部材25は、材料ガスを通す通路として機能し、上壁板24の上側空間と隔壁板15の下側空間すなわち成膜処理空間17とを連通させている。パイプ部材25は導電性部材で形成され、その外面はセラミックスカバー27で被われている。隔壁板15と電極26と上壁板24は、上容器12aの側部内面に沿って設けられた2つの環状絶縁部材28,29によって支持され、固定される。環状絶縁部材28には、外側からプラズマ生成空間17へ酸素ガスを導入する導入パイプ30が設けられている。導入パイプ30は、流量制御を行うマスフローコントローラ31を介して酸素ガス供給源32に接続されている。
図3に電極部分の要部平面図を示す。電極26には多数の孔26aが形成され、これらの孔26aを利用して上記パイプ部材25が配置されている。
上壁板24と上容器12aの天井部との間には、均一板33を備えてなるガスリザーバが設けられている。均一板33は、複数の孔が均一に形成された板材である。上容器12aの天井部には、材料ガスが導入される導入パイプ34が設けられている。導入パイプ34によって真空容器12のガスリザーバに材料ガスが導入される。さらに上容器12aの天井部には、電極26に接続された電力導入棒35と、隔壁板15に接続された電力導入棒36とが設けられている。電力導入棒35によって電極26に放電用高周波電力が給電される。電力導入棒36によって隔壁板15にクリーニング用高周波電力が給電される。電力導入棒35,36はいずれも絶縁物37,38で被われており、他の金属部分との絶縁が図られている。
上記のように構成されたCVD装置による成膜方法を説明する。図示しない搬送ロボットによってガラス基板11が真空容器12の内部に搬入され、基板保持機構18の上に配置される。真空容器12の内部は、排気機構13によって排気され、減圧されて所定の真空状態に保持される。次に、導入パイプ30を通して酸素ガスが真空容器12のプラズマ生成空間16に導入される。このとき酸素ガスの流量は外部のマスフローコントローラ31で制御される。式(1),(2)を用いて、酸素ガスの流量(QO2)と成膜処理空間側の圧力(PO2)、および隔壁の温度(T)から酸素の流速(u)が求められる。
一方、材料ガスであるTEOSが導入パイプ34を通して真空容器12の内部に導入される。TEOSは、最初にガスリザーバに導入され、均一板33で均一化され、次に複数のパイプ部材25を通って成膜処理空間17に直接に導入される。成膜処理空間17に設けられた基板保持機構18は、ヒータ20に通電が行われているため、予め所定温度に保持されている。
上記の状態で、電極26に対して電力導入棒35を介して高周波電力が供給される。高周波電力によって放電が生じ、プラズマ生成空間16内において電極26の周囲に酸素プラズマ23が生成される。酸素プラズマ23を生成することで、中性の励起種であるラジカル(励起活性種)が生成される。上記TEOSを真空容器12の下容器12b内に導入するとき、TEOSが直接に酸素プラズマ23に触れることはなく、TEOSと酸素プラズマとが激しく反応することはない。
以上のごとく本実施形態によれば、CVD装置において、真空容器12の内部空間を隔壁板15でプラズマ生成空間16と成膜処理空間17に分け、プラズマ生成空間16に酸素ガスを導入しかつ電極26に高周波電力を供給して酸素プラズマ23を生成し、他方、成膜処理空間17に直接にTEOSを導入するようにした。また隔壁板15に貫通状態で形成された複数の孔22の形態は、プラズマ生成空間16における酸素ガスと成膜処理空間17におけるTEOSが、それぞれ孔22を通って反対側の空間に物質移動流れを行うことおよび拡散移動を行うことを想定するとき、その移動量を所望範囲に制限するように決められている。すなわち、隔壁の温度がTおよび成膜処理空間側の圧力がPO2のときのガスの相互ガス拡散係数をDとし、かつ図2に示すように孔22の最小径部分の長さ(孔22の特徴的長さ)をLとするとき、前述の酸素ガスの流速を用いて、uL/D>1の関係が満たされるように決められる。
上記uL/D>1の関係は次のように導き出される。例えば貫通孔25を移動する酸素とTEOSの関係に関しTEOSガス密度(ρTEOS)と拡散流速(uTEOS)と相互ガス拡散係数(DTEOS-O2)を用いて下記の式(3)が成立する。貫通孔の特徴的長さをLとすると、式(3)が式(4)に近似できる。式(4)の両辺を比較した結果、TEOSの拡散流速(uTEOS)が−DTEOS-O2/Lで表わされる。従って、上記の式(1)と(2)から得られる酸素流速をuとし、TEOSの拡散流速を−DTEOS-O2/Lとした場合に、これらの2つの流速の絶対値の比、すなわち|−u/(−DTEOS-O2/L)|=uL/DTEOS-O2の値は酸素物質移動速度とTEOS拡散速度の比であり、この比uL/DTEOS-O2を1以上にすることは、拡散の流量に比較して対流による流量が大きいことを意味する。すなわち、uL/DTEOS-O2の値を1以上にすることは、TEOSの拡散影響が少ないことを意味している。
ρTEOSuTEOS=−DTEOS-O2 gradρTEOS (3)
ρTEOSuTEOS≒−DTEOS-O2 ρTEOS/L (4)
ρTEOSuTEOS≒−DTEOS-O2 ρTEOS/L (4)
上記のように、プラズマ生成空間16と成膜処理空間17は上記特性を有する孔22が多数形成された隔壁板15で区画されているため、成膜処理空間17に直接導入されたTEOSと酸素プラズマが接触することは少なく、従来装置のごとく両者が激しく反応することは防止される。
またプラズマ生成空間16で生じたラジカルについては、ガラス基板11のCVD成膜に必要な適量のラジカルが、隔壁板15に形成された孔22を通って成膜処理空間17内へ拡散で移動する。これによりTEOSはラジカルで活性化され、ガラス基板11の表面に酸化膜(SiO2)の成膜が行われる。
次に具体的な例を説明する。隔壁板15の温度を200℃、隔壁板15の孔22の直径を0.5mm、孔22の総数を1800個、酸素ガスのガス流量を500sccm、成膜処理空間17での圧力100Pa、直径0.5mmの部分の長さ(L)を3mmとすると、上記式(4)の値は5.5となる。このような場合には、拡散に比較して流れの影響が十分に大きいため、酸素プラズマ23が充満しているプラズマ生成空間16へTEOSが拡散することは少なく、その結果パーティクルの発生は少なくなる。
次に成膜処理空間17のクリーニングについて説明する。本実施形態のCVD装置によれば、成膜処理空間17内にプラズマが十分に拡散してこないので、成膜処理空間17に対してクリーニングを行うことが困難であるという問題を生じる。そこで、前述のごとく電力導入棒36を隔壁板15に電気的に接続し、高周波電力を供給することにより成膜処理空間17内に例えばNF3プラズマを生成するようにした。生成されたプラズマで成膜処理空間17の内部をクリーニングする。電力導入棒36に高周波電力を供給してクリーニングを行うタイミングは、予め決められた所定時間ごと、あるいは所定の基板枚数ごと等の基準に基づいて適時に行われる。
次に図4を参照して本発明に係るCVD装置の第2の実施形態を説明する。図4において、図1で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、ここで詳細な説明を反復することは省略する。本実施形態の特徴的構成は、前述の上壁板24をなくし、上部に円板状絶縁部材41を設け、かつその下側に電極26を配置するようにした。電極26と隔壁板15によって平行平板タイプのプラズマ生成空間16を形成する。また材料ガスを流す通路を形成する多数のパイプ部材25は、絶縁部材41と隔壁板15の間に設けられる。その他の構成は第1実施形態の構成と実質的に同じである。さらに、第2実施形態によるCVD装置による作用、効果も前述の第1実施形態と同じである。
前述の実施形態では、材料ガスとしてTEOSの例を説明したが、これに限定されず、他の材料ガスを用いることができるのはもちろんである。本発明の原理的考えは、プラズマに材料ガスが接することによりパーティクルが発生すること、基板へイオンが入射することが問題となるすべての処理に応用でき、成膜、表面処理、等方エッチング等に応用できる。
11 ガラス基板
12 真空容器
15 隔壁板
16 プラズマ生成空間
17 成膜処理空間
22 孔
23 プラズマ
25 パイプ部材
26 電極
33 均一板
12 真空容器
15 隔壁板
16 プラズマ生成空間
17 成膜処理空間
22 孔
23 プラズマ
25 パイプ部材
26 電極
33 均一板
Claims (11)
- 真空容器内でプラズマを生成して活性種を発生させ、この活性種と第1のガスで基板に成膜処理を行うプラズマ処理装置において、
前記真空容器の内部をプラズマ生成空間と成膜処理空間に分離する隔壁板を有し、
前記隔壁板は前記プラズマ生成空間で生成された活性種を前記成膜処理空間に導入するための複数の孔を有し、
前記第1のガスをプラズマに触れることなく前記成膜処理空間に直接導入するための複数のガス導入部を設けたことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 真空容器内でプラズマを生成して活性種を発生させ、この活性種と第1のガスで基板に成膜処理を行うプラズマ処理装置において、
前記真空容器の内部をプラズマ生成空間と成膜処理空間に分離する隔壁板を有し、
前記隔壁板は前記プラズマ生成空間で生成された活性種を前記成膜処理空間に導入するための複数の孔を有し、
前記第1のガスを前記成膜処理空間に直接導入するための複数のガス導入部を、前記プラズマ生成空間内に設けたことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記第1のガスは、基板を成膜処理するための材料ガスであることを特徴とする請求項1又は2記載のプラズマ処理装置。
- 前記複数のガス導入通路は、前記プラズマ生成空間内に設けられており、前記プラズマ生成空間と前記隔壁板を貫通するパイプであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のプラズマ処理装置。
- 前記隔壁板に形成された前記複数の孔の各々は、孔内でのガス流速をu、実質的な孔の長さをL、相互ガス拡散係数をDとするとき、uL/D>1の条件を満たす状態で、前記活性種を前記成膜処理空間に導入することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のプラズマ処理装置。
- 前記隔壁板に接続された電力導入棒はクリーニング用高周波電力を供給する高周波給電部に接続され、前記隔壁板に適時に高周波電力を供給して前記成膜処理空間でクリーニング用プラズマを生成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ生成空間の中間位置に放電用電極を設け、この電極と前記プラズマ生成空間を形成する前記隔壁板および上壁板との間でプラズマを生成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のプラズマ処理装置。
- 前記真空容器は上容器と下容器とから構成され、該上容器と前記上壁板との間には、均一板を備えてなるガスリザーバが設けてあることを特徴とする請求項7記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ生成空間の上側位置に放電用電極を設け、この電極と前記隔壁板の間でプラズマを生成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のプラズマ処理装置。
- 前記真空容器は上容器と下容器とから構成され、該上容器と前記放電用電極との間には、均一板を備えてなるガスリザーバが設けてあることを特徴とする請求項9記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ処理装置は、CVD装置であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載のプラズマ処理装置。
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