JP2002080907A - 重量物輸送用パレット台車 - Google Patents

重量物輸送用パレット台車

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JP2002080907A
JP2002080907A JP2000274584A JP2000274584A JP2002080907A JP 2002080907 A JP2002080907 A JP 2002080907A JP 2000274584 A JP2000274584 A JP 2000274584A JP 2000274584 A JP2000274584 A JP 2000274584A JP 2002080907 A JP2002080907 A JP 2002080907A
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rail
moving
air
furnace
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Hirotaka Kojima
啓孝 小島
Mitsuru Kiguchi
満 木口
Masao Fujita
昌男 藤田
Hiroyuki Yasuhara
博行 安原
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長距離の輸送用レールを敷設することなく輸
送するのに好適な重量物輸送用パレット台車を提供す
る。 【解決手段】 エア浮上バッグ39とその包囲部にそれぞ
れ圧縮エアの供給を停止したとき、エア浮上バッグ39の
収縮により移動用パレット36の着地用脚部38を接地させ
エア浮上バッグ39をレールスライド装置35から切り離し
てレールスライド装置35を走行可能にし、エア浮上バッ
グ39とその包囲部にそれぞれへ圧縮エアを供給すると
き、エア浮上バッグ39の膨張およびその包囲部下端の内
側から外側へ流れる薄い空気層を形成して移動用パレッ
ト36を浮上させレールスライド装置35を押し下げて接地
させて移動用パレット36を走行可能にする。このように
レールスライド装置35と移動用パレット36の移動を交互
に繰り返しながら重量物を輸送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体圧による浮上
バッグを活用することで輸送用レールを長距離敷設する
必要のない、重量物を輸送するのに好適な間欠移動型の
重量物輸送用パレット台車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、重量物を搬送するには、輸送先
まで敷設した固定レール上に台車を走行させて輸送する
ことが多い。例えば、特開平10-102778 号公報には、高
炉の既存炉体をその炉頂部から炉底部まで複数のリング
ブロックに分割して解体し、また同様のリングブロック
を作成して高炉基礎上でリングブロックを組み上げる高
炉炉体構築方法が開示されているが、ここでも固定レー
ルが使用されている。一方、重量物輸送手段として重量
物を気体により浮遊状態として摩擦係数を少なくして移
動させることが知られている。
【0003】前記特開平10-102778 号公報には、リング
ブロックを積荷レベル調整用架構に載荷して高炉基礎レ
ベルを合わせ、図27に示すように、炉体用輸送台車52を
高炉炉体基礎部55の近傍まで移動した段階で、積荷レベ
ル調整架構54が備えたレール56と高炉炉体基礎部55上の
レール57とを接続する。レール56上には支持ブロック58
を配設した移動台59が設けてあり、移動台59上に載置さ
れたリングブロック53は駆動シリンダ60を駆動して矢印
方向への摺動により水平移動され、最終的に高炉炉体基
礎部55の中心に位置させる。
【0004】引き続き、炉体支柱のリフト設備から垂下
した吊具61によりリングブロック53をリフトアップし、
次のリングブロック53が高炉炉体基礎部55上に移動可能
な高さとなるようにスペースをあける。かくして先にリ
フトアップしたリングブロック53の下側に次のリングブ
ロック53を移動させ、上下のリングブロック53を接続
し、さらにリフトアップする。このような操作を新作ブ
ロック数だけ繰り返して炉体基礎部55上で一体化して高
炉の炉体を完成させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高炉のリングブロック
53のような重量物を輸送する固定レールは、大型で強度
の大きいレールを用いる必要がある。前記の場合、炉体
用輸送台車52が備えた積荷レベル調整架構54上のレール
56と高炉炉体基礎部55上のレール57とを接続するだけで
レールの長さが短いので問題は少ないが、大型で強度の
大きい固定レールを長距離間に敷設するのを余儀なくさ
れる場合には、施設コストが膨大になってくる。
【0006】本発明は、固定レールを長距離間に延々と
接続することなく、かつ、気体浮遊状態として摩擦係数
を少なくして重量物輸送できる利点を生かすことに着目
してなされたものであり、重量物を搬送するのに好適な
重量物輸送用パレット台車を提供することを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の請求項1記載の本発明は、重量物を載置して移動する
移動用パレットと移動用パレットの下方に位置しかつ移
動用パレットの移動方向長さよりも長い寸法の移動方向
長さを有するレールスライド装置とからなり、移動用パ
レットとレールスライド装置のそれぞれの移動を交互に
繰り返しながら重量物を輸送する重量物輸送用パレット
台車であって、前記移動用パレットは、下面に複数本の
着地用脚部を備えたパレット本体と、該パレット本体の
下面長手方向に前記着地用脚部に干渉しないように配設
された複数列の支持フレームと、該支持フレームの長手
方向下面に配設され圧力流体源に接続された流体圧によ
る浮上バッグとで形成され、前記レールスライド装置
は、前記支持フレームに対応して下方位置に配置された
複数列のスライドレールと、該スライドレールの幅方向
両側に位置して長手方向に間隔を置いて配設された複数
の軸受部と、該軸受部に設けたセット孔に上端を固定し
て下向きにセットされた弾性部材と、該弾性部材を介し
て下側に弾性支持される軸受に設けた車輪とから形成
し、前記移動用パレットと前記レールスライド装置は、
前記支持フレームと前記スライドレールとを位置合わせ
して組み合わせられ、前記スライドレールの長手方向両
端部にそれぞれ取り付けた正逆巻取装置と従動ローラに
よりリンク駆動されるワイヤロープが、前記移動用パレ
ットの前端部および後端部にそれぞれ接続されているこ
とを特徴とする重量物輸送用パレット台車である。
【0008】請求項2記載の本発明は、前記スライドレ
ールの側面と前記支持フレームの外側面との間に複数の
ガイドローラを長手方向に間隔を置いて配設したとを特
徴とする請求項1記載の重量物輸送用パレット台車であ
る。請求項3記載の本発明は、前記浮上バッグおよび該
浮上バッグの包囲部にそれぞれ圧力流体源からの圧力流
体を供給する供給口を配備したことを特徴とする請求項
1記載の重量物輸送用パレット台車である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る重量物輸送用
パレット台車の構造について詳細に説明する。本発明の
重量物輸送用パレット台車は、図1〜図4に示すよう
に、移動用パレット36とレールスライド装置35とを正逆
巻取装置45で接続して組み合わせた構造からなってい
る。
【0010】そして、移動用パレット36を形成する平坦
なパレット本体37の下面には、その長手方向(移動方
向)および幅方向に分布させて下向きに複数本の着地用
脚部38が配設してあり、また、パレット本体37の下面長
手方向に向けて着地用脚部38に干渉しないように配置さ
れた支持フーム42が平行に複数列配設されている。さら
に、各支持フレーム42の下面には、圧縮空気、水または
油等の流体圧により作動する浮上バッグが配設される。
【0011】この流体圧により作動する浮上バッグと
は、流体圧によりバッグの膨張・収縮を可能とする他、
膨張後、流体圧によりバッグを浮上させ移動可能とする
もので、代表的にはエア浮上バッグまたは水を用いたウ
ォータ液膜浮上バッグ等を利用することができる。ここ
ではエア浮上バッグ39を用いた例で説明する。各支持フ
レーム42の下面に配設されるエア浮上バッグ39は、ゴム
等の弾性材料を用いて製作されタイヤチューブに似たド
ーナツ形状をなし、支持フレーム42の長手方向に間隔を
置いて設けてある。
【0012】エア浮上バッグ39には、圧縮エアを供給す
る第1エア供給口Aの他にエア浮上バッグ39の内側上部
と支持フーム42の下面との接続部分に第2エア供給口B
を設けてある(図6参照)。この第2エア供給口Bは、
図6、7に示すように、第1エア供給口Aに設けたバイ
パス路から構成されるか、該バイパス路および/または
エア浮上バッグ39の作業床28と接する面あるいはエア浮
上バッグ39の包囲部内側面に設けられる細孔(図示省
略)から構成される。
【0013】支持フレーム42にはエアホース44が接続し
てあり、圧縮エア源から供給される圧縮エアは、エアホ
ース44および支持フレームに設けたエア供給路48を経由
して第1エア供給口Aからエア浮上バッグ39に導かれる
とともに第2エア供給口Bからエア浮上バッグ39の包囲
部内側に導かれる。さらに、支持フレーム42の外側面に
は長手方向に間隔を置いて複数個の軸受43が横向きに配
設されており、各軸受43に回転自在に支持されたガイド
ローラ41は、スライドレール29の内側面に接触してい
る。
【0014】一方、パレット本体37の下面に配設された
複数の支持フーム42にそれぞれに対応してその下方に、
パレット本体37の長手方向長さよりも少なくとも2倍の
長手方向長さ(移動方向長さ)を有する複数列のスライ
ドレール29が、長手方向で平行にかつ作業床28上を移動
可能に配設してある。パレット本体37に対するスライド
レール29の長さを長くするほど、1回の操作で輸送する
距離は大きくなるが、余り長くすると設備費が嵩むばか
りでなく操作性が悪くなるので、全体のバランスを考え
て倍率を決定する。また、スライドレール29の断面係数
を高め、剛性を上げることにより作業床28は簡易舗装或
いは舗装せずとも使用することになる。さらに重量物の
重量に応じてスライドレール29の配置本数を変更すれば
よい。
【0015】以下はスライドレール29の断面係数を高め
るため断面をU字状、すなわち溝型として構成したスラ
イドレール(以下、溝型スライドレールと呼ぶ)29とし
て説明する。上面に溝を形成する溝型スライドレール29
の幅方向外側面には、長手方向に間隔を置いて両側に軸
受部30が配設してある。この軸受部30には、弾性部材が
装着され、荷重が加わったとき、弾性部材は圧縮されて
縮み、荷重開放のときは伸びる構造とされている。この
弾性部材とは、コイルバネ、板バネあるいは流体圧を利
用したシリンダーが利用でき、代表的名称として以下、
スプリング32と称する。すなわち、軸受部30にはセット
孔31に上端を固定して下向きにスプリング32がセットし
てあり、このスプリング32を介し下側に軸受33が上下に
弾性支持されており、各軸受33にはそれぞれタイヤ式車
輪34が取り付けてある。
【0016】さらに、溝型スライドレール29には、その
前端部に正逆巻取装置45が、後端部に従動ローラ46が配
置してあり、両者に掛け渡されたワイヤロープ47は、移
動用パレット36の前端部と後端部に接続されている。移
動用パレット36が備えた支持フレーム42に配設されたガ
イドローラ41と、レールスライド装置35が備えた溝型ス
ライドレール29の溝内側面とを位置合わせしてレールス
ライド装置35と移動用パレット36とを組み合わせ、重量
物輸送用パレット台車を形成する。
【0017】次に、本発明の重量物輸送用パレット台車
の作用について説明する。図4に示すように、エアホー
ス44から圧縮空気を供給していないときには、ドーナツ
状のエア浮上バッグ39は収縮している。このとき移動用
パレット36が備えた着地用脚部38は作業床28に着地し
て、移動用パレット36の重量を支持している。軸受部30
にセットしたスプリング32の弾性力により軸受33が押し
下げられ、タイヤ式車輪34のみが接地して、溝型スライ
ドレール29が作業床28から浮き上がった状態となってい
るとともに、エア浮上バッグ39の下面は溝型スライドレ
ール29の上面から離間していてエア浮上バッグ39が押し
潰されることはない。
【0018】この状態で正逆巻取装置45を正逆回転させ
ると移動用パレット36は、着地用脚部38を介する着地に
より拘束されているため動かずワイヤロープ47を介する
前後進力は、エア浮上バッグ39から切り離されフリー状
態となっている溝型スライドレール29に作用するためレ
ールスライド装置35がタイヤ式車輪34を介して作業床28
上を前後進する。
【0019】図5に示すように、圧縮エア源から供給さ
れる圧縮エアを、エアホース44および支持フレーム42に
設けたエア供給路48を経由して第1エア供給口Aおよび
第2エア供給口Bに供給する。第1エア供給口Aから供
給される圧縮エアによりエア浮上バッグ39が膨らみ、エ
ア浮上バッグ39の下面が溝型スライドレール29の上面に
対して密封状態をつくる。さらに、圧縮エアを供給する
と図6に示すように、エア浮上バッグ39の膨張が進み、
これが溝型スライドレール29を押し下げるとともに、軸
受部30に設けたスプリング32を収縮させ、軸受33を介し
てタイヤ式車輪34が上方に引っ込み、溝型スライドレー
ル29の下面が作業床28に接地するようになる。
【0020】図7に示すように、さらに圧縮エアを供給
するとエア浮上バッグ39の膨張により着地用脚部38の下
端が作業床28から切り離された状態になる。この段階に
なると第2エア供給口Bから供給される圧縮エアにより
エア浮上バッグ39の包囲部内側面、支持フレーム42の下
面および溝型スライドレール29の上面で囲われる空間内
が充圧され、その内圧が大きくなる。この内圧が移動用
パレット36(および積載した重量物)の荷重とバランス
するまでに大きくなると、弾力性に富むエア浮上バッグ
39と溝型スライドレール29との接触面から、矢印で示す
ように空気がゆっくりとかつ均等に外側に漏れるように
なる。これにより移動用パレット36の荷重はごく薄い空
気層(空気層の厚み:約0.1mm )の上に浮かんだ状態で
支持され、溝型スライドレール29の上面が平坦で滑らか
であると摩擦係数が0.001 〜0.005 程度に低下する。
【0021】この状態で正逆巻取装置45を正逆回転させ
ると溝型スライドレール29は、下面が作業床28への着地
により拘束されているため動かずワイヤロープ47を介す
る前後進力は、摩擦係数が低下した移動用パレット36の
前後進力として作用する。このため、移動用パレット36
が備えた支持フーム42に取り付けたガイドローラ41が、
溝型スライドレールの溝内側面にガイドされながら移動
用パレット36が前後進される。このようにしてレールス
ライド装置35および移動用パレット36を交互に同じ方向
に移動させることにより重量物輸送用パレット台車を目
的の場所まで移動させることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の重量物輸送用パレット台車
を、高炉の炉体解体に適用した場合の実施例について詳
細に説明する。本発明は、これに限定するものではな
く、各種重量物の輸送に広く応用できるのは言うまでも
ない。図8に示すように、高炉10は外部が鉄皮で覆われ
ており、鉄皮の内側には冷却用のステーブが取り付けら
れ、さらにステーブの内側には耐火レンガ等からなるれ
んが層を設けた構造になっている。高炉10は下部から炉
底部11、朝顔部12、炉胸部13、炉口部14の順に設置さ
れ、各部の接続部分は溶接により固着されている。高炉
10の外側には、補修等のため炉体支柱15が組み立てられ
ており、炉体支柱15の上部には昇降手段の一例であるリ
フトジャッキ16が複数基設置してある。
【0023】吹き卸された高炉10の炉底部最下部には炉
底れんが(通常、カーボンれんがを使用)17があり、炉
底れんが17の上には銑鉄にスラグやコークスが混合、凝
固して一体化した残銑凝固物19があり、その上にはコー
クス、スラグ等の混合物からなる溶融凝固した崩壊物18
がある。炉底れんが17の補修を行うためには、崩壊物18
および残銑凝固物19を撤去する必要がある。なお、本実
施の形態では崩壊物18を予めブルドーザ等の建設重機を
用いて撤去した後、残銑凝固物19のみを吊り上げて炉底
部から除去する場合について説明する。
【0024】吹き卸し後の高炉10の炉体部を解体すると
きには、まず、炉体支柱15に設置してあるリフトジャッ
キ16から昇降自在に垂下されたロッド20の先端部を炉口
部14に固定して高炉10を支持しておく。次に、炉底部11
の鉄皮を水平に切断し、切断位置Aより下方にある下部
炉体2を全周にわたり炉外に撤去する。切断する高さ
は、少なくとも炉底部11に残存する残銑凝固物19より高
い位置で行う。下部炉体2の鉄皮を除去すると、鉄皮の
切断位置Aより上方にある上部炉体1は炉体支柱15に設
置しておいたリフトジャッキ16によって懸架される。
【0025】図9に示すように、下部炉体2の鉄皮を除
去することによって開放された高炉10の内部にあるれん
がを図示しない建設重機で破壊し、炉底れんが17上の炉
内残留物のうち、コークス、スラグなど容易に崩すこと
ができるものは、リフトジャッキ16を操作して上部炉体
1を上昇させ、建設重機で炉体基礎の外へ排出する。炉
内残留物のうち、容易に崩すことができない残銑凝固物
19が残存する。その重量は通常300 〜500tであるが、長
寿命の高炉では炉底れんが17の浸食領域が出銑口より下
方に広がり、浸食領域に存在する残銑凝固物19は、その
一部が高炉操業中にも凝固しており、炉底れんが17の代
替状態で存在する。そのため、残銑凝固物19は直径がほ
ぼ炉床径に近いほどの大きさで、容積250m3 程度で、重
量が1300tにも達する。このような大塊の残銑凝固物19
を炉内から水平に引き出して撤去する必要がある。
【0026】図10に示すように、残銑凝固物19は炉底れ
んが17の上で、機械的に破砕容易な崩壊性耐火物17A を
挟んで存在する。そこで、図11に示すように、炉底れん
が17の表面より上方の崩壊性耐火物17A および残銑凝固
物19の周辺部の複数箇所に空洞21を掘り、ここに持上ジ
ャッキ22を設置する。空洞21を形成する部分は破砕容易
な崩壊性耐火物17A であるため、ショベルカー等で空洞
21を容易に掘ることができる。次いで、図12に示すよう
に、持上ジャッキ22により残銑凝固物19を矢印で示す上
方にジャッキアップする。これらの作業は、残銑凝固物
19の温度が300℃程度あっても可能であり、除去作業を
早目に開始する。
【0027】続いて、図13に示すように、懸架された炉
体上部の下端部に配設された羽口23に鉄皮側吊具24を固
定する一方、残銑凝固物19と炉底れんが17との間に鉄板
で作った残銑吊バンド25(幅1200mm、厚み50mm程度)を
矢印で示す水平方向に差し渡す。図14に示すように、懸
架された高炉10の炉体上部1をリフトジャッキ16で下降
させた後、鉄皮側吊具24に残銑吊バンド25を連結する。
次に、図15に示すように、炉体上部1をリフトジャッキ
16で上昇させ、鉄皮側吊具24と残銑吊バンド25を介して
残銑凝固物19を吊り上げ、炉底れんが17の上に作業空間
を形成する。図16に示すように、炉底れんが17の表層部
に存在する崩壊性耐火物17A 等を建設重機26で除去する
等により炉底れんが17の表面を整備する。
【0028】図17に示すように、炉底れんが17の上にバ
ラス状スラグを転圧して造成した作業床28を形成する。
そして、図18に示すように、炉外の作業床28上に待機し
ている本発明の重量物輸送用パレット台車が備えたレー
ルスライド装置35と残銑パレット27を載置した移動用パ
レット36とを、エア浮上バッグ39の収縮、膨張および正
逆巻取装置45の駆動により尺取り虫のように交互に移動
させて高炉に近づける。
【0029】すなわち、図19に示すように、エア浮上バ
ッグ39の収縮したとき(図4参照)にレールスライド装
置35を、リフトジャッキ16で吊り上げた残銑凝固物19の
下方に引き込んだ状態とする。次に、エア浮上バッグ39
を膨張させ溝型スライドレール29の上面との間に形成し
た薄い空気の層により摩擦係数が大幅に低減した状態
(図7参照)として移動用パレット36を残銑凝固物19の
下方に引き込んだ状態とする。このとき移動用パレット
36の着地用脚部38は作業床28から離れた状態となってい
る。なお、作業床28の炉外側にはレベリングブロック49
が設置してあり、レベリングブロック49は輸送台車50に
搭載したレベル調整用架構51の荷台40に接続される。
【0030】図20に示すように、圧縮空気の供給を中止
してエア浮上バッグ39を萎ませ、移動用パレット36の着
地用脚部38を作業床28に着地させる。図21に示すよう
に、高炉10の炉体上部1をリフトジャッキ16で下降さ
せ、鉄皮側吊具24と残銑吊バンド25を介して支持されて
いた残銑凝固物19を残銑パレット27を介して移動用パレ
ット36上に載置する。羽口23に取り付けた鉄皮側吊具24
から残銑吊バンド25を切り離した後、図22に示すよう
に、高炉10の炉体上部1をリフトジャッキ16で上昇して
上方に退避させる。残銑凝固物19を支持するのに使用し
た残銑吊バンド25は、移動用パレット36上に載せたまま
とする。
【0031】図23に示すように、圧縮エアを供給してエ
ア浮上バッグ39を膨張させると、移動用パレット36の着
地用脚部38の下端が作業床28から切り離された状態にな
る。さらに、エア浮上バッグ39の下面と溝型スライドレ
ール29の上面との間から、空気が外側に漏れるようにな
り、移動用パレット36がごく薄い空気上に浮かんだ状態
となる(図7参照)。この状態で正逆巻取装置45を矢印
方向に正回転させるとレールスライド装置35が備えた溝
型スライドレール29は、その下面が作業床28への着地に
より拘束されているため動かず、ワイヤロープ47を介す
る推進力は、エア浮上バッグ39の下面と溝型スライドレ
ール29の上面との間に形成された薄い空気層により摩擦
係数を大幅に低下し、移動用パレット36の前進力として
作用する。これにより図24に示すように、移動用パレッ
ト36が炉外方向に移動し、溝型スライドレール29の炉外
端部に達する。
【0032】この段階で、図25に示すように、エア浮上
バッグ39への圧縮空気を供給を停止してこれを収縮させ
ると、エア浮上バッグ39の下面は溝型スライドレール29
の上面から離れるとともに溝型スライドレール29の下面
も作業床28から切り離される。そして、スプリング32の
弾性力により軸受33が押し下げられタイヤ式車輪34のみ
が接地した状態になる。一方、移動用パレット36が備え
た着地用脚部38は作業床28に着地していて、移動用パレ
ット36の重量は作業床28に支持される。この状態で正逆
巻取装置45を矢印方向に逆回転させると移動用パレット
36は、着地用脚部38を介する着地により拘束されている
ため動かずワイヤロープ47を介する前進力は、エア浮上
バッグ39から切り離された溝型スライドレール29に作用
するため、レールスライド装置35がタイヤ式車輪34を介
して作業床28上を前進させる(図4参照)。これにより
レールスライド装置35がレベリングブロック49上を通過
し、輸送台車50に搭載したレベル調整用架構51の荷台40
上まで移動される。
【0033】図26に示すように、再び圧縮エアを供給し
てエア浮上バッグ39を膨張させ、移動用パレット36の着
地用脚部38の下端を作業床28から切り離し、エア浮上バ
ッグ39の下面と溝型スライドレール29の上面との間から
漏れる空気層上に浮かせる(図7参照)。正逆巻取装置
45を矢印方向に正回転させ、移動用パレット36を点線位
置から輸送台車50に搭載したレベル調整用架構51の荷台
40上まで移動させる。この段階で、エア浮上バッグ39へ
の圧縮空気を供給を停止して収縮させ、移動用パレット
36をレールスライド装置35の溝型スライドレール29から
切り離し、移動用パレット36が備えた着地用脚部38を輸
送台車50に搭載したレベル調整用架構51の荷台40上に着
地させる。レールスライド装置35を輸送台車50から引出
し、専用の吊具を用いて撤去する。
【0034】図26に示すように、本発明では輸送台車50
をレールスライド装置35および移動用パレット36を組み
合わせた構造とし、レールスライド装置35の前後に正逆
巻取装置45と従動ローラ46を配置し、また、移動用パレ
ット36の上に着脱可能にレベル調整用架構51に搭載して
尺取り虫型移動機能を備えた輸送台車50とする。なお、
輸送台車50で使用するレールスライド装置35および移動
用パレット36は、前記重量物輸送用パレット台車に使用
するものを使用することができる。
【0035】輸送台車50が備えたスライドレール35およ
び移動用パレット36を尺取り虫のように交互に移動さ
せ、残銑パレット27を介して輸送台車50に載置された残
銑凝固物19を、まず吊替装置を設置した場所まで輸送
し、ここでレベル調整用架構51を取り外した輸送台車50
に積み替え、最終的に残銑凝固物置場まで輸送する。本
発明によれば、残銑凝固物置場まで輸送台車50を移動さ
せる長いレールを敷設する必要がなく、設備費の大幅な
節減が達成される。
【0036】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
重量が1000トンをオーバする超重量物を、長いレールを
敷設することなく、かつ摩擦抵抗の小さいエア浮上バッ
グを利用してエンドレスレールともいえる間欠型移動機
能を備えた重量物輸送用パレット台車を準備することに
より重量物の低コスト長距離輸送が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る重量物輸送用パレット台車を示す
側面図である。
【図2】本発明に係る重量物輸送用パレット台車を示す
正面図である。
【図3】本発明に係る重量物輸送用パレット台車を示す
平面図である。
【図4】本発明に係る重量物輸送用パレット台車を示す
部分拡大正面図である。
【図5】本発明に係るエア浮上バッグにエア供給を開始
したときの重量物輸送用パレット台車の状況を示す説明
図である。
【図6】本発明に係るエア浮上バッグへのエア供給によ
る膨張途中での重量物輸送用パレット台車の状況を示す
説明図である。
【図7】本発明に係るエア浮上バッグへのエア供給によ
る浮上作用中の重量物輸送用パレット台車の状況を示す
説明図である。
【図8】本発明を適用する高炉炉底部の解体状況を示す
高炉の側面図である。
【図9】高炉炉底部の鉄皮を除去したときの炉底部内状
況を示す側面図である。
【図10】高炉炉底部の鉄皮を除去したときの炉底部内の
残銑凝固物状況を示す側面図である。
【図11】高炉炉底部の鉄皮を除去して炉底部内の残銑凝
固物の周辺部に掘削した複数の空洞に持上ジャッキを配
設した状況を示す平面図である。
【図12】高炉炉底部内の残銑凝固物を持上ジャッキによ
り持ち上げた状況を示す側面図である。
【図13】持上ジャッキにより持ち上げた残銑凝固物と炉
底れんがとの間に残銑吊バンドを差し渡した状況を示す
側面図である。
【図14】懸架された炉体上部を下降させて、羽口に固定
した鉄皮側吊具に残銑吊バンドを連結した状況を示す側
面図である。
【図15】炉体上部をリフトジャッキで上昇させ、鉄皮側
吊具と残銑吊バンドを介して残銑凝固物を吊り上げ、炉
底れんがの上に作業空間を形成する状況を示す側面図で
ある。
【図16】本発明に係る炉底れんがの表層部を建設重機で
整備する状況を示す側面図である。
【図17】炉底れんがの上にバラス状スラグを転圧して作
業床を造成する状況を示す側面図である。
【図18】本発明に係る重量物輸送用パレット台車が炉外
の作業床上に待機している状況を示す側面図である。
【図19】本発明に係る重量物輸送用パレット台車をリフ
トジャッキで吊り上げた残銑凝固物の下方に引き込んだ
状態を示す側面図である。
【図20】リフトジャッキで吊り上げた残銑凝固物の下方
でエア浮上バッグを収縮させ、移動用パレットの着地用
脚部を作業床に着地させた状況を示す側面図である。
【図21】リフトジャッキにより残銑凝固物を下降させ、
移動用パレット上に残銑パレットを介して残銑凝固物を
載置した状況を示す側面図である。
【図22】移動用パレット上に残銑凝固物を載置した後、
炉体上部をリフトジャッキで上昇して上方に退避させた
状況を示す側面図である。
【図23】エア浮上バッグを膨張させ、移動用パレットの
着地用脚部の下端を作業床から切り離した状況を示す側
面図である。
【図24】エア浮上バッグにより移動用パレットを浮上さ
せてレールスライド装置上を炉外まで移動させた状況を
示す側面図である。
【図25】エア浮上バッグを収縮させ、レールスライド装
置を輸送台車に搭載したレベル調整用架構の荷台上まで
移動させた状況を示す側面図である。
【図26】エア浮上バッグを膨張させ、移動用パレットを
輸送台車に搭載したレベル調整用架構の荷台上まで移動
させた状況を示す側面図である。
【図27】 従来の炉体用輸送台車にリングブロックを載
置して、高炉炉体基礎部の近傍まで移動して組み立てる
状況を示す側面図である。
【符号の説明】
1 上部炉体 2 下部炉体 10 高炉 11 炉底部 12 朝顔部 13 炉胸部 14 炉口部 15 炉体支柱 16 リフトジャッキ 17 炉底れんが 18 崩壊物 19 残銑凝固物 20 ロッド 21 空洞 22 持上ジャッキ 23 羽口 24 鉄皮側吊具 25 残銑吊バンド 26 建設重機 27 残銑パレット 28 作業床 29 スライドレール(溝型スライドレール) 30 軸受部 31 セット孔 32 弾性部材(スプリング) 33、43 軸受 34 タイヤ式車輪 35 レールスライド装置 36 移動用パレット 37 パレット本体 38 着地用脚部 39 浮上バック(エア浮上バック) 40 荷台 41 ガイドローラ 42 支持フレーム 44 エアホース 45 正逆巻取装置 46 従動ローラ 47 ワイヤロープ 48 エア供給路 49 レベリングブロック 50 輸送台車 51 レベル調整用架構 52 炉体用輸送台車 53 リングブロック 54 積荷レベル調整架構 55 高炉炉体基礎部 56、57 レール 58 支持ブロック 59 移動台 60 駆動シリンダ 61 吊具 A 第1エア供給口 B 第2エア供給口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 昌男 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 安原 博行 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量物を載置して移動する移動用パレッ
    トと移動用パレットの下方に位置しかつ移動用パレット
    の移動方向長さよりも長い寸法の移動方向長さを有する
    レールスライド装置とからなり、移動用パレットとレー
    ルスライド装置のそれぞれの移動を交互に繰り返しなが
    ら重量物を輸送する重量物輸送用パレット台車であっ
    て、 前記移動用パレットは、下面に複数本の着地用脚部を備
    えたパレット本体と、該パレット本体の下面長手方向に
    前記着地用脚部に干渉しないように配設された複数列の
    支持フレームと、該支持フレームの長手方向下面に配設
    され圧力流体源に接続された流体圧による浮上バッグと
    で形成され、 前記レールスライド装置は、前記支持フレームに対応し
    て下方位置に配置された複数列のスライドレールと、該
    スライドレールの幅方向両側に位置して長手方向に間隔
    を置いて配設された複数の軸受部と、該軸受部に設けた
    セット孔に上端を固定して下向きにセットされた弾性部
    材と、該弾性部材を介して下側に弾性支持される軸受に
    設けた車輪とから形成し、 前記移動用パレットと前記レールスライド装置は、前記
    支持フレームと前記スライドレールとを位置合わせして
    組み合わせられ、 前記スライドレールの長手方向両端部にそれぞれ取り付
    けた正逆巻取装置と従動ローラによりリンク駆動される
    ワイヤロープが、前記移動用パレットの前端部および後
    端部にそれぞれ接続されていることを特徴とする重量物
    輸送用パレット台車。
  2. 【請求項2】 前記スライドレールの側面と前記支持フ
    レームの外側面との間に複数のガイドローラを長手方向
    に間隔を置いて配設したとを特徴とする請求項1記載の
    重量物輸送用パレット台車。
  3. 【請求項3】 前記浮上バッグおよび該浮上バッグの包
    囲部にそれぞれ圧力流体源からの圧力流体を供給する供
    給口を配備したことを特徴とする請求項1記載の重量物
    輸送用パレット台車。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104879738A (zh) * 2015-05-14 2015-09-02 李广连 一种燃油燃气蒸汽炉机体缓冲件
CN116950996A (zh) * 2023-09-21 2023-10-27 无锡星微科技有限公司杭州分公司 一种承重台及具有该承载台的直线平台

Cited By (3)

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CN116950996A (zh) * 2023-09-21 2023-10-27 无锡星微科技有限公司杭州分公司 一种承重台及具有该承载台的直线平台
CN116950996B (zh) * 2023-09-21 2023-12-29 无锡星微科技有限公司杭州分公司 一种承重台及具有该承载台的直线平台

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