JP2002080237A - シングルエンドガラスロービング - Google Patents

シングルエンドガラスロービング

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JP2002080237A
JP2002080237A JP2000270679A JP2000270679A JP2002080237A JP 2002080237 A JP2002080237 A JP 2002080237A JP 2000270679 A JP2000270679 A JP 2000270679A JP 2000270679 A JP2000270679 A JP 2000270679A JP 2002080237 A JP2002080237 A JP 2002080237A
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JP
Japan
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glass
roving
stress
filament
difference
Prior art date
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Pending
Application number
JP2000270679A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Sakaguchi
武史 阪口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
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  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、外部からFRP成形体の破
壊応力を超える応力が加わってもFRP成形体が直ちに
破壊することがなく、破壊が徐々に進行し、完全に破壊
する前に、破壊の発生を感知できるシングルエンドガラ
スロービングを提供することである。 【構成】 本発明のシングルエンドガラスロービング
は、最も長いガラスフィラメントと最も短いガラスフィ
ラメントの糸長差が0.1〜0.5%で、糸長差のバラ
ツキσn-1が0.05%以上であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス繊維強化プラス
チック(以下FRPという)の強化材等に用いられるシ
ングルエンドガラスロービングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガラスロービングは様々なFR
Pの強化材として利用されるが、フィラメントワインデ
ィングと呼ばれる管体成形や、引き抜き成形では、主に
シングルエンドガラスロービングが使用される。シング
ルエンドガラスロービングは、紡糸後、全てのガラスフ
ィラメントを引きそろえて直接ロービングとするため、
ガラスフィラメントの長さが揃っていることを特徴と
し、別名DWR(Direct Wound Rovi
ng)と呼ばれる。
【0003】ガラスフィラメントの長さが揃ったシング
ルエンドガラスロービングから作製した管状や棒状のF
RP成形体は、全てのガラスフィラメントが同時に外部
からの応力を受けるため、機械的強度が高く、高い機械
的強度や衝撃強度が要求される構造部材として使用され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラス
フィラメントの長さが揃ったシングルエンドガラスロー
ビングから作製したFRP成形体を、自動車、飛行機、
化学プラント等の構造部材として用いると、外部から構
造部材の破壊応力を超える応力が加えられた際に、構造
部材が直ちに破壊されてしまうことがあり、安全上好ま
しくない。
【0005】本発明の目的は、上記事情に鑑みなされた
ものであり、外部からFRP成形体の破壊応力を超える
応力が加わってもFRP成形体が直ちに破壊することが
なく、破壊が徐々に進行し、完全に破壊する前に、破壊
の発生を感知できるシングルエンドガラスロービングを
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成すべく鋭意研究を行った結果、ガラスフィラメントの
長さが異なるシングルエンドガラスロービングを使って
FRP成形体を作製すれば、FRP成形体に応力が加わ
るに従って、最も短いガラスフィラメントから順に破断
するため、外部からFRP成形体の破壊応力を超える応
力が加わっても、FRP成形体の破壊が徐々に進行し、
完全に破壊する前に、破壊の発生を感知できることを見
出し、本発明を提案するに至った。
【0007】即ち、本発明のシングルエンドガラスロー
ビングは、最も長いガラスフィラメントと最も短いガラ
スフィラメントの糸長差が0.1〜0.5%で、糸長差
のバラツキσn-1が0.05%以上であることを特徴と
する。
【0008】
【作用】本発明のシングルエンドガラスロービングは、
最も長いガラスフィラメントと最も短いガラスフィラメ
ントの糸長差が0.1〜0.5%で、糸長差のバラツキ
σn-1が0.05%以上、好ましくは0.1%〜0.2
5%であるため、外部からFRP成形体の破壊応力を超
える応力が加わっても、FRP成形体が、直ちに破壊す
ることがなく、破壊が徐々に進行し、完全に破壊する前
に破壊の発生を感知することができる。
【0009】すなわち、最も長いガラスフィラメントと
最も短いガラスフィラメントの糸長差が0.1%よりも
小さいと、外部からFRP成形体の破壊応力を超える応
力が加わった際、直ちに破壊が進んでしまうため好まし
くなく、0.5%よりも大きいと、FRP成形体の破壊
応力が低くなりすぎるため好ましくない。
【0010】また、糸長差のバラツキσn-1が0.05
%よりも小さいと、外部からFRP成形体の破壊応力を
超える応力が加わった際、直ちに破壊が進んでしまうた
め好ましくない。
【0011】管体成形や引き抜き成形によって、管状や
棒状のFRP成形体を作製するには、シングルエンドガ
ラスロービングの番手は、1150〜4630texで
あることが望ましく、そのような番手にするためには、
ガラスフィラメント径は、17〜23μmであることが
望ましい。
【0012】シングルエンドガラスロービングに用いる
集束剤は、管体成形や引き抜き成形によって管状や棒状
のFRP成形体を作製する際には、シングルエンドガラ
スロービングに、短時間でマトリックス樹脂が含浸する
必要があるため、常温で液状のエポキシ樹脂やマトリッ
クス樹脂の溶剤であるスチレンに素早く溶けるポリエス
テル樹脂や酢酸ビニル樹脂であると好ましい。
【0013】本発明のシングルエンドガラスロービング
を得るには、ブッシングのノズル温度に分布を持たせ、
ガラスフィラメントに加わる紡糸張力に分布を持たせる
ことが有効であり、具体的には、ブッシングのノズルか
ら多数のガラスフィラメントを引き出し、全てのガラス
フィラメントをギャザリングシューによって集束し、一
本のロービングとした後、カムトラバースによって綾掛
けしながら巻取るシングルエンドガラスロービングの製
造方法において、ブッシングのノズルにおける最大温度
差を30〜60℃とする。
【0014】すなわち、ブッシングのノズルにおける最
大温度差が30℃より小さいと、最も長いガラスフィラ
メントと最も短いガラスフィラメントの糸長差が0.1
%よりも小さく、糸長差のバラツキσn-1が0.05%
より小さくなり、60℃より大きいと、ガラス生地の粘
性差が大きくなり、紡糸ができなくなるためである。
【0015】また、ブッシングに印加する電圧に勾配を
つけたり、あるいは、ブッシングとブッシングの下部に
ある冷却パイプとの距離を変えることにより、冷却のバ
ランスを変えると、容易にブッシングのノズルにおいて
温度分布をつけることができるため好ましい。
【0016】また、本発明のシングルエンドガラスロー
ビングを得るための他の方法は、ブッシングのノズルか
ら多数のガラスフィラメントを引き出し、全てのガラス
フィラメントをギャザリングシューによって集束し、一
本のロービングとした後、カムトラバースによって綾掛
けしながら巻取るシングルエンドガラスロービングの製
造方法において、カムトラバースの溝幅を、ロービング
巾の150〜300%とする方法である。
【0017】すなわち、カムトラバースの溝幅が、ロー
ビング巾の150%より小さいと、最も長いガラスフィ
ラメントと最も短いガラスフィラメントの糸長差が0.
1%よりも小さく、糸長差のバラツキσn-1が0.05
%より小さくなり、300%より大きいと、ロービング
がロール端面より外れ、正常に巻き取ることができな
い。
【0018】勿論、上記した2つの製造方法を組み合わ
せることによっても、本発明のシングルエンドガラスロ
ービングを得ることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。
【0020】表1に本発明の実施例と比較例を示す。図
1、2にはそれぞれ実施例1、比較例1の圧縮モードに
おける応力−歪み曲線を示す。
【0021】
【表1】
【0022】実施例1は、まず、ガラスフィラメントを
引き出すブッシングの端部と中央部におけるノズルの最
大温度差を40℃とし、4000本のガラスフィラメン
トを引き出し、直径23μmのガラスフィラメントに集
束剤(固形分50質量%のポリエステルエマルションを
5.0質量%、メタクリルシランカップリング剤を0.
6質量%、カチオン系潤滑剤を0.6質量%、イオン交
換水を93.8質量%)を付着率0.4質量%となるよ
うに塗布した後に、ギャザリングシューを用いて集束さ
せ、カムトラバースを経由して巻き取り、所定時間乾燥
した後に4400texのシングルエンドガラスロービ
ングを得た。尚、カムトラバースの溝幅は、ロービング
巾の100%であった。
【0023】また、実施例2では、ガラスフィラメント
を引き出すブッシングの端部と中央部におけるノズル温
度差を20℃とし、カムトラバースの溝幅を、ロービン
グ巾の250%とした以外は、実施例1と同様にしてシ
ングルエンドガラスロービングを得た。
【0024】これらのシングルエンドガラスロービング
を強化材とし、またオルソ系不飽和ポリエステル樹脂を
マトリックス樹脂として使用し、フィラメントワインデ
ィング成形法を用いてガラス繊維の含有率が65質量%
で、内径84.5mm、外径88.0mmのFRP管体
を得た。
【0025】比較例1は、ガラスフィラメントを引き出
すブッシングの端部と中央部においてノズル最大温度差
を20℃とし、カムトラバースの溝幅を、ロービング巾
の100%とした以外は、実施例と同様の方法を用いシ
ングルエンドガラスロービングを作成し、実施例と同様
にしてFRP管体を得た。
【0026】ガラスフィラメントの糸長差は、イーブン
測定法によって測定した。この測定方法は、まず、シン
グルエンドガラスロービングより2mの長さのロービン
グを採取し、直ちにガラスフィラメントがずれないよう
に、シングルエンドガラスロービングの両端部を接着剤
を用い固定する。固定後、その両端部を軽く引っ張りな
がら2mの間隔を有する冶具に固定し、全てのガラスフ
ィラメントをバラバラになるまで解し、最も短いガラス
フィラメントが弛まないように、両端を軽く引っ張る。
この時、ガラスフィラメントの長さが異なると、長いガ
ラスフィラメントはその分だけ弛み、結果としてガラス
ロービングは中央部において巾広くなる。この中央部に
おけるガラスロービングの巾をイーブン巾と呼び、この
イーブン巾が大きいほどガラスフィラメントの糸長差が
大きいことを示す。図3に示すように、ガラスフィラメ
ントの糸長差は、弛んだガラスフィラメントの中央部に
針等を引っ掛けて下方に引き、最短のガラスフィラメン
トと間にできる弛み距離dより求めることができる。ガ
ラスフィラメント10と弛んだガラスフィラメント11
における1m当たりの長さの差、ΔL(mm)は、ΔL
=√(10002+d2)−1000によって求めること
ができる。
【0027】また、FRP管体の破壊応力と応力−歪み
曲線の測定は、JIS K 6911の管体強度測定法
に準じて行った。
【0028】表1及び図1から明らかなように、実施例
1、2は、最も長いガラスフィラメントと最も短いガラ
スフィラメントの糸長差や糸長差のバラツキσn-1が大
きいため、FRP管体の破壊応力は低いが、徐々に破壊
が進み、直ちに破壊することが無かった。尚、実施例2
の応力−歪み曲線は、実施例1とほとんど変わらなかっ
たため省略した。
【0029】それに対し、図2に示すように、比較例1
は最も長いガラスフィラメントと最も短いガラスフィラ
メントの糸長差や糸長差のバラツキσn-1が小さく、F
RP管体の破壊応力は高いが、直ちに破壊した。
【0030】また、実施例、比較例の全体の破壊エネル
ギーを示す応力−歪み曲線の面積は同等であり、FRP
管体としての使用対応年数には大きな差はないことがわ
かる。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明のシングルエンド
ガラスロービングは、外部からFRP成形体の破壊強度
を超える応力が加わっても、FRP成形体が直ちに破壊
することがなく、破壊が徐々に進行し、完全に破壊する
前に破壊の発生を感知できるため、自動車、飛行機、化
学プラント等の構造部材として使用でき、災害予知を必
要とする分野において有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の圧縮モードにおける応力−
歪み曲線。
【図2】比較例1の圧縮モードにおける応力−歪み曲
線。
【図3】イーブン法の測定方法概念図。
【符号の説明】
10 最短のガラスフィラメント 11 弛んだガラスフィラメント

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最も長いガラスフィラメントと最も短い
    ガラスフィラメントの糸長差が0.1〜0.5%で、糸
    長差のバラツキσn-1が0.05%以上であることを特
    徴とするシングルエンドガラスロービング。
JP2000270679A 2000-09-06 2000-09-06 シングルエンドガラスロービング Pending JP2002080237A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009057643A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラスロービング、ガラスロービング製造用トラバース装置、及びガラスロービングの製造方法

Cited By (1)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009057643A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラスロービング、ガラスロービング製造用トラバース装置、及びガラスロービングの製造方法

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