JP2002080017A - 殺菌装置 - Google Patents

殺菌装置

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JP2002080017A
JP2002080017A JP2001183800A JP2001183800A JP2002080017A JP 2002080017 A JP2002080017 A JP 2002080017A JP 2001183800 A JP2001183800 A JP 2001183800A JP 2001183800 A JP2001183800 A JP 2001183800A JP 2002080017 A JP2002080017 A JP 2002080017A
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JP
Japan
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container
sterilization
ultraviolet
pet bottle
heat
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Application number
JP2001183800A
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English (en)
Inventor
Masashi Shoji
正史 小路
Ken Shimizu
謙 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HOSHIN KAGAKU SANGYOSHO KK
Original Assignee
HOSHIN KAGAKU SANGYOSHO KK
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  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 容器の下面又は下面近傍に付着して充填ライ
ンに細菌等が持ち込まれるのを防止し、その細菌等によ
って充填ラインが汚染されることがないようにする。 【解決手段】 PETボトル15の底部15dの下面又
は下面近傍以外の部分を保持してPETボトル15を搬
送する持ち上げ搬送コンベヤ14と、PETボトル15
の搬送ラインに沿って設置されると共にPETボトル1
5に対して電磁波の一具体例を示す紫外線を照射してP
ETボトル15の表面を紫外線により殺菌する紫外線殺
菌装置17と、搬送ライン上に設置されると共にPET
ボトル15に対して熱を加えてPETボトル15の表面
を加熱により殺菌する熱湯噴出装置18との少なくとも
一方を設ける。紫外線殺菌装置17及び熱湯噴出装置1
8の少なくとも一方でPETボトル15の底部15dの
下面及び下面近傍を、紫外線又は熱により殺菌する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲料や食品、医薬
品等の内容物が充填されるPETボトル、牛乳瓶、ビー
ル瓶、医薬品用瓶、飲料用缶、食品用缶、紙パック、プ
ラスチックパック等の容器の下面及びその近傍(底部が
容器本体と一体に形成されたものの他、底部に設けた開
口部に蓋材又はシール材を装着することにより底部を構
成するものを含む。)を、紫外線その他の電磁波の照射
による殺菌及び加熱による殺菌の少なくとも一方の殺菌
手段を用いて、容器の下面及び/又はその近傍に付着し
た殺菌対象を殺菌処理する殺菌装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば、天然水、コーヒー飲
料、果実飲料、牛乳、錠剤、加工食品等は、プラスチッ
ク製ボトル(例えば、PETボトル)、ガラス瓶、スチ
ール製缶等のように各種の材料により成形された容器に
充填されて容器入り飲料、容器入り食品等として市場に
供給されている。このような容器入り飲料等において
は、衛生面等の観点から内容物を充填する前に、容器の
内部や開口部を洗浄し、殺菌することが行われている。
【0003】このような容器の殺菌に使用される殺菌装
置としては、例えば、図11に示すようなものが知られ
ている。図11に示す殺菌装置は、紫外線による殺菌力
を利用して容器であるPETボトル2の内部や開口部を
殺菌するようにした紫外線殺菌装置である。この紫外線
殺菌装置1は、横長とされた容器殺菌室3と、この容器
殺菌室3を長手方向に貫通するコンベヤ4と、容器殺菌
室3の上部に設置された紫外線ランプ5等を備えて構成
されている。紫外線ランプ5は、コンベヤ4に沿ってそ
の上方に配設されており、このコンベヤ4に載置されて
搬送されるPETボトル2に対して上方から紫外線が放
射される。
【0004】この紫外線ランプ5から放射される紫外線
は、PETボトル2の上面に照射されると共に、その開
口部から容器内部に入射され、その内面に紫外線が照射
される。これにより、容器の内部及び開口部が紫外線に
よって殺菌され、この殺菌された容器に所定の内容物が
充填される。その後、内容物が充填された容器の開口部
に、予め紫外線等によって殺菌されたキャップを装着し
て密封することにより、ボトル入り飲料の製造が完了す
る。
【0005】このような容器入り飲料等の製造におい
て、内容物が充填されるPETボトル2等の容器の供給
方式には、大別して次の2種類の方式がある。第1の方
式は、飲料等の製造装置に併設して容器製造装置を設
け、この容器製造装置により製造された容器をそのまま
飲料等の製造ラインに供給する方式である。この第1の
方式の場合には、例えば、ポリエチレンテレフタレート
(PETP)等のプラスチックをブロー成形して容器を
製造するブロー成形機が使用されている。このブロー成
形機では、飲料等の製造工程に先行させて容器を製造
し、内容物の充填ラインに間に合うように途切れること
なく容器を成形してストックしながら供給する必要があ
る。
【0006】また、第2の方式は、ブロー成形機等によ
って予め多数の容器を容器製造会社等で製造し、その容
器をトラック等の運送手段により輸送して、飲料工場や
充填工場に供給する方式である。この第2の方式の場合
には、予め製造された多数の容器を保管しておくための
設備が必要となり、容器を輸送するための梱包作業やそ
の梱包を開く作業等が必要である。そして、飲料等の製
造時には、輸送されてきた梱包を開いて製造ラインに多
数の容器を一度に供給し、その中から容器を1個ずつ充
填ライン等に供給するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような紫外線殺菌装置1においては、コンベヤ4によ
って搬送されるPETボトル2の上方に紫外線ランプ5
が設置されており、この紫外線ランプ5によってPET
ボトル2の上部に紫外線を照射する構成となっていた。
そのため、PETボトル2の上面及び内面にのみ紫外線
が照射され、このPETボトル2の下面及び下面近傍に
は紫外線が照射されないことから、下面及びその近傍に
付着したままの細菌等が殺菌されずに生存することがあ
る。その結果、飲料等の製造時において、PETボトル
2の下面等に付着して持ち込まれて殺菌されずに残った
細菌等が充填ラインに移転されることにより、この細菌
等によって充填ライン(洗浄装置等を含む。)が汚染さ
れるという課題があった。
【0008】この点について詳しく説明すると、従来、
PETボトル2の殺菌については、ボトル内部及びその
注ぎ口(開口部)のみが対象とされており、PETボト
ル2の下面及び下面近傍については殺菌部位として考慮
されていなかった。これは、PETボトル2の下面及び
下面近傍については内容物に触れることがまったくない
ため、仮に下面等に細菌等が付着していた場合にも、そ
の細菌等によってボトル内部に充填されている内容物が
汚染されることがなく、また、注ぎ口がその細菌等によ
って汚染されるおそれもない等の理由によるものと考え
られる。
【0009】ところが、近年、充填ライン自体の細菌等
による汚染が問題となってきた。即ち、PETボトル2
の内部や開口部を殺菌しているにも係わらず、内容物の
充填ラインに細菌等による汚染が現れてきた。これは、
近年における飲料製造技術の向上により、合成保存料を
使用せずしかも加熱処理を嫌う果実飲料や天然水等を内
容物として用いる飲料において顕著に現れている。この
ような内容物を対象とする充填ラインにおいては、細菌
等による汚染の広がりが比較的早いために注意する必要
がある。
【0010】そのため、PETボトル2の下面や下面近
傍であっても、そこに細菌等が付着している場合には、
その細菌等が充填ライン側に移されるおそれがある。そ
の結果、PETボトル2の下面等から移された細菌等に
よって充填ライン自体が汚染されることがある。このよ
うに充填ラインが汚染されると、内容物が汚染されて容
器に充填されるため、不衛生になるという課題が生じ
る。
【0011】ここで、PETボトル2の下面及び下面近
傍に細菌等が付着することについて説明する。上述した
第1の方式の場合、ブロー成形時には容器自体が比較的
高温になるため、細菌が付着したときにもそれが生き残
ることが少ないことからあまり問題になることはない。
しかしながら、その後の冷却工程を経てPETボトル2
が所定温度以下に降下すると、空気中を浮遊している細
菌等が自然に又は帯電された静電気により吸い付けられ
て、PETボトル2の表面に付着される。そして、PE
Tボトル2の下面及び下面近傍に付着した細菌等が殺菌
の対象とされずに残されて、充填ラインに持ち込まれ
る。
【0012】また、上述した第2の方式の場合には、容
器製造工場で作られた多数のPETボトル2は、例え
ば、段ボールによって作られる外装体や容器固定用の仕
切り板、或いは容器を包む樹脂フィルム等の包装用箱に
詰め込まれて一旦倉庫等に保管される。そして、必要時
に倉庫等から取り出され、飲料等の製造工場に搬送され
て、飲料等の製造ラインに供給される。
【0013】この場合、段ボール製の外装体や仕切り
板、樹脂フィルム製の包装材に収納して倉庫等に保管す
るときには、その保管時において、段ボールその他の紙
材、枠等の木材、樹脂フィルム等を餌とするカビ系の細
菌(例えば、ケトミウム「Chaetomium Globosum 」)が
PETボトル2の表面に付着する。この細菌が付着され
たPETボトル2が飲料等の製造ラインに供給される際
に、その容器の内部及び注ぎ口が殺菌され、その殺菌後
のPETボトル2に内容物が充填される。
【0014】しかしながら、PETボトル2の下面及び
下面近傍は、充填直前の殺菌対象部位とされていないた
め、その下面及び下面近傍に付着している細菌が取り残
されて殺菌されずに残存する。その結果、下面等に付着
した細菌が搬送コンベヤや洗浄装置等を含む充填ライン
に持ち込まれ、容器が細菌の振りまきの原因となって飛
散させることにより、振りまかれた細菌が内容物充填装
置に付着して内容物を汚染させる原因となっていた。特
に、最近のPETボトル2は、肉厚をできるだけ薄くし
て軽量化を図る一方、一定の強度を持たせるために多数
の凹凸を設けていることから形状が複雑なものとなって
いる。そのため、PETボトル2の外表面の凹部におい
て汚れ等が溜まり易くなっており、その凹部に入り込ん
だ細菌が生き残って充填ラインに持ち込まれていた。ま
た、ガラス製容器の場合には、安定性や滑りを防止する
ため等の理由から下面や下面近傍に細かな凹凸が設けら
れている。
【0015】尚、PETボトル2に付着して充填ライン
に持ち込まれるものには、例えば、黒カビ等のカビ類も
含まれる。また、土壌菌等の耐熱性、耐熱耐酸性を有す
る細菌等も包装用容器等に付着しているため、これらの
菌がPETボトル2等の容器を介して充填ラインに持ち
込まれることもある。これらの熱に対する耐性を有する
菌や薬品に対する耐性を有する菌の場合には、加熱殺菌
のみ或いは薬品による殺菌のみでは充分な殺菌作業が行
われたと言うことができない。
【0016】即ち、熱に弱い容器を使用する場合には、
加熱温度の調節に細やかな注意を払う必要があり、加熱
殺菌を適用することが難しい。その結果、熱に弱い容器
の殺菌手段としては、薬品による殺菌しか行われないこ
とが多く、この場合には、耐熱性を有する菌が容器に残
存することになる。また、薬品に弱い容器を使用する場
合には加熱による殺菌しか行われないため、耐薬品性を
有する菌が容器に残存することになる。
【0017】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたものであり、電磁波殺菌手段及び加熱殺菌手段
のうち少なくとも一方の殺菌手段を設け、電磁波に弱い
殺菌対象に対しては電磁波殺菌を行い、熱に弱い殺菌対
象に対しては加熱殺菌を行い、また、電磁波若しくは加
熱の一方に強い殺菌対象に対しては電磁波殺菌と加熱殺
菌との両方を行うことにより、容器の下面又は下面近傍
を介して充填ラインに細菌等が持ち込まれるのを防止
し、その細菌等によって充填ラインが汚染されることが
ないようにすること目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述したような課題等を
解決し、上記目的を達成するために、本出願の殺菌装置
は、容器の下面又は下面近傍以外の部分を保持して容器
を搬送する容器搬送手段と、容器の搬送ライン上若しく
は搬送ラインの近傍に設置されると共に、容器の下面及
び/又は下面近傍に対して電磁波を照射して容器の表面
を電磁波により殺菌する電磁波殺菌手段及び容器の下面
及び/又は下面近傍に対して熱を加えて容器の表面を熱
により殺菌する加熱殺菌手段のうち少なくとも一方の殺
菌手段と、を設け、電磁波殺菌手段及び/又は加熱殺菌
手段により容器の下面及び/又は下面近傍に付着してい
る殺菌対象を電磁波及び熱の少なくとも一方で殺菌する
ようにしたことを特徴としている。
【0019】このように構成したことにより、本出願の
殺菌装置では、容器の下面若しくは下面近傍又はその両
面に付着したカビや細菌等の殺菌対象を、電磁波殺菌手
段による電磁波殺菌(特に、紫外線殺菌が主となるが、
一部の可視光線その他の電磁波による殺菌を含む。)及
び加熱殺菌手段による加熱殺菌のうち少なくとも一方に
よって殺菌するようにしたことから、その殺菌対象が容
器の下面や下面近傍に付着して内容物の充填ラインに持
ち込まれるのを防止し、その内容物や製造ライン等が殺
菌対象によって汚染されるのを防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1〜図10は本発明の実施
の例を示すもので、図1は第1の実施例に係る殺菌装置
の全体構成を示す外観斜視図、図2は同じく縦断面図、
図3は図1のS−S線断面図、図4は図1のT−T線断
面図、図5A〜Fは第1の実施例に係る殺菌装置を有す
る飲料製造ラインの工程説明図、図6は第2の実施例に
係る殺菌装置の平面図、図7は図6のX−X線断面図、
図8は図6のY−Y線断面図、図9は本発明の実施例に
係る殺菌装置を説明するためのブロック説明図、図10
は本発明の実施例に係る殺菌装置を備えた無菌充填装置
の概略構成を示す説明図である。
【0021】図1〜図4に示すように、本発明の第1の
実施例を示す殺菌装置10は、トンネル構造を備えた横
長の殺菌室11と、この殺菌室11の長手方向の両端に
それぞれの端部が入り込む前部コンベヤ12及び後部コ
ンベヤ13と、殺菌室11の内部に設置された持ち上げ
搬送コンベヤ14と、この持ち上げ搬送コンベヤ14に
よって搬送される容器15を上部から、電磁波の一具体
例を示す紫外線によって殺菌する上部紫外線殺菌装置1
6と、同じく容器15を下部から紫外線によって殺菌す
る紫外線殺菌手段の第1の実施例を示す下部紫外線殺菌
装置17と、同じく容器15を下部から熱を加えて加熱
により殺菌する加熱殺菌手段の第1の実施例を示す熱湯
噴出装置18等を備えて構成されている。
【0022】殺菌室11は、左右方向に所定の間隔をあ
けて対向設置された側壁部11a,11bと、この両側
壁部11a,11bの上端部間を連結する天井部11c
と、床面部11dとを備えている。この殺菌室11の一
方の側壁部11aには、2つの容器取出口20,20が
長手方向に所定の間隔をあけて設けられている。各容器
取出口20には開閉カバー21が開閉可能に取り付けら
れている。更に、側壁部11aの内面には、各開閉カバ
ー21の開閉状態を検出するリミットスイッチ22がそ
れぞれ取り付けられている。各開閉カバー21には取手
21aが取り付けられており、この取手21aを持って
開閉カバー21を開放することにより、リミットスイッ
チ22の働きを介して上下部の紫外線殺菌装置16,1
7及び熱湯噴出装置18の動作が自動的に停止するよう
に構成されている。
【0023】また、殺菌室11の天井部11cには、長
手方向に延びる四角形の2つの開口部23,23が設け
られている。各開口部23は、これよりも若干大きく形
成された上面板24によってそれぞれ着脱可能に覆われ
ている。各上面板24の上面には、長手方向に所定の間
隔をあけて一対の取手25,25が取り付けられてい
る。更に、各上面板24の長手方向一端の上面には、コ
ネクタボックス26が固定ネジ等の固着手段によって着
脱可能に取り付けられている。このコネクタボックス2
6は、後述する紫外線ランプに電力を供給することを主
目的とするものである。コネクタボックス26は直方体
の筐体からなり、その上面に設けた開口部を閉鎖するボ
ックスプレート26aには、多数のコネクタ27が着脱
可能に取り付けられている。
【0024】前部コンベヤ12は、紫外線及び加熱によ
る殺菌の対象物である容器15を搬送して殺菌室11内
に搬入するものである。この前部コンベア12の後端部
が、殺菌室11の長手方向の一方の端部に挿入されてい
る。また、後部コンベヤ13は、紫外線及び加熱による
殺菌処理が終了した容器15を殺菌室11から外部に搬
出するものである。この後部コンベア13の前端部が、
殺菌室11の長手方向の他方の端部に挿入されている。
【0025】これら前部及び後部コンベア12及び13
は、容器15が載置される無端状に連結された搬送媒体
28と、この搬送媒体28を循環式に走行可能に支持す
る支持枠体29とを備えている。支持枠体29には、搬
送媒体28の両側において側方に展開された平面部29
a,29aが設けられている。このような前部及び後部
コンベア12及び13としては、例えば、ベルトコンベ
ヤ、バケットコンベヤ、チェーンコンベヤ、ネックコン
ベヤ、エアー移送コンベヤ等のように容器を載置して水
平方向に搬送する各種のコンベヤ装置を適用することが
できる。
【0026】この前部及び後部コンベア12及び13に
よって搬送される容器15としては、例えば、PETボ
トル(ポリエチレンテレフタレート製ボトル)を挙げる
ことができる。このPETボトル15は、前部コンベヤ
12の搬送媒体28上に垂直に立てた状態で載置されて
おり、垂直状態を保持して略水平方向に搬送される。こ
の前部コンベヤ12の後端部において後述する持ち上げ
搬送コンベヤ14に引き継がれ、後部コンベヤ13の前
端部まで搬送される。そして、持ち上げ搬送コンベヤ1
4から後部コンベヤ13に引き継がれ、後部コンベヤ1
3の搬送媒体28上に垂直に立てた状態で載置され、そ
の垂直状態を保持して水平方向に搬送される。
【0027】このPETボトル15は、容器の一具体例
を示すものであって、PET以外の樹脂製ボトルを適用
できることは勿論のこと、牛乳瓶やビール瓶等のガラス
瓶、或いはスチール製の缶、紙パック、プラスチック製
パック等のように各種材料により製造される容器を適用
することができる。
【0028】このPETボトル15は、図3及び図4に
示すように、円筒状の胴部15aと、この胴部15aの
上端に連続する円錐筒状の肩部15bと、この肩部15
bの上端に連続する円筒状の口部15cと、胴部15a
の下端を閉じる底部15dとを有し、これらは一体に形
成されている。また、PETボトル15の口部15cの
外周面には、図示しないキャップが螺合される雄ネジが
設けられている。更に、口部15cと肩部15bとが連
続する部分には、外向きに展開されたフランジ部15e
が形成されている。
【0029】このような構成を有するPETボトル15
が、持ち上げ搬送コンベヤ14によって前部コンベヤ1
2から後部コンベヤ13まで搬送される。尚、PETボ
トル15の口部15cに設けられた上面に開口する穴が
注ぎ口とされている。この注ぎ口から充填機によって内
容物が充填され、また、飲食時等においては、注ぎ口か
ら内容物が注ぎ出される。
【0030】持ち上げ搬送コンベヤ14は、図1〜図4
に示すように、PETボトル15を持ち上げるようにし
て支持する一対の支持レール30,30と、この一対の
支持レール30,30によって支持されているPETボ
トル15を挟んで水平方向に搬送する一対の搬送ベルト
31,31等を備えている。一対の支持レール30,3
0は、殺菌室11の長手方向の一端近傍から他端近傍ま
で達する長さを有する断面円形の棒体からなり、PET
ボトル15のフランジ部15eを両側から支えることが
できるように配置されている。そのため、各支持レール
30には、長手方向の複数箇所(本実施例では4箇所)
において側方に突出する固定アーム32が一体に固定さ
れて取り付けられている。
【0031】各固定アーム32の先端部には雄ネジ32
aが設けられており、その雄ネジ32aは支持ブラケッ
ト33の先端部に設けた孔に挿通されている。更に、各
固定アーム32の雄ネジ32aにはナット34が2個ず
つ螺合されている。この2個のナット34を支持ブラケ
ット33の両側から共に締め込むことにより、固定アー
ム32が支持ブラケット33に固定されている。各支持
ブラケット33の基端部は、殺菌室11の天井部11c
に固定されている。これにより、左右方向で対をなす複
数組(本実施例では4組)の支持ブラケット33を介し
て一対の支持レール30,30が、左右対称となるよう
に取り付けられている。
【0032】一対の支持レール30,30の高さは、前
部コンベヤ12によって搬送されるPETボトル15の
フランジ部15eの高さよりも少々高い位置に設定され
ている。そして、一対の支持レール30,30の長手方
向の両端部には、PETボトル15の導入及び導出動作
を容易にするため外開きとして下方に折り曲げられたガ
イド部30a,30aが設けられている。この一対の支
持レール30,30により、PETボトル15がフラン
ジ部15eを支えられて吊り下げられた状態で支持され
る。
【0033】一対の搬送ベルト31,31は、一対の支
持レール30,30と略同程度の長さを有し、殺菌室1
1の長手方向の一端近傍から他端近傍まで達する無端状
のゴムベルト等によって形成されている。各搬送ベルト
30は、殺菌室11の左右の側壁部11a,11bにそ
れぞれ取り付けられた複数個の支持枠35によって走行
可能に支持されており、一対の支持レール30,30の
下方において略平行に設定されている。一対の搬送ベル
ト31,31は、PETボトル15の胴部15aの外径
より少々狭い隙間を持って互いに対向設置されている。
この一対の搬送ベルト31,31の循環式走行により、
一対の支持レール30,30によって吊り下げられた状
態で支持されているPETボトル15の胴部15aが側
面から挟持されて当該一対の支持レール30,30に沿
って搬送される。
【0034】この持ち上げ搬送コンベヤ14の上方に
は、2組の上部紫外線殺菌装置16,16が設置されて
いる。この上部紫外線殺菌装置16は、図2及び図3に
示すように、紫外線を放射する紫外線ランプ40と、複
数本の紫外線ランプ40を保持するランプ保持体を有し
且つ各紫外線ランプ40から放射される紫外線を反射す
る反射板41と、この反射板41を支持するランプハウ
ジング42等を備えている。ランプハウジング42は、
下面を開口させた横長の直方体をなす筐体からなり、上
面部及び4面の側面部には紫外線を通過させるための多
数の開口穴43が設けられている。
【0035】更に、ランプハウジング42の上面部に
は、長手方向に適当な間隔をあけて2個の取手44が設
けられている。このランプハウジング42の長手方向と
交差する方向に対向する2面の側面部には、長手方向に
適当な間隔をあけて2個の係合ピン45がそれぞれ側方
へ突出するように設けられている。このランプハウジン
グ42の内側に反射板41が、ランプハウジング42の
下面開口の方向に進退移動可能に取り付けられている。
【0036】反射板41は、断面形状がコ字状をなす横
長の板体からなり、その上面部及び側面部には、ランプ
ハウジング42と同様に紫外線を通過させるための多数
の開口穴が設けられている。この反射板41の主な機能
は、紫外線ランプ40から放射された紫外線を反射させ
て下面側に向かう紫外線の照射量を増加させることにあ
る。そのため、反射板41の内面には、紫外線を良く反
射できるよう鏡面加工等を施すことが好ましい。この反
射板41の長手方向の両端部には、紫外線ランプ40を
係合保持するため全体が板バネによって形成されたラン
プ保持具が紫外線ランプ40の数だけ取り付けられてい
る。
【0037】一対のランプ保持具を介して反射板41に
支持される紫外線ランプ40は、波長が1nm〜400
nm(ナノメートル)程度の波長範囲を有する紫外線の
うち、特に、波長254nm(厳密には、253.7n
m)付近に強い線スペクトルを有する殺菌線を放射する
殺菌ランプである。この紫外線ランプ40は、例えば、
290nm以下の光を透過する石英ガラス管又は紫外線
透過ガラス管と、このガラス管の両端を閉じる一対の口
金と、各口金に取り付けられた電極等を備えて構成され
ている。
【0038】この紫外線の発生源である紫外線発生器と
しては、この実施例の紫外線ランプ40に限定されるも
のではなく、波長が180nm〜400nmの範囲内に
ある紫外線であって、5.0×104 μW・s/cm2
以上照射できるものであれば紫外線ランプに限定される
ものではない。例えば、紫外線を放射可能な発光ダイオ
ードや半導体レーザ等を紫外線発生器として用いること
ができる。また、紫外線を放射する方式としては、紫外
線発生器自体を発光させてその場で照射させる構成とし
ても良く、また、光ファイバを用いて適当な位置までレ
ーザ光を伝送して光ファイバの一端から紫外線を照射す
る構成としても良い。
【0039】また、紫外線以外の電磁波であっても紫外
線と同じく細菌等に対する殺菌能力を有するものであれ
ば、この発明に係る電磁波殺菌手段として用いることが
できる。このような電磁波としては、例えば、波長が4
00nm〜480nmの範囲内にある可視光線等を挙げ
ることができ、かかる可視光線によっても細菌等の殺菌
効果を期待することができる。
【0040】上述した紫外線ランプ40の両端から導出
された各コードは、一つに纏められてランプハウジング
42の上面から保護管46を貫通してハウジング外に導
出されている。保護管46は、ランプハウジング42か
ら導出したコードを紫外線による劣化から保護するため
のものである。この保護管46は、下端部がランプハウ
ジング42の上面に固定されていて、上面部は上面板2
4を貫通してコネクタボックス26内に挿入されてい
る。このコネクタボックス26内において、各コードの
先端部がコネクタ27の受け具と電気的に接続されてい
る。
【0041】このような構成を有する上部紫外線殺菌装
置16は、支持フレーム50及び取付フレーム51の組
み合わせからなる2組の支持部材によって上面板24に
取り付けられている。支持フレーム50はコ字状に形成
されており、その開口側に設けられた固定部の穴に取付
ネジが挿通され、この取付ネジの締め込みによって支持
フレーム50が上面板24の下面に固定されている。ま
た、取付フレーム51はコ字状に形成されており、その
中央部には調整ネジ52が一体に固定されている。
【0042】取付フレーム51の調整ネジ52は反対側
に突出されており、この調整ネジ52が支持フレーム5
0の中央部に設けた穴に挿通されている。更に、調整ネ
ジ52には2個のロックナット53が螺合されており、
このロックナット53の締め込み位置を調整することに
より、支持フレーム50と取付フレーム51との間隔を
任意に調整することができる。そして、左右の取付フレ
ーム51に、それぞれ係合ピン45を介してランプハウ
ジング42の長手方向両側部が支持されている。
【0043】2組の上部紫外線殺菌装置16のうち、前
部コンベヤ12の下方には、下部紫外線殺菌装置17が
配設されている。この下部紫外線殺菌装置17は、図2
及び図3に示すように、上部紫外線殺菌装置16と同様
の構成を有しており、紫外線を放射する紫外線ランプ6
0と、複数本の紫外線ランプ60を保持するランプ保持
体を有し且つ各紫外線ランプ60から放射される紫外線
を反射する反射板61と、この反射板61を支持するラ
ンプハウジング62等を備えている。
【0044】ランプハウジング62は、上面を開口させ
た横長の直方体をなす筐体からなり、4面の側面部には
紫外線を通過させるための多数の開口穴63が設けられ
ている。このランプハウジング62の長手方向と交差す
る方向に対向する2面の側面部には、長手方向に適当な
間隔をあけて2個の係合ピン64がそれぞれ側方へ突出
するように設けられている。このランプハウジング62
の内側に反射板61が、ランプハウジング62の上面開
口の方向に進退移動可能に取り付けられている。この反
射板61にも、図示しないが、側面部に紫外線を通過さ
せるための多数の開口穴が設けられている。そして、殺
菌室11の床面部11dに立設された一対の支持ブラケ
ット65,65に係合ピン64を係合させることによ
り、下部紫外線殺菌装置17が上向きに紫外線を照射で
きるように構成されている。
【0045】この下部紫外線殺菌装置17は、持ち上げ
搬送コンベヤ14によって搬送されるPETボトル15
の下面及び下面近傍に紫外線を照射し、その下面及び下
面近傍に付着している細菌やカビ等を紫外線によって殺
菌するものである。この下部紫外線殺菌装置17の製造
ライン下流側に熱湯噴出装置18が配設されている。こ
の熱湯噴出装置18は、図2及び図4に示すように、供
給された水を加熱して所定温度以上に昇温させると共に
必要量の熱湯を蓄積する熱湯供給部67と、この熱湯供
給部67から供給される熱湯を噴出させてPETボトル
15の下面及び下面近傍に接触させることによって加熱
する多数の噴出ノズル68等を備えて構成されている。
【0046】熱湯供給部67は、供給された水を所定温
度以上に加熱する加熱部と、この加熱部により加熱され
た熱湯を所定量蓄積することができるタンク部等を有し
ており、加熱部又はタンク部からの熱湯が選択的に噴出
ノズル68に供給される。多数の噴出ノズル68は、持
ち上げ搬送コンベヤ14の搬送方向に沿って列をなすよ
うに配置されており、一端は下部紫外線殺菌装置17に
隣接され他端は後部コンベヤ13に隣接されている。こ
の噴出ノズル68から噴出される熱湯は、持ち上げ搬送
コンベヤ14によって搬送されているPETボトル15
に合わせて噴出位置をコントロールする構成とすること
ができ、また、PETボトル15の位置に係わりなく常
時所定量を噴出させる構成とすることもできる。
【0047】尚、熱湯を噴出させて加熱する熱湯噴出装
置18に換えて、他の加熱媒体を用いて容器の下面及び
下面近傍を加熱する構成とすることもできる。例えば、
加熱媒体としては蒸気又は熱風を用いることができ、こ
の場合の装置は、蒸気を用いる場合には蒸気噴出装置と
なり、また、熱風を用いる場合には熱風噴出装置とな
る。
【0048】このような構成を有する殺菌装置10は、
例えば、次のようにして、内容物が充填される前のPE
Tボトル15の殺菌を行うことができる。図1及び図2
に示すように、PETボトル15は、前部コンベヤ12
の搬送媒体28上に立てられた状態で搬送され、殺菌装
置10の殺菌室11に導入される。このPETボトル1
5が前部コンベヤ12の後端部に到達すると、持ち上げ
搬送コンベヤ14に移されて、殺菌室11内を後部コン
ベヤ13側に搬送される。
【0049】即ち、PETボトル15が前部コンベヤ1
2によって所定位置まで搬送されると、フランジ部15
eの下方に一対の支持レール30,30のガイド部30
aが差し込まれ、これにより、PETボトル15がネッ
ク部を両側から支持されて吊り下げられる。これと同時
に、PETボトル15の胴部15aが一対の搬送ベルト
31,31内に入り込み、両搬送ベルト31に挟持され
且つ支持レール30にガイドされて、上部紫外線殺菌装
置16と下部紫外線殺菌装置17との間を搬送される。
【0050】このとき、図3に示すように、PETボト
ル15の口部15c及び肩部15bには上部紫外線殺菌
装置16から下方へ向けて放射される紫外線が照射さ
れ、また、PETボトル15の底部15dの下面には下
部紫外線殺菌装置17から上方へ向けて放射される紫外
線が照射される。この紫外線の照射量は、紫外線の波長
が253.7nmにおいて5.0×104 μW・s/c
2 以上とすることが好ましい。この紫外線照射量が
5.0×104 μW・s/cm2 以下であるときには、
十分な紫外線による殺菌効果を得ることができなくな
る。その一方、紫外線照射量の合計値は、5.0×10
5 μW・s/cm2 以下である方が良い。この場合、紫
外線照射量が5.0×105 μW・s/cm2 以上にな
ると、それ以後の殺菌効果には影響がなくなるため、不
経済になることによるものである。
【0051】その結果、口部15cの外側に照射される
紫外線によりその表面及び雄ねじ部に付着している細菌
等が殺菌され、また、口部15cの内側に照射される紫
外線によりPETボトル15の内面に付着している細菌
等が殺菌される。これと同時に、PETボトル15の底
部15dの下面に照射される紫外線によりPETボトル
15の下面に付着している細菌やカビ等も同様に殺菌さ
れる。
【0052】このとき殺菌される細菌等は、紫外線に対
して比較的弱い性格を有する細菌等である。従って、紫
外線に対して比較的強い細菌は、PETボトル15の表
面に付着して生きた状態のまま、次の工程に移行され
る。
【0053】次に、PETボトル15は、持ち上げ搬送
コンベヤ14により搬送されて熱湯噴出装置18の上方
に移動する。このとき、PETボトル15の口部15c
等には、2台目の上部紫外線殺菌装置16によって更に
紫外線が照射され、紫外線による殺菌作用が継続され
る。そのため、PETボトル15の口部15c及び内部
の表面に付着された細菌等に対する紫外線殺菌をより確
実に行うことができ、その表面及び内面に付着している
比較的紫外線に強い細菌等であっても、これを死滅させ
て殺菌することができる。
【0054】一方、図4に示すように、PETボトル1
5の底部15dの下面には、熱湯噴出装置18(又は蒸
気噴出装置、熱風噴出装置等)から噴出された熱湯(又
は蒸気、熱風等の加熱媒体)が掛けられ、その熱湯によ
って下面が加熱殺菌される。その結果、PETボトル1
5の下面に付着して生き残っている細菌やカビ等、即
ち、比較的紫外線に対する抵抗力は大きいが熱に対して
は弱い性格の細菌やカビ等を、熱により殺菌して死滅さ
せることができる。このように、紫外線殺菌に連続させ
てその紫外線による殺菌効果が残存している間に、続け
て加熱殺菌を行うことにより、殺菌効果を倍増させて細
菌等をより確実に死滅させることができる。この場合、
熱湯の温度としては90度以上が好適であるが、55度
以上の熱湯であれば、その温度に応じた加熱効果を期待
することができる。しかしながら、熱湯の温度が55度
以下に低下すると、その熱湯による加熱効果は、殆ど期
待できなくなる。
【0055】このような殺菌効果の倍増原因は、次のよ
うな原理によるものと考えられる。即ち、細菌等に紫外
線を照射すると、殆どの細菌等が紫外線によって傷つけ
られ、紫外線に弱い細菌等はそのまま死滅してしまう
が、紫外線に強い細菌等は傷を受けた状態で生き残り、
そのまま傷口を塞いで再生してしまう。ところが、紫外
線を照射した後、その効果として傷が生じている細菌等
に熱湯を掛けることによって加熱すると、その傷口に熱
が作用する。その結果、傷口に加えられる熱によって細
菌やカビ等が死滅し、その殺菌効果を著しく高めること
ができる。
【0056】このような性格を有する細菌としては、上
述したカビ系の細菌であるケトミウム(Chaetomium glob
osum) や黒カビ、麹カビ等を挙げることができる。この
ケトミウム等は、パルプ(紙類)を栄養として繁殖する
細菌であり、包装用容器として一般的に使用されている
段ボール(外装箱及び仕切り板等)に付着して広がる。
そのため、段ボールからPETボトル15にケトミウム
等が移ると、従来では、PETボトル15等を介してケ
トミウム等が製造工場内に持ち込まれ、内容物の充填ラ
イン等が汚染されるおそれがあった。
【0057】これに対して、本実施例では、紫外線をケ
トミウム等に照射して傷を付け、その後に熱湯を掛けて
傷口から加熱するようにしたため、ケトミウム等の細菌
を確実且つ十分に死滅させて殺菌することができる。従
って、PETボトル15の下面に付着している細菌等
が、そのまま生きた状態で、以後の内容物充填ライン等
に供給されるのを確実に防止することができる。
【0058】このように、持ち上げ搬送コンベヤ14に
よって搬送されたPETボトル15の底部15dの下面
は、その搬送途中に設置されている下部紫外線殺菌装置
17により紫外線殺菌されると共に、その紫外線殺菌に
続けて熱湯噴出装置18により熱湯(又は蒸気噴出装置
若しくは熱風噴出装置による蒸気若しくは熱風)が掛け
られて加熱殺菌される。そのため、耐熱性を有する菌と
耐紫外線性を有する菌との両方を効果的に殺菌すること
ができ、PETボトル15の下面に付着しているケトミ
ウムや黒カビ等の殺菌対象を効率良く、しかも確実に死
滅させて殺菌することができる。
【0059】このようにして殺菌され、持ち上げ搬送コ
ンベヤ14によって殺菌室11の他端まで搬送されたP
ETボトル15は、後部コンベヤ13上に移し代えら
れ、後部コンベヤ13の搬送媒体28上に立てた状態で
載置される。この後部コンベヤ13の駆動により、殺菌
装置10の殺菌室11から外部に搬出され、次の工程と
して、例えば、内容物を充填する充填ラインに供給され
る。
【0060】尚、殺菌装置10は、PETボトル15の
殺菌を行う一連の工程において、殺菌室11が閉鎖的な
空間であるトンネル構造として構成されているため、細
菌や塵埃等が殺菌室11内に入り込むのを防止すること
ができる。しかも、紫外線殺菌装置16,17から放射
される紫外線が外部に漏れ出すおそれを無くすこともで
きる。また、トンネル構造に換えて遮蔽構造の殺菌室を
適用することができることは勿論である。
【0061】また、上述した実施例では、加熱殺菌手段
の一具体例として熱湯を用い、これをPETボトル15
の下面等に掛ける構成としたが、熱湯に代えて加熱蒸気
の吹き付け、加熱された熱風や温風の吹き付け、マイク
ロ波の照射による加熱、レーザ光の照射による加熱、赤
外線や遠赤外線の照射による加熱、グロー放電による加
熱その他各種の加熱手段を適用することができる。
【0062】次に、殺菌装置10の適用例として、PE
Tボトル15に内容物である飲料を充填してボトル入り
飲料を生産する飲料生産ラインの一実施例を説明する。
この飲料生産ラインは、図5に示すように、搬入工程
A、殺菌工程B、洗浄工程C、充填工程D、キャップ取
付工程E及び梱包工程Fによって構成されている。この
場合、PETボトル15は、この飲料生産ラインとは別
の場所で製造されており、必要な個数のPETボトル1
5及びキャップが自動的に飲料生産ラインに供給され
る。
【0063】図5に示す搬入工程Aは、供給されたPE
Tボトル15を生産ラインに搬入する工程である。この
搬入工程Aにおいて、PETボトル15は前部コンベヤ
12に載置され、図1に示すように、殺菌室11に搬送
される。殺菌室11に到達したPETボトル15は、前
部コンベヤ12から持ち上げ搬送コンベヤ14に移さ
れ、この持ち上げ搬送コンベヤ14によって殺菌室11
内を搬送される。
【0064】次の殺菌工程Bは、内容物が充填される前
のPETボトル15を殺菌装置10によって殺菌する工
程である。この殺菌工程Bにおいて、PETボトル15
は、持ち上げ搬送コンベヤ14の一対の支持レール3
0,30によって吊り上げられ、前部コンベヤ12から
持ち上げられて一対の搬送ベルト31により挟持されて
搬送される。これにより、PETボトル15は、上端の
口部15cの外面及び内面並びにボトル内部が上部紫外
線殺菌装置16から放射される紫外線の照射を受ける。
これにより、口部15cの外面及び内面並びにボトル内
部に付着している細菌やカビ等が紫外線によって殺菌さ
れる。
【0065】また、PETボトル15の底部15dの下
面及びその下面近傍が、まず、下部紫外線殺菌装置17
の紫外線ランプ40から放射される紫外線の照射を受け
る。これにより、PETボトル15の底部15dの下面
及びその下面近傍に付着している細菌やカビ等が、紫外
線によって殺菌される。次に、PETボトル15が熱湯
噴出装置18の上方を通過することにより、その下面及
び下面近傍が熱湯を浴びせられて加熱殺菌される。これ
により、PETボトル15の底部15dの下面及びその
下面近傍に付着している細菌やカビ等が、熱湯によって
加熱殺菌される。
【0066】その結果、紫外線に弱い細菌やカビ及び熱
に弱い細菌やカビ等ばかりでなく、紫外線には強いが熱
に弱い細菌等並びに熱には強いが紫外線には弱い細菌等
を共に死滅させて殺菌することができる。従って、紫外
線による殺菌と熱による殺菌との相乗効果を期待するこ
とができ、殺菌効率の高い装置を提供することができ
る。また、PETボトル15の口部15c及びその近傍
の殺菌ばかりでなく、底部15dの下面及びその下面近
傍の殺菌が同時に行われるため、その下面等に付着して
いる細菌やカビ等が次の工程に持ち込まれるのを防止す
ることができる。このような殺菌が行われたPETボト
ル15は、持ち上げ搬送コンベヤ14から後部コンベヤ
13に移行され、次の洗浄工程Cに搬送される。
【0067】洗浄工程Cは、洗浄装置70を用いてPE
Tボトル15の内部の洗浄を行う工程である。この洗浄
工程Cにおいて、PETボトル15は、コンベヤ71で
搬送されつつ洗浄装置70の注入ノズル70aから、例
えば殺菌された水が注入されて洗浄が行われる。これに
より、PETボトル15の内部が殺菌水により洗い流さ
れて洗浄作業が実行される。この際、洗浄工程Cでは、
前段の殺菌工程Bにおいて十分に殺菌が行われているた
め、比較的簡単な洗い流し作業によるものとすることが
できる。
【0068】次の充填工程Dは、例えば、回転充填機
(フィラー)72を用いてPETボトル15に内容物で
ある飲料を充填する工程である。この充填工程Dにおい
て、PETボトル15は、コンベヤ73で搬送されつつ
回転充填機72の充填ノズル72aにより、例えば、天
然水、果汁飲料、コーヒー飲料等の内容物が充填され
る。このような内容物が、特に加熱殺菌を嫌う生もので
ある場合には、PETボトル15の供給と共に細菌が持
ち込まれるのを厳しく防ぐ必要があるが、上述した殺菌
工程BによってPETボトル15の口部15cばかりで
なく底部15dの下面についても十分な殺菌が行われて
いるため、PETボトル15の供給と共に細菌やカビ等
が持ち込まれるのを確実に防止することができる。
【0069】次のキャップ取付工程Eは、キャップ取付
装置74によってPETボトル15の口部15cにキャ
ップ75を取り付ける工程である。このキャップ取付工
程Eにおいて、PETボトル15は、コンベヤ76で搬
送されつつキャップ取付装置74により、口部15cに
キャップ75が装着される。このキャップ75によって
PETボトル15の口部15cが密封され、これによ
り、ボトル入り飲料の製造が完了する。
【0070】このようにして製造されたボトル入り飲料
は、次の梱包工程Fに搬送される。この梱包工程Fは、
製品としてのボトル入り飲料を、段ボール箱等の包装用
箱77に所定個数を梱包する工程である。このように梱
包されたボトル入り飲料が、包装用箱77に入れられた
状態で市場に出荷される。
【0071】尚、上述した実施例の殺菌装置10におい
ては、PETボトル15の底部15dと口部15cとの
殺菌を同時に行う構成としたが、底部15dと口部15
cの殺菌は別個独立に行う構成としてもよい。即ち、殺
菌装置10に上部紫外線殺菌装置16を設置することな
く、殺菌装置10の前段位置又は後段位置にPETボト
ル15の口部15cの殺菌を行う上部紫外線殺菌装置1
6を独立に設け、PETボトル15の口部15cの殺菌
を別個に行う構成としてもよい。また、下部紫外線殺菌
装置17及び熱湯噴出装置18は、容器を洗浄する工程
の後段に設ける構成としてもよい。
【0072】図6〜図8には、本発明の殺菌装置の第2
の実施例を示す。この実施例に示す殺菌装置80は、前
部コンベヤ12と後部コンベヤ13との間に回転搬送コ
ンベヤ81を設けると共に、この回転搬送コンベヤ81
に関連させて紫外線殺菌手段である紫外線殺菌装置82
及び加熱殺菌手段である熱湯噴出装置83を設けたもの
である。即ち、一般の容器洗浄装置(リンサー機械)に
紫外線照射装置及び加熱装置を取り付けるとする考えで
ある。この場合、加熱装置は、容器の内部に高温水を入
れて底部を加熱する構成としてもよい。また、この第2
の実施例において、上述した第1の実施例と同一部分に
は同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0073】殺菌装置80は、図6に示すように、平面
から見て略円形をなす回転搬送コンベヤ81と、この回
転搬送コンベヤ81の供給部81aに後端が接続された
前部コンベヤ12と、回転搬送コンベヤ81の排出部8
1bに前端が接続された後部コンベヤ13と、回転搬送
コンベヤ81の前半部に設置された2台の紫外線殺菌装
置82と、回転搬送コンベヤ81の後半部に設置された
熱湯噴出装置83等を備えて構成されている。この殺菌
装置80によって殺菌される容器は、上述した第1の実
施例と同様のPETボトル15である。
【0074】回転搬送コンベヤ81は、図6に示すよう
に、略円形に湾曲形成されたメインガイドレール84
と、このメインガイドレール84を所定位置に支持する
多数の取付ブラケット85と、PETボトル15を着脱
可能に把持すると共にメインガイドレール84に案内さ
れて円周方向へ移動される多数の可動部材86と、この
可動部材86に摺動接触して姿勢を変化させる内外のガ
イドレール87,88と、可動部材86に把持されてい
るPETボトル15の胴部15aを支持するボトル用ガ
イドレール89等を備えて構成されている。
【0075】図7及び図8に示すように、メインガイド
レール84には、長手方向に適当な間隔をおいて多数の
支持アーム84aが取り付けられている。各支持アーム
84aは、図示しないメインフレームに取り付けられた
多数の取付ブラケット85の取付孔に挿通されていて、
それぞれナット84bが螺合されている。このナット8
4bの締め込みにより取付ブラケット85を介してメイ
ンガイドレール84がメインフレームに固定支持され、
略水平状態に設定されている。各取付ブラケット85に
は、上下一対の外側支持ブラケット90,90と、同じ
く上下一対をなす内側支持ブラケット91,91とがそ
れぞれ固定ネジ92a,92bによってネジ止めされて
いる。
【0076】内側支持ブラケット91は、メインガイド
レール84を上下から挟むように取り付けられており、
その外側に外側支持ブラケット90が内側支持ブラケッ
ト91を上下から挟むように取り付けられている。メイ
ンガイドレール84に走行可能に取り付けられている可
動部材86は、ベース板86aに回転自在に支持された
一対の走行輪86b,86bと、ベース板86aと一体
に設けられた支持アーム86cと、この支持アーム86
cの先端に回動可能に取り付けられた一対の把持爪86
d,86d等を備えている。一対の把持爪86d,86
d間にはスプリング93が掛け渡されており、このスプ
リング93のバネ力によって一対の把持爪86d,86
dは、常時閉じる方向へ付勢されている。
【0077】可動部材86の一対の走行輪86b,86
bは、メインガイドレール84を両側から挟むように取
り付けられており、この走行輪86bを回転駆動するこ
とにより、可動部材86がメインガイドレール84に沿
って円周方向へ移動される。この可動部材86の支持ア
ーム86cには、一対の内側ガイドレール87,87が
両側から挟むように接触されている。更に、可動部材8
6の一対の把持爪86d,86dには、一対の外側ガイ
ドレール88,88が同じく両側から挟むように接触さ
れている。
【0078】これら内外側のガイドレール87,88の
位置を調整することにより、前部コンベヤ12に載置さ
れて垂直状態で搬送されてきたPETボトル15を、所
定の搬送距離の間に90度傾斜させて図7及び図8に示
すように、横向きにすることができる。内外側のガイド
レール87,88は、一対の内側支持ブラケット91に
それぞれ長さ調整可能に取り付けられている。
【0079】即ち、内側ガイドレール87には、内側支
持ブラケット91と同数の固定アーム87aが取り付け
られている。各固定アーム87aは、内側支持ブラケッ
ト91の基部に設けた挿通孔を貫通するように取り付け
られ、その内外両側にロックナット87bがそれぞれ螺
合されている。この2個のロックナット87bの締付位
置を調整することにより、固定アーム87aの突出量を
変化させて内側ガイドレール87の位置を調整すること
ができる。
【0080】同様に、外側ガイドレール88にも、内側
支持ブラケット91と同数の固定アーム88aが取り付
けられている。各固定アーム88aは、内側支持ブラケ
ット91の先部に設けた挿通孔を貫通するように取り付
けられ、その内外両側にロックナット88bがそれぞれ
螺合されている。この2個のロックナット88bの締付
位置を調整することにより、固定アーム88aの突出量
を変化させて外側ガイドレール88の位置を調整するこ
とができる。
【0081】また、ボトル用ガイドレール89には、外
側支持ブラケット90と同数の固定アーム89aが取り
付けられている。各固定アーム89aは、外側支持ブラ
ケット90の先部に設けた挿通孔を貫通するように取り
付けられ、その内外両側にロックナット89bがそれぞ
れ螺合されている。この2個のロックナット89bの締
付位置を調整することにより、固定アーム89aの突出
量を変化させて外側ガイドレール89の位置を調整する
ことができる。
【0082】このような構成を有する回転搬送コンベヤ
81の外側に配置された紫外線殺菌装置82は、上述し
た第1実施例における下部紫外線殺菌装置17と略同様
の構成を備えている。即ち、紫外線殺菌装置82は、図
7に示すように、複数の紫外線ランプ60と反射板61
とランプハウジング62等を有している。この紫外線殺
菌装置82の2台が、回転搬送コンベヤ81の前側に配
置されている。そして、横向き状態で搬送されるPET
ボトル15の底面15dの下面に向けて横方向から紫外
線を放射し、PETボトル15の下面及び下面近傍に付
着した細菌やカビ等を紫外線によって殺菌する。
【0083】また、回転搬送コンベヤ81の後側に配置
された熱湯噴出装置83も、上述した第1実施例におけ
る熱湯噴出装置18と略同様の構成を備えている。即
ち、図示しない熱湯供給部67と、多数の噴出ノズル6
8等を有している。この熱湯噴出装置18が、横向き状
態で搬送されるPETボトル15の底面15dの下面に
向けて横方向から熱湯を噴出させ、PETボトル15の
下面及び下面近傍に付着した細菌やカビ等を加熱して殺
菌する。
【0084】このような構成を有する回転搬送コンベヤ
81の供給部81aに前部コンベヤ12の一端が接続さ
れており、この前部コンベヤ12から供給されるPET
ボトル15が回転搬送コンベヤ81で搬送される間に、
その下面及び下面近傍に付着した細菌やカビ等の紫外線
殺菌及び加熱殺菌が複合的に行われる。
【0085】即ち、PETボトル15は、回転搬送コン
ベヤ81により口部15cがキャッチングされ、ガイド
レール87,88,89にガイドされて回転しながら搬
送される。このようにして殺菌された後のPETボトル
15が、回転搬送コンベヤ81の排出部81bから排出
されて、この排出部81bに一端が接続されている後部
コンベヤ13から外部に搬送される。このような構成を
有する殺菌装置80によっても、上述した殺菌装置10
と同様の効果を得ることができる。
【0086】尚、この第2実施例においては、PETボ
トル15の姿勢を変化させて横向きにした後、側方から
紫外線を照射すると共に熱湯を浴びせる構成としたが、
上述した第1実施例と同様に、PETボトル15の姿勢
を変化させることなく、下方から紫外線殺菌及び加熱殺
菌を行う構成とすることができることは勿論である。更
に、容器の内部に高温水や蒸気或いは熱風等の加熱媒体
を吹きつけ、その加熱媒体の熱で容器の表面を加熱させ
る構成としても良い。更に又、PETボトル15を斜め
に傾けて底部15dが見えるように構成し、その底部1
5dと対向する位置に紫外線殺菌手段及び加熱殺菌手段
を設置して殺菌を行う構成とすることもできる。
【0087】また、PETボトル15のようなネック部
のない容器、例えば、スチール製やプラスチック製その
他の材料で形成される缶を殺菌対象物とする場合には、
ベルトコンベヤのような搬送手段に代えて、複数のガイ
ド棒によって周囲を囲み、自重によってガイド棒が指定
する方向へ落下させるボーシュートのような搬送手段を
適用することができる。更に、本発明に係る殺菌装置
は、このような搬送手段に限定されるものではなく、上
述した以外にも各種の搬送手段を適用することができる
ものである。
【0088】次に、図9及び図10を参照して、本発明
の殺菌装置の第3の実施例を説明する。この殺菌装置1
00は、容器に付着したカビ類の殺菌に用いられるもの
で、図9は殺菌装置100の概略構成を示すブロック説
明図、図10は殺菌装置100を備えた無菌充填装置の
概略構成を示す説明図である。
【0089】図9に示すように、殺菌装置100は、容
器15に付着したカビ類に紫外線を照射するU・V照射
ゾーン101と、このU・V照射ゾーン101の後段に
位置して容器15に付着したカビ類を加熱する加熱処理
ゾーン102(この加熱処理ゾーン102は省略するこ
ともできる。)等によって構成されている。加熱処理ゾ
ーン102には、容器15に付着したカビ類の加熱手段
として加熱装置103が設置されており、この加熱装置
103が熱水、蒸気又は熱風を容器15にかけ、その熱
で容器15に付着したカビ類を加熱する。また、加熱処
理ゾーン102には、乾燥処理ゾーン104が連続する
よう設けられている。この乾燥処理ゾーン104には、
温風又は熱風を供給する乾燥装置105が設置されてお
り、この乾燥装置105が温風又は熱風を容器15にか
けることによって容器15に残存する熱水や蒸気等の水
分を蒸発させて乾燥させる。
【0090】更に、加熱処理102の後段には、洗浄処
理ゾーン106と内容物充填ゾーン107とが設けられ
ている。この洗浄処理ゾーン106は、容器15に付着
した埃や汚れ、異物等を洗い流すところである。また、
内容物充填ゾーン107は、容器15に内容物を充填す
るところで、容器15に内容物が充填されることによっ
て成品108が製造される。
【0091】このように構成したことにより、次のよう
にして、容器15に付着したカビ類を殺菌処理すること
ができる。まず、容器15は、U・V照射ゾーン101
に移送されて紫外線が照射される。これにより、容器1
5に付着しているカビ類は、紫外線への耐性が弱いもの
は死滅する一方、紫外線への耐性が強いものは死滅しな
いまでも傷が付けられる。
【0092】次に、容器15は、加熱処理ゾーン102
に移送されて、加熱装置103によって熱水、蒸気又は
熱風がかけられる。このとき、容器15は、上下を反転
させて熱水、蒸気又は熱風がかけられる。これにより、
容器15に付着しているカビ類の中で紫外線の照射によ
っては死滅しなかったカビ類が、紫外線によって付けら
れた傷から熱が加えられて死滅する。この際、容器15
を上下に反転させることにより、容器15内に熱水や蒸
気が入り込むことが防止される。その結果、容器15に
付着しているカビ類が効果的に殺菌される。
【0093】次に、加熱処理ゾーン102の加熱装置1
03によって熱水や蒸気等がかけられた容器15は、乾
燥処理ゾーン104に移送されて、乾燥装置105によ
って温風又は熱風がかけられて乾燥される。次に、容器
15は、洗浄処理ゾーン106に移送され、埃や汚れ、
異物等が洗い流される。そして、内容物充填ゾーン10
7に移送され、容器15に内容物が充填されて成品10
8とされる。尚、加熱処理ゾーン102の説明として、
加熱装置103によって熱水、蒸気又は熱風を容器15
に掛けるようにしたが、熱水、蒸気又は熱風を容器15
内に入れて加熱するようにしてもよい。
【0094】次に、このような構成を有する殺菌装置1
00を用いた無菌充填装置110について説明する。こ
の無菌充填装置110は、図10に示すように、搬入さ
れた容器を予備洗浄して殺菌液を充填する予備洗浄装置
111と、この予備洗浄装置111に連結配置された複
数の互いに反対方向に移動する往復振動コンベヤ112
と、この往復振動コンベヤ112に連結されると共に容
器を転倒させて殺菌液を除去した後容器の外側を洗浄す
る殺菌剤除去外側洗浄装置113と、この殺菌剤除去外
側洗浄装置113の後段に配設され且つ無菌水で容器の
内部を洗浄する無菌水洗浄装置114と、この無菌水洗
浄装置114に連接され且つ容器に内容物を充填する充
填装置115と、キャップを被冠する被冠装置116等
によって構成されている。
【0095】更に、無菌充填装置110には、容器の各
装置への移送手段として図示しないコンベヤが用いられ
ている。これらのコンベヤと各装置とは、無菌化された
気体が供給されるトンネル117によって覆われてい
る。この無菌充填装置110の適当な場所に、上述した
ような殺菌装置を配設することができる。この殺菌装置
の配置について、図10では、その4箇所に第1から第
4までの殺菌装置120、121、122及び123が
配設されている。
【0096】第1の殺菌装置120は、無菌充填装置1
10の容器が搬入される入口INに設置したものであ
る。この第1の殺菌装置120は、無菌充填装置110
に搬入される容器に紫外線を照射し、その後、容器に熱
水をかけてその容器に付着したカビ類を殺菌し、無菌充
填装置110内に通される容器をカビ類が付着していな
い衛生的な状態にする。このように第1の殺菌装置12
0は、無菌充填装置110内に容器を介してカビ類が入
り込むことを防止して、無菌充填装置110が常時無菌
状態を保持できるようにしている。
【0097】この無菌充填装置110には、仕切り11
7を設けて間仕切りする構成としても良い。このとき、
第1の殺菌装置120は、予備洗浄装置111において
熱水を用いることにより、加熱装置と略同様の効果を得
ることができる。
【0098】第2の殺菌装置121は、無菌充填装置1
10の容器が搬出される出口EXに設置したものであ
る。この第2の殺菌装置121は、出口EXを介して外
部からカビ類が無菌充填装置110内に入り込むことを
防止している。第3の殺菌装置122は、無菌充填装置
110内において充填装置115及び無菌水洗浄装置1
14より前段に設置されており、充填装置115及び無
菌水洗浄装置114がカビ類によって汚染されることを
防止している。この充填装置115等の汚染を防止する
ことにより、充填装置115で内容物を容器に充填する
際に、その内容物にカビ類が混入されて容器に充填され
ることを防止することができる。
【0099】また、第4の殺菌装置123は、無菌充填
装置110内において充填装置115より後段に設置さ
れており、充填装置115がカビ類によって汚染される
ことを防止している。この第4の殺菌装置123で充填
装置115の汚染を防止することにより、充填装置11
5で内容物を容器に充填する際に、その内容物にカビ類
が混入されて容器に充填されることを防止することがで
きる。尚、無菌水洗浄装置114や充填装置115の内
部に殺菌装置を設ける構成としても良い。
【0100】次に、上述した殺菌装置を使用して行った
カビ類の殺菌の試験例について説明する。
【0101】試験例1 (1). 試験の名称 バチルス ズブチルス(Bacillus subtilis) に対する紫
外線殺菌ランプの不活性化試験 (2). 目的 バチルス ズブチルスの紫外線耐性確認のため、このテ
ストを行った。 (3). 供試菌及び数量 バチルス ズブチルス IFO13721 入手期日:平成11年9月21日
【0102】(4). 試験条件 紫外線殺菌ランプ:SGL−1000T5 HOSHI
N(株式会社豊振科学産業所製) 1本 ランプ管壁からの距離:300mm 安定時のUV値:2300μW/cm2 (受光計トプコ
ンUVR−2) 試験容器/菌液量:90mm時計皿/1ml n=3
(表中の結果:1ml中の菌数) 試験菌濃度:103 〜104 個/ml 紫外線照射時間(sec):0,26,39,78,1
56 紫外線照射量(μW・s/cm2 ):表中に記載 供試菌の調整:入手の菌液より希釈調整 菌数測定:寒天希釈法 培養条件 標準寒天培地 35±1℃ 96時間培養
【0103】(5). 結果 不活性化試験結果
【表1】
【0104】(6). 考察 表1に示すように、96時間培養を条件にした殺菌率で
は、紫外線の照射は、60000μW・s/cm2 以上
の照射が必要と考えられる。
【0105】試験例2 (1). 試験の名称 アスペルギルス ニガー(Aspergillus nigar) に対する
紫外線殺菌ランプの不活性化試験 (2). 目的 アスペルギルス ニガーの紫外線耐性確認のため、この
テストを行った。 (3). 供試菌及び数量 アスペルギルス ニガー IFO4414 入手期日:平成11年9月21日
【0106】(4). 試験条件 紫外線殺菌ランプ:SGL−1000T5 HOSHI
N 1本 ランプ管壁からの距離:300mm 安定時のUV値:2300μW/cm2 試験容器/菌液量:90mm時計皿/1ml n=3
(表中の結果:1ml中の菌数) 試験菌濃度:102 〜103 個/ml 紫外線照射時間(sec):0,7,13,26,39 紫外線照射量(μW・s/cm2 ):表中に記載 供試菌の調整:入手の菌液より希釈調整 菌数測定:寒天希釈法 培養条件 ポテトデキストロース寒天培地 27±2℃
96時間培養
【0107】(5). 結果 不活性化試験結果[培養日数とコロニー発生度合]
【表2】
【0108】(6). 考察 表2に示すように、96時間培養及び48時間培養で
は、殺菌率に差はなかった。90000μW・s/cm
2 で99%の殺菌率が得られている。通常、この種の菌
の殺菌に要する紫外線照射量は160000μW・s/
cm2 程度以上と言われているので、今回の結果は、菌
のUV耐性が多少低いか、又は初菌数が少ないことによ
ると考えられる。
【0109】試験例3 (1). 試験の名称 ケトミウム カビ(Chaetomium globosum) に対する紫外
線殺菌ランプの不活性化試験(熱及び次亜塩素酸の前処
理) (2). 目的 ケトミウム カビは熱以外は非常に耐性が強い。そこ
で、今回、熱(30℃,36℃,40℃にて各々5分間
処理)に次亜塩素酸(1ppm,3ppm,5ppm)
を加え、更にUVを照射して、テストを行った。 (3). 供試菌及び数量 ケトミウム カビ ATCC6205 1菌株
【0110】(4). 試験条件 紫外線殺菌ランプ:SGL−1000T5 HOSHI
N 1本 ランプ管壁からの距離:300mm 安定時のUV値:2300μW/cm2 試験容器/菌液量:90mm時計皿/1ml n=2
(表中の結果:1ml中の菌数) 試験菌濃度:103 〜104 個/ml 紫外線照射時間(sec):0,22,44,66 紫外線照射量(μW・s/cm2 ):表中に記載 供試菌の調整:試験開始1週間前にポテトデキストロー
ス寒天平板培地に塗抹し、27±2℃で培養した菌体
を、30℃、36℃、40℃で5分間程度熱処理し、そ
れぞれの次亜塩素酸濃度に約1分間接触させた後、UV
照射を行った。 菌数測定:寒天希釈法 培養条件 ポテトデキストロース寒天培地 27±2℃
96時間培養
【0111】(5). 結果 試験例3−A 不活性化試験結果[培養日数とコロニー発生度合] 30℃、36℃、40℃で各5分間程度熱処理した
後、それぞれの次亜塩素酸濃度で約1分間接触させた菌
株に紫外線を照射した。
【表3】
【0112】この試験例3−Aを更に詳細に説明する
と、3−B〜3−Dのようになった。 試験例3−B 試験条件 30℃5分間程度熱処理+次亜塩素酸処理
【表4】
【0113】試験例3−C 試験条件 36℃5分間程度熱処理+次亜塩素酸処理
【表5】
【0114】試験例3−D 試験条件 40℃5分間程度熱処理+次亜塩素酸処理
【表6】
【0115】(6). 考察 表3、表4、表5及び表6に示すように、熱の違いや薬
品の濃度では変化が見られなかったが、紫外線照射によ
って90%の殺菌率を得ることができた。
【0116】試験例4 (1). 試験の名称 ケトミウム カビ(Chaetomium globosum) に対する紫外
線殺菌ランプの不活性化試験 (2). 目的 ケトミウム カビの紫外線耐性の確認、及びそのときの
カビ数の変化による、カビ数10/100/1000オ
ーダーでのUV殺菌効果の確認。更に、48時間/96
時間培養でのカビ増殖率を確認する。 (3). 供試菌及び数量 ケトミウム カビ ATCC6205 1菌株
【0117】(4). 試験条件 紫外線殺菌ランプ:SGL−1000T5 HOSHI
N 1本 ランプ管壁からの距離:300mm 安定時のUV値:2300μW/cm2 試験容器/菌液量:90mm時計皿/1ml n=5
(表中の結果:1ml中の菌数) 試験菌濃度:10,102 ,103 個/ml 紫外線照射時間(sec):0,22,44,66 紫外線照射量(μW・s/cm2 ):表中に記載 供試菌の調整:試験開始1週間前にポテトデキストロー
ス寒天平板培地に塗抹し、27±2℃で培養した菌体を
供試した。 菌数測定:寒天希釈法 培養条件 ポテトデキストロース寒天培地 27±2℃
96時間培養
【0118】(5−1).結果4A−1 不活性化試験結果 菌濃度:10オーダー個/mlの試験
【表7】 培養時間96時間
【0119】(5−2).結果4A−2 不活性化試験結果[培養日数とコロニー発生度合] 菌濃度:10オーダー個/mlの試験
【表8】 *:培養日数 a:48時間 b:96時間
【0120】(5−3).結果4B−1 不活性化試験結果 菌濃度:102 オーダー個/mlの試験
【表9】
【0121】(5−4).結果4B−2 不活性化試験結果[培養日数とコロニー発生度合] 菌濃度:102 オーダー個/mlの試験
【表10】 *:培養日数 a:48時間 b:96時間
【0122】(5−5).結果4C−1 不活性化試験結果 菌濃度:103 オーダー個/mlの試験
【表11】
【0123】(5−6).結果4C−2 不活性化試験結果[培養日数とコロニー発生度合] 菌濃度:103 オーダー個/mlの試験
【表12】 *:培養日数 a:48時間 b:96時間
【0124】(6). 考察 表7、表9及び表11に示すように、ケトミウム カビ
の紫外線耐性は、最初のオーダーが低く、それ以上の殺
菌効果は、UV量を増やしても殆ど影響なく、変化が見
られない。また、表8、表10及び表12に示すよう
に、一度殺菌されたカビが96時間で極端に増えること
はない。
【0125】試験例5 (1). 試験の名称 ケトミウム カビ(Chaetomium globosum) に対する紫外
線殺菌ランプの不活性化試験 (2). 目的 ケトミウム カビに強い紫外線を照射し、それによる耐
性の確認と、その高い紫外線照射量で殺菌されたカビの
48時間/96時間培養でのカビ増殖率を確認する。 (3). 供試菌及び数量 ケトミウム カビ ATCC6205 1菌株
【0126】(4). 試験条件 紫外線殺菌ランプ:SGL−1000T5 HOSHI
N 1本 ランプ管壁からの距離:300mm 安定時のUV値:2300μW/cm2 試験容器/菌液量:90mm時計皿/1ml n=3
(表中の結果:1ml中の菌数) 試験菌濃度:103 〜104 個/ml 紫外線照射時間(sec):0,22,44,65,8
7,109,130 紫外線照射量(μW・s/cm2 ):表中に記載 供試菌の調整:試験開始1週間前にポテトデキストロー
ス寒天平板培地に塗抹し、27±2℃で培養した菌体を
供試した。 菌数測定:寒天希釈法 培養条件 ポテトデキストロース寒天培地 27±2℃
96時間培養
【0127】(5−1).結果5−A 不活性化試験結果
【表13】 培養時間96時間
【0128】(5−2).結果5−B 不活性化試験結果[培養日数とコロニー発生度合]
【表14】
【0129】(6). 考察 表13に示すように、ケトミウム カビは、50mWで
90%、200mWで99%、300mWでも99%で
あり、それ以上の効果は、紫外線を高く照射しても上が
らない。また、表14に示すように、48時間/96時
間での培養時間差によるカビ増殖率には、殆ど差がな
い。
【0130】試験例6 (1). 試験の名称 ケトミウム カビ(Chaetomium globosum) に対する紫外
線殺菌ランプの不活性化試験 (2). 目的 ケトミウム カビに非常に強い紫外線を照射し、それに
よる耐性の確認と、その高い紫外線照射量で殺菌された
カビの48時間/96時間培養でのカビ増殖率を確認す
る。 (3). 供試菌及び数量 ケトミウム カビ ATCC6205 1菌株
【0131】(4). 試験条件 紫外線殺菌ランプ:SGL−1000T5 HOSHI
N 1本 ランプ管壁からの距離:300mm 安定時のUV値:2300μW/cm2 試験容器/菌液量:90mm時計皿/1ml n=3
(表中の結果:1ml中の菌数) 試験菌濃度:103 〜104 個/ml 紫外線照射時間(sec):0,130,174,21
8,261,305,348,392,435 紫外線照射量(μW・s/cm2 ):表中に記載 供試菌の調整:試験開始1週間前にポテトデキストロー
ス寒天平板培地に塗抹し、27±2℃で培養した菌体を
供試した。 菌数測定:寒天希釈法 培養条件 ポテトデキストロース寒天培地 27±2℃
96時間培養
【0132】(5−1).結果6−A 不活性化試験結果
【表15】 培養時間96時間
【0133】(5−2).結果6−B 不活性化試験結果[培養日数とコロニー発生度合]
【表16】
【0134】(6). 考察 表15に示すように、試験例5の高照射時と殆ど同じ結
果が得られ、100個以下のオーダーになると、いくら
紫外線を照射しても殺菌効果は上がらない。また、表1
6に示すように、48時間/96時間での培養時間差に
よるカビ増殖率には、殆ど差がない。
【0135】試験例7 (1). 試験の名称 ケトミウム カビ(Chaetomium globosum) に対する紫外
線殺菌ランプの不活性化試験 (2). 目的 ケトミウム カビの温度に対する耐性の確認と、その状
態で更に紫外線を照射して殺菌した後のカビの、48時
間/96時間培養でのカビ増殖率を確認する。 (3). 供試菌及び数量 ケトミウム カビ ATCC6205 1菌株
【0136】(4). 試験条件 紫外線殺菌ランプ:SGL−1000T5 HOSHI
N 1本 ランプ管壁からの距離:300mm 安定時のUV値:2300μW/cm2 試験容器/菌液量:90mm時計皿/1ml n=2
(表中の結果:1ml中の菌数) 試験菌濃度:103 〜104 個/ml 紫外線照射時間(sec):0,22,44,66 紫外線照射量(μW・s/cm2 ):表中に記載 供試菌の調整:試験開始1週間前にポテトデキストロー
ス寒天平板培地に塗抹し、27±2℃で培養した菌体
を、35℃、40℃、45℃、50℃、60℃で各5分
間程度保ち、その状態にてUV照射を行った。 菌数測定:寒天希釈法 培養条件 ポテトデキストロース寒天培地 27±2℃
96時間培養
【0137】(5−1).結果7−A 不活性化試験結果[培養日数とコロニー発生度合] 35℃、40℃、45℃、50℃、60℃で各5分間
熱処理した菌株
【表17】
【0138】(5−2).結果7A−1 35℃5分間熱処理
【表18】
【0139】(5−3).結果7A−2 40℃5分間熱処理
【表19】
【0140】(5−4).結果7A−3 45℃5分間熱処理
【表20】
【0141】(5−5).結果7A−4 50℃5分間熱処理
【表21】
【0142】(5−6).結果7A−5 60℃5分間熱処理
【表22】
【0143】(6). 考察 表17、表18、表19、表20及び表21に示すよう
に、ケトミウム カビの温度耐性は、50℃までは殆ど
殺菌効果が見られない。一方、表17及び表22に示す
ように、60℃になると、99.9%の殺菌効果が得ら
れた。更に、紫外線を50mW又は100mW照射する
ことによってケトミウム カビの数を少なくすることが
でき、150mW程度の照射量では、そのカビ数をゼロ
又はゼロ近くにすることが可能である。従って、ケトミ
ウム カビの場合には、紫外線殺菌と加熱殺菌との両方
を行うことにより、殺菌効率を高めてそのカビ数をゼロ
又はゼロに近い値にすることができることが明らかにな
った。
【0144】試験例8 (1). 試験の名称 ケトミウム カビ(Chaetomium globosum) に対する紫外
線殺菌ランプの不活性化試験(熱後処理) (2). 目的 ケトミウム カビの温度耐性と紫外線照射耐性とを前段
階の試験で調べたので今回は順序を変えて、まず紫外線
を照射し、その後に熱を加えることにより、前回の試験
との違いを確認した。これと同時に、紫外線を照射して
熱を加えた後、残存又はゼロ(これには、カビが仮死状
態となって死滅したものと見なされたものを含む。)と
されたカビが、48時間又は96時間培養で増加するか
どうかの確認も行った。 (3). 供試菌及び数量 ケトミウム カビ ATCC6205 1菌株
【0145】(4). 試験条件 紫外線殺菌ランプ:SGL−1000T5 HOSHI
N 1本 ランプ管壁からの距離:300mm 安定時のUV値:2300μW/cm2 試験容器/菌液量:90mm時計皿/1ml n=2
(表中の結果:1ml中の菌数) 試験菌濃度:103 〜104 個/ml 紫外線照射時間(sec):0,22,44,66 紫外線照射量(μW・s/cm2 ):表中に記載 供試菌の調整:試験開始1週間前にポテトデキストロー
ス寒天平板培地に塗抹し、27±2℃で培養した菌体に
UV照射した後、45℃、50℃、60℃で各5分間程
度熱処理した。 菌数測定:寒天希釈法 培養条件 ポテトデキストロース寒天培地 27±2℃
96時間培養
【0146】(5−1).結果8−A 不活性化試験結果[培養日数とコロニー発生度合] UV処理後、45℃、50℃、60℃で各5分間熱処
【表23】
【0147】(5−2).結果8A−1 45℃5分間程度熱処理
【表24】
【0148】(5−3).結果8A−2 50℃5分間程度熱処理
【表25】
【0149】(5−4).結果8A−3 60℃5分間程度熱処理
【表26】
【0150】(6). 考察 表23及び表24に示すように、45℃程度では、先に
紫外線を100mW照射することで59%の効果が出て
きている。また、表23及び表25に示すように、50
℃の条件では、温度をかける前に紫外線を100mW照
射しても、45℃との変化はあまり見られない。しか
し、表23及び表26に示すように、60℃において
は、先に紫外線を50mW照射し、その後の加熱によっ
て温度を60℃に5分間程度維持することにより、ケト
ミウム カビがゼロに近づくことが確認できた。このこ
とから、紫外線を50mW又は100mW照射した後、
熱を加えて60℃に5分間程度保持することにより、ケ
トミウム カビを効果的に且つ効率良く殺菌できること
が確認できた。
【0151】本発明は、上述した実施例に限定されるも
のではなく、例えば、殺菌装置10,80では、紫外線
殺菌手段による紫外線殺菌を行った後、加熱殺菌手段に
よる加熱殺菌を行うように構成したが、これとは逆に、
先に加熱殺菌手段による加熱殺菌を行い、その後、紫外
線殺菌手段による紫外線殺菌を行う構成としても良い。
更に、紫外線殺菌手段による紫外線殺菌と加熱殺菌手段
による加熱殺菌とを同時に行う構成としても良い。ま
た、紫外線殺菌手段と加熱殺菌手段とは直列に配置され
ていれば良く、実際に直線的に配置されている必要はな
く、曲線的に配置されている場合も含まれるものであ
る。即ち、ここで言う「直列」とは、ライン的に連続さ
れているという意味であって、実際に直線上に配置され
ている必要はない。そして、紫外線と同様に細菌等に対
する殺菌作用を有する電磁波(例えば、波長400nm
〜480nmの可視光線等)であれば適用することがで
き、上記実施例の紫外線に限定されるものではない。
【0152】また、本発明に係る容器としては、底部に
穴のないボトル、ビン、カン等が一般的であるが、穴の
ある底部をシール材で封止したり、蓋体を装着して閉じ
られた底部とするような構成の容器も含まれるものであ
る。更に、容器にかける加熱媒体の温度が55℃〜85
℃のように比較的低い場合には、熱を加える時間を長く
する必要があり、一方、加熱媒体の温度が85℃以上と
比較的高い場合には、熱を加える時間を比較的短くする
ことができることは勿論である。更に、殺菌対象として
は、上述した実施例のものに限定されるものでないこと
は勿論である。このように、本発明は、その趣旨を逸脱
しない範囲で種々変更できるものである。
【0153】
【発明の効果】以上説明したように、本出願の殺菌装置
によれば、容器の下面若しくは下面近傍又はその両面を
電磁波殺菌手段による電磁波殺菌と加熱殺菌手段による
加熱殺菌との少なくとも一方、好ましくは電磁波殺菌と
加熱殺菌との両方で細菌やカビ等の殺菌対象を殺菌する
構成としたため、容器の下面及び下面近傍に細菌やカビ
等が付着して内容物の充填ラインに持ち込まれるのを防
止することができる。その結果、容器に付着する細菌や
カビ等によって内容物が汚染されることがなく、衛生的
な成品を製造することができるという効果を得ることが
できる。
【0154】また、本出願の殺菌装置によれば、電磁波
殺菌手段と加熱殺菌手段との両方を、一方の殺菌手段に
よる殺菌効果が係属しているうちに他方の殺菌手段によ
る殺菌を行うか、若しくは両方の殺菌手段で同時に殺菌
することにより、耐熱性を有するが耐紫外線性等を有さ
ない細菌やカビ等及び耐紫外線性等を有するが耐熱性を
有さない細菌やカビ等の両者を共に殺菌することができ
る。従って、容器の下面又は下面近傍に付着している細
菌やカビ等を確実に、しかも効率良く殺菌することがで
きるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の殺菌装置の第1の実施例を示すもの
で、全体構成を現す外観斜視図である。
【図2】図1に示す殺菌装置を縦方向に断面して示す説
明図である。
【図3】図2に示す殺菌装置のS−S線部分を断面して
示す説明図である。
【図4】図2に示す殺菌装置のT−T線部分を断面して
示す説明図である。
【図5】本発明の殺菌装置を備えたボトル入り飲料の生
産ラインの作業工程の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の殺菌装置の第2の実施例を示すもの
で、全体構成を現す平面図である。
【図7】図6に示す殺菌装置のX−X線部分を断面して
示す説明図である。
【図8】図6に示す殺菌装置のY−Y線部分を断面して
示す説明図である。
【図9】本発明の殺菌装置の第3の実施例を説明するた
めのブロック説明図である。
【図10】本発明の殺菌装置を備えた無菌充填装置の概
略構成を示す説明図である。
【図11】従来の殺菌装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10,80,100,120,121,122,123
殺菌装置、 11殺菌室、 12 前部コンベヤ、
13 後部コンベヤ、 14 持ち上げ搬送コンベヤ、
15 PETボトル(容器)、 15a 胴部、 1
5c 口部、15d 底部、 17,82 紫外線殺菌
装置(電磁波殺菌手段)、 18,83 熱湯噴出装置
(加熱殺菌手段)、 30 支持レール、 31 搬送
ベルト、 40,60 紫外線ランプ、 41,61
反射板、 42,62 ランプハウジング、 67 熱
湯供給部、 68 噴出ノズル、 70 洗浄装置、7
2 回転充填機(フィラー)、 81 回転搬送コンベ
ヤ、 84 メインガイドレール、 86 可動部材、
87,88,89 ガイドレール、 110 無菌充
填装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65B 55/08 B65B 55/08 A

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器の下面又は下面近傍以外の部分を保
    持して当該容器を搬送する容器搬送手段と、 上記容器の搬送ライン上若しくは当該搬送ラインの近傍
    に設置されると共に、上記容器の下面及び/又は下面近
    傍に対して電磁波を照射して当該容器の表面を電磁波に
    より殺菌する電磁波殺菌手段及び上記容器の下面及び/
    又は下面近傍に対して熱を加えて当該容器の表面を熱に
    より殺菌する加熱殺菌手段のうち少なくとも一方の殺菌
    手段と、を設け、 上記電磁波殺菌手段及び/又は上記加熱殺菌手段により
    上記容器の下面及び/又は下面近傍に付着している殺菌
    対象を電磁波及び熱の少なくとも一方で殺菌するように
    したことを特徴とする殺菌装置。
  2. 【請求項2】 上記殺菌手段は、上記電磁波殺菌手段及
    び上記加熱殺菌手段の両方を備え、上記殺菌対象に対し
    て両方の殺菌手段で同時に電磁波殺菌及び加熱殺菌を行
    うか、又は上記殺菌対象に対する一方の殺菌手段による
    殺菌効果が持続している間に他方の殺菌手段による殺菌
    が行われるようにしたことを特徴とする請求項1記載の
    殺菌装置。
  3. 【請求項3】 上記殺菌手段は、トンネル構造又は遮蔽
    構造とされた殺菌室内において上記搬送ラインに沿って
    同一種類又は異種類の複数の殺菌手段を直列に配置した
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の殺菌装置。
  4. 【請求項4】 上記殺菌手段は、上記容器に内容物を充
    填する工程の前段であって、当該容器を洗浄する工程の
    前段位置若しくは後段位置又は洗浄中の中途位置に設け
    たことを特徴とする請求項1、2又は3記載の殺菌装
    置。
  5. 【請求項5】 上記電磁波殺菌手段は、波長が180n
    mから400nmまでの範囲内にある紫外線を放射する
    紫外線殺菌手段であり、当該紫外線殺菌手段による上記
    容器に対する紫外線の照射量は5.0×104 μW・s
    /cm2 以上であることを特徴とする請求項1、2、3
    又は4記載の殺菌装置。
  6. 【請求項6】 上記加熱殺菌手段による上記殺菌対象に
    対する加熱は、55℃以上の加熱媒体を当該殺菌対象に
    かけて加熱して行うことを特徴とする請求項1、2、3
    又は4記載の殺菌装置。
  7. 【請求項7】 上記加熱殺菌手段による上記殺菌対象に
    対する加熱は、電磁波の照射により当該殺菌対象を55
    ℃以上に熱して行うことを特徴とする請求項1、2、3
    又は4記載の殺菌装置。
  8. 【請求項8】 上記容器は、飲料、食品又は医薬品が充
    填される瓶、缶、紙パック又はプラスチックパック等の
    容器本体を有し、上記容器本体の下面は、当該容器本体
    と一体である底部の他、当該底部に装着される蓋材又は
    シール材を含むことを特徴とする請求項1記載の殺菌装
    置。
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