JP2002079720A - キャリッジおよび該キャリッジを備えた記録装置 - Google Patents

キャリッジおよび該キャリッジを備えた記録装置

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JP2002079720A JP2000320850A JP2000320850A JP2002079720A JP 2002079720 A JP2002079720 A JP 2002079720A JP 2000320850 A JP2000320850 A JP 2000320850A JP 2000320850 A JP2000320850 A JP 2000320850A JP 2002079720 A JP2002079720 A JP 2002079720A
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昌敬 吉田
Tadahiro Yamashita
周大 山下
Kazuhiko Tsuyama
和彦 津山
Masaki Shimomura
正樹 下村
Hiroshi Asawa
博 麻和
Koji Hashiuchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャリッジのコストダウンを計る為にPG調
整機構を設けずに、記録装置組み立て時のPG調整を簡
易にすることができるキャリッジを提供することにあ
る。 【解決手段】 キャリッジ20はガイド軸8および、排
紙フレーム13によってその荷重が支えられる。排紙フ
レーム13と当接するT字形部材42は、キャリッジ2
0の前方側に設けられ、ガイド軸8はキャリッジ20の
後方側に設けられている。用紙PとのPG調整量ΔPG
は、排紙フレーム13の鉛直方向変位量ΔHによって決
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,プリンタ,ファク
シミリ,複写機等の記録装置に用いられるキャリッジに
関し、特に、被記録材の搬送方向と直交して配置される
べきガイド軸に案内されて往復動すると共に、前記ガイ
ド軸と、記録装置の基体となるフレーム部材とによっ
て、被記録材に記録を行う記録ヘッドと被記録材とのギ
ャップが決定されるキャリッジおよび、該キャリッジを
備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】記録装置の1つとしてプリンタがあり、
プリンタには、被記録材の搬送方向と直行して配置され
るガイド軸に案内されて往復動作するキャリッジを備
え、該キャリッジに収容されるインク・カートリッジか
ら供給されるインクを、同じくキャリッジに設けられる
記録ヘッドから被記録材へ吐き出し、これによって印刷
を行うインク・ジェット・プリンタがある。
【0003】このようなインク・ジェット・プリンタに
おいては、記録品質の向上を図るために、被記録材の記
録面と、記録ヘッドとの間の距離、すなわち、ペーパー
・ギャップ(以下、「PG」という。)を精度良く調整
することが可能なことが望ましいため、キャリッジには
PGを調整するPG調整機構が設けられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記PG調整
機構は構造が複雑で、部品点数が多いことからキャリッ
ジのコストダウンに対する障壁となっていた。一方、P
G調整機構を省略した場合、記録装置の組み立て後には
PGの微調整が行えないため、組み立て時にPGを精密
に調整する必要があるが、従来のキャリッジでは組み立
て時のPG調整が行いづらいという欠点を有していた。
以下、これを説明すると、従来、図14に示す従来技術
に係るキャリッジ50の要部断面図に示すように、キャ
リッジ50はガイド軸8と、キャリッジ50の背面に位
置する、記録装置の基体となるフレーム部材11とによ
ってPGが決定される構造を有していた。すなわち、図
14に示す従来技術に係るキャリッジ50はガイド軸8
を軸支し、コの字型を有する摺動部51において背面に
位置するフレーム部材11と係合し、フレーム部材11
から水平方向の抗力を受けて、ガイド軸8を中心とした
回動角を規制することにより、記録ヘッド52と被記録
材PとのPGを決定するような構造を有していた。しか
し、このようなPG決定構造においては、鉛直方向のギ
ャップ量であるPGを、水平方向の抗力を受けるフレー
ム部材11の水平位置を調整することによって調整する
ため、前記調整量が直接的にPGの微調整量に結びつか
ず、PG調整作業が行いづらかった。
【0005】そこで、本発明は上記問題に鑑みなされた
ものであり、その課題は、キャリッジのコストダウンを
計る為にPG調整機構を設けずに、記録装置組み立て時
のPG調整を簡易にすることができるキャリッジを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願請求項1記載のキャリッジは、被記録材の搬送
方向と直交して配置されるべきガイド軸を軸支する軸受
部と、前記ガイド軸と平行に配置される、記録装置の基
体となるフレーム部材と摺動する摺動部と、被記録材に
記録を行う、キャリッジ下部に配置されるべき記録ヘッ
ドと、を有する、前記ガイド軸に案内されて主走査方向
に往復動作し、且つ前記ガイド軸および前記フレーム部
材によって前記記録ヘッドと被記録材とのギャップが決
定されるキャリッジであって、前記軸受部は、前記ガイ
ド軸を軸支することにより前記ガイド軸を回動中心とし
て回動するキャリッジの非重心位置に配置され、前記摺
動部は、前記フレーム部材から鉛直上向きの力を受ける
ことによって、キャリッジの前記回動を止める位置に配
置されることを特徴とする。
【0007】本願請求項1記載の発明によれば、前記摺
動部が、前記フレーム部材から鉛直上向きの力を受ける
ことによって、キャリッジの前記ガイド軸を回動中心と
した回動を止める位置に配置されるので、鉛直方向のギ
ャップである被記録材と記録ヘッド部とのPGを、前記
フレーム部材の鉛直方向の位置を変位させることによ
り、すなわち、PGの方向と同一方向に対する微調整に
よって、直接的に調整することが可能となるので、PG
の調整が簡易となり、従ってPG調整機構が不要とな
り、もってキャリッジのコストダウンを計ることが可能
となる。
【0008】本願請求項2記載のキャリッジは、請求項
1において、前記摺動部は、前記ガイド軸の回動中心か
ら、当該キャリッジの重心位置よりも遠方に設けられる
ことを特徴とする。本願請求項2記載の発明によれば、
前記摺動部が、前記ガイド軸の回動中心からキャリッジ
の重心位置よりも遠方に設けられるので、前記ガイド軸
の軸方向を側視してキャリッジの荷重を支える2つの荷
重支点となる、前記ガイド軸と、前記摺動部との距離を
大きく取ることができる。従って、いわゆる梃子の原理
における“支点”としての前記ガイド軸と、“作用点”
としての前記摺動部との距離が大きくなることから、キ
ャリッジを安定して支えることができるため、キャリッ
ジ往復動作中の揺れ,振動等が低減され、安定したキャ
リッジの往復動作を行うことができ、ひいては良好な印
字品質を得ることができる。
【0009】本願請求項3記載のキャリッジは、請求項
1または2において、前記軸受部と前記記録ヘッド部と
の水平距離L1と、前記記録ヘッド部と前記摺動部との
水平距離Lとの間には、L1<Lなる関係が成り立
つことを特徴とする。本願請求項3記載の発明によれ
ば、前記軸受部と前記記録ヘッド部との水平距離L
1と、前記記録ヘッド部と前記摺動部との水平距離L
との間には、L1<L なる関係が成り立つので、前記
記録ヘッド部は、キャリッジの回動支点となる前記ガイ
ド軸により近い位置に設けられることになる。このこと
はすなわち、PGを調整するために前記摺動部、すなわ
ちフレーム部材を鉛直方向に上下させ、前記ガイド軸を
回動中心としてキャリッジを回動させた場合の、前記フ
レーム部材の鉛直方向変位量よりも、回動中心に近い前
記記録ヘッド部の鉛直方向変位量が小なることを意味す
る。一方、記録装置組み立て時のPG製造誤差は、記録
装置の基体となる前記フレーム部材の鉛直方向変位量と
して現れる。従って、これにより記録装置の製造ばらつ
き、特に、前記フレーム部材の取付位置のばらつきに起
因するPGのばらつきを抑えることが可能となり、もっ
て安定した品質を得ることができる。
【0010】本願請求項4記載のキャリッジは、請求項
1から3のいずれか1項において、前記摺動部は、前記
フレームとの摺動に際し、前記フレームの歪みに対応し
て揺動することができる揺動部によって形成される、こ
とを特徴とする。本願請求項4記載の発明によれば、キ
ャリッジにおける、前記フレームと摺動する前記摺動部
は、前記フレームとの摺動に際して揺動する揺動部によ
って形成されるので、キャリッジは往復動作に際して前
記フレームに歪みがあっても、主走査方向に対する姿勢
が一定に保たれる。すなわち、前記フレームに歪みがあ
る場合は、該フレームと摺動する摺動部は前記歪みに従
って傾動しようとするため、該傾動作用がキャリッジに
伝わり、キャリッジには前記ガイド軸の軸方向と垂直な
方向(被記録材の搬送方向)を回動軸としたモーメント
力が発生し、これによって前記ガイド軸と、これを軸支
する軸受部の摺動抵抗が、前記フレームの歪みによって
変化するので、キャリッジの往復動作が円滑に行われな
くなる。しかし、前記摺動部は前記フレームの歪みに合
わせて揺動できるので、キャリッジには前述した回転モ
ーメントが発生せず、もってキャリッジの往復動作を円
滑に行うことが可能となる。
【0011】本願請求項5記載のキャリッジは、請求項
4において、前記揺動部は、キャリッジ底部にキャリッ
ジ本体と一体成形により形成された回動軸と、該回動軸
を軸承する軸受け部が形成された摺動部材とによって構
成されることを特徴とする。本願請求項5記載の発明に
よれば、揺動部が、キャリッジ底部にキャリッジ本体と
一体成形により形成された回動軸と、該回動軸を軸承す
る摺動部材とによって構成されるので、少ない部品点数
で揺動部を構成することができ、もってコストダウンを
計ることが可能となり、更に、円滑な揺動動作を行うこ
とが可能となる。
【0012】本願請求項6記載のキャリッジは、請求項
1から5のいずれか1項において、キャリッジの主走査
方向への往復動に際し、前記ガイド軸と直交する方向に
横圧を作用させる横圧付与手段によって、横圧を受けな
がら往復動することを特徴とする。本願請求項6記載の
発明によれば、キャリッジは、ガイド軸と直交する方向
に横圧を作用させる横圧付与手段によって横圧を受ける
ので、軸受部において、ガイド軸の軸方向と直交する方
向に力を作用させた状態、即ち、ガイド軸に押しつける
ような状態の下で主走査方向に往復動する。従って、例
えば軸受部とガイド軸との間にクリアランス(がたつ
き)が存在する様な状態においても、主走査方向への往
復動作に際して振動等が発生することなく、安定した状
態で円滑な往復動作を行うことが可能となる。
【0013】本願請求項7記載のキャリッジは、請求項
6において、前記フレーム部材が傾斜面を有し、前記横
圧付与手段が、前記傾斜面と、該傾斜面と摺動する前記
摺動部とによって構成されることを特徴とする。本願請
求項7記載の発明によれば、摺動部がフレーム部材の傾
斜面上を摺動するので、キャリッジは、鉛直上向きの力
のみならず、水平方向の力、即ち、請求項7記載の横圧
を受けることになる。従って、横圧手段が、フレーム部
材の傾斜面と、該傾斜面と摺動する摺動部とによって構
成されることになり、これにより別途横圧付与手段を設
ける必要無く、記録装置の既存の構成要素を利用して安
価に横圧付与手段を得ることが可能となる。
【0014】本願請求項8記載のキャリッジは、請求項
1から7のいずれか1項において、前記フレーム部材に
は前記ガイド軸と平行な長溝が形成され、前記摺動部
は、キャリッジの主走査方向への往復動に際して前記長
溝内を摺動することを特徴とする。キャリッジの主走査
方向への往復動に際し、摺動部は、フレーム部材との間
で摺動摩擦を生じさせながら、フレーム部材上を摺動す
る。従って、摺動部とフレーム部材との間の接触摩擦抵
抗を軽減すべく、摺動部とフレーム部材との間には潤滑
材が使用されることが望ましい。しかし、フレーム部材
上における摺動面が一様な平面であると、潤滑材が漏出
し或いは周囲に飛散する等の問題が生じる場合がある。
【0015】本願請求項8記載の発明によれば、フレー
ム部材に長溝が形成され、摺動部は、該長溝内を摺動す
るので、潤滑材を用いた場合でも潤滑材を前記長溝内に
滞留させることができ、従って潤滑材が漏出する問題を
回避することが可能となる。また、これによって潤滑材
を充分に供給できるので、もってフレーム部材及び摺動
部の耐久性能を向上させることも可能となる。
【0016】本願請求項9記載のキャリッジは、請求項
8において、前記長溝の溝幅が、前記長溝内部へ手指が
挿入不可能な寸法に形成されることを特徴とする。本願
請求項9記載の発明によれば、長溝内部へ手指を挿入す
ることが不可能であるので、キャリッジの取り扱い時等
においても、長溝内部に滞留している潤滑材によって手
指を汚す虞が無い。
【0017】本願請求項10記載のキャリッジは、請求
項8または9において、前記記録ヘッド部の高さ位置
を、前記長溝底部と、前記摺動部との間に、シート部材
を介在させることにより行うことを特徴とする。本願請
求項10記載の発明によれば、記録ヘッド部の高さ位
置、即ち、鉛直方向のギャップである被記録材と記録ヘ
ッド部とのPGを、長溝底部と摺動部とに間にシート部
材を介在させることによって行うこととしたので、フレ
ーム部材の高さ位置を調整すること無く、簡易に且つよ
り精密なPG調整を行うことが可能となる。
【0018】本願請求項11記載のキャリッジは、請求
項10において、前記シート部材を、前記長溝に注入さ
れる潤滑材の表面張力を利用して前記長溝底部に定着さ
せたことを特徴とする。本願請求項11記載の発明によ
れば、シート部材を長溝底部に定着させる手段として、
長溝に注入される潤滑材の表面張力を利用したので、接
着剤等による接着手段と異なりシート部材の設置或いは
取り外しを容易に行うことができる。
【0019】本願請求項12記載のキャリッジは、請求
項1から11のいずれか1項において、前記軸受部は、
前記キャリッジと一体成形によって形成されることを特
徴とする。本願請求項12記載の発明によれば、請求項
1から11のいずれか1項におけるキャリッジは、軸受
部がキャリッジと一体成形によって形成されるので、金
属メタル等の特別な軸受部を備えることなく、より一層
キャリッジのコストダウンを計ることが可能となる。
【0020】本願請求項13記載のキャリッジは、被記
録材の搬送方向と直交して配置されるべきガイド軸を軸
支する軸受部と、前記ガイド軸と平行に配置される軸体
と摺動する摺動部と、被記録材に記録を行う、キャリッ
ジ下部に配置されるべき記録ヘッドと、を有する、前記
ガイド軸に案内されて主走査方向に往復動作し、且つ前
記ガイド軸および前記軸体によって前記記録ヘッドと被
記録材とのギャップが決定されるキャリッジであって、
前記軸受部は、前記ガイド軸を軸支することにより前記
ガイド軸を回動中心として回動するキャリッジの非重心
位置に配置され、前記摺動部は、前記軸体から鉛直上向
きの力を受けることによって、キャリッジの前記回動を
止める位置に配置されることを特徴とする。
【0021】本願請求項13記載の発明によれば、本願
請求項1記載の発明と同様な作用効果を得ることができ
ると共に、摺動部は、フレーム部材と比してより剛性の
高く変形し難い軸体と摺動するので、以てキャリッジを
更に安定して往復動作させることが可能となる。
【0022】本願請求項14記載のキャリッジは、請求
項13において、前記軸体が、前記ガイド軸よりも上方
に配置されていることを特徴とする。本願請求項14記
載の発明によれば、軸体がガイド軸よりも上方に配置さ
れているので、これによってキャリッジの重心位置によ
り近い位置でキャリッジの荷重を支えることが可能とな
り、以てキャリッジを更に安定して往復動作させること
が可能となる。
【0023】本願請求項15記載のキャリッジは、請求
項13または14において、前記軸体及び前記摺動部が
導電性材料からなり、インクを吐出する記録ヘッド部を
駆動制御する為の電子回路が、導電性材料からなる前記
摺動部と接続し、これによって前記軸体を介して接地さ
れていることを特徴とする。本願請求項15記載の発明
によれば、簡易に且つ確実に記録ヘッド部を駆動制御す
る電子回路を接地することができる。即ち、摺動部は軸
体としてのフレーム部材と摺動し、当該摺動部と軸体は
導電性材料からなっている。従って、キャリッジは、該
摺動部を接点とし、導電性材料からなる軸体を介して接
地可能な状態に置かれることになる。そして、記録ヘッ
ド部を駆動制御する電子回路は導電性材料からなる前記
摺動部と接続しているので、従って軸体を介して接地す
ることが可能となり、以て構成材料を増やすことなく簡
易に且つ確実に接地することができる。
【0024】本願請求項16記載のキャリッジは、請求
項13から15のいずれか1項において、前記摺動部が
含油焼結金属からなることを特徴とする。本願請求項1
6記載の発明によれば、摺動部が含油焼結金属からなる
ので、別途潤滑手段を用いることなく摺動部と軸体との
摺動摩擦抵抗を低減することができ、以てキャリッジを
円滑に動作させることが可能となる。
【0025】本願請求項17に記載の発明に係る記録装
置は、請求項1から16のいずれか1項に記載のキャリ
ッジを備えていることを特徴とする。
【0026】本願請求項17に記載の発明によると、記
録装置において、前述した本願請求項1から16のいず
れか1項に記載の発明と同様の作用効果を得ることがで
きる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下では、図1を参照しながら、
本発明に係る「インクジェット式記録装置」としてのイ
ンク・ジェット・プリンタの概要について説明する。図
1は、本実施形態に係るインク・ジェット・プリンタ1
00の上部カバーを外した状態の概略斜視図である。
【0028】インク・ジェット・プリンタ(以下、単に
「プリンタ」という。)100は、「被記録材」として
の印刷用紙(単票紙、以下、「用紙P」という)を複数
枚堆積するシートフィーダ1をプリンタ100本体の背
面部に備える。シートフィーダ1は堆積される用紙Pを
背面から支える用紙受け6と、背面ガイド4上を摺動可
能で且つ任意の位置に固定することが可能な可動側エッ
ジガイド7と、固定側エッジガイド5とを備え、用紙P
の幅に合わせて背面ガイド4上における可動側エッジガ
イド7の固定位置を調節することにより、用紙Pは可動
側エッジガイド7と固定側エッジガイド5とにガイドさ
れながら給送される。用紙Pはシートフィーダ1に設け
られた給紙ローラ(図示せず)によって、本体中程に位
置する搬送ローラ2へ給送され、搬送ローラ2へ給送さ
れた用紙Pは、搬送ローラ2の回動に従って従動回動す
る搬送従動ローラ3との間で挟圧されながら、搬送ロー
ラ2の回動によってキャリッジ20の下部に位置するプ
ラテン10へ一定のピッチで副走査方向へ搬送される。
【0029】キャリッジ20はプリンタ100本体の基
体となるフレーム11に設置されたガイド軸8に案内さ
れて主走査方向に往復動する。また、キャリッジ20に
は、インク・カートリッジ9が着脱可能に取り付けら
れ、このインク・カートリッジ9内のインクは、キャリ
ッジ20の下部に設けられた記録ヘッド22(図4参
照)に送られる。記録ヘッド22は、用紙Pに対向する
面に形成されたノズル列(図示せず)からインクを、搬
送された用紙Pに吐き出し、これにより、印刷が行われ
る。印刷された用紙Pは、記録ヘッド22から排紙フレ
ーム13の下部に位置する排紙ローラ(図示せず)によ
って、プリンタ100本体前面に排出される。
【0030】プリンタ100本体のカバー12は前面が
開口部14を有し、排出された用紙Pを蓄積する排紙ス
タック等は取り付けられていない。従って、プリンタ1
00本体が設置される床面Fから一定高さの位置に設置
される排紙ローラから排出される用紙Pは、自重によっ
て排紙ローラから排出後垂れ下がり、やがて床面Fに当
接する。
【0031】次に、図2乃至図6を参照しつつ、本実施
形態に係るキャリッジの構成について詳述する。図2は
キャリッジ20周囲の構成要素を概略図示した平面図
(上面図)であり、図3はキャリッジ本体25の本体内
部平面図、図4はキャリッジ20の底部平面図、図5は
キャリッジ20の要部断面図である。また、図6(A)
は、キャリッジ20における「摺動部」および「揺動
部」の構造を示す正面図であり、図6(B)は揺動部の
揺動の様子を示す概念図である。
【0032】図2において、キャリッジ20は、キャリ
ッジ本体25の後方側(プリンタ100本体後方側)に
ガイド軸8を挿通し、ガイド軸8によって主走査方向に
案内されながら往復動する(図の矢印の方向)。キャリ
ッジ20は、ガイド軸8および、プリンタ100本体の
基体となり且つ排紙機構を構成する排紙フレーム13に
よって、その荷重が支えられる。従って、キャリッジ2
0は、キャリッジ20の背面側に位置するフレーム部材
11によってはその荷重が支えられていない(図5およ
び図13を比較参照。)。
【0033】ガイド軸8を挿通する軸受部35(図5参
照)は、キャリッジ本体25と一体に樹脂成形によって
形成され、特別なメタル軸受等とはなっていない。この
ため、キャリッジ本体25を安価に作製することが可能
となる。尚、更なる耐久性向上のため、軸受部35をメ
タル軸受等にすることも可能である。
【0034】ここで、本実施形態においては、軸受部3
5におけるガイド軸8との摺動摩擦抵抗を軽減する為
に、図4に示す様な潤滑材供給手段を設けている。図4
において、符号36及び38は潤滑材含浸体を示してい
て、これら潤滑材含浸体から潤滑材がガイド軸8の表面
に滲出することによって軸受部35におけるガイド軸8
との摺動摩擦抵抗が軽減される。より詳しくは、潤滑材
含浸体36は直方体形状をなしていて、図示の如く軸受
部35,35の中間付近においてガイド軸8の上部に配
置され、ガイド軸8と接触する。また、潤滑材含浸体3
8,38は、内周がガイド軸8の外周と接触する様に形
成されドーナツ形状をなしていて、軸受部35,35の
外側にガイド軸8を挿通した状態で配置され、更に、カ
バー部材37,37によってカバーされる。従って、潤
滑材含浸体36は配置された際にガイド軸8の上方にお
いて、潤滑材38,38は、配置された際にガイド軸8
の全周に渡って均等に、ガイド軸8に潤滑材を供給す
る。
【0035】次に、図2および図3において、キャリッ
ジ20は、キャリッジ20の本体となるキャリッジ本体
25,カバー部材30aおよび30b(以下、まとめて
「カバー部材30」という),インク・カートリッジ9
aおよび9b(以下、まとめて「インク・カートリッジ
9」という),記録ヘッド22から大略構成される。
尚、インク・カートリッジ9aはブラック用のインク・
カートリッジであり、インク・カートリッジ9bはカラ
ー用のインク・カートリッジであって、共に交換可能で
ある。
【0036】キャリッジ本体25にはインク・カートリ
ッジ9を収容するインク・カートリッジ収容室23が形
成されている。インク・カートリッジ9は、インク・カ
ートリッジ収容室23内において一定のクリアランスを
有した状態で収納される。
【0037】図3および図5において、インク・カート
リッジ収容室23の底部には記録ヘッド22が設けられ
ていて、記録ヘッド22には、インク供給針27が設け
られている。インク・カートリッジ9がインク・カート
リッジ収容室23に収容されると、インク供給針27が
インク・カートリッジ9の底部に設けられたインク供給
口26に差し込まれる。これによって、インク・カート
リッジ9と記録ヘッド22とが互いに連係され、インク
・カートリッジ9内部のインク室に蓄えられたインク
が、記録ヘッド22に供給される。
【0038】キャリッジ本体25の一側壁には、位置調
整レバー(図示せず)が設けられている。この位置調整
レバーは、キャリッジ本体25に対する記録ヘッド22
の位置を調整することにより、記録ヘッド22に設けら
れたノズル列(図示せず)が副走査方向と平行になるよ
うに調整するものである。また、インク・カートリッジ
収容室23の底部には、記録ヘッド固定板28が設けら
れている。記録ヘッド22は、位置調整レバーによって
位置調整された後、記録ヘッド固定板28によってキャ
リッジ本体25に固定される。なお、キャリッジ本体2
5に対して記録ヘッド22を位置調整すると、それに伴
い、インク供給針27もキャリッジ本体25に対して変
位する。その結果、このインク供給針27が差し込まれ
たインク・カートリッジ9も、インク・カートリッジ収
容室23に対して変位する。
【0039】尚、キャリッジ本体25には、記録ヘッド
22と用紙Pとの距離、すなわち、PGを調整する機構
は設けられていない。従って、これによりキャリッジ本
体25は安価に作製することが可能となっている。
【0040】インク・カートリッジ収容室23の上部に
は蓋機能としてのカバー部材30が、回動軸24を中心
に回動することにより開閉可能に設けられている。回動
軸24と対向する側には摘み部31が形成され、摘み部
31には嵌合突起32および可撓性屈曲部33が連設さ
れている。一方、キャリッジ本体25には、嵌合突起3
2が係止する係止部21が設けられていて、カバー部材
30を開く際には、摘み部31を摘み、且つ可撓性屈曲
部33を撓ませてキャリッジ20の前方側に引きながら
摘み上げることによって、嵌合突起32と係止部21と
の係止が解かれ、カバー部材30が開かれる。また、カ
バー部材30を閉じる際には、摘み部31を上部から押
圧することによって嵌合突起31が係止部21に係止さ
れ、カバー部材30が閉じられる。
【0041】カバー部材30には、インク・カートリッ
ジ9を上方から押圧する押圧部材34a,34bが設け
られている。押圧部材34a,34bはカバー部材30
と一体成形によって形成され、カバー部材30を閉じた
際に弾性変形した状態でインク・カートリッジ9の上部
と当接して、インク・カートリッジ9を上方から押圧す
る。これによって、インク・カートリッジ9のインク・
カートリッジ収容室23内でのがたつきが防止され、印
字中の印字ムラの発生や、キャリッジ20の加減速走行
中の騒音を低減させることができるようになっている。
【0042】図5および図6(A)において、キャリッ
ジ本体25の前方底面には、鉛直下方に突出した支持部
(突出部)40が形成され、該支持部40には、「摺動
部」および「揺動部」を構成する摺動部材としてのT字
形部材42が取り付けられる。T字形部材42の凸端4
3にはツメ部43aが形成され、ツメ部43aは、凸端
43がキャリッジ本体25に設けられた嵌合孔41(図
3参照)に嵌合した際、キャリッジ本体25の内部底面
と係合して、T字形部材42の落下を防止する。また、
T字形部材42の底面部は支持部40の先端部を受け入
れる様、空洞部44が形成されている。
【0043】T字形部材42は、その底部において排紙
フレーム13と摺動する。図2における領域Aが、T字
形部材42が排紙フレーム13上を摺動する領域とな
る。ここで、T字型部材42は、キャリッジ本体25に
設けられた嵌合穴41に取り付けられた際、支持部40
の先端部と空洞部44との間で一定のクリアランスが存
在するよう、凸端43が支持部40の突出量に対して長
めに形成される。従って、T字形部材42はキャリッジ
本体25には完全に固定されず、これにより、図6
(B)に示すように、排紙フレーム13と摺動する際に
もその摺動方向に揺動することができる。従って、排紙
フレーム13が摺動方向に歪んでいる場合においても、
T字形部材42の揺動により、キャリッジ本体25が揺
動すること無く、キャリッジ20は安定した往復動作を
行うことが可能となる。
【0044】尚、T字形部材42と排紙フレーム13と
の摺動摩擦抵抗を低減させるため、図7(A)および
(B)に示すように、T字形部材42の中央部に潤滑材
供給部材45を配置することも可能である。ここで、図
7(B)は、図7(A)におけるx−x断面図である。
潤滑材供給部材45は、例えば潤滑油を含浸したフェル
ト等の吸収体が用いられるが、T字形部材42と排紙フ
レーム13との摺動面に潤滑材を供給するものであれば
どのような形態であっても構わない。更に、T字形部材
42の代わりに、排紙フレーム13と接触し、キャリッ
ジ20の往復動作に従って従動回動する従動ローラを用
いることも可能である。
【0045】また、T字形部材42の他の実施の形態と
して、図8に示すようなT字形部材60とすることもで
きる。図8は、T字形部材60を用いた揺動部の実施の
形態を示すものであり、図8(A)は揺動部の正面図、
図8(B)は揺動の様子を示す概念図である。
【0046】図6に示した揺動部と異なる点は、T字形
部材60が、キャリッジ本体25の底部に形成された回
動軸62(本実施形態においては断面は半円形状)を回
動支点として回動する構造となっている点である。即
ち、キャリッジ本体25の底部には、キャリッジ本体2
5と一体成形によって回動軸62が形成されていて、T
字形部材60は、T字形部材60に形成されたU字溝部
63が回動軸62を軸承することにより、図8(B)の
様に揺動する。これにより、一層円滑な揺動動作をおこ
なうことが可能となる。尚、T字形部材60のキャリッ
ジ本体25への取り付けに際し、T字形部材60の突端
61を嵌合孔41へ挿入し、突端61に形成されたツメ
部61aをキャリッジ本体25の内部底面と係合させて
落下を防止している点は、前述した図6で示した実施の
形態と同様である。
【0047】一方、図6においてT字形部材42が摺動
する排紙フレーム13の形態は、図9又は図10に示す
ような他の形態とすることもできる。図9及び図10
は、排紙フレーム13の他の実施の形態を示すキャリッ
ジ20の要部断面図である。
【0048】図9において、排紙フレーム48には長溝
46が形成されている(平面視では、大凡、図2におい
て斜線で示した領域Aの様になる)。長溝46は、排紙
フレーム48上において、キャリッジ20の往復動作範
囲よりもやや長めに形成され、T字形部材42は、キャ
リッジ20の往復動作に際して長溝46内を摺動する
(図9における奥行き方向)。従って、T字形部材42
と排紙フレーム48との摺動摩擦抵抗を低減させる為に
潤滑材を用いる様な場合においても、潤滑材は長溝46
内に滞留し、従って潤滑材が漏出する問題を回避するこ
とが可能となる。また、これによって潤滑材を充分に供
給できるので、もって排紙フレーム48及びT字形部材
42の耐久性能を向上させることも可能となる。尚、キ
ャリッジ20の取り扱い時等における、潤滑材による手
指の汚れ防止の為、長溝46の溝幅を、長溝46内部へ
手指が挿入不可能な寸法にすることも有効である。
【0049】次に、図10において、排紙フレーム47
は図示の如く傾斜面を有していて、T字形部材49は、
キャリッジ20の往復動作に際し、排紙フレーム47の
傾斜面上を摺動する(図10における奥行き方向)。
【0050】ここで、キャリッジ20は、T字形部材4
9を介して排紙フレーム47から鉛直上向きの力を受け
ることにより、ガイド軸8を回動中心とした回動が制止
されるが、T字形部材49が摺動する面は傾斜面である
ので、キャリッジ20は鉛直上向きの力のみならず、水
平方向の分力、即ち、図9においてガイド軸8に向かう
力(図9における右側)を受ける。換言すれば、キャリ
ッジ20は、排紙フレーム47の傾斜面から、ガイド軸
8と直交する方向に横圧を受けることになる。従って、
例えば軸受部35とガイド軸8との間にクリアランス
(がた)が存在する様な場合においても、主走査方向へ
の往復動作に際して振動等が発生することなく、安定し
た状態で円滑なキャリッジ20の往復動作を行うことが
可能となる。また、この様にキャリッジ20へ横圧を付
与する横圧付与手段として、傾斜面を有する排紙フレー
ム47を利用することにより、別途特別な横圧付与手段
を用いること無く、安価に横圧付与手段を構成すること
ができる。
【0051】ところで、キャリッジ20は、図11及び
図12に示す様な実施の形態とすることもできる。図1
1はキャリッジ20の他の実施の形態を示すものであ
り、前述した排紙フレーム13に換えて、前記ガイド軸
8と平行に配設された軸体64を利用したものである。
また、図12は、当該実施形態におけるキャリッジ2
0,ガイド軸8,軸体64の位置関係を示す簡略模式図
である。以下、当該実施形態に係るキャリッジ20につ
いて説明する。図11においてキャリッジ20の前面
(プリンタ100の前方側)には摺動部65が前方に突
出する様に設けられている。摺動部65は図示の如く、
キャリッジ20の前方側に位置する軸体64に上方から
載る様にして係合し、これによってキャリッジ20は、
ガイド軸8を回動中心とした回動が止められる様になっ
ている。尚、符号66で示す、キャリッジ20の前面に
且つ軸体64の下に位置する様に設けられる突起部は、
キャリッジ20が何らかの衝撃で上方向に飛び跳ねない
様にする為のストッパの役割を果たすものである。
【0052】ここで、摺動部65は、図示の如く軸体6
4と摺動する摺動面65aが傾斜面となる様に形成され
ている。従ってこれにより、前述した図10に示した実
施の形態と同様、キャリッジ20は軸体64から鉛直上
向きの力のみならず、水平方向の分力、即ち、ガイド軸
8に向かう力(横圧)を受けるので、これによってキャ
リッジ20が常に安定した状態で往復動作することがで
きる。尚、当該横圧はガイド軸8に向かう力のみなら
ず、逆に、キャリッジ20がガイド軸8から離れる方向
の向きであっても良い。尚、本実施形態においては、摺
動部65がガイド軸8よりも上方に位置する様に配置さ
れている。図12はこの様子を示したものであり、図か
ら明らかなように、摺動部65がガイド軸8よりも上方
に位置する様に軸体64が配設され、また、摺動部65
がキャリッジ20に設けられている。これは、キャリッ
ジ20の荷重を分担するガイド軸8と摺動部65とを結
ぶ線(符号nで示す)が、摺動部をガイド軸8よりも下
方に配置した場合(例えば、符号68で示す摺動部)
の、当該摺動部とガイド軸8とを結ぶ線(符号mで示
す)よりも、キャリッジ20の重心Gにより近くなるた
めであり(図における距離aと距離bとの差)、従って
これにより、キャリッジ20の重心Gにより近い位置で
キャリッジ20の荷重を分担することができ、以て更に
安定した状態でキャリッジ20が往復動作を行うことが
できる。
【0053】ところで、摺動部65は含油燒結金属から
なる導電体であり、また、軸体64も、導電性を有する
金属材料からなっている。従って、摺動部65に、キャ
リッジ20の記録ヘッド部22を駆動する電子回路(図
示せず)を接続することによって、軸体64を介した接
地をすることが可能となる。図11において符号67で
示す導線は、当該電子回路と摺動部65とを電気的に接
続する導線を示している。従ってこれにより、簡易に且
つ確実にキャリッジ20に配設される電子回路の接地を
行うことが可能となる。また、摺動部65は含油焼結金
属であるので、これにより、軸体64との摺動摩擦抵抗
が軽減され、キャリッジ20が円滑に往復動作すること
ができるようになっている。
【0054】次に、図13を参照しつつ、キャリッジ2
0におけるPG調整について説明する。図13は、キャ
リッジ20における記録ヘッド22,T字形部材42,
排紙フレーム13,ガイド軸8と、用紙Pとの位置関係
を示す概略模式図である。尚、符号2は搬送ローラ、符
号3は搬送従動ローラ、符号10はプラテンを示し、用
紙Pが図の矢印の方向に搬送されることを示している。
【0055】図13において、キャリッジ20はガイド
軸8および、T字形部材42と排紙フレーム13との当
接点によって、その荷重が支えられている。記録ヘッド
22と用紙Pとの距離、すなわちPGは、キャリッジ2
0がガイド軸8を回動中心として回動することにより決
定される。従って、PG調整量ΔPGは、排紙フレーム
13をΔHだけ鉛直方向に上下させ、キャリッジ20を
α°回動させることによって調整される。すなわち、鉛
直方向の調整量であるPGは、同様に鉛直方向の調整量
であるΔHによって調整されるので、水平方向の調整に
よってΔPGが決定されるような場合と比較して調整が
行い易いという利点を有する。
【0056】尚、実際には、排紙フレーム13の高さ位
置を変えて調整するのではなく、ガイド軸8と排紙フレ
ーム13との相対位置が図13における実線で示したキ
ャリッジ20の配置となるように設計され、その設計に
基づいて製造される。すなわち、設計段階で前記調整が
行われる。
【0057】また、ガイド軸8と記録ヘッド22との水
平距離L1と、記録ヘッド22とT字形部材42、すな
わち、摺動部との水平距離Lとの間には、L1<L
なる関係が成り立つ様に、記録ヘッド22およびT字形
部材42が配置されている。これによって、キャリッジ
20をα°回動させた場合のT字形部材42の鉛直方向
変位量ΔHに対して、PGの変位量ΔPGは充分に小さ
いものとなる。このことは、プリンタ100の組み立て
時の製造ばらつきによる、PGのばらつきを抑えること
が可能となることを意味する。すなわち、プリンタ10
0の組み立て時の製造ばらつきは、プリンタ100の基
体となる排紙フレーム13の鉛直方向変位量(ΔH)と
して現れるが、これに対するPGの変位量ΔPGはΔH
と比較して充分小さい。従って、これによりプリンタ1
00の製造ばらつき、特に、排紙フレーム13の取付位
置のばらつきに起因するPGのばらつきを抑えることが
可能となり、もって安定した品質を得ることができる。
【0058】同時に、T字形部材42はキャリッジ25
本体の前方に設けられているので、このことはすなわ
ち、T字形部材42は、ガイド軸8からキャリッジ20
の重心位置よりも遠方に設けられることを意味する。従
って、いわゆる梃子の原理における“支点”としてのガ
イド軸8と、“作用点”としてのT字形部材42との距
離が大きくなることから、キャリッジ20を安定して支
えることができるため、キャリッジ20の往復動作中の
揺れ,振動等が低減され、安定したキャリッジ20の往
復動作を行うことができ、ひいては良好な印字品質を得
ることができる。
【0059】ところで、PG調整は、前述した図9にお
ける長溝46の底部とT字形部材42との間にシート部
材(図示せず)を介在させることによって、より簡易に
行うことが可能である。シート部材は長溝46内に収ま
り良く定着させる為に、長溝46の溝幅よりもやや小な
る寸法に形成されることが望ましい。また、シート部材
を長溝46底部へ定着させる手段として、接着剤等によ
る固着手段ではなく、長溝46内部に注入する潤滑材の
表面張力を利用することで、より安価にシート部材を定
着させることが可能となる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
キャリッジにおける、記録装置の基体となるフレーム部
材との摺動部が、前記フレーム部材から鉛直上向きの力
を受けることによって、キャリッジがガイド軸を回動中
心とした回動を止める位置に配置されるので、鉛直方向
のギャップである被記録材と記録ヘッド部とのPGを、
前記フレーム部材の鉛直方向の位置を変位させることに
より、すなわち、PGの方向と同一方向に対する微調整
によって、直接的に調整することが可能となるので、P
Gの調整が簡易となり、従ってPG調整機構が不要とな
り、もってキャリッジのコストダウンを計ることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインク・ジェット・プリンタの概
略斜視図である
【図2】本発明に係るキャリッジおよびキャリッジ周囲
の構成要素を概略図示した平面図である
【図3】本発明に係るキャリッジ本体の平面図である
【図4】本発明に係るキャリッジ本体底面の平面図であ
る。
【図5】本発明に係るキャリッジの要部断面図である
【図6】(A)は揺動部の構造を示す正面図、(B)は
揺動部の揺動の様子を示す概念図である
【図7】(A)は揺動部の他の実施の形態を示す正面図
であり、(B)は(A)におけるx−x断面図である。
【図8】(A)は揺動部の他の実施の形態を示す正面図
であり、(B)は揺動部の揺動の様子を示す概念図であ
【図9】他の実施の形態に係るキャリッジの要部断面図
である
【図10】他の実施の形態に係るキャリッジの要部断面
図である
【図11】他の実施の形態に係るキャリッジの斜視図で
ある。
【図12】他の実施の形態に係るキャリッジの要部位置
関係を示す簡略模式図である。
【図13】本発明に係るキャリッジの要部位置関係を示
す概略模式図である
【図14】従来技術に係るキャリッジの要部断面図であ
る。
【符号の説明】
8 ガイド軸 13 排紙フレーム 20 キャリッジ 25 キャリッジ本体 22 記録ヘッド 42 T字形部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 周大 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 津山 和彦 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 下村 正樹 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 麻和 博 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 橋内 浩二 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C064 DD02 DD12 DD15 2C480 CA16 DB02 DB03 DB17

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録材の搬送方向と直交して配置され
    るべきガイド軸を軸支する軸受部と、 前記ガイド軸と平行に配置される、記録装置の基体とな
    るフレーム部材と摺動する摺動部と、 被記録材に記録を行う、キャリッジ下部に配置されるべ
    き記録ヘッドと、を有する、前記ガイド軸に案内されて
    主走査方向に往復動作し、且つ前記ガイド軸および前記
    フレーム部材によって前記記録ヘッドと被記録材とのギ
    ャップが決定されるキャリッジであって、 前記軸受部は、前記ガイド軸を軸支することにより前記
    ガイド軸を回動中心として回動するキャリッジの非重心
    位置に配置され、 前記摺動部は、前記フレーム部材から鉛直上向きの力を
    受けることによって、キャリッジの前記回動を止める位
    置に配置される、ことを特徴とするキャリッジ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記摺動部は、前記
    ガイド軸の回動中心から、当該キャリッジの重心位置よ
    りも遠方に設けられる、ことを特徴とするキャリッジ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記軸受部
    と前記記録ヘッド部との水平距離L1と、前記記録ヘッ
    ド部と前記摺動部との水平距離Lとの間には、L1
    なる関係が成り立つ、ことを特徴とするキャリッ
    ジ。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項におい
    て、前記摺動部は、前記フレームとの摺動に際し、前記
    フレームの歪みに対応して揺動することができる揺動部
    によって形成される、ことを特徴とするキャリッジ。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記揺動部は、 キャリッジ底部にキャリッジ本体と一体成形により形成
    された回動軸と、 該回動軸を軸承する軸受け部が形成された摺動部材と、
    によって構成されることを特徴とするキャリッジ。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項におい
    て、キャリッジの主走査方向への往復動に際し、前記ガ
    イド軸と直交する方向に横圧を作用させる横圧付与手段
    によって、横圧を受けながら往復動する、ことを特徴と
    するキャリッジ。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記フレーム部材が
    傾斜面を有し、前記横圧付与手段が、前記傾斜面と、該
    傾斜面と摺動する前記摺動部とによって構成される、こ
    とを特徴とするキャリッジ。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれか1項におい
    て、前記フレーム部材には前記ガイド軸と平行な長溝が
    形成され、前記摺動部は、キャリッジの主走査方向への
    往復動に際して前記長溝内を摺動する、ことを特徴とす
    るキャリッジ。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記長溝の溝幅が、
    前記長溝内部へ手指が挿入不可能な寸法に形成されるこ
    とを特徴とするキャリッジ。
  10. 【請求項10】 請求項8または9において、前記記録
    ヘッド部の高さ位置を、前記長溝底部と、前記摺動部と
    の間に、シート部材を介在させることにより行うことを
    特徴とするキャリッジ。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記シート部材
    を、前記長溝に注入される潤滑材の表面張力を利用して
    前記長溝底部に定着させたことを特徴とするキャリッ
    ジ。
  12. 【請求項12】 請求項1から11のいずれか1項にお
    いて、前記軸受部は、前記キャリッジと一体成形により
    形成される、ことを特徴とするキャリッジ。
  13. 【請求項13】 被記録材の搬送方向と直交して配置さ
    れるべきガイド軸を軸支する軸受部と、 前記ガイド軸と平行に配置される軸体と摺動する摺動部
    と、 被記録材に記録を行う、キャリッジ下部に配置されるべ
    き記録ヘッドと、を有する、前記ガイド軸に案内されて
    主走査方向に往復動作し、且つ前記ガイド軸および前記
    軸体によって前記記録ヘッドと被記録材とのギャップが
    決定されるキャリッジであって、 前記軸受部は、前記ガイド軸を軸支することにより前記
    ガイド軸を回動中心として回動するキャリッジの非重心
    位置に配置され、 前記摺動部は、前記軸体から鉛直上向きの力を受けるこ
    とによって、キャリッジの前記回動を止める位置に配置
    される、ことを特徴とするキャリッジ。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記軸体が、前
    記ガイド軸よりも上方に配置されていることを特徴とす
    るキャリッジ。
  15. 【請求項15】 請求項13または14において、前記
    軸体及び前記摺動部が導電性材料からなり、 インクを吐出する記録ヘッド部を駆動制御する為の電子
    回路が、導電性材料からなる前記摺動部と接続し、これ
    によって前記軸体を介して接地されている、ことを特徴
    とするキャリッジ。
  16. 【請求項16】 請求項13から15のいずれか1項に
    おいて、前記摺動部が含油焼結金属からなることを特徴
    とするキャリッジ。
  17. 【請求項17】 請求項1から16のいずれか1項に記
    載のキャリッジを備えていることを特徴とする記録装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011516315A (ja) * 2008-04-10 2011-05-26 イーストマン コダック カンパニー キャリッジ支持部材
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