JP2010201636A - 液滴吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガイド部材に載置されて往復動されるキャリッジに搭載された吐出ヘッドユニットの印字ギャップを、用紙の厚みに応じて調節できるものにおいて、不用意に印字ギャップが切り替わるのを防止する。
【解決手段】キャリッジは、ガイド部材22、23に摺接して吐出ヘッドユニットに設けられたギャップ調整部材43a(43b)の回動式のカム部54の外周一側に作動アーム部55a(55b)を突設させ、キャリッジの往復動方向の両端部に設けられた当接部61a,61b(62a,62b)に作動アーム部55a(55b)が衝突してカム部54の高さが切り替わり、吐出ヘッドユニットの印字ギャップを調節する。カム部54の外周に、その回動中心を挟んで作動アーム部55a(55b)と180度反対側に突出するカウンタアーム部56a(56b)を設け、その回動慣性力により、意図しない印字ギャップに切り替わるのを確実に防止する。
【選択図】図10

Description

本発明は、吐出対象物に対して液滴を吐出する液滴吐出装置に関し、より詳しくは、液滴吐出装置の吐出ヘッドユニットのノズル面から被記録媒体までのギャップを調整可能に構成されたものにおいて、吐出ヘッドユニットの移動に伴うギャップ調整部材の慣性力による不要な移動を抑制(軽減)する構成に関するものである。
従来、記録ヘッドユニット(吐出ヘッドユニット)のノズルからインク滴を選択的に吐出して被記録媒体に着弾させることにより、被記録媒体に画像記録を行う所謂インクジェット方式の画像記録装置が知られている。記録ヘッドユニットは、ガイドフレームやガイドシャフトにより支持されたキャリッジに搭載されて、被記録媒体の被記録面に沿った方向で且つ被記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復動される。この往復動の間に、記録ヘッドからインク滴が被記録媒体に選択的に吐出される。記録ヘッドが、ガイドフレーム等に支持されたキャリッジに搭載され、且つ、被記録媒体がプラテン上に支持されることにより、記録ヘッドが往復動される領域内で、記録ヘッドと被記録媒体との間の距離(ギャップ)が一定に保持されている。
記録ヘッドと被記録媒体との間の距離は、記録画像の鮮明さに影響する。被記録媒体として、例えば用紙が用いられる場合には、記録ヘッドのインク吐出面から用紙の画像記録面までの距離は、用紙の厚みにより異なる。例えば紙製の被記録媒体には、普通紙や写真印刷用光沢紙、はがき、封筒などがあり、それぞれ厚みが異なる。この厚みによりギャップが変化すると記録画像の品質が変化し、所望の品質の画像を被記録媒体に記録できないという問題が生じる。また、最近では、記録画像の高画質化のために、記録ヘッドから吐出されるインク滴が小滴化されるに伴い、記録ヘッドと被記録媒体とのギャップが狭く設定されており、厚みのある被記録媒体が記録ヘッドに擦れる虞が高まっている。これに対し、被記録媒体の厚みに応じて記録ヘッドを被記録媒体の厚み方向(ひいてはインクの吐出方向)に相対的に移動させて、いわゆるヘッドギャップ調整する構成が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1及び2では、被記録媒体の搬送方向(副走査方向)の上流側と下流側とに配置され、副走査方向と直交する主走査方向に長手の一対のガイドフレームに摺動可能に載置されたキャリッジに下向きにインクを吐出する記録ヘッドが搭載されており、キャリッジは主走査方向に沿って往復動する。一対のガイドフレームの間の下方には扁平状のプラテンが配置され、そのプラテンの上面に支持されながら被記録媒体が副走査方向に移動する。キャリッジには、一対のガイドフレームにそれぞれ摺接してキャリッジを所定高さに支持する摺動部材と、摺動部材を上方(インク吐出方向と逆方向)へ弾力付勢するコイルバネのような付勢部材と、キャリッジと摺動部材との間に介在され、キャリッジと摺動部材との間の上下方向の寸法(高さ)を変更させる調節部が形成されたギャップ調整部材とを備えている。このギャップ調整部材は主走査方向に沿って移動可能に配置されている。そして、ガイドフレームにおける主走査方向の両端部に突出されたストッパにギャップ調整部材の主走査方向の一端部(他端部)が衝突すると、その反対方向にギャップ調整部材移動し、上記高さの異なる調節部がキャリッジと摺動部材との間に位置して、ヘッドギャップ調節できる構成である。
特開2007−144766号公報 特開2009−006650号公報
ところで、キャリッジが主走査方向に沿って往復動する際には、停止位置から加速しながら所定の移動速度まで上昇した後その一定の移動速度で移動し、次いで減速してから停止するので、加減速に際してギャップ調整部材に慣性力が作用する。つまり、停止状態のギャップ調整部材が加速するときには、ギャップ調整部材には停止方向への慣性力が働き、逆に、減速時には、ギャップ調整部材には停止位置方向に進もうとする慣性力が働く。その結果、上記特許文献1及び2の構成では、加減速時の加速度が大きいときには、ギャップ調整部材は意図しない方向に勝手に移動してしまい、意図しない印字ギャップに切り替わってしまう虞があった。
上記の対策として、加速度を小さくすると、キャリッジの主走査方向の移動範囲が増加するので、画像記録装置の寸法が大きくなる(大型化する)という問題があった。
他方、ギャップ調整部材を挟むための付勢部材のバネ荷重を増大させたり、ロック機構を付加する対策を採用すると、必要な切換え時に、付勢部材の付勢力やロック解除に抗してギャップ調整部材を移動させるために、キャリッジ移動用のモータを大型化したり、キャリッジ自体やギャップ調整部材の剛性を高める必要があり、これも画像記録装置のコスト上昇や大型化を招来するという問題があった。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、回動式のギャップ調整部材、または主走査方向に移動するギャップ調整部材に、その加減速時の加速度による慣性力を打ち消すためのカウンタ部材を付加して、意図しない印字ギャップの切換え動作が勝手に行なわれないようすることができるインクジェット記録装置などの液滴吐出装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る液滴吐出装置は、搬送される被記録媒体に向かってノズルから液滴を吐出可能な吐出ヘッドユニットと、該吐出ヘッドユニットを前記被記録媒体の搬送方向と交叉する方向に摺動自在に支持するガイドフレームとを具備し、前記吐出ヘッドユニットは、前記ガイドフレームに摺接して、前記吐出ヘッドユニットを所定高さに支持する摺動部材と、前記吐出ヘッドユニットに設けられて前記摺動部材を液滴吐出方向に沿って移動可能にのみ支持する支持部材と、前記摺動部材を液滴吐出方向と反対方向へ弾性付勢する付勢部材と、前記摺動部材と前記支持部材との間に介在され、且つ前記摺動部材に対して液滴吐出方向に沿う軸線周りに回動可能なギャップ調節部材とを有し、前記ギャップ調節部材には、前記吐出ヘッドユニットが前記被記録媒体の搬送方向と交叉する方向に移動した位置に応じて、前記ギャップ調節部材の回動角を変更させて前記摺動部材と前記支持部材との間隔を変位させる作動アーム部が備えられ、前記ギャップ調節部材には、その回動慣性力を打ち消す(抑制する、軽減する)ためのカウンタ部材が備えられていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液滴吐出装置において、前記作動アーム部は、前記吐出ヘッドユニットが前記被記録媒体の搬送方向と交叉する方向に沿って所定量だけ移動した位置に設けられた当接部に当接するように突出させて設けられ、前記カウンタ部材は、前記作動アーム部に対して前記軸線を挟んだ位置で前記作動アーム部と逆方向に突出するカウンタアーム部を有するものである。
請求項3に記載の発明の液滴吐出装置は、搬送される被記録媒体に向かってノズルから液滴を吐出可能な吐出ヘッドユニットと、該吐出ヘッドユニットを前記被記録媒体の搬送方向と交叉する方向に移動自在に支持するガイド部材とを具備し、前記吐出ヘッドユニットにおけるギャップ調整機構は、前記ガイド部材に摺接して、前記吐出ヘッドユニットを所定高さに支持する摺動部材と、前記吐出ヘッドユニットに設けられて前記摺動部材を液滴吐出方向に沿って移動可能にのみ支持する支持部材と、前記摺動部材を液滴吐出方向と反対方向へ弾性付勢する付勢部材と、前記摺動部材と前記支持部材との間に吐出ヘッドユニットの往復動方向に沿ってスライド移動可能に介在され、且つスライド方向両端が前記吐出ヘッドユニットからそれぞれ突出され、そのスライド位置の所定位置に設けられた当接部によりにより前記摺動部材と前記支持部材との間隔を変位させるギャップ調整部材とを備え、前記ギャップ調整機構には、前記吐出ヘッドユニットの前記往復動に伴う前記ギャップ調整部材の慣性力を打ち消す(軽減する)ためのカウンタ部材を備えていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の液滴吐出装置において、前記カウンタ部材は、前記往復動方向に沿って移動可能に構成され、該カウンタ部材と前記ギャップ調整部材とを連結し、これら両部材を互いに逆方向に移動させるためのリンク部材が備えられているものである。
本発明に係る液滴吐出装置によれば、前記ギャップ調節部材には、その回動慣性力を打ち消す(抑制する、軽減する)ためのカウンタ部材が備えられているので、前記吐出ヘッドユニット所定の方向に沿って往復移動するときの、加減速時の加速度により、前記ギャップ調節部材が回転慣性力が作用しても、カウンタ部材により前記回転慣性力を打ち消す(抑制する、軽減する)ことができるから、意図しない印字ギャップの切換え動作が行なわれないようすることができるという効果を奏するものである。
請求項2に記載の発明によれば、構成が極めて簡単となり、装置全体の大型化が回避できると共に製造コストの低減にも寄与できるという効果を奏するものである。
請求項3に記載の発明によれば、前記ギャップ調整機構には、前記吐出ヘッドユニットの前記往復動に伴う前記ギャップ調整部材の慣性力を打ち消す(軽減する)ためのカウンタ部材を備えているので、キャリッジの移動方向に沿って往復移動する時にギャップ調整部材に作用する加減速時の加速度による慣性力を、付加されたカウンタ部材により打ち消すまたは抑制乃至は軽減するための、意図しない印字ギャップの切換え動作が行なわれないようすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の液滴吐出装置において、更に構造が簡単となり、装置全体の大型化が回避できると共に製造コストの低減にも寄与できるという効果を奏するものである。
本発明の実施例に係る画像記録装置1の外観構成を示す斜視図である。 記録部の主要構成を示す概略平面図である。 画像記録装置1の内部構成を示す概略縦断面図である。 キャリッジ5、第1、第2ガイドレール22、23を示す拡大側面図である。 記録部7の一部切欠き斜視図である。 ギャップ調整機構40の内部構成を示す拡大断面図である。 摺動部材41、ギャップ調整部材43、留め部材53を示す斜視図である。 (A)は支持リブ部50がカム部54の高い当接部54aに載った状態の平面説明図、(B)は支持リブ部50がカム部54の低い当接部54bに載った状態の平面説明図である。 (A)は印字ギャップが大きい状態のギャップ調整機構40の断面図、(B)は印字ギャップが小さい状態を示す断面図である。 (A)は左端での切換え寸前の状態を示し、(B)は右端での切換え寸前の状態を示す説明図である。 (A)はギャップ調整部材43bの作動アーム部55b及びカウンタアーム部56bを示す側面図、(B)はギャップ調整部材43aの作動アーム部55a及びカウンタアーム部56aを示す側面図である。 第2実施例のギャップ調整部材63及びカウンタアーム部70を示す概略平面図である。 (A)、(B)、(C)は、第2実施例のカウンタアーム部70の移動状態を示す説明図である。 (A)は印字ギャップを大きくした状態のギャップ調整機構の断面図、(B)は印字ギャップを小さくした状態のギャップ調整機構の断面図である。 第2実施例のギャップ調整機構の拡大断面図である。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、本実施例は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施例を適宜変更できることは言うまでもない。
図1は液滴吐出装置である画像記録装置1の斜視図、図2は概略平面図である。この画像記録装置1は、プリンタ機能、ファクシミリ機能、コピー機能、スキャナ機能等の複数の機能を備えた多機能装置(MFD:Multi Function Device )のプリンタ機能(画像記録部)に適用しているが、単独のプリンタ装置に適用しても良い。
また、本発明に係る画像記録装置1を多機能装置として実施する場合には、本実施例に示すような小型のものであっても、自動原稿搬送装置(ADF:Auto Document Feeder)を備えたものであってもよい。また、画像記録装置1は、主に不図示のコンピュータ(外部情報機器)と主に接続されて、該コンピュータから送信された画像データや文書データを含む印刷データに基づいて、被記録媒体としての用紙に画像や文書を記録するものである。なお、画像記録装置1には、デジタルカメラ等の外部機器が接続されて、デジタルカメラ等から出力される画像データを用紙に記録したり、メモリカード等の各種記憶媒体を装填して、該記憶媒体に記録された画像データ等を用紙に記録したりすることも可能である。
[基本形態]
本実施形態の画像記録装置1は、図1に示すように、画像記録装置1における合成樹脂製の記録装置本体としての合成樹脂製の射出成形品からなるハウジング2の底部には、その前側の開口部2aから図1におけるX軸方向に挿抜可能な第1給紙カセット3が配置されている。この第1給紙カセット3の上面には、第2給紙カセット30が配置され、第1給紙カセット3に対して進退動可能に構成されている。
ハウジング2の上部には、コピー機能やファクシミリ機能における原稿読取などのための画像読取装置12が配置されている。この画像読取装置12は図示しない枢軸部を介してハウジング2の一側端に対して上下開閉回動可能に構成され、さらに、画像読取装置12の上面を覆う原稿カバー体13の後端は画像読取装置12の後端に対して上下回動可能に装着されている。
ハウジング2の上側には、画像読取装置12の前方に各種操作ボタンや液晶表示部等を備えた操作パネル部14が設けられている。そして、画像読取装置12の上面には、原稿カバー体13を上側に開けて原稿を載置することができる載置用ガラス板(図示せず)が設けられ、その下側に原稿読取り用の密着型イメージセンサ(CIS:Contact Image Sensor) が主走査方向(図1におけるY軸方向であり、第2の方向)に延びるガイドシャフトに沿って往復移動可能に設けられている。
図1及び図2において、ハウジング2の前面右側には、インク貯蔵部11aにインクカートリッジ11を出し入れするための扉2bが設けられている。
インク貯蔵部11aは、フルカラー記録のための4色のインクを各々収容したほぼ矩形箱状のインクカートリッジ11(個別の色、即ち、ブラック(BK)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)用インクのカートリッジ)を、Y軸方向に沿って一列状に収容可能である。また、扉2bを開いた状態で、インク貯蔵部11aには、ハウジング2の前方からX軸方向に沿って各インクカートリッジ11が着脱可能となるように構成されている。
各インクカートリッジ11からインクジェット式の記録ヘッドユニット4に複数本(実施形態では4本)のインク供給管15(インクチューブ)を介してインクを供給するように構成されている。なお、4色よりも多数のインク色を使用する場合(6色〜8色等)には、そのインク色の数に応じたインクカートリッジをインク貯蔵部に収容可能に構成すれば良いし、インク供給管もインクカートリッジの数に合わせて増やせばよい。
[記録部]
記録部7は、図2及び図3に示すように、上面が開放された箱型のメインフレーム(図示せず)とその左右一対の側板にて支持され、Y軸方向(主走査方向、請求項にいう第2方向)に延びる長尺板状の第1及び第2ガイド部材22、23との間に形成される。記録部7における記録ヘッドユニット4が下面側に搭載されたキャリッジ5は、用紙搬送方向(X軸方向であり、副走査方向(主走査方向と直交する方向)、請求項にいう第1方向)の上流側の第1ガイド部材22及び下流側の第2ガイド部材23に跨がって摺動自在に支持(搭載)されて往復移動可能となっている。
キャリッジ5を往復移動させるために、用紙搬送方向の下流側に配置された第2ガイド部材23の上面には、主走査方向に延びるように配置されたタイミングベルト25がプーリに巻回されており、そのタイミングベルト25を駆動するCR(キャリッジ)モータ24は第2ガイド部材23の下面に固定されている。
キャリッジ5における吐出ヘッドユニット4の下面と対峙するようにY軸方向に延びる扁平状のプラテン26は、前記両ガイド部材22、23の間であって、メインフレームの底板の上方に固定されている。吐出ヘッドユニット4には、プラテン26上の被記録媒体としての用紙Pに向けノズル(図示せず)を下向きに露出させている。なお、説明では、吐出ヘッドユニット4のノズルが開口された側(ノズル開口面7a、図4参照)を下側とし、その反対側を上側とする。
また、プラテン26を挟んで搬送上流側には、用紙Pを吐出ヘッドユニット4の下面に送るためのレジストローラ(搬送ローラ)対27が配置されており、プラテン26の下流側には記録済みの用紙Pを、第2給紙カセット30の上面に設けられた排紙受け部31上に搬送するための排紙ローラ対28が配置されている(図3参照)。そして、吐出ヘッドユニット4は公知のように主走査方向(Y軸方向)に移動しながら、ノズルから用紙Pにインクを吐出し、その主走査の終了ごとに用紙Pが副走査方向(X軸方向)に所定量ずつ搬送される。従って、図2に示す用紙Pは画像記録領域Gとの左右位置関係を示しているだけであり、後述するように、用紙Pの後端はハウジング2の後端から外に出ていない。
図2に示すように、画像記録装置1の本体フレーム内で、用紙PのY軸方向の幅(記録領域)よりも外側における一方の側(図2の左側)には、インク受け部16が設けられ、他方の側(図2の右側)にはキャリッジ5のホームポジションに対応して回復手段としてのメンテナンスユニット17が設けられている。吐出ヘッドユニット4は、廃棄インク受け部16と対向する位置にて、記録前または記録動作の間に定期的にノズルの目詰まり防止のためのインク吐出(フラッシング)を行う。
メンテナンスユニット17には、吐出ヘッドユニット4が記録指令を待機しているときや、装置の電源が切られているときなどに、ノズル開口面7aを覆うためのキャップ体19が備えられている。キャップ体19には吸引ポンプ(図示せず)が接続されていて、キャップ体19がノズル開口面7aを覆った状態で、ノズル7から増粘したインク等の不良インクを排出する回復動作(パージ動作)を行うことができる。また、ブレード状の払拭部材(図示せず)がキャップ体19に並設されている。ノズル開口面7aと当接可能な位置に上昇した払拭部材が、吐出ヘッドユニット4の主走査方向への移動により相対的にノズル開口面7aを払拭し、ノズル開口面7aに付着しているインクや紙粉等を除去する(ワイピング動作)ことができる。
キャップ体19には、これをノズル7から吐出されるインク(液滴)の吐出方向(Z軸方向)に沿ってノズル開口面7aに対して接離動させるための昇降手段(図示せず)が接続されている。キャップ体19がノズル開口面7aに当接したときには、キャップ体19をノズル開口面7a側に付勢する押圧力が作用するようにしている。
[給紙装置]
次に、給紙装置の構成について説明する。実施例では、多数枚の用紙Pを堆積収容可能な第1収容部3bを備え、この第1収容部3b内の用紙Pを1枚ずつ、給送手段6により記録部7に給送するための第1給紙カセット3と、この第1給紙カセット3の第1収容部3b上にて、第1給紙カセット3及び給送手段6に対して進退動可能に配置され、第1給紙カセット3における用紙Pと異なるサイズ(小さいサイズであり、葉書または写真のL版等)の複数枚(少なくとも1枚以上)の用紙を第2収容部30bに堆積収容可能な第2給紙カセット30とが備えられている(図3参照)。第2給紙カセット30には、第2収容部30bの後方(給送方向上流側部位)に、トレイ状の排紙受け部31が一体的に形成されている。第2給紙カセット30を第1給紙カセット3に対して給送方向と反対側に後退させたとき、その第2給紙カセット30の用紙の給送方向の上流側端部が第1給紙カセット3の用紙の給送方向の上流側端部とほぼ同じ後位置になるように形成されている(図1参照)。
第1給紙カセット3は、例えばA4サイズ、レターサイズ、リーガルサイズ等の大きいサイズにカットされた用紙Pをその短辺がY軸方向(主走査方向)に延びるようにして多数枚積載(堆積)させて収容できる形態とする。第1給紙カセット3の第1収容部3bへの用紙Pの最大堆積量は、実施例では普通紙で100枚程度、堆積高さはほぼ10mm程度とする。
実施例では、給送手段6における合成樹脂製のアーム体6cは駆動軸29を中心にして上下回動可能であり、アーム体6cは傾斜分離板8に近づくように延び、アーム体6c先端部に給紙ローラ6aが配置され、駆動軸29から図示しない歯車伝動機構を介して給紙ローラ6aを回転駆動する。
また、第1給紙カセット3の先端(給送方向の下流側、図3参照)には、用紙分離用の傾斜分離板8が配置されている。給送手段6における給紙ローラ6aと、傾斜分離板8の幅方向(Y軸方向)の中央部の内面(表面)側に設けられた分離手段としての弾性分離パッド(実施例では金属板バネ製である、図示せず)とにより、第1給紙カセット3または第2給紙カセット30に堆積された被記録媒体である用紙Pを一枚ずつ分離搬送する。分離された用紙Pは上横向きのUターンパス(給紙搬送路)用の搬送路体9を介して第1給紙カセット3より上側(高い位置)に設けられた記録部7に給送される。そして、記録部7にて記録された用紙Pがその記録面を上向きにして開口部2aに向かって排出される。[キャリッジ及びギャップ調整機構40]
次に、キャリッジ5及びその周辺の部材の構成について、さらに詳述する。第2ガイド部材23における用紙搬送方向の上流側の端部には、上方に向かって略直角に折り曲げられた縁部23aが形成されている(図3参照)。一方、キャリッジ5における吐出ヘッドユニット4の下面側には、そのX軸方向の中央付近に、下向きに開口した下向き凹部4bがY軸方向に長く形成されていて、この下向き凹部4bの内側に対向配置された摺動部(図示せず)の間に縁部23aが挟持されている。
第1ガイド部材22と第2ガイド部材23は、高さ違いに配置されているが、これらの上面にキャリッジ5が摺動自在に載置されていて、第2ガイド部材23の縁部23aと吐出ヘッドユニット4の下向き凹部4bとの嵌合によって、キャリッジ5のX軸方向の位置が規定されている。第1ガイド部材22及び第2ガイド部材23と、キャリッジ5との間には、後述するギャップ調整機構40が設けられている。ギャップ調整機構40とは、吐出ヘッド4aのノズル開口面7aとプラテン26とのZ軸方向(ノズルから吐出されるインク(液滴)の吐出方向)の間隔、ひいてはプラテン26を通過する用紙Pの表面とノズル開口面7aとの間隔(以下印字ギャップと称する)を大小調節可能にするための機構である。
吐出ヘッドユニット4の下面には、ガイド部材22、23に対するキャリッジ5の上下位置を変更するためのギャップ調整機構40が設けられている。ギャップ調整機構40には、第1及び第2ガイド部材22、23の水平な上面にそれぞれ摺接して吐出ヘッドユニット4を所定高さに支持する摺動部材41と、摺動部材41を上方へ弾力付勢する付勢手段の1例としてのコイルバネ42と、吐出ヘッドユニット4と摺動部材41との間に介挿されたギャップ調整部材43(第2実施例では、ギャップ調整部材63)とを備えている。
ギャップ調整機構40は、吐出ヘッドユニット4平面視及び下面視において、略三角形(ここでは二等辺三角形)を構成するように、全部で3箇所配置されている(図5参照)。1つのギャップ調整機構40は、吐出ヘッドユニット4における吐出ヘッド4aよりも用紙搬送方向の上流側部位に配置されている。1つのギャップ調整部材43が組み合わされている1つの摺動部材41の下面は第1ガイド部材22における水平な摺動面52に沿って摺接する。2つのギャップ調整機構40は、吐出ヘッドユニット4の用紙搬送方向の下流側部位にてY軸方向に延びる同一線上にて離間して配置されている。
各摺動部材41は、同様の構成なので、次に用紙搬送方向の上流側部位に設けられている摺動部材41を例に構成を説明する。図5〜図9に示すように、摺動部材41は、第1ガイド部材22における水平な摺動面52(図4参照)に摺接する摺接板45と、摺接板45から延出された二股状の足部46とを有する。
摺接板45の上面は、後述するギャップ調整部材43の底面に均等に当接することにより、摺接板45の底面が摺動面52と平行に位置決めされる。
二股状の足部46は、摺接板45の上面の略中央から該上面と略直交する方向で、且つY軸方向にて所定の隙間の案内溝48を隔てて並ぶようにして延出されている。
図5、図6及び図9に示すように、吐出ヘッドユニット4には、摺動部材41を上下動可能に支持するための支持部材としてのコイル装着部49が、上向き開放のカップ状にて一体的に形成されている。コイル装着部49の底板49aと摺動部材41を脱落不能に係止している留め部材53におけるフランジ部53b(後述する)との間には、コイルバネ42が内装されている。コイルバネ42の上端が足部46の外側にて留め部材53を上向きに押圧するように構成されている。
吐出ヘッドユニット4におけるコイル装着部49の底板49aに貫通孔49bが穿設されている。この貫通孔49bの間を通るように底板49aに一体的に形成されている支持リブ部50は、二股状の足部46の間の上向き開放の案内溝48に上下動可能に嵌まり、これにより、摺動部材41がコイル装着部49が支持リブ部50に沿って上下移動可能に支持される。支持リブ部50の下面は底板49aの下面よりも若干下向きに突出した位置にある。
足部46の延出端の両側には、それぞれY軸方向にて互いに逆向に突出する爪状の係止部51が形成されている。係止部51は、図6及び図7に示すように、摺接板45を留め部材53に脱落不能に係止させるためのものである。合成樹脂製の留め部材53は、下筒部53aとそれの上側に一体的に形成された一対のフランジ部53bとが備えられている。
下筒部53aの内径部と一対のフランジ部53bの内径部側には、足部46を挿入するための貫通孔が上下方向に連通するように穿設されている。一対の足部46を下筒部53の下側から貫通孔を通して上向きに挿通させた後、一対のフランジ部53bの内径部側に凹み形成された一対の係止溝53cに係止部51を係止させて摺接板45が脱落不能に構成されている。
[ギャップ調整部材の第1実施例]
第1実施例のギャップ調整部材43は平面視で、略円筒状のカム部54とこのカム部54の外周に半径外向きに突出する作動アーム部55と、この作動アーム部55と180度逆方向に突出するカウンタアーム部56とを備えたものである(図6〜図8(A)及び図8(B)参照)。作動アーム部55とカウンタアーム部56との組合せにより、後述するように慣性力軽減部材としての機能を有している。
カム部54は、その上面側(または下面側)に内径孔57を挟んで、一対の高い当接部54aと、一対の低い当接部54bとが互いに隣接して配置され、且つ低い当接部54bにおけるカム部54の半径方向に延びる一側縁から高い当接部54aにおけるカム部54の半径方向に延びる一側縁に向かって上り坂となる斜面54cが形成されている。高い当接部54a、低い当接部54b及び斜面54cは、ギャップ調整部材43の平面視において、それぞれ扇状の領域を有する。実施例では、図8(A)及び図8(B)に示すように、高い当接部54a及び低い当接部54bは中心角度が73度程度と大きい領域であり、斜面54cは中心角度が34度程度と小さい領域である。また、作動アーム部55とカウンタアーム部56の基部が有する付近に斜面54cの領域が形成されている。
ギャップ調整部材43は各コイル装着部49の底板49aの下面と摺接板45との間に介挿されるものである。ギャップ調整部材43の内径孔57を通して一対の足部46が上向きに突出し、上述ごとく、底板49aに貫通孔49b内に挿入するとき、一対の足部46にて支持リブ部50を挟むようにしている。従って、一対の足部46の間の案内溝48に支持リブ部50がX軸方向に沿って延びるように配置されることになる。
留め部材53とコイル装着部49との間には、コイルバネ42が介設されており、コイルバネ42により、留め部材53には上方向の弾性付勢力が付与される。この弾性付勢力が、留め部材53を介して摺動部材41に作用し、摺動部材41は、支持リブ50がカム部54に摺接する上下動範囲内で最も上側に位置するように弾性付勢される。また、支持リブ50と摺動部材41の摺接板89との間には、ギャップ調整部材43が介設されているので、ギャップ調整部材43における高い当接部54aと低い当接部54bとの高さの差異分だけ、摺動部材41が弾性付勢力に反してZ軸方向に移動可能(昇降可能)となる。
図8(A)に示す状態では、作動アーム部55がX軸に対して右側に位置するように矢印C方向にギャップ調整部材43を回動させたとき(円筒状のカム部54の中心線の回りにギャップ調整部材43を反時計方向に回動させるとき)、一対の高い当接部54aに支持リブ部50が載置されることになる。この状態では、図6、図9(A)に示すように、支持リブ部50の下面から摺接板45の下面(第1ガイド部材22)までの高さ寸法が大きいように、吐出ヘッドユニット4(キャリッジ5)が保持されるから、印字ギャップが大きいことになる。
図8(B)に示す状態では、作動アーム部55がX軸に対して左側に位置するように矢印D方向にギャップ調整部材43を回動させたとき、斜面54cを滑り落ちて一対の低い当接部54bに支持リブ部50が載置されることになる。この状態では、図9(B)に示すように、支持リブ部50の下面から摺接板45の下面(第1ガイド部材22)までの高さ寸法が小さいように、吐出ヘッドユニット4(キャリッジ5)が保持されるから、印字ギャップが小さくなる。
上記のギャップの大小の切換え動作を、キャリッジ5のY軸方向の移動と関連させて説明する。第1及び第2ガイド部材22、23上にて、図8(B)に示すような印字ギャップが小さい状態にギャップ調整部材43が保持されているキャリッジ5を、図5に示すように、第1ガイド部材22の左端側に接近するように移動(スライド)させ、第1ガイド部材22から立設させた左当接部60aに作動アーム部55を当接させる。さらに若干の距離だけキャリッジ5を左方に移動させると、作動アーム部55がX軸に対して右側に位置するように矢印C方向にギャップ調整部材43を回動させる。このようにカム部54の位相を変えることにより、支持リブ部50は低い当接部54bから斜面54cに沿って上り、一対の高い当接部54aに支持リブ部50が載置され、印字ギャップが大きくなるように切換えられる。
上記と逆に、印字ギャップが大きい状態で、キャリッジ5を図5の右方向にスライドさせると、第1ガイド部材22の右端部に立設された左当接部(図示せず)に作動アーム55の右側面が当接して、ギャップ調整部材43を矢印D方向に回動させる。これにより、支持リブ部50は高い当接部54aから斜面54cに沿って下り、一対の低い当接部54bに支持リブ部50が載置され、印字ギャップが小さくなるように、カム部54の位相が切換えられる。
ところで、キャリッジ5が主走査方向(Y軸方向)に沿って往復動する際には、停止位置から加速しながら所定の移動速度まで上昇した後その一定の移動速度で移動し、次いで減速してから停止する。その場合、第1実施例の回動式のギャップ調整部材43における作動アーム部55が円筒状のカム部54の一側にのみ突設されていると、この質量を有する作動アーム部55がカム部54の回動中心に対して偏在していることにより、キャリッジ5がY軸方向に加減速されるに際してギャップ調整部材43に回転慣性力が働く。つまり、停止状態のギャップ調整部材43が直線的に加速するときには、当該ギャップ調整部材43には停止方向へ回動しようとする慣性力が働き、逆に、直線的な減速時には、ギャップ調整部材43には停止位置方向へ回動しようとする慣性力が働く。その結果、加減速時の加速度が大きいときには、ギャップ調整部材43は意図しない方向に回動してしまい、意図しない印字ギャップに切り替わってしまうという問題があった。
そこで、本発明では、円筒状のカム部54の外周に、当該カム部54の回動中心を挟んで作動アーム部55と180度反対側にカウンタアーム部56を設けるのである。このカウンタアーム部56は、上記のギャップ調整部材43が直線的に加減速するときに、当該ギャップ調整部材43が意図しない方向に回動するのを防止するために設けられている。即ち、カウンタアーム部56は、キャリッジ5が直線的に加減速するとき(Y軸方向に沿って往復動するとき)に伴うギャップ調整部材43の回転慣性力を打ち消すためのカウンタ部材となる。そのため、カウンタアーム部56の慣性モーメントはカム部54の回動中心とする作動アーム部55の慣性モーメントと等しい値とする。上記回転慣性力を軽減または抑制するためには、作動アーム部55及びカウンタアーム部56の慣性モーメントの値を近づけることが好ましい。
上記の構成により、キャリッジ5ひいては吐出ヘッドユニット4がY軸方向に沿って往復動するとき、ギャップ調整部材43が意図しない方向に回動してしまい、意図しない印字ギャップに切り替わってしまうことを確実に防止できるという効果を奏する。また、そのための手段として、ギャップ調整部材43のカム部54の外周にその回動中心を挟んで作動アーム部55と180度反対側に突出するカウンタアーム部56を設けるという極めて簡単な構成を採用したので、構成がコンパクトとなり、製造コストも廉価となるという効果を奏する。
図10(A)及び図10(B)は、キャリッジ5が第2ガイド部材23上を摺動するときの吐出ヘッドユニット4にギャップ調整機構40が左右一対配置されている場合の実施例を示す。図10(A)は一対のギャップ調整機構40が第2ガイド部材23の左側に位置するときを示し、図10(B)は、第2ガイド部材23の右側に位置するときを示すものである。左右のギャップ調整部材43a、43bの各カム部54の回動中心がY軸方向に伸びる一直線Ya上に並んでいるとする。その場合、左側のギャップ調整部材43aにおける作動アーム部55aに当接する左当接部61aと右当接部61bとがY軸方向に沿った一直線Yb上に並ぶとする。同様に、右側のギャップ調整部材43bにおける作動アーム部55bに当接する左当接部62aと右当接部62bとがY軸方向に沿った一直線Yc上に並ぶとする。その場合、図11(A)及び図11(B)に示すように、作動アーム部55aの長さL1を作動アーム部55bの長さL2よりも短くし、且つ、一直線Ybの位置を一直線Ycよりも一直線Yaに近い位置になるように設定する。また、その場合、左右当接部61a、61bの高さH1は作動アーム部55aには当接するように設定されており、右側のギャップ調整部材43bにおける作動アーム部55bの高さH2は、上記左右当接部61a、61bと衝突しないような高さに設定されている。左当接部62aと右当接部62bとは作動アーム部55bにのみ当接可能である。
上記の構成により、図10(A)のように、キャリッジ5が第2ガイド部材23の左側に移動したとき、左側のギャップ調整部材43aにおける作動アーム部55aが左当接部62aと干渉せず、且つ、図10(B)のように、キャリッジ5が第2ガイド部材23の右側に移動したとき、右側のギャップ調整部材43bにおける作動アーム部55bが右当接部61bと干渉しないのである。
さらに、左右のギャップ調整部材43a、43bにおける各カム部54の外周に、その回動中心を挟んで作動アーム部55a(55b)と180度反対側に突出するカウンタアーム部56a(56b)を設けることにより、意図しない印字ギャップに切り替わってしまうことを確実に防止できる。
[ギャップ調整部材63の第2実施例]
第2実施例のギャップ調整部材63は、吐出ヘッドユニット4のY軸方向の寸法より長く、且つX軸方向の寸法が短い平面視矩形の平板である。そして、第1ガイド部材22に対しては上述と同じ構成の1つの摺接部材41が1つのギャップ調整部材63に組み込まれ、第2ガイドレール23に対しては、左右一対の摺接部材41が1つのギャップ調整部材63に組み込まれている。従って、摺接部材41、コイル装着部49、コイルバネ52及び留め部材53についてはその構成及び作用の説明を省略する。
二股状の足部46は、摺接板45の上面の略中央から該上面と略直交する方向で、且つギャップ調整部材63の長手方向に並ぶようにして延出されている。二股状の足部46の間の上向き開放の案内溝48は、吐出ヘッドユニット4におけるコイル装着部49の底に位置する貫通孔の間の支持リブ50を挟んでおり(図14(A)、図14(B)及び図15参照、摺動部材41が案内溝48に沿って上下移動可能に支持される。
図12〜図15に示すように、ギャップ調整部材63は、細長棒状の平板であり、摺動部材41と支持リブ50との間に介設される。
ギャップ調整部材63には、その長手方向に隔てて一対のギャップの調整部位64が形成されている。各調整部位64は、その肉厚(図14(A)、図14(B)の上下方向)がギャップ調整部材63のスライド方向に2段階に変化されている。詳細には、最も薄肉の薄肉部65と、最も厚肉の厚肉部66とが、一方向に肉厚が傾斜面を挟んで段階的に変化するように隣接して形成されている。薄肉部65、厚肉部66の各上面は水平面であり、各上面の長手方向(Y軸方向)の長さは、摺動部材41の足部46の長手方向の長さより若干長くなっている。また、薄肉部65、厚肉部66の各上面の境界には、厚み変化を緩やかにするための傾斜面がそれぞれ形成されている。従って、後述するように、支持リブ50の下面が薄肉部65、傾斜面、厚肉部66に摺接する。
各調整部位64には、薄肉部65、厚肉部66にわたって厚み方向に貫通する長案内孔67が、ギャップ調整部材63の短手方向の略中央に形成されている。この長案内孔67に足部46が貫通される。長案内孔67に貫通された足部46の延出端は、図14(A)、図14(B)及び図15に示すように、吐出ヘッドユニット4のコイル装着部49の貫通孔に挿通される。
留め部材53とコイル装着部49との間には、コイルバネ52が介設されており、コイルバネ52により、留め部材53には上方向の弾性付勢力が付与される。この弾性付勢力が、留め部材53を介して摺動部材41に作用し、摺動部材41は、支持リブ50が薄肉部65、傾斜面、厚肉部66に摺接する範囲内で最も上側に位置するように弾性付勢される。支持リブ50と摺動部材41の摺接板89との間には、ギャップ調整部材63が介設されているので、ギャップ調整部材63の調整部位64の肉厚分だけ、摺動部材41が弾性付勢力に反して下側へ移動される。調整部位64には、前述したように長案内孔67が形成されているので、ギャップ調整部材63は、摺動部材41の足部46を肉厚方向に貫通させた状態でY軸方向にスライド移動可能である。ギャップ調整部材63がスライド移動することにより、支持リブ50と摺接板89との間に位置する調整部位64の肉厚が変化され、その肉厚変化により、摺動部材41の上下方向の位置が変化される。
しかして、ギャップ調整部材63のスライド方向の端部が吐出ヘッドユニット4の側面から突出しているが、図14(B)に示すように、ギャップ調整部材63の左端が長く突出しているときには、薄肉部65がコイル装着部49(支持リブ50)の下面に当接しており、キャリッジ5(吐出ヘッドユニット4)が両ガイド部材22、23の上面に対して下降する。従って、ノズル開口面7aから用紙Pまでの印字ギャップが小さくなる。逆に、ギャップ調整部材63の右端が長く突出しているときには、厚肉部66がコイル装着部49(支持リブ50)の下面に当接しているので、キャリッジ5(吐出ヘッドユニット4)が相対的に上昇し、ノズル開口面7aから用紙Pまでの印字ギャップが小さくなる。ギャップ調整部材63のスライド方向両端に選択的に当接させるための部材や当接部位68a(図14(A)では左側のみ示す、他方の当接部位68bは図12に示し、請求項の当接部に相当)は特に限定されず、ガイド部材22、23の所定位置を切り起こす他、装置フレームを当接部位としたり、別途の当接部材を所定位置に配設する等の構成を適宜採用することができる。
なお、図14及び図15の実施例では、ギャップ調整部材63の左右の向きを上記と逆になるように取付れば、ギャップ調整部材63の右端が吐出ヘッドユニット4の右側面から突出している状態では、ギャップが大きくなるように設定され、逆に左端が吐出ヘッドユニット4の左側面から突出している状態では、ギャップが小さくなるように設定できる。摺動部材41がY軸方向に沿って適宜隔てて複数(実施例では2つ)配置されている場合には、これら複数の摺動部材41を1つのギャップ調整部材63に装着すれば良い(図12参照)。
[カウンタ部材の第2実施例]
第2実施例のカウンタ部材70は上記ギャップ調整部材63と同じ慣性力を有するように形成されている(図12、図13(A)、図13(B)参照)。さらに、カウンタ部材70と上記ギャップ調整部材63とを同じ形状、同じ材質にすると、製造コストの低減にも寄与できる。カウンタ部材70はギャップ調整部材63と同じようにY軸方向に沿って往復動可能なように支持部材である吐出ヘッドユニット4に支持されている。
そして、ギャップ調整部材63とカウンタ部材70とは、リンク部材71にて互いに水平面に沿って回動可能に連結され、且つカウンタ部材とギャップ調整部材63とを連結し、これら両部材を互いに逆方向に移動させるためのリンク部材71が備えられている。ギャップ調整部材63とカウンタ部材70とを連結し、これら両部材63、70を互いに逆方向に移動させるためのリンク部材71の長手方向中央部は枢軸72に水平回動可能に支持され、枢軸72は吐出ヘッドユニット4に設けられている。リンク部材71の長手方向両端部は長孔73を介してギャップ調整部材63及びカウンタ部材70とピン74にて回動可能に連結されている(図13(A)〜図13(C)参照)。その場合、例えば、図12に示すように、キャリッジ5が第1、第2ガイド部材22、23の右端部に接近する状態では、ギャップ調整部材63の右端部が吐出ヘッドユニット4の右側面から突出しており、カウンタ部材70が吐出ヘッドユニット4の左側面から突出しているように設定する。
上記の構成により、例えば、キャリッジ5が第1、第2ガイド部材22、23の右方向に移動開始するとき、図13(A)の状態である。キャリッジ5が加速度を有して増速すると、慣性力により、ギャップ調整部材63及びカウンタ部材70は左方向に移動しようとする。その場合に、ギャップ調整部材63とカウンタ部材70とはリンク部材71を介して連結されているので、ギャップ調整部材63及びカウンタ部材70の位置関係は図13(A)の状態を保持する。同様に、キャリッジ5が第1、第2ガイド部材22、23の右に接近するときに、加速度を有して減速すると、ギャップ調整部材63及びカウンタ部材70は右方向に移動しようとする。その場合も、ギャップ調整部材63とカウンタ部材70とはリンク部材71を介して連結されているので、ギャップ調整部材63及びカウンタ部材70の位置関係は図13(A)の状態を保持する。従って、キャリッジ5が加速度を有して加減速しても、ギャップ調整部材63に意図しないヘッドギャップの切換え動作が発生しないのである。
なお、吐出ヘッドユニット4の右側面から突出しているギャップ調整部材63の右端部が、スライド方向右端の当接部位68b(請求項の当接部に相当)に衝突すると(カウンタ部材70は当接部位68bに衝突しない)、枢軸72周りに回動可能なリンク部材71を介してギャップ調整部材63とカウンタ部材70とが連結されているので、図13(A)の状態から、図13(B)の状態を経て図13(C)の状態へと確実に切換えられる。即ち、ギャップ調整部材63の左端部が吐出ヘッドユニット4の左側面から突出しており、カウンタ部材70が吐出ヘッドユニット4の右側面から突出しているように切換えられ、印字ギャップが確実に切換えられるのである。
1 画像記録装置
4 吐出ヘッドユニット
5 キャリッジ
40 ギャップ調整機構
41 摺動部材
42 コイルばね
43、63 ギャップ調整部材
54 カム部
54a 高い当接部
54b 低い当接部
55 作動アーム部
56 カウンタアーム部
64 調整部位
65 薄肉部
66 圧肉部
70 カウンタ部材
71 リンク部材
72 枢軸

Claims (4)

  1. 搬送される被記録媒体に向かってノズルから液滴を吐出可能な吐出ヘッドユニットと、該吐出ヘッドユニットを前記被記録媒体の搬送方向と交叉する方向に摺動自在に支持するガイドフレームとを具備し、
    前記吐出ヘッドユニットは、
    前記ガイドフレームに摺接して、前記吐出ヘッドユニットを所定高さに支持する摺動部材と、
    前記吐出ヘッドユニットに設けられて前記摺動部材を液滴吐出方向に沿って移動可能にのみ支持する支持部材と、
    前記摺動部材を液滴吐出方向と反対方向へ弾性付勢する付勢部材と、
    前記摺動部材と前記支持部材との間に介在され、且つ前記摺動部材に対して液滴吐出方向に沿う軸線周りに回動可能なギャップ調節部材とを有し、
    前記ギャップ調節部材には、前記吐出ヘッドユニットが前記被記録媒体の搬送方向と交叉する方向に移動した位置に応じて、前記ギャップ調節部材の回動角を変更させて前記摺動部材と前記支持部材との間隔を変位させる作動アーム部が備えられ、
    前記ギャップ調節部材には、その回動慣性力を打ち消すためのカウンタ部材が備えられていることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記作動アーム部は、前記吐出ヘッドユニットが前記被記録媒体の搬送方向と交叉する方向に沿って所定量だけ移動した位置に設けられた当接部に当接するように突出させて設けられ、
    前記カウンタ部材は、前記作動アーム部に対して前記軸線を挟んだ位置で前記作動アーム部と逆方向に突出するカウンタアーム部を有することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 搬送される被記録媒体に向かってノズルから液滴を吐出可能な吐出ヘッドユニットと、該吐出ヘッドユニットを前記被記録媒体の搬送方向と交叉する方向に移動自在に支持するガイド部材とを具備し、
    前記吐出ヘッドユニットにおけるギャップ調整機構は、
    前記ガイド部材に摺接して、前記吐出ヘッドユニットを所定高さに支持する摺動部材と、
    前記吐出ヘッドユニットに設けられて前記摺動部材を液滴吐出方向に沿って移動可能にのみ支持する支持部材と、
    前記摺動部材を液滴吐出方向と反対方向へ弾性付勢する付勢部材と、
    前記摺動部材と前記支持部材との間に吐出ヘッドユニットの往復動方向に沿ってスライド移動可能に介在され、且つスライド方向両端が前記吐出ヘッドユニットからそれぞれ突出され、そのスライド位置の所定位置に設けられた当接部により前記摺動部材と前記支持部材との間隔を変位させるギャップ調整部材と、を備え、
    前記ギャップ調整機構には、前記吐出ヘッドユニットの前記往復動に伴う前記ギャップ調整部材の慣性力を打ち消すためのカウンタ部材を備えていることを特徴とする液滴吐出装置。
  4. 前記カウンタ部材は、前記往復動方向に沿って移動可能に構成され、該カウンタ部材と前記ギャップ調整部材とを連結し、これら両部材を互いに逆方向に移動させるためのリンク部材が備えられていることを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出装置。
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JP2013173259A (ja) * 2012-02-24 2013-09-05 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

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