JP2002075659A - エレクトロルミネッセンスディスプレイ - Google Patents

エレクトロルミネッセンスディスプレイ

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JP2002075659A
JP2002075659A JP2000257066A JP2000257066A JP2002075659A JP 2002075659 A JP2002075659 A JP 2002075659A JP 2000257066 A JP2000257066 A JP 2000257066A JP 2000257066 A JP2000257066 A JP 2000257066A JP 2002075659 A JP2002075659 A JP 2002075659A
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JP2000257066A
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Kohei Arakawa
公平 荒川
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 背景の映り込みが防止された、量産性に優れ
たエレクトロルミネッセンスディスプレイを提供する。 【解決手段】 光反射電極(RE)と、発光層(L)
と、透明電極(TE)と、1/4波長板(λ/4)及び
直線偏光膜(P)を有する円偏光板とがこの順に配置さ
れたエレクトロルミネッセンスディスプレイであって、
前記1/4波長板(λ/4)が、固有複屈折値が正であ
る材料と負である材料とを含有してなることを特徴とす
るエレクトロルミネッセンスディスプレイである。好ま
しくは、前記1/4波長板が、前記固有複屈折値が正で
ある材料を含有する第一の層と、前記固有複屈折値が負
である材料を含有する第二の層とを有し、前記第一の層
及び前記第二の層における分子鎖の平均配向方向が等し
い前記エレクトロルミネッセンスディスプレイである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエレクトロルミネッ
センスディスプレイに関し、特に、1/4波長板及び直
線偏光膜からなる円偏光板を発光面側に備えたエレクト
ロルミネッセンスディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】平面ディスプレイとして、背面電極、発
光層、そして透明電極からなるエレクトロルミネッセン
スディスプレイが提案されている。前記エレクトロルミ
ネッセンスディスプレイでは、背面電極として反射性の
高い金属電極を使用している。反射性の高い金属電極を
使用することで、発光層からの発光輝度を向上させるこ
とができるが、その一方で、外部の背景が映り込み、画
像表示特性を低下させるという問題である。これを解決
するため、従来、エレクトロルミネッセンスディスプレ
イでは、屈折率による(低屈折率層を用いる)通常の反
射防止膜ではなく、より強力な反射防止手段を使用する
ことが提案されている。国際特許出願W096/345
14号明細書には、様々な反射防止手段を設けた有機エ
レクトロルミネッセンスディスプレイが開示されてい
る。前記反射防止手段の一つとして、1/4波長板と偏
光板(直線偏光膜)とを積層した円偏光板が提案されて
いる。また、特開平9−127885号公報には、光出
射面に円偏光手段が設けられている発光素子(主に有機
エレクトロルミネッセンスディスプレイ)が開示されて
いる。前記円偏光手段は、具体的には1/4波長板と直
線偏光板とが積層されて構成されている。一方、特開平
11−45058号公報には、波長補正板(1/4波長
板)、平面型直線偏光ビームスプリッタ(反射偏光板)
及び偏光板(直線偏光膜)からなる反射防止手段を備え
た表示装置(主に有機エレクトロルミネッセンスディス
プレイ)が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、円偏光板を反
対防止手段として備えたエレクトロルミネッセンスディ
スプレイでは、円偏光板を構成する1/4波長板の性能
が非常に重要である。従来の1/4波長板は、「1/4
波長板」と称していても、ある特定波長でλ/4を達成
しているものが大部分である。λ/4を達成できる波長
領域が狭いと、充分な反射防止機能を得ることができな
い。広帯域を達成している1/4波長板としては、例え
ば、特開平5−27118号、特開平5−27119
号、特開平10−68816号及び特開平10−905
21号1/4波長板としては、具体的には二枚のポリマ
ーフィルムを積層して広い波長領域で(広帯域)λ/4
を達成している。前記公報に提案された1/4波長板
は、光学異方性の異なるポリマーフィルムを2枚積層し
て形成したものである。通常は、延伸したポリマーフィ
ルムを互いの延伸軸を一致させずに、所定の角度でずら
して積層して作製する。具体的には、積層するポリマー
フィルム各々について、延伸ポリマーフィルムの表面に
粘着材を塗工し粘着面を形成し、この粘着面に離型フィ
ルムを貼付した後、延伸軸に対して所定の角度でチップ
を切り出し、その後、切り出された各々のチップを貼合
して作製する。しかし、この方法は、積層するチップ状
のポリマーフィルム2枚を各々独立に作製する必要があ
り、さらに、各々のフィルムの作製工程が煩雑であると
ともに、各工程に種々の材料(粘着材、離型フィルム
等)を必要とし、製造コストが高くなることは避けられ
ない。また、チップを切り出した際に生じるカットくず
を完全にチップから除去することはできず、チップを貼
合する際に不具合が生じたり、また、チップの切り出し
の際及びチップの貼合の際に、軸ずれ等が生じ、製造物
の性能不良も生じ易いという問題がある。前述した1/
4波長板についての問題は、ひいてはこれを備えた前記
エレクトロルミネッセンスディスプレイの性能を低下さ
せる、若しくは製造コストを増大させるという問題を生
じる。
【0004】本発明は、前記諸問題に鑑みなされたもの
であって、背景の映り込みが防止された、量産性に優れ
たエレクトロルミネッセンスディスプレイを提供するこ
とを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は以下の通りである。即ち、 <1> 光反射電極と、発光層と、透明電極と、1/4
波長板及び直線偏光膜を有する円偏光板とがこの順に配
置されたエレクトロルミネッセンスディスプレイであっ
て、前記1/4波長板が、固有複屈折値が正である材料
と負である材料とを含有してなることを特徴とするエレ
クトロルミネッセンスディスプレイである。 <2> 前記1/4波長板の波長450nm、550n
m及び650nmにおける(レターデーション/波長)
の値が、各々0.2以上0.3以下である<1>に記載
のエレクトロルミネッセンスディスプレイである。 <3> 前記1/4波長板が、前記固有複屈折値が正で
ある材料を含有する第一の層と、前記固有複屈折値が負
である材料を含有する第二の層とを有し、前記第一の層
及び前記第二の層における分子鎖の平均配向方向が等し
い<1>又は<2>に記載のエレクトロルミネッセンス
ディスプレイである。
【0006】<4> 前記固有複屈折値が正である材料
及び負である材料がそれぞれ樹脂であり、前記第一の層
及び前記第二の層はそれぞれ前記樹脂の延伸フィルムで
ある<3>に記載のエレクトロルミネッセンスディスプ
レイである。 <5> 前記固有複屈折値が正である材料がノルボルネ
ン系ポリマーである<1>から<4>までのいずれかに
記載のエレクトロルミネッセンスディスプレイである。 <6> 前記固有複屈折値が負である材料がポリスチレ
ン及びスチレン系ポリマーから選ばれる少なくとも1種
である<1>から<5>までのいずれかに記載のエレク
トロルミネッセンスディスプレイである。 <7> 前記スチレン系ポリマーがスチレンと無水マレ
イン酸との共重合体である<6>に記載のエレクトロル
ミネッセンスディスプレイである。
【0007】
【発明の実施の形態】図1に本発明のエレクトロルミネ
ッセンスディスプレイ(以下、「ELディスプレイ」と
いう場合がある)の基本的構成を示す断面模式図を示
す。図1に示すELディスプレイは、光反射電極(R
E)、発光層(L)、透明電極(TE)、透明基板
(S)、λ/4波長板(λ/4)及び直線偏光膜(P)
がこの順に積層された構造を有する。λ/4波長板(λ
/4)及び直線偏光膜(P)が円偏光板を構成してい
る。
【0008】次に、図2を用いて、本発明のELディス
プレイにおける反射防止機能及び表示機能について説明
する。尚、図2は、図1に示すELディスプレイ中、円
偏光板のみを模式的に示したものであり、他の部材は省
略している。図2に示す円偏光板は直線偏光膜(P)及
び1/4波長板(λ/4)とからなる。前記円偏光板は
発光層(不図示)からの光の出射側配置され、直線偏光
膜(P)側(上側)をELディスプレイの外側にし、1
/4波長板(λ/4)側をELディスプレイの内側にし
て配置される。
【0009】ELディスプレイに、外部から光(1a及
びlbを含む)が入射すると、直線偏光膜(P)の偏光
軸方向に一致する直線偏光成分(lb)のみが直線偏光
膜(P)を通過する。他の成分(la)は、直線偏光膜
(P)に吸収される。直線偏光膜(P)を通過した直線
偏光(2b)は、1/4波長板(λ/4)を通過するこ
とにより円偏光(2c)に変換される。円偏光(2c)
は、ELディスプレイの光反射電極(図示せず)に反射
されると、逆回りの円偏光(3c)になる。逆回りの円
偏光(3c)は、1/4波長板(λ/4)を通過するこ
とにより直線偏光膜(P)の偏光軸方向とは90°異な
る方向の直線偏光(3b)に変換される。この直線偏光
(3b)は、直線偏光膜(P)を通過できずに吸収され
る。このようにして、ELディスプレイへ外部から入射
する光(la及びlb)は、すべて直線偏光膜(P)に
吸収され、反射は防止される。従って、背景部が映り込
むことによる画像表示特性の低下を防止することができ
る。
【0010】ELディスプレイ内部からの光、即ち、発
光層(図示せず)からの発光は、二種類の円偏光成分
(3c及び4c)を含んでいる。一方の円偏光(3c)
は、上記のように1/4波長板(λ/4)を通過するこ
とにより、直線偏光膜(P)の偏光軸方向とは90°異
なる方向の直線偏光(3b)に変換される。そして、直
線偏光(3b)は直線偏光膜(P)を通過できずに直線
偏光膜(P)に吸収される。他方の円偏光(4c)は1
/4波長板(λ/4)を通過することにより直線偏光膜
(P)の偏光軸方向と一致する直線偏光(4b)に変換
される。そして、直線偏光(4b)は直線偏光膜(P)
を通過し(4a)、画像として認識される。
【0011】尚、直線偏光膜(P)と1/4波長板(λ
/4)との間に、直線偏光膜(P)の偏光軸方向とは9
0°異なる方向の直線偏光(3b)を反射する機能を有
する反射偏光板を設けると、直線偏光(3b)を吸収す
ることなく反射させ、それを反射電極で再反射させるこ
とにより、直線偏光膜(P)の偏光軸方向と一致する直
線偏光(4b)に変換することができる。すなわち、反
射偏光板を用いることで、発光層が発光した光の全て
(3c及び4c)を外側に出射させることもできる。
【0012】以下、本発明のELディスプレイを構成し
ている各部材について説明する。 [1/4波長板]本発明において、前記1/4波長板
は、固有複屈折値が正である材料(以下、単に「正の材
料」という場合がある)と負である材料(以下、単に
「負の材料」という場合がある)とをそれぞれ少なくと
も1種含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したそ
の他の成分を含有してなる。前記1/4波長板には、前
記固有複屈折値が正である材料と負である材料とが同一
の層に含有される単層型の形態、及び、前記固有複屈折
値が正である材料と前記固有複屈折値が負である材料と
が各々異なる層に含有される積層型の形態の双方が含ま
れる。固有複屈折値が正の材料及び負の材料は、延伸処
理等により分子配向方向が等しくなったとき、その遅相
軸が直交するため、発現するレターデーションは各々が
有する特性が相殺された結果の複合体としてのレターデ
ーションとなる。前記正の材料と負の材料とを種々組合
せることによって、及び/又は、延伸条件等の作製条件
を調整することにより、発現するレターデーションの波
長分散性を制御し、可視光全域の入射光に対して、Re
/λがほぼ1/4である位相差特性を与えることができ
る。また、前記1/4波長板は、従来必要であった、チ
ップの切り出し及びその貼合等、煩雑な工程を経ること
なく製造できるので、これを備えたエレクトロルミネッ
センスディスプレイの量産性向上に寄与することができ
る。
【0013】−固有複屈折値が正である材料− 本発明において、「固有複屈折値が正である材料」と
は、分子が一軸性の秩序をもって配向したときに、光学
的に正の一軸性を示す特性を有する材料をいう。例え
ば、前記正の材料が樹脂である場合では、分子が一軸性
の配向をとって形成された層に光が入射したとき、前記
配向方向の光の屈折率が前記配向方向に直交する方向の
光の屈折率より大きくなる樹脂をいう。前記正の材料と
しては、樹脂、棒状液晶、棒状液晶ポリマーなど種々の
ものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよ
いし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、
これらの中でも樹脂(以下、「固有複屈折値が正である
樹脂」を単に「正の樹脂」という場合がある)が好まし
い。
【0014】前記樹脂としては、オレフィン系ポリマー
(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネ
ン系ポリマー、シクロオレフィン系ポリマーなど)、ポ
リエステル系ポリマー(例えば、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリアリ
ーレンサルファイド系ポリマー(例えば、ポリフェニレ
ンサルファイドなど)、ポリビニルアルコール系ポリマ
ー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリアリレート系ポ
リマー、セルロースエステル系ポリマー(前記固有複屈
折値が負であるものもある)、ポリエーテルスルホン系
ポリマー、ポリスルホン系ポリマー、ポリアリルサルホ
ン系ポリマー、ポリ塩化ビニル系ポリマー、あるいはこ
れらの多元(二元、三元等)共重合ポリマーなどが挙げ
られる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種
以上を併用してもよい。本発明においては、これらの中
でも、オレフィン系ポリマーが好ましく、オレフィン系
ポリマーの中でも、光透過率特性、耐熱性、寸度安定
性、光弾性特性等の観点から、ノルボルネン系ポリマー
が特に好ましい。前記オレフィン系ポリマーとしては、
日本合成ゴム製の「アートソー」、日本ゼオン製の「ゼ
オネックス」及び「ゼオノア」、三井石油化学製の「A
PO」等が好適に利用される。
【0015】前記ノルボルネン系ポリマーは、ノルボル
ネン骨格を繰り返し単位として有してなり、その具体例
としては、特開昭62−252406号公報、特開昭6
2−252407号公報、特開平2−133413号公
報、特開昭63−145324号公報、特開昭63−2
64626号公報、特開平1−240517号公報、特
公昭57−8815号公報、特開平5−39403号公
報、特開平5−43663号公報、特開平5−4383
4号公報、特開平5−70655号公報、特開平5−2
79554号公報、特開平6−206985号公報、特
開平7−62028号公報、特開平8−176411号
公報、特開平9−241484号公報等に記載されたも
のが好適に利用できるが、これらに限定されるものでは
ない。また、これらは、1種単独で使用してもよいし、
2種以上を併用してもよい。
【0016】本発明においては、前記ノルボルネン系ポ
リマーの中でも、下記構造式(I)〜(IV)のいずれか
で表される繰り返し単位を有するものが好ましい。
【0017】
【化1】
【0018】前記構造式(I)〜(IV)中、A、B、C
及びDは、各々独立して、水素原子又は1価の有機基を
表す。
【0019】また、前記ノルボルネン系ポリマーの中で
も、下記構造式(V)又は(VI)で表される化合物の少
なくとも1種と、これと共重合可能な不飽和環状化合物
とをメタセシス重合して得られる重合体を水素添加して
得られる水添重合体も好ましい。
【0020】
【化2】
【0021】前記構造式中、A、B、C及びDは、各々
独立して、水素原子又は1価の有機基を表す。
【0022】前記ノルボルネン系ポリマーの重量平均分
子量としては、5,000〜1,000,000程度で
あり、8,000〜200,000が好ましい。
【0023】−固有複屈折値が負である材料−本発明に
おいて、「固有複屈折値が負である材料」とは、分子が
一軸性の秩序をもって配向したときに、光学的に負の一
軸性を示す特性を有する材料をいう。例えば、前記負の
材料が樹脂である場合、分子が一軸性の配向をとって形
成された層に光が入射したとき、前記配向方向の光の屈
折率が前記配向方向に直交する方向の光の屈折率より小
さくなる樹脂をいう。前記負の材料としては、樹脂、デ
ィスコティック液晶、ディスコティック液晶ポリマー等
種々のものが挙げられる。これらは、1種単独で使用し
てもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明におい
ては、これらの中でも樹脂が好ましい(以下、「固有複
屈折値が負である樹脂」を単に「負の樹脂」という場合
がある)。
【0024】前記樹脂としては、ポリスチレン、スチレ
ン系ポリマー(スチレン及び/又はスチレン誘導体と他
のモノマーとの共重合体)、ポリアクリロニトリル系ポ
リマー、ポリメチルメタクリレート系ポリマー、セルロ
ースエステル系ポリマー(前記固有複屈折値が正である
ものもある)、あるいはこれらの多元(二元、三元等)
共重合ポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独
で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記
スチレン系ポリマーとしては、スチレン及び/又はスチ
レン誘導体と、アクリルニトリル、無水マレイン酸、メ
チルメタクリレート及びブタジエンから選ばれる少なく
とも1種との共重合体が好ましい。本発明においては、
これらの中でも、ポリスチレン、スチレン系ポリマー、
ポリアクリロニトリル系ポリマー及びポリメチルメタク
リレート系ポリマーの中から選択される少なくとも1種
が好ましく、これらの中でも、複屈折発現性が高いとい
う観点から、ポリスチレン及びスチレン系ポリマーがよ
り好ましく、耐熱性が高い点で、スチレン及び/又はス
チレン誘導体と無水マレイン酸との共重合体が特に好ま
しい。また、前記樹脂は、ガラス転移点が110℃以上
(より好ましくは120℃以上)であるのが耐熱性の点
で好ましい。
【0025】−正の材料と負の材料との好ましい組合せ
− 本発明において、前記固有複屈折値が正である材料と負
である材料とは、以下に示す条件を満たすことを指標と
して組合せるのが好ましい。波長450nm及び波長5
50nmにおけるレターデーション(Re)値の絶対値
をそれぞれRe(450)及びRe(550)としたと
き、前記正の材料の(Re(450)/Re(55
0))の値と、前記負の材料の(Re(450)/Re
(550))の値とが等しくならない(即ち、一方が他
方よりも小さいか又は大きい)組合せが好ましいものと
して挙げられる。より具体的には、両値の差が、0.0
3以上となる組合せが好ましく、0.05以上である組
合せがより好ましい。
【0026】更に、前記正の材料の(Re(450)/
Re(550))の値が、前記負の材料の(Re(45
0)/Re(550))の値よりも大きいときは、前記
正の材料のRe(550)の値が前記負の材料のRe
(550)の値よりも小さいこと、及び、前記正の材料
の(Re(450)/Re(550))の値が、前記負
の材料の(Re(450)/Re(550))の値より
も小さいときは、前記正の材料のRe(550)の値が
前記負の材料のRe(550)の値よりも大きいこと、
の一方を満たす組合せが好ましい。
【0027】次に、前記正の材料及び負の材料が各々樹
脂である場合の好ましい組合せについて説明する。固有
屈折値(Δn)の波長分散性が大きい樹脂を負の材料と
して使用する場合は、正の材料としてはΔnの波長分散
性が小さい樹脂を使用するのが好ましい。また、固有屈
折値(Δn)の波長分散性が小さい樹脂を負の材料とし
て使用する場合は、正の材料としてはΔnの波長分散性
が大きい樹脂を使用するのが好ましい。例えば、前記正
の材料としてノルボルネン系ポリマーを使用する場合
は、前記負の材料としては、その固有複屈折値の波長分
散が大きいものが好ましく、具体的には、波長450n
m及び波長550nmの固有複屈折値(Δn)を、各
々、Δn(450)及びΔn(550)としたとき、下
記関係式を満たす樹脂から選ばれるのが好ましい。 |Δn(450)/Δn(550)| ≧ 1.02 さらに、下記関係式を満たす樹脂から選ばれるのがより
好ましい。 |Δn(450)/Δn(550)| ≧ 1.05 尚、|Δn(450)/Δn(550)|の値は大きい
ほうが好ましいが、樹脂の場合一般的には2.0以下で
ある。
【0028】より具体的には、前記負の材料が、前記
(Re(450)/Re(550))の値が小さいポリ
メチルメタクリレート等の場合、これと組合せる前記正
の材料としては、ポリエチレンテレフタレート系ポリマ
ー、ポリフェニレンサルファイド系ポリマー、ポリカー
ボネート系ポリマー、ポリアリレート系ポリマー、ポリ
エーテルスルホン系ポリマー、ポリスルホン系ポリマ
ー、ポリアリルサルホン系ポリマー、ポリ塩化ビニル系
ポリマー、などが好ましい。また、前記負の材料が、前
記(Re(450)/Re(550))の値が大きいポ
リスチレン及びスチレン系ポリマー等の場合、これと組
合せる前記正の材料としては、オレフィン系ポリマー及
びシクロオレフィン系ポリマー(例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマー等)、セ
ルロースエステル系ポリマー、などが好ましい。中で
も、負の材料としてポリスチレン及び/又はスチレン系
ポリマーと、正の材料としてオレフィン系ポリマーの中
でもノルボルネン系ポリマーとの組合せが特に好まし
い。
【0029】−その他の成分− 前記その他の成分としては、本発明の効果を害しない限
り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することがで
き、例えば相溶化剤などが好適に挙げられる。前記相溶
化剤は、前記正の材料と負の材料との混合物を含有する
層を有する1/4波長板において、前記混合物が相分離
を生じてしまう場合等に好適に使用することができ、該
相溶化剤を使用することによって、前記固有複屈折値が
正である材料と負である材料との混合状態を良好にする
ことができる。
【0030】単層構造の前記1/4波長板としては、固
有複屈折値が正の樹脂と負の樹脂とのポリマーブレンド
からなるフィルム又はシートが挙げられる。また積層型
の前記1/4波長板としては、例えば、図3に示す構成
の1/4波長板10が挙げられる。1/4波長板10
は、固有複屈折値が正の樹脂からなる層12と固有複屈
折値が負の樹脂からなる層14とが積層された構成であ
る。層12及び層14は延伸フィルムからなり、層12
に含有される前記正の樹脂の分子及び層14に含有され
る前記負の樹脂の分子は、延伸処理により所定の方向に
配向していて、その配向方向は一致している。従って、
層12、14は複屈折を有し、その遅相軸を互いに直交
させて積層されている。積層構造の1/4波長板10
は、前記正の樹脂と前記負の樹脂との相溶性を考慮せず
に、材料を選択できるので、材料選択の幅が広がる点で
好ましい。
【0031】他の積層型の前記1/4波長板としては、
図4に示す1/4波長板10’が挙げられる。1/4波
長板10’は、2つの固有複屈折値が正の樹脂からなる
層12の間に、固有複屈折値が負の樹脂からなる層14
を有する構造である。この様に、断面が対称性を有する
構造であると、1/4波長板の物理的特性が改良される
のでより好ましい。尚、固有複屈折値が負の樹脂からな
る2つの層間に、固有複屈折値が正の樹脂からなる層を
挟持させた態様も同様に好ましい。また、3層構造の態
様では、固有複屈折値の符号が一致した樹脂からなる層
についても分子の配向方向を一致させて積層するのが好
ましく、さらに、固有複屈折値の符号が一致した樹脂
は、同一の材料であるのが好ましい。
【0032】前記積層型の1/4波長板において、前記
固有複屈折値が正の樹脂からなる層と固有複屈折値が負
の樹脂からなる層との間に、双方の層の接着性を向上さ
せる層(以下、「接着層」という場合がある)を配置し
てもよい。例えば、正の樹脂からなる層/接着層/負の
樹脂からなる層/接着層/正の樹脂からなる層の5層構
造とすることができる。前記接着層には、前記固有複屈
折値が正の樹脂及び負の樹脂の双方と親和性がある材料
を使用することができる。例えば、前記固有複屈折値が
正の樹脂としてノルボルネン系ポリマーを使用し、且つ
負の樹脂としてポリスチレン(又はスチレン系ポリマ
ー)を使用した場合、前記接着層は、オレフィン系ポリ
マー及びポリスチレン(又はスチレン系ポリマー)のい
ずれかの成分を有する層であり、ガラス転移点が前記正
の樹脂及び負の樹脂のガラス転移点と比較して5℃以下
(より好ましくは10℃以下)低いポリマーからなる層
であるのが好ましい。但し、これに限定されるものでは
ない。尚、前記接着層の複屈折と厚みとの積は小さいほ
うが好ましい。
【0033】前記1/4波長板は、波長450nm〜6
50nmまでの広い範囲で、少なくとも波長450n
m、550nm及び650nmにおいて、(レターデー
ション(Re)/波長(λ))の値が各々0.2以上
0.3以下であること、換言すれば、波長550nmに
おけるレターデーション(Re)の値が、110nm〜
165nmであり、波長の長さと正の相関を有すること
が好ましい。より好ましくは、少なくとも波長450n
m、550nm及び650nmにおいて、(Re/λ)
の値が各々0.23以上0.27以下であり、さらに好
ましくは、0.24以上0.26以下である。
【0034】前記1/4波長板は、その光弾性率が20
ブルースター以下であるのが好ましく、10ブルースタ
ー以下であるのがより好ましく、5ブルースター以下で
あるのがさらに好ましい。光弾性率が前記範囲である
と、他の部材(例えば、直線偏光膜)と貼合される際
等、部分的に偏った応力が負荷された場合も、部分的に
レターデーションに差が生じるのを抑制でき、端部が白
っぽく光抜けする等のディスプレイの表示特性を低下さ
せることがないので好ましい。
【0035】前記1/4波長板は、種々の方法で製造す
ることができる。単層構造の1/4波長板を作製する場
合は、まず、前記指標に従って、正の材料と負の材料と
を適宜選択し、配合比を決定し(必要に応じて前記相溶
化剤等を添加し)、配合する。その後、この配合物を、
任意の有機溶媒に溶解して塗布液を調製し、該塗布液を
支持体(又は仮支持体)上に塗布し乾燥することにより
成膜化して製造することができる(溶液製膜法)。ある
いは、前記配合物をペレット化して溶融押出し、成膜化
して製造することもできる(押出成形法)。また、積層
構造の1/4波長板を作製する場合は、例えば、前記正
の樹脂及び前記負の樹脂をそれぞれ溶媒に溶解した塗布
液を各々調製し、該塗布液を支持体(又は仮支持体)上
に順次塗布(又は同時に重畳塗布)し、その後乾燥する
ことによって製膜化して作製することができる。また、
共押出しを利用して作製することもできる。中でも、後
述する共押出しを利用した方法により製造すると、製造
工程がより簡略化できるとともに、製造コストを軽減で
きるので好ましい。
【0036】積層型の1/4波長板を作製する場合は、
前記正の樹脂と前記負の樹脂とを共押出しして、前記正
の樹脂からなる第一の層と前記負の樹脂からなる第二の
層とからなる積層体を形成する工程を有する方法により
作製するのが、より簡易に作製できる点で好ましい。前
記積層体が、前述した広帯域1/4波長板としての所望
のレターデーションを示す場合は、前記積層体をそのま
ま1/4波長板とすることができる。前記積層体が所望
のレターデーションを示さない場合は、さらに、前記積
層体を延伸し、レターデーションを調整する工程を付す
ことができる。
【0037】前記積層体を形成する工程では、例えば、
押出し機中に、正の樹脂と負の樹脂を各々格納し、加熱
及び加圧して、各々流動状態とし、それをダイから各々
連続的に押出して、積層体にする。引き続き、該積層体
をニップロールのニップ部に連続的に挿通させて、圧着
してもよい。尚、3層以上の構造の1/4波長板を作製
する場合は、前記積層体を形成する工程において、押出
し機中に前記第三の層を構成する正又は負の樹脂を格納
し、共押出しにより3層構造の積層体を形成する。ま
た、正の樹脂からなる層と負の樹脂からなる層との間
に、前記双方の層の接着性を向上するための層を有する
態様の1/4波長板を作製する場合は、前記積層体を形
成する工程において、接着性を向上させるための樹脂を
押出し機中に別途格納し、共押出しにより、正の樹脂か
らなる層と負の樹脂からなる層との間に前記接着性を向
上させるための層を配置した構成の積層体を形成する。
また、押し出し機中の樹脂を格納するところから押し出
しのダイまでの間に流路を複数設け、例えば、正の樹脂
/接着層用の樹脂/負の樹脂/接着層用の樹脂/正の樹
脂の構成の3種の樹脂からなる5層構造の積層体を形成
することができる。
【0038】前記積層体を延伸してレターデーションを
調整する工程は、種々の延伸機を用いて実施することが
できる。例えば、機械的流れ方向に延伸する縦一軸延
伸、機械的流れ方向に直交する方向に延伸するテンター
延伸などが好適に利用できる他、厚み方向制御のため、
二軸性を付与することも可能である。ここで、延伸温度
は、層を構成する基本材料(正の樹脂及び負の樹脂)の
最低ガラス転移温度をTgminとしたとき、(Tgmin
20)℃〜(Tgmin+10)℃に設定するのが好まし
い。
【0039】前記負の樹脂と正の樹脂の重量比、延伸温
度及び延伸倍率等を調整することで、広帯域1/4波長
板としての特性を満足する1/4波長板を作製すること
ができる。例えば、固有複屈折値が正の樹脂としてノル
ボルネン系ポリマーを、固有複屈折値が負の樹脂として
ポリスチレンを使用する場合の調整方法の例を示す。ポ
リスチレン及びノルボルネン系ポリマーの溶融軟化温度
を各々Ts及びTnとする。Ts<Tnであるので、T
nに近い温度で、ノルボルネン系ポリマーからなる層と
ポリスチレンからなる層との積層体を延伸すると、ポリ
スチレン分子の配向緩和が速く、ポリスチレンからなる
層の分子は殆ど配向せず、ポリスチレンからなる層は複
屈折を有しない。その結果、ノルボルネン系ポリマーか
らなる層とポリスチレンからなる層とを積層した積層フ
ィルムは、ノルボルネン系ポリマーからなる層が示す波
長分散にほぼ等しくなる。延伸温度を低くするにしたが
って、ポリスチレン分子は配向するようになり、ポリス
チレンからなる層は複屈折を有するようになる。ポリス
チレンからなる層のレターデーションは負であるので、
ノルボルネン系ポリマーからなる層が有する正のレター
デーションは減少する。レターデーションの減少割合
は、ポリスチレンの波長分散のため、短波長側が大きく
レターデーション減少し、Re(450)<Re(55
0)<Re(650)の特性が得られる。延伸温度を制
御することで、可視光波長全域にわたって、Re/λが
ほぼ1/4である、広帯域1/4波長板として機能する
広帯域1/4波長板を作製することができる。単層構造
の1/4波長板についても同様の操作により適切な延伸
温度を決定し、広帯域1/4波長板として機能する広帯
域1/4波長板を作製することができる。
【0040】前記正の樹脂からなる層と前記負の樹脂か
らなる層との間に前記接着層を有する1/4波長板を形
成する際には、前記接着層を構成している樹脂として、
前記延伸温度より低温の溶融軟化温度を有する樹脂を使
用するのが好ましい。具体的には、ガラス転移点が低い
樹脂を使用するのが好ましく、前記正の樹脂及び前記負
の樹脂に対して、5℃以上低いガラス転移温度を有する
樹脂を使用するのがより好ましく、更に好ましくは、2
0℃以上である。
【0041】[直線偏光膜]本発明において、直線偏光
膜は前記1/4波長板と組み合わせられて、円偏光板と
して機能する。本発明において、直線偏光膜にはヨウ素
系偏光膜、二色染料を用いる染料系偏光膜及びポリエン
系偏光膜が利用できる。前記ヨウ素系偏光膜及び前記染
料系偏光膜は、一般的には、ポリビニルアルコール系フ
ィルムに延伸処理等を施して製造することができる。偏
光膜の偏光軸(透過軸)は、フィルムの延伸方向に相当
する。
【0042】前述した様に、1/4波長板と直線偏光膜
との間に、反射偏光板を設けると、発光層が発光した光
をより多く、外側に出射させることができる。前記反射
偏光板は、併用する直線偏光膜の偏光軸方向と一致する
直線偏光を透過し、偏光軸方向とは異なる方向の直線偏
光を反射する機能を有する。具体的には、一方向におい
て屈折率の異なる高分子薄膜を交互に積層した複屈折光
偏光子(特表平8−503312号公報に記載)や、コ
レステリック構造を有する偏光分離膜(特開平11−4
4816号公報に記載)を好ましく用いることができ
る。また、直線偏光膜の表面に保護膜を形成してもよ
い。
【0043】[発光層]本発明において、前記発光層に
含まれる発光材料は特に限定されず、発光材料は無機材
料であっても、有機材料であってもよい。中でも、発光
材料として有機材料を用いた有機ELディスプレイが好
ましい。前記発光層は、発光材料を蒸着等することによ
って形成することができる。尚、前記発光層に、電荷輸
送材料を含有させて電荷輸送層としての機能を付加して
もよいし、ホール輸送材料を含有させてホール輸送層と
しての機能を付加してもよい。また、発光層とは別に、
電荷輸送層及び/又はホール輸送層を設けてもよい。
【0044】[透明電極]本発明において、前記透明電
極としては、一般的にはITO電極が利用される。前記
透明電極は、パターニングされていてもよい。前記透明
電極は、スパッタリング等により形成することができ、
パターニングにはエッチングを利用することができる。
【0045】[反射電極]本発明において、前記反射電
極としては、光反射率の高い金属材料を用いて形成する
のが好ましい。前記金属材料としては、Mg、MgA
g、MgIn、Al、LiAl等が挙げられる。前記反
射電極の表面が平坦である程、光の乱反射が防止できる
ので好ましい。また、前記反射電極は、パターニングさ
れていてもよい。前記反射電極は、スパッタリング等に
より形成することができ、パターニングにはエッチング
を利用することができる。
【0046】その他、本発明のELディスプレイには、
所望により、前記透明電極と前記円偏光板との間に透明
基板を設けることができる。前記透明基板としては、ガ
ラス基板及び光透過性プラスチックフィルムが利用でき
る。
【0047】本発明のELディスプレイは、前記透明電
極及び前記反射電極に通電部を設け、通電することによ
り、発光層を発光させ、画像として表示させることがで
きる。また、本発明のELディスプレイは、R(レッ
ド)発光層、G(グリーン)発光層及びB(ブルー)発
光層を、フォトマスク等を用いて各々パターニング形成
し、パターニング形成された各発光層を個々に通電可能
に構成することにより、フルカラー画像用の表示素子と
することができる。
【0048】本発明のELディスプレイには、その他、
国際特許出願WO96/34514号明細書、特開平9
−127885号公報及び同11−45058号公報に
記載の有機ELディスプレイの構成を適用できる。その
場合は、前記有機ELディスプレイが備える前記反射防
止手段に代えて、又は併用して前記円偏光板を組込んだ
構成とすることができる。また、本発明のELディスプ
レイとしては、例えば、「エレクトロルミネッセンスデ
ィスプレイ」(猪口敏夫著、産業図書株式会社、199
1年発行)に記載のある無機ELディスプレイに前記円
偏光板を組込んだ構成にすることもできる。
【0049】
【実施例】[実施例1] −1/4波長板の作製− 固有複屈折値が正の樹脂として、シクロオレフィン系ノ
ルボルネン樹脂(商品名「ゼオノア1420R」;日本
ゼオン社製)、固有複屈折値が負の樹脂として、ポリス
チレン(商品名「HF−77」;エーアンドエムスチレ
ン社製)を使用した。これらの樹脂については、予め窒
素パージ下で乾燥させ、水分量を低下させたものを使用
した。尚、波長450nm、波長550nmにおけるレ
ターデーション(Re)の絶対値をそれぞれRe(45
0)、Re(550)としたとき、前記シクロオレフィ
ン系ノルボルネン樹脂の(Re(450)/Re(55
0))の値は1.005であり、前記ポリスチレンの
(Re(450)/Re(550))の値は1.080
であり、両値は同一ではなく、その差は0.075であ
る。
【0050】図5に示す構成の装置20を用いた。該装
置は、東洋精機製の「LABO PLASTOMIL
I」であり、ダイス22は幅250mmであった。ダイ
ス22には押出し機24、26の2台が取り付けられ、
押出し機24及び押出し機26に格納された樹脂ホッパ
ーが、ダイス22内部で合流する構造となっている。押
出し機26には2つの開口部があり、ダイス22内部で
は、押出し機24から押出された樹脂ホッパー1を中心
として、押出し機26の2つの開口部から押出された樹
脂ホッパー2が樹脂ホッパー1の両側から合流する構造
となっている。ダイス22の内部構造を図6に示した。
また、ダイス22の下部には、ロール28、30、32
が配置され、ダイス22から押出された3層構造のフィ
ルム34の厚みを調整可能に構成されている。
【0051】押出し機24に前記ポリスチレンのホッパ
ーを、押出し機26に前記ノルボルネン樹脂のホッパー
を格納し、ノルボルネン樹脂/ポリスチレン/ノルボル
ネン樹脂からなる3層構造の溶融成形フィルム34を作
製した。積層フィルム34の厚みに関しては、ロール2
8、30、32の周速制御により調整を試みた。最終厚
みが100μmを目標としてロール18、20、22の
周速を決定したところ、実際の102μmの厚みの積層
フィルムが得られた。成形条件を下記表1に示す。尚、
下記表1中の記号の意味を以下に示す C1〜C3 : 押出し機のシリンダ温度(C1ホッパ
下) D : ダイ(リップ)温度
【0052】
【表1】
【0053】得られた積層フィルムを95℃の雰囲気
で、19%延伸処理を施し、延伸フィルムを各々得た。
得られた19%延伸フィルムについて、Reの波長依存
性を王子計測製「KOBRA 21DH」にて測定し
た。得られた19%延伸フィルムは、波長450nm、
550nm及び650nmにおいて、Re/λが各々、
0.24、0.25及び0.24であり、広帯域1/4
波長板特性を有していることがわかった。また、得られ
た各々の積層フィルムについて光弾性率を日本分光製
「M−150」を用いて測定したところ、どちらも8ブ
ルースターであった。
【0054】−円偏光板の作製− 直線偏光膜及び保護膜からなる偏光板と、前記1/4波
長板とを、偏光板の吸収軸と1/4波長板の延伸軸とを
45°交差させて積層し、円偏光板を作製した。
【0055】−ELディスプレイの作製− 厚さ1.1mmの透明のガラス基板上に、ITOからな
る透明電極をスパッタリング法により作製した。形成し
た透明電極をエッチング処理し、ストライプ状にパター
ニングした。このパターニングされた透明電極上に、ト
リフェニルアミン誘導体からなる厚さ30nmの正孔注
入層を形成した。前記正孔注入層上に、真空マスク蒸着
法によりアルミキレート錯体を蒸着させ、有機発光層を
形成した。前記有機発光層上に、Mg−Ag合金(重量
比:Mg/Ag=95/5)を100nmの厚さに多元
蒸着して、光反射性電極を形成した。次に、前記ガラス
基板の反対側の面に、作製した前記円偏光板(1/4波
長板側)を、接着剤を介して貼り合わせ、有機ELディ
スプレイを作製した。作製した有機ELディスプレイに
通電して画像を表示させた。表示された画像を正面やや
斜め方向から観察したが、背景の映り込みは全く認めら
れず、コントラストの高い画像を確認できた。
【0056】[実施例2]固有複屈折値が正の樹脂とし
て、シクロオレフィン系ノルボルネン樹脂(商品名「ゼ
オノア1420R」;日本ゼオン社製)、固有複屈折値
が負の樹脂として、スチレン系無水マレイン酸共重合樹
脂(ノバケミカル製、「ダイラークD332」)を使用
した。これらの樹脂については、予め窒素パージ下で乾
燥させ、水分量を低下させたものを使用した。尚、波長
450nm、波長550nmにおけるレターデーション
(Re)の絶対値をそれぞれRe(450)、Re(5
50)としたとき、前記シクロオレフィン系ノルボルネ
ン樹脂の(Re(450)/Re(550))の値は
1.005であり、前記スチレン無水マレイン酸共重合
樹脂の(Re(450)/Re(550))の値は1.
069であり、両値は同一ではなく、その差は0.06
4である。
【0057】図5に示す構成の装置20を用いた。該装
置は、東洋精機製の「LABO PLASTOMIL
I」であり、ダイス22は幅250mmであった。ダイ
ス22には押出し機24、26の2台が取り付けられ、
押出し機24及び押出し機26に格納された樹脂ホッパ
ーが、ダイス22内部で合流する構造となっている。押
出し機26には2つの開口部があり、ダイス22内部で
は、押出し機24から押出された樹脂ホッパー1を中心
として、押出し機26の2つの開口部から押出された樹
脂ホッパー2が樹脂ホッパー1の両側から合流する構造
となっている。ダイス22の内部構造を図6に示した。
また、ダイス22の下部には、ロール28、30、32
が配置され、ダイス22から押出された3層構造のフィ
ルム34の厚みを調整可能に構成されている。
【0058】押出し機24に前記スチレン無水マレイン
酸共重合樹脂のホッパーを、押出し機26に前記ノルボ
ルネン樹脂のホッパーを格納し、ノルボルネン樹脂/ス
チレン無水マレイン酸共重合樹脂/ノルボルネン樹脂か
らなる3層構造の溶融成形フィルム34を作製した。積
層フィルム34の厚みに関しては、ロール28、30、
32の周速制御により調整を試みた。最終厚みが150
μmを目標としてロール18、20、22の周速を決定
したところ、実際の102μmの厚みの積層フィルムが
得られた。
【0059】得られた積層フィルムを120℃の雰囲気
で、65%の延伸処理を施し、3層構成の延伸フィルム
を得た。得られた延伸フィルムの厚みは、ノルボルネン
樹脂の層/スチレン無水マレイン酸共重合樹脂の層/ノ
ルボルネン樹脂の層が36μm/39μm/38μmで
あった。得られた延伸フィルムについて、Reの波長依
存性を王子計測製「KOBRA 21DH」にて各々測
定した。得られた65%延伸フィルムは、波長450n
m、550nm及び650nmにおいて、Re/λが各
々、0.24、0.25及び0.24であり、広帯域1
/4波長板特性を有していることがわかった。また、得
られた各々の積層フィルムについて光弾性率を日本分光
製「M−150」を用いて測定したところ、どちらも4
ブルースターであった。
【0060】−円偏光板の作製− 直線偏光膜及び保護膜からなる偏光板と、前記1/4波
長板とを、偏光板の吸収軸と1/4波長板の延伸軸とを
45°交差させて積層し、円偏光板を作製した。
【0061】−ELディスプレイの作製− 厚さ1.1mmの透明のガラス基板上に、ITOからな
る透明電極をスパッタリング法により作製した。形成し
た透明電極をエッチング処理し、ストライプ状にパター
ニングした。このパターニングされた透明電極上に、ト
リフェニルアミン誘導体からなる厚さ30nmの正孔注
入層を形成した。前記正孔注入層上に、真空マスク蒸着
法によりアルミキレート錯体を蒸着させ、有機発光層を
形成した。前記有機発光層上に、Mg−Ag合金(重量
比:Mg/Ag=95/5)を100nmの厚さに多元
蒸着して、光反射性電極を形成した。次に、前記ガラス
基板の反対側の面に、作製した前記円偏光板(1/4波
長板側)を、接着剤を介して貼り合わせ、有機ELディ
スプレイを作製した。作製した有機ELディスプレイに
通電して画像を表示させた。表示された画像を正面やや
斜め方向から観察したが、背景の映り込みは全く認めら
れず、コントラストの高い画像を確認できた。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
背景の映り込みが防止された、量産性に優れたエレクト
ロルミネッセンスディスプレイを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のELディスプレイの一例の断面模式
図である。
【図2】 本発明のELディスプレイの機能を説明する
ための模式図である。
【図3】 本発明に使用可能な1/4波長板の断面模式
図の一例である。
【図4】 本発明に使用可能な1/4波長板の断面模式
図の一例である。
【図5】 実施例で用いた押出し装置の概略図である。
【図6】 実施例で用いた押出し装置のダイスの断面図
である。
【符号の説明】
P 直線偏光膜 RE 光反射電極 S 透明基板 TE 透明電極 λ/4 1/4波長板 10 10’ 1/4波長板 12 固有複屈折値が正である樹脂からなる層 14 固有複屈折値が負である樹脂からなる層 20 押出し装置 22 ダイス 24、26 押出し機 28、30、32 ロール 34 積層フィルム
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/14 H05B 33/14 A Z Fターム(参考) 2H049 BA02 BA03 BA07 BA25 BA42 BB03 BB47 BB48 BB50 BB51 BC03 BC09 BC14 BC22 3K007 AB18 CA01 CB01 FA01 5C094 AA11 AA43 BA27 CA19 DA11 EA05 EB02 ED11 ED14 FB01 5G435 AA00 AA17 BB05 DD12 EE33 FF03 FF05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光反射電極と、発光層と、透明電極と、
    1/4波長板及び直線偏光膜を有する円偏光板とがこの
    順に配置されたエレクトロルミネッセンスディスプレイ
    であって、前記1/4波長板が、固有複屈折値が正であ
    る材料と負である材料とを含有してなることを特徴とす
    るエレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  2. 【請求項2】 前記1/4波長板の波長450nm、5
    50nm及び650nmにおける(レターデーション/
    波長)の値が、各々0.2以上0.3以下である請求項
    1に記載のエレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  3. 【請求項3】 前記1/4波長板が、前記固有複屈折値
    が正である材料を含有する第一の層と、前記固有複屈折
    値が負である材料を含有する第二の層とを有し、前記第
    一の層及び前記第二の層における分子鎖の平均配向方向
    が等しい請求項1又は2に記載のエレクトロルミネッセ
    ンスディスプレイ。
  4. 【請求項4】 前記固有複屈折値が正である材料及び負
    である材料がそれぞれ樹脂であり、前記第一の層及び前
    記第二の層はそれぞれ前記樹脂の延伸フィルムである請
    求項3に記載のエレクトロルミネッセンスディスプレ
    イ。
  5. 【請求項5】 前記固有複屈折値が正である材料がノル
    ボルネン系ポリマーである請求項1から4までのいずれ
    か1項に記載のエレクトロルミネッセンスディスプレ
    イ。
  6. 【請求項6】 前記固有複屈折値が負である材料がポリ
    スチレン及びスチレン系ポリマーから選ばれる少なくと
    も1種である請求項1から5までのいずれか1項に記載
    のエレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  7. 【請求項7】 前記スチレン系ポリマーがスチレンと無
    水マレイン酸との共重合体である請求項6に記載のエレ
    クトロルミネッセンスディスプレイ。
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