JP2002156624A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2002156624A
JP2002156624A JP2000349475A JP2000349475A JP2002156624A JP 2002156624 A JP2002156624 A JP 2002156624A JP 2000349475 A JP2000349475 A JP 2000349475A JP 2000349475 A JP2000349475 A JP 2000349475A JP 2002156624 A JP2002156624 A JP 2002156624A
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JP2000349475A
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English (en)
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Kohei Arakawa
公平 荒川
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量化及び薄層化が可能であり、且つ簡易な
構成の液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 一対の基板12a及び12bと、前記一
対の基板に挟持された液晶層18とを備え、且つ前記一
対の基板12a及び12bのうち一方の基板12aが1
/4波長板特性を有することを特徴とする液晶表示装置
10である。液晶表示装置10に入射した光は、液晶層
18における液晶分子の配向によって変調されるととも
に、1/4波長板特性を有する基板12aを透過するこ
とによって位相差を与えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に関
し、より詳細には、携帯電話、携帯情報端末等に利用可
能な液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、一般的に、透明電極が
形成された一対の透明基板を、前記透明電極を対向させ
て配置し、前記一対の基板間に液晶を封入して形成され
た液晶セルを備える。前記透明電極に電圧を印加するこ
とによって、液晶を配向させて光の透過性を制御し、画
像を表示している。従来、液晶表示装置には、画像の輝
度向上への要求が強く、輝度向上を目的とする改良が種
々行われている。例えば、特開平10−186357号
公報には、位相差板を使用することで、光の利用効率を
向上させ、高輝度な画像表示が可能な液晶表示装置が提
案されている。
【0003】さらに、近年では、液晶表示装置には、携
帯電話及び携帯情報端末用途に適する性能が特に要求さ
れ、即ち、液晶表示装置の軽量化及び薄層化への要求が
強くなっている。ところで、液晶表示装置では、液晶を
封入する一対の基板としては、従来、主にガラスが用い
られている。ガラスは光学的に等方性を有し、耐薬品性
及び耐熱性が高い点で基板用途に適している。しかし、
ガラスは、プラスチック材料等と比較して、耐衝撃性に
劣り又は加工容易性に劣り、さらに、液晶表示装置の軽
量化及び薄層化への妨げとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】液晶表示装置において
は、ガラス基板の代替としてプラスチックフィルムが注
目されている。しかし、プラスチックフィルムは、延伸
処理等を施されることによって複屈折性が容易に発現し
てしまうため、従来は、複屈折性を発現せずに、又は複
屈折性を無くすことによって、ガラスと同様に光学的等
方性を満たすプラスチックフィルムを作製し、これを基
板として用いることが種々提案されてきた。ガラス基板
の代替としてのみならず、液晶表示装置に必要な位相差
板等の光学的特性をも満たすプラスチックフィルムを基
板として使用できれば、液晶表示装置の軽量化及び薄層
化に応えることができるのみならず、部材の省略による
装置の簡略化も可能となり有利である。
【0005】本発明は、前記問題点に鑑みなされたもの
であって、軽量化及び薄層化が可能であり、且つ簡易な
構成の液晶表示装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1に記載の液晶表示装置は、一対の基板と、
前記一対の基板に挟持された液晶層とを備えた液晶表示
装置において、前記一対の基板の少なくとも一方の基板
が1/4波長板特性を有することを特徴とする。
【0007】請求項1に記載の液晶表示装置では、液晶
を挟持する支持体の一方が1/4波長板としての特性を
有する。従って、輝度向上等を目的として1/4波長板
を別途配置する必要がなく、より簡易な構成にすること
ができる。さらに、前記1/4波長板特性を有する基板
としてプラスチックフィルムを用いることにより、軽量
化及び薄層化が可能となり、さらに耐衝撃性が向上す
る。
【0008】請求項2に記載の液晶表示装置は、請求項
1に記載の液晶表示装置において、前記一対の基板のう
ち前記1/4波長板特性を有する基板に対してより外側
に配置される光反射部材と、他の基板に対してより外側
に配置される偏光板とを備えたことを特徴とする。
【0009】請求項2に記載の液晶表示装置では、一の
偏光板により白黒表示を行うことができるので、入射光
が複数の偏光板を繰り返し透過することによる光の損失
を抑制することができる。従って、光の利用効率を向上
させることができ、高輝度の表示が可能となる。
【0010】請求項3に記載の液晶表示装置は、請求項
1又は2に記載の液晶表示装置において、前記一対の基
板のうち1/4波長板特性を有する基板の波長λにおけ
るレターデーションRe(λ)と波長λとが、波長λ=
450nm、550nm及び650nmにおいて、各々
下記関係式を満たすことを特徴とする。 0.2 ≦ Re(λ)/λ ≦ 0.3
【0011】請求項3に記載の液晶表示装置では、前記
1/4波長板特性を有する基板として、可視光全域の光
にして1/4波長板として機能する広帯域1/4波長板
を使用している。従って、カラー画像を表示する際も鮮
明な色調を有する画像を表示することができる。
【0012】請求項4に記載の液晶表示装置は、請求項
1から3のいずれか1項に記載の液晶表示装置におい
て、前記一対の基板のうち1/4波長板特性を有する基
板が、少なくとも一方の表面にガスバリヤ層を有し、高
温・高湿度雰囲気における酸素ガス透過性が10ミリリ
ットル/m2・day・MPa以下であることを特徴と
する。
【0013】請求項4に記載の液晶表示装置では、前記
1/4波長板特性を有する基板はガスバリヤ層を備えて
いるので、前記基板がプラスチックフィルムからなる場
合も、酸素ガスによる液晶分子の劣化を防止することが
でき、耐久性を向上させることができる。
【0014】前記1/4波長板特性を有する基板は、固
有複屈折値が正である材料と負である材料とを含有する
構成とすることができる。さらに、前記1/4波長板特
性を有する基板は、固有複屈折値が正の材料からなる第
一の層と、固有複屈折値が負の材料からなる第二の層と
を有し、前記第一の層及び前記第二の層は複屈折を有
し、且つ前記第一の層及び前記第二の層の遅相軸を互い
に直交させて積層してなる構成とすることができる。前
記前記固有複屈折値が正の材料はノルボルネン系ポリマ
ーであるのが好ましく、前記固有複屈折値が負の材料は
ポリスチレン又はスチレン系ポリマーであるのが好まし
い。特に、前記スチレン系ポリマーが、スチレン及び/
又はスチレン誘導体と、アクリロニトリル、無水マレイ
ン酸、メチルメタクリレート及びブタジエンから選ばれ
る少なくとも1種との共重合体であるのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施形態として
の液晶表示装置10の概略断面図を示す。液晶表示装置
10は、一対の透明基板12a及び12bと透明基板1
2a及び12bに挟持された液晶層18とを備える。透
明基板12a及び12bには、各々、液晶層18との間
に透明電極層14及び透明配向膜16が順次形成されて
いる。透明基板12aの背面には光反射層20が配置さ
れ、また透明基板12bの表面には偏光板22が配置さ
れている。透明基板12aの光反射膜20と接する側の
表面には、透明なガスバリヤ層19が形成されている。
透明基板12aは1/4波長板としての特性を有する。
【0016】透明電極層層14は、ITO等の金属酸化
物からなり、例えば、ストライプ状又はセグメント状に
パターニングされていてもよい。透明な配向膜16はポ
リイミド、PVA等の有機ポリマーからなる。液晶層1
8に含有される液晶分子の配向を制御する目的で形成さ
れるが、液晶分子の配向を他の方法で制御可能の場合は
なくてもよい。
【0017】透明基板12aは延伸プラスチックフィル
ムからなり、1/4波長板としての特性を有する。例え
ば、後述する正の複屈折値を有する材料からなる層と負
の複屈折値を有する材料からなる層との積層体の延伸フ
ィルム等が挙げられる。透明基板12bはガラス基板で
あってもプラスチックフィルムであってもよいが、軽量
化及び薄層化が可能な点及び耐衝撃性が高い点で、プラ
スチックフィルムが好ましい。透明基板12bがプラス
チックフィルムからなる場合は、該プラスチックフィル
ムは複屈折性を示さないフィルムであるのが好ましい。
【0018】液晶層18は、ねじれ配向状態のネマチッ
ク型液晶層である。透明電極層14間に電圧を印加しな
い状態では、透明基板12a側の配向膜16と接する液
晶分子と透明基板12b側の配向膜16と接する液晶分
子とは、45°ツイストした配向をとる。一方、透明電
極層14間に液晶飽和電圧より高い電圧を供与すると、
液晶分子は透明基板12a及び12bに垂直に配向す
る。又、偏光板22の偏光軸と、1/4波長板である透
明基板12aの異方性軸とは、同一平面上に投影した際
に、45°の角度をなして交差する様に配置されてい
る。
【0019】次に、液晶表示装置10の画像表示特性に
ついて説明する。透明電極層14間に電圧を供与しない
状態で、偏光板22に光が入射すると、入射した光のう
ち偏光板22の偏光軸に平行な直線偏光成分のみが透過
し、液晶層18に入射する。液晶層18において液晶分
子は45°ツイスト配向しているので、入射した直線偏
光成分は液晶分子の配向により45°回転する。液晶層
18からの出射した直線偏光の偏光方向は透明基板12
aの異方性軸と平行になり、直線偏光は位相差を与えら
れることなく透明基板12aをそのまま透過する。その
後、光反射層20で反射された後、透明基板12aを透
過し、再び液晶層18に入射する。液晶層18に入射し
た直線偏光は液晶分子の配向により−45°回転するの
で、その偏光方向は偏光板22の偏光軸と平行になり、
偏光板22を透過でき、明るい白表示となる。
【0020】一方、透明電極層14間に液晶飽和電圧よ
り高い電圧を供与した状態で、偏光板22に光が入射す
ると、同様に入射した光のうち偏光板22の偏光軸に平
行な直線偏光成分のみが透過し、液晶層18に入射す
る。液晶層18において液晶分子は配向していなので、
直線偏光はその偏光方向が回転することなくそのまま透
明基板12aに入射し、透明基板12aが有する1/4
波長板特性により位相差を与えられる。その後、光反射
層20で反射されて、再び透明基板12aを通過し、位
相差を与えられる。即ち、偏光板22を透過した直線偏
光成分が再び偏光板22に到達するまでに、1/4波長
板である透明基板12aを2度通過するので、直線偏光
の偏光方向は90°回転している。反射され再び偏光板
22を通過する直線偏光成分は、偏光板22の偏光軸と
90°の角度をなしているので、偏光板22を透過する
ことができず、黒表示となる。
【0021】上記では、白黒表示についてのみ記載した
が、液晶飽和電圧未満の電圧を印加することにより、中
間調表示が可能となる。また、例えば、基板12bと偏
光板22との間にカラーフィルタを配置することによ
り、多色の画像表示が可能となる。
【0022】本発明の液晶表示装置は、その他の部材を
備えていてもよい。例えば、偏光板の表面に保護層を備
えていてもよい。また、透明基板12a及び12b間に
所定の間隙を与えるスペーサを備えていてもよく、さら
に、液晶分子を封入して液晶層を形成するためのシール
部材等を備えていてもよい。
【0023】本実施の形態では、一の偏光板のみを使用
しているので、光が偏光板を繰り返し通過することに起
因する光の損失を抑制することができる。その結果、光
の利用効率が向上し、高輝度な表示が可能となる。さら
に、本実施の形態では、基板が1/4波長板を兼ねてい
るので、より簡易な構成で明るい表示が可能な反射型液
晶表示装置を構成することができる。さらに、1/4波
長板を延伸フィルム等のプラスチックフィルムで構成す
ることにより、軽量化及び薄層化を達成することができ
る。
【0024】尚、偏光板22の偏光軸と1/4波長板
(基板12a)の異方性軸との角度は45°に限定され
ず、液晶層18のツイスト角度に応じて、変化させるこ
とができる。
【0025】次に、1/4波長板としての特性を有する
基板(以下、単に「1/4波長基板」という場合があ
る)について、詳細に説明する。前記1/4波長基板と
しては、従来公知の1/4波長板を広く利用することが
できる。前記1/4波長基板は広帯域1/4波長板とし
ての特性を有しているのが好ましく、具体的には、波長
λにおけるレターデーションRe(λ)と波長λとが、
波長λ=450nm、550nm及び650nmにおい
て、各々下記関係式を満たしているのが好ましい。 0.2 ≦ Re(λ)/λ ≦ 0.3
【0026】前記1/4波長基板は、その光弾性率が2
0ブルースター以下であるのが好ましく、10ブルース
ター以下であるのがより好ましく、5ブルースター以下
であるのがさらに好ましい。例えば、前記1/4波長基
板を光反射層と貼合する場合、貼合の際にかかる応力に
は偏りがあり、中央部と比較して端部においてより大き
な応力がかかる。その結果、前記基板のレターデーショ
ンに違いが生じ、端部は白っぽく光抜けし、表示特性を
低下させる場合がある。前記1/4波長基板の光弾性率
が前記範囲内にあると、貼合の際に応力の偏りがある場
合も、部分的にレターデーションに差が生じるのを抑制
できるので好ましい。
【0027】前記1/4波長基板を、固有複屈折値が正
である材料と固有複屈折値が負である材料とを使用して
構成すると、互いの波長分散特性を相殺させることがで
き、配合量及び延伸条件等を調整することにより、広帯
域の1/4波長基板を作製できるので好ましい。また、
固有複屈折値が正である材料と固有複屈折値が負である
材料とを用いると、共押出し及び延伸処理等を利用する
ことにより簡易な工程によって広帯域1/4波長基板を
作製可能となるので好ましい。尚、前記1/4波長基板
は、前記固有複屈折値が正である材料と負である材料と
を単一の層に含有させて構成してもよいし、各々を別々
の層に含有させ、該層を積層して構成してもよい。
【0028】−固有複屈折値が正である材料− 本発明において、「固有複屈折値が正である材料」(以
下、単に「正の材料」という場合がある)とは、分子が
一軸性の秩序をもって配向したときに、光学的に正の一
軸性を示す特性を有する材料をいう。例えば、前記正の
材料が樹脂である場合では、分子が一軸性の配向をとっ
て形成された層に光が入射したとき、前記配向方向の光
の屈折率が前記配向方向に直交する方向の光の屈折率よ
り大きくなる樹脂をいう。前記正の材料としては、オレ
フィン系ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ノルボルネン系ポリマー、シクロオレフィン系ポ
リマーなど)、ポリエステル系ポリマー(例えば、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
など)、ポリアリーレンサルファイド系ポリマー(例え
ば、ポリフェニレンサルファイドなど)、ポリビニルア
ルコール系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポ
リアリレート系ポリマー、セルロースエステル系ポリマ
ー(前記固有複屈折値が負であるものもある)、ポリエ
ーテルスルホン系ポリマー、ポリスルホン系ポリマー、
ポリアリルサルホン系ポリマー、ポリ塩化ビニル系ポリ
マー、あるいはこれらの多元(二元、三元等)共重合ポ
リマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用し
てもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明におい
ては、これらの中でも、オレフィン系ポリマーが好まし
く、オレフィン系ポリマーの中でも、光透過率特性、耐
熱性、寸度安定性、光弾性特性等の観点から、ノルボル
ネン系ポリマーが特に好ましい。前記オレフィン系ポリ
マーとしては、日本合成ゴム製の「アートソー」、日本
ゼオン製の「ゼオネックス」および「ゼオノア」、三井
石油化学製の「APO」等が好適に利用される。
【0029】前記ノルボルネン系ポリマーは、ノルボル
ネン骨格を繰り返し単位として有してなり、その具体例
としては、特開昭62−252406号公報、特開昭6
2−252407号公報、特開平2−133413号公
報、特開昭63−145324号公報、特開昭63−2
64626号公報、特開平1−240517号公報、特
公昭57−8815号公報、特開平5−39403号公
報、特開平5−43663号公報、特開平5−4383
4号公報、特開平5−70655号公報、特開平5−2
79554号公報、特開平6−206985号公報、特
開平7−62028号公報、特開平8−176411号
公報、特開平9−241484号公報等に記載されたも
のが好適に利用できるが、これらに限定されるものでは
ない。また、これらは、1種単独で使用してもよいし、
2種以上を併用してもよい。
【0030】本発明においては、前記ノルボルネン系ポ
リマーの中でも、下記構造式(I)〜(IV)のいずれか
で表される繰り返し単位を有するものが好ましい。
【0031】
【化1】
【0032】前記構造式(I)〜(IV)中、A、B、C
及びDは、各々独立して、水素原子又は1価の有機基を
表す。
【0033】また、前記ノルボルネン系ポリマーの中で
も、下記構造式(V)または(VI)で表される化合物の
少なくとも1種と、これと共重合可能な不飽和環状化合
物とをメタセシス重合して得られる重合体を水素添加し
て得られる水添重合体も好ましい。
【0034】
【化2】
【0035】前記構造式中、A、B、C及びDは、各々
独立して、水素原子又は1価の有機基を表す。
【0036】前記ノルボルネン系ポリマーの重量平均分
子量としては、5,000〜1,000,000程度で
あり、8,000〜200,000が好ましい。
【0037】−固有複屈折値が負である材料− 本発明において、「固有複屈折値が負である材料」(以
下、単に「負の材料」という場合がある)とは、分子が
一軸性の秩序をもって配向したときに、光学的に負の一
軸性を示す特性を有する材料をいう。例えば、前記負の
材料が樹脂である場合、分子が一軸性の配向をとって形
成された層に光が入射したとき、前記配向方向の光の屈
折率が前記配向方向に直交する方向の光の屈折率より小
さくなる樹脂をいう。前記負の材料としては、ポリスチ
レン、ポリスチレン系ポリマー(スチレン及び/又はス
チレン誘導体と他のモノマーとの共重合体)、ポリアク
リロニトリル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート系
ポリマー、セルロースエステル系ポリマー(前記固有複
屈折値が正であるものもある)、あるいはこれらの多元
(二元、三元等)共重合ポリマーなどが挙げられる。こ
れらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用
してもよい。前記ポリスチレン系ポリマーとしては、ス
チレン及び/又はスチレン誘導体と、アクリルニトリ
ル、無水マレイン酸、メチルメタクリレートおよびブタ
ジエンから選ばれる少なくとも1種との共重合体が好ま
しい。本発明においては、これらの中でも、ポリスチレ
ン、ポリスチレン系ポリマー、ポリアクリロニトリル系
ポリマー及びポリメチルメタクリレート系ポリマーの中
から選択される少なくとも1種が好ましく、これらの中
でも、複屈折発現性が高いという観点から、ポリスチレ
ン及びポリスチレン系ポリマーがより好ましく、耐熱性
が高い点で、スチレン及び/又はスチレン誘導体と無水
マレイン酸との共重合体が特に好ましい。
【0038】前記ポリスチレン系ポリマーとしては、市
販品を使用してもよく、具体的には、スチレン−無水マ
レイン酸共重合樹脂の市販品として、ノバケミカル社製
の「ダイラーク D332」等が好ましく使用される。
【0039】−正の材料と負の材料との好ましい組合せ
− 本発明において、前記固有複屈折値が正である材料と負
である材料とは、以下に示す条件を満たすことを指標と
して組合せるのが好ましい。波長450nm及び波長5
50nmにおけるレターデーション(Re)値の絶対値
をそれぞれRe(450)及びRe(550)としたと
き、前記正の材料の(Re(450)/Re(55
0))の値と、前記負の材料の(Re(450)/Re
(550))の値とが等しくならない(即ち、一方が他
方よりも小さいか又は大きい)組合せが好ましいものと
して挙げられる。より具体的には、両値の差が、0.0
3以上となる組合せが好ましく、0.05以上である組
合せがより好ましい。
【0040】更に、前記正の材料の(Re(450)/
Re(550))の値が、前記負の材料の(Re(45
0)/Re(550))の値よりも大きいときは、前記
正の材料のRe(550)の値が前記負の材料のRe
(550)の値よりも小さいこと、及び、前記正の材料
の(Re(450)/Re(550))の値が、前記負
の材料の(Re(450)/Re(550))の値より
も小さいときは、前記正の材料のRe(550)の値が
前記負の材料のRe(550)の値よりも大きいこと、
の一方を満たす組合せが好ましい。
【0041】次に、前記正の材料および負の材料が各々
樹脂である場合の好ましい組合せについて説明する。固
有屈折値(Δn)の波長分散性が大きい樹脂を負の材料
として使用する場合は、正の材料としてはΔnの波長分
散性が小さい樹脂を使用するのが好ましい。また、固有
屈折値(Δn)の波長分散性が小さい樹脂を負の材料と
して使用する場合は、正の材料としてはΔnの波長分散
性が大きい樹脂を使用するのが好ましい。例えば、前記
正の材料としてノルボルネン系ポリマーを使用する場合
は、前記負の材料としては、その固有複屈折値の波長分
散が大きいものが好ましく、具体的には、波長450n
mおよび波長550nmの固有複屈折値(Δn)を、各
々、Δn(450)およびΔn(550)としたとき、
下記関係式を満たす樹脂から選ばれるのが好ましい。 |Δn(450)/Δn(550)| ≧ 1.02 さらに、下記関係式を満たす樹脂から選ばれるのがより
好ましい。 |Δn(450)/Δn(550)| ≧ 1.05 尚、|Δn(450)/Δn(550)|の値は大きい
ほうが好ましいが、樹脂の場合一般的には2.0以下で
ある。
【0042】より具体的には、前記負の材料が、前記
(Re(450)/Re(550))の値が小さいポリ
メチルメタクリレート等の場合、これと組合せる前記正
の材料としては、ポリエチレンテレフタレート系ポリマ
ー、ポリフェニレンサルファイド系ポリマー、ポリカー
ボネート系ポリマー、ポリアリレート系ポリマー、ポリ
エーテルスルホン系ポリマー、ポリスルホン系ポリマ
ー、ポリアリルサルホン系ポリマー、ポリ塩化ビニル系
ポリマー、などが好ましい。また、前記負の材料が、前
記(Re(450)/Re(550))の値が大きいポ
リスチレン及びポリスチレン系ポリマー等の場合、これ
と組合せる前記正の材料としては、オレフィン系ポリマ
ー及びシクロオレフィン系ポリマー(例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマー等)、
セルロースエステル系ポリマー、などが好ましい。中で
も、負の材料としてポリスチレン及び/またはポリスチ
レン系ポリマーと、正の材料としてオレフィン系ポリマ
ーの中でもノルボルネン系ポリマーとの組合せが特に好
ましい。
【0043】前記1/4波長基板は、少なくとも片側の
表面にガスバリヤ層を備えているのが好ましい。ガスバ
リヤ層を備えていると、酸素等による液晶分子の劣化を
抑制し、長期間にわたって高輝度な画像表示が可能とな
る。前記ガスバリヤ層は、ガス、特に酸素に対するバリ
ヤ性を有する層である。高温・高湿度雰囲気における酸
素ガス透過性が10ミリリットル/m2・day・MP
a以下であるのが好ましい。前記ガスバリヤ層の酸素ガ
ス透過性は、より好ましくは5ミリリットル/m2・d
ay・atmであり、さらに好ましくは3ミリリットル
/m2・day・atmである。尚、本発明において、
酸素ガス透過性は、JIS K−7126B法に従い、
例えば、MOCON社製OX−TRAN2/20MH等
を用いて測定した値を、前記SI単位に換算したものを
示す。また、本発明において「高温・高湿度」とは、温
度60℃及び湿度90%RHのことをいう。
【0044】前記ガスバリヤ層は、有機材料からなる層
であっても、無機材料からなる層であってもよい。無機
材料からなる層は特に高いガスバリヤ性を有するので、
無機材料を用いるとガスバリヤ層を薄層化できる点で好
ましい。ガスバリヤ性を有する層を形成可能な有機材料
としては、塩化ビニリデンポリマー、PVA等が挙げら
れる。ガスバリヤ性を有する層を形成可能な無機材料と
しては、金属酸化物が挙げられ、具体的には、In及び
Snの合金酸化物、SiOx(x=1.0〜2.
0))、Al23、ZnO等が挙げられる。また、Si
AlON、SiAlN等のケイ素アルミ系化合物も好ま
しく用いられる。前記ガスバリヤ層は、有機材料から構
成する場合、塗布方法等を利用して形成することがで
き、無機材料から構成する場合、真空蒸着法、スパッタ
リング法及びイオンプレーティング法等を利用して形成
することができる。また、前記ガスバリヤ層を無機材料
から構成する場合、膜厚は10nm〜500nmである
のが好ましく、20nm〜100nmであるのがより好
ましい。
【0045】前記正の材料と負の材料とを利用した1/
4波長特性を有する基板としては、固有複屈折値が正の
樹脂と負の樹脂とのポリマーブレンドからなるブレンド
層と、前記ブレンド層上に形成されたガスバリヤ層とを
有する基板が挙げられる。前記基板は、前記正の材料と
負の材料とのブレンドポリマー(必要に応じて相溶化剤
を含有する)を、任意の有機溶媒に溶解して塗布液を調
製し、該塗布液を仮支持体上に塗布し乾燥することによ
り成膜化して製造することができる(溶液製膜法)。あ
るいは、前記配合物をペレット化して溶融押出し、成膜
化して製造することもできる(押出成形法)。レターデ
ーションは、延伸処理を施すことによって所望の範囲と
することができる。延伸処理としては、機械的流れ方向
に延伸する縦一軸延伸、機械的流れ方向に直交する方向
に延伸する横一軸延伸(例えば、テンター延伸など)な
どが好適に挙げられるが、若干であれば二軸延伸を行っ
てもよい。
【0046】前記正の材料と負の材料とを利用した1/
4波長特性を有する基板の他の例としては、積層型の基
板が挙げられる。具体的には、固有複屈折値が正の樹脂
(以下、単に「正の樹脂」という場合がある)からなる
層と固有複屈折値が負の樹脂(以下、単に「負の樹脂」
という場合がある)からなる層と、ガスバリヤ層とを積
層した構成の基板が挙げられる。正の樹脂からなる層と
負の樹脂からなる層とは複屈折を有し、その遅相軸を互
いに直交させて積層されている。即ち、各々の層に含有
される正の樹脂の分子の配向方向と前記負の樹脂の配向
方向とは一致している。従って、前記基板のレターデー
ションは、正の樹脂からなる層と負の樹脂からなる層の
各レターデーションの和となるので、遅相軸を互いに直
交させて積層することによって、短波長側のレターデー
ションは小さく、且つ長波長側のレターデーションを大
きくすることができる。その結果、波長λにおけるレタ
ーデーションRe(λ)と波長との比Re(λ)/λ
を、可視光全域においてほぼ一定(好ましくは0.2以
上0.3以下)にすることができる。
【0047】また、前記積層型の1/4波長基板は、正
または負の樹脂からなる第三および第四の層を有してい
てもよい。特に、断面が対称性を有する構成が好まし
く、例えば、固有複屈折値が正、負、および正の樹脂か
らなる層を順次積層した態様及び固有複屈折値が負、
正、および負の樹脂からなる層を順次積層した態様が好
ましい。また、3層構造の態様では、固有複屈折値の符
号が一致した樹脂からなる層については、互いの遅相軸
を一致させて積層されているのが好ましい。さらに、固
有複屈折値の符号が一致した樹脂は、同一の材料である
のが好ましい。
【0048】前記正の樹脂からなる層と前記負の樹脂か
らなる層との間に、双方の層の接着性を向上させる層
(以下、「接着層」という場合がある)を配置してもよ
い。該層には、前記正の樹脂および前記負の樹脂の双方
と親和性がある材料が使用され得る。例えば、前記正の
樹脂としてノルボルネン系ポリマーを使用し、且つ前記
負の樹脂としてポリスチレン(またはポリスチレン系ポ
リマー)を使用した場合、前記接着層は、オレフィン系
ポリマー及びポリスチレン(またはスチレン系ポリマ
ー)のいずれかの成分を有する層であり、ガラス転移点
が前記正の樹脂および負の樹脂のガラス転移点と比較し
て5℃以下(より好ましくは10℃以下)低いポリマー
からなる層であるのが好ましい。但し、これに限定され
るものではない。尚、前記接着層の複屈折と厚みとの積
は小さいほうが好ましい。
【0049】前記積層型の1/4波長基板は、種々の方
法で製造することができる。中でも、正の樹脂と負の樹
脂とを共押出しし、前記正の樹脂からなる第1の層と前
記負の樹脂からなる第2の層とを積層して積層体を作製
し、さらに、前記積層体を延伸し、レターデーションを
調整して作製するのが好ましい。
【0050】前記積層体を形成する工程では、例えば、
押出し機中に、正の樹脂と負の樹脂を各々格納し、加熱
および加圧して、各々流動状態とし、それをダイから各
々連続的に押出して、積層体にする。引き続き、該積層
体をニップロールのニップ部に連続的に挿通させて、圧
着してもよい。前記積層体を延伸してレターデーション
を調整する工程は、種々の延伸機を用いて実施すること
ができる。例えば、機械的流れ方向に延伸する縦一軸延
伸、機械的流れ方向に直交する方向に延伸するテンター
延伸などが好適に利用できる他、厚み方向制御のため、
ニ軸性を付与することも可能である。ここで、延伸温度
は、層を構成する基本材料(正の樹脂および負の樹脂)
の最低ガラス転移温度をTgminとしたとき、(Tgmin
−20)℃〜(Tgmin)℃に設定するのが好ましい。
【0051】Re(450)<Re(550)<Re
(650)の特性を満たすには、固有複屈折値が負の樹
脂と正の樹脂について、重量比、延伸温度および延伸倍
率等を調整することで制御できる。例えば、固有複屈折
値が正の樹脂としてノルボルネン系ポリマーを、固有複
屈折値が負の樹脂としてポリスチレンを使用する場合の
調整方法の例を示す。ポリスチレンおよびノルボルネン
系ポリマーの溶融軟化温度を各々TsおよびTnとす
る。Ts<Tnであるので、Tnに近い温度で、ノルボ
ルネン系ポリマーからなる層とポリスチレンからなる層
との積層体を延伸すると、ポリスチレン分子の配向緩和
が速く、ポリスチレンからなる層の分子は殆ど配向せ
ず、ポリスチレンからなる層は複屈折を有しない。その
結果、ノルボルネン系ポリマーからなる層とポリスチレ
ンからなる層とを積層した積層フィルムは、ノルボルネ
ン系ポリマーからなる層が示す波長分散にほぼ等しくな
る。延伸温度を低くするにしたがって、ポリスチレン分
子は配向するようになり、ポリスチレンからなる層は複
屈折を有するようになる。ポリスチレンからなる層のレ
ターデーションは負であるので、ノルボルネン系ポリマ
ーからなる層が有する正のレターデーションは減少す
る。レターデーションの減少割合は、ポリスチレンの波
長分散のため、短波長側が大きくレターデーション減少
し、結果として、Re(450)<Re(550)<R
e(650)の特性が得られる。延伸温度を制御するこ
とで、可視光波長全域にわたって、Re(λ)/λを一
定とし、広帯域にわたって、均一な位相差特性を示す位
相差板とすることができる。また、延伸倍率調整で広帯
域1/4波長特性を得ることができる。
【0052】正の樹脂からなる層と負の樹脂からなる層
との間に前記接着層を有する1/4波長基板を形成する
際には、前記接着層を構成している樹脂として、前記延
伸温度より低温の溶融軟化温度を有する樹脂を使用する
のが好ましい。具体的には、ガラス転移点が低い樹脂を
使用するのが好ましく、前記固有複屈折値が正の樹脂及
び前記固有複屈折値が負の樹脂に対して、5℃以上低い
ガラス転移温度を有する樹脂を使用するのがより好まし
く、更に好ましくは20℃以上である。
【0053】その他、1/4波長基板には、WO00/
26705号明細書に記載の変性ポリカーボネートから
なる1/4波長板、特開2000−206331号公報
に記載の2つの光学異方性層の積層体、特開平10−3
10370号公報及び特開平10−137116号公報
等に記載の酢酸セルロース等を使用することもできる。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例によってなんら限定され
るものではない。
【0055】図1と同様の構成の液晶表示装置を作製し
た。まず、基板12aとして以下の1/4波長基板を作
製した。固有複屈折値が正の樹脂として、シクロオレフ
ィン系ノルボルネン樹脂(商品名「ゼオノア1420
R」;日本ゼオン社製)、固有複屈折値が負の樹脂とし
て、ポリスチレン(商品名「HF−77」;エーアンド
エムスチレン社製)を使用した。これらの樹脂について
は、予め窒素パージ下で乾燥させ、水分量を低下させた
ものを使用した。尚、波長450nm、波長550nm
におけるレターデーション(Re)の絶対値をそれぞれ
Re(450)、Re(550)としたとき、前記シク
ロオレフィン系ノルボルネン樹脂の(Re(450)/
Re(550))の値は1.005であり、前記ポリス
チレンの(Re(450)/Re(550))の値は
1.080であり、両値は同一ではなく、その差は0.
075である。
【0056】前記樹脂を押出し装置(東洋精機製の「L
ABO PLASTOMILI」)の内部に格納し、共
押し出しして3層構成の積層体(ノルボルネン系樹脂/
ポリスチレン/ノルボルネン系樹脂)を作製し、引き続
き延伸処理を施し、1/4波長板を作製した。前記押出
し装置のダイスには2台の押出し機が取り付けられ、各
々に格納された樹脂ホッパーが、ダイス内部で合流する
構造となっている。一の押出し機には2つの開口部があ
り、ダイス内部では、一方の押出し機から押出された樹
脂ホッパー1を中心として、他方の押出し機(2つの開
口部を有する)の2つの開口部から押出された樹脂ホッ
パー2が樹脂ホッパー1の両側から合流する構造となっ
ている。また、ダイスの下部には、複数のロールが配置
され、ダイスから押出された3層構造の積層体の厚み制
御が可能に構成されている。
【0057】一方の押出し機に前記ポリスチレンのホッ
パー及び2つの開口部を有する他方の押出し機に前記ノ
ルボルネン系樹脂のホッパーを各々格納し、ノルボルネ
ン系樹脂/ポリスチレン/ノルボルネン系樹脂からなる
3層構造の溶融成形フィルムを作製した。積層フィルム
の厚みに関しては、複数のロールの周速制御により調整
し、102μmの厚みの積層フィルムを得た。得られた
積層フィルムを95℃の雰囲気で19%の延伸処理を施
し、延伸フィルムを得た。得られた19%延伸フィルム
について、Reの波長依存性を王子計測製「KOBRA
21DH」にて各々測定したところ、前記延伸フィル
ムは、可視光全域にわたってReが波長の1/4を示す
広帯域1/4波長板特性を有していることがわかった。
また、得られた延伸フィルムについて、光弾性率を日本
分光製「M−150」を用いて測定したところ8ブルー
スターであった。これを1/4波長基板12aとした。
【0058】次に、得られた基板12aのノルボルネン
系樹脂層上にSiO1.8をスパッタリングして、厚さ約
50nmのガスバリア膜19を形成した。次いで、前記
ガスバリヤ層19が形成されていない側のノルボルネン
系樹脂層上に、ITOをスパッタリングして厚さ約10
0nmの透明導電性薄膜14を形成し、エッチングによ
りストライプ状にパターン化した。得られた基板12a
のシート抵抗値は20Ω/□であり、温度60℃及び湿
度90%RHにおける酸素ガス透過性は7ミリリットル
/m2・day・MPaであった。
【0059】基板12bとして、基板12aの作製にお
いて、延伸処理を施す前の積層体フィルムを用いた。前
記積層フィルムに、基板12bと同様にガスバリヤ層
(図1中不図示)及び透明導電性膜14を形成した。
【0060】偏光板22は、偏光板22の偏光軸及び基
板12aの異方性軸を同一平面に投影した際に、45°
の角度で交差する様に配置した。また、基板12a及び
12bを、透明導電性膜14を対向させてスペーサ(図
1中不図示)により所定の間隔で配置し、該間隔に液晶
分子を封入し、液晶層18を形成した。液晶分子は、透
明導電性膜14に電圧を供与しない状態では、基板12
a及び12b上に形成されたポリアミド配向膜16によ
って、基板12a側の配向膜16と接する液晶分子と基
板12b側の配向膜16と接する液晶分子が45°ツイ
ストした配向をとる。一方、透明導電性膜14に液晶飽
和電圧を超える電圧を供与した状態では、液晶分子は基
板12a及び12bに垂直に配向する。
【0061】これらの部材を貼合して、図1に示す構成
の液晶表示装置10を作製した。この液晶表示装置10
は、透明導電性薄膜14に電圧を供与しない状態では黒
を表示し、透明導電性薄膜14に液晶飽和電圧を超える
電圧を供与した状態では明るい白を表示した。従って、
液晶表示装置10は、別途位相差板を配置することな
く、良好な白黒表示が可能であった。さらに、基板12
a及び12bはいずれもプラスチックフィルムであるの
で、非常に薄層であり且つ軽量であった。また、基板に
ガラスを使用していないので、耐衝撃性にも優れてい
た。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、軽
量化及び薄層化が可能であり、且つ簡易な構成の液晶表
示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる液晶表示装置の概
略断面図である。
【符号の説明】
10 液晶表示装置 12a 透明基板(1/4波長板) 12b 透明基板 14 透明電極層 16 透明配向膜 18 液晶層 19 ガスバリヤ層 20 光反射層 22 偏光板
フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA07 BA42 BB03 BB44 BB46 BB47 BB48 BC22 2H090 HB08Y JA16 JA19 JB03 JB07 JB13 JC07 JD11 KA05 LA08 LA09 2H091 FA08X FA11Z FA14Z FD06 GA06 GA16 HA07 KA02 LA13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板と、前記一対の基板に挟持さ
    れた液晶層とを備えた液晶表示装置において、前記一対
    の基板の少なくとも一方の基板が1/4波長板特性を有
    することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】前記一対の基板のうち前記1/4波長板特
    性を有する基板よりも外側に配置された光反射部材と、
    他の基板に対してより外側に配置された偏光板とを備え
    た請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記一対の基板のうち1/4波長板特性
    を有する基板の波長λにおけるレターデーションRe
    (λ)と波長λとが、波長λ=450nm、550nm
    及び650nmにおいて、各々下記関係式を満たすこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。 0.2 ≦ Re(λ)/λ ≦ 0.3
  4. 【請求項4】 前記一対の基板のうち1/4波長板特性
    を有する基板が、少なくとも一方の表面にガスバリヤ層
    を有し、高温・高湿度雰囲気における酸素ガス透過性が
    10ミリリットル/m2・day・MPa以下であるこ
    とを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記
    載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記一対の基板のうち1/4波長板特性
    を有する基板が、固有複屈折値が正である材料と負であ
    る材料とを含有してなることを特徴とする請求項1から
    4までのいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記一対の基板のうち1/4波長板特性
    を有する基板が、固有複屈折値が正の材料からなる第一
    の層と、固有複屈折値が負の材料からなる第二の層とを
    有し、前記第一の層及び前記第二の層は複屈折を有し、
    且つ前記第一の層及び前記第二の層の遅相軸を互いに直
    交させて積層してなることを特徴とする請求項5に記載
    の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 前記固有複屈折値が正の材料がノルボル
    ネン系ポリマーであることを特徴とする請求項5又は6
    に記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 前記固有複屈折値が負の材料がポリスチ
    レン又はスチレン系ポリマーであることを特徴とする請
    求項5から7までのいずれか1項に記載の液晶表示装
    置。
  9. 【請求項9】 前記スチレン系ポリマーが、スチレン及
    び/又はスチレン誘導体と、アクリロニトリル、無水マ
    レイン酸、メチルメタクリレート及びブタジエンから選
    ばれる少なくとも1種との共重合体であることを特徴と
    する請求項8に記載の液晶表示装置。
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