JP2002075100A - 真空バルブ用電極およびその製造方法 - Google Patents

真空バルブ用電極およびその製造方法

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JP2002075100A
JP2002075100A JP2000259332A JP2000259332A JP2002075100A JP 2002075100 A JP2002075100 A JP 2002075100A JP 2000259332 A JP2000259332 A JP 2000259332A JP 2000259332 A JP2000259332 A JP 2000259332A JP 2002075100 A JP2002075100 A JP 2002075100A
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Japan
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electrode
vacuum valve
arc
movable
ppm
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JP2000259332A
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English (en)
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Masaya Takahashi
雅也 高橋
Masahito Kobayashi
将人 小林
Yoshitomo Goto
芳友 後藤
Shigeru Kikuchi
菊池  茂
Masayuki Doi
昌之 土井
Yasuaki Suzuki
安昭 鈴木
Yoshio Koguchi
義雄 湖口
Noboru Baba
馬場  昇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アーク電極の主成分である耐火性金属の製錬
方法が異なり、含まれる微量元素の量が変わっても、従
来と変わらない遮断性能,耐電圧,耐溶着性を備えた真
空バルブ用電極を提供する。 【解決手段】 固定側電極17と、可動側電極16と、
固定側電極17および可動側電極16をそれぞれ支持す
る電極支持部9と、電極支持部9を背面から支持する電
極棒10とを有する真空バルブ用電極において、固定側
電極17および可動側電極両電極16の対向する全面
が、耐火性金属と高導電性金属との合金からなるアーク
電極7によって構成され、電極支持部9が、高導電性金
属からなり、電極棒10が、高導電性金属からなり、前
記耐火性金属が、微量元素として、Alを30ppm〜
3000ppm,Siを20ppm〜2500ppm,
Feを1300ppm〜3000ppm含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空遮断器に用い
られる真空バルブ用電極およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】真空遮断器は、断路器,接地開閉器,避雷
器,交流器などとともに使用されて、各種ビル,ホテル,
変電所,地下街,石油コンビナート,工場,駅,車両,病院,
会館,上下水道などの高圧受電設備/変電設備内に用い
られる装置である。
【0003】真空遮断器の一部を構成する真空バルブ内
には、一対の固定側電極と可動側電極とを対向させて配
置し、互いに接する側にアーク電極を形成してある。固
定側電極と可動側電極とは、それぞれ、アーク電極の背
面に電極支持部を有する。さらに、電極支持部からは電
極棒が外部に延び、外部導体端子に接続されている。こ
れらのアーク電極,電極支持部,電極棒は、導電性母材に
より形成される。
【0004】アーク電極は、高電圧の大電流を開閉する
ため、アークに直接さらされる。このようなアーク電極
に要求される特性は、遮断容量が大きいこと、耐電圧値
が高いこと、接触抵抗値が小さいこと(電気伝導性に優
れていること)、耐溶着性に優れていること、電極消耗
量が少ないこと、裁断電流値が小さいことなどである。
【0005】しかし、これらの特性を全て満足すること
は困難である。一般には、用途に応じた特性を特に重視
し、他の特性はある程度犠牲にした材料が使用されてい
る。
【0006】例えば、特開昭63−96204号公報
は、高電圧の大電流遮断用アーク電極材料として、Cr
またはCr−Cu成形体にCuを溶浸させる方法を開示
している。
【0007】この種の方法において、アーク電極は、C
r粉末またはCr粉末とCu粉末との混合粉を所定の組
成,形状,空孔量に成形し、成形体にCuまたはその合金
溶湯をしみ込ませるいわゆる溶浸法により製造され、所
定形状に加工される。
【0008】加工されたアーク電極背面には、電極支持
部および電極棒がろう付け接合され、一連の電極構造と
なる。
【0009】しかし、ろう付け接合で形成される真空バ
ルブ用電極は、部品組立時の各部品の芯合わせなどに多
くの手間と時間とがかかる。また、ろう付け不良は、電
極材の破壊事故や脱落事故の原因となる。
【0010】また、特開平11−73830号公報は、
高導電性成分としてCuまたはAgの少なくとも1種の
量を40〜80重量%とし、第1補助成分としてAl,
Si,Feから選んだ1つ以上の元素の量を0.01〜
1.0%,残部の所定量が耐火性成分としてCrを含ん
だ混合粉末で構成される接点材料を開示している。
【0011】しかし、発明者らの知見および実験では、
「Al,Si,Feから選んだ1つ以上の元素の量を
0.01〜1.0%」の範囲内にあるAl,Si,Feが
1つまたは2つの場合に、所望の特性が得られないこと
が明らかとなった。
【0012】さらに、特許第2874522号公報(=
特開平07−29461号公報)は、製造過程におい
て、アーク電極,電極支持部,電極棒を一体化する方法
として、耐火性金属であるCrと高導電性金属であるC
uとからなる成形体に、高導電性金属であるCuまたは
その合金溶湯をしみ込ませるとともに、高導電性金属の
残部をもって電極支持部および電極棒を形成したいわゆ
る一体溶浸法を開示している。
【0013】アーク電極の主成分である耐火性金属とし
て、従来は、電解粉を用いていた。
【0014】しかし、電解粉は、製錬費用がかかり、高
価で需要が伸びないので、メーカは、電解による耐火性
金属の生産を中止する方向にある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来、アーク電極の製
造に用いていた電解による耐火性金属は、電解精錬とい
われる湿式法により製錬していた。
【0016】しかし、上記の通り、電解による耐火性金
属の代替が急務となっている現在では、もう一つの製錬
法であるテルミット法すなわち乾式法により製錬した耐
火性金属を用いて、アーク電極を製造しなければならな
い方向に進んでいる。
【0017】本発明の目的は、アーク電極の主成分であ
る耐火性金属の製錬方法が異なり、含まれる微量元素の
量が変わっても、従来と変わらない遮断性能,耐電圧,
耐溶着性を備えた真空バルブ用電極を提供することであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、固定側電極と、可動側電極と、固定側電
極および可動側電極をそれぞれ支持する電極支持部と、
電極支持部を背面からそれぞれ支持する電極棒とを有す
る真空バルブ用電極において、固定側電極および可動側
電極両電極の対向する全面が、耐火性金属と高導電性金
属との合金からなるアーク電極により構成され、アーク
電極を支持する電極支持部が、高導電性金属からなり、
電極支持部を背面から支持する電極棒が、高導電性金属
からなり、耐火性金属が、微量元素として、Alを30
ppm〜3000ppm,Siを20ppm〜2500
ppm,Feを1300ppm〜3000ppm含む真
空バルブ用電極を提案する。
【0019】本発明は、また、固定側電極と、可動側電
極と、固定側電極および可動側電極をそれぞれ支持する
電極支持部と、電極支持部を背面からそれぞれ支持する
電極棒とを有する真空バルブ用電極において、固定側電
極および可動側電極両電極の対向する全面が、耐火性金
属と高導電性金属との合金からなるアーク電極により構
成され、アーク電極を支持する電極支持部が、高導電性
金属からなり、電極支持部を背面から支持する電極棒
が、高導電性金属からなり、耐火性金属が、微量元素と
して、Alを30ppm〜3000ppm,Siを20
ppm〜2500ppm,Feを1300ppm〜30
00ppm,酸素を50ppm〜5000ppm含む真
空バルブ用電極を提案する。
【0020】アーク電極が、酸素を50ppm〜500
0ppm含む場合、必要な耐電圧特性および導電率が得
られ、特に、アークが溝に沿って回りやすく、遮断性能
に優れることを発見した。酸素は、真空バルブ用電極と
して完成した状態では、単独で存在する必要はなく、A
l,Si,Feと化合し、酸化アルミニウム,二酸化珪
素,酸化鉄の形で含まれていてもよい。このように酸化
物の形で存在すると、遮断性能がより安定することを確
認した。
【0021】アーク電極と電極支持部と電極棒とが、高
導電性金属の溶融により一体に形成され、固定側電極お
よび可動側電極は、互いに向き合う面において電極内周
側から外周側にかけて形成された3本の溝を有し、前記
溝が、固定側電極および可動側電極の外周側端部まで達
して固定側電極および可動側電極を3分割し、前記溝
が、アーク電極と電極支持部とを貫通している構造も採
用できる。
【0022】アーク電極と電極支持部および電極棒とが
金相学的に一体化しているので、アーク電極の脱落など
の恐れがなく、接合界面がないから抵抗加熱による局部
的な温度上昇がない。また、内周側から外周側へかけて
の溝の本数を3本とすることで、羽根形状の根元を太く
でき、変形を防止できる。
【0023】電極支持部と電極棒とが、冶金的に接合さ
れ、固定側電極および可動側電極は、互いに向き合う面
において電極内周側から外周側にかけて形成された3本
の溝を有し、前記溝が、固定側電極および可動側電極の
外周側端部まで達して固定側電極および可動側電極を3
分割し、前記溝が、アーク電極と電極支持部とを貫通し
ているようにしてもよい。
【0024】アーク電極と電極支持部が金相学的に一体
化し、電極棒は冶金的接合とすると、一体溶浸鋳塊の電
極棒部分の加工しろが大きいという問題を解消できる。
【0025】真空バルブ用電極は、電極支持部の背面の
一部には高剛性金属または合金からなる補強板を有し、
補強板の一部を介して電極支持部の背面から連なる高導
電性金属からなる電極棒を有し、アーク電極と電極支持
部とは、高導電性金属の溶融によって一体に形成され、
電極支持部,補強板,電極棒は、冶金的に接合され、固
定側電極および可動側電極は、互いに向き合う面におい
て電極内周側から外周側にかけて形成された3本以上の
溝を有し、前記溝が、固定側電極および可動側電極の外
周側端部まで達して固定側電極および可動側電極を溝の
本数に分割し、前記溝が、アーク電極と電極支持部とを
貫通していることも可能である。
【0026】電極支持部の背面に補強板を設けると、溝
により分割された羽根型の根元が補強され、変形の恐れ
がなく、溝を4本以上とすることができる。
【0027】なお、この補強板は、高導電性金属の溶融
で鋳ることもでき、アーク電極から電極棒までを金相学
的に一体化できる。
【0028】アーク電極は、耐火性金属としてCrおよ
びW,Mo,Ta,Nb,Be,Hf,Ir,Pt,Zr,Ti,
Te,Si,V,Fe,Co,Ni,Mn,Rh,Ruの1種ま
たは2種以上の混合物またはこれらの化合物と、高導電
性金属としてCu,AgまたはAuからなる金属またはこ
れらを主にした合金とからなり、電極支持部は、高導電
性金属または高導電性金属を主にした合金からなる。
【0029】アーク電極は、耐火性金属としてCrおよ
びW,Mo,Ta,Nb,Be,Hf,Ir,Pt,Zr,Ti,
Te,Si,V,Fe,Co,Ni,Mn,Rh,Ruの1種ま
たは2種以上の合金を合計量70〜20重量%含み、高
導電性金属としてCu,AgまたはAuからなる金属また
はこれらを主にした合金を30〜80重量%含み、電極
支持部は、高導電性金属または高導電性金属を主にした
合金からなる。
【0030】これにより、遮断性能、耐電圧、耐溶着性
に優れ、必要な機械的強度を有する真空バルブ用電極が
得られる。
【0031】電極支持部の比抵抗は、1.8μΩcm〜
5.6μΩcmである。アーク電極の比抵抗は、3.7μ
Ωcm〜6.6μΩcmである。
【0032】この比抵抗値にすれば、必要な耐電圧特性
および導電率を有する真空バルブ用電極が得られる。
【0033】多孔質成形体をなす耐火性金属であるCr
およびW,Mo,Ta,Nb,Be,Hf,Ir,Pt,Zr,
Ti,Te,Si,V,Fe,Co,Ni,Mn,Rh,Ruの
1種または2種以上の原料粉末は、150μm以上の粒
子が5重量%以下、32μm以下の粒子が5重量%以下
の粒度分布をもつ。
【0034】多孔質成形体をなす高導電性金属であるC
u,AgまたはAuからなる金属またはこれらを主にした
合金の原料粉末は、粒径が74μm以下である。
【0035】この範囲の規制により、耐火性金属と高導
電性金属とが均一に分散した混合組織が得られ、安定し
た性能が得られる。
【0036】
【発明の実施の形態】次に、図1〜図7を参照して、本
発明による真空バルブ用電極およびその製造方法の実施
形態を説明する。
【0037】図1は、本発明による溶浸鋳塊1の構造を
示す断面図である。溶浸鋳塊1は、アーク電極部材2と
電極支持部材3とからなる。
【0038】図2は、図1の溶浸鋳塊1の製造方法を説
明する図である。この製造方法においては、以下のよう
な処理手順で、アーク電極用圧粉体5と供給用Cuイン
ゴット6とから、溶浸鋳塊1を製造する。本実施形態
は、上記もう一つの製錬法であるテルミット法すなわち
乾式法により製錬した耐火性金属を用いることに特徴が
ある。
【0039】(1)耐火性金属としてのCr粉末を57重
量%,Nb粉末を4.5重量%と、高導電性金属として
のCu粉末を38.5重量%とをVミキサにより混合し
た。このときのCr粉末は、微量元素として、酸素を5
0ppm〜2000ppm,Alを30ppm〜300
0ppm,Siを20ppm〜2500ppm,Feを
1300ppm〜3000ppm含む。直径60mmの
金型を用いて、混合した粉を180MPaの圧力で成形
し、直径60mm,厚さ9mmのアーク電極用圧粉体5
を製造した。
【0040】(2)黒鉛製るつぼ4の底にアーク電極用圧
粉体5を置き、高導電性金属である供給用Cuインゴッ
ト6を重ねて載せる。
【0041】(3)黒鉛製るつぼ4を加熱用真空電気炉に
入れ、6.7×10―3Pa以下の真空中で、1200
℃に保ち90分間加熱する。供給用Cuインゴット6
が、溶融し、アーク電極用圧粉体5の空孔に含浸する。
【0042】(4)凝固後に、黒鉛製るつぼ4から取り出
すと、図1に示す溶浸鋳塊1が得られる。アーク電極部
材2と電極支持部材3とは、金相学的に一体化してい
る。得られたアーク電極2における主成分の組成は、お
よそCrが37重量%,Cuが60重量%,Nbが3重
量%となる。
【0043】アーク電極部材2および電極支持部材3の
比抵抗をそれぞれ測定すると、アーク電極部材2の比抵
抗は5.1μΩcmであり、電極支持部材3の比抵抗は
2.6μΩcmであった。
【0044】図3は、図2の製造方法により得られた溶
浸鋳塊1を用いて製造した真空バルブ用電極の実施形態
の構造を示す図であり、(a)が正面図、(b)がA−A断
面の断面図である。
【0045】本実施形態の真空バルブ用電極において
は、アーク電極7と電極支持部9とは、金相学的に一体
化している。アーク電極7の表面は、平面であり相手側
電極と大きな面積で接することが望ましい。本実施形態
の真空バルブ用電極は、スパイラル溝8を形成してあ
る。スパイラル溝8は、周方向では、電極内周側から外
周側にかけて形成され、軸方向では、アーク電極7から
電極支持部9まで達しており、外周側端部で開放されて
いる。本実施形態の真空バルブ用電極は、補強板を備え
ていないので、強度的には、スパイラル溝8は3本以内
とする。電極支持部9の背面には、電極棒10がろう付
け接合されている。
【0046】このように、本発明による耐火性金属を用
いた製造方法で得られた溶浸鋳塊1を用いると、電極材
料として十分な強度を持つ真空バルブ用電極となり、従
来の電解法Crと比較して遜色のない真空バルブ用電極
を製造できることが確認された。
【0047】図4は、図3の真空バルブ用電極を採用し
た真空バルブの構造を示す図である。本実施形態の真空
バルブ用電極は、上記図3に示すように、アーク電極7
および電極支持部9にスパイラル溝8を形成し、補強板
11を介在させて、電極棒10と一体化してある。本実
施形態の真空バルブは、このような構造の真空バルブ用
電極を可動側電極16と固定側電極17とにそれぞれ固
定し、金属製ベローズ12、中間シールド13、シリン
ダ14、シールリング15などにより覆って構成してあ
る。
【0048】図5は、上記製造方法で用いた耐火性金属
であるCrとW,Mo,Ta,Nb,Be,Hf,Ir,Pt,
Zr,Ti,Te,Si,V,Fe,Co,Ni,Mn,Rh,R
uの1種または2種以上の材料とを含む原料粉末の粒度
分布を測定した結果を示す図である。
【0049】この結果に基づいて、耐火性金属の粒度分
布上を好ましい範囲を規定すると、多孔質成形体をなす
耐火性金属であるCrおよびW,Mo,Ta,Nb,Be,
Hf,Ir,Pt,Zr,Ti,Te,Si,V,Fe,Co,N
i,Mn,Rh,Ruの1種または2種以上の原料粉末
は、150μm以上の粒子が5重量%以下、32μm以
下の粒子が5重量%以下の粒度分布をもつことになる。
【0050】図6は、上記製造方法で用いた高導電性金
属であるCu,Ag,Auまたはこれらを主にした合金の原
料粉末の粒度分布を測定した結果を示す図である。
【0051】この結果に基づいて、高導電性金属の粒度
分布上を好ましい範囲を規定すると、多孔質成形体をな
す高導電性金属であるCu,AgまたはAuからなる金属
またはこれらを主にした合金の原料粉末は、粒径が74
μm以下である。
【0052】本実施形態で得られる電極における主成分
の組成を、およそCrが20重量%、Cuが80重量%
となるアーク電極部材2と電極支持部材3それぞれの比
抵抗を測定したところ、アーク電極部材2の比抵抗は、
1.8μΩcmであり、電極支持部材3の比抵抗は、3.
7μΩcmであった。
【0053】この組成および比抵抗値にすれば、必要な
耐電圧特性および導電率を有する真空バルブ用電極が得
られることを実験により確認した。
【0054】本実施形態で得られる電極における主成分
の組成を、およそCrが70重量%、Cuが30重量%
となるアーク電極部材2と電極支持部材3それぞれの比
抵抗を測定したところ、アーク電極部材2の比抵抗は
5.6μΩcm、電極支持部材3の比抵抗は6.6μΩc
mであった。
【0055】この組成および比抵抗値にした場合も、必
要な耐電圧特性および導電率を有する真空バルブ用電極
が得られる。
【0056】図7は、本発明で用いた耐火性金属の材料
特性を測定した結果を示す図である。
【0057】このように、従来の耐火性金属と比較し
て、密度が高いと、成形しやすいという利点がある。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、アーク電極の主成分で
ある耐火性金属の製錬方法が異なり、含まれる微量元素
の量が変わっても、従来以上の遮断性能,耐電圧,耐溶
着性を備えた真空バルブ用電極が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による溶浸鋳塊1の構造を示す断面図で
ある。
【図2】図1の溶浸鋳塊1の製造方法を説明する図であ
る。
【図3】図2の製造方法により得られた溶浸鋳塊1を用
いて製造した真空バルブ用電極の実施形態の構造を示す
図である。
【図4】図3の真空バルブ用電極を採用した真空バルブ
の構造を示す図である。
【図5】上記製造方法で用いた耐火性金属であるCrと
他の材料とを含む原料粉末の粒度分布を測定した結果を
示す図である。
【図6】上記製造方法で用いた高導電性金属であるC
u,Ag,Auまたはこれらを主にした合金の原料粉末の粒
度分布を測定した結果を示す図である。
【図7】本発明で用いた耐火性金属の材料特性を測定し
た結果を示す図である。
【符号の説明】
1 溶浸鋳塊 2 アーク電極部材 3 電極支持部材 4 黒鉛製るつぼ 5 アーク電極用圧粉体 6 供給用Cuインゴット 7 アーク電極 8 スパイラル溝 9 電極支持部 10 電極棒 11 補強板 12 金属製ベローズ 13 中間シールド 14 シリンダ 15 シールリング 16 可動側電極 17 固定側電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 芳友 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所電機システム事業部内 (72)発明者 菊池 茂 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 土井 昌之 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 鈴木 安昭 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所電機システム事業部内 (72)発明者 湖口 義雄 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所電機システム事業部内 (72)発明者 馬場 昇 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 5G023 AA05 5G026 BA01 BA02 BA04 BB02 BB04 BB05 BB08 BB14 BC08 CA02 CB09 5G050 AA01 AA02 AA03 AA11 AA12 AA13 AA14 AA24 AA43 BA01 BA02 BA05 CA01 DA03 EA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定側電極と、可動側電極と、前記固定
    側電極および可動側電極をそれぞれ支持する電極支持部
    と、前記電極支持部を背面からそれぞれ支持する電極棒
    とを有する真空バルブ用電極において、 前記固定側電極および可動側電極両電極の対向する全面
    が、耐火性金属と高導電性金属との合金からなるアーク
    電極により構成され、 前記アーク電極を支持する電極支持部が、高導電性金属
    からなり、 前記電極支持部を背面から支持する電極棒が、高導電性
    金属からなり、 前記耐火性金属が、微量元素として、Alを30ppm
    〜3000ppm,Siを20ppm〜2500pp
    m,Feを1300ppm〜3000ppm含むことを
    特徴とする真空バルブ用電極。
  2. 【請求項2】 固定側電極と、可動側電極と、前記固定
    側電極および可動側電極をそれぞれ支持する電極支持部
    と、前記電極支持部を背面からそれぞれ支持する電極棒
    とを有する真空バルブ用電極において、 前記固定側電極および可動側電極両電極の対向する全面
    が、耐火性金属と高導電性金属との合金からなるアーク
    電極により構成され、 前記アーク電極を支持する電極支持部が、高導電性金属
    からなり、 前記電極支持部を背面から支持する電極棒が、高導電性
    金属からなり、 前記耐火性金属が、微量元素として、Alを30ppm
    〜3000ppm,Siを20ppm〜2500pp
    m,Feを1300ppm〜3000ppm,酸素を5
    0ppm〜5000ppm含むことを特徴とする真空バ
    ルブ用電極。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の真空バルブ用
    電極において、 前記アーク電極と電極支持部と電極棒とが、前記高導電
    性金属の溶融により一体に形成され、 前記固定側電極および可動側電極は、互いに向き合う面
    において電極内周側から外周側にかけて形成された3本
    の溝を有し、 前記溝が、前記固定側電極および可動側電極の外周側端
    部まで達して前記固定側電極および可動側電極を3分割
    し、 前記溝が、前記アーク電極と電極支持部とを貫通してい
    ることを特徴とする真空バルブ用電極。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の真空バルブ用
    電極において、 前記電極支持部と電極棒とが、冶金的に接合され、 前記固定側電極および可動側電極は、互いに向き合う面
    において電極内周側から外周側にかけて形成された3本
    の溝を有し、 前記溝が、前記固定側電極および可動側電極の外周側端
    部まで達して前記固定側電極および可動側電極を3分割
    し、 前記溝が、前記アーク電極と電極支持部とを貫通してい
    ることを特徴とする真空バルブ用電極。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか一項に記載
    の真空バルブ用電極において、 電極支持部の背面の一部には高剛性金属または合金から
    なる補強板を有し、 前記補強板の一部を介して前記電極支持部の背面から連
    なる前記高導電性金属からなる電極棒を有し、 前記アーク電極と電極支持部とは、前記高導電性金属の
    溶融によって一体に形成され、 前記電極支持部,補強板,電極棒は、冶金的に接合さ
    れ、 前記固定側電極および可動側電極は、互いに向き合う面
    において電極内周側から外周側にかけて形成された3本
    以上の溝を有し、 前記溝が、前記固定側電極および可動側電極の外周側端
    部まで達して前記固定側電極および可動側電極を溝の本
    数に分割し、 前記溝が、前記アーク電極と電極支持部とを貫通してい
    ることを特徴とする真空バルブ用電極。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか一項に記載
    の真空バルブ用電極において、 前記アーク電極は、耐火性金属としてCrおよびW,M
    o,Ta,Nb,Be,Hf,Ir,Pt,Zr,Ti,Te,S
    i,V,Fe,Co,Ni,Mn,Rh,Ruの1種または2
    種以上の混合物またはこれらの化合物と、高導電性金属
    としてCu,AgまたはAuからなる金属またはこれらを
    主にした合金とからなり、 前記電極支持部は、前記高導電性金属または前記高導電
    性金属を主にした合金からなることを特徴とする真空バ
    ルブ用電極。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれか一項に記載
    の真空バルブ用電極において、 前記アーク電極は、耐火性金属としてCrおよびW,M
    o,Ta,Nb,Be,Hf,Ir,Pt,Zr,Ti,Te,S
    i,V,Fe,Co,Ni,Mn,Rh,Ruの1種または2
    種以上の合金を合計量70〜20重量%含み、高導電性
    金属としてCu,AgまたはAuからなる金属またはこれ
    らを主にした合金を30〜80重量%含み、 前記電極支持部は、前記高導電性金属または前記高導電
    性金属を主にした合金からなることを特徴とする真空バ
    ルブ用電極。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか一項に記載
    の真空バルブ用電極において、 前記電極支持部の比抵抗が、1.8μΩcm〜5.6μΩ
    cmであることを特徴とする真空バルブ用電極。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか一項に記載
    の真空バルブ用電極において、 前記アーク電極の比抵抗が、3.7μΩcm〜6.6μΩ
    cmであることを特徴とする真空バルブ用電極。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか一項に記
    載の真空バルブ用電極の製造方法において、 多孔質成形体をなす前記耐火性金属であるCrおよび
    W,Mo,Ta,Nb,Be,Hf,Ir,Pt,Zr,Ti,T
    e,Si,V,Fe,Co,Ni,Mn,Rh,Ruの1種また
    は2種以上の原料粉末は、150μm以上の粒子が5重
    量%以下、32μm以下の粒子が5重量%以下の粒度分
    布をもつことを特徴とする真空バルブ用電極の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれか一項に
    記載の真空バルブ用電極の製造方法において、 多孔質成形体をなす前記高導電性金属であるCu,Agま
    たはAuからなる金属またはこれらを主にした合金の原
    料粉末は、粒径が74μm以下であることを特徴とする
    真空バルブ用電極の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013012328A (ja) * 2011-06-28 2013-01-17 Mitsubishi Electric Corp 真空バルブ用接点の製造方法

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