JP2002072755A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP2002072755A
JP2002072755A JP2000256563A JP2000256563A JP2002072755A JP 2002072755 A JP2002072755 A JP 2002072755A JP 2000256563 A JP2000256563 A JP 2000256563A JP 2000256563 A JP2000256563 A JP 2000256563A JP 2002072755 A JP2002072755 A JP 2002072755A
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temperature
fixing roller
fixing
fixing device
coil
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Application number
JP2000256563A
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English (en)
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Yusuke Sakagami
裕介 坂上
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱立ち上がり時間を短くし、温度検出精度
を高め、略水平ニップを形成できるようにする。 【解決手段】 定着ローラ1、加圧ローラ2、定着ロー
ラの加熱層に対して交流磁界を与えて加熱するコイル
3、定着ローラの温度を検出する温度検出手段8、8
A、8B、温度検出手段により検出した温度に基づきコ
イルに流す交流電流を制御して定着ローラの温度を制御
する制御手段を備えた誘導加熱定着装置において、定着
ローラ1は、芯金の外周に、弾性層、加熱層、離型層を
形成し、コイル3は、中心部に空間を有し定着ローラの
外周に一定のギャップを維持して配置し、温度検出手段
8、8A、8Bは、コイル3の中心部の定着ローラ1上
に配置し、支持部に渦電流の発生を押さえた支持バネを
用いて支持し、熱容量を小さくして加熱立ち上がり時間
を短くし、温度検出精度を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタの定着装
置、特に電子写真方式のプリンタの定着装置や、インク
ジェットプリンタの溶媒を乾燥させる定着装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図5はハロゲンランプを加熱源にした従
来の定着装置の例を示す図、図6はニップ形成を説明す
るための図であり、図中、91、41、46、48は定
着ローラ、92、42、47、49は加圧ローラ、9
4、44はトナー像、95、45は記録紙、97はバ
ネ、98は温度検出手段、93はハロゲンランプを示
す。
【0003】プリンタの定着装置には、ハロゲンランプ
を加熱源にしたものや電磁誘導加熱装置を熱源としたも
のがある。ハロゲンランプを加熱源にした従来の定着装
置は、図5に示すように中空状の定着ローラ91の中心
に略円筒状のハロゲンランプ93が配置され、電流を流
すことによってハロゲンランプ93から赤外線を主体と
した電磁波が放射され、定着ローラ91の内側に到達し
熱に変わる。その熱は、定着ローラ91の外側に伝達さ
れ、定着ローラ91と加圧ローラ92との挟まれたマー
キング材(トナー像94)を持つ記録紙95をバネ97
により加圧しながら加熱し、トナー像94を定着する。
定着ローラ91に対しては、その外側の温度を温度検出
手段98により検出して、制御回路によりその検出温度
に基づきハロゲンランプ93の電流を制御して定着ロー
ラ91の温度を制御する。
【0004】一方、電磁誘導加熱装置を熱源とした従来
の定着装置で温度検知に関するものには、種々の提案が
なされており、例えば温度検知手段として金属薄板に温
度センサを設け、これを定着フイルムの内面に当接させ
ることにより、温度検知の応答性、精度の向上を図った
装置(特開平10−161445号公報参照)、定着フ
イルムのニップ部近傍にサーミスタを設けると共に、磁
場発生手段との間に磁場のシールド部材を設けて次回の
影響による温度の誤検知や誤動作の防止を図ったた装置
(特開平10−91019号公報参照)などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の装置
(特開平10−161445号公報参照)では、金属板
に温度検出素子を設けるため、その金属板が交流磁界に
よってどの程度発熱するかによって検出する温度が変わ
ってしまうことになる。本来の検出対象は、交流磁界に
よって加熱される定着ローラの温度であり、記録紙上に
転写されたトナー画像に接触する温度である。温度検出
手段としては、できるだけ温度検出素子の温度が検出対
象温度に近いことが要求される。その点で交流磁界によ
って金属板と定着ローラの発熱層が同じように発熱し、
しかも同じように熱を奪われて温度まで同じにすること
は困難であるという問題がある。
【0006】また、もう一方の装置(特開平10−91
019号公報参照)では、磁界発生手段と温度検出手段
の間に磁界シールド部材を設けることが特徴であるが、
通常磁界シールド部材は、導電性で且つ透磁率が高い材
質が好ましく、その場合には交流磁界によって加熱され
やすい材質と一致する。すなわち、磁界シールド部材が
交流磁界によって加熱され温度が上昇することになり、
温度検出対象との温度差が生じることにも繋がりやすい
という問題があった。
【0007】また、従来の加熱源であるハロゲンランプ
の場合には、図5に示すように定着ローラ91を中空状
にしてその中にハロゲンランプ93を配置することにな
るため、定着ローラはハードローラ、加圧ローラはソフ
トローラの組合せになり、結果としてニップ形成は、記
録紙が定着ローラ側に湾曲する順ニップとなる。その様
子を示したのが図6(a)である。この場合には、溶融
トナーが定着ローラ41に付着しやすいため、記録紙4
5が定着ローラ41に巻き付いてしまう傾向がある。す
なわち、剥離性が悪いという状態である。
【0008】逆に、図6(b)に示すように定着ローラ
46を下側に加圧ローラ47を上側にした場合には逆ニ
ップになり、記録紙45は下側に湾曲する傾向がある。
この場合には、溶融トナーが加圧ローラ47の表面に付
着する力に対して記録紙45の湾曲による力が大きく作
用するため剥離性はよい。さらに、図6(c)に示すよ
うに両者の中間の略水平ニップの場合には、逆ニップの
場合と同様に剥離性はよい。
【0009】しかしながら、封筒のような折って2枚重
ねになっている記録紙の場合には、これらのニップ形成
でシワの発生に差がでることになる。特に、折って2枚
重ねになっているため、ニップの曲率がきついとシワの
発生が起こりやすくなるので、ニップの曲率は緩やかで
ある方が望ましい。すなわち、記録紙の剥離性と封筒の
シワ発生の両方の要求を満たすには、略水平ニップが好
ましい。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するものであって、加熱立ち上がり時間を短くし、温
度検出精度を高め、略水平ニップを形成できるようにす
るものである。
【0011】そのために本発明は、定着ローラ、加圧ロ
ーラ、前記定着ローラの加熱層に対して交流磁界を与え
て加熱するコイル、前記定着ローラの温度を検出する温
度検出手段、前記温度検出手段により検出した温度に基
づき前記コイルに流す交流電流を制御して前記定着ロー
ラの温度を制御する制御手段を備えた定着装置におい
て、前記定着ローラは、芯金の外周に、弾性層、加熱
層、離型層を形成し、前記コイルは、中心部に空間を有
し前記定着ローラの外周に一定のギャップを維持して配
置し、前記温度検出手段は、前記コイルの中心部の前記
定着ローラ上に配置し、支持部に渦電流の発生を押さえ
た支持バネを用いて支持したことを特徴とするものであ
る。
【0012】また、前記定着ローラは、前記芯金と加熱
層とを電気的に接続し、前記加圧ローラは、芯金の外周
に、弾性層、離型層を形成し、前記支持バネは、厚さが
0.15mm以下で且つ幅が1.5mm以下又は微小な
孔が多数形成し、非導電性の材料を用いることにより渦
電流の発生を押さえたことを特徴とし、前記温度検出手
段は、少なくとも小幅の記録紙が通る第1の位置と小幅
の記録紙が通らない第2の位置の2個所に配置し、前記
制御手段は、前記第1の位置に配置した温度検出手段に
より検出される温度により定着ローラの温度を一定の範
囲に制御し、前記第2の位置に配置した温度検出手段に
より検出される温度により前記定着ローラの温度を制限
し、前記第2の位置に配置した温度検出手段により検出
される温度が規定された上限値又は上昇値を越えたこと
を条件に前記定着ローラの温度を制限モードで制御した
り、記録紙の定着を一時中断することを特徴とするもの
である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る定着装置の
実施の形態を示す図、図2は小幅の記録紙が連続で定着
される場合の定着ローラ表面温度の例を示す図である。
図中、1は定着ローラ、2は加圧ローラ、3はコイル、
4はトナー像、5は記録紙、6は磁束、7はバネ、8、
8A、8Bは温度検出手段、51は小幅の記録紙を示
す。
【0014】図1において、定着ローラ1は、回転可能
にするため芯金があり、両端が軸受けで回転可能に支持
され、モータからの回転トルクが歯車やベルトなどによ
って伝達されて一定の角速度で回転する。芯金の外周
に、ニップ形成のため弾性層を形成し、さらにその外周
に加熱層、離型層を形成する。加圧ローラ2は、芯金の
外周に、弾性層、離型層を形成し、定着ローラ1と対向
配置されバネ7によって加圧されニップを形成し、定着
ローラ1との摩擦で従動する。
【0015】コイル3は、定着ローラ1の外周を覆うよ
うに一定のギャップを維持し、交流磁界を与えることに
より定着ローラ1を加熱するものであり、例えば定着ロ
ーラ1の外周に実質的に円周の半分以上を覆って配置さ
れる。その概観を上面図で示したのが図1(b)、側面
図で示したのが図(c)である。コイル3は、高周波電
流が流れるため表面抵抗を小さくしてコイルの損失を小
さくする必要がある。そのため、絶縁被覆した銅線を複
数本束ねて撚ったリッツ線を用いる。例えば直径φ=
0.5mmの絶縁被覆した銅線を8本撚りにして使用し
て渦巻き状に巻いたものである。
【0016】定着ローラ1は、一定のギャップを維持し
たコイル3から交流磁界を与えることにより導電性の加
熱層に渦電流を発生させて加熱されるが、表皮効果のた
めコイル3からの交流磁界は、定着ローラ1の主に表面
近傍に集中することになる。電気抵抗率をρ、透磁率を
μ、交流磁界の周波数をf、表皮厚さをδとすると、こ
れらの関係は、
【0017】
【数1】
【0018】で表される。効率よく加熱するために、コ
イル3からの交流磁界の周波数fを適切に選ぶと、コイ
ル3からの磁束がこの表皮厚さδ近傍に集中し渦電流が
効果的に発生することになる。渦電流が発生すると、電
気抵抗率ρに応じてジュール熱が発生して、定着ローラ
1の温度が上昇することになる。この表皮厚さδは、材
質が炭素鋼、SUS304、SUS430などで、交流
磁界の周波数をf=25kHzとした場合、数10μm
〜120μm程度になる。加熱層の熱容量を小さくする
には、出来るだけ薄くする方が良いが、この表皮厚さに
比べてあまり薄くなると、加熱効率が低下するので、両
者のバランスをとる必要がある。
【0019】トナー像4が転写された記録紙5は、ニッ
プに入って回転しながらニップ荷重を受け、同時に定着
ローラ1から加熱される。トナー像4は、この加熱によ
って記録紙5の上で溶融し、ニップから出ると冷却され
てトナー像4が記録紙5に定着される。トナー像4が記
録紙5に定着されるかは、定着温度、記録紙の搬送速
度、ニップ幅、ニップ圧力及びトナーの性質に依存す
る。
【0020】定着ローラ1と加圧ローラ2との間で形成
するニップ荷重が大きいとニップ幅が広くなり、ニップ
荷重が小さいとニップ幅が狭くなる。ニップ幅は、定着
時間を決める重要なパラメータであり、電子写真のプロ
セス速度やトナーの熱的な性質との関係で決められる。
ニップ幅が広くなると定着時間が長くなり、ニップ幅が
狭くなると定着時間が短くなる。ただし、定着時間を長
く取ろうとしてニップ荷重を大きくすると、回転トルク
も大きくなる傾向があり、そうなるとモータが大きくな
るので制約もある。
【0021】温度検出手段8は、定着ローラ1の表面に
接触して又は一定の距離を持って保持され、温度を検出
し温度検出回路を介して制御回路へ信号を伝達する。制
御回路は、インバータ回路を制御することにより、制御
指示温度に対して定着ローラ1の温度が低い場合には、
コイル3に流す交流電流を大きくし、誘導加熱を強めて
定着ローラ1の温度を上げ、逆に制御指示温度に対して
定着ローラ1の温度が低い場合には、コイル3に流す交
流電流を小さくし、誘導加熱を弱めて定着ローラ1の温
度を下げる。こうして定着ローラ1の温度はほぼ一定に
保たれる。
【0022】温度検出手段8を配置する位置について
は、回転方向と軸方向に分けて説明する。回転方
向については、コイル3が定着ローラ1の外周をかなり
覆ってしまうため、コイル3の中央部に空間を設けて、
その中に図1(b)、(c)に示すように温度検出手段
8A、8Bを配置する。コイル3により発生する磁束6
は、図1(a)に示すように流れるが、コイル3の中央
部は、磁束6が定着ローラ1の加熱層に対してほぼ垂直
に流れるため、この近傍での渦電流の発生は比較的小さ
くなる。そのためコイル3の中央部の空間は、余り小さ
くすると渦電流の発生の効率が低下するので、ある程度
必要である。軸方向については、図1(b)、(c)
に示すように小幅の記録紙51も通る位置に温度検出手
段8Aを配置し、小幅の記録紙51は通らない位置に温
度検出手段8Bをそれぞれ配置する。通常の記録紙及び
小幅の記録紙51の温度制御には、温度検出手段8Aを
用いて定着温度Tf に制御する。しかし、小幅の記録紙
51が連続で定着される場合には、図2に示すように通
常の記録紙の場合より温度が上昇するので温度検出手段
8Bを用いて制限を行う。例えば上限温度Tmaxを設定
し、温度検出手段8Bの温度が規定の上限温度Tmax 以
下であるうちは通常の温度制御を行ない、温度検出手段
8Bの温度が規定の上限温度Tmax を越えた時には、温
度温度の制御モードを制限モードに移行させ、コイル3
に流す電流を制限する。或いは、小幅の記録紙51の連
続定着を一時中断して、上限温度Tmax 未満になるまで
待機するような緊急モードを設定してもよい。また、上
限温度Tmax を越えたときは、10℃の温度上昇があっ
たときとしてもよい。
【0023】図3は定着ローラ及び加圧ローラの構成例
を示す図であり、11、21は芯金、12、22は弾性
層、13は加熱層、14、23は離型層、15は第1弾
性層、16は第2弾性層、17は接続手段を示す。
【0024】定着ローラ1は、図3(a)に示すように
芯金11、弾性層12、導電性で熱容量の小さい加熱層
13、離型層14から構成され、必要に応じて図3
(b)に示すように加熱層13の下の第1弾性層15の
ほかに離型層14の下に第2弾性層16が配置される。
図3(b)に示す第2の弾性層16がある定着ローラ
は、記録紙5の凹凸に対してもトナーに十分なニップ圧
力を与えることができるので、記録紙5の凹凸でも溶融
後のトナー層がしっかり定着され、定着後の画像がムラ
なく仕上げられる。それに対し、図3(a)の場合には
第2弾性層16がないので、記録紙の凹部では溶融後の
トナー層表面に複数の凹状部が観察される。したがっ
て、図3(b)の方が第2弾性層16の分だけコストが
高くなるが、画質は向上することになる。このように定
着ローラ1は、いずれにしても回転体としての強度は芯
金11に持たせ、加熱体を加熱層13に持たせた機能分
離型の構造を有するものである。
【0025】芯金11には、炭素鋼、ステンレスなど、
強度を有している材料が適している。弾性層12には、
シリコンゴム、発泡シリコンゴム、フッ素ゴム、発泡フ
ッ素ゴムなど、定着の熱に耐える耐熱性があり定着ロー
ラと加圧ローラとの間にニップを形成するのに適度な弾
性を持っている材料が適している。離型層14の下、加
熱層13との間に配置される第2弾性層16は、例えば
数10〜数100μm程度の厚さのものとなる。
【0026】ニップ形成について見ると、所定のニップ
幅を確保してさらに水平ニップを形成するためには、定
着ローラと加圧ローラが両方とも適度に変形することが
要求される。ハロゲンランプのように内側から加熱する
場合には、定着ローラにおいて、弾性層を加熱層の内側
に配置すると、ハロゲンランプからの熱が伝導しにくい
ため、定着ローラに適度な弾性を持たせる弾性層を加熱
層の外側に設ける構成が採用されてきた。しかし外周の
弾性層は、熱伝導が良くないため、加熱層の熱を速やか
に表面の離型層に伝えることは困難であった。
【0027】電磁誘導加熱の場合には、外側からも効率
よく加熱できるため、定着ローラとして図3(a)や
(b)、(c)に示すような弾性を持った構造が採用可
能となる。加熱層は、薄い金属パイプであり、弾性層に
シリコンゴムや発泡シリコンゴムなどの変形し易い材質
が選定できる。そのため定着ローラと加圧ローラの両方
に適度な弾性を持たせることができ、略水平ニップが可
能になる。
【0028】加熱層13は、コイル3からの交流磁界に
よって渦電流が効率的に発生するために、導電性が必要
であり、熱容量が小さいほど加熱立ち上がり時間は短く
なる。交流磁界の適正周波数は、加熱層の電気抵抗率、
透磁率によって決められる。しかしながら、あまり周波
数が高くなると共振インバータのスイッチング素子の損
失が大きくなるので、概ね20〜100kHzの範囲が
好ましい。周波数が20kHz以下の場合には、可聴領
域になるので、共振インバータの騒音が聞こえることに
なる。コイル3からの交流磁界は表皮効果により表皮厚
さ程度しか加熱層13に侵入しない。加熱層13は、ス
テンレス、鉄、ニッケル、アルミニウムなどを含む薄い
金属のパイプで構成され、熱容量の小さい材料を用いる
ことによって加熱の立ち上がり時間を短縮する。加熱層
13の厚さは、ニップ形成にも関係し、あまり厚いと変
形し難くなるので、ある程度薄く、ニップ幅が十分取れ
る程度に変形する厚さがよい。加熱層13は、適切なニ
ップを形成するために適度な弾性を持っていることが重
要であり、数10μm以下になると耐久性が劣ってしま
い、逆に数100μm以上になると弾性を失ってしまう
ので、表皮厚さなども考慮すると30〜100μmが好
ましい。
【0029】離型層14は、溶融したトナーが定着ロー
ラから剥離し易くするため最外周に設けるものであり、
オフセット防止が目的である。離型層14としては、フ
ッ素樹脂(PFA、PTFE、PEP)、シリコン樹
脂、フッ素ゴム、シリコンゴムなどの表面エネルギーが
小さく、可撓性があり、耐熱性がある材質がよく、その
厚さは5〜100μmの範囲が好ましい。例えば5μm
より薄くなると記録紙との摩耗で破損してしまい、逆に
100μmより厚くなると、上記のような離型層に適す
る材料は、熱伝導率が小さいため、加熱層からの熱が効
率的に伝達できなくなる。つまり、加熱層からの熱を伝
達するのに時間がかかることになる。
【0030】弾性層12は、シリコンゴム、発泡シリコ
ンゴム、フツ素ゴム、発泡フツ素ゴムなどで構成される
ため絶縁性であるこいとが多く、定着ローラの加熱層1
3と芯金11は電気的に繋がっていない。そのため、芯
金11は、軸受けを通して筐体と電気的に接続されてい
るが、加熱層13は電気的に浮遊することになり、摩擦
などによって浮遊容量に電荷が蓄積され、温度検出手段
などにノイズを与える原因になってしまうことがある。
そのため図3(c)に示すように接続部材17で電気的
に加熱層13と芯金11を接続することによって、加熱
層13は浮遊する状態にならないようにしている。ま
た、接続部材17を用いない方法としては、弾性層12
にカーボンなどの導電性微粒子を分散させて電気抵抗を
小さくすることによって、加熱層13と芯金11を電気
的に接続する方法を採用することもできる。
【0031】加圧ローラ2は、図3(d)に示すように
芯金21の外周に弾性層22、更にその外周に離型層2
3を配置して構成される。芯金21は、主に鉄系の材料
で加圧ローラの軸となり回転可能に支持するものであ
る。弾性層22は、定着温度に耐える耐熱性があり、定
着ローラとニツプを形成するに適切な弾性を持っている
ことが必要で、シリコンゴム、フツ素ゴムなどが良い。
加圧ローラ2の熱容量を小さくするためには、これらの
ゴムを発泡させて断熱性を持たせると更に効果がある。
離型層23は定着ローラ1の離型層14と同じである。
【0032】図4は温度検出手段の例を示す図であり、
81は温度センサー、82は支持部、83は離型層、8
4、86、87は支持バネ、85はリード線を示す。
【0033】本発明の誘導加熱式定着装置において、定
着ローラ1は、上記のように加熱層の熱容量を小さくし
て加熱の立ち上がり時間を短くするために、金属の薄い
加熱層と、芯金、断熱性も有する弾性層、及び表面に離
型層を設け、コイル3からの交流磁界で渦電流を発生さ
せて加熱させる。
【0034】この場合には、コイル3が定着ローラ1を
覆う領域に主に渦電流が発生するので、出来るだけコイ
ル3は定着ローラ1を覆うように配置することが安定に
加熱することになる。そこで、温度検出手段8を配置す
る場所をどこにするかが、温度制御上重要になる。定着
ローラ1の温度を適切に検出するためには、先に説明し
た図1(b)、(c)に示すように温度検出手段8Aの
配置する場所を小幅の記録紙51も通紙する領域で定着
ローラ1の中央に近い場所とするのが適している。ま
た、その取り付け位置は、コイル3中央の空間部が定着
ローラ1の温度を代表しているので、適している。通紙
直後は、記録紙5やトナー像4に熱を奪われて定着ロー
ラ1の温度は低下するが、コイル3の覆う領域を通過す
れば渦電流によって加熱される。また、紙ジャムなどを
考慮すると、紙が通る部分に近いところでは、温度セン
サーが紙によって損傷を受けることもあり得るので、そ
の点からも定着ローラ1の上部に配置するのが良い。
【0035】一方、小幅の記録紙51を連続で定着する
場合、温度検出手段8Bを配置した非通紙部は、記録紙
5やトナー像4に熱を奪われないので、渦電流が連続し
て発生し先の図2に示したように温度が上昇することに
なる。定着ローラ1の加熱層は、熱容量が小さい薄い金
属の加熱層を用いるため、ここで発生した熱は、通紙部
へと熱伝導もするがその熱量は小さく、温度が上昇し易
い。
【0036】この場合に加熱層が薄く、表皮効果も作用
するため、図4に示すように温度センサー81を支持バ
ネ84、86、87で支持部82に支持した場合、温度
サンサー81の支持バネ84、86、87も加熱され
る。そこで、図4(a)に示す従来の支持バネ84より
図4(b)に示すように支持バネ86の厚さと幅を規制
することによって、渦電流の発生する領域を狭める。こ
の場合の支持バネ86の1片は、厚さが0.15mm以
下で且つその幅が1.5mm以下である。このことによ
って支持バネ86での加熱を抑える。或いは、図4
(c)に示すように支持バネ87の寸法は変えなくて、
エッチングなどで小さな孔を多数個設けて、渦電流の発
生領域を狭めたり、非導電性の材料を用いることにより
渦電流が発生しないようにしてもよい。このことによっ
ても支持バネ87での加熱を抑えることができる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、定着ローラ、加圧ローラ、定着ローラの加熱
層に対して交流磁界を与えて加熱するコイル、定着ロー
ラの温度を検出する温度検出手段、温度検出手段により
検出した温度に基づきコイルに流す交流電流を制御して
定着ローラの温度を制御する制御手段を備えた誘導加熱
定着装置において、定着ローラは、芯金の外周に、弾性
層、加熱層、離型層を形成し、コイルは、中心部に空間
を有し定着ローラの外周に一定のギャップを維持して配
置し、温度検出手段は、コイルの中心部の定着ローラ上
に配置し、支持部に渦電流の発生を押さえた支持バネを
用いて支持したので、熱容量を小さくして加熱立ち上が
り時間を短くし、温度検出手段による温度検出精度を高
めることができる。
【0038】また、定着ローラは、芯金と加熱層とを電
気的に接続し、加圧ローラは、芯金の外周に、弾性層、
離型層を形成し、支持バネは、厚さが0.15mm以下
で且つ幅が1.5mm以下又は微小な孔が多数形成し、
非導電性の材料を用いることにより渦電流の発生を押さ
えるので、温度検出手段による温度検出精度を高め、略
ニップが形成でき、記録紙の剥離性に優れ、封筒などの
記録紙のシワの発生を起こりにくくすることができる。
【0039】さらに、温度検出手段は、少なくとも小幅
の記録紙が通る第1の位置と小幅の記録紙が通らない第
2の位置の2個所に配置し、制御手段は、第1の位置に
配置した温度検出手段により検出される温度により定着
ローラの温度を一定の範囲に制御し、第2の位置に配置
した温度検出手段により検出される温度により定着ロー
ラの温度を制限し、第2の位置に配置した温度検出手段
により検出される温度が規定された上限値又は上昇値を
越えたことを条件に定着ローラの温度を制限モードで制
御したり、記録紙の定着を一時中断するので、熱容量の
小さい定着ローラにありがちな、小幅の記録紙を連続定
着した場合に非通紙部の温度上昇を検出し過昇温防止を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る定着装置の実施の形態を示す図
である。
【図2】 小幅の記録紙が連続で定着される場合の定着
ローラ表面温度の例を示す図である。
【図3】 定着ローラ及び加圧ローラの構成例を示す図
である。
【図4】 温度検出手段の例を示す図である。
【図5】 ハロゲンランプを加熱源にした従来の定着装
置の例を示す図である。
【図6】 ニップ形成を説明するための図である。
【符号の説明】
1…定着ローラ、2…加圧ローラ、3…コイル、4…ト
ナー像、5…記録紙、6…磁束、7…バネ、8、8A、
8B…温度検出手段、51…小幅の記録紙

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定着ローラ、加圧ローラ、前記定着ロー
    ラの加熱層に対して交流磁界を与えて加熱するコイル、
    前記定着ローラの温度を検出する温度検出手段、前記温
    度検出手段により検出した温度に基づき前記コイルに流
    す交流電流を制御して前記定着ローラの温度を制御する
    制御手段を備えた定着装置において、前記定着ローラ
    は、芯金の外周に、弾性層、加熱層、離型層を形成し、
    前記コイルは、中心部に空間を有し前記定着ローラの外
    周に一定のギャップを維持して配置し、前記温度検出手
    段は、前記コイルの中心部の前記定着ローラ上に配置し
    たことを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 定着ローラ、加圧ローラ、前記定着ロー
    ラの加熱層に対して交流磁界を与えて加熱するコイル、
    前記定着ローラの温度を検出する温度検出手段、前記温
    度検出手段により検出した温度に基づき前記コイルに流
    す交流電流を制御して前記定着ローラの温度を制御する
    制御手段を備えた定着装置において、前記定着ローラ
    は、芯金の外周に、弾性層、加熱層、離型層を形成し、
    前記温度検出手段は、支持部に渦電流の発生を押さえた
    支持バネを用いて支持したことを特徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】 前記定着ローラは、前記芯金と加熱層と
    を電気的に接続したことを特徴とする請求項1又は2記
    載の定着装置。
  4. 【請求項4】 前記加圧ローラは、芯金の外周に、弾性
    層、離型層を形成したことを特徴とする請求項1又は2
    記載の定着装置。
  5. 【請求項5】 前記支持バネは、厚さが0.15mm以
    下で且つ幅が1.5mm以下又は微小な孔が多数形成す
    ることにより渦電流の発生を押さえたことを特徴とする
    請求項2記載の定着装置。
  6. 【請求項6】 前記支持バネは、非導電性の材料を用い
    ることにより渦電流の発生を押さえたことを特徴とする
    請求項2記載の定着装置。
  7. 【請求項7】 前記温度検出手段は、少なくとも小幅の
    記録紙が通る第1の位置と小幅の記録紙が通らない第2
    の位置の2個所に配置したことを特徴とする請求項1又
    は2記載の定着装置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、前記第1の位置に配置
    した温度検出手段により検出される温度により定着ロー
    ラの温度を一定の範囲に制御し、前記第2の位置に配置
    した温度検出手段により検出される温度により前記定着
    ローラの温度を制限することを特徴とする請求項7記載
    の定着装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、前記第2の位置に配置
    した温度検出手段により検出される温度が規定された上
    限値又は上昇値を越えたことを条件に前記定着ローラの
    温度を制限モードで制御することを特徴とする請求項7
    記載の定着装置。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、前記第2の位置に配
    置した温度検出手段により検出される温度が規定された
    上限値又は上昇値を越えたことを条件に記録紙の定着を
    一時中断することを特徴とする請求項7記載の定着装
    置。
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