JP2002071630A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JP2002071630A
JP2002071630A JP2000268246A JP2000268246A JP2002071630A JP 2002071630 A JP2002071630 A JP 2002071630A JP 2000268246 A JP2000268246 A JP 2000268246A JP 2000268246 A JP2000268246 A JP 2000268246A JP 2002071630 A JP2002071630 A JP 2002071630A
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Japan
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gas
gas sensor
potential difference
concentration
flammable
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Application number
JP2000268246A
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English (en)
Inventor
Takahiro Umeda
孝裕 梅田
Masao Maki
正雄 牧
Katsuhiko Uno
克彦 宇野
Takashi Niwa
孝 丹羽
Kunihiro Tsuruta
邦弘 鶴田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被毒物質に対して耐久性が高く、ヒートショ
ックなどによる劣化をいち早く検知するガスセンサを提
供する。 【解決手段】 固体電解質1と、第一および第二電極2
aおよび2bと、触媒3と、ガス選択透過体3と、加熱
手段4と、電位差検出手段6と、ガス供給手段7と、電
位差の可燃性ガス濃度に対する傾きを求める第一演算手
段8と、傾きからガスセンサを診断する自己診断手段9
を備え、被検出ガスがガス選択透過体5を介して電極と
接触するので、被検出ガス中に被毒物質が含まれてもこ
れを除去し、自己診断手段9が、電位差の可燃性ガス濃
度に対する傾きからガスセンサを診断するので、正確な
一酸化炭素濃度を検出する耐久性および信頼性に優れた
ガスセンサを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大気中あるいは燃焼
機器や内燃機関の排ガス中に含まれる可燃性ガス、特に
一酸化炭素を検出するガスセンサに関するものであり、
被毒物質に対して耐久性が高く、ヒートショックなどに
よる劣化をいち早く検知するガスセンサを提供する。
【0002】
【従来の技術】従来この種のガスセンサは特開平10−
31003号公報などに記載されているようなものが一
般的であった。
【0003】このガスセンサは図5に示すようにイット
リア安定化ジルコニアなどから成る酸素イオン導電性を
有する固体電解質1の一方の表面に形成した白金などか
ら成る面積の互いに等しい第一および第二電極2aおよ
び2bと、第一電極2aを覆うように形成した酸化触媒
3と、固体電解質1を動作温度に加熱保持する加熱手段
4を備えていた。
【0004】上記構成のガスセンサを一酸化炭素などの
可燃性ガスを含まない被検出ガス中に保持し、加熱手段
4により固体電解質1を所定の動作温度に加熱したと
き、第一および第二電極2aおよび2bに到達する酸素
の量は等しいので、第一および第二電極2a−2b間に
電位差は生じない。このとき第一および第二電極2aお
よび2b上ではそれぞれ式(1)で示した電極反応が生
じ、平衡を保つ。
【0005】Oad+2e−←→O2−・・・(1) ここでOadは第一および第二電極2aおよび2bの表
面に吸着した酸素原子を示す。
【0006】次に、被検出ガス中に可燃性ガスである一
酸化炭素を導入すると、触媒3の形成されていない第二
電極2b上では式(1)で示した電極反応に加え、式
(2)で示した電極反応が生じる。
【0007】CO+Oad→CO2・・・(2) 一方、触媒3の形成された第一電極2a上では、触媒3
で一酸化炭素が二酸化炭素に酸化され、第一電極2aの
表面まで到達することができず、式(1)で示した電極
反応のみが生じる。したがって第一および第二電極2a
および2bの間で吸着する酸素量のバランスが崩れ、酸
素濃度に濃淡差が生じ、第一電極2aから第二電極2b
へ吸着酸素が酸素イオンとなり酸素イオン導電体である
固体電解質1中を移動し、第一および第二電極2a−2
b間に電位差が発生する。この電位差と一酸化炭素の濃
度の関係はネルンストの式に従い、濃度が増加すれば電
位差も増加する。したがって、この第一および第二電極
2a−2b間の電位差を測定することにより被検出ガス
中の一酸化炭素の濃度を求めていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃焼機
器や内燃機関などの排ガス中には白金などの触媒作用を
被毒する物質である二酸化硫黄が僅かに含まれている場
合があり、従来の構成のガスセンサでは第一および第二
電極2aおよび2bが直接被検出ガスと接触する。従っ
て、被検出ガス中に二酸化硫黄などの被毒物質が含まれ
た場合、被毒物質が第一および第二電極2aおよび2b
に含まれる白金と強く吸着し、検出に必要な一酸化炭素
や酸素が第一および第二電極2aおよび2bに吸着しに
くくなり、正確な一酸化炭素濃度を検出できなくなると
いう課題があった。
【0009】また、酸素イオン導電性の得られる固体電
解質1の動作温度は少なくとも300℃以上であり、ま
た被検出ガスは大気から燃焼排ガスなど、室温から高温
まで広い温度範囲にわたり使用されることが多く、ガス
センサにかかるヒートショックなどによりガスセンサが
劣化したとき、正確な一酸化炭素濃度を検出できないと
いう課題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、固体電解質と、第一および第二電極と、触
媒と、ガス選択透過体と、加熱手段と、電位差検出手段
と、ガス供給手段と、電位差の可燃性ガス濃度に対する
傾きを求める第一演算手段と、前記傾きからガスセンサ
を診断する自己診断手段を備えたものである。
【0011】上記構成によれば、被検出ガスがガス選択
透過体を介して電極と接触するので、被検出ガス中に二
酸化硫黄などの被毒物質が含まれた場合でもこれを除去
し、検出に必要な一酸化炭素などの可燃性ガスや酸素を
選択的に透過させるので、電極が被毒されにくくなり、
正確な濃度を検出する耐久性に優れたガスセンサを得る
ことができる。
【0012】また、第一および第二電極間の電位差を検
出する電位差検出手段と、ガスセンサの配置された雰囲
気に任意の濃度の可燃性ガスを供給するガス供給手段
と、複数の可燃性ガス濃度のそれぞれにおける複数の電
位差から電位差の可燃性ガス濃度に対する傾きを求める
第一演算手段と、前記傾きからガスセンサを診断する自
己診断手段を備えているので、ヒートショックなどによ
りガスセンサが劣化しても、電位差の可燃性ガス濃度に
対する傾きからこれを診断することができるので、信頼
性の高いガスセンサを得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、請求項1記載の発明の
ように酸素イオン導電性を有する固体電解質と、前記固
体電解質の表面に形成した第一および第二電極と、前記
第一電極を覆うように形成した触媒と、平均細孔径が1
000Å以下の多孔性セラミックから成るガス選択透過
体と、前記固体電解質を加熱する加熱手段と、前記第一
および第二電極間の電位差を検出する電位差検出手段
と、ガスセンサの配置された雰囲気に任意の濃度の可燃
性ガスを供給するガス供給手段と、複数の可燃性ガス濃
度のそれぞれにおける複数の電位差から電位差の可燃性
ガス濃度に対する傾きを求める第一演算手段と、前記傾
きからガスセンサの状態を診断する自己診断手段を備え
たものである。
【0014】そして、被検出ガスが平均細孔径が100
0Å以下の多孔性セラミックから成るガス選択透過体を
介して電極と接触するので、被検出ガス中に含まれる分
子径が1000Å以上の被毒物質を除去し、検出に必要
な一酸化炭素や酸素を選択的に透過させるので、電極が
被毒されにくくなり、正確な一酸化炭素濃度を検出する
耐久性に優れたガスセンサを得ることができる。
【0015】そして、第一および第二電極間の電位差を
検出する電位差検出手段と、ガスセンサの配置された雰
囲気に任意の濃度の可燃性ガスを供給するガス供給手段
と、複数の可燃性ガス濃度のそれぞれにおける複数の電
位差から電位差の可燃性ガス濃度に対する傾きを求める
第一演算手段と、前記傾きからガスセンサを診断する自
己診断手段を備えているので、ヒートショックなどによ
りガスセンサが劣化しても、電位差の可燃性ガス濃度に
対する傾きからこれを診断することができるので、信頼
性の高いガスセンサを得ることができる。
【0016】また、請求項2記載の発明のようにガス供
給手段は、第一および第二濃度の可燃性ガスを供給し、
第一演算手段は、前記第一および第二濃度の濃度変化分
に対する前記第一および第二濃度における電位差検出手
段の検出するそれぞれ第一および第二電位差の電位差変
化分の比から傾きを求めるものである。
【0017】そして、二点の濃度および電位差だけから
傾きを求めるので、第一演算手段が簡略化され、経済性
のよいガスセンサを得ることができる。
【0018】また、請求項3記載の発明のようにガス供
給手段は、燃料の燃焼量および空気量を制御して任意の
濃度の可燃性ガスを供給するものである。
【0019】そして、ガスセンサを取り付ける燃焼機器
の燃焼量および空気量を制御し、ガスセンサで検出する
任意の濃度の可燃性ガスを供給するので、標準ガスボン
ベなどを用いることなくガスセンサの診断をすることが
でき、経済性に優れたガスセンサを得ることができる。
【0020】また、請求項4記載の発明のようにガス供
給手段は、燃料を供給する電磁弁と、空気を供給するフ
ァンを備え、前記電磁弁および前記ファンに供給するそ
れぞれの電圧を制御して任意の可燃性ガスを供給するも
のである。
【0021】そして、燃焼量および空気量の調製を電圧
で制御するので、安定した濃度の可燃性ガスを再現性よ
く供給することができる。
【0022】また、請求項5記載の発明のように電磁弁
およびファンに供給するそれぞれの電圧と、電位差検出
手段で検出する電位差からガスセンサの配置された雰囲
気の可燃性ガス濃度を算出する第二演算手段を備えたも
のである。
【0023】そして、電磁弁およびファンに供給する電
圧から可燃性ガス濃度あるいは燃焼機器の燃焼状態を判
別し、電位差検出手段で検出する電位差からその状態に
おける可燃性ガス濃度を検出するので、信頼性のあるガ
スセンサを得ることができる。
【0024】また、請求項6記載の発明のように第二演
算手段で算出した可燃性ガス濃度が予め設定した閾値を
超えた場合、ファンに供給する電圧を制御して空気量を
増加させ、それでも前記閾値を超える場合、電磁弁およ
び前記ファンの電圧の供給を停止する燃焼制御手段と、
これを報知し、換気を促す第一警報手段と、自己診断手
段が第一演算手段で演算する傾きが予め設定した範囲か
ら外れ、ガスセンサの異常を判定した場合、これを報知
し、ガスセンサの交換を促す第二警報手段を備えたもの
である。
【0025】そして、ガスセンサで検出する可燃性ガス
濃度が閾値を超えた場合、燃焼制御手段が供給する空気
量が不足していると判断し、ファンに供給する電圧を制
御してファンの回転数をあげ空気量を増加させるので、
不完全燃焼による事故などを未然に防止することができ
る。
【0026】そして、空気量を増加させてもガスセンサ
で検出する可燃性ガス濃度が閾値を超える場合、燃焼制
御手段が強制的に燃焼を停止し、第一警報手段がこれを
報知し、換気を促すので、不完全燃焼による事故などを
未然に確実に防止することができる。
【0027】そして、第二警報手段が、第一演算手段で
演算する傾きが予め設定した範囲から外れ、自己診断手
段がガスセンサの異常を判定した場合、これを報知し、
ガスセンサの交換を促すので、信頼性の高いガスセンサ
を得ることができる。
【0028】また、請求項7記載の発明のようにガス選
択透過体は、多孔性セラミックの細孔表面に皮膜が形成
され、平均細孔径が20から500Åに制御されたもの
である。
【0029】そして、被検出ガスはクヌーセン拡散によ
り平均細孔径が20から500Åのガス選択透過体内の
細孔内部表面を吸着しながら通過し、ガスの透過係数比
は分子量と絶対温度の積の平方根に反比例し、検出に必
要な一酸化炭素や酸素はガス選択透過体を透過するが、
これらに比べて分子量が大きい被毒物質もである二酸化
硫黄は電極に到達しないので、電極が被毒されにくくな
り、正確な一酸化炭素などの可燃性ガス濃度を検出する
耐久性の優れたガスセンサを得ることができる。
【0030】そして、多孔性セラミックの細孔表面にゾ
ルゲル法などを用いて皮膜を形成するので、ガス分子と
皮膜ゲル分子の間に相互力が働き、ガス選択透過性が向
上し、電極がより被毒されにくくなり、正確な一酸化炭
素濃度を検出する耐久性の優れたガスセンサを得ること
ができる。
【0031】また、請求項8記載の発明のように触媒
は、ガス選択透過体を介して第一電極を覆うように形成
されたものである。
【0032】そして、ガス選択透過体を介して触媒を形
成するので、第一および第二電極がガス選択透過体に密
着し、空隙におけるガス拡散の影響がなくなり、第一お
よび第二電極の耐久性を向上させることができる。
【0033】そして、ガス選択透過体の表面に多量の触
媒を担持することができるので、触媒の寿命を延命する
ことができ、より耐久性の優れたガスセンサを得ること
ができる。
【0034】また、請求項9記載の発明のように加熱手
段は、電気的絶縁性を有する絶縁体の表面にヒーター膜
が形成され、前記ヒーター膜を覆うように電気的絶縁性
を有する絶縁膜が形成されるものである。
【0035】そして、絶縁体の表面にヒーター膜と絶縁
膜を積層して形成するので、加熱手段の製造工程が簡便
化されるだけでなく、加熱手段が薄膜化され、熱容量が
大幅に低減するので、ガスセンサ全体の小型化と低消費
電力化が図れ、経済的なガスセンサを得ることができ
る。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。なお、従来例と同一符号のものは同一構造を
有し、一部説明を省略する。
【0037】(実施例1)図1は本発明の実施例1にお
けるガスセンサの構成図である。
【0038】最初に、実施例1のガスセンサの製造工程
について簡単に説明する。
【0039】まず、表面を研磨したアルミナ基板から成
る絶縁体4aを十分に脱脂した後、白金から成るヒータ
ー膜4bをスクリーン印刷し、乾燥後、電気炉で焼成し
た。ヒーター膜4bはスクリーン印刷以外にスパッタリ
ングや真空蒸着などの方法でも同様に形成することがで
き、また、ヒーター膜4bを形成した後、フォトリソグ
ラフやエッチングを用いてトリミングし、細密なヒータ
ーパターンを形成することができる。
【0040】そして、ヒーター膜4bのリード部以外の
部分を覆うようにメタルマスクを当てアルミナから成る
絶縁膜4cをスパッタリングにより形成した。絶縁膜4
cはスパッタリング以外に絶縁ペーストをスクリーン印
刷する方法や、真空蒸着、めっきなどの方法でも同様に
形成することができる。
【0041】そして、絶縁膜4cの表面にイットリアを
8モル%添加した安定化ジルコニアから成る固体電解質
1をメタルマスクを用いてスパッタリングにより形成
し、酸素イオン導電性が得られるように高温で焼結し
た。
【0042】そして、固体電解質1の表面に白金から成
る第一および第二電極2aおよび2bをメタルマスクを
用いてスパッタリングにより形成した。第一および第二
電極膜2aおよび2bはスパッタリング以外にスクリー
ン印刷、真空蒸着、めっき、CVDなどの方法を用いて
も同様にして形成することができる。
【0043】そして、さらに、第一電極2aの表面にア
ルミナと白金をベースとする触媒ペーストを塗布し、乾
燥後、電気炉で焼成し、触媒3を形成した。また、ヒー
ター膜4bおよび各電極2aおよび2bには白金リード
線を白金ペーストにより取り付け、乾燥後、さらに焼成
した。
【0044】そして、第一および第二電極2aおよび2
bおよび触媒3を覆うように固体電解質1の表面にガス
選択透過体5を無機系接着剤により絶縁体4aに接合し
た。
【0045】また、ガス選択透過体5には安定化ジルコ
ニアから成る平均細孔径が1000Å以下である多孔性
セラミック基板を用い、これをゾルゲル法によりジルコ
ニアゾル液に浸責し、引き揚げ、乾燥後、電気炉で焼成
することにより細孔内部に皮膜を形成し、この作業を数
回繰り返すことにより、平均細孔径が20から500Å
となるように制御した。被検出ガスはクヌーセン拡散に
より平均細孔径が20から500Åのガス選択透過体5
内の細孔内部表面を吸着しながら通過し、ガスの透過係
数比は分子量と絶対温度の積の平方根に反比例し、検出
に必要な一酸化炭素や酸素はガス選択透過体5を透過で
きるが、これらに比べて分子量が大きい被毒物質もであ
る二酸化硫黄は第一および第二電極2aおよび2bに到
達しないので、第一および第二電極2aおよび2bが被
毒されにくくなり、正確な一酸化炭素濃度を検出する耐
久性の優れたガスセンサを得ることができる。そして、
多孔性セラミック基板の細孔表面にゾルゲル法を用いて
皮膜を形成するので、ガス分子と皮膜ゲル分子の間に相
互力が働き、ガス選択透過性が向上し、第一および第二
電極2aおよび2bがより被毒されにくくなり、正確な
一酸化炭素濃度を検出する耐久性の優れたガスセンサを
得ることができる。
【0046】さらに、第一および第二電極2a−2b間
には電位差を検出する電位差検出手段6を接続した。そ
して、ガスセンサをガス供給手段7内に配置した。その
雰囲気には任意の濃度の可燃性ガスを供給することので
きる電磁弁7aおよびファン7bが備えられている。ま
た、複数の可燃性ガス濃度のそれぞれにおける複数の電
位差から電位差の可燃性ガス濃度に対する傾きを求める
第一演算手段8と、傾きからガスセンサを診断する自己
診断手段9と、電磁弁7aおよびファン7bに供給する
それぞれの電圧および電位差検出手段6で検出する電位
差からガスセンサの配置された雰囲気の可燃性ガス濃度
を算出する第二演算手段10と、第二演算手段10で算
出した可燃性ガス濃度が予め設定した閾値を超えた場
合、ファン7bに供給する電圧を制御して空気量を増加
させ、それでも前記閾値を超える場合、電磁弁7aおよ
びファン7bの電圧の供給を停止する燃焼制御手段11
と、これを報知し、換気を促す第一警報手段12と、自
己診断手段9が第一演算手段8で演算する傾きが予め設
定した範囲から外れ、ガスセンサの異常を判定した場
合、これを報知し、ガスセンサの交換を促す第二警報手
段13を備えている。
【0047】本発明の実施例1のガスセンサによれば、
複数の可燃性ガス濃度のそれぞれにおける複数の電位差
から電位差の可燃性ガス濃度に対する傾きを求める第一
演算手段8と、傾きからガスセンサを診断する自己診断
手段9を備えているので、ヒートショックなどによりガ
スセンサが劣化しても、電位差の可燃性ガス濃度に対す
る傾きからこれを診断することができるので、信頼性の
高いガスセンサを得ることができる。
【0048】ここで、本発明の実施例1のガスセンサお
よび比較例としてガス選択透過体5にクラックの入った
同じ構成の劣化したガスセンサそれぞれの一酸化炭素検
知特性について調べた。まず、各ガスセンサをガス供給
手段7内に配置し、各加熱手段4に電圧を印加して、そ
れぞれの固体電解質1が動作温度(350℃から450
℃)になるよう加熱した。そして、一酸化炭素の濃度が
変化するようにガス供給手段7である電磁弁7aおよび
ファン7bに印加する電圧を制御し、燃料の燃焼量およ
び空気量を変化させ、10リットル毎分で各種濃度の可
燃性ガスを供給した。可燃性ガス中の一酸化炭素濃度は
出口側で一酸化炭素濃度分析計により測定した。このと
きの各電位差検出手段6により測定したそれぞれの電位
差の一酸化炭素濃度特性を図2に示す。いずれもネルン
ストの式に従い、濃度の増加とともに電位差が増加し、
応答性は90%応答で1分以内であったが、クラックの
入った劣化したガスセンサは正常なガスセンサに比べて
電位差の濃度に対する傾きが小さく、濃度が増加するに
つれ電位差が飽和する傾向が見られた。これは劣化した
ガスセンサのガス選択透過体5に入ったクラックからガ
スが集中して流入し、クラックの大きさに従い、流入す
るガス量が制限され、ガス濃度に対する電位差の傾きが
徐々に小さくなり、電位差が飽和してしまうためであ
り、一方、クラックのない正常なガスセンサはガス選択
透過体5を介し、均等にガスが流入するので、濃度に対
する電位差の傾きがほぼ一定となったと考えられる。
【0049】したがって、第一演算手段8により複数の
可燃性ガス濃度のそれぞれにおける複数の電位差から電
位差の可燃性ガス濃度に対する傾きを求め、その傾きが
予め設定した閾値より小さくなった場合、ガス選択透過
体5にクラックが入っている可能性があり、自己診断手
段9がガスセンサが劣化したと診断し、測定を中断する
ので、信頼性の高いガスセンサを得ることができる。
【0050】また、ガス供給手段7により異なる二つの
第一および第二濃度の可燃性ガスを供給し、第一演算手
段8は、第一および第二濃度の濃度変化分に対する第一
および第二濃度における電位差検出手段6の検出するそ
れぞれ第一および第二電位差の電位差変化分の比から傾
きを求めれば、二点の濃度および電位差だけから傾きを
求めるので、第一演算手段8が簡略化され、経済性のよ
いガスセンサを得ることができる。
【0051】また、ガスセンサを取り付ける燃焼機器の
燃焼量および空気量を制御し、ガスセンサで検出する任
意の濃度の可燃性ガスを供給するので、標準ガスボンベ
などを用いることなくガスセンサの診断をすることがで
き、経済性に優れたガスセンサを得ることができる。
【0052】また、第二演算手段10により、電磁弁7
aおよびファン7bに供給するそれぞれの電圧から可燃
性ガス濃度あるいは燃焼機器の燃焼状態を判別し、電位
差検出手段6で検出する電位差から、ガスセンサの配置
されたその燃焼状態における可燃性ガス濃度を算出する
ので、信頼性のあるガスセンサを得ることができる。
【0053】また、ガスセンサで検出する可燃性ガス濃
度が閾値を超えた場合、燃焼制御手段11が供給する空
気量が不足していると判断し、ファン7bに供給する電
圧を制御してファン7bの回転数をあげ空気量を増加さ
せるので、不完全燃焼による事故などを未然に防止する
ことができる。
【0054】そして、空気量を増加させてもガスセンサ
で検出する可燃性ガス濃度が閾値を超える場合、燃焼制
御手段11が強制的に燃焼を停止し、第一警報手段12
がこれを報知し、換気を促すので、不完全燃焼による事
故などを未然に確実に防止することができる。
【0055】また、第二警報手段13が、第一演算手段
8で演算する傾きが予め設定した範囲から外れ、自己診
断手段9がガスセンサの異常を判定した場合、これを報
知し、ガスセンサの交換を促すので、信頼性の高いガス
センサを得ることができる。
【0056】また、絶縁体4aの表面にヒーター膜4b
および絶縁膜4cを積層して形成するので、加熱手段4
の製造工程が簡便化されるだけでなく、加熱手段4が薄
膜化され、熱容量が大幅に低減するので、ガスセンサ全
体の小型化と低消費電力化が図れ、経済的なガスセンサ
を得ることができる。
【0057】次に、実施例1のガスセンサの被毒物資で
ある二酸化硫黄に対する耐久性について調べた。可燃性
ガス中の一酸化炭素濃度が1000ppmとなるようにガ
スを供給したときの電位差と、これにさらに100ppm
の二酸化硫黄を添加したときの電位差を測定した。この
ときの電位差の変化を図3に示す。図3から二酸化硫黄
が共存しても電位差はほぼ一定であった。実際の排ガス
中に含まれる二酸化硫黄の濃度はこれに比べて極めて低
く、例えば天然ガスの産地にもよるがガス燃焼機器から
発生する二酸化硫黄の濃度は2ppm以下であり、これに
対しこの試験は約50倍の濃度の二酸化硫黄による加速
耐久試験であることから実施例1のガスセンサは二酸化
硫黄に対する耐久性が極めて優れていることが判った。
【0058】(実施例2)図4は本発明の実施例2にお
けるガスセンサの要部断面図である。図4において実施
例1のガスセンサと異なる点は、触媒3をガス選択透過
体5を介して第一電極2aを覆うように形成したところ
である。それ以外で同一符号のものは実施例1と同様の
構成であり、説明を省略する。
【0059】次にガス選択透過体5の表面に形成する一
酸化炭素を酸化する触媒3の製造工程について簡単に説
明する。まず、繊維状のステンレスから成るシート状の
担体を十分洗浄した後、アルミナゾルやコロイダルシリ
カなどの無機系結合剤を担持し、乾燥後、電気炉で焼成
した。そして、さらに白金およびパラジウムの硝酸溶液
に浸責し、同様に乾燥後、電気炉で焼成した。そして、
第一電極2aを覆うことのできる寸法に切断し、無機系
接着剤によりそれぞれガス選択透過体5に第一電極2a
を覆うように積層して接合した。
【0060】本発明の実施例2のガスセンサによれば、
ガス選択透過体5を介して触媒3を形成するので、第一
および第二電極2aおよび2bがガス選択透過体5に密
着し、空隙におけるガス拡散の影響がなくなり、第一お
よび第二電極2aおよび2bの耐久性を向上させること
ができる。
【0061】また、ガス選択透過体5の表面に多量の触
媒3を担持することができるので、触媒3の寿命を延命
することができ、より耐久性の優れたガスセンサを得る
ことができる。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
ガスセンサによれば、被検出ガス中に含まれる分子径が
1000Å以上の被毒物質を除去し、検出に必要な一酸
化炭素や酸素を選択的に透過させるので、電極が被毒さ
れにくくなり、正確な一酸化炭素濃度を検出する耐久性
に優れたガスセンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるガスセンサの概略構
成図
【図2】同ガスセンサの一酸化炭素濃度特性図
【図3】同ガスセンサの二酸化硫黄に対する耐久性を示
した特性図
【図4】本発明の実施例2におけるガスセンサの断面図
【図5】従来のガスセンサの概略構成図
【符号の説明】
1 固体電解質 2a、2b 第一および第二電極 3 触媒 4 加熱手段 4a 絶縁体 4b ヒーター膜 4c 絶縁膜 5 ガス選択透過体 6 電位差検出手段 7 ガス供給手段 7a 電磁弁 7b ファン 8 第一演算手段 9 自己診断手段 10 第二演算手段 11 燃焼制御手段 12 第一警報手段 13 第二警報手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇野 克彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 丹羽 孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鶴田 邦弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2G004 BB04 BC03 BD04 BF07 BF08 BF09 BG01 BJ03 BL08 BL19 BM04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素イオン導電性を有する固体電解質と、
    前記固体電解質の表面に形成した第一および第二電極
    と、前記第一電極を覆うように形成した触媒と、平均細
    孔径が1000Å以下の多孔性セラミックから成るガス
    選択透過体と、前記固体電解質を加熱する加熱手段と、
    前記第一および第二電極間の電位差を検出する電位差検
    出手段と、ガスセンサの配置された雰囲気に任意の濃度
    の可燃性ガスを供給するガス供給手段と、複数の可燃性
    ガス濃度のそれぞれにおける複数の電位差から電位差の
    可燃性ガス濃度に対する傾きを求める第一演算手段と、
    前記傾きからガスセンサの状態を診断する自己診断手段
    を備えたガスセンサ。
  2. 【請求項2】ガス供給手段は、第一および第二濃度の可
    燃性ガスを供給し、第一演算手段は、前記第一および第
    二濃度の濃度変化分に対する前記第一および第二濃度に
    おける電位差検出手段の検出するそれぞれ第一および第
    二電位差の電位差変化分の比から傾きを求める請求項1
    記載のガスセンサ。
  3. 【請求項3】ガス供給手段は、燃料の燃焼量および空気
    量を制御して任意の濃度の可燃性ガスを供給する請求項
    1または2記載のガスセンサ。
  4. 【請求項4】ガス供給手段は、燃料を供給する電磁弁
    と、空気を供給するファンを備え、前記電磁弁および前
    記ファンに供給するそれぞれの電圧を制御して任意の可
    燃性ガスを供給する請求項3記載のガスセンサ。
  5. 【請求項5】電磁弁およびファンに供給するそれぞれの
    電圧と、電位差検出手段で検出する電位差からガスセン
    サの配置された雰囲気の可燃性ガス濃度を算出する第二
    演算手段を備えた請求項4記載のガスセンサ。
  6. 【請求項6】第二演算手段で算出した可燃性ガス濃度が
    予め設定した閾値を超えた場合、ファンに供給する電圧
    を制御して空気量を増加させ、それでも前記閾値を超え
    る場合、電磁弁および前記ファンの電圧の供給を停止す
    る燃焼制御手段と、これを報知し、換気を促す第一警報
    手段と、自己診断手段が第一演算手段で演算する傾きが
    予め設定した範囲から外れ、ガスセンサの異常を判定し
    た場合、これを報知し、ガスセンサの交換を促す第二警
    報手段を備えた請求項5記載のガスセンサ。
  7. 【請求項7】ガス選択透過体は、多孔性セラミックの細
    孔表面に皮膜が形成され、平均細孔径が20から500
    Åに制御された請求項1記載のガスセンサ。
  8. 【請求項8】触媒は、ガス選択透過体を介して第一電極
    を覆うように形成された請求項1記載のガスセンサ。
  9. 【請求項9】加熱手段は、電気的絶縁性を有する絶縁体
    の表面にヒーター膜が形成され、前記ヒーター膜を覆う
    ように電気的絶縁性を有する絶縁膜が形成される請求項
    1記載のガスセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007093295A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Toray Eng Co Ltd 酸素濃度測定装置
JP2010025728A (ja) * 2008-07-18 2010-02-04 Funai Electric Advanced Applied Technology Research Institute Inc 物質検出装置及び携帯電話機

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