JP2002071549A - 粒子撮像装置 - Google Patents

粒子撮像装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多量の粒子に含まれる異状粒子を能率よく撮
像する。 【解決手段】 粒子含有液を吐出するノズルと、粒子含
有液をノズルの先端方向から撮像する撮像部とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は粒子撮像装置に関
し、とくに、液中の粒子を撮像し、粒子像を画像解析す
ることによって粒子の大きさや形状に関する情報を求め
る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】このような従来の装置としては、シース
フローセルに粒子含有液(試料)をシース液で包んで流
し、偏平な流れ(例えば、厚さ5μm幅数百μmの流
れ)に変換し、その流れの偏平な面に直交する方向から
粒子を撮像するようにしたものが知られている(例え
ば、特開平8−136439号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多量の
平均サイズの粒子に含まれる少数の異常サイズの粒子を
撮像対象とするような場合には、従来の装置では、撮像
に供する試料の単位時間当たりの流量が小さいため、能
率よく撮像することができないという問題点があった。
【0004】この発明はこのような事情を考慮してなさ
れたもので、ノズルから多量の粒子含有液を吐出させ、
その吐出方向に向かって粒子含有液を撮像することによ
り、対象粒子を能率よく撮像することが可能な粒子撮像
装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は粒子含有液を
吐出するノズルと、粒子含有液をノズルの先端方向から
撮像する撮像部とを備える粒子撮像装置を提供するもの
である。
【0006】
【発明の実施の形態】この発明の装置の撮像対象粒子
は、ファインセラミックス,顔料,化粧品用パウダー,
トナー,研磨用パウダーのような無機物の粉体,および
食品添加物のような有機物の粉体を含む。
【0007】この発明のノズルは、用途に応じて透明又
は不透明材料で形成されるが、透明材料としては、例え
ば、ガラスやアクリル樹脂などが用いられ、不透明材料
としては、セラミックスや金属などが用いられる。
【0008】また、ノズルの吐出部の断面の形状サイズ
は、撮像部の撮像可能範囲(例えば200μm×200
μm)に対応させることが好ましい。なお、ノズルの孔
の断面形状は、円形又は多角形のいずれであってもよ
い。
【0009】撮像部は落射照明によって粒子含有液を照
明し撮像してもよい。撮像部は、粒子含有液を照明する
パルス発光光源と、照明された粒子を撮像する撮像素子
から構成できる。粒子検出部をさらに備え、粒子検出部
は、撮像部の撮像領域より上流の粒子含有液に含まれる
対象粒子を光学的に検出してもよい。粒子検出部は、粒
子含有液を照明する連続発光光源と、照明された粒子の
散乱光を受光する受光素子からなってもよい。
【0010】撮像制御部をさらに備え、撮像制御部は、
粒子検出部によって検出された粒子が撮像されるように
撮像部を制御してもよい。透明板をさらに備え、透明板
はノズルと撮像部との間に設置されてもよい。壁面に透
明部分を有するセルをさらに備え、ノズルはその先端が
透明部分に対向するようにセルに挿入され、撮像部はセ
ルの外から透明部分を介して撮像を行ってもよい。光源
が限外照明光源からなってもよい。ノズルが透明部材か
らなり、限外照明光源はノズルを介して粒子含有液を照
明してもよい。
【0011】撮像制御部は、受光素子で受光される散乱
光の強度が所定値より大きいときその散乱光を発する粒
子を撮像部に撮像させることができる。ノズルへ粒子含
有液を供給する試料チャンバーと、ノズルから吐出され
た粒子含有液を収容する排液チャンバーとをさらに備え
てもよい。ノズルは吐出孔が方形で、撮像部は方形の撮
像面を有するCCDを備えてもよい。撮像部と粒子検出
部はそれぞれ粒子含有液を異なる波長で照明する光源を
備えてもよい。
【0012】実施例 以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明を詳述す
る。これによってこの発明が限定されるものではない。
図1はこの発明の実施例の構成を示す構成説明図であ
る。
【0013】同図において、ノズル1の後端が試料チャ
ンバー2に接続され、試料チャンバー2に収容されてい
る粒子含有液が試料チャンバー2に印加される陽圧によ
り、ノズル1へ供給される。ノズル1はその先端がセル
3に挿入され、ノズル1の先端から吐出した粒子含有液
はセル3に収容される。
【0014】セル3内の粒子含有液は、ノズル1の先端
を十分に浸してさらに所定液位を越えると、排液チャン
バー4へ排出されるようになっている。撮像部5は、ノ
ズル1の先端から吐出される粒子含有液をその吐出方向
からセル1の壁面を介して撮像する。撮像制御部6は、
撮像部5の撮像タイミングを制御すると共に、撮像され
た画像を分析し、分析結果を出力部7に出力させる。撮
像制御部6はパーソナルコンピュータで構成される。
【0015】図2はノズル1およびセル3の詳細断面図
であり、セル3は中空で上面が開放された立方体の箱状
の形態を有する。ノズル1は、その先端がセル3の側壁
3aを貫通してセル3内に挿入され、ノズル1の本体が
シール部材3bによって壁面3aに液密状態で固定され
ている。側壁3aの対向側壁3Cには、ノズル1の先端
に対向する部分に窓3dが設けられ、窓3dは外側から
側壁3cに接着された透明ガラス板3eによって液密状
態で閉じられている。
【0016】ノズル1の後端には試料チャンバー2(図
1)に接続されるチューブ1aが接続され、セル3の底
面にはニップル3fが設けられ、ニップル3fには排液
チャンバー4(図1)に接続されるチューブ3gが接続
されている。この実施例では、ノズル1は石英ガラス製
で、その孔は200μm×200μmの正方形の断面を
有する。
【0017】セル3を満たす粒子含有液中にノズル1の
先端から粒子含有液が吐出されると、撮像部5は、吐出
される粒子含有液を透明ガラス板3eを介して撮像する
ようになっている。ノズル1の粒子含有液は、その流れ
が層流になるようにノズル1のサイズや内壁の形態に合
わせてその流速が決定される。なお、セル3は、例えば
アクリル樹脂製の板を接着して作製する。
【0018】図3は撮像部5の構成を示す構成説明図で
ある。同図において、マルチ光源ユニット89は、波長
660nmの連続光を出射するレーザダイオードと、波
長870nmのパルス光(発光時間100nsec)を
出射するパルスレーザダイオードとを備える。
【0019】マルチ光源ユニット89から波長660n
mの連続レーザ光L1が出射されると、そのレーザ光L
1はダイクロイックミラー94を透過し、ミラー96に
反射されて、円錐状外面反射ミラー98と円錐状内面反
射ミラー99により輪帯光に変換される。この輪帯光は
リング状ミラー43により円錐状内面反射ミラー31に
導かれセル3のノズル1の先端に収斂され、限外照明を
行う。
【0020】限外照明された粒子からの散乱光(波長6
60nm)は、対物レンズ32を介してダイクロイック
ミラー45により反射され、ミラー115、ピンホール
プレート118、コリメートレンズ119およびバンド
パスフィルタ120を介して光検出素子(フォトマルチ
プライアチューブ)112へ入射する。これによって光
検出素子112は粒子の散乱光の強度を測定する。
【0021】また、マルチ光源ユニット89から波長8
70nmのパルスレーザ光L2が出射されると、そのレ
ーザ光L2は、ダイクロイックミラー94により反射さ
れ、ビームエキスパンダ56によりビーム径が拡大さ
れ、半分の光量がハーフミラー51を透過し、残り半分
の光量がハーフミラー51により反射される。ハーフミ
ラー51により反射されたレーザ光L2はダイクロイッ
クミラー45を透過し、レンズ32によりセル3のノズ
ル1の先端に収斂される。つまり、粒子含有液に対する
落射照明が行われる。
【0022】照明された粒子含有液からの画像光は、対
物レンズ32、ダイクロイックミラー45、ハーフミラ
ー51、結像レンズ60を経てCCDボードカメラ63
に入射する。これにより、CCDボードカメラ63は波
長870nmのパルスレーザ光の落射照明による粒子含
有液の画像を撮像することができる。
【0023】なお、ハーフミラー51を透過したレーザ
光はレンズ52を介してCCDボードカメラ53によっ
て撮像される。これによってCCDボードカメラ53は
マルチ光源ユニット89から出射された870nmの波
長を有するパルスレーザ光の強度を検出し、CCDボー
ドカメラ63により得られた画像の照明ムラを補正す
る。
【0024】ダイクロイックミラー45には波長660
nmの光を反射し、波長870nmの光を透過させるも
のを用い、ダイクロイックミラー94には波長870n
mの光を反射し、波長660nmの光を透過されるもの
を用いている。また、CCDボードカメラ53には4分
の1インチサイズのものを、CCDボードカメラ63に
は2分の1インチサイズのものを用いている。
【0025】図4は図2の要部拡大図であり、ノズル1
の先端から粒子含有液が透明ガラス板3eに向かって吐
出される状態を示している。ノズル1の先端において、
吐出する粒子含有液の層流の中に、レーザ光L1による
限外照明領域R1が形成される。この場合、レーザ光L
1の光束の強度分布を均一にすることにより、領域R1
では流れに直交する方向の距離に対して図6に示すよう
に均一な照明光強度が得られるので、流れに直交する方
向の粒子通過位置による検出散乱光強度のバラツキはな
くなる。また、領域R1の下流にCCDボードカメラ6
3の撮像領域R2が設定される。領域R2は、この実施
例では、ノズル1の孔の寸法に対応するカメラ63の2
00μm×200μmの撮像可能面積とカメラ63の焦
点深度4μmとによって区画される領域であり、領域R
1に対して所定距離だけ下流に設定される。
【0026】そこで、ノズル1を流れる粒子から領域R
1における散乱光が光検出素子112によって検出され
ると、撮像制御部6(図1)はその散乱光強度が所定値
より大きい場合には、撮像対象粒子と判定する。その対
象粒子が領域R2に到達するタイミングでマルチ光源ユ
ニット89にパルスレーザ光L2を発光させ、その粒子
画像をCCDボードカメラ63に撮像させる。このよう
にして、ノズル1から吐出される液体に含まれる対象粒
子を的確に撮像することができる。
【0027】図5はこの実施例の変形例を示す図4対応
図である。ノズル1は透明材料(石英ガラス)で形成さ
れているので、レーザ光L1は図5に示すようにノズル
1の側面から入射してノズル1の孔の内部に限外照明領
域R1を形成することができる。この場合、撮像領域R
2もそれに対応してノズル1の孔の内部に形成される。
この変形例においても、図4に示す実施例と同様に領域
R1で検出した対象粒子を、カメラ63で領域R2にお
いて的確に撮像することができる。
【0028】
【発明の効果】この発明によれば、多量の粒子の中に少
量含まれる異常粒子を能率よく撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の構成を示す構成説明図であ
る。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図1の要部詳細図である。
【図4】図2の要部拡大説明図である。
【図5】この発明の変形例を示す図4対応図である。
【図6】図4に示す限外照明領域の照明光強度分布図で
ある。
【符号の説明】
1 ノズル 1a チューブ 2 試料チャンバー 3 セル 3a 側壁 3b シール部材 3c 側壁 3d 窓 3e 透明ガラス板 3f ニップル 3g チューブ 4 排液チャンバー 5 撮像部 6 撮像制御部 7 出力部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子含有液を吐出するノズルと、粒子含
    有液をノズルの先端方向から撮像する撮像部とを備える
    粒子撮像装置。
  2. 【請求項2】 粒子検出部をさらに備え、粒子検出部
    は、撮像部の撮像領域より上流で対象粒子を光学的に検
    出する請求項1記載の粒子撮像装置。
  3. 【請求項3】 粒子検出部は、粒子含有液を照明する限
    外照明光源と、照明された粒子の散乱光を受光する受光
    素子からなる請求項2記載の粒子撮像装置。
  4. 【請求項4】 撮像制御部をさらに備え、撮像制御部
    は、粒子検出部によって検出された粒子が撮像されるよ
    うに撮像部を制御する請求項2記載の粒子撮像装置。
  5. 【請求項5】 壁面に透明部分を有するセルをさらに備
    え、ノズルはその先端が透明部分に対向するようにセル
    に挿入され、撮像部はセルの外から透明部分を介して撮
    像を行う請求項1記載の粒子撮像装置。
  6. 【請求項6】 ノズルが透明部材からなり、限外照明光
    源はノズルを介して粒子含有液を照明する請求項3記載
    の粒子撮像装置。
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