JP2002070755A - ギヤポンプ - Google Patents

ギヤポンプ

Info

Publication number
JP2002070755A
JP2002070755A JP2000263477A JP2000263477A JP2002070755A JP 2002070755 A JP2002070755 A JP 2002070755A JP 2000263477 A JP2000263477 A JP 2000263477A JP 2000263477 A JP2000263477 A JP 2000263477A JP 2002070755 A JP2002070755 A JP 2002070755A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seal
gear
pressure chamber
side plates
gears
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000263477A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Watanabe
潤 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokico Ltd filed Critical Tokico Ltd
Priority to JP2000263477A priority Critical patent/JP2002070755A/ja
Publication of JP2002070755A publication Critical patent/JP2002070755A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯先シールを板状に形成して左,右の側板間
に挟むことにより、低圧室と高圧室との間のシール構造
を簡略化し、シール性を向上させる。 【解決手段】 左,右の側板5,6間によってギヤ8,
9を回転可能に支持し、そのギヤ部8A,9Aを側板
5,6間に配置する。また、側板5,6の間には、シー
ルプレート12を取付ピン14によって固定し、その凹
湾曲面部12A,12Bによってギヤ8,9の歯先側を
シールする。これにより、シールプレート12を小さく
形成してシール構造を簡略化でき、側板5,6間に位置
してシールプレート12の円弧溝12Cとギヤ8,9の
噛合部位との間に画成される低圧室15のシール性を向
上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両用ブレ
ーキ装置の油圧源等として好適に用いられるギヤポンプ
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ギヤポンプは構造が簡単で信頼
性が高いため小型、軽量のポンプとして、種々の産業分
野に用いられており、例えば車両用エンジンの燃料噴射
ポンプに適用されている(例えば、特開平10−252
589号公報等)。
【0003】この種の従来技術によるギヤポンプは、ポ
ンプハウジング内に互いに対向して配置される左,右の
側板と、該各側板に支軸を介して回転可能に支持され該
各側板の間に互いに噛合状態で配設される2個のギヤ
と、前記ポンプハウジング内に低圧室と高圧室とを画成
するため該各ギヤの歯先側をシールする歯先シールとし
てのシールブロックとから構成されている。
【0004】ここで、シールブロックは、例えば金属材
料等により細長い柱状体として形成され、その長さ方向
の中間部位は、各ギヤの歯先側に対して径方向外側から
摺接している。また、シールブロックは、長さ方向の両
側部位が各ギヤの歯先側を跨ぐように左,右両側に配置
され、これらの部位は左,右の側板に対して外側から衝
合されている。
【0005】この場合、各側板の外側面は、例えばギヤ
の外径にほぼ対応した円弧状の凸湾曲面として形成され
ているため、シールブロックには、これら側板の外側面
に対しほぼ面接触した状態で衝合される円弧面部が設け
られている。そして、これら側板の外側面とシールブロ
ックの円弧面部とは、両者間のシール性を高めるために
高精度の曲面加工を施して形成されるものである。
【0006】これにより、シールブロックは、左,右の
側板間に配置された各ギヤの歯先側をシールし、これら
の側板と各ギヤの噛合部位との間に低圧室を画成すると
共に、この低圧室を側板の外側でポンプハウジング内に
形成された高圧室に対して遮断するものである。
【0007】一方、左,右の側板は、各側板の対向面と
反対側に位置する端面がポンプハウジングの内壁に当接
し、この端面には、側板とシールブロックとの衝合部位
間に位置して低圧室に連通する吸込ポートが開口してい
る。このため、ポンプハウジングの内壁と各側板の端面
との間には、吸込ポート(低圧室)をポンプハウジング
内の高圧室に対して遮断するシール部材が設けられてい
る。そして、シール部材は、例えばゴム製の枠状体等に
よって形成され、側板とシールブロックとの衝合部位を
跨ぐように延びて吸込ポートの開口部位を取囲んでい
る。
【0008】また、ギヤポンプは、2個のギヤのうち一
方のギヤが駆動側ギヤとなり、この駆動ギヤは外部の駆
動源により支軸を介して回転駆動される。そして、ポン
プの作動時には、駆動側ギヤが他方の従動側ギヤと噛合
しつつ回転すると、ポンプハウジングに設けられた吸込
ポートから低圧室内に燃料等の油液が吸引され、この油
液は各ギヤの回転によって低圧室から高圧室に送液され
た後に、ポンプハウジングに設けられた吐出ポートから
外部ヘと吐出されるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、シールブロックに円弧状の円弧面部を形成
し、この円弧面部を側板の外側面に衝合させることによ
り、低圧室を高圧室に対してシールする構成としてい
る。しかし、ギヤポンプの成形、加工時には、側板の外
側面とシールブロックの円弧面部とがほぼ面接触状態で
衝合されるように両者を精度よく形成する必要があり、
このような高精度の曲面加工は手間がかかる上に難しい
ため、両者の衝合面には加工誤差等による微小な隙間が
形成され易い。
【0010】このため、従来技術では、側板とシールブ
ロックとの衝合面に存在する微小な隙間等によって両者
間のシール性が低下し、低圧室と高圧室との間を十分に
遮断できず、高圧室から低圧室側へと圧力の内部漏れ等
が生じてポンプの吐出性能が低下するという問題があ
る。
【0011】また、シール部材は、各側板の端面に位置
して側板とシールブロックとの衝合部位を跨ぐように配
置されるため、これらの衝合部位に寸法誤差等による僅
かな段差が存在するだけでも、この衝合部位でシール部
材が浮いた状態となり、圧力の内部漏れが発生するとい
う問題もある。
【0012】特に、例えばギヤポンプを車両用ブレーキ
装置の油圧源等として用いる場合には、その吐出圧が最
大で10MPa以上の高圧となるため、低圧室と高圧室
との間のシール不良が僅かでも発生すると、圧力の内部
漏れ等が大きくなり、ポンプの吐出性能を向上させるこ
とができない。
【0013】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、歯先シールによって側
板と各ギヤの噛合部位との間を良好にシールでき、高圧
室から低圧室に向けた圧力の内部洩れ等の発生を抑えて
吐出性能を向上できるようにしたギヤポンプを提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、ポンプハウジング内に互いに対向し
て配置される左,右の側板と、該各側板に支軸を介して
回転可能に支持され該各側板の間に互いに噛合状態で配
設される2個のギヤと、前記ポンプハウジング内を低圧
室と高圧室とに画成するため該各ギヤの歯先側をシール
する歯先シールとを有するギヤポンプに適用される。
【0015】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記歯先シールは前記各ギヤとほぼ等しい厚さ
に形成され、前記歯先シールは前記左,右の側板に挟ま
れる構成としたことにある。
【0016】このように構成することにより、左,右の
側板間には、各ギヤとほぼ等しい厚さをもつ歯先シール
をギヤと一緒に配置でき、この歯先シールによって各ギ
ヤの歯先側をシールすることができる。そして、歯先シ
ールと各ギヤの噛合部位との間には、左,右の側板間に
位置して低圧室を画成することができる。
【0017】また、請求項2の発明によると、歯先シー
ルは各ギヤとほぼ等しい熱膨張率を有する材料によって
形成する構成としている。
【0018】これにより、各ギヤと歯先シールとが左,
右の側板間で熱膨張または熱収縮するときには、これら
の熱膨張(収縮)量を互いにほぼ等しい大きさに揃える
ことができ、ギヤと歯先シールの両方を左,右の側板に
対し接触した状態に保持することができる。
【0019】また、請求項3の発明によると、歯先シー
ルには各ギヤよりも軟質な材料を用いて形成され各ギヤ
の歯先側をシールするシール面部を設ける構成としてい
る。
【0020】これにより、歯先シールのシール面部を各
ギヤの歯先側に摺接させて両者間をシールすることがで
きる。また、例えばギヤと歯先シールとが両者間の組付
誤差やポンプ作動時の圧力等によって互いに押付けられ
た状態で摺動する場合でも、ギヤの歯先側や歯先シール
の母材等が摩耗、損傷するのを軟質なシール面部によっ
て防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
ギヤポンプを、車両用ブレーキ装置の油圧源として用い
る場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0022】図中、1は当該ギヤポンプの外殻をなすポ
ンプハウジングで、該ポンプハウジング1は、一端側が
開口し他端側が底部2Aとなって閉塞された有底筒状の
ケース2と、該ケース2の開口端側を閉塞する蓋体3と
によって構成されている。また、ケース2の内周側は有
底のシリンダ孔2Bとなり、底部2A側には、後述する
吸込ポート16の一部をなす貫通孔2Cが穿設されてい
る。
【0023】4はポンプハウジング1内に配設されたポ
ンプ組立体で、該ポンプ組立体4は、図6、図7に示す
如く、後述の側板5,6、ギヤ8,9、シールプレート
12等を含んで構成されている。そして、これらの部材
は、ポンプハウジング1内に収容する前に組立てられ、
ポンプ組立体4としてアセンブリ化された状態でケース
2のシリンダ孔2B内に収容されるものである。
【0024】5,6はギヤ8,9を左,右両側から挟む
ように互いに対向して配置された一対の側板で、該側板
5,6は、例えば鉄系金属または青銅系金属材料により
略三角形状の板材として形成され、両者の対向面間にギ
ヤ室7を形成するものである。
【0025】そして、左側の側板5には、図4に示す如
く、後述するギヤ8,9の軸部8B,9Bをそれぞれ回
動可能に支持する支持孔5A,5Bと、後述する吸込ポ
ート16の一部をなす貫通孔5Cと、後述の取付ピン1
4が挿嵌されるピン挿嵌孔5Dとが板厚方向に貫通して
設けられ、側板5のうちピン挿嵌孔5Dの周囲に位置す
る部位は、シールプレート12が配置されるプレート配
置部5Eとなっている。また、側板5には、側板6への
対向面側に位置して逃げ溝5F,5Gが形成され、該逃
げ溝5F,5Gは、ポンプの作動時にギヤ8,9の噛合
部位で歯面間に閉込められる油液を後述の低圧室15ま
たは高圧室17側に逃がすものである。
【0026】一方、右側の側板6には、図2に示す如
く、側板5とほぼ同様に、ギヤ8,9の軸部8C,9C
をそれぞれ回動可能に支持する支持孔6A,6Bと、吸
込ポート16の一部をなす貫通孔6Cと、取付ピン14
用のピン挿嵌孔6Dとが設けられ、側板6のうちピン挿
嵌孔6Dの周囲に位置する部位はプレート配置部6Eと
なっている。
【0027】8,9は側板5,6間のギヤ室7内に互い
に噛合状態で配設された一対のギヤで、該ギヤ8,9は
鉄系金属材料等を用いて形成され、図1、図3に示す如
く、例えば平面研削、ラップ仕上げ等の加工手段により
互いにほぼ等しい厚さに形成された円板状のギヤ部8
A,9Aと、該ギヤ部8A,9Aの中心側から軸方向一
側に延びる軸部8B,9Bと、ギヤ部8A,9Aの中心
側から軸方向他側に延びる軸部8C,9Cとから構成さ
れている。
【0028】ここで、駆動側のギヤ8は、支軸としての
軸部8B,8Cのうち軸部8Bが側板5の支持孔5A内
に回転可能に挿嵌され、その先端側は蓋体3に軸受10
を介して軸支されている。また、軸部8Bの先端側は蓋
体3の外部へと突出してエンジンまたは電動モータ等の
駆動源(図示せず)と連結されている。また、軸部8C
は側板6の支持孔6A内に回転可能に挿嵌され、その先
端側はケース2の底部2A側に軸受11を介して軸支さ
れている。
【0029】一方、従動側のギヤ9は、支軸としての軸
部9B,9Cが側板5,6の支持孔5B,6B内にそれ
ぞれ回転可能に挿嵌され、ケース2の底部2Aと蓋体3
との間で軸方向に位置決めされている。
【0030】そして、ギヤポンプの作動時には、従動側
のギヤ9が駆動側のギヤ8に追従して作動し、これらの
ギヤ8,9が図3中の矢示A,B方向に回転駆動される
ことにより、後述の吸込ポート16から低圧室15に導
かれる油液が周囲の高圧室17側へと順次送液され、こ
の油液は後述の吐出ポート18からポンプハウジング1
外へと吐出されるものである。
【0031】12はポンプ組立体4の一部を構成する歯
先シールとしてのシールプレートで、該シールプレート
12は、例えばギヤ8,9とほぼ同様の熱膨張率を有す
る鉄系金属材料等からなり、図3、図6、図7に示す如
く側板5,6のプレート配置部5E,6E間に収まるよ
うな多角形の平板状に形成され、ギヤ8,9のギヤ部8
A,9Aとほぼ等しい厚さを有している。
【0032】また、シールプレート12の端面側には、
ギヤ部8A,9Aの歯先側に対応して円弧状に形成され
た2個の凹湾曲面部12A,12Bと、該凹湾曲面部1
2A,12B間に配置され、低圧室15の周壁をなす円
弧溝12Cと、取付ピン14を挟んで低圧室15とほぼ
反対側に形成され、高圧室17に面して配置される外側
面部12D,12Dとが設けられている。また、シール
プレート12には、取付ピン14用のピン挿嵌孔12E
が板厚方向に貫通して形成されている。
【0033】そして、シールプレート12は、側板5,
6のプレート配置部5E,6E間に挟まれるように配置
され、その両面側がプレート配置部5E,6Eに対して
液密に密着すると共に、取付ピン14によってプレート
配置部5E,6E間に抜止め状態で固定されている。ま
た、この状態で凹湾曲面部12A,12Bは、図5に示
す如く、後述の軟質シール材13,13を介してギヤ
8,9の歯先側に摺接し、これらの歯先側をシールする
と共に、円弧溝12Cは、側板5,6間に位置してギヤ
8,9の噛合部位との間に低圧室15を画成している。
【0034】13,13はシールプレート12に設けら
れたシール面部としての軟質シール材で、該各軟質シー
ル材13は、例えば樹脂材料、銅、フッ素等のギヤ8,
9よりも軟質な材料を用いてシールプレート12の凹湾
曲面部12A,12Bにコーティングまたはめっき処理
を施すことにより形成され、所定の厚さをもって凹湾曲
面部12A,12Bを覆っている。そして、各軟質シー
ル材13はギヤ8,9の歯先側に摺接し、シールプレー
ト12と協働してギヤ8,9の歯先側を液密にシールす
ると共に、シールプレート12とギヤ8,9の歯先側と
が直接摺動することによって両者が摩耗、損傷するのを
防止しているものである。
【0035】14はシールプレート12を側板5,6間
に抜止め状態で取付ける取付ピンで、該取付ピン14
は、図6、図7に示す如く、長さ方向の中間部位がシー
ルプレート12のピン挿嵌孔12Eに挿嵌され、両端側
が側板5,6のピン挿嵌孔5D,6Dにそれぞれ挿嵌さ
れている。
【0036】15は側板5,6間のギヤ室7内に位置し
てギヤ8,9とシールプレート12との間に画成される
低圧室で、該低圧室15は、図5に示す如く、ギヤ8,
9の噛合部位とシールプレート12の円弧溝12Cとの
間に形成され、吸込ポート16と常時連通している。
【0037】ここで、吸込ポート16は、例えば外部の
作動油タンク(図示せず)等に接続されるケース2の貫
通孔2Cと、低圧室15に連通する側板5,6の貫通孔
5C,6Cとによって構成され、貫通孔2C,6Cは、
ポンプ組立体4をポンプハウジング1内に収容した状態
で互いに接続されている。これにより、吸込ポート16
は、ギヤポンプの作動時に低圧室15に油液を導くもの
である。
【0038】17はポンプハウジング1のシリンダ孔2
Bとポンプ組立体4との間に形成される高圧室で、該高
圧室17は、図3に示す如く、低圧室15から離間して
ギヤ8,9の周囲に形成され、後述の各シール部材19
等を用いて低圧室15および吸込ポート16から遮断さ
れている。そして、高圧室17は、ポンプハウジング1
に設けられた吐出ポート18を介して例えば車両用ブレ
ーキ装置の配管等に接続され、そのホイルシリンダ等に
高圧の油液を供給するものである。
【0039】19,19は例えば弾性樹脂材料等によっ
て形成された略メガネ形状のシール部材で、該各シール
部材19は、図1、図2に示す如く、蓋体3に当接する
側板5の端面外周側とケース2の底部2Aに当接する側
板6の端面外周側にそれぞれ配設されている。そして、
各シール部材19は、側板5,6の支持孔5A,5B,
6A,6B、ピン挿嵌孔5D,6Dおよび貫通孔5C,
6Cを取囲む位置でポンプハウジング1と側板5,6と
の間をシールし、ポンプ組立体4の内部を高圧室17に
対して遮断しているものである。
【0040】本実施の形態によるギヤポンプは上述の如
き構成を有するもので、次に、その作動について説明す
る。
【0041】まず、外部の駆動源によりギヤ8を図3中
の矢示A方向に回転駆動すると、ギヤ8に噛合するギヤ
9は矢示B方向に回転駆動される。そして、ギヤ8,9
の回転により吸込ポート16側から低圧室15に導かれ
る油液は、ギヤ部8A,9Aによりシールプレート12
の凹湾曲面部12A,12Bに沿って高圧室17側へと
順次送液される。これにより、高圧室17は高圧の油液
で満たされるようになり、この油液はポンプハウジング
1の吐出ポート18から外部に吐出され、例えば車両の
ブレーキ装置に供給される。
【0042】この場合、高圧室17内の圧力が上昇する
と、側板5,6の端面のうち例えば図2中でシール部材
19の外側に位置する部位が高圧室17内の圧力を受承
することにより、左,右の側板5,6はギヤ8,9とシ
ールプレート12に向けて軸方向に押圧され、これらの
両面に密着した状態となる。
【0043】また、低圧室15と高圧室17との間には
圧力差が生じるが、シールプレート12は、その両面側
が側板5,6に液密に密着し、凹湾曲面部12A,12
Bが軟質シール材13を介してギヤ8,9の歯先側を液
密にシールしているので、低圧室15と高圧室17とは
遮断された状態に保持される。
【0044】また、高圧室17内の圧力はシールプレー
ト12の外側面部12D等にも作用するため、シールプ
レート12は低圧室15側に向けた押圧力を受け、その
凹湾曲面部12A,12Bはギヤ8,9の歯先側に押付
けられた状態となる。しかし、凹湾曲面部12A,12
Bとギヤ8,9の歯先側との間には、軟質シール材13
が介在しているので、これらの間にかじり、焼付き等が
生じるのを防止することができる。
【0045】かくして、本実施の形態によれば、シール
プレート12をギヤ8,9とほぼ等しい厚さに形成し、
該シールプレート12を側板5,6間に挟む構成とした
ので、左,右の側板5,6間には、ギヤ8,9と一緒に
シールプレート12を配置することができる。そして、
ギヤポンプの作動時には、高圧室17内の圧力を利用し
て側板5,6をシールプレート12の両面に液密に密着
させることができ、この状態でシールプレート12の凹
湾曲面部12A,12Bによってギヤ8,9の歯先側を
シールできるから、低圧室15を高圧室17に対して確
実に遮断することができる。
【0046】この結果、従来技術のように側板の外側面
とシールブロックの円弧面部とを高精度に曲面加工して
衝合させる必要がなくなり、側板5,6間に平坦なシー
ルプレート12を挟むだけでよくなるから、低圧室15
と高圧室17との間のシール性を高めることができ、高
圧室17から低圧室15に向けた圧力の内部洩れ等の発
生を抑えてポンプの吐出性能を向上させることができ
る。
【0047】また、シール部材19をポンプ組立体4側
において側板5,6の端面だけに当接させることがで
き、従来技術のようにシール部材を側板とシールブロッ
クとの衝合部位を跨ぐように配置する必要がなくなるか
ら、側板5,6とシールプレート12との間の形状ばら
つき等に関係なく、シール部材19によってポンプ組立
体4の内部を良好にシールすることができる。
【0048】また、シールプレート12をギヤ8,9と
ほぼ等しい熱膨張率を有する材料によって形成したの
で、例えばギヤ8,9とシールプレート12とが側板
5,6間で熱膨張するときには、これらの熱膨張量を互
いにほぼ等しい大きさに揃えることができ、ギヤ8,9
とシールプレート12の両方を側板5,6に対して安定
的に接触させることができる。
【0049】また、シールプレート12の凹湾曲面部1
2A,12Bには、ギヤ8,9よりも軟質な材料を用い
て軟質シール材13を形成し、該軟質シール材13をギ
ヤ8,9の歯先側に摺接させたので、シールプレート1
2と軟質シール材13とによってギヤ8,9の歯先側を
シールでき、例えばギヤ8,9とシールプレート12と
が両者間の組付誤差や高圧室17内の圧力等によって互
いに押付けられた状態で摺動する場合でも、ギヤ8,9
の歯先側やシールプレート12等が摩耗、損傷するのを
軟質シール材13とによって防止でき、これらの部材を
保護して耐久性を高めることができる。
【0050】なお、実施の形態では、歯先シールとして
ギヤ8,9のギヤ部8A,9Aとほぼ等しい厚さをもつ
平板状のシールプレート12を例に挙げて述べたが、本
発明はこれに限らず、例えば歯先シールのうちギヤ8,
9の歯先側に摺接する部位の近傍だけをギヤ部8A,9
Aとほぼ等しい厚さに形成すればよく、他の部位はギヤ
部8A,9Aと異なる厚さに形成する構成としてもよ
い。
【0051】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、歯先シールを各ギヤとほぼ等しい厚さに形成し、
該歯先シールを左,右の側板間に挟む構成としたので、
例えば高圧室の圧力等を利用して左,右の側板を歯先シ
ールの両面に液密に密着させることができ、この状態で
歯先シールによってギヤの歯先側をシールできるから、
低圧室と高圧室との間のシール性を高めて圧力の内部漏
れ等を抑制でき、その吐出性能を向上させることができ
る。この結果、従来技術のように側板とシールブロック
に対して高精度の曲面加工を施す必要がなくなり、これ
らの間のシール構造を簡略化できる。また、側板の端面
側をシールするシール部材を、従来技術のように側板と
シールブロックとの衝合部位を跨ぐように配置する必要
がなくなるから、このシール部材によっても低圧室と高
圧室との間を良好にシールすることができる。
【0052】また、請求項2の発明によれば、歯先シー
ルは各ギヤとほぼ等しい熱膨張率を有する材料によって
形成する構成としたので、例えばギヤと歯先シールとが
左,右の側板間で熱膨張するときには、これらの熱膨張
量を互いにほぼ等しい大きさに揃えることができる。こ
れにより、ギヤと歯先シールの両方を側板に対して安定
的に接触させることができ、低圧室と高圧室との間を良
好にシールすることができる。
【0053】また、請求項3の発明によれば、歯先シー
ルには各ギヤよりも軟質な材料を用いて形成され各ギヤ
の歯先側をシールするシール面部を設ける構成としたの
で、このシール面部によってギヤの歯先側をシールで
き、例えばギヤと歯先シールとが両者間の組付誤差や高
圧室内の圧力等によって互いに押付けられた状態で摺動
する場合でも、ギヤの歯先側や歯先シールの母材等が摩
耗、損傷するのをシール面部によって防止でき、これら
の部材を保護して耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるギヤポンプを示す縦
断面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみたギヤポンプの
断面図である。
【図3】図1中の矢示 III−III 方向からみたギヤポン
プの断面図である。
【図4】図1中の矢示IV−IV方向からみたギヤポンプの
断面図である。
【図5】図3中のシールプレート等を拡大して示す要部
拡大図である。
【図6】ポンプ組立体を示す正面図である。
【図7】ポンプ組立体を組立てる前の状態で示す分解斜
視図である。
【符号の説明】
1 ポンプハウジング 2 ケース 3 蓋体 4 ポンプ組立体 5,6 側板 5A,5B,6A,6B 支持孔 5C,6C 貫通孔 5D,6D,12E ピン挿嵌孔 5E,6E プレート配置部 7 ギヤ室 8,9 ギヤ 8A,9A ギヤ部 8B,8C,9B,9C 軸部(支軸) 12 シールプレート(歯先シール) 12A,12B 凹湾曲面部 12C 円弧溝 12D 外側面部 13 軟質シール材(シール面部) 14 取付ピン 15 低圧室 16 吸込ポート 17 高圧室 18 吐出ポート 19 シール部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプハウジング内に互いに対向して配
    置される左,右の側板と、該各側板に支軸を介して回転
    可能に支持され該各側板の間に互いに噛合状態で配設さ
    れる2個のギヤと、前記ポンプハウジング内を低圧室と
    高圧室とに画成するため該各ギヤの歯先側をシールする
    歯先シールとを有するギヤポンプにおいて、 前記歯先シールは前記各ギヤとほぼ等しい厚さに形成さ
    れ、前記歯先シールは前記左,右の側板に挟まれる構成
    としたことを特徴とするギヤポンプ。
  2. 【請求項2】 前記歯先シールは、前記各ギヤとほぼ等
    しい熱膨張率を有する材料によって形成してなる請求項
    1に記載のギヤポンプ。
  3. 【請求項3】 前記歯先シールには、前記各ギヤよりも
    軟質な材料を用いて形成され前記各ギヤの歯先側をシー
    ルするシール面部を設ける構成としてなる請求項1また
    は2に記載のギヤポンプ。
JP2000263477A 2000-08-31 2000-08-31 ギヤポンプ Pending JP2002070755A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000263477A JP2002070755A (ja) 2000-08-31 2000-08-31 ギヤポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000263477A JP2002070755A (ja) 2000-08-31 2000-08-31 ギヤポンプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002070755A true JP2002070755A (ja) 2002-03-08

Family

ID=18751019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000263477A Pending JP2002070755A (ja) 2000-08-31 2000-08-31 ギヤポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002070755A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102010001601A1 (de) 2009-03-23 2010-10-07 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Zahnradpumpe und Zahnradpumpe für Bremsvorrichtung
JP2016142140A (ja) * 2015-01-30 2016-08-08 日立オートモティブシステムズ株式会社 ギヤポンプおよびブレーキ装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102010001601A1 (de) 2009-03-23 2010-10-07 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Zahnradpumpe und Zahnradpumpe für Bremsvorrichtung
US8684473B2 (en) 2009-03-23 2014-04-01 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Gear pump and gear pump for brake apparatus
DE102010001601B4 (de) * 2009-03-23 2014-09-04 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Zahnradpumpe und Zahnradpumpe für Bremsvorrichtung
JP2016142140A (ja) * 2015-01-30 2016-08-08 日立オートモティブシステムズ株式会社 ギヤポンプおよびブレーキ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5564916A (en) Rotary compressor having strengthened partition and shaped recesses for receiving the strengthened partition
US7347677B2 (en) Vane pump
US7789642B2 (en) Gear pump and method of producing the same
JP5369068B2 (ja) ポンプ装置
JP3945151B2 (ja) 歯車ポンプ又はモータ
US8579616B2 (en) Gear pump
JP2002070755A (ja) ギヤポンプ
JP5164720B2 (ja) 外接歯車ポンプ
JP2001214870A (ja) ギヤポンプ
JPH0942168A (ja) ベーンポンプ駆動軸のオイルシール構造
JP4596841B2 (ja) オイルポンプ
JP2010059931A (ja) ギヤポンプ
JP2000320471A (ja) ギヤ式燃料ポンプ
JP3652133B2 (ja) ギヤポンプ
JPH10122161A (ja) ギアポンプ
JP2002106476A (ja) ギヤポンプ
JP2005344538A (ja) 歯車ポンプ
JP2021063455A (ja) 歯車ポンプ又は歯車モータ
CN112576498B (zh) 齿轮泵
JP4340187B2 (ja) ギヤポンプ
JP2010059932A (ja) ギヤポンプ
JP2002202070A (ja) ギヤポンプ
JPH0227196Y2 (ja)
JPS61157781A (ja) 低粘度流体用高圧歯車ポンプ
WO2020165963A1 (ja) 歯車ポンプまたはモータ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041126

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090414

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090818