JP2005344538A - 歯車ポンプ - Google Patents

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賢二 平工
Norihiro Saida
憲宏 齋田
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Abstract

【課題】
外接式歯車ポンプにおいて、高い加工精度を要することなく、シール性を向上し、低粘度の流体を高圧かつ高い容積効率で吐出する。
【解決手段】
外接式歯車ポンプにおいて、歯車側面に樹脂性のシール部材を当接させ、該シール部材により高圧部と低圧部を分離させる。
歯車31、32の両側面を挟設するシール部材33を樹脂で形成するとともに、シール部材の反歯車側の面に高圧を導いてセルフシールを行うよう溝44と弾性部材34を配置し、かつ、吸入ポートにつながる低圧部と吐出ポートにつながる高圧部とが分離するようにシール部材を配置する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、歯車ポンプに係わり、油圧装置等の流体圧源はもとより、ガソリンや高温ブレーキ油等の低粘度の流体を加圧吐出するのに好適な歯車ポンプに関する。
従来、容積効率の高い外接形の歯車ポンプには、樹脂により漏れを減少するようにした構成が知られていた。例えば、その一例として、特許文献1には、ハウジングとカバーから形成される圧縮室の内部に、駆動軸と、前記駆動軸と共に回転する駆動ギヤと、前記駆動ギヤと噛み合って回転する従動ギヤと、前記従動ギヤを支持する従動軸とを有するギヤ式燃料ポンプにおいて、前記駆動ギヤおよび従動ギヤの端面に、樹脂でできた円筒状のシールリングを設け、前記シールリングを弾性体によって前記駆動ギヤおよび従動ギヤに押し付ける構成としたギヤ式燃料ポンプが記載されている。
また、特許文献2には、一対の歯車を噛合状態で収容し得る孔を有したボディと、該ボディの左右の開口端面にそれぞれ接合されるべき接合面を有しその接合面の中央に前記ボディの孔に嵌装される印籠部が突設された一対のカバーと、それらのカバーの印籠部端面に開口し前記両歯車の支軸をその内に嵌装して支承する軸受部と、前記カバーの印籠部端面における軸受部の外周に沿って凹設され高低圧区画用の3の字形ガスケットが装着される圧力バランス溝と、前記カバーの接合面における印籠部を包囲する位置に凹設され外部漏れ防止用の環状ガスケットが装着される環状溝とを具備してなる歯車ポンプ又はモータにおいて、前記3の字形ガスケットの両端部と前記環状ガスケットの対応する部位とを軸方向に伸びる舌片を介して一体化するとともに、それらの舌片の形状に対応した舌片装着用の凹欠部を前記印籠部の外周面および前記カバーの接合面に設けた歯車ポンプ又はモータが記載されている。
特開平2000−320471号公報 実開平6−25584号公報
特許文献1に記載された従来技術の外接形歯車ポンプでは、樹脂シール部材を使用するという利点を有するが、歯車のかみ合い部における側面漏れ、ならびに吸入ポート近傍の歯先シール部における側面漏れが生じ、低粘度の流体を高圧で加圧吐出するには十分でないという課題があった。これは、シールリングが円筒状のため、歯車側面の軸外周部のみがシールされているだけで、上記のかみ合い部や歯先シール部の側面は隙間ができてしまっていることに基因する。また円筒状のシールリングで軸の周囲を完全に囲っているため、軸受への流体の出入りがなく、摩擦による温度上昇や摩耗粉の堆積により、軸受の耐久性が低下するという課題もある。さらに軸受が略閉空間となるので、高圧部から漏れてきた流体により軸受室も高圧になり、軸受室につながる回転軸シールから流体が外部漏れを起こしやすくなるという課題もある。
特許文献2に記載の構造にあっては、製造コストが高くなるという課題がある。
本発明の目的は、高温のブレーキ液のような低粘度の流体でも高い圧力に昇圧可能で、かつ高い容積効率を得ることができ、かつ安価に製造できる歯車ポンプを提供することにある。
本発明は、本体内に密封状とされた内部空間部が形成され、該内部空間部内で互いにかみ合って回転する一対の外接歯車を備え、該一対の外接歯車は、それらの歯先が前記内部空間部の周壁部材によって、そして両側面がそれぞれシール部材によってシールされる外接形の歯車ポンプにおいて、前記シール部材は、前記一対の外接歯車の双方に接触して、樹脂部材で構成され、前記内部空間部は、前記一対の外接歯車および前記シール部材と該シール部材を外接歯車の側面に対して押圧する弾性体を収納するに充分な溝部を有し、該溝部は、前記シール部材と前記弾性体とを組み合わせて収納するシール空間部と、前記一対の外接歯車によって外周部に形成された高圧流体を収容し、前記シール空間部および吐出ポートに連通する高圧領域部とを形成する歯車ポンプを提供する。
前記溝部は少なくとも2段差形状からなり、歯先が前記周壁部材に接触する側の先端側の溝の幅は収容される外接歯車の板幅よりも大きな幅を有することによって外接歯車の歯先側方に前記高圧領域部が形成される歯車ポンプを提供する。
また、本発明は、本体内に密封状とされた内部空間部が形成され、該内部空間部内で互いにかみ合って回転する一対の外接歯車を備え、該一対の外接歯車は、それらの歯先が前記内部空間部の周壁部材によって、そして両側面がそれぞれシール部材によってシールされる外接形の歯車ポンプにおいて、前記シール部材は、前記一対の外接歯車の双方に接触して、樹脂部材で構成され、前記内部空間部には、前記シール部材と前記弾性体とを組み合わせて収納するシール空間部と、前記一対の外接歯車によって外周部に形成された高圧流体を収容し、前記シール空間部に連通し、および吐出ポートに連通する高圧領域部が形成され、吸込ポートの周囲に低圧領域部が形成され、前記シール部材および前記弾性体を3の字状であって、それぞれの両端部が前記内部空間部の側壁部材に接触する接触部とすることによって、前記高圧領域部と前記低圧領域部とを区画する歯車ポンプを提供する。
また、本発明は、本体内に密封状とされた内部空間部が形成され、該内部空間部内で互いにかみ合って回転する一対の外接歯車を備え、該一対の外接歯車は、それらの歯先が前記内部空間部の周壁部材によって、そして両側面がそれぞれシール部材によってシールされる外接形の歯車ポンプにおいて、前記シール部材は、前記一対の外接歯車の双方に接触して、樹脂部材で構成され、前記一対の外接歯車によって外周部に形成された高圧流体を収容するように該外周部に形成された高圧領域部の高圧流体によって前記外接歯車の側面に押圧される側面を有し、該側面には更に弾性体が押圧するように作用し、前記高圧領域部と吸込ポートの周囲に形成される低圧領域部とは、前記シール部材と弾性体の組み合わせによって区画される歯車ポンプを提供する。
本発明によれば、高温のブレーキ液のような極低粘度の流体でも高い圧力に昇圧可能で、かつ高い容積効率を得られる歯車ポンプを提供することができる。また樹脂の弾性により密封性を確保できるので部品の必要精度が緩和され、安価で生産性の高い歯車ポンプを提供することができる。
本実施例の歯車ポンプは、密封されたケーシング内で互いにかみ合って回転する一対の外接歯車と、両歯車の歯先をシールする周壁部材と、歯車の両側面を挟設する一対のシール部材とを備えた外接形の歯車ポンプであって、シール部材を樹脂で形成するとともに、シール部材の反歯車側の面に吐出ポートにつながる高圧が導かれるよう構成し、かつ、吸入ポートにつながる低圧部と吐出ポートにつながる高圧部とが分離するようにシール部材を配置している。
あるいは本実施例の歯車ポンプは、シール部材を樹脂で形成するとともに、シール部材の反歯車側の面に吐出ポートにつながる高圧が導かれるよう構成し、かつ、シール部材は少なくとも吸入ポート近傍では歯車側面の歯先までが接触するよう構成しつつ、両歯車の軸の周囲と吸入ポートとを囲むように配置している。
あるいは本実施例の歯車ポンプは、密封されたケーシング内で互いにかみ合って回転する一対の外接歯車と、歯車の軸が貫通する穴を有し歯車を回転可能に挟設する一対のインナーハウジングと、両歯車の歯先をシールする周壁部材と、歯車の両側面を挟設する一対のシール部材とを備えた外接形の歯車ポンプであって、シール部材を樹脂で形成するとともに、シール部材の反歯車側の面に吐出ポートにつながる高圧が導かれるよう構成し、かつ、吸入ポートにつながる低圧部と吐出ポートにつながる高圧部とが分離するようにシール部材を配置し、さらに、インナーハウジングはケーシングとは別個に構成されてケーシング内に収納するようにしている。
また好ましくは、両歯車の歯先をシールする周壁部材はアルミ等の切削性のよい材料で形成するとともに、周壁部材をインナーハウジングに圧入するようにしている。
また好ましくは、前記シール部材および前記弾性体は、それぞれが3の字状であって、それぞれの両端部が前記内部空間部の側壁部材に接触する接触部とされる。
また、好ましくは、前記シール部材の接触部は、3の字状の部分に比べてふくらんだ形状とされる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の歯車ポンプの一実施例を示す横断面図、図2は図1におけるA−A断面、図3は図1におけるB−B断面である。
図1において41はカバー、37はケーシングであり、本体10を構成する。本体10の内部には内部空間部20が形成してあり、この内部空間部20は、2段差になる溝部21を有し、図面において上側の溝22(22´)と下側の溝23(23´)とよりなり、両者は一体として形成されてそれぞれ矩形断面をなして連通する。(尚、左右の構成で同一の場合には左側の構成品にダッシュ(´)を付けている。)内部空間部20内で、軸受39、39´を介して駆動軸と一体になった駆動歯車31が軸支されている。従動歯車32は駆動歯車31と歯幅がほぼ等しく、互いにかみ合って回転しポンプ作用を行う。駆動歯車31と従動歯車32とは一対の外接歯車を有する。シール部材33、33´は樹脂部材で形成されており、両歯車31、32の側面に摺接して、歯車の側面シールを行う。図2に示すように内部空間部20は、めがね型の穴であり、溝部21はめがね型の穴と一体となって内部空間部20を形成し、その周壁部材は、両歯車31、32の歯先と接して歯先シールを行う。溝部21(21´)(ただし、穴部と見てもよい。)は、少なくとも2段差形状からなり、歯先が周壁部材に接触する側の先端側の溝21の幅は(ケーシング37から見れば、深さとなる。)収容される外接歯車の板幅よりもわずかに大きな幅を有する。このために、歯車側面はカバー41とケーシング37とは接触せず、歯車の両面側を挟設するシール部材33、33´のみが接触する。ケーシング37は図2に示すように吸込用流通孔となる吸込ポート35を有しており、両歯車のポンプ作用によって吸込ポート35より吸い込まれた流体は歯車の外周部を通って移送され、吐出ポート36より外部に吐出される。
ここで、本発明の対象となるポンプは外接形の歯車ポンプであり、流体を高圧かつ高効率に吐出するためには、歯先および、側面のシール性を向上して内部漏れを極力抑えることが大切である。
本実施例の歯車ポンプはシール部材として樹脂性シールを用いることで、漏れの大半を占める側面漏れの低減と、必要精度の緩和を図って、低コスト化を図っている。
一般に歯車ポンプはプランジャポンプと比べて漏れが多く、低粘度の流体を高圧に吐出するのは不得手であり、漏れを減らすべく隙間を小さく抑えるには高い加工精度が必要になるという課題があるが、樹脂性シールを使用することによって高い加工精度ではない歯車についても漏れを減らすことができるようになる。樹脂としては、例えば四フッ化エチレン樹脂、またはその化合物を使用することができる。
図3は、溝部22´の形状、およびここに配設されるシール部材33´の形状を示す。図4は、図3に示す形状の斜視図であり、シール部材33´に沿ってその背面に設置される弾性部材(弾性体)34´および溝部22´に形成されるシール部材33´を納める溝44´および吸込ポート35、吐出ポート36を示す。図3および図4において、溝22´は数字の3の字に似た形(以下、3の字状という。)をして、駆動側、従動側およびその中間部を含めて一様の深さに形成され、更に深さ方向にシール部材33´を納める溝44´が形成してある。この溝44´にシール部材33´を納めたときに、溝44´の周囲には隙間54´が形成される。ここでは溝部22をほぼ矩形状であるので矩形状断面と呼ぶ。
シール部材33´は、幅広の板状のシール部材とされ、その背面には後述するように、吐出ガスの高圧が作用し、かつ弾性部材34´が接触して押圧力が働く。シール部材33の両端部は内部空間部20の周壁部財に接触するように、ふくらみ部46´を持つように形成される。このふくらみ部46´をふくらみ部のある接触部と呼ぶ。シール部材33´は、吸込ポート35と吐出ポート36との間の最短距離部に3の字状の中央部が位置し、3の字状の両端部に形成されたふくらみ部46´のある接触部は中央部より最も遠い部分(最遠部)にあり、上述のように周縁部は周壁部財に接触し、最先端は吸込ポート35に近接して吸込ポート35に対峙する。従って、吸込ポート35´は、中央部および最遠部に対峙され、包囲される。このようにして、軸受部39、40の周囲と吸込ポート35の周囲はシール部材33´によって溝部22の平面付近と吐出ポート36の周囲とに区画されることになる。そして、重要なことは、両者の区画が幅広のシール部材33´によってなされているということである。
図4に示すように、シール部材33´の背面側には弾性部材34´がシール部材33´と同じようにして配設される。弾性部材34´は、丸状形状をなし、かつ3の字状をなし、両端部はシール部材33´と同様に周壁部財に接触する接触部47´を備える。
図1−図4に示すように樹脂性のシール部材33、33´の反歯車側にはゴム等でできた弾性部材34、34´を配置し、さらに吐出ポート36につながる高圧が導入されるようシール部材を収める溝44、44´の外周部には隙間54´が設けてある。これにより、自己の吐出圧力によりシール部材を押圧してシールするというセルフシールの構成となり、樹脂の弾性による高い密封性とあいまって、側面漏れの大幅な低減が可能になる。弾性部材34、34´は、ポンプの運転開始前に初期荷重をシール部材33、33、´に与えつつ、運転時には高圧流体をシールする役割を持つ。
ここで、図5は歯車側面の圧力分布と内部漏れの方向を簡略的に示した図であり、点線で囲まれた部分が吸入ポート35につながる低圧領域部(L)、太線で囲まれた部分が吐出ポート36につながる高圧領域部(H)である。矢印は内部漏れの方向を示しており、高圧領域部から低圧領域部へと流体が漏れようとする。
従来技術の歯車ポンプでは、白抜きの矢印で示す歯車外周から軸に向かって抜ける漏れの低減には有効であったものの、網掛けした矢印で示す歯車かみ合い部における漏れと、吸入ポート近傍の歯先シール部における漏れに対するシール効果はなく、むしろ大きな隙間が形成されてしまうために漏れが増大し、全体として逆に漏れが増えてしまう可能性もあった。これは、従来技術のシール部材は円筒形状のため、歯車側面の軸外周部のみがシールされているだけで、上記のかみ合い部や歯先シール部の側面は隙間ができてしまっているからである。
本実施例の歯車ポンプでは、図3に示すように、シール部材33´を数字の3の字状とし、シール部材33´の内側を吸入ポート35につながる低圧領域部として、外側を吐出ポート36につながる高圧領域部から区画して、図5に示した全ての方向の内部漏れに対してシール効果が得られるようにした。すなわち、シール部材33、33´を使用して低圧領域部と高圧領域部との区画を行っている。上述のように、溝44´およびシール部材33´の背面にある弾性部材34´(図示せず)も同様の3の字形状をしており、弾性部材34´は溝44´の内周側に沿うように配置してあり、上述の区画に寄与している。
軸の外周を低圧領域部にする理由は、回転軸シール43に高圧が作用しないようにして外部への漏れを防止するためと、軸受部が閉空間となって温度上昇や摩耗粉が堆積し、軸受の耐久性が低下するのを防止するためである。
本実施例の構成によれば、図5に示す白抜きの矢印で示す漏れ、網掛けした矢印で示す漏れ、更に吸込ポート近傍の漏れに対するシール効果が発揮される。従って、全体としての漏れは極めて小さいものとなる。
内部空間部20は、一対の外接歯車31、32およびシール部材33、33´とシール部材33、33´で、外接歯車の側面に対して押圧する弾性体34、34´を収納するに充分な一様断面形状、すなわち矩形断面形状となる溝部を有し、この溝部21は、シール部材33、33´と弾性体34、34´とを組み合わせて収納するシール空間部となる溝部21と、一対の外接歯車31、32によって外周部に形成された高圧流体を収容し、シール空間部および吐出ポート36に連通する高圧領域部とを形成する。
吸込ポート35の周囲に低圧領域部が形成され、シール部材33、33´および弾性体34、34´を3の字状であって、それぞれの両端部が内部空間部20の側壁部材に接触する接触部とすることによって、高圧領域部と低圧領域部とを区画することを行う。
シール部材は、一対の外接歯車31、32の双方に接触して、樹脂部材で構成され、一対の外接歯車31、32によって外周部に形成された高圧流体を収容するようにこの外周部に形成された高圧領域部の高圧流体によって外接歯車31、32の側面に押圧される側面を有し、この側面には更に弾性体34、34´が押圧するように作用し、高圧領域部と吸込ポートの周囲に形成される低圧領域部とは、シール部材33、33´と弾性体34、34´の組み合わせによって区画されることになる。
図6を使用して実施例2を説明する。実施例1と同一の構成には同一の番号を付し、実施例1の説明を援用するものとする。
以上のように、実施例1によればポンプの側面漏れを低減することが可能となったが、ポンプの使用される温度範囲が広い場合は、歯先隙間の増加により吐出性能が低下することが考えられる。例えば、図1においてケーシングは軽量で生産性の高いアルミを使用するのが一般的であり、歯車は耐摺動性や耐キャビテーションエロージョンの点から高硬度の鉄系材料とするのが好適である。この場合、アルミと鉄の線膨張係数の違いにより、高温時には歯先隙間が大きくなって漏れが増大してしまうことになる。
そこで、本実施例の歯車ポンプでは、図6に示すように、ケーシング37(外側ハウジング)aにインナーハウジング45、45´を内蔵させて本体を構成し、このインナーハウジングに軸受や溝44、44´までを設けて、図1〜3におけるケーシング37、カバー41と同等の機能を持たせている。すなわち図1のポンプをさらに別のケーシングに収納したものと等価と考えられる。この構成によれば、ケーシング37aをアルミにしつつ、インナーハウジング45、45´を歯車材と線膨張係数が近い鉄系材料を選定しても、材料体積が少ないので、ポンプの重量増加を抑えることができる。これにより、高温時においても歯先隙間の増加を抑えて高い吐出性能を得ることができる。さらに、インナーケーシングを鉄系の焼結材等の摺動性のよい材料とすることにより、図1のポンプにおける軸受39、40を省略することもできる。
なお、外接式歯車ポンプでは慣らし運転時に歯車の歯先でケーシングの内面を削り取ることで歯先隙間を精度よく管理するのが一般的である。しかし、インナーハウジングとして鉄系材を用いた場合、切削性が悪いので慣らしに時間を要する、あるいは慣らしが良好に行えないという課題がある。
そこで、図6に示す歯車ポンプではアルミ等の切削性のよい材料でできたスリーブ46をインナーハウジング45´に圧入し、このスリーブにより歯先シールを行う構成としたものである。これにより、上記の慣らし運転時の課題が解消され、短時間の慣らし運転で良好な歯先シールを形成して、高い吐出性能を得ることができる。
図7は、本発明の概念(コンセプト)をブロック図で示すものである。図7において、対策1として樹脂シール部材(シール部材が樹脂性であること。)の背面に吐出流体による高圧を作用させて漏れの防止を図ること、対策2として吸込ポートと吐出ポートとの間の最短部および最遠部における漏れ防止を図ること、対策3として樹脂シール部材を配設する溝構成を単純化する等、安価な歯車ポンプを構成することを行う。
このため、対応として高圧の吐出流体が樹脂シール部材のシール部材は、3の字形状をなし、両端部に内部空間部の内壁(側面壁)に接触するふくらみ部からなる接触部を形成する。
3の字状の弾性部材が使用され、両端部に内部空間部の内壁に接触する接触部を設ける。更に、具体的な構成としては駆動歯車と従動歯車(一対の歯車)を収納し、樹脂シール部材と弾性部材を収納するに充分な単純構成、すなわち一様な矩形形状の溝を形成し、この溝を高圧の作用する空間として形成する。すなわち高圧領域を形成する。
樹脂シール部材、弾性部材、高圧の作用空間は3の字状となし、前2者の両端部は漏れ防止部機能を有する接触部をなし、樹脂シール部材外方の高圧領域部と四方の低圧領域部とを実施例に示すようにして区画する。
内部空間部の溝部内に高圧領域部、低圧領域部を区画して形成し、樹脂シール部材の板幅は高圧流体が作用する領域と弾性部材が作用する領域の双方の領域をもつように広いものとして形成する。これらによって前述した発明の効果を達成する。
本発明の歯車ポンプの一実施例を示す横断面図。 本発明の歯車ポンプの一実施例を示す縦断面図。 本発明の歯車ポンプの一実施例を示す縦断面図。 図3に示す構成の斜視図。 歯車側面の圧力分布と内部漏れを説明する図。 本発明の歯車ポンプの他の実施例を示す横断面図。 本発明のコンセプトをブロック図の形で示す説明図。
符号の説明
31…駆動歯車、32…従動歯車、33…シール部材、34…弾性体、35…吸込ポート、36…吐出ポート、37…ケーシング、39、40…軸受、41…カバー、42、47…Oリング、43…回転軸シール、44…溝、45…インナーハウジング、46…スリーブ。

Claims (8)

  1. 本体内に密封状とされた内部空間部が形成され、該内部空間部内で互いにかみ合って回転する一対の外接歯車を備え、該一対の外接歯車は、それらの歯先が前記内部空間部の周壁部材によって、そして両側面がそれぞれシール部材によってシールされる外接形の歯車ポンプにおいて、
    前記シール部材は、前記一対の外接歯車の双方に接触して、樹脂部材で構成され、
    前記内部空間部は、前記一対の外接歯車および前記シール部材と該シール部材を外接歯車の側面に対して押圧する弾性体を収納するに充分な溝部を有し、
    該溝部は、前記シール部材と前記弾性体とを組み合わせて収納するシール空間部と、前記一対の外接歯車によって外周部に形成された高圧流体を収容し、前記シール空間部および吐出ポートに連通する高圧領域部とを形成すること
    を特徴とする歯車ポンプ。
  2. 請求項1において、前記溝部は少なくとも2段差形状からなり、歯先が前記周壁部材に接触する側の先端側の溝の幅は収容される外接歯車の板幅よりも大きな幅を有することによって外接歯車の歯先側方に前記高圧領域部が形成されることを特徴とする歯車ポンプ。
  3. 本体内に密封状とされた内部空間部が形成され、該内部空間部内で互いにかみ合って回転する一対の外接歯車を備え、該一対の外接歯車は、それらの歯先が前記内部空間部の周壁部材によって、そして両側面がそれぞれシール部材によってシールされる外接形の歯車ポンプにおいて、
    前記シール部材は、前記一対の外接歯車の双方に接触して、樹脂部材で構成され、
    前記内部空間部には、前記シール部材と前記弾性体とを組み合わせて収納するシール空間部と、前記一対の外接歯車によって外周部に形成された高圧流体を収容し、前記シール空間部に連通し、および吐出ポートに連通する高圧領域部が形成され、
    吸込ポートの周囲に低圧領域部が形成され、
    前記シール部材および前記弾性体を3の字状であって、それぞれの両端部が前記内部空間部の側壁部材に接触する接触部とすることによって、前記高圧領域部と前記低圧領域部とを区画すること
    を特徴とする歯車ポンプ。
  4. 本体内に密封状とされた内部空間部が形成され、該内部空間部内で互いにかみ合って回転する一対の外接歯車を備え、該一対の外接歯車は、それらの歯先が前記内部空間部の周壁部材によって、そして両側面がそれぞれシール部材によってシールされる外接形の歯車ポンプにおいて、
    前記シール部材は、前記一対の外接歯車の双方に接触して、樹脂部材で構成され、前記一対の外接歯車によって外周部に形成された高圧流体を収容するように該外周部に形成された高圧領域部の高圧流体によって前記外接歯車の側面に押圧される側面を有し、該側面には更に弾性体が押圧するように作用し、
    前記高圧領域部と吸込ポートの周囲に形成される低圧領域部とは、前記シール部材と弾性体の組み合わせによって区画されること
    を特徴とする歯車ポンプ。
  5. 請求項4において、前記シール部材および前記弾性体は、それぞれが3の字状であって、それぞれの両端部が前記内部空間部の側壁部材に接触する接触部とされることを特徴とする歯車ポンプ。
  6. 請求項5において、前記シール部材の接触部は、3の字状の部分に比べてふくらんだ形状とされることを特徴とする歯車ポンプ。
  7. 請求項1から6のいずれかにおいて、前記本体は、外側ハウジングと該外側ハウジング内に配置され、該外側ハウジングとの間に他のシール部材を備えたインナーハウジングとから構成されることを特徴とする歯車ポンプ。
  8. 請求項7において、前記周壁部材は、前記インナーハウジングに設けた穴部に圧入されたアルミ等の切削性の良い材料で形成されることを特徴とする歯車ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105960532A (zh) * 2014-03-14 2016-09-21 伍德沃德公司 具有双壁壳体的高压齿轮泵
WO2021065525A1 (ja) 2019-10-03 2021-04-08 株式会社Ihi ギアポンプ

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