JP2002070601A - 可変圧縮比装置付ターボ過給内燃機関 - Google Patents

可変圧縮比装置付ターボ過給内燃機関

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JP2002070601A JP2000266726A JP2000266726A JP2002070601A JP 2002070601 A JP2002070601 A JP 2002070601A JP 2000266726 A JP2000266726 A JP 2000266726A JP 2000266726 A JP2000266726 A JP 2000266726A JP 2002070601 A JP2002070601 A JP 2002070601A
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可変圧縮比装置による圧縮比の可変制御を利
用して、ターボ過給機の応答遅れを相殺し、運転性を改
善する。 【解決手段】 内燃機関は、ターボ過給機を備えている
とともに、複リンク式ピストン−クランク機構を利用し
た可変圧縮比装置を備えている。t1で機関が加速され
ると、目標過給圧tPは増大するが、実過給圧rPには
応答遅れがあり、過給圧差dPが生じる。加速時には、
過給圧差dPに応じて圧縮比補正値hEが与えられ、目
標圧縮比tEが大きくなる。これにより、トルクが増加
し、ターボ過給機の応答遅れが相殺される。t3で高速
高負荷域から減速すると、AACバルブが開となり、タ
ーボ過給機の応答遅れによる吸気騒音が抑制される。同
時に、圧縮比が最低圧縮比Eminに制御され、トルク
が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、排気によって駆
動されるターボ過給機を備えるとともに、可変圧縮比装
置を備えてなる内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば特公平7−3201号公報には、
可変圧縮比装置を備えた過給内燃機関が開示されてい
る。これは、機械式過給機を使用したものであって、高
負荷時には過給機を作動させることにより出力を向上さ
せるとともに圧縮比を低圧縮比にしてノッキングの発生
を防止し、また、過給を必要としない中低負荷時には過
給機をオフとして無過給とするとともに圧縮比を高く
し、燃費を向上させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、過給機
としてターボ過給機を使用した場合には、機械式過給機
と異なり過渡時に過給圧変化に応答遅れが発生し、負荷
や回転数に応じて単純に圧縮比を変更したのでは、最適
なものとはならない。
【0004】本発明は、可変圧縮比装置による圧縮比の
可変制御を利用して、ターボ過給機の応答遅れを相殺
し、運転性を改善することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、請求項1の
ように、排気によって駆動されるターボ過給機を備える
とともに、可変圧縮比装置を備えてなる内燃機関におい
て、過渡時に、ターボ過給機の応答遅れによる要求過給
圧と実際の過給圧との差を補うように、上記可変圧縮比
装置により圧縮比を制御することを特徴としている。
【0006】すなわち、排気によって駆動されるターボ
過給機にあっては、定常状態からスロットル開度を急に
増加もしくは減少させたとしても、主にロータの慣性に
よって過給圧の変化に応答遅れが伴う。つまり、要求過
給圧の変化に実際の過給圧が追従し得ず、トルク変化に
遅れが生じる。これに対し、本発明では、可変圧縮比装
置によって、過給圧の応答遅れを補うように、圧縮比が
制御され、トルク変化の遅れが相殺ないしは低減され
る。ここで、過給圧の応答遅れは、必ずしも実際の過給
圧をセンサにより検出して求めるものに限られず、例え
ば、スロットル開度変化からの経過時間や機関回転数の
変化度合い、加減速の程度、などのパラメータを利用し
て過給圧の応答遅れを推定し、これを補うように圧縮比
制御を行うことも可能である。
【0007】この請求項1の発明をより具体化した請求
項2の発明では、低負荷域からの加速時に、上記可変圧
縮比装置によって圧縮比を上昇させ、その後、徐々に圧
縮比を低下させるようになっている。
【0008】すなわち、圧縮比の上昇によって、速やか
にトルクが立ち上がり、過給圧の応答遅れによるトルク
上昇の遅れが補われる。その後、過給圧が遅れて上昇し
てくるので、徐々に圧縮比を低下させることにより、ノ
ッキングを抑制しつつ円滑なトルク変化が得られる。特
に、低負荷域において、ポンピングロス低減ならびに排
気温度上昇のために、低圧縮比としている場合にも、圧
縮比の上昇によってトルクが速やかに増加する。
【0009】さらに、請求項3の発明は、実過給圧を検
出する吸気圧センサを備えるとともに、過渡時の圧縮比
の補正量が、要求過給圧と上記実過給圧との差に応じて
求められることを特徴としている。
【0010】このものでは、ターボ過給機による実際の
過給圧が、吸気圧センサによって実過給圧として検出さ
れる。要求過給圧は、機関運転条件、例えばスロットル
開度と回転数とに基づいて定まるので、過渡時には、両
者の差が大きく、これに対応して、圧縮比が大きく補正
される。そして、その後、実過給圧が要求過給圧に近付
けば、圧縮比の補正量が小さくなる。
【0011】また、請求項4に係る発明は、高負荷域か
らの減速時に、コンプレッサから吐出された過給空気を
バイパスさせることなく内燃機関に供給するとともに、
上記可変圧縮比装置により圧縮比を低下させることを特
徴としている。
【0012】高負荷域からスロットル開度が急に減少す
ると、ターボ過給機の応答遅れによって過給圧の低下が
遅れることから、吸気騒音が発生する。一般には、ター
ボ過給機のコンプレッサ下流からコンプレッサ上流へと
リサーキュレーションバルブを介して過給空気を循環さ
せる構成により、過給圧を低下させて吸気騒音を回避す
るようになっているが、請求項4の発明では、このよう
に過給空気をバイパスさせることなく内燃機関に供給す
る。そして、実質的に吸入空気量が過大となるのに対
し、圧縮比が速やかに低下することから、余分なトルク
の発生が回避される。
【0013】
【発明の効果】この発明によれば、ターボ過給機の応答
遅れに起因する過渡時のトルク変化の遅れを圧縮比変化
によって相殺ないしは低減することができ、ターボ過給
内燃機関の運転性を改善できる。
【0014】特に、請求項2の発明によれば、加速時に
トルクが速やかに上昇するので、ターボ過給内燃機関に
特有なトルクの遅れによる加速時のもたつき感を解消で
きる。しかも、過給圧の上昇に伴って圧縮比を徐々に低
下させることにより、ノッキングを抑制しつつ円滑なト
ルク変化が得られる。
【0015】また、請求項3の発明によれば、要求過給
圧と実過給圧との差に応じて過渡時の圧縮比補正量が与
えられるので、過渡時における実際のトルク変化の遅れ
を確実に相殺するように圧縮比を制御することができ、
より効果的にターボ過給内燃機関に特有なトルク変化の
違和感を解消することができる。
【0016】さらに請求項4の発明によれば、過給空気
をコンプレッサ下流等にバイパスさせることなく、減速
時の吸気騒音を低減することができ、リサーキュレーシ
ョンバルブやリサーキュレーション通路の省略が可能と
なる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】先ず初めに、図2に基づいて、内燃機関1
の可変圧縮比装置の構成を説明する。
【0019】この可変圧縮比装置は、複リンク式のピス
トン−クランク機構を利用したものであって、クランク
軸31は、複数のジャーナル部32とクランクピン部3
3とカウンタウエィト部31aとを備えており、機関本
体となる図示せぬシリンダブロックの主軸受に、ジャー
ナル部32が回転自在に支持されている。上記クランク
ピン部33は、ジャーナル部32から所定量偏心してお
り、ここにロアリンク34が回転自在に連結されてい
る。
【0020】上記ロアリンク34は、略T字形をなすも
ので、その本体34aとキャップ34bとから分割可能
に構成された略中央の連結孔に、上記クランクピン部3
3が嵌合している。
【0021】アッパリンク35は、下端側が連結ピン3
6によりロアリンク34の一端に回動可能に連結され、
上端側がピストンピン37によりピストン38に回動可
能に連結されている。上記ピストン38は、燃焼圧力を
受け、シリンダブロックのシリンダ39内を往復動す
る。
【0022】上記シリンダ39の上部には、クランク軸
31の回転に同期して吸気ポート44を開閉する吸気弁
43と、同じくクランク軸31の回転に同期して排気ポ
ート46を開閉する排気弁45と、が配置されている。
【0023】制御リンク40は、上端側が連結ピン41
によりロアリンク34の他端に回動可能に連結され、下
端側が制御軸42を介して機関本体例えばシリンダブロ
ックの適宜位置に回動可能に連結されている。詳しく
は、制御軸42は、小径部42bを中心として回転する
ように機関本体に支持されており、この小径部42bに
対し偏心している大径部42aに、上記制御リンク40
下端部が回転可能に嵌合している。
【0024】上記制御軸42は、後述する圧縮比制御ア
クチュエータによって回動位置が制御される。この圧縮
比制御アクチュエータは、制御リンク40から加わる反
力に抗して、任意の回動位置で制御軸42を保持するこ
とができるようになっている。
【0025】上記のような構成においては、上記制御軸
42が圧縮比制御アクチュエータによって回動される
と、小径部42bに対して偏心している大径部42aの
軸中心位置、特に、機関本体に対する相対位置が変化す
る。これにより、制御リンク40の下端の揺動支持位置
が変化する。そして、上記制御リンク40の揺動支持位
置が変化すると、ピストン38の行程が変化し、ピスト
ン上死点(TDC)におけるピストン38の位置が相対
的に高くなったり低くなったりする。これにより、機関
圧縮比が変化する。
【0026】また、この内燃機関1は、過給機としてタ
ーボ過給機51を備えている。このターボ過給機51
は、排気通路54に位置するタービン52と吸気通路5
5に位置するコンプレッサ53とを同軸状に配置した構
成であり、運転条件に応じて過給圧を制御するために、
タービン52の上流側から排気の一部をバイパスさせる
排気バイパス弁56を備えている。
【0027】図1は、上記内燃機関1の制御システムを
示す構成説明図であって、吸気通路55のコンプレッサ
53上流には、吸入空気量を検出するエアフロメータ2
が配置され、コンプレッサ53の下流、特にインタクー
ラ3の下流側に、実過給圧を検出する吸気圧センサ4が
配置されている。また、機関のクランク角を検出するク
ランク角センサ5と、排気組成に応答する酸素センサ6
と、冷却水温を検出する水温センサ7と、ノッキングを
検出するノッキングセンサ8と、スロットル弁9の開度
を検出するスロットル開度センサ10と、を備えてお
り、これらのセンサ類の検出信号は、エンジンコントロ
ールモジュール(ECM)11に入力されている。
【0028】また主要なアクチュエータ類として、上記
排気バイパス弁56のダイヤフラム部56Aへの負圧供
給を制御する電磁式の過給圧コントロールバルブ12
と、前述した制御軸42を動かして圧縮比を制御する圧
縮比制御アクチュエータ13と、吸気バイパス通路14
を介して導入される補助空気量を制御するAACバルブ
15と、を備えており、後述するように、これらはエン
ジンコントロールモジュール11の出力信号によって制
御される。上記圧縮比制御アクチュエータ13は、例え
ばステップモータからなる。上記AACバルブ15は、
主にアイドル回転数のフィードバック制御や補機駆動ト
ルクの相殺のために用いられる。そのほか、燃料噴射弁
16の噴射量や噴射時期、さらには点火プラグ17によ
る点火時期、等もエンジンコントロールモジュール11
によって制御される。なお、図1において、18はエア
クリーナ、19は触媒コンバータ、20は排気消音器、
をそれぞれ示している。
【0029】上記の構成においては、後述するように、
機関運転条件に応じて過給圧の目標値tPが設定される
とともに、吸気圧センサ4によって実過給圧rPが検出
され、この実過給圧rPが目標過給圧tPとなるよう
に、エンジンコントロールモジュール11からの過給圧
制御信号(デューティ信号)によって過給圧コントロー
ルバルブ12が制御される。この過給圧は、高速高負荷
域ほど高過給圧に制御される。
【0030】一方、圧縮比は、やはり機関運転条件に応
じて最適となるように、圧縮比制御アクチュエータ13
を介して制御される。この圧縮比制御は、基本的には、
高過給圧となる条件ほど低圧縮比に、低過給圧となる条
件ほど高圧縮比に、制御される。すなわち、高過給運転
時はノッキング回避のため圧縮比を低くし、低過給運転
時は熱効率向上(燃費向上)のために圧縮比を高く保つ
ようにしている。
【0031】図3は、上記エンジンコントロールモジュ
ール11において実行される過給圧および圧縮比の制御
の流れを示すフローチャートであり、以下、これを説明
する。
【0032】このフローチャートに示すルーチンは、エ
ンジンコントロールモジュール11内で所定時間毎に繰
り返し実行されるものであって、先ず、ステップ1で
は、各センサの出力から、機関回転数Ne、スロットル
開度TVOおよび実過給圧rPをそれぞれ読み込む。そ
して、ステップ2において、そのときの機関回転数Ne
およびスロットル開度TVOに基づいて、目標過給圧t
Pを算出する。具体的には、機関回転数Neとスロット
ル開度TVOとに対応させて目標過給圧tPを記憶させ
てある所定の過給圧制御マップから、対応する値をルッ
クアップする。上記過給圧制御マップの記憶値は、前述
したように、高回転高負荷条件ほど値が大きく(高過給
圧)、低回転低負荷条件ほど値が小さく(低過給圧)な
っている。
【0033】なお、このステップ2で算出した目標過給
圧tPとなるように、図示せぬ他のルーチンによって、
過給圧制御信号が生成され、過給圧コントロールバルブ
12が制御される。
【0034】次に、ステップ3では、機関回転数Neと
スロットル開度TVOとに基づいて、基準圧縮比bEが
求められる。具体的には、機関回転数Neとスロットル
開度TVOとに対応させて基準圧縮比bEを記憶させて
ある所定の圧縮比制御マップから、対応する値をルック
アップする。上記圧縮比制御マップの記憶値は、前述し
たように、高過給圧となる条件ほど値が小さく(低圧縮
比)、低過給圧となる条件ほど値が大きく(高圧縮比)
なっている。
【0035】次に、ステップ4へ進み、ここで、上記目
標過給圧tPから実過給圧rPを減じて過給圧差dPを
算出する。この過給圧差dPは、過渡時に、主にターボ
過給機51の慣性によって発生するものであって、加速
時つまり過給圧増加時には、過給圧差dPは正の値とな
って現れ、逆に減速時つまり過給圧低下時には負の値と
なって現れる。なお、定常状態では、過給圧差dPはほ
ぼ0となる。
【0036】ステップ5では、上記のようにして求めた
過給圧差dPの絶対値の大きさが所定値dPthより大
きいか否かを判断する。ここで所定値dPth以下であ
れば、定常に近い状態であるとして、ステップ12へ進
み、目標圧縮比tEを上記の基準圧縮比dEのままに設
定し、かつステップ13において、AACバルブ15を
閉状態とする。
【0037】過給圧差dPの大きさ(絶対値)が所定値
dPthより大きい場合は、過渡状態であるので、ステ
ップ5からステップ6へ進み、このステップ6におい
て、過給圧差dPの正負を判断する。前述したように、
この正負によって、加速であるか減速であるかが判別さ
れる。過給圧差dPが正であれば、加速であり、ステッ
プ7へ進む。過給圧差dPが負であれば、減速であり、
ステップ10へ進む。
【0038】ステップ7においては、過給圧差dPに基
づいて、圧縮比補正値hEを算出する。上記過給圧差d
Pが大きいほど圧縮比補正値hEは大きな値として与え
られる。
【0039】そして、次のステップ8では、運転条件に
対応した基準圧縮比bEに上記圧縮比補正値hEを加算
して、目標圧縮比tEを算出する。さらに、ステップ9
で、AACバルブ15を閉状態に制御する。
【0040】一方、減速であれば、ステップ10におい
て、目標圧縮比tEを最低圧縮比Eminに設定する。
この最低圧縮比Eminは、可変圧縮比装置が実現し得
る最低の圧縮比である。そして、ステップ11に進み、
AACバルブ15を開状態に制御する。
【0041】最終的に、ステップ8,ステップ10,ス
テップ12の何れかで求めた目標圧縮比tEとなるよう
に、図示せぬ他のルーチンによって、圧縮比制御信号が
生成され、圧縮比制御アクチュエータ13が制御され
る。
【0042】図4は、上記のような制御による各部の実
際の挙動を示すタイムチャートであり、以下、これを説
明する。
【0043】この図は、定常状態で運転されていた内燃
機関1を、t1のタイミングにおいて加速し、その後、
高速高負荷の定常状態から、t3のタイミングにおいて
減速したときの様子を示している。
【0044】図示するように、タイミングt1でスロッ
トル開度がステップ的に増大したとすると、それに応じ
て目標過給圧tPもステップ的に増大するが、実過給圧
rPは破線に示すように一定の遅れ(ターボ過給機51
の慣性による遅れ)を持って目標過給圧tPに追随す
る。従って、加速開始時には大きな過給圧差dPが生じ
る。
【0045】一方、基準圧縮比bEはスロットル開度の
増大に応じてステップ的に低下するが、このときの過給
圧差dPは、前述した所定値(+dPth)より大とな
っているため、過給圧差dPに応じた圧縮比補正値hE
の加算が行われ、目標圧縮比tEは、加速開始前よりも
一旦大きくなる。この圧縮比補正によって内燃機関1の
発生トルクが高められ、良好な加速性を得ることができ
る。
【0046】一旦高められた圧縮比は、過給圧差dPが
小さくなるのに従って徐々に低下し、実過給圧rPが目
標過給圧tPの近傍に収束した後(t2以降)は基準圧
縮比bEに戻される。これにより、過剰なトルク発生と
ノッキングの発生とを回避することができる。
【0047】次に、タイミングt3においてスロットル
開度がステップ的に減少したとすると、それに応じて目
標過給圧tPもステップ的に低下するが、実過給圧rP
はやはり破線に示すように一定の遅れを持って目標過給
圧tPに追随する。従って、減速開始時には、負の値と
して大きな過給圧差dPが生じる。
【0048】このような急減速時には吸気騒音が問題と
なるため、一般的なターボ過給機付き内燃機関では、前
述したように過給空気のリサーキュレーションを行って
いる。つまり、スロットル弁が急閉されたときにターボ
過給機のコンプレッサ下流の空気をコンプレッサ上流側
に循環させ、過給圧を速やかに低下させるのである。
【0049】これに対し、本実施例では、過給圧差dP
が所定値(−dPth)より小となっている間、AAC
バルブ15を開くことでコンプレッサ53とスロットル
弁9との間での一時的な圧力上昇に伴う吸気騒音の発生
を回避し、かつ過給圧を速やかに低下させるようにして
いる。これにより、リサーキュレーションに必要な通路
やバルブを省略することが可能となる。
【0050】また、減速時に単にAACバルブ15を開
いたのでは、吸入空気量の増加により、余分なトルクが
発生して運転者に違和感を与えることになるが、本実施
例では、減速時に、AACバルブ15の開制御と同時に
目標圧縮比tEが最低圧縮比Eminに固定され、トル
クが抑制されるので、このような違和感を与えることが
ない。
【0051】減速後、t4において実過給圧rPが目標
過給圧tPの近傍に収束したら、AACバルブ15は閉
状態に戻り、かつ圧縮比が基準圧縮比bEに戻される。
【0052】以上、この発明の一実施例を説明したが、
この発明は、これに限定されず、種々の変更が可能であ
る。例えば、上記実施例では、過給圧が運転条件に応じ
た値にフィードバック制御されるが、このような過給圧
制御を行わない構成のターボ過給内燃機関においても本
発明は同様に適用できる。また上記実施例では、吸気圧
センサ4によって実圧縮比を検出しているが、この実圧
縮比の変化を運転条件等から推定することも可能であ
る。
【0053】また、一般的なターボ過給機付き内燃機関
では、ターボ過給機の慣性による過給圧上昇の遅れを最
小限に抑えるために、上記実施例のようにターボ過給機
51の排気タービン52の下流側に排気浄化用の触媒コ
ンバータ19が配置されているが、本発明によれば過給
圧上昇の遅れを圧縮比の補正によって補うことができる
ので、排気タービン52の上流側に排気浄化用の触媒コ
ンバータ19を配置することも可能となる。このような
配置とした場合には、内燃機関の始動から触媒活性まで
の時間を短縮することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る内燃機関の制御システム全体を
示す構成説明図。
【図2】可変圧縮比装置の構成を示す構成説明図。
【図3】この実施例における制御の流れを示すフローチ
ャート。
【図4】加速時および減速時の各部の様子を示すタイム
チャート。
【符号の説明】
1…内燃機関 4…吸気圧センサ 11…エンジンコントロールモジュール 13…圧縮比制御アクチュエータ 15…AACバルブ 51…ターボ過給機 56…排気バイパス弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02B 75/04 F02B 75/04 F02D 15/02 F02D 15/02 Z 41/02 310 41/02 310D 43/00 301 43/00 301R 301S Fターム(参考) 3G005 FA04 GB28 GD02 GD03 GD13 GD17 GD18 HA00 HA02 HA05 HA13 JA06 JA12 JA24 JA32 JA39 3G084 BA00 BA05 BA07 BA22 CA04 CA06 DA05 DA15 EB08 EC01 EC03 EC06 FA10 FA11 FA12 FA33 3G092 AA01 AA12 AA18 DB00 DB03 DD06 DF01 DF07 EC09 FA03 FA14 GA12 GA13 HA05Z HA06Z HA16Z HE01Z 3G301 HA01 HA11 JA03 JA37 KA12 KA16 LA00 LA01 NC02 PA07Z PA11Z PA16Z PE01Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気によって駆動されるターボ過給機を
    備えるとともに、可変圧縮比装置を備えてなる内燃機関
    において、過渡時に、ターボ過給機の応答遅れによる要
    求過給圧と実際の過給圧との差を補うように、上記可変
    圧縮比装置により圧縮比を制御することを特徴とする可
    変圧縮比装置付ターボ過給内燃機関。
  2. 【請求項2】 低負荷域からの加速時に、上記可変圧縮
    比装置によって圧縮比を上昇させ、その後、徐々に圧縮
    比を低下させることを特徴とする請求項1記載の可変圧
    縮比装置付ターボ過給内燃機関。
  3. 【請求項3】 実過給圧を検出する吸気圧センサを備え
    るとともに、過渡時の圧縮比の補正量が、要求過給圧と
    上記実過給圧との差に応じて求められることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の可変圧縮比装置付ターボ過
    給内燃機関。
  4. 【請求項4】 高負荷域からの減速時に、コンプレッサ
    から吐出された過給空気をバイパスさせることなく内燃
    機関に供給するとともに、上記可変圧縮比装置により圧
    縮比を低下させることを特徴とする請求項1記載の可変
    圧縮比装置付ターボ過給内燃機関。
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