JP4300312B2 - 可変圧縮比内燃機関の制御装置及び制御方法 - Google Patents

可変圧縮比内燃機関の制御装置及び制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4300312B2
JP4300312B2 JP2003407187A JP2003407187A JP4300312B2 JP 4300312 B2 JP4300312 B2 JP 4300312B2 JP 2003407187 A JP2003407187 A JP 2003407187A JP 2003407187 A JP2003407187 A JP 2003407187A JP 4300312 B2 JP4300312 B2 JP 4300312B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compression ratio
target compression
engine
final target
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003407187A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005163741A (ja
Inventor
謙介 長村
岩野  浩
健司 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2003407187A priority Critical patent/JP4300312B2/ja
Publication of JP2005163741A publication Critical patent/JP2005163741A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4300312B2 publication Critical patent/JP4300312B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

この発明は、機関圧縮比を変更可能な可変圧縮比内燃機関に関する。
機関圧縮比を変更可能なエンジンすなわち内燃機関では、圧縮比を高くするほど、燃料消費率が向上する一方、特に高負荷運転域でノッキング(単にノックとも呼ぶ)が発生し易くなる。そこで、特許文献1には、低負荷運転時には高圧縮比とし、高負荷運転時には低圧縮比とすることによって、ノッキングを生じることなく燃料消費率を向上する試みが開示されている。
特開2000−73804号公報
機関圧縮比は、ノック限界を超えることのない範囲で可能な限り圧縮比を高くして燃費向上効果等を得るために、機関回転数及び機関負荷(トルク)等に応じて制御される。基本的には、機関負荷が低下する機関減速時には機関負荷の低下に応じて圧縮比を高くしていき、機関負荷が増加する機関加速時には機関負荷の増加に応じて圧縮比を低くしていく。圧縮比を高くする場合、筒内圧に対抗するため、低くする場合に比べると、機関圧縮比を可変とする機構の駆動源に大きな負荷がかかる。ただし、圧縮比を高くする運転条件は、通常、機関負荷が低くなる機関減速時であるので、筒内圧は低下しており、その分、駆動源の負荷が低減・抑制されることになる。
しかしながら、制御の仕様により、機関負荷が増加する機関加速時、つまり筒内圧が高いときに、過渡的に圧縮比を高い側へ変更しようとする状況となり、圧縮比を変更する機構の駆動源に過大な負荷・反力が作用するおそれがある。特に、圧縮比をノッキング限界付近まで高く設定しようとする場合に、このように過渡的に機関負荷(筒内圧)と圧縮比との双方を増加側へ変更する状況を招き易い。
その例を図22を参照して説明する。この図22は目標圧縮比の設定マップ例である。図中の符号Lは、例えば発進加速時における目標圧縮比の検索軌跡を表している。低回転領域ではノッキングが生じやすいことから、圧縮比を低めに設定している。機関負荷(トルク)の増加に対して、基本的には圧縮比は減少するものの、トルクの増加と共に回転数も増加することから、図中の符号L1で示す部分では、過渡的に、機関負荷が増加している機関加速中で、筒内圧が高い高トルク状態であるにもかかわらず、目標圧縮比を増加側へ変更しようとする。特に、ターボ過給機を備えた内燃機関では、過給圧の応答遅れにより吸気系の応答遅れが大きく、吸気量の立ち上がりが遅いので、上述したような過渡的に機関負荷(筒内圧)と圧縮比との双方を増加側へ変更しようとする現象を招き易い。
圧縮比を変更する機構の駆動源(アクチュエータ)として例えば電動モータを用いた場合、上記のような現象に対し、実圧縮比を目標値に良好に追従させるには、高い筒内圧に対抗するためにモータの大型化を招いたり、その消費電力やコストの増加を招いてしまう。あるいは、モータの出力不足により目標圧縮比に追従できなくなり、圧縮比の制御精度の低下を招いたり、モータが仕事をしないためにモータの過度な温度上昇や耐久性の低下等を招くおそれがある。圧縮比を変更する機構の駆動源として油圧アクチュエータを用いた場合にも、同様に、アクチュエータの大型化やコスト増加、あるいは制御精度の低下等を招いてしまう。本発明は、このような課題に鑑みてなされたものである。
機関運転状態に基づいて基本目標圧縮比を設定し、この基本目標圧縮比に基づいて最終目標圧縮比を設定し、この最終目標圧縮比へ向けて機関圧縮比を可変制御する可変圧縮比内燃機関の制御方法において、機関負荷が増加する機関加速中であって、かつ、上記基本目標圧縮比が増加方向へ変化する場合に、上記最終目標圧縮比の変更を禁止する。
本発明によれば、機関負荷が増加する機関加速時に基本目標圧縮比が過渡的に増加側へ変化する場合に、最終目標圧縮比の増加方向への変更を禁止しているため、機関負荷つまり筒内圧と機関圧縮比との双方が増加側へ変更して圧縮比を変更する機構の駆動源であるモータや油圧アクチュエータに過大な負荷・反力が作用することを確実に回避することができる。従って、比較的安価で小型のアクチュエータを採用しても、その作動を安定して確保できる。
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図2は、本発明に係る可変圧縮比内燃機関1の一例を示している。クランクシャフト31は、複数のジャーナル部32とクランクピン33とカウンタウエィト部31aとを備えている。ジャーナル部32は機関本体となる図示せぬシリンダブロックの主軸受に回転自在に支持されている。クランクピン33は、ジャーナル部32から所定量偏心している。シリンダブロックのシリンダ39には燃焼圧力を受けるピストン38が昇降可能に嵌合している。シリンダ39の上部には、クランクシャフト31の回転に同期して吸気ポート44を開閉する吸気弁43と、同じくクランクシャフト31の回転に同期して排気ポート46を開閉する排気弁45と、が配置されている。
この内燃機関1は、複リンク式のピストン−クランク機構を利用した可変圧縮比機構を備えている。この可変圧縮比機構は、クランクピン33に回転可能に嵌合するロアリンク34と、このロアリンク34とピストン38とを連係するアッパリンク35と、ロアリンク34に一端が連結された制御リンク40と、を有し、この制御リンク40を介してロアリンク34の運動拘束条件を変化させることにより機関圧縮比を可変とする。
ロアリンク34は、略T字形をなすもので、その本体34aとキャップ34bとから分割可能に構成された略中央の連結孔に、クランクピン33が嵌合している。アッパリンク35は、下端側が連結ピン36によりロアリンク34に回動可能に連結され、上端側がピストンピン37によりピストン38に回動可能に連結されている。制御リンク40は、上端側が連結ピン41によりロアリンク34に回動可能に連結され、下端側が制御軸42を介して機関本体としての例えばシリンダブロックの適宜位置に回動可能に連結されている。詳しくは、制御軸42は、小径部42bを中心として回転するように機関本体に支持されており、この小径部42bに対して偏心している大径部42aに、制御リンク40下端部が回転可能に嵌合している。
制御軸42は、後述する圧縮比制御アクチュエータ13(図1)によって回動位置が制御される。この圧縮比制御アクチュエータは、制御リンク40から加わる反力に抗して、任意の回動位置で制御軸42を保持することができるようになっている。制御軸42が圧縮比制御アクチュエータによって回動されると、小径部42bに対して偏心している大径部42aの軸中心位置、特に、機関本体に対する相対位置が変化する。これにより、制御リンク40の下端の揺動支持位置が変化し、ロアリンク34の運動拘束条件が変化し、ピストン38のストローク特性が変化して、機関圧縮比が変化する。
このような可変圧縮比機構は、機関運転状態に応じて機関圧縮比を連続的に変更・制御できることに加え、次のような作用効果を奏する。ピストン38とクランクピン33とを複数のリンク部品(アッパリンク及びロアリンク)により連係する複リンク式のピストン−クランク機構であるため、ピストンとクランクピンとを一本のコンロッドにより連係する単リンク式のピストン−クランク機構に比して、ピストンのストローク特性そのものを例えば単振動特性のような適正な特性に近づけることが可能である。制御リンク40をロアリンク34からほぼ下方に延びるように配置しているため、制御軸42を比較的スペースに余裕のあるクランクシャフト31の斜め下方のクランクケース内に配置することができる。従って、制御軸42及びそのアクチュエータや制御リンク40をクランクケース内に容易に収容・配置することが可能で、機関搭載性に優れている。
また、この内燃機関1は、過給機としてターボ過給機51を備えている。このターボ過給機51は、排気通路54に位置するタービン52と吸気通路55に位置するコンプレッサ53とを同軸状に配置した構成であり、運転条件に応じて過給圧を制御するために、タービン52の上流側から排気の一部をバイパスさせる排気バイパス弁56を備えている。
図1は、内燃機関1の制御装置のシステム構成を示す説明図である。吸気通路55のコンプレッサ53上流には、吸気量(吸入空気量)を検出するエアフロメータ2が配置され、コンプレッサ53の下流にはインタクーラ3が配設され、更にその下流側に実過給圧を検出する吸気圧センサ4が配置されている。また、機関のクランク角を検出するクランク角センサ5と、排気組成に応答する酸素センサ6と、冷却水温を検出する水温センサ7と、ノッキングを検出するノッキングセンサ8と、吸気通路を開閉して吸気量を調整するスロットル弁9の開度を検出するスロットル開度センサ10と、アクセルペダルの操作量すなわちアクセル開度を検出するアクセル開度センサ21と、等を備えている。これらのセンサ類の検出信号は、エンジンコントロールモジュール(ECM)11に入力されている。
また主要なアクチュエータ類として、排気バイパス弁56のダイヤフラム部56Aへの負圧供給を制御する電磁式の過給圧コントロールバルブ12と、前述した制御軸42を動かして圧縮比を制御する圧縮比制御アクチュエータ13と、吸気バイパス通路14を介して導入される補助空気量を制御するAACバルブ15と、を備えている。なお、スロットル弁9は、アクセル開度とは独立して開度を制御可能な電制スロットルであり、図示せぬアクチュエータにより駆動制御される。これらのアクチュエータ類はエンジンコントロールモジュール11の出力信号によって制御される。圧縮比制御アクチュエータ13は、例えばステップモータからなる。AACバルブ15は、主にアイドル回転数のフィードバック制御や補機駆動トルクの相殺のために用いられる。そのほか、燃料噴射弁16の噴射量や噴射時期、さらには点火プラグ17による点火時期、等もエンジンコントロールモジュール11によって制御される。なお、図1において、18はエアクリーナ、19は触媒コンバータ、20は排気消音器、をそれぞれ示している。
上記の構成においては、機関運転条件に応じて過給圧の目標値としての定常到達過給圧が求められ、この定常到達過給圧に応じた過給圧制御信号(デューティ信号)がエンジンコントロールモジュール11から過給圧コントロールバルブ12へ出力されて、過給圧が制御される。この過給圧は、高速高負荷域ほど高過給圧に制御される。
一方、圧縮比は、やはり機関運転条件に応じて最適となるように、圧縮比制御アクチュエータ13を介して目標圧縮比へ向けて制御される。この圧縮比制御は、基本的には、高過給圧となる条件ほど低圧縮比に、低過給圧となる条件ほど高圧縮比に、制御される。すなわち、高過給運転時はノッキング回避のため圧縮比を低くし、低過給運転時は熱効率向上(燃費向上)のために圧縮比を高く保つようにしている。
図3及び図4は、本発明の第1実施例に係る制御ルーチンを示す制御ブロック図及びフローチャートである。このような制御ルーチンは、エンジンコントロールモジュール11内で所定期間毎(例えば10ms毎あるいは所定のクランク角毎)に繰り返し実行される。なお、図8や図9等のマップやテーブル類は予め設定されてエンジンコントロールモジュール11のメモリ内に記憶・格納されている。後述する実施例でも同様である。また、図10は、この第1実施例の制御を適用した場合の機関加速時の挙動を示すタイムチャートである。
ステップ(図ではSと略す)1では、図5に示すサブルーチンにより、実際の機関負荷すなわちエンジントルクに相当する推定エンジントルクを推定する(エンジントルク推定手段)。詳しくは、ステップ11では、アクセル開度及びエンジン回転数に基づいて、図8に示す定常エンジントルク推定マップを検索(ルックアップ)して、定常的に到達すべき静的なエンジントルクの目標値に相当する定常エンジントルクを演算する。アクセル開度は上記のアクセル開度センサ21により検出される。エンジン回転数はクランク角センサ5の検出信号を利用して演算される。ステップ12では、下記の式(1)により、上記の定常エンジントルクに対して実際のトルクの応答遅れ、つまり吸気系の応答遅れを考慮した推定エンジントルクを演算する。つまり、推定エンジントルクは、実際のエンジントルクの応答遅れを考慮した推定値である。式(1)は、定常エンジントルクと推定エンジントルクとの関係が1次遅れの関係で表されるものとした場合の推定式である。この式(1)は、連続時間系の伝達関数を用いて、式(2)で表される定常エンジントルクと推定エンジントルクとの関係を離散化し、差分方程式化したものである。
Figure 0004300312
ステップ2では、上記の推定エンジントルクとエンジン回転数とに基づいて、図9に示す基本目標圧縮比設定マップを検索して、基本目標圧縮比を演算・設定する(基本目標圧縮比設定手段)。図9に示すように、高回転域では、エンジン回転数の増加に伴って基本目標圧縮比が低くなる。基本目標圧縮比は、実現したい圧縮比の目標値に対応しており、基本的にはノック限界圧縮比に相当する。
ステップ3では、図6に示すサブルーチンにより、基本目標圧縮比に対して実際の圧縮比に相当する実圧縮比が良好に追従できない追従不可状態であるかの判定を行う(追従判定手段)。言い換えると、機関負荷が増加する機関加速中や機関負荷が高い高負荷運転領域で、基本目標圧縮比に対して実圧縮比が良好に追従できない状態であるかを判定する。
詳しくは、ステップ31では、基本目標圧縮比から実圧縮比を減算した偏差が所定値以上であるかを判定する。偏差が所定値以上であると判定されると、ステップ32へ進み、エンジンコントロールモジュール11内の所定のカウンタの値を1増加させる。続くステップ33では、このカウンタの値が所定値以上であるかを判定する。カウンタの値が所定値以上、つまり上述した偏差が所定値以上の状態が所定期間以上継続していれば、ステップ34へ進み、実圧縮比が基本目標圧縮比に良好に追従できない追従不可状態であることを表す追従不可判定フラグをセットする。それ以外の場合には、ステップ36において、上記の追従不可判定フラグをリセットする。また、上記のステップ31において、基本目標圧縮比と実圧縮比との差が所定値以上でないと判定されると、ステップ35へ進み、カウンタの値を0にリセットする。
ステップ4(図3及び図4)では、図7のサブルーチンにより、最終的な目標圧縮比である最終目標圧縮比を演算・設定する(最終目標圧縮比設定手段)。詳しくは、ステップ41では、上記の追従不可判定フラグがセットされているかを判定する。追従不可状態の場合、ステップ42へ進み、最終目標圧縮比を、その時点の実圧縮比に変更し、保持する。つまり、最終目標圧縮比の変更を禁止する(変更禁止手段)。かつ、最終目標圧縮比の保持状態・変更禁止状態であることを表す保持状態フラグをセットする。図10の保持開始時期T1が、ステップ41の判定が肯定に切り換わるタイミングに相当する。
追従不可状態でない場合、ステップ43へ進み、上記の保持状態フラグがセット状態であるかを判定する。保持状態がセットされている場合、ステップ44へ進み、最終目標圧縮比が基本目標圧縮比よりも小さいかを判定する。最終目標圧縮比が基本目標圧縮比よりも小さい場合、ステップ45へ進み、保持状態を継続する。図10の保持期間ΔT2では、ステップ45が繰り返し実行されることになる。最終目標値が基本目標圧縮比以上であれば、ステップ46へ進み、保持状態フラグをリセットする。次いでステップ47へ進む。上記のステップ43において、保持状態がセットされていないと判定された場合にもステップ47へ進む。このステップ47では、最終目標圧縮比の変更禁止・保持状態を解除して、基本目標圧縮比を最終目標圧縮比として設定する。図10の保持解除時期T3が、ステップ47が実行されるタイミングに相当する。
ステップ5(図3)では、このようにして設定された最終目標圧縮比に応じた指令信号を圧縮比制御アクチュエータ13へ出力し、機関圧縮比を最終目標圧縮比へ向けて操作・制御する(圧縮比制御手段)。
このように第1実施例では、機関加速時や高負荷時に、基本目標圧縮比に対して実圧縮比が良好に追従できない追従不可状態となると、最終目標圧縮比の増加側への変更が禁止され、その時点での圧縮比に保持される。つまり、圧縮比制御アクチュエータ13による制御軸42の回転位置の変更が禁止され、制御軸42の回転位置が保持される。保持に必要なエネルギーは、変更に必要なエネルギーに比して小さく、特に、圧縮比制御アクチュエータ13が油圧駆動式である場合や、保持機構を備える場合には、その傾向は顕著である。従って、過渡的に機関負荷及び圧縮比の双方が増加側へ変更される現象や、機関負荷が高い状況で機関圧縮比が増加側へ変更されるような事態を有効に回避でき、圧縮比制御アクチュエータ13に過大な負荷がかかることを低減・防止することができる。従って、比較的安価で小型の圧縮比制御アクチュエータ13を採用しても、その作動を安定して確保できる。
図11及び図12は、本発明の第2実施例に係る制御ルーチンを示す制御ブロック図及びフローチャートである。また、図15及び図16は、第2実施例の制御を適用した場合の機関加速時の挙動を示すタイムチャートである。
ステップ21では、第1実施例のステップ1と同様、図5に示すサブルーチンにより、推定エンジントルクを推定する(エンジントルク推定手段)。ステップ22では、第1実施例のステップ2と同様、上記の推定エンジントルクとエンジン回転数とに基づいて、図9に示す基本目標圧縮比設定マップを検索して、基本目標圧縮比を演算・設定する(基本目標圧縮比設定手段)。
ステップ23では、図13又は図14に示す上限圧縮比設定テーブルを参照して、上限圧縮比を演算する(上限圧縮比演算手段)。上限圧縮比は、主として圧縮比制御アクチュエータ13の制約による圧縮比の許容限界つまり上限値に相当する。図13は、エンジントルクのみに基づいて上限圧縮比を設定する場合のテーブル例であり、主として圧縮比制御アクチュエータ13が電動モータである場合に適している。図14は、エンジントルクと油圧とに基づいて上限圧縮比を設定する場合のテーブル例であり、主として圧縮比制御アクチュエータ13が油圧により作動する油圧アクチュエータの場合に適している。基本的には、エンジントルク(機関負荷)が高くななるほど上限圧縮比を低くする。更に図14の例では、油圧が低いほど上限圧縮比を低くしている。
ステップ24では、基本目標圧縮比の変化速度を演算する(基本目標圧縮比変化速度演算手段)。例えば、変化速度として、今回の基本目標圧縮比と前回(1演算前)の基本目標圧縮比との差を用いる。ステップ25では、基本目標圧縮比と上限圧縮比との大小関係を比較する。ステップ26では、基本目標圧縮比が上限圧縮比より大きく、かつ、基本目標圧縮比の変化速度が正であるか、つまり基本目標圧縮比の変化方向が増加方向であるかを判定する。
ステップ26が肯定されると、ステップ27へ進み、第2の目標圧縮比を基本目標圧縮比の値に保持し、かつ、この保持状態を表す保持状態フラグをセットする。ステップ26が否定されると、ステップ28へ進み、上記の保持状態フラグがセットされているかを判定する。このステップ28が肯定されると、ステップ29へ進み、第2の目標圧縮比の保持状態を継続する。
ステップ30では、ステップ22で設定された基本目標圧縮比と、ステップ27又は29で設定された第2の目標圧縮比と、を比較し、小さい方を最終目標圧縮比として設定する(最終目標圧縮比設定手段)。このようにして設定された最終目標圧縮比に応じた指令信号を圧縮比制御アクチュエータ13へ出力して、機関圧縮比を最終目標圧縮比へ向けて操作・制御する(圧縮比制御手段)。
図15及び図16の変更禁止開始時期T1が、ステップ26の判定が肯定に切り換わるタイミングに相当し、この状態では、最終目標圧縮比の増加方向への変更が禁止される。なお、図12のフローチャートでは省略しているが、基本目標圧縮比が第2の目標圧縮比を下回ると(図15及び図16の変更禁止解除時期T3に相当)、保持状態フラグをリセットし、かつ、第2の目標圧縮比を予め設定された最高圧縮比に戻す。これにより、最終目標圧縮比の保持状態・変更禁止状態が解除され、最終目標圧縮比が基本目標圧縮比に合わせて設定されることになる。図15において、最終目標圧縮比の保持状態ΔT2において、最終目標圧縮比が過渡的に上限圧縮比を上回っているが、保持に必要なエネルギーは比較的小さいので、実用上問題はない。
このように第2実施例では、基本目標圧縮比が増加中で、かつ上限圧縮比より大きくなる時点で、そのときの基本目標圧縮比を第2の目標圧縮比に設定する。最終目標圧縮比は、基本目標圧縮比と第2の目標圧縮比のうち小さい方を選択する。従って、基本目標圧縮比が第2の目標圧縮比を下回るまでは、最終目標圧縮比が第2の目標圧縮比に保持され、この最終目標圧縮比の増加方向の変更が禁止されることとなる。図15の動作例では、基本目標圧縮比の変化方向が低下方向から増加方向へ切り替わった時点では、基本目標圧縮比が上限圧縮比よりも小さいので、ステップ26が否定され、基本目標圧縮比が上限圧縮比を超えた時点T1で、ステップ26が肯定されて、最終目標圧縮比が保持・変更禁止されることとなる。一方、図16の動作例では、基本目標圧縮比が極小値となる時点T1で、この基本目標圧縮比が上限圧縮比よりも大きいので、この時点T1で最終目標圧縮比の保持・変更禁止が開始されることとなる。
このような第2実施例によれば、上記第1実施例と同様、圧縮比制御アクチュエータ13に過大な負荷がかかることを低減・防止することができ、比較的安価で小型の圧縮比制御アクチュエータ13を採用しても、その作動を安定して確保できることに加え、最終目標圧縮比の保持・変更禁止を最小限に抑え、可能な限り最終目標圧縮比を基本目標圧縮比に合わせて設定することができ、かつ、保持・変更禁止状態への切換に伴って最終目標圧縮比が大きく変動することがないので、信頼性・安定性等に優れている。
図17及び図18は、本発明の第3実施例に係る制御ルーチンを示す制御ブロック図及びフローチャートである。この第3実施例は、可変圧縮比機構の駆動源である圧縮比制御アクチュエータ13が電動モータである場合に特に適している。
ステップ51では、第1実施例のステップ1と同様、図5に示すサブルーチンにより、推定エンジントルクを推定する(エンジントルク推定手段)。ステップ52では、第1実施例のステップ2と同様、上記の推定エンジントルクとエンジン回転数とに基づいて、図9に示す基本目標圧縮比設定マップを検索して、基本目標圧縮比を演算・設定する(基本目標圧縮比設定手段)。
ステップ53では、圧縮比制御アクチュエータ13の温度を検出する(駆動源温度検出手段)。例えば、圧縮比制御アクチュエータ13の温度を直接的に検出するセンサを設けても良く、あるいは水温センサ7の検出信号等に基づいて圧縮比制御アクチュエータ13の温度を推定しても良い。
ステップ54では、上記のアクチュエータ温度が所定値以上であるかを判定する。アクチュエータ温度が所定値以上であれば、ステップ55へ進み、最終目標圧縮比を所定の圧縮比に固定・保持して、最終目標圧縮比の変更を禁止する。アクチュエータ温度が所定値未満であれば、ステップ56へ進み、基本目標圧縮比を最終目標圧縮比として設定する。これらステップ55及びステップ56が最終目標圧縮比設定手段に相当する。このようにして設定された目標圧縮比に応じた指令信号を圧縮比制御アクチュエータ13へ出力して、機関圧縮比を最終目標圧縮比へ向けて操作・制御する(圧縮比制御手段)。
この第3実施例によれば、アクチュエータ温度に応じた簡易な制御手法でありながら、上述したような効果、すなわち機関加速時や高負荷時に機関圧縮比の増加側への変更により圧縮比制御アクチュエータ13に過大な負荷がかかり、このアクチュエータの温度が過度に上昇することを確実に防止できる。従って、比較的安価で小型の圧縮比制御アクチュエータ13を採用しても、その作動を安定して確保できる。
図19及び図20は、本発明の第4実施例に係る制御ルーチンを示す制御ブロック図及びフローチャートである。また、図21は、この第4実施例に係る制御を適用した場合の機関加速時の動作例を示すタイムチャートである。
ステップ61では、第1実施例のステップ1と同様、図5に示すサブルーチンにより、推定エンジントルクを推定する(エンジントルク推定手段)。ステップ62では、第1実施例のステップ2と同様、上記の推定エンジントルクとエンジン回転数とに基づいて、図9に示す基本目標圧縮比設定マップを検索して、基本目標圧縮比を演算・設定する(基本目標圧縮比設定手段)。
ステップ63では、エンジントルクが所定値以上で、かつ、基本目標圧縮比の変化方向が増加方向であるかを判定する。例えば、今回の基本目標圧縮比から前回(1演算前)の基本目標圧縮比を減算した値が正であれば、基本目標圧縮比が増加中であると判定する。
ステップ63の判定が肯定されるとステップ64へ進み、最終目標圧縮比を現在の基本目標圧縮比に保持して、最終目標圧縮比の増加側への変更を禁止する。更に、最終目標圧縮比が保持状態(変更禁止状態)であることを表す保持状態フラグをセットする。図21の保持開始時期T1が、ステップ63の判定が肯定に切り替わる時期に相当する。
ステップ63の判定が否定されると、ステップ65へ進み、保持状態フラグがセットされているかを判定する。保持状態フラグがセットされていれば、ステップ66へ進み、最終目標圧縮比の保持状態を継続する。続くステップ67では、最終目標圧縮比の前回値と、基本目標圧縮比のうち、小さい方を最終目標圧縮比として選択する。ステップ68では、最終目標圧縮比の前回値を採用したかを判定する。このステップ68が否定されると、ステップ69へ進み、保持状態フラグをリセットする。従って、次回のルーチン実行時にはステップ65が否定されてステップ70へ進み、最終目標圧縮比を基本目標圧縮比として設定する。つまり、最終目標圧縮比に基本目標圧縮比の値が代入される。このようにして設定された最終目標圧縮比に応じた指令信号を圧縮比制御アクチュエータ13へ出力して、機関圧縮比を最終目標圧縮比へ向けて操作・制御する(圧縮比制御手段)。
この第4実施例によれば、機関負荷が所定値以上の高負荷域で、かつ、基本目標圧縮比が増加中である場合、最終目標圧縮比の増加方向への変更が禁止される。従って、機関負荷に応じた比較的簡素な制御手法でありながら、機関加速時や高負荷域で機関圧縮比の増加側への変更により圧縮比制御アクチュエータ13に過大な負荷がかかることを低減・防止することができる。よって、比較的安価で小型の圧縮比制御アクチュエータ13を採用しても、その作動を安定して確保できる。
以上の実施例より把握し得る発明を、その作用効果とともに列記する。なお、対応する主な実施例を付記している。
(1)第1発明(第1実施例)
機関運転状態に基づいて基本目標圧縮比を設定し、この基本目標圧縮比に基づいて最終目標圧縮比を設定し、この最終目標圧縮比へ向けて機関圧縮比を制御する可変圧縮比内燃機関の制御装置において、機関圧縮比が上記基本目標圧縮比に良好に追従できない追従不可状態であるかを判定する追従判定手段と、上記追従不可状態と判定された場合に、上記最終目標圧縮比の増加方向への変更を禁止する変更禁止手段と、を有する。
この第1発明によれば、本来実現させたい基本目標圧縮比に追従できない状況、例えば機関負荷が増加する機関加速時や高負荷時に基本目標圧縮比が増加側へ変化するような状況で、最終目標圧縮比の増加方向への変更を禁止することができるので、圧縮比を変更する機構の駆動源であるモータや油圧アクチュエータに過大な負荷がかかることを有効に低減・回避することができる。従って、比較的安価で小型のアクチュエータを採用しても、その作動を安定して確保できる。
(2)第2発明(第1実施例)
上記第1発明において、更に、実際の機関圧縮比に相当する実圧縮比を推定又は検出する手段を有し、上記追従判定手段は、基本目標圧縮比から実圧縮比を減算した偏差が所定値以上となる状態が所定期間以上継続した場合に、追従不可状態と判定する。
この第2発明は、追従判定手段として、実圧縮比に基づいて実際に追従できていない状態を検出し判定を行うというものである。予め、追従できない運転条件を求めておいて、その条件になれば最終目標圧縮比を補正するという手法に対し、この第2発明では、追従できない運転条件を予め求めておかなくても、予め求めておく方法に近い効果を簡易的に実現することができる。
(3)第3発明(第1実施例)
上記第1,第2発明において、上記追従不可状態で、基本目標圧縮比が最終目標圧縮比を下回ると、上記変更禁止手段による変更禁止を解除し、基本目標圧縮比に合わして最終目標圧縮比を設定する。これにより、演算負荷の低い簡易的な方法で、最終目標圧縮比を適切に設定することができる。
(4)第4発明(第2実施例)
機関圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、この可変圧縮比機構を駆動する圧縮比制御アクチュエータと、最終目標圧縮比に応じた指令信号を圧縮比制御アクチュエータへ出力して、機関圧縮比を最終目標圧縮比へ向けて制御する圧縮比制御手段と、機関運転状態に基づいて基本目標圧縮比を設定する基本目標圧縮比設定手段と、少なくとも機関負荷に基づいて、上記圧縮比制御アクチュエータによる上限圧縮比を演算する上限圧縮比演算手段と、基本目標圧縮比と上限圧縮比とに基づいて、上記最終目標圧縮比を設定する最終目標圧縮比設定手段と、を有する。
この第4発明では、典型的にはノック限界に相当する実際に実現したい目標値としての基本目標圧縮比と、そのときの機関負荷に応じて圧縮比制御アクチュエータで実現し得る圧縮比の上限値・限界値に相当する上限圧縮比と、を求め、両者に基づいて、最終的な目標圧縮比を設定している。従って、例えば機関負荷が増加する機関加速時や高負荷時に基本目標圧縮比が増加側へ変化して圧縮比制御アクチュエータに過大な負荷がかかることを有効に低減・回避することができる。よって、比較的安価で小型のアクチュエータを採用しても、その作動を安定して確保できる。
(5)第5発明(第2実施例)
上記第4発明の最終目標圧縮比設定手段が、基本目標圧縮比が増加中で、かつ、基本目標圧縮比が上限圧縮比を超えている場合に、上記最終目標圧縮比の増加方向への変更を禁止する。この第5発明によれば、第4発明の効果に加え、最終目標圧縮比の変更禁止する状況を限定しており、従って、それ以外の領域、つまり最終目標圧縮比を本来実現させたい基本目標圧縮比にあわせる運転領域を十分に確保することができる。
(6)第6発明(第2実施例)
上記第4,5発明の圧縮比制御アクチュエータが油圧アクチュエータであり、上記上限圧縮比演算手段が機関負荷と油圧とに基づいて上限圧縮比を演算する。
この第6発明は、圧縮比制御アクチュエータが油圧駆動式である場合を想定したものある。この場合、圧縮比制御アクチュエータにより実現し得る上限圧縮比は、筒内圧と相関のある機関負荷だけではなく、圧縮比制御アクチュエータの駆動力と相関のある油圧の影響も大きく受ける。従って、機関負荷と油圧から上限圧縮比を演算するようにした。これによって、圧縮比制御アクチュエータが油圧駆動式である場合に、その上限圧縮比の演算を正確に行うことができる。
(7)第7発明(第3実施例)
機関圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、この可変圧縮比機構を駆動する圧縮比制御アクチュエータと、最終目標圧縮比に応じた指令信号を圧縮比制御アクチュエータへ出力して、機関圧縮比を最終目標圧縮比へ向けて制御する圧縮比制御手段と、機関運転状態に基づいて基本目標圧縮比を設定する基本目標圧縮比設定手段と、上記圧縮比制御アクチュエータの温度を検出又は推定する温度検出手段と、上記圧縮比制御アクチュエータの温度が所定値以上の場合に、上記最終目標圧縮比を所定値に固定し、上記圧縮比制御アクチュエータの温度が所定値未満の場合に、上記基本目標圧縮比に基づいて最終目標圧縮比を設定する最終目標圧縮比設定手段と、を有する。
この第7発明によれば、例えば機関負荷が増加する機関加速時や高負荷時に基本目標圧縮比が増加側へ変化することにより可変圧縮比制御アクチュエータに過大な負荷がかかり、このアクチュエータの温度が過度に上昇するような事態を簡易かつ確実に回避することができる。従って、比較的安価で小型のアクチュエータを採用しても、その作動を安定して確保できる。
(8)第8発明(第4実施例)
機関運転状態に基づいて基本目標圧縮比を求め、この基本目標圧縮比に基づいて最終目標圧縮比を設定し、この最終目標圧縮比へ向けて機関圧縮比を可変制御する可変圧縮比内燃機関の制御装置において、機関負荷が所定値以上の場合、最終目標圧縮比の増加方向への変更を禁止する。
この第8発明によれば、機関負荷が所定値以上の高負荷域で、例えば基本目標圧縮比が増加側へ変化することにより、圧縮比を変更する駆動源であるアクチュエータに過大な負荷がかかることを有効に回避することができる。従って、比較的安価で小型のアクチュエータを採用しても、その作動を安定して確保できる。
(9)第9発明
上記の第1〜8発明において、更に、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に嵌合するロアリンクと、このロアリンクとピストンとを連係するアッパリンクと、ロアリンクに一端が連結された制御リンクと、を有し、この制御リンクを介してロアリンクの運動拘束条件を変化させることにより機関圧縮比を可変とする圧縮比制御アクチュエータと、を備える可変圧縮比機構を有する。
この可変圧縮比機構は、機関圧縮比を連続的に変更できることに加え、コンパクトで機関搭載性に優れ、かつ、ピストンストローク特性そのものを適正化することができる。
上記の圧縮比制御アクチュエータとしては、例えば応答性に優れた電動モータ、あるいは廉価な油圧駆動式のアクチュエータを用いることができる。
この発明に係る可変圧縮比内燃機関の制御装置のシステム構成を示す構成説明図。 可変圧縮比機構の構成を示す構成説明図。 本発明の第1実施例に係る制御の流れを示すブロック図。 上記第1実施例に係る制御の流れを示すフローチャート。 エンジントルク推定サブルーチン。 追従判定サブルーチン。 最終目標圧縮比演算サブルーチン。 定常エンジントルク推定マップ。 基本目標圧縮比設定マップ。 上記第1実施例の制御を適用した場合の機関加速時の挙動を示すタイムチャート。 本発明の第2実施例に係る制御の流れを示すブロック図。 上記第2実施例に係る制御の流れを示すフローチャート。 アクチュエータが電動式である場合に適した上限圧縮比設定テーブル。 アクチュエータが油圧駆動式である場合に適した上限圧縮比設定テーブル。 上記第2実施例の制御を適用した場合の機関加速時の挙動の一例を示すタイムチャート。 上記第2実施例の制御を適用した場合の機関加速時の挙動の他の例を示すタイムチャート。 本発明の第3実施例に係る制御の流れを示すブロック図。 上記第3実施例に係る制御の流れを示すフローチャート。 本発明の第4実施例に係る制御の流れを示すブロック図。 上記第4実施例に係る制御の流れを示すフローチャート。 上記第4実施例の制御を適用した場合の機関加速時の挙動を示すタイムチャート。 機関加速時に過渡的に目標圧縮比が増加方向へ変化する場合を示す説明図。
符号の説明
1…可変圧縮比内燃機関
11…エンジンコントロールモジュール
13…圧縮比制御アクチュエータ

Claims (11)

  1. 機関運転状態に基づいて基本目標圧縮比を設定し、この基本目標圧縮比に基づいて最終目標圧縮比を設定し、この最終目標圧縮比へ向けて機関圧縮比を制御する可変圧縮比内燃機関の制御装置において、
    機関圧縮比が上記基本目標圧縮比追従できない追従不可状態であるかを判定する追従判定手段と、
    上記追従不可状態と判定された場合に、上記最終目標圧縮比の増加方向への変更を禁止する変更禁止手段と、
    を有することを特徴とする可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  2. 実際の機関圧縮比に相当する実圧縮比を推定又は検出する手段を有し、
    上記追従判定手段は、基本目標圧縮比から実圧縮比を減算した偏差が所定値以上となる状態が所定期間以上継続した場合に、追従不可状態と判定する請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  3. 上記追従不可状態で、基本目標圧縮比が最終目標圧縮比を下回ると、上記変更禁止手段による変更禁止を解除し、基本目標圧縮比に合わして最終目標圧縮比を設定する請求項1又は2に記載の可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  4. 機関圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、
    この可変圧縮比機構を駆動する圧縮比制御アクチュエータと、
    最終目標圧縮比に応じた指令信号を圧縮比制御アクチュエータへ出力して、機関圧縮比を最終目標圧縮比へ向けて制御する圧縮比制御手段と、
    機関運転状態に基づいて基本目標圧縮比を設定する基本目標圧縮比設定手段と、
    少なくとも機関負荷に基づいて、上記圧縮比制御アクチュエータによる上限圧縮比を演算する上限圧縮比演算手段と、
    基本目標圧縮比と上限圧縮比とに基づいて、上記最終目標圧縮比を設定する最終目標圧縮比設定手段と、
    を有する可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  5. 上記最終目標圧縮比設定手段は、基本目標圧縮比が増加中で、かつ、基本目標圧縮比が上限圧縮比を超えている場合に、上記最終目標圧縮比の増加方向への変更を禁止する請求項4に記載の可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  6. 上記圧縮比制御アクチュエータが油圧アクチュエータであり、
    上記上限圧縮比演算手段が機関負荷と油圧とに基づいて上限圧縮比を演算する請求項4又は5に記載の可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  7. 機関圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、
    この可変圧縮比機構を駆動する圧縮比制御アクチュエータと、
    最終目標圧縮比に応じた指令信号を圧縮比制御アクチュエータへ出力して、機関圧縮比を最終目標圧縮比へ向けて制御する圧縮比制御手段と、
    機関運転状態に基づいて基本目標圧縮比を設定する基本目標圧縮比設定手段と、
    上記圧縮比制御アクチュエータの温度を検出又は推定する温度検出手段と、
    上記圧縮比制御アクチュエータの温度が所定値以上の場合に、上記最終目標圧縮比を所定値に固定し、上記圧縮比制御アクチュエータの温度が所定値未満の場合に、上記基本目標圧縮比に基づいて最終目標圧縮比を設定する最終目標圧縮比設定手段と、
    を有する可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  8. 機関運転状態に基づいて基本目標圧縮比を求め、この基本目標圧縮比に基づいて最終目標圧縮比を設定し、この最終目標圧縮比へ向けて機関圧縮比を可変制御する可変圧縮比内燃機関の制御装置において、
    機関負荷が所定値以上の場合、最終目標圧縮比の増加方向への変更を禁止することを特徴とする可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  9. クランクシャフトのクランクピンに回転可能に嵌合するロアリンクと、このロアリンクとピストンとを連係するアッパリンクと、ロアリンクに一端が連結された制御リンクと、を有し、この制御リンクを介してロアリンクの運動拘束条件を変化させることにより機関圧縮比を可変とする圧縮比制御アクチュエータと、を備える可変圧縮比機構を有する請求項1〜8のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  10. 上記圧縮比制御アクチュエータが電動モータである請求項9に記載の可変圧縮比内燃機関の制御装置。
  11. 機関運転状態に基づいて基本目標圧縮比を設定し、この基本目標圧縮比に基づいて最終目標圧縮比を設定し、この最終目標圧縮比へ向けて機関圧縮比を可変制御する可変圧縮比内燃機関の制御方法において、
    機関負荷が増加する機関加速中であって、かつ、上記基本目標圧縮比が増加方向へ変化する場合に、上記最終目標圧縮比の変更を禁止することを特徴とする可変圧縮比内燃機関の制御方法。
JP2003407187A 2003-12-05 2003-12-05 可変圧縮比内燃機関の制御装置及び制御方法 Expired - Fee Related JP4300312B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003407187A JP4300312B2 (ja) 2003-12-05 2003-12-05 可変圧縮比内燃機関の制御装置及び制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003407187A JP4300312B2 (ja) 2003-12-05 2003-12-05 可変圧縮比内燃機関の制御装置及び制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005163741A JP2005163741A (ja) 2005-06-23
JP4300312B2 true JP4300312B2 (ja) 2009-07-22

Family

ID=34729309

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003407187A Expired - Fee Related JP4300312B2 (ja) 2003-12-05 2003-12-05 可変圧縮比内燃機関の制御装置及び制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4300312B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4816410B2 (ja) 2006-10-30 2011-11-16 日産自動車株式会社 エンジンの圧縮比制御装置及び圧縮比制御方法
JP4462283B2 (ja) 2007-03-14 2010-05-12 日産自動車株式会社 エンジン負荷推定装置及びエンジン負荷推定方法
JP5195725B2 (ja) * 2009-11-18 2013-05-15 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
JP5131261B2 (ja) * 2009-11-18 2013-01-30 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
JP5471875B2 (ja) * 2010-03-10 2014-04-16 日産自動車株式会社 可変圧縮比内燃機関の制御装置
WO2014185124A1 (ja) * 2013-05-14 2014-11-20 日産自動車株式会社 内燃機関の制御装置および制御方法
KR20180116425A (ko) * 2016-03-11 2018-10-24 닛산 지도우샤 가부시키가이샤 내연 기관의 제어 방법 및 내연 기관의 제어 장치
CN115217638B (zh) * 2022-05-30 2024-01-16 广州汽车集团股份有限公司 发动机压缩比控制方法、装置及电子设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005163741A (ja) 2005-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7278383B2 (en) Internal combustion engine with variable compression ratio and valve characteristics
JP6874889B2 (ja) ウェストゲートバルブの制御方法
JP2004197582A (ja) エンジンの吸気制御装置
JPS61116032A (ja) 排気タービン過給機によつて過給される自動車用内燃機関を運転する方法及び装置
JP6380678B2 (ja) 内燃機関の制御方法及び制御装置
JP4300312B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関の制御装置及び制御方法
JP4438368B2 (ja) 可変圧縮比エンジンの制御装置
JP4269909B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関の制御装置及び制御方法
JP4415464B2 (ja) 可変圧縮比装置付ターボ過給内燃機関
JP4765699B2 (ja) レシプロ式内燃機関の制御方法
JP4244790B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関及びその制御方法
JP4241351B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関の制御装置及び制御方法
CN110730861B (zh) 内燃机的控制方法及控制装置
JPH10288056A (ja) ターボ過給機付内燃機関
JP5263249B2 (ja) 過給機付き内燃機関の可変バルブタイミング制御装置
JP2010185302A (ja) 内燃機関の制御装置
JP5045510B2 (ja) 過給機付き内燃機関の制御装置
JP4536342B2 (ja) 可変圧縮比機構付き内燃機関の制御装置
JP6439875B2 (ja) エンジンの制御装置及びエンジンの制御方法
JP4853387B2 (ja) 制御装置及び制御方法
JP4432759B2 (ja) 車両用内燃機関の制御装置
JP2019039405A (ja) エンジンの制御装置
JP2006152968A (ja) 可変バルブタイミング機構を備えた内燃機関の制御装置
JP2008115829A (ja) レシプロ式内燃機関の制御装置及び制御方法
JP2004239146A (ja) エンジンの吸気制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061025

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080902

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090317

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090330

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4300312

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130501

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140501

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees