JP2002069798A - 四軸多重織物とその織成方法 - Google Patents
四軸多重織物とその織成方法Info
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Abstract
繊細で厚みがあり、かつ表裏同一な四軸多重織物とその
織成方法につき、検討をする。 【解決手段】 織物の表面Aと裏面Bを交差するナナメ
糸3,4面の2層又はこれらとその間のタテ糸5面の3
層でそれぞれ形成し、中間面Cがヨコ糸2であり、タテ
糸5方向へ絡み糸1を表面Aと裏面Bのナナメ糸と中間
面Cのヨコ糸2に絡めて、多重織組織としてなる四軸多
重織物である。
Description
し、織物の強伸度に方向性の少ない、かつ重厚な四軸織
物とその織成方法に関するものである。
イヤス方向に交差する2方向のナナメ糸が重なって織成
された織物である。このような織物は、通常の2軸織物
に比べて強伸度の方向性が少ない安定した織物となるの
で、最近になって各方面で注目されてきている。本発明
者らも早くから、四軸織物やその織機の開発に取り組
み、特開昭63-92751号、特開昭64-52847号、特開平1-29
2140号、特開平2-6649号、特開平4-91255号、特開平8-1
34738号、特開平8-134747号などで、これらの技術につ
いて多くの提案をしている。
2751号にあるように、その織り組織は、従来の2軸織物
の片面にのみ直行するナナメ糸を織り込む簡単なもので
あった。したがって基本的には、織物の表面にナナメ糸
が、裏面にヨコ糸がきて、これらをタテ糸ヘルドによっ
て、タテ糸を絡めた組織であった。
厚みも糸の太さによって一義的に決まってしまい、繊細
かつ厚みのある重厚な織物には仕上げられない。また、
織物の表裏で組織が異なり、使用に際して表裏の別を意
識しなければならず、不便をきたしていた。そこで、ナ
ナメ糸やタテ糸を簡便な方法で織成でき、繊細であって
も厚みがあり、かつ表裏同一な四軸多重織物とその織成
方法につき、検討を加えた。
重織物の組織は、まず、織物の表面と裏面を交差するナ
ナメ糸面の2層又はこれらとその間のタテ糸面の3層で
それぞれ形成し、中間層がヨコ糸であり、タテ糸方向へ
絡み糸を表面と裏面のナナメ糸と中間層のヨコ糸に絡め
て、多重織組織としてなる四軸多重織物である。タテ糸
方向への絡み糸は、従来の四軸織物におけるタテ糸と同
じであり、本発明の多重織物では、単にナナメ糸間に導
入された織物のタテ方向の糸をタテ糸と称して織成に携
わるタテ糸を「絡み糸」と称して区別した。
組のナナメ糸供給装置又はその中間のタテ糸供給装置と
の組み合わせにより2層のナナメ糸又は該2層のナナメ
糸とその間のタテ糸で3層の表裏面をそれぞれ形成し、
2組のナナメ糸トラバース手段でナナメ糸の開口を確保
し、表面と裏面との間が常にヨコ糸の射入れの開口部を
形成するようにし、この開口部に対して中間層を形成す
るべくヨコ糸を射入れしながら、絡み糸ヘルドの操作で
タテ糸方向へ絡み糸をナナメ糸又はヨコ糸に絡ませなが
ら織成して、表面側と裏面側の絡み糸ヘルドで絡み糸を
表面と裏面のナナメ糸面とヨコ糸面に絡めて多重組織と
する四軸多重織物の織成方法である。
側の絡み糸ヘルドの開口往復毎に1回行い、絡み糸で表
裏面のナナメ糸とヨコ糸を交互に絡めていくと、絡み糸
はすべてのヨコ糸に表裏から絡まって、表裏の組織が同
一の多重織物となる。
表面側と裏面側の絡み糸ヘルドの開口往復毎に2回行
い、絡み糸で表裏面のナナメ糸とヨコ糸を交互に絡めて
も、絡み糸が1本おきにヨコ糸に絡む組織となり、同じ
く表裏の組織が同一の多重織物とする四軸多重織物とな
る。
糸トラバース手段は、3本のねじロールであり、中間ね
じロールの対角面に形成する2面の格子状ナナメ糸面間
で開口部を確保して、上記のようなヨコ糸の射入れを行
って四軸多重織物の織成をする。
は、2本一組のねじロールの2組の4本構成したもので
あり、この場合は、組間で近接する2本のねじロールの
対向面のナナメ糸面間で開口部を確保して、ヨコ糸の射
入れを行って四軸多重織物とする。
成方法で種々な積層数や織り密度のものが得られる。例
えば、表裏の各ナナメ糸間にタテ糸面を形成すべくナナ
メ糸供給装置としてのクリール内に1本乃至数本のタテ
糸供給装置としてのビームを設けると、交差するナナメ
糸で挟まれた格好で、タテ糸面が1乃至複数面形成さ
れ、かつその挿入本数を増減できて、織り密度を広い範
囲で増減することができるのである。
軸織物とその織成方法について説明する。図1は四軸多
重織物の織り組織を示す概略平面図である。図2及び図
3は四軸多重織物の織り組織を示す図1のA−A及びA
−A相当断面図である。図4は四軸多重織物の他の織り
組織を示す概略平面図である。図5は四軸多重軸織物の
他の織り組織を示す図4のB−B断面図である。
アウトと動きを示す要部側面図である。図7は四軸多重
織物を織成する織機の他の例のレイアウトと動きを示す
要部側面図である。図8はナナメ糸の移送ロール間の受
け渡し手段を示す中間省略の正面図である。図9は他の
受け渡し手段を示す中間省略の正面図である。
に見られるように、タテ糸方向の絡み糸1とヨコ糸2か
ら成る2軸の通常の織物に対して、バイヤス方向に直行
するナナメ糸3,4で四軸多重織物を形成する。本発明
の多重織物は図2の断面組織図のように、織物の表面側
Aのナナメ糸3a,4aと裏面側Bのナナメ糸3b,4bでそれ
ぞれ表裏面を形成し、中間面Cがヨコ糸2であり、絡み
糸1a又は1bがヨコ糸2と表面又は裏面のナナメ糸3,4
に絡めて、絡み糸1a又は1bをすべてのヨコ糸2の間を通
過するようにして表裏2重のナナメ糸3a,4a又は3b,4b
に対して交互に絡めている。この場合、表裏の組織が同
一の織組織の5重織物となっているのである。
ヨコ糸2の間を通過するようにして表裏2重ののナナメ
糸3a,4a又は3b,4bに対して交互に絡めているが、絡み
糸1の絡め方は種々考えられる。図3はその例であっ
て、絡み糸1aが表面Aのナナメ糸3a,4aとヨコ糸2と交
互に絡め、かつ、絡み糸1bが裏面Bのナナメ糸3b,4bと
ヨコ糸2と交互に絡めた組織である。したがって、絡み
糸1に絡まない自由状態のヨコ糸2が1本おきに存在し
ている点で図2と相違している。また、やや複雑な組織
であり、図示は省略するが、絡み糸1a又は1bをヨコ糸の
2本置きにヨコ糸2とナナメ糸3又は4と交互に絡ませ
た組織にしてもよい。そして、これらの組織はいずれも
表裏同一の織り組織となっているのである。
織を示すもので、表裏の各ナナメ糸間にタテ糸面が交差
するナナメ糸で挟まれた格好でヨコ糸やナナメ糸に絡ま
ないタテ糸面が形成され、図2のものよりも更に2重の
織り面が加わり、厚地の四軸織物となる。すなわち、織
物の表面側Aのナナメ糸3a,4aとその間のタテ糸5a及び
裏面側Bのナナメ糸3b,4bとその間のタテ糸5bとでそれ
ぞれ表裏面を形成し、中間面Cがヨコ糸2であり、絡み
糸1a又は1bがヨコ糸2と表面A又は裏面Bに絡めてい
る。この場合も、図3のようなヨコ糸への絡み方の変化
があり、いずれも表裏の組織が同一の織り組織の四軸7
重織物となっているのである。
織機のレイアウトと動きで操作できる。図6はその例で
あって、織物の表面と裏面をナナメ糸でそれぞれ形成す
るべく、例えば2組(a,b)のナナメ糸クリール又はその
中間のタテ糸ビームとの組み合わせにより表面では2層
のナナメ糸3a,4a又は該2層のナナメ糸3a,4aとその間
のタテ糸5aで3層にし、裏面も同様に3b,4b,5bでそれ
ぞれ形成し、2組のナナメ糸トラバース手段11,12でナ
ナメ糸の開口を確保し、表面と裏面との間が常にヨコ糸
2の射入れ開口部13を形成するようにし、該射入れ開口
部13に対して中間層を形成するべくヨコ糸2を射入れし
ながら、絡み糸ヘルド14,15の操作でタテ糸方向へ絡み
糸1をナナメ糸3,4又はヨコ糸2に絡ませながら織成
して、表面側と裏面側の絡み糸ヘルド14,15で絡み糸1
を表面と裏面のナナメ糸面とヨコ糸面に絡めて、2枚の
抜き筬24,25で筬打ちして多重組織とする四軸多重織物
の織成方法である。したがって、表面側と裏面側の絡み
糸ヘルド14,15を図のように開口部13の範囲内で走行さ
せるだけでよく、しかもシャットル又はレピア16なども
1基ですむ利点がある。2層のナナメ糸3a,4aの間にタ
テ糸5aを挿入する方法は図6の右方に示すナナメ糸3aと
4aの分け板22aの中間に設けたスリット23a又は多数の孔
列により行う。図の下方のトラバース手段も上記と同様
に分け板22bとそのスリット23bで行う。
と裏面側の絡み糸ヘルド14,15の同時開口毎に行い、絡
み糸1で表裏面のナナメ糸3,4とヨコ糸2を交互に絡
めて織成すると、図2に示す表裏の組織が同一の四軸多
重織物となる。具体的には、上記の表面側と裏面側の絡
み糸ヘルド14,15が開口部13の1往復ごとに1本のヨコ
糸を射入れする。図3の組織は上記の表面側と裏面側の
絡み糸ヘルド14,15が開口部13の1往復ごとに2本のヨ
コ糸を射入れすることでできあがる。
メ糸面の2層とその間のタテ糸面の3層でそれぞれ形成
し、中間層がヨコ糸であり、タテ糸方向へ絡み糸を表面
と裏面のナナメ糸と中間層のヨコ糸に絡めて、四軸方向
の多重織組織としてなる四軸多重織物である。これを図
2と比較すると、表面Aと裏面Bともにナナメ糸の2層
に対しタテ糸の1層が加わってそれぞれ3層になり、ヨ
コ糸層と全体で7層の四軸多重織物となっている。
1,12は、図6の場合、3本のねじロール17,18,19で
あり、中間ねじロール18の対角面のナナメ糸面間で開口
部13を確保してヨコ糸2の射入れを行う。これに対し、
図7に示す2組のナナメ糸トラバース手段11,12は、2
本一組で合計4本のねじロールからなり、一方は外ねじ
ロール17と内ねじロール20、他方は外ねじロール19と内
ねじロール21で構成している。そして、近接する内側2
本の内ねじロール20,21の対向面のナナメ糸面間で開口
部13を確保してヨコ糸2の射入れを行う方法である。そ
の他は図6の3本ロールと同じ作用をする。しかし、図
7の場合は図6と違って、2組のトラバース手段11,12
が個々独立であるので、表面側Aと裏面側Bの糸の種類
を変更して織成可能な利点がある。
ねじロール間の分け板22でナナメ糸3aから4aへと連続的
に循環移送し、かつ、分け板22のスリット23からタテ糸
5を供給するのであるが、そのためにねじロール間のナ
ナメ糸の受け渡し手段が必要になってくる。この受け渡
し手段は分け板22の幅の大小にはあまり影響がなく、例
えば、図8に見られるような揺動レバー26により強制的
に送り込むか、図9のように分け板22の端面に勾配27を
設けてその傾斜に沿って自然にナナメ糸が移動するよう
にすればよい。
重織物とその効率的な織成方法の開示であり、これらの
技術によって、重厚な厚地の四軸織物の製造が可能にな
り、かつ表裏で組織が同じ四軸織物も得られ、帆布やド
ームの天幕などに使用して、方向性のない高強度の安定
した織物となっている。しかも、使用に際して表裏の別
を意識することなく、作業できる便利さも得られた。し
たがって、製品用途が広がり、かつ製品の取り扱いも極
めて簡便になったのである。
る。
面図である。
A相当断面図である。
示す概略平面図である。
B断面図である。
きを示す要部側面図である。
ウトと動きを示す要部側面図である。
中間省略の正面図である。
示す中間省略の正面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 織物の表面と裏面とを交差するナナメ糸
面の2層又はこれらとその間のタテ糸面の3層でそれぞ
れ形成し、中間層がヨコ糸であり、タテ糸方向へ絡み糸
を表面と裏面のナナメ糸と中間層のヨコ糸に絡めて、四
軸方向の多重織組織としてなる四軸多重織物。 - 【請求項2】 2組のナナメ糸供給装置又はその中間の
タテ糸供給装置との組み合わせにより2層のナナメ糸又
は該2層のナナメ糸とその間のタテ糸で3層の表裏面を
それぞれ形成し、2組のナナメ糸トラバース手段でナナ
メ糸の開口を確保し、表面と裏面との間が常にヨコ糸の
射入れの開口部を形成するようにし、該開口部に対して
中間層を形成するべくヨコ糸を射入れしながら、表面側
と裏面側の絡み糸ヘルドで絡み糸を表面と裏面のナナメ
糸面と中間面のヨコ糸面に絡めて多重組織とする四軸多
重織物の織成方法。 - 【請求項3】 ヨコ糸の射入れは、表面側と裏面側の絡
み糸ヘルドの開口往復毎に1回行い、絡み糸で表裏面の
ナナメ糸とヨコ糸を交互に絡めて表裏の組織が同一の織
物とする請求項2記載の四軸多重織物の織成方法。 - 【請求項4】 ヨコ糸の射入れは、表面側と裏面側の絡
み糸ヘルドの開口往復毎に2回行い、絡み糸で表裏面の
ナナメ糸とヨコ糸を交互に絡めて表裏の組織が同一の織
物とする請求項2記載の四軸多重織物の織成方法。 - 【請求項5】 2組のナナメ糸トラバース手段は、3本
のねじロールであり、中間ねじロールの対角面のナナメ
糸面間で開口部を確保してヨコ糸の射入れを行う請求項
2記載の四軸多重織物の織成方法。 - 【請求項6】 2組のナナメ糸トラバース手段は、2本
一組で4本のねじロールであり、組間で近接する2本の
ねじロールの対向面のナナメ糸面間で開口部を確保して
ヨコ糸の射入れを行う請求項2記載の四軸多重織物の織
成方法。
Priority Applications (1)
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JP2000265897A JP4388217B2 (ja) | 2000-09-01 | 2000-09-01 | 四軸多重織物の織成方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP4388217B2 JP4388217B2 (ja) | 2009-12-24 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000265897A Expired - Lifetime JP4388217B2 (ja) | 2000-09-01 | 2000-09-01 | 四軸多重織物の織成方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP4388217B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7706564B2 (en) | 2005-02-10 | 2010-04-27 | Pioneer Corporation | Diaphragm and speaker |
-
2000
- 2000-09-01 JP JP2000265897A patent/JP4388217B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7706564B2 (en) | 2005-02-10 | 2010-04-27 | Pioneer Corporation | Diaphragm and speaker |
Also Published As
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---|---|
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