JP2002069786A - 高強力繊維布帛 - Google Patents

高強力繊維布帛

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JP2002069786A
JP2002069786A JP2000269311A JP2000269311A JP2002069786A JP 2002069786 A JP2002069786 A JP 2002069786A JP 2000269311 A JP2000269311 A JP 2000269311A JP 2000269311 A JP2000269311 A JP 2000269311A JP 2002069786 A JP2002069786 A JP 2002069786A
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strength
low
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fiber
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English (en)
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Hiroyasu Koizumi
博康 小泉
Tadataka Azuma
忠孝 東
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Unitika Glass Fiber Co Ltd
Original Assignee
Unitika Glass Fiber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 本発明の目的は、より強固に縦糸と緯糸
を目止めすることができ、また他の層と簡単に積層させ
ることができる耐磨耗性、耐候性、耐久性、耐水性等に
優れた布帛を提供することにある。 【解決手段】 高強力繊維例えばガラス繊維等のマルチ
フィラメント糸、モノフィラメント糸またはモノマルチ
フィラメント糸のいずれか少なくとも1種以上のフィラ
メント糸複数本の糸条を、前記フィラメント糸の融点よ
りも低い融点を有する低温熱接着性樹脂とから一体的に
構成されてなる高強力繊維融着糸を含有することを特徴
とする布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高強力繊維フィラメ
ント糸複数本から構成された高強力繊維糸条と、低温熱
接着性樹脂とが一体的に構成されてなる高強力糸を含有
する布帛に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、合成繊維または無機繊維から
なる布帛は、各種補強材として色々な素材のものと積層
させて用いられている。また、テントに代表される膜構
造物にも該布帛が使われている。またさらに、かかる布
帛はライニング用クロスなど成形体の表面に使われる場
合もある。このように合成繊維または無機繊維からなる
布帛は種々の産業資材に用いられているが、近年産業資
材の多様化および高性能化に伴い合成繊維または無機繊
維からなる布帛に対してもさまざまな要求があり、その
一つとして引張り強度、耐磨耗性など機械的強度の向上
への要求がある。また、厳しい使用状況にも耐え得るよ
う耐久性の向上に対するニーズもあり、また、用途によ
っては耐候性および耐水性等も要求される場合もある。
【0003】また、合成繊維または無機繊維からなる布
帛は、産業用だけでなく、壁・天井張りクロス、カーテ
ン、ブラインドクロス、カーペットなどのインテリアに
も、それ自体で、または種々の樹脂等と積層させて用い
られている。このようなインテリアの用途においても、
引張り強度に優れていれば基材のクラックおよびペンキ
のクラックの発生・拡大を防ぐことができることから、
引張り強度など機械的強度の向上への要求がある。ま
た、紫外線で色あせしたり、水や飲み物などをこぼして
しみができたりすると、頻繁に取り替える必要が出てき
て経済的にもまた資源の面からも効率的でないため、耐
候性や耐水性が要求されてきている。
【0004】かかるニーズに鑑み、近年、アラミド繊
維、超高分子量ポリエチレン繊維等の高強力繊維からな
る布帛が開発されている。しかしながら、これら高強力
繊維からなるフィラメント糸あるいは撚り糸等からなる
布帛は耐磨耗性の低いものが多く、摩擦を頻繁に受ける
場面や状況下で使用される用途の場合、急速に擦り減
り、擦り切れたり、フィブリル化を起こす等の問題があ
った。また紫外線等に対する耐光性、耐候性ひいては耐
久性に劣る場合も多く、さらに吸水性が大きく、吸水に
より引張強度が低下するため耐水性が低いものも多い。
さらに、このような高強力繊維の中には低加荷重で破断
するものもあり、そのような繊維から布帛は、高い破断
荷重が要求される用途への使用が困難であるという難点
もあった。
【0005】かかる問題点に鑑み、特に耐磨耗性を向上
させる目的で開発されたものとして、超高分子量ポリエ
チレン等の高強力繊維のフィラメント糸を編んだり組ん
だりした糸が知られている。しかし、組糸または編糸は
その製造に特殊な機械が要求され、製造工程も非常に複
雑であるため、これを用いる布帛は実用的ではない。ま
た、特に破断荷重の向上を目的とし、従来例えばポリオ
レフィン繊維の融点範囲温度での溶融接着性に着目し
て、ポリオレフィン繊維のモノマルチフィラメント糸複
数本を融着させてなるポリオレフィン融着糸が公知であ
る(特開平9−98698)。しかしながらこのポリオ
レフィン糸はその繊維自体の溶融接着を利用した自己接
着性に依存するものであるので、フィラメント糸状同士
の接触界面のみでの表面的な接着に基づく故に接着性に
乏しく、或いは接着性を高めるための複雑な技術的操作
(マニピュレーション)を要するなど総じて接着が困難で
あり、接着後加えて慣用の編組や加撚を行う必要がある
ことも多く、解決すべき課題を残している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従って耐磨耗
性、耐久性、耐候性および耐水性に優れ、適度の硬さと
凹凸の少ない滑らかさを有するとともに、製造方法すな
わち構成フィラメント糸状同士の結束ないし接着方法が
容易でかつ接着性の良好な高強力糸を含有することを特
徴とする布帛を提供することを目的とする。また、本発
明は、強固に縦糸と緯糸を目止めすることができ、また
他の層と簡単に積層させることができる布帛を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、高強力繊維からなるフィ
ラメント糸複数本を、該フィラメント糸よりも低融点の
低温熱接着性樹脂を用いて融着によって一体化させた高
強力糸を含有する布帛が、構成繊維の強度をほとんど落
とすことなく、耐磨耗性、耐久性、耐候性および耐水性
に優れた布帛であることを知見した。
【0008】また、糸を製造する段階では、高強力繊維
と低温熱接着性樹脂とを融着させず、好ましくは糸条の
形状をした低温熱接着性樹脂と高強力繊維とから合撚糸
を製造し、該合撚糸で布帛を製造すれば、熱をかけるだ
けで縦糸と緯糸の交点にある低温熱接着性樹脂により目
止め処理が行えるという思いがけない知見をした。樹脂
を含浸させることによって行う従来の目止め処理では、
縦糸と緯糸の交点に樹脂が含浸しにくく目止めが緩むこ
とがあったのに対し、本発明の布帛では目止めがより強
固になしえるという知見も得た。強固に目止めできれ
ば、しわになりにくいという利点がある。さらに、目止
めのために樹脂を含浸させる必要がなく、製造工程が簡
略される。また、今まで余剰分の樹脂が節約でき、製造
コストが低くなるだけでなく、資源の節約にも寄与する
という知見も得た。またさらに、かかる布帛は、低温熱
接着性樹脂が熱によりオーバーフローするので、カレン
ダー等公知の加熱圧着方法により他の層と容易に積層さ
せることができる。本発明者らは、更に検討を重ねて本
発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、(1)高強力繊維の
マルチフィラメント糸、モノフィラメント糸またはモノ
マルチフィラメント糸のいずれか少なくとも1種以上の
フィラメント糸複数本からなる糸条と、前記フィラメン
ト糸の融点よりも低い融点を有する低温熱接着性樹脂と
から一体的に構成されてなる高強力糸を含有することを
特徴とする布帛、(2)高強力繊維のマルチフィラメン
ト糸、モノフィラメント糸またはモノマルチフィラメン
ト糸のいずれか少なくとも1種以上のフィラメント糸複
数本からなる糸条を、該糸条間に介在する前記フィラメ
ント糸よりも低融点の低温熱接着性樹脂で融着一体化さ
せてなる高強力糸を含有することを特徴とする布帛、
(3)フィラメント糸を構成する高強力繊維がガラス繊
維である前記(1)または(2)に記載の布帛、(4)
低温熱接着性樹脂がポリオレフィン共重合体、ポリエス
テル共重合体またはポリアミド共重合体からなる糸条で
あることを特徴とする前記(1)〜(3)に記載の布
帛、(5)低温熱接着性樹脂の融点が50〜200℃の
範囲である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の布
帛、(6)フィラメント糸と低温熱接着性樹脂との重量
構成割合が1:4〜0.01である前記(1)〜(5)
に記載の布帛、および、(7)織物である前記(1)〜
(6)のいずれかに記載の布帛、に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係る布帛を構成する高強
力糸は、高強力繊維のマルチフィラメント糸、モノフィ
ラメント糸またはモノマルチフィラメント糸(以下、
「フィラメント糸」と総称することもある)のいずれか
少なくとも1種以上のフィラメント糸複数本からなる糸
条と、前記フィラメント糸の融点よりも低い融点を有す
る低温熱接着性樹脂とから一体的に構成されてなる。こ
こで、モノマルチフィラメントとは、通常は前記モノフ
ィラメント糸複数本を合糸したフィラメント糸をいう。
高強力繊維としては、例えば、超高分子量ポリエチレン
等のポリオレフィン繊維、芳香族ポリアミド繊維、ヘテ
ロ環高性能繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ガラス繊
維、炭素繊維、金属繊維等が挙げられる。
【0011】本発明で用いる好ましい高強力繊維として
は、無機繊維であるガラス繊維が挙げられる。ガラス繊
維には、電気的、機械的性質に優れたいわゆるEガラ
ス、耐薬品性にすぐれたCガラス、Cガラスのアルカリ
含量を下げるとともにチタンと亜鉛系融剤を用いたEC
Rガラス、さらにはAガラス、Lガラス、Sガラス、Y
M31−Aガラス等がある。なかでも、本発明で使用す
るのに好ましいガラス繊維は、酸化ボロンおよびフッ素
を含まず、式1:SiO−TiO−Al−R
O(RはCa、Mg等の2価金属)または式2:SiO
−Al−RO(Rは前記と同義)で示される組
成を有するガラス繊維である。特に式2のRがCaおよ
びMgであるようなガラス繊維、中でもフッ素、サルフ
ェートまたはTiを含まず、デルタT値が少なくとも約
52℃、特に約66℃以上のガラス繊維が好ましい。特
に、高性能ガラス繊維として、B(ボロン)を含まず、
約59〜62重量%程度のSiO、約20〜24重量
%程度のCaO、約12〜15重量%程度のAl
、約1〜4重量%程度のMgO、約0.5重量%
程度までのF、約0.1〜2重量%程度のNaO、
約0.9重量%程度までのTiO、約0.5重量%程
度までのFe、約2重量%程度までのKOおよ
び約0.5重量%程度までのSOからなるガラス繊維
が好ましく、なかでも約1149℃〜1371℃の形成
温度(forming temperature)での粘度が約1000ポ
イズで、約38℃を越え上記形成温度以下の液化温度
(liquidus temperature)を有するガラス繊維組成物
が高性能でより好ましい。その他WO96/39362
Aに記載のガラス繊維が好都合に用いられる。
【0012】また、本発明で用いる高強力繊維のうち好
適な繊維の一つとしては、ポリオレフィン類、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン等があり、好ましくは超高
分子量ポリエチレン等が挙げられる。超高分子量ポリエ
チレンとは、分子量が50万以上、好ましくは100万
以上を有し、ホモポリマーの他、炭素原子数3〜10程
度の低級α−オレフィン類、例えばプロピレン、ブテ
ン、ペンテン、へキセン等との共重合体も含むものであ
る。エチレンとα−オレフィンとの共重合体の場合、後
者の割合は炭素数1000個当たり平均0.1〜20個
程度、好ましくは平均0.5〜10個程度であるような
共重合体が好ましく、高強度などの優れた機械的性質を
示す。
【0013】超高分子量ポリエチレンの製造方法は、た
とえば特開昭55−5228、特開昭55−10750
6などに開示されており、これら自体公知の方法を用い
てよい。具体的には、例えば、先ずエチレンを遷移金属
元素化合物とアルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属
水素化合物または有機金属化合物等の触媒の存在下に、
有機溶媒中でスラリー重合させることにより超高分子量
ポリエチレンが得られる。得られた超高分子量エチレン
重合体は例えば希釈剤を配合し、または常温のワックス
類を混合して溶融押出し成形し、次いで延伸(例えば約
5〜80倍程度の倍率で)することにより繊維にされ
る。
【0014】本発明で高強力繊維として用いるアラミド
繊維は、従来引張り強度が高い繊維とされていたナイロ
ンなどの脂肪族ポリアミド系繊維に芳香環を導入した芳
香族ポリアミド系繊維が好ましい。アラミド繊維として
は、例えば、式;
【化1】 (nは1以上の整数を示す。)で表されるポリパラフェ
ニレンテレフタルアミド等が挙げられる。アラミド繊維
は、公知又はそれに準ずる方法で製造できる。例えば、
上記の式等で表されるポリマーを化学合成し、液晶紡糸
により紡糸してもよいし、乾湿式紡糸により紡糸した後
超延伸して製造してもよい。
【0015】本発明で高強力繊維として用いる高強力繊
維としては、上記アラミド繊維の弾性率を高めるため
に、アラミド繊維のアミド結合の部分に改良を加えたヘ
テロ環高性能繊維を用いてもよい。ヘテロ環高性能繊維
としては、例えば、式;
【化2】 (nは1以上の整数を示す。)で表されるポリ−p−フ
ェニレンベンゾビスチアゾール(PBZT)、または
式;
【化3】 (nは1以上の整数を示す。)で表されるポリ−p−フ
ェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)等が挙げら
れる。ヘテロ環高性能繊維は、公知又はそれに準ずる方
法で製造できる。例えば、上記の式等で表されるポリマ
ーを化学合成し、これを適当な溶剤に溶解し、例えば乾
式紡糸により紡糸し、延伸して繊維とすることができ
る。溶剤としては、ポリマーの種類によって適宜当業界
で用いられている公知の溶剤を用いてよいが、例えばメ
チルスルホン酸などの異方性溶液、ジメチルアセトアミ
ド−LiClなどの等方性溶液、フェノール、またはポ
リアミド酸等が挙げられる。
【0016】本発明で高強力繊維として用いる高強力繊
維としては、ポリエチレンテレフタラート(PET)の
メチレン基を芳香族基に置き換えられた全芳香族ポリエ
ステル繊維を用いてもよい。全芳香族ポリエステル繊維
としては、例えば、式;
【化4】 (nは1以上の整数を示す。)で表されるp−ヒドロキ
シ安息香酸の自己縮合ポリエステル、式;
【化5】 (nは1以上の整数を示す。)で表されるテレフタル酸
とハイドロキノンからなるポリエステル、または、式;
【化6】 (式中、XまたはYは1以上の整数を表し、nはXとY
の和を表す。)で表されるp−ヒドロキシ安息香酸と6
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸からなるポリエステルな
どが挙げられる。化学式6であらわされるポリエステル
は、XとYの割合を変えることにより繊維の性能を変え
ることができる。全芳香族ポリエステル繊維は、公知又
はそれに準ずる方法で製造できる。例えば、上記の式等
で表されるポリマーを化学合成し、これを適当な溶剤に
溶解し、例えば、溶液液晶紡糸により紡糸して製造する
ことができる。
【0017】さらに他の高強力繊維としては、無機繊維
である炭素繊維たとえばポリアクリロニトリル系炭素繊
維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等が挙げら
れる。中でも引張強度の強いポリアクリロニトリル系炭
素繊維が好適である。これはアクリル繊維を空気中で熱
処理して耐炎化繊維にした後、不活性ガス中約1000
〜1800℃程度で焼成することにより製造される。そ
の他合金軟線、銅線、ステンレススチール線、タングス
テン線などの金属繊維が挙げられる。また、高強力無機
繊維としては、炭化珪素繊維およびボロン繊維などを用
いてもよい。
【0018】高強力糸を構成する上記フィラメント糸
は、モノフィラメントであれば繊度が10〜3000デ
ニール程度のものが好ましい。モノマルチフィラメント
であれば、該モノフィラメントを複数本、好ましくは3
〜50本程度合糸したものが好ましい。また、マルチフ
ィラメントであれば、該モノフィラメント複数本、好ま
しくは10〜600本程度を合糸したものが好ましい。
【0019】高強力糸を構成する上記フィラメント糸
は、以下のような物性を持つものが好ましい。すなわ
ち、引張り強度が20g/d以上、好ましくは25g/
d以上、より好ましくは30g/d以上のものがよい。
上限値は、好ましくは約45g/dである。弾性率が5
00g/d以上、好ましくは800g/d以上、200
0g/d以下のものである。ここで、引張り強度および
弾性率は、例えば、JIS L 1013「化学フィラ
メント糸試験方法」に従った方法にて、例えば東洋精機
製作所株式会社製ストログラフR引張試験機で容易に測
定できる。
【0020】本発明に係る高強力糸においては、上記フ
ィラメント糸を複数本、好ましくは3〜6本程度を用い
て糸条(以下、「フィラメント糸条」という場合もあ
る)を製造する。そのとき、該糸条は、単一の繊維から
なっていてもよいし、2種以上の繊維からなっていても
よい。また、該糸条は、上記高強力繊維以外の繊維から
なるフィラメント糸を含んでいてもよい。そのようなフ
ィラメント糸の含有率は、高強力繊維からなるフィラメ
ント糸に対し、1/2以下、好ましくは1/3以下、よ
り好ましいくは1/4以下である。
【0021】上記高強力繊維以外の繊維からなるフィラ
メント糸として、具体的には、例えば本発明に係る高強
力糸の比重を調整するために用いる繊維が挙げられる。
そのような繊維として、比重を大きくするためのフッ素
繊維などが挙げられる。また、金属線など繊維から成る
ものでなくても用いることができる。該フッ素繊維と
は、通常分子中にフッ素原子を含む樹脂から繊維化され
たものを示し、例えば、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、4フッ化エチレンおよびパーフルオロア
ルキルビニルエーテルの共重合体(PFA)、テトラフ
ルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレンの共重
合体(FEP)、エチレンおよびテトラフルオロエチレ
ンの共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエ
チレン(PCTFE)、3フッ化クロロエチレン(PC
TFE)、ポリビニルデンフルオライド(PVDF)、
ポリフッ化ビニル(PVF)などが挙げられる。中で
も、特に高比重であることと、低摩擦係数の面から、ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)繊維が特に好ま
しい。
【0022】該金属線としては、例えば銅線、ステンレ
ス線、鉛線、タングス線、各種合金の軟線およびアモル
ファス線などが挙げられ、目的とする比重を有する高強
力糸を得るために相互に組み合わせることができる。
【0023】また、上記高強力繊維以外の繊維からなる
フィラメント糸として、高伸度の物性を有する繊維を用
いることができる。高伸度の物性を有する繊維が介在す
ると、負荷が掛かった際にそれが該高強力繊維の保護材
として働き、フィブリル化の発生がより少なくなり、強
力低下を防ぐことができるという利点がある。かかる高
伸度の物性を有する繊維としては自体公知の繊維を用い
てよいが、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン樹
脂などが挙げられ、かかる繊維から成るマルチフィラメ
ント糸、モノフィラメント糸もしくはモノフィラメント
糸を複数本合糸したモノマルチフィラメント糸を用いる
ことができる。
【0024】上記フィラメント糸複数本を互いに融着さ
せるための重要な他方の構成要素である低温熱接着性樹
脂は、上記フィラメント糸を構成する繊維の融点よりも
低融点であることが必要である。具体的には、約50〜
200℃の範囲、好ましくは約60〜135℃の範囲
内、特に好ましいのは融点が100℃前後の樹脂であ
る。融点は、例えば、JIS L 1013「化学フィ
ラメント糸試験方法」に従った方法にて、パーキンエル
マー社製「DSC7」で容易に測定できる。かかる低温
熱接着性樹脂は、上記融点を有するものであれば公知の
ものを用いてよいが、具体的には、例えばポリオレフィ
ン共重合体、ポリエステル共重合体、ポリアミド共重合
体、ポリウレタン樹脂、ナイロン共重合体などを用いる
ことができる。
【0025】低温熱接着性樹脂としては、中でも、ポリ
オレフィン系樹脂例えばポリエチレン、ポリプロピレン
等を主体とするポリオレフィン共重合体の、約50℃程
度の低温から10秒程度の短時間の加熱により軟化しう
る軟質の樹脂が好ましい。特に融点が100℃前後で、
加熱時に液体様となり流動性の大きい低粘度のものが好
ましい。短時間の加熱により容易に流動性になり速やか
に繊維表面のみならず中心まで拡散浸透していくことが
できるので、優れた接着機能を果たすことができるから
である。また低温熱接着性ポリエステル共重合体も多く
の種類の高強度繊維に対し優れた低温熱接着性を発揮す
るので優れている。さらには低温熱接着性ポリアミド共
重合体樹脂も適宜使用することができる。
【0026】本発明に係る低温熱接着性樹脂には、着色
剤を添加しておいてもよい。これにより意匠性の高い布
帛を提供できることとなる。着色剤としては、公知物質
を用いることができ、公知物質としては無機顔料、有機
顔料、または有機染料が知られている。なかでも、好適
なものとしては、例えば、酸化チタン、カドミウム化合
物、カーボンブラック、アゾ化合物、シアニン染料また
は多環顔料などが挙げられる。
【0027】また前記低温接着性樹脂には発明の目的を
損なわない範囲内で各種公知の安定剤、可塑剤もしくは
滑剤など、またはこれらの2種以上を配合しておくこと
も可能である。添加剤が粒状体などの固体である場合
は、その粒子径は細かいほどよいが、約0.001〜1
0μm程度が好ましい。また、磁性材料、導電性物質、
高誘電率を有する物質などを配合してもよい。具体的に
は、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウ
ム、クレー、タルク、雲母、長石、ベントナイト、酸化
アルミニウム、酸化マグネシウム、二酸化チタン、シリ
カ、石膏などが挙げられる。これらは、例えばステアリ
ン酸又はアクリル酸などで被覆されていてもよい。
【0028】さらに、難燃化剤を配合しておくのが好ま
しい。難燃化剤としては公知物質を用いよいが、金属水
酸化物や含水無機結晶化合物が好ましい。そのような化
合物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイ
ドロタルク石群、二水和石こうまたはアルミン酸化カル
シウム等を挙げることができる。ハイドロタルク石群は
含水炭酸塩鉱物で、例えば、ハイドロタルク石、スチヒ
タイトまたはパイロオーライト等が挙げられる。また、
難燃化剤として、例えば、微細な粉末状雲母、微細な鱗
片状又は針状もしくは繊維状(ウィスカー)雲母が好ま
しく、微細な人工雲母、マイカ、グラファイト、雲母状
グラファイト、雲母状ガラス、チタン化合物、砒素化合
物、タルク、石炭またはセッコウ等の鉱物質を用いても
よい。またさらに、これら2種以上を混合してもよい。
【0029】本発明に係る布帛は、以下の2通りの製造
方法が挙げられる。 (a)フィラメント糸複数本からなる糸条を上記低温熱
接着性樹脂を用いて融着一体化して融着糸を製造し、該
融着糸を織成または編成することにより布帛を製造する
方法が挙げられる。すなわち、この製造方法での「高強
力糸」は、フィラメント糸複数本が低温熱接着性樹脂に
より融着された融着糸である。 (b)フィラメント糸複数本と低温熱接着性樹脂からな
る糸条とから合撚糸を製造し、該合撚糸を織成または編
成し、その後所望により熱圧着することにより、本発明
に係る布帛を製造する方法が挙げられる。すなわち、こ
の製造方法での「高強力糸」は、フィラメント糸複数本
と低温熱接着性樹脂からなる糸条とからなる合撚糸であ
る。
【0030】上記(a)製造方法または(b)製造方法
における高強力糸は、いずれも強度保持率が70%以
上、好ましくは80%以上が好ましい。ここで、強度保
持率とは、高強力繊維の引張り強度に対して、上記融着
糸または合撚糸がどの程度の引張り強度を維持している
かを示す値である。すなわち、強度保持率は次式で表さ
れる。 強度保持率(%)={(融着糸または合撚糸の引張り強
度)/(高強力繊維の引張り強度)}×100 ここで、引張り強度は、例えば、JIS L 1013
「化学フィラメント糸試験方法」に従った方法にて、引
張試験機、例えば、東洋精機製作所株式会社製ストログ
ラフR引張試験機で容易に測定できる。
【0031】上記(a)の製造方法について、以下に詳
細に述べる。上記(a)に記載した融着糸を製造する方
法は、自体公知の方法を用いてよい。例えば、フィラメ
ント糸を、バスの中に充填した低温熱接着性樹脂に浸漬
するなど公知方法により樹脂を含浸させ、または公知方
法により樹脂を塗布し、かかるフェラメント糸を引き揃
えて、熱をかけることにより本発明に係る融着糸を製造
してもよい。また、糸条となっている低温熱接着性樹脂
を用い、すべての高強力繊維フィラメント糸が該低温熱
接着性樹脂フィラメント糸に接触するように配置して、
熱をかけることにより本発明に係る融着糸を製造しても
よく、該方法は本発明において好適に用いられる。
【0032】より具体的には、本発明に係る融着糸は、
上記フィラメント糸の1種以上の組合せを複数本、例え
ば3〜6本程度を用いて、それら糸条の真中に前記本数
よりも少ない複数本の例えば1〜5本の低温熱接着性樹
脂フィラメント糸条をすべてのフィラメント糸に接触す
るように配置して、前記のような低温温度下に曝しつつ
例えばフィラメント糸条を約10〜40%程度延伸させ
ることによって溶融状態の熱接着性樹脂を拡散浸透さ
せ、一体的に融着させて製造するのが好ましい。
【0033】本発明に係る融着糸の製造方法を更に詳し
く説明すると、例えば以下のような方法が挙げられる。
フィラメント糸条と低温熱接着性樹脂フィラメント糸と
を、例えば低温熱接着性樹脂フィラメント糸を中心にし
てそれを取り囲むようにフィラメント糸条を長手方向に
平行に揃え、その状態に保持してローラで連続移送し、
加熱炉に装入し、約20〜80%程度、好ましくは約3
0〜50%程度の間の延伸率になるよう延伸しながら、
通常は低温熱接着性樹脂の融点以上フィラメント糸の融
点以下の温度に、好ましくは約50℃〜200℃程度、
より好ましくは約60〜130℃程度の温度に曝すこと
によって溶融接着させたのちローラで送り出し、冷却後
一体化した融着糸を得る。ここで、延伸することによ
り、フィラメント糸条と低温熱接着性樹脂フィラメント
糸の接着を良くするとともに、製造された融着糸の強度
の損失を防ぐことができる。
【0034】延伸操作は、一段あるいは二段以上の多段
で行うことができる。中でも、二段以上の多段延伸が好
ましい。二段以上の多段延伸は、自体公知の方法を用い
て行うことができるが、例えば二段階の延伸の場合、一
段目では、約60〜90℃程度の比較的低い温度で延伸
操作を行い、二段目以降では、約80〜120℃程度の
温度であって、かつ、一段目の延伸温度よりも高い温度
で延伸操作を続行するのが好ましい。
【0035】前記高強力繊維フィラメント糸と低温熱接
着性樹脂の重量使用割合は1:1ないし1:0.01で
あることが望ましい。十分な接着力を得る一方で、低温
熱接着性樹脂が繊維表面にはみ出し凹凸が生じて滑かさ
が失わないようにするためである。
【0036】上記融着糸は、フィラメント間の空隙を充
填するように接着樹脂が存在しているので、接着性に優
れ十分結束していてバラける心配がない。したがって、
そのままで製品として各種用途に供することができる。
しかしながら、所望により軽い撚りをかけて使用するこ
とも可能である。
【0037】本発明の融着糸は、さらに樹脂で被覆して
もよい。樹脂被覆することにより、より表面の凹凸が小
さくなり、滑らかな糸ができるという利点がある。被覆
に使用する樹脂としては、アクリル、ウレタン、ナイロ
ン、ポリエステル、エポキシ、酢酸ビニル、エチレン−
酢酸ビニルなどの合成樹脂などが挙げられ、エマルジョ
ン型もしくは溶剤型のいずれでも良い。さらには天然ゴ
ムやSBRなどの合成ゴム系統も用いることができる。
被覆方法は自体公知の方法を用いてよく、例えば、溶融
押出し被覆などが挙げられる。
【0038】上記融着糸を例えば織製又は編製して、本
発明に係る布帛を製造する。布帛としては、例えば、織
物、編物、直交積層ネットまたは多軸積層ネット等が挙
げられる。織物としては、例えば、平織、朱子織、綾
織、横縞織、からみ織または斜こ織などが挙げられる。
編物としては、例えば、平編み、ゴム編みもしくはパー
ル編みなどの横編み、シングルデンビー編みもしくはシ
ングルデンビー編みなどの縦編み、またはレース編み等
が挙げられる。また、例えば、ヤーンから織成された平
織、からみ織、朱子織もしくは綾織等のクロス、ロービ
ングから織成されたロービングクロス、直交積層ネッ
ト、または編物などの織編布状のものなどが挙げられ
る。
【0039】本発明に係る布帛は、高強力糸と高強力糸
以外の繊維とを混織させてもよい。高強力糸以外の繊維
としては、用途に応じて自体公知の繊維を適宜使用する
ことができる。例えば、レーヨンなどの再生繊維;アセ
テートなどの半合成繊維;ポリオレフィン系、ポリアミ
ド系、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリ
ビニルアルコール系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニ
リデン系、ポリウレタン系もしくはフェノール系などの
合成繊維などを用いてよい。好ましくは、上記に述べた
高強力繊維を用いるのが良い。高強力糸以外の繊維の割
合は、高強力糸に対し、1/2以下が好ましい。
【0040】本発明においては、自体公知の織成方法ま
たは編成方法を用いてよい。織物の場合、各織り方に応
じた自体公知の織機、例えばジェット織機(エアージェ
ット織機、ウォータージェット織機)、スルザー織機、
ラピヤー織機等を用いて製造することができる。編物の
場合、各編み方に応じた自体公知の編機、例えばメリア
ス編機(横編機、縦編機)等を用いて製造することがで
きる。
【0041】本発明に係る布帛に対しては、公知の処理
を行ってよい。例えば、上記融着糸から成る布帛におい
て縦糸と横糸がずれることがないように、目止め処理を
行うことが好ましい。目止め処理は例えば、本発明に係
る布帛を樹脂液層を通過させるか、本発明にかかる布帛
に樹脂液を塗布するかして経糸と緯糸との交叉している
部分に樹脂を含浸させ、樹脂処理した布帛を乾燥させ、
織物を巻き取ることにより行われる。そのための樹脂と
しては、公知のもの又は市販のものが有利に使用され、
例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポ
リオレフィン樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリ酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。これらの樹
脂は単独で用いても組み合せて用いてもよい。
【0042】また、他の素材からなるシート等と本発明
に係る布帛、または本発明に係る布帛同士を積層させる
場合は、本発明にかかる布帛にプライマー処理を行って
もよい。プライマー処理は通常、プライマー剤を本発明
に係る布帛の片面または両面に所望量塗布するか、バス
の中に充填したプライマー剤に浸漬して、引き上げて余
剰量をしぼり取って乾燥することにより行われる。塗布
の方法としては、公知の方法を用いることができるが、
例えば、その塗布方法としては、例えばアプリケータ
ー、ナイフコーター、リバースロールコーター、グラビ
アコーター、フローコーター、ロッドコーターまたは刷
毛など公知の手段を用いて行う方法が挙げられる。プラ
イマー剤としては、積層させるシート等の素材によっ
て、公知技術に基づき適宜選択することができる。
【0043】上記(b)の製造方法について詳細に述べ
る。該製造方法においては、低温熱接着性樹脂は糸条の
形態をとっているのが好ましい。フィラメント糸複数本
と低温熱接着性樹脂からなる糸条とから合撚糸を製造す
る方法としては、公知方法を用いてよい。糸の撚り方向
は、S撚りまたはZ撚りのどちらでもよい。また、下撚
りをかけてから、上撚りをかけてもよい。このとき、前
記高強力繊維フィラメント糸と低温熱接着性樹脂の重量
割合は、1:4〜0.01が好ましい。
【0044】上記合撚糸を例えば織製又は編製して、本
発明に係る布帛を製造する。布帛としては上記のものが
挙げられ、上記合撚糸以外の繊維との混織物または混編
物であってよい。上記合撚糸以外の繊維としては、上述
のものが挙げられる。織成方法または編成方法も、上述
のような自体公知の方法を用いてよい。
【0045】上記布帛は、その後所望により、熱圧着処
理を行ってもよい。熱をかけるだけで、縦糸と緯糸の交
点にある低温接着性樹脂がとけて縦糸と緯糸を止める接
着剤としての役割を果たし、(a)法で製造した布帛の
ように樹脂を含浸または塗布するという工程を経ること
なく、簡便に目止めをすることができる。熱圧着処理を
行うと、高強力糸を含むシート状の布帛が製造できる。
【0046】上記布帛の場合は、(a)法で製造した布
帛のようにプライマー処理を行わなくても、カレンダー
等従来の加熱圧着方法により容易に他の層と積層させる
ことができる。また、この場合、上記目止めのための加
熱圧着処理を予め行わないほうが好ましい。他の層と積
層時に加熱圧着することより低温熱接着性樹脂がオーバ
ーフローし、縦糸と緯糸の目止めの役割を果たし、同時
に他の層との接着の役割も果たすからである。したがっ
て、積層体を製造するに際し、目止め処理とプライマー
処理を省くことができ、その工程を簡略化することがで
きる。積層させる層と、本発明で用いる低温熱接着性樹
脂とは、以下の関係を有することが好ましい。例えば、
低温熱接着性樹脂がポリウレタン樹脂の場合は、積層さ
せる層はポリウレタンまたは塩化ビニルからなる層であ
ることが好ましく、また低温熱接着性樹脂がポリオレフ
ィン樹脂の場合は、積層させる層はポリオレフィンから
なる層であることが好ましい。
【0047】本発明に係る布帛は、(a)法で製造した
布帛、(b)法で製造した布帛のいずれであっても、そ
の表面に、防汚処理や撥水処理などの公知処理を行って
もよい。具体的には、例えば、酸化チタン処理やシリコ
ーン処理等が挙げられる。酸化チタン処理とは、樹脂に
酸化チタン系化合物を添加しておき、該樹脂を上記と同
様に含浸または塗布する処理が挙げられる。シリコーン
処理は、例えばシリコーン樹脂、シリコーン樹脂を主体
として他の添加物等が添加されてなるシリコーン系樹
脂、またはシリコーン油(以下、シリコーン剤という)
を、本発明に係る布帛の表面に含浸または塗布する方法
が挙げられる。
【0048】本発明に係る布帛は、耐磨耗性、耐候性、
耐久性、耐水性等が要求される用途であれば、種々の用
途に用いることができる。具体的には、壁・天井張りク
ロス、例えばロールブラインドクロス、バーチカルブラ
インドクロスなどのブランドクロス、カーテンクロス、
カーペット、日よけスクリーンなどのインテリアに好適
に用いられる。また、防弾チョッキ等に使用することも
できる。また、テント、野球場、体育館、プール、イベ
ント会場の屋根等の膜構造物に用いることもできる。ま
た、さらに防水用・床用クロス、道路高欄部等補強用ク
ロス、ウレタン補強用クロス、FRP・FRTP・ライ
ニング用クロスなど産業資材として用いることができ
る。また、特にフィラメント糸と接着性樹脂からなる糸
との合撚糸を含む布帛は、例えば床材の補強材など各種
補強材に用いられる。
【0049】
【実施例】〔実施例1〕ガラスヤーンE225S 1/
0 1Z(ユニチカグラスファイバー株式会社製)2本
と、サーモラックスPO105 300d(ルクシロン
社製)1本とを用いて、撚糸機にて3.8Sの撚りをか
けた。これを送り込みローラー100m/分の速度で、
140℃に加熱した加熱炉に送り込み、巻き取りローラ
ー120m/分の速度で巻き取り、高強力繊維融着糸を
製造した。この糸を用いて、ウォータージェット織機で
幅1950mm、縦15本/25mmおよび緯12本/
25mmの密度の本発明に係る平織り織布を製造した。
なお、ウォータージェット織機での織成の条件は、織機
の回転数が600回転/分で、シリンダー温度が150
℃であった。
【0050】〔実施例2〕ガラスヤーンE225S 1
/0 1Z(ユニチカグラスファイバー株式会社製)2
本と、サーモラックスPO105 300d(ルクシロ
ン社製)1本とを用いて、撚糸機にて3.8Sの撚りを
かけた。この合撚糸を用いて、ウォータージェット織機
で幅1950mm、縦15本/25mmおよび緯12本
/25mmの密度の本発明に係る平織り織布を製造し
た。なお、ウォータージェット織機での織成の条件は、
実施例1と同様にした。
【0051】
【発明の効果】本発明に係る布帛は、高強力繊維を用い
ることにより引張強度が大きく、同時に、高強力繊維か
らなるフィラメント糸と接着性樹脂とから一体的に構成
されてなるので、耐磨耗性、耐久性が優れている。ま
た、耐水性、加荷重による破断強度にも優れている。ま
た、高強力繊維からなるフィラメント糸が低温熱接着性
樹脂により融着された融着糸を用いた場合、低温熱接着
性樹脂がフィラメント糸表面から内部まで拡散浸透しフ
ィラメント糸を固めているので毛羽の発生も非常に少な
い。かかる効果は、特にインテリアの用途に用いるとき
は有利な効果となる。
【0052】フィラメント糸と低温熱接着性樹脂からな
る糸との合撚糸を用いた場合、縦糸と緯糸の交点に低温
熱接着性樹脂が存在することから熱をかけるだけで簡単
に目止め処理ができる。したがって、従来のように樹脂
を塗布又は含浸させておこなう目止め処理に比べ、とく
に縦糸と緯糸の交点での樹脂量が多いことから、目止め
が強固にできる。しっかりと目止めができることによ
り、本発明に係る布帛にしわが寄りにくいという効果も
奏する。また、樹脂を塗布又は含浸する工程を省くこと
ができ、さらに今までの余剰分の樹脂の節約、ひいては
資源の節約も可能になる。
【0053】フィラメント糸と低温熱接着性樹脂からな
る糸条との合撚糸を含む布帛は、低温熱接着性樹脂が加
熱によりオーバーフローするので、カレンダー等の従来
の加熱圧着により簡便に他の層と積層させることができ
る。したがって、布帛にプライマー処理等を行わなくて
も積層体が製造でき、その製造工程が簡略化される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04B 1/14 D04B 1/14 21/00 21/00 B Fターム(参考) 4L002 AA05 AA06 AA07 AC00 AC05 DA01 EA00 4L036 MA04 MA05 MA06 MA33 MA34 MA39 PA18 PA21 PA46 RA10 UA07 UA08 4L048 AA03 AA15 AA20 AA24 AB07 AB10 AB20 AC09 BA01 CA00 CA01 CA09 DA16 DA19 EA01 EB05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高強力繊維のマルチフィラメント糸、モ
    ノフィラメント糸またはモノマルチフィラメント糸のい
    ずれか少なくとも1種以上のフィラメント糸複数本から
    なる糸条と、前記フィラメント糸の融点よりも低い融点
    を有する低温熱接着性樹脂とから一体的に構成されてな
    る高強力糸を含有することを特徴とする布帛。
  2. 【請求項2】 高強力繊維のマルチフィラメント糸、モ
    ノフィラメント糸またはモノマルチフィラメント糸のい
    ずれか少なくとも1種以上のフィラメント糸複数本から
    なる糸条を、該糸条間に介在する前記フィラメント糸よ
    りも低融点の低温熱接着性樹脂で融着一体化させてなる
    高強力糸を含有することを特徴とする布帛。
  3. 【請求項3】 フィラメント糸を構成する高強力繊維が
    ガラス繊維である請求項1または2に記載の布帛。
  4. 【請求項4】 低温熱接着性樹脂がポリオレフィン共重
    合体、ポリエステル共重合体またはポリアミド共重合体
    からなる糸条であることを特徴とする請求項1〜3に記
    載の布帛。
  5. 【請求項5】 低温熱接着性樹脂の融点が50〜200
    ℃の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の布帛。
  6. 【請求項6】 フィラメント糸と低温熱接着性樹脂との
    重量構成割合が1:4〜0.01である請求項1〜5に
    記載の布帛。
  7. 【請求項7】 織物である請求項1〜6のいずれかに記
    載の布帛。
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