JP2002069578A - 高強度圧延pc鋼棒およびその製造方法 - Google Patents
高強度圧延pc鋼棒およびその製造方法Info
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Abstract
a 以上、伸び4.5%以上の高強度圧延PC鋼棒を提供する。 【解決手段】 質量%で、C:0.6 〜0.85% 及びCr:1.0〜
3.0%を含有し、ラメラー間隔が0.1 μm以下のパーライ
トが面積率で80% 以上の鋼からなり、YS(0.2% 耐力):12
00MPa 以上、TS:1400MPa以上、かつ、伸び4.5%以上の高
強度圧延PC鋼棒。該鋼棒は、更に、Si:0.10 〜2.5%とM
n:0.25 〜2.0%を含み、適宜、Al、Ti、Ca、REM 、V 及
びNbの1種以上、及び/または、B 、Cu、Ni及びMoの1
種以上を含有する。上記化学組成の線材を、450 〜650
℃の温度で恒温変態させ、4%以下の歪みを付与した後、
200 〜500 ℃の温度で5 〜600 秒の保定時間でブルーイ
ング処理を施して製造する。
Description
ルやコンクリートパイル等に用いるPC(プレストレス
コンクリート)鋼棒とその製造方法に関するものであ
る。
イルには、剛性および曲げ強さの向上や、ひび割れ防止
のためにコンクリートに圧縮力を与え、コンクリートポ
ール及びコンクリートパイルそのものの強度を高めたP
Cポール及びPCパイルがある。そして、これらは、以
下のようにして製造されている。
鋼線を螺旋状に巻き付け(以下「螺旋筋」と称す。)、
次いで、PC鋼材と螺旋筋の交点を固定して、円筒状の
籠片型補強体(以下「補強体」と称す。)を製造する。
次に、該補強体を型枠に導入して、補強体を構成するP
C鋼材の両端を固定し、引張強さの70%前後の応力で
緊張する。次いで、型枠内にコンクリートを注入し、コ
ンクリートが固化した後に、PC鋼材から緊張応力を解
除する。この解除により、コンクリートに圧縮力が付与
されることになり、PCポールまたはPCパイルが製造
される。
PC鋼材としては、JISG3137に規定されるPC
鋼棒と、JISG3536に規定されるPC鋼線を、代
表的なものとして挙げることができる。PC鋼棒は、熱
間圧延後空冷した鋼棒を、焼入れ焼戻しして製造され
る。この焼入れ焼戻しにより、JISG3137(D
種)で規定する1420 MPa以上のTS(引張強度)を
確保することができる。
は、スポット溶接性とリラクゼーション特性を改善する
ため、Siを低減し、Moを添加したPC鋼棒に、焼入
れ焼戻しを施して、TS:1420 MPa以上の高強度P
C鋼棒を製造することが開示されている。このように、
PC鋼棒には、通常、焼入れ焼戻しが施されるが、この
焼入れ焼戻しにより、PC鋼棒の組織は、焼戻しマルテ
ンサイト組織となるので、所要の一様伸びや、耐遅れ破
壊特性を確保することが難しい。例えば、「鉄と鋼vol.
81(1995).P1625」に示されているように、1400 M
Pa以上の焼戻しマルテンサイト組織を有するPC鋼棒で
は、耐遅れ破壊特性が劣化する。
有するPC鋼棒として、熱間圧延材を冷間加工し、次い
で、ブルーイング処理を施した圧延PC鋼棒が提供され
ている。この圧延PC鋼棒に関し、「プレストレストコ
ンクリートvol.13(1971)p.52」には、鋳片を熱間圧延
した線材にストレッチングとブルーイング処理を施すこ
とにより、TS1200 MPa以下のPC鋼棒を製造し得
ることが開示されている。
など優れた点がある一方、YS(降伏強度)が1100
MPa以下であり、高強度化が充分になされていないのが
実情である。このため、より高強度で耐遅れ破壊特性の
優れた圧延PC鋼棒とその製造方法が求められている。
張強度(TS)が1400 MPa以上を有する高強度で、
かつ、高延性の高強度圧延PC鋼棒と、該PC鋼棒を、
通常のパティンティング、伸線工程を経ずに、ヒートス
トレッチ、ブルーイングなどの時効処理により安価に製
造する製造方法を提供することを課題とするものであ
る。
題を解決するために亜共析または共析鋼の組織と成分に
ついて検討した。たとえば0.8%Cの鋼ではTSを適
正な強度にするためには、恒温変態を施し80%以上の
パーライト組織が必要である。しかし、TSが1400
MPa 以上であってもYSを1200MPa 以上にすること
は困難である。このためにはラメラー間隔を0.1μm
以下にする必要があることを見いだした。一般的にはC
rはラメラー間隔を小さくしTSを上昇させることが知
られているが、YSを1200MPa 以上にするために添
加する必要がある。また、本発明ではヒートストレッチ
等によりYSの上昇をはかることを提示しているが、
0.05μm以下であればそれらの簡易加工をせずにY
Sを1200MPa 以上の確保も可能である。
解決するものであって、その要旨は、以下のとおりであ
る。 (1)質量%で、C:0.6〜0.85%、及び、C
r:1.0〜3.0%、を含有し、ラメラー間隔が0.
1μm以下のパーライトが面積率で80%以上の鋼から
なり、YS(0.2%耐力)が1200 MPa以上、TS
が1400 MPa以上で、かつ、伸びが4.5%以上であ
ることを特徴とする高強度圧延PC鋼棒。
0.10〜2.5%、及び、Mn:0.25〜2.0
%、を含有することを特徴とする上記(1)記載の高強
度圧延PC鋼棒。 (3)前記鋼が、更に、質量%で、Al:0.05%以
下、Ti:0.005〜0.05%、Ca:0.000
5〜0.005%、REM:0.0005〜0.005
%、V:0.002〜0.5%、及び、Nb:0.00
5〜0.1%の1種以上を含有することを特徴とする上
記(1)または(2)記載の高強度圧延PC鋼棒。
0.0005〜0.01%、Cu:0.05〜1.0
%、Ni:0.05〜1.0%、及び、Mo:0.05
〜0.50%の1種以上を含有することを特徴とする上
記(1)、(2)または(3)記載の高強度圧延PC鋼
棒。
(4)記載の高強度圧延PC鋼棒に係る化学成分を有す
る鋼片を、オーステナイト領域まで加熱後、熱間圧延し
て線材とし、次いで、450〜700℃の温度で恒温変
態を施し、その後、更に、4%以下の歪みを付与し、次
いで、200〜500℃の温度で5〜600秒の保定時
間でブルーイング処理を施すことを特徴とする高強度圧
延PC鋼棒の製造方法。
(4)記載の高強度圧延PC鋼棒に係る化学成分を有す
る鋼片を、オーステナイト領域まで加熱後、熱間圧延し
て線材とし、次いで、450〜700℃の温度で恒温変
態を施し、その後、更に、200〜500℃の温度及び
4%以下の引張り歪みでヒートストレッチング処理を施
すことを特徴とする高強度圧延PC鋼棒の製造方法。
(4)記載の高強度圧延PC鋼棒に係る化学成分を有す
る線材を、オーステナイト領域まで再加熱後、冷却し、
次いで、450〜700℃の温度で恒温変態を施し、そ
の後、更に、4%以下の歪みを付与し、次いで、200
〜500℃の温度で5〜600秒の保定時間でブルーイ
ング処理を施すことを特徴とする高強度圧延PC鋼棒の
製造方法。
(4)記載の高強度圧延PC鋼棒に係る化学成分を有す
る線材を、オーステナイト領域まで再加熱後、冷却し、
次いで、450〜700℃の温度で恒温変態を施し、そ
の後、更に、200〜500℃の温度及び4%以下の引
張り歪みでヒートストレッチング処理を施すことを特徴
とする高強度圧延PC鋼棒の製造方法。
棒の鋼(本発明の鋼)に係る化学成分について説明す
る。Cは、TSやYSを確保するために重要で、かつ、
経済的な元素であるが、PC鋼棒として必要なTS:1
400 MPa以上、及び、YS:1200MPa 以上を、そ
れぞれ得るためには、少なくとも0.6%以上必要であ
り、0.6%未満では、必要な強度が得られない。望ま
しくは、0.65%以上必要である。一方、Cが0.8
5%を超えると、粒界に、網状セメンタイトまたは粗大
セメンタイトが析出して、延性の低下が顕著になる。こ
のため、C添加量は、0.6〜0.85%とする。
向上させパーライトのラメラー間隔を小さくして、強度
を上昇させる元素である。1.0%未満では、ラメラー
間隔を小さくする効果が不十分であり、0.1μm以下
のラメラー間隔が得られない。しかし、3.0%を超え
て添加すると、所望のラメラー間隔が得られるものの、
強度が高くなり過ぎ、延性が低下する。このため、上限
を3.0%とし、Cr添加量は1.0〜3.0%とす
る。
ライト地)に固溶し、顕著な固溶強化作用により、YS
を向上させる元素である。この向上効果を得るために
は、少なくとも、0.10%以上の添加量が必要であ
る。一方、Siの添加量が2.5%を超えると、強度が
高くなりすぎて延性が低下する。このため、Si添加量
の上限を2.5%とする。
るとともに、鋼棒の横断面における組織を均一にするの
に有効な元素である。これらの効果を得るためには、少
なくとも、0.25%以上の添加量が必要がある。一
方、Mnを過剰に添加すると、中心偏析部に、延性を低
下せしめるミクロマルテンサイトが発生し易くなる。こ
のため、Mnの添加量の上限を2.0%とし、Mnの添
加量は、0.25〜2.0とする。
くする元素であるので、0.03%以下に低減する必要
がある。本発明の鋼において、Pは不純物元素であり、
極力低減することが望ましい。Sも、Pと同様に、粒界
に偏析し粒界脆化を起こし易くする元素であるので、
0.03%以下に低減する必要がある。本発明の鋼にお
いて、Sは、Pと同様に不純物元素であり、極力低減す
ることが望ましい。
いて説明する。主に、γ粒径を微細化し、延性を向上さ
せるために、Al、Ti、Ca、REM、V、及び、N
bのうちの1種あるいは2種以上を添加する。また、主
に、圧延PC鋼棒の強度を向上させるために、B、C
u、Ni、及び、Moのうちの1種あるいは2種以上を
添加する。
物のピンニング効果により、熱処理時のγ粒径を微細化
するために添加する元素である。しかし、0.05%を
超えて添加すると、粗大なAl2 O3 が発生し、延性が低
下する。このため、Al添加量の上限を0.05%とす
る。Tiは、TiO2等の酸化物あるいはTiN、TiC等のT
i析出物のピンニング効果により、熱処理時のγ粒径を
微細化するために添加する元素である。この効果を得る
ためには、0.005%以上の添加が必要である。しか
し、0.05%を超えて添加すると、粗大なTiNが多量
に析出して、延性を劣化させる。このため、Ti添加量
の上限を0.05%とする。
時のγ粒径を微細化するのに有効な元素である。0.0
005%未満では効果がないので、0.0005%を、
Ca添加量の下限とする。しかし、0.005%を超え
て添加すると、清浄度が低下するとともに、Ca介在物
が粗大化し、延性が低下するので、上限を0.005%
とする。
径を微細化するのに有効な元素である。0.0005%
未満では効果がないので、0.0005%を、REM添
加量の下限とする。しかし、0.005%を超えて添加
すると、清浄度が低下するとともに、REMを含む介在
物が粗大化し、延性が低下するので、上限を0.005
%とする。
し、強度、延性を向上させる元素である。また、Vは、
鋼中に侵入した水素のトラップサイトとなり、遅れ破壊
特性を改善する元素でもある。これらの効果を得るに
は、0.002%以上の添加が必要である。しかし、多
量の添加では効果が飽和し、経済的に不利になるので、
上限を0.5%とする。
りオーステナイト粒を微細化し、圧延PC鋼棒の延性を
向上させる元素である。このため、0.005%以上の
添加が必要である。しかし、多量に添加しても効果が飽
和し、経済的に不利となるので、0.1%を上限とす
る。このため、Nb添加量は、0.005〜0.1%と
する。
の強度を高める元素である。また、Bは、優先的に粒界
に偏析し、P、S、Mn等の粒界偏析を抑制する粒界清
浄効果を介して、遅れ破壊の劣化を抑える元素でもあ
る。このため、B添加量の下限を0.0005%とす
る。しかし、0.01%を超えて添加すると、Fe23Bが
析出し、耐遅れ破壊特性が劣化する。このため、B添加
量は、0.0005〜0.01%とする。
る元素である。また、Cuは、安定な腐食生成物を生成
して、水素の侵入を抑制し、遅れ破壊を改善する元素で
もある。この効果を得るには、0.05%以上の添加が
必要である。しかし、1.0%を超えて添加すると、圧
延時に熱間割れが起き易くなるので、上限を1.0%と
する。
るために添加する元素である。また、Niは、安定な腐
食生成物を生成して、水素の侵入を抑制し、遅れ破壊を
改善する元素でもある。さらに、Niは、Cu脆化を抑
制する効果も奏する元素である。耐遅れ破壊特性を向上
するには、0.05%以上の添加が必要である。しか
し、1.0%を超えて添加しても、その効果は飽和し、
経済的に不利になるので、上限を1.0%とする。
るために有効な元素である。鋼の強度を上昇させるため
には、少なくとも、0.05%以上の添加が必要であ
る。しかし、0.50%を超えて添加すると、フエライ
トの生成が抑制されるので、上限を0.50%とする。
そのため、Mo添加量は、0.10〜0.50%とす
る。
延PC鋼棒において、YSを1200 MPa以上確保する
ためには、熱間圧延後、衝風冷却した線材において、T
Sを、少なくとも、1400MPa 以上にする必要があ
り、これを考慮して、C量や、他の強化元素の組合わせ
及び添加量を決定し、鋼の化学成分を構成する必要があ
るが、次に、本発明の高強度圧延PC鋼棒を製造する製
造方法(本発明の製造方法)について説明する。
工をしない状態のパーライト組織で、YSを1200MP
a 以上とした点にある。即ち、本発明の鋼におけるパー
ライト組織は高延性を有するものである。前述したよう
に、TSが1400MPa 以上確保できた過共析鋼のDL
P線材であっても、C量を1.0%以上に高めた場合を
除いて、そのままでは、YSを1200MPa 以上とする
ことは難しい。実際の過共析鋼にDLPを施したままの
線材において、TSが1400MPa 以上の場合、伸びは
7%程度と低く、さらに、ストレッチング+ブルーイン
グ処理を施すと、時効硬化により、延性が低下する恐れ
がある。
べく、伸線加工を施さずに、ストレッチング後ブルーイ
ング処理、もしくは、ヒートストレッチ処理を施した後
のYSの上昇と、破断伸びの低下について検討した。そ
して、TSが1400MPa 以上を有するパーライト組織
の鋼に、ストレッチング+ブルーイング処理、もしく
は、ヒートストレッチ処理を施すことにより、YSを約
100MPa 以上高め、伸びの低下を約2%以下に抑える
ことができることを見い出した。
においても、YS:1200MPa 以上、TS:1400
MPa 以上、かつ、伸び4.5%以上を確保することが容
易に可能になった。次に、鋼の組織、及び、製造条件に
ついて説明する。本発明の鋼の特徴は、パーライト主体
の組織で、TSが1400MPa 以上となることである。
このためには、前述した化学成分を満足するとともに、
パーライト組織が80%以上存在することが必要であ
り、本発明の製造方法においては、鋼材の熱間圧延後、
もしくは、線材の加熱後、450〜650℃の温度での
恒温変態により、ラメラー間隔0.1μm以下のパーラ
イト組織を得ることを特徴とする。パーライト組織が8
0%未満では、所望の強度(TS)が得られない。そし
て、パーライト組織におけるラメラー間隔を0.1μm
以下にするのは、該間隔が0.1μmを超えると、パー
ライト組織の強度が低下し、所望のTSが得られないか
らである。
満であると、多量のベイナイトが生成し、パーライト8
0%以上の組織を確保することができず、所望のTSが
得られない。一方、保持温度が650℃を超えると、ラ
メラー間隔が0.1μmを超えてしまい、所望のTSが
得られない。従って、恒温変態における保持温度は、4
50〜650℃とする。
ッチングで塑性域まで引張り、次いで、ブルーイング処
理を施し、この時付与した加工歪みを除去する。前述し
たように、YS:1200MPa 以上で、破断伸び4.5
%以上を確保できるストレッチング及びブルーイングに
係る条件は、4%以下の歪みを付与した後、200〜5
00℃の温度で5〜600秒の時間、保定することであ
る。
昇が図れない。一方、ストレッチングが4%を超える
と、破断伸び4.5%以上を確保できない。また、熱処
理温度が、200℃未満では、Cの拡散が不十分で、転
位が固着されないので、時効によるYSの上昇を図るこ
とができない。一方、熱処理温度が500℃を超える
と、炭化物が粗大化して延性が低下する。このため、ブ
ルーイング処理の熱処理温度は、200〜500℃とす
る。
処理時間が適切でないと、所望のYSと伸びの確保が困
難となる。処理時間が5秒未満では、Cの拡散が不十分
で、時効によるYSの上昇を図ることができない。一
方、600秒を超えて処理しても、時効の効果は飽和す
るので、処理時間の上限は600秒とする。本発明の製
造方法においては、ストレッチング+ブルーイング処理
に替えて、ヒートストレッチング処理を用いることがで
きる。このヒートストレッチング処理は、線材に、0.
5〜6%の引張り歪みを与えて200〜500℃の温度
に加熱して行う処理である。
Sの上昇が図れない。一方、引張り歪みが6%を超える
と、破断伸び4.5%以上を確保できない。また、熱処
理温度が、200℃未満では、Cの拡散が不十分で、転
位が固着されないので、時効によるYSの上昇を図るこ
とができない。一方、熱処理温度が500℃を超える
と、炭化物が粗大化して延性が低下する。このため、ヒ
ートストレッチング処理の熱処理温度は、200〜50
0℃とする。
高強度圧延PC鋼棒において、YS:1200MPa 以
上、TS:1400MPa 以上、かつ、伸び4.5%以上
を確保することができるものである。そして、更に、本
発明の製造方法では、従来必要とされていた伸線工程を
省略し、加熱(オーステナイト化)→熱間圧延→恒温変
態→冷却→ストレッチング+ブルーイング処理、また
は、加熱(オーステナイト化)→熱間圧延→恒温変態→
冷却→ヒートストレッチング処理のいずれかの各工程を
経て、高強度圧延PC鋼棒を、低コストで製造すること
が可能となった。
の化学成分の鋳片を加熱後熱間圧延し、DLPを実施し
た。その後該線材をストレッチングした後にブルーイン
グ処理した。製造条件および材質特性を表2に示す。引
張り試験での伸びは突き合わせ法により測定した。パー
ライトの面積率は光学顕微鏡観察によって決定した。本
発明鋼のT1〜T11ではTSが1400MPa 以上、Y
Sが1200MPa 以上およびE1が4.5%以上を満足
した。なお、鋼H10,11はストレッチング+ブルー
イングをせずに強度および延性が確保できる例である。
で、機械的性質が確保できなかった。鋼H1はC量が少
なく所定の強度が得られない。鋼H2はCr量が少ない
ためYSが低下した。鋼H3はCr添加量が多く延性が
低下した例である。鋼H4〜H8では適正な製造条件と
なっておらず材質特性が得られない。鋼H4は恒温変態
温度が低く80%以上のパーライト分率に満たないため
強度が低下した。また、鋼H5では恒温変態温度が高い
ためパーライトのラメラー間隔が大きくなり強度が低下
した例である。鋼H6では予歪みの量が高く、延性が低
下した。鋼H7ではブルーイング温度が低くCの拡散が
不十分であるためYSの所定の強度が得られない例であ
る。鋼H8はブルーイング温度が高く時効硬化により延
性が低下した。
PC鋼棒を、低コストで製造し、提供することができ
る。したがって、本発明は、工業的に非常に有用なもの
である。
Claims (8)
- 【請求項1】 質量%で、 C:0.6〜0.85%、及び、 Cr:1.0〜3.0%、 を含有し、ラメラー間隔が0.1μm以下のパーライト
が面積率で80%以上の鋼からなり、YS(0.2%耐
力)が1200 MPa以上、TSが1400 MPa以上で、
かつ、伸びが4.5%以上であることを特徴とする高強
度圧延PC鋼棒。 - 【請求項2】 前記鋼が、更に、質量%で、 Si:0.10〜2.5%、及び、 Mn:0.25〜2.0%、 を含有することを特徴とする請求項1記載の高強度圧延
PC鋼棒。 - 【請求項3】 前記鋼が、更に、質量%で、 Al:0.05%以下、 Ti:0.005〜0.05%、 Ca:0.0005〜0.005%、 REM:0.0005〜0.005%、 V:0.002〜0.5%、及び、 Nb:0.005〜0.1% の1種以上を含有することを特徴とする請求項1または
2記載の高強度圧延PC鋼棒。 - 【請求項4】 前記鋼が、更に、質量%で、 B:0.0005〜0.01%、 Cu:0.05〜1.0%、 Ni:0.05〜1.0%、及び、 Mo:0.05〜0.50% の1種以上を含有することを特徴とする請求項1、2ま
たは3記載の高強度圧延PC鋼棒。 - 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の高強度
圧延PC鋼棒に係る化学成分を有する鋼片を、オーステ
ナイト領域まで加熱後、熱間圧延して線材とし、次い
で、450〜700℃の温度で恒温変態を施し、その
後、更に、4%以下の歪みを付与し、次いで、200〜
500℃の温度で5〜600秒の保定時間でブルーイン
グ処理を施すことを特徴とする高強度圧延PC鋼棒の製
造方法。 - 【請求項6】 請求項1、2、3または4記載の高強度
圧延PC鋼棒に係る化学成分を有する鋼片を、オーステ
ナイト領域まで加熱後、熱間圧延して線材とし、次い
で、450〜700℃の温度で恒温変態を施し、その
後、更に、200〜500℃の温度及び4%以下の引張
り歪みでヒートストレッチング処理を施すことを特徴と
する高強度圧延PC鋼棒の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1、2、3または4記載の高強度
圧延PC鋼棒に係る化学成分を有する線材を、オーステ
ナイト領域まで再加熱後、冷却し、次いで、450〜7
00℃の温度で恒温変態を施し、その後、更に、4%以
下の歪みを付与し、次いで、200〜500℃の温度で
5〜600秒の保定時間でブルーイング処理を施すこと
を特徴とする高強度圧延PC鋼棒の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1、2、3または4記載の高強度
圧延PC鋼棒に係る化学成分を有する線材を、オーステ
ナイト領域まで再加熱後、冷却し、次いで、450〜7
00℃の温度で恒温変態を施し、その後、更に、200
〜500℃の温度及び4%以下の引張り歪みでヒートス
トレッチング処理を施すことを特徴とする高強度圧延P
C鋼棒の製造方法。
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JPS6039120A (ja) * | 1983-08-10 | 1985-02-28 | Shinko Kosen Kogyo Kk | 高靭性太径鋼棒の製造方法 |
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