JP2002069256A - 4−メチル−1−ペンテン重合体組成物 - Google Patents

4−メチル−1−ペンテン重合体組成物

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JP2002069256A JP2000262937A JP2000262937A JP2002069256A JP 2002069256 A JP2002069256 A JP 2002069256A JP 2000262937 A JP2000262937 A JP 2000262937A JP 2000262937 A JP2000262937 A JP 2000262937A JP 2002069256 A JP2002069256 A JP 2002069256A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マンドレル、シースなどに繰り返し使用によっ
ても肌荒れが起こりにくい4-メチル-1-ペンテン重合体
組成物を提供すること。 【解決手段】4-メチル-1-ペンテン重合体組成物は、
(A)不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-ペンテン重合
体と、(B)下記一般式(1)で表されるフェノールア
クリレート化合物とからなり、(A)100重量部に対
し(B)を0.5〜15重量部の割合で含有する; 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4-メチル-1-ペン
テン重合体組成物に関し、さらに詳しくは、多数回の繰
り返し使用が可能であり、しかも安全衛生性に優れた4-
メチル-1-ペンテン重合体組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来マンドレル、シース、電力ケ
ーブルなどの用途には、耐熱性、剥離性が良好であるこ
とから4-メチル-1-ペンテン重合体が広く用いられてい
る。例えば、耐熱性のある4-メチル-1-ペンテン重合体
のマンドレル(芯材)上に、架橋剤、加硫剤を含む未加
硫ゴムを押し出し被覆し、さらにその外周部を4-メチル
-1-ペンテン重合体で被覆し、その後、加硫釜中で加硫
した後に被覆材を剥離し、芯材を抜いて、加硫ゴムホー
スを製造する方法が知られている。このとき使用済みの
4-メチル-1-ペンテン重合体からなる被覆層は、剥離粉
砕されて再度押出被覆に利用され、またゴムホースから
抜かれた4-メチル-1-ペンテン重合体製のマンドレル
は、再度芯材として繰り返し使用されている。
【0003】このように4-メチル-1-ペンテン重合体製
の部材は、架橋剤含有重合体と接触使用された後、その
まま、または粉砕、再成形して繰り返し使用されるが、
未加硫ゴム等に含有される架橋剤は、主として反応性に
富む有機過酸化物系の化合物が使用されており、また未
加硫ゴム等はEPDMラバーのように多官能モノマーを
含有しているものが多く、これらと繰り返し接触してい
るうちに、架橋剤や加硫剤の移行に起因すると思われる
表面の肌荒れが起こるため、用途によっては使用が困難
になる場合があるという問題点があった。
【0004】この点を改良するために、4-メチル-1-ペ
ンテン重合体等のポリオレフィン(a)に対し、アミン
化合物(b)とホスファイト化合物(c)の2種類の添
加物を配合したポリオレフィン樹脂組成物を上記用途に
用いることが提案されている(特開平5−320431
号公報参照)。しかし、アミン化合物の使用は安全衛生
上、好ましくない場合がある。また、上記組成物から成
形された成形品を用いても、架橋剤含有重合体との繰り
返し接触使用による表面肌荒れの問題は充分には解決さ
れていない。
【0005】本発明の発明者は、こうした繰り返し使用
によっても肌荒れが起こりにくく、多数回の繰り返し使
用が可能であり、しかも安全衛生性に優れたマンドレ
ル、シース、電力ケーブルなどを得るべく検討した結
果、不飽和カルボン酸で変性した4-メチル-1-ペンテン
重合体にフェノールアクリレート化合物を特定量配合し
た組成物は上記のような要件を満たすことを見出して本
発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の目的】すなわち本発明は、マンドレル、シー
ス、電力ケーブルなどに使用可能であり、繰り返し使用
によっても肌荒れが起こりにくく、多数回の繰り返し使
用が可能であり、しかも安全衛生性に優れた4-メチル-1
-ペンテン重合体組成物を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る4-メチル-1-ペンテン重合
体組成物は、(A)不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-
ペンテン重合体と、(B)下記一般式(1)で表される
フェノールアクリレート化合物とからなり、不飽和カル
ボン酸変性4-メチル-1-ペンテン重合体(A)100重
量部に対し、フェノールアクリレート化合物(B)を
0.5〜15重量部の割合で含有することを特徴として
いる;
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1 は水素原子またはメチル基を
示し、R2 は水素原子または炭素原子数1〜3のアルキ
ル基を示し、R3 、R4 、R5 およびR6 は互いに同一
でも異なっていてもよく炭素原子数1〜9のアルキル基
を示す。) 本発明に係る4-メチル-1-ペンテン重合体組成物は、上
記不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-ペンテン重合体
(A)およびフェノールアクリレート化合物(B)に加
えて、さらにヒンダードフェノール化合物(C)および
/またはホスファイト化合物(D)を不飽和カルボン酸
変性4-メチル-1-ペンテン重合体(A)100重量部に
対してそれぞれ0.5〜15重量部の割合で含有してい
てもよい。
【0010】本発明では、上記不飽和カルボン酸変性4-
メチル-1-ペンテン重合体が、(E)不飽和カルボン酸
変性4-メチル-1-ペンテン重合体と、必要に応じて
(F)未変性4-メチル-1-ペンテン重合体、(G)未変
性α-オレフィン重合体、および(H)不飽和カルボン
酸変性α-オレフィン重合体から選ばれる少なくとも1
種の重合体とからなり、不飽和カルボン酸変性4-メチル
-1-ペンテン重合体(E)を5〜100重量%、未変性4
-メチル-1-ペンテン重合体(F)を0〜95重量%、未
変性α-オレフィン重合体(G)を0〜50重量%、不
飽和カルボン酸変性α-オレフィン重合体(H)を0〜
50重量%の割合(但し、(E)+(F)+(G)+
(H)=100重量%、(G)+(H)=50重量%以
下である。)で含有し、かつ(E)、(F)、(G)お
よび(H)の合計重量に対する不飽和カルボン酸のグラ
フト変性量が0.1〜5重量%の範囲にあることが好ま
しい。
【0011】上記不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-ペ
ンテン重合体(E)は、4-メチル-1-ペンテンから導か
れる繰返し単位を80〜100重量%の割合で含有し、
炭素原子数2〜20のα-オレフィンから導かれる繰返
し単位を0〜20重量%の割合で含有する4-メチル-1-
ペンテン(共)重合体を不飽和カルボン酸でグラフト変
性した変性物であって、グラフト変性量が0.1〜5重
量%の範囲にあることが好ましい。
【0012】上記未変性α-オレフィン重合体(G)
は、炭素原子数2〜20のα-オレフィンから選ばれる
少なくとも1種のα-オレフィンの(共)重合体である
ことが好ましい。上記不飽和カルボン酸変性α-オレフ
ィン重合体(H)が、炭素原子数2〜20のα-オレフ
ィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンの
(共)重合体を不飽和カルボン酸でグラフト変性した変
性物であり、グラフト変性量が0.1〜5重量%の範囲
にあることが好ましい。
【0013】
【発明の具体的説明】以下本発明に係る4-メチル-1-ペ
ンテン重合体組成物について具体的に説明する。なお、
本明細書において「重合」という語は、単独重合だけで
なく、共重合をも包含した意味で用いられることがあ
り、「重合体」という語は、単独重合体だけでなく、共
重合体をも包含した意味で用いられることがある。
【0014】本発明に係る4-メチル-1-ペンテン重合体
組成物は、(A)不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-ペ
ンテン重合体と、(B)下記一般式(1)で表されるフ
ェノールアクリレート化合物とからなる。(A)不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-ペンテン重合
本発明で用いられる不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-
ペンテン重合体(A)は、4-メチル-1-ペンテン重合体
が不飽和カルボン酸でグラフト変性されたものである。
【0015】4-メチル-1-ペンテン重合体は、4-メチル-
1-ペンテンの単独重合体、または4-メチル-1-ペンテン
と、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(4-メチル-1-
ペンテンを除く、以下「他のα-オレフィン」とい
う。)とのランダム共重合体であって、4-メチル-1-ペ
ンテンから導かれる繰返し単位を好ましくは80〜10
0重量%の割合で含有し、他のα-オレフィンから導か
れる繰返し単位を好ましくは0〜20重量%の割合で含
有している。
【0016】他のα-オレフィンとしては、例えばエチ
レン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテ
ン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサ
デセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げら
れ、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサ
デセン、1-オクタデセンまたは1-エイコセンなどの炭素
原子数10〜20のα-オレフィンが好ましいものとし
て挙げられる。これらの他のα-オレフィンは、1種単
独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0017】4-メチル-1-ペンテン重合体が共重合体で
ある場合、4-メチル-1-ペンテンから導かれる繰返し単
位を通常80〜99.9重量%、好ましくは90〜9
9.9重量%、他のα-オレフィンから導かれる繰返し
単位を通常0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜1
0重量%の割合で含有する共重合体であることが好まし
い。他のα-オレフィンから導かれる繰返し単位の含有
量が上記範囲にある場合、より耐熱性に優れた組成物が
得られる。
【0018】4-メチル-1-ペンテン重合体としては、電
力ケーブルの架橋時の温度、ゴムホース製造時の加硫温
度に対する耐熱性の面から、4-メチル-1-ペンテンの単
独重合体、または4-メチル-1-ペンテンから導かれる繰
返し単位を85モル%以上、好ましくは90モル%以上
含む4-メチル-1-ペンテンと他のα-オレフィンとの共重
合体であることが好ましい。
【0019】4-メチル-1-ペンテン重合体は、ASTM
D 1238に準じ荷重:5.0kg、温度:260℃
の条件で測定したメルトフローレート(MFR)が0.
1〜200g/10分、好ましくは1〜150g/10分の
範囲にあることが望ましい。上記のような要件を満たす
4-メチル-1-ペンテン重合体としては、TPX MX0
01、TPX MX002、TPX MX004、TP
X MX021、TPX MX321、TPX RT1
8、TPX DX845(いずれも商標、三井化学
(株)製)などが市販されている。
【0020】不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-ペンテ
ン重合体(A)は、上記のような4-メチル-1-ペンテン
重合体を不飽和カルボン酸で変性することにより製造す
ることができ、変性法として溶液法、溶融混練法等、公
知のグラフト重合法が挙げられる。以下、グラフト変性
法について溶液法を例に挙げて説明するが、溶融混練法
もそれ自体よく知られている方法であるので、溶液法の
説明を参照すれば、当業者が溶融混練法によって本発明
に用いられる不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-ペンテ
ン重合体(A)を製造することは容易なことである。
【0021】溶液法によるグラフト変性法は、概略的に
は、変性前の4-メチル-1-ペンテン重合体を溶剤に溶解
して溶液状態とし、これに不飽和カルボン酸および/ま
たは無水カルボン酸と、ラジカル開始剤とを添加し、加
熱することによって行われる。グラフト変性に使用する
溶剤としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、テトラデカン、灯油などの脂肪族炭化水
素;メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサン、シクロオクタン、シクロドデカンなどの
脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼン、クメン、エチルトルエン、トリメチルベン
ゼン、シメン、ジイソプロピルベンゼンなどの芳香族炭
化水素;クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o-ジクロロ
ベンゼン、四塩化炭素、トリクロロエタン、トリクロロ
エチレン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン
などのハロゲン化炭化水素などを例示することができ
る。これらの中ではアルキル芳香族炭化水素が好適であ
る。
【0022】不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフ
タル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソ
クロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2,
2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン酸などの不飽和カ
ルボン酸およびこれらの酸無水物が挙げられる。具体的
な化合物の例としては、塩化マレニル、マレニルイミ
ド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘ
プト-2-エン-5,6-ジカルボン酸無水物、マレイン酸ジメ
チル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジエチル、フ
マル酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジ
エチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ[2,
2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン酸ジメチル、ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、メタクリル酸アミノエチルおよびメタクリル酸ア
ミノプロピルなどが挙げられる。
【0023】これらの中では、(メタ)アクリル酸、無
水マレイン酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸アミノプ
ロピルが好ましい。グラフト変性に使用するラジカル開
始剤として代表的なものは、有機過酸化物であり、さら
に具体的にはアルキルペルオキシド、アリールペルオキ
シド、アシルペルオキシド、アロイルペルオキシド、ケ
トンペルオキシド、ペルオキシカーボネート、ペルオキ
シカルボキシレート、ヒドロペルオキシドなどが挙げら
れる。
【0024】上記アルキルペルオキシドとしては、ジイ
ソプロピルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシ
ド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-tert-ブチルペルオキシヘキ
シン-3などが挙げられ、アリールペルオキシドとしては
ジクミルペルオキシドなどが挙げられ、アシルペルオキ
シドとしてはジラウロイルペルオキシドなどが挙げら
れ、アシロイルペルオキシドとしてはジベンゾイルペル
オキシドなどが挙げられ、ケトンペルオキシドとしては
メチルエチルケトンヒドロペルオキシド、シクロヘキサ
ノンペルオキシドなどが挙げられ、ヒドロペルオキシド
としてはtert-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒド
ロペルオキシドなどが挙げられる。
【0025】これらの中では、ジ-tert-ブチルペルオキ
シド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-tert-ブチルペルオキシヘ
キシン-3、ジクミルペルオキシド、ジベンゾイルペルオ
キシドなどが好ましい。不飽和カルボン酸の使用割合
は、変性前の4-メチル-1-ペンテン重合体100重量部
に対して、通常1〜500重量部、好ましくは2〜10
0重量部である。
【0026】ラジカル開始剤の使用割合は、変性前の4-
メチル-1-ペンテン重合体100重量部に対して、好ま
しくは0.1〜100重量部、より好ましくは1〜50
重量部である。溶媒の使用割合は、変性前の4-メチル-1
-ペンテン重合体100重量部に対して、好ましくは1
00〜100000重量部、より好ましくは200〜1
0000重量部である。
【0027】反応温度は、好ましくは100〜250
℃、より好ましくは110〜200℃であり、反応時間
は、好ましくは15〜600分、より好ましくは30〜
360分である。溶液法によるグラフト変性終了後、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
などの不活性極性溶媒により洗浄して未反応モノマーお
よび開始剤などの不純物を除去した後、乾燥することに
より不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-ペンテン重合体
(A)を得ることができる。
【0028】得られた不飽和カルボン酸変性4-メチル-1
-ペンテン重合体(A)のグラフト変性量は、通常0.
1〜5重量%であり、好ましくは0.2〜4重量%、よ
り好ましくは0.5〜2重量%である。グラフト変性量
の制御は、既に述べたグラフト変性条件を適宜に選択す
ることにより、容易に行うことができる。このような不
飽和カルボン酸変性4-メチル-1-ペンテン重合体(A)
は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いること
ができる。
【0029】本発明で用いられる不飽和カルボン酸変性
4-メチル-1-ペンテン重合体(A)は、1種の重合体の
変性物であってもよく、不飽和カルボン酸変性または未
変性の重合体の組成物であってもよく、例えば(E)不
飽和カルボン酸変性4-メチル-1-ペンテン重合体と、必
要に応じて(F)未変性4-メチル-1-ペンテン重合体、
(G)未変性α-オレフィン重合体、および(H)不飽
和カルボン酸変性α-オレフィン重合体から選ばれる少
なくとも1種の重合体とからなるものがであってもよ
い。
【0030】(E)不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-
ペンテン重合体 本発明で用いられる不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-
ペンテン重合体(E)としては、上記不飽和カルボン酸
変性4-メチル-1-ペンテン重合体と同様のものが挙げら
れる。なお不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-ペンテン
重合体(E)のグラフト変性量は、通常0.1〜10重
量%、好ましくは0.1〜5重量%であり、より好まし
くは0.2〜4重量%、さらに好ましくは0.5〜2重
量%である。
【0031】(F)未変性4-メチル-1-ペンテン重合体 本発明で用いられる未変性4-メチル-1-ペンテン重合体
(F)は、上述した変性4-メチル-1-ペンテン重合体
(A)の調製に用いられる変性前の4-メチル-1-ペンテ
ン重合体である。4-メチル-1-ペンテン重合体(F)と
しては、4-メチル-1-ペンテンから導かれる繰返し単位
の含有量が80〜99.9重量%、好ましくは90〜9
9.9重量%、他のα-オレフィンから導かれる繰返し
単位の含有量が0.1〜20重量%、好ましくは0.1
〜10重量%である共重合体が好ましい。
【0032】このような未変性4-メチル-1-ペンテン重
合体(F)は、1種単独で使用することもできるし、2
種以上を組み合せて使用することもできる。(G)未変性α-オレフィン重合体 未変性α-オレフィン重合体(G)は、炭素原子数2〜
20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-
オレフィンの単独重合体または共重合体である(但し、
上記未変性4-メチル-1-ペンテン重合体(F)を除
く。)。
【0033】炭素原子数が2〜20のα-オレフィンと
しては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテ
ン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペン
テン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-
メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジ
メチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1
-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テ
トラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイ
コセンなどが挙げられる。
【0034】未変性α-オレフィン重合体(G)は、ジ
エン化合物から誘導される成分単位などのα-オレフィ
ンから誘導される成分単位以外の成分単位を含んでいて
もよい。このようなα-オレフィンから誘導される成分
単位以外の成分単位としては、例えば1,4-ヘキサジエ
ン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6
-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-1、6-オクタジエ
ンなどの鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシ
クロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5-ビ
ニルノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-
メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノル
ボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボ
ルネンなどの環状非共役ジエン;2,3-ジイソプロピリデ
ン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン
-5-ノルボルネン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエン
などのジエン化合物から誘導される成分単位が挙げられ
る。ジエン成分は、1種単独でまたは2種以上組み合わ
せて用いることができる。また、ジエン成分の含有量
は、通常は0〜1モル%、好ましくは0〜0.5モル%
である。
【0035】未変性α-オレフィン重合体(G)として
は、例えばエチレン単独重合体またはエチレンと炭素原
子数3〜20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも
1種のα-オレフィンとの共重合体であって、190
℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレートが
0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜50
g/10分の範囲にあり、密度が0.950g/cm3
上、好ましくは0.950〜0.970g/cm3 の範
囲にあり、エチレンとα-オレフィンとのモル比(エチ
レン/α-オレフィン)が、100/0〜80/20、
好ましくは100/0〜90/10の範囲にあるエチレ
ン(共)重合体、プロピレン単独重合体、またはプロピ
レンとエチレンおよび炭素原子数が4〜20のα-オレ
フィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの共
重合体であって、230℃、2.16kg荷重で測定し
たメルトフローレートが0.1〜100g/10分、好ま
しくは0.5〜50g/10分の範囲にあり、密度が0.
900g/cm3 以上、好ましくは0.900〜0.9
20g/cm3 の範囲にあり、プロピレン(Pr)と、
エチレンおよび炭素原子数が4〜20のα-オレフィン
(Or)とのモル比(Pr/Or)が、100/0〜8
0/20、好ましくは100/0〜90/10の範囲に
あるプロピレン(共)重合体、炭素原子数4〜20のα
-オレフィンの共重合体であって、230℃、2.16
kg荷重で測定したメルトフローレートが0.1〜10
0g/10分、好ましくは0.5〜50g/10分の範囲に
あり、密度が0.900g/cm3 以上、好ましくは
0.900〜0.920g/cm3 の範囲にあり、炭素
原子数4〜20のα-オレフィンから選ばれる1種のα-
オレフィン(Or-1)と、炭素原子数が4〜20のα-オ
レフィンから選ばれる他のα-オレフィン(Or-2)との
モル比((Or-1)/(Or-2))が100/0〜80/2
0、好ましくは100/0〜90/10の範囲にあるα
-オレフィン(共)重合体が挙げられる。
【0036】このような未変性α-オレフィン重合体
(G)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用い
ることができる。(H)変性α-オレフィン重合体 本発明で用いられる変性α-オレフィン重合体は、上記
未変性α-オレフィン重合体(G)が不飽和カルボン酸
でグラフト変性されたものである。
【0037】変性α-オレフィン重合体(H)の調製
は、上記変性4-メチル-1-ペンテン重合体(A)の場合
と同様にして行うことができる。変性α-オレフィン重
合体(H)のグラフト変性量は、0.1〜20重量%で
あり、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは
0.5〜2重量%である。グラフト変性量の制御は、既
に述べたグラフト変性条件を適宜に選択することによ
り、容易に行うことができる。
【0038】このような変性α-オレフィン重合体
(H)は、1種単独または2種以上組み合わせて用いる
ことができる。このような(E)、(F)、(G)およ
び(H)からなる組成物は、不飽和カルボン酸変性4-メ
チル-1-ペンテン重合体(A)を5〜100重量%、好
ましくは5〜50重量%、より好ましくは5〜30重量
%、未変性4-メチル-1-ペンテン重合体(F)を0〜9
5重量%、好ましくは30〜95重量%、より好ましく
は50〜90重量%、未変性α-オレフィン重合体
(G)を0〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、
より好ましくは10〜30重量%、変性α-オレフィン
重合体(H)を0〜50重量%、好ましくは5〜40重
量%、より好ましくは10〜30重量%の割合(但し、
(E)+(F)+(G)+(H)=100重量%、
(G)+(H)=50重量%以下である。)で含有する
ことが望ましい。
【0039】また、この組成物は、不飽和カルボン酸変
性4-メチル-1-ペンテン重合体(E)、未変性4-メチル-
1-ペンテン重合体(F)、未変性α-オレフィン重合体
(G)および変性α-オレフィン重合体(H)の合計重
量に対する不飽和カルボン酸および無水カルボン酸のグ
ラフト変性量が0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜
3重量%の範囲にあることが望ましい。
【0040】(B)フェノールアクリレート化合物 本発明で用いられるフェノールアクリレート化合物
(B)は、下記一般式(1)で表される。なおフェノー
ルアクリレート化合物(B)にはフェノールメタクリレ
ート化合物も包含される。
【0041】
【化3】
【0042】式中R1 は水素またはメチル基を示す。R
2 は水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基であ
り、特に水素原子またはメチル基が好ましい。R3 、R
4 、R5 およびR6 は、互いに同一でも異なっていても
よく炭素原子数1〜9のアルキル基であり、そのうちR
3 およびR6は炭素原子数4〜8で3級炭素がベンゼン
核に結合したもの、例えばt-ブチル基、t-アミル基など
が好ましい。またR4 およびR5 は炭素原子数1〜6の
アルキル基、メチル基、エチル基、t-ブチル基、t-アミ
ル基等が好ましい。
【0043】フェノールアクリレート化合物の具体的な
化合物としては、例えば、2,4-ジ(tert-アミル)-6-
[1-{3,5-ジ(tert-アミル)-2-ヒドロキシフェニル}エ
チル]フェニルアクリレートや2,4-ジ(tert-ブチル)-
6-[1-{3,5-ジ(tert-ブチル)-2-ヒドロキシフェニル}
エチル]フェニルアクリレートなどが挙げられるが、耐
熱性の面から2,4-ジ(tert-アミル)-6-[1-{3,5-ジ
(tert-アミル)-2-ヒドロキシフェニル}エチル]フェ
ニルアクリレートが好ましい。
【0044】このフェノールアクリレート化合物は、分
子中に不飽和結合をもつ重合性モノマー構造と、ヒンダ
ードフェノール構造とを有する特異な化合物であり、4-
メチル-1-ペンテン重合体に配合すると、肌荒れを有効
に防止する作用がある。このようなフェノールアクリレ
ート化合物(B)は、1種単独または2種以上組み合わ
せて用いることができる。
【0045】フェノールアクリレート化合物(B)の配
合量は、4-メチル-1-ペンテン重合体(A)100重量
部に対し通常0.5〜15重量部、好ましくは1.0〜
5重量部である。配合量が上記範囲にあると4-メチル-1
-ペンテン重合体の肌荒れ防止効果に優れ、かつゴムの
加硫反応を阻害しない。また本発明に係る4-メチル-1-
ペンテン重合体組成物は、上記不飽和カルボン酸変性4-
メチル-1-ペンテン重合体(A)およびフェノールアク
リレート化合物(B)に加えて、さらにヒンダードフェ
ノール化合物(C)および/またはホスファイト化合物
(D)を含有することができる。
【0046】ヒンダードフェノール化合物(C) 本発明で必要に応じて用いられるヒンダードフェノール
化合物(C)は、フェノールの水酸基に対しオルト位置
にtert-ブチル基などのバルキーなアルキル基が少なく
とも1個置換したアルキルフェノール構造を分子内に有
する化合物であり、具体的には、例えばテトラキス[メ
チレン-3(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン、3,5-ジ-tert-ブチル-4-
ヒドロキシトルエン、n-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキ
シ-3',5'-シ゛-tert-ブチルフェニル)プロピオネート、
3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メ
チルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエ
チル]2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブ
チル-4-ヒドロキシフェニル)ベンジルベンゼンなどが
挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上を組み合
わせて使用してもよい。
【0047】上記したヒンダードフェノール化合物
(C)のうちでは、テトラキス[メチレン-3(3,5-ジ-t
ert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
メタン、3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキ
シ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメ
チルエチル]2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウン
デカンが特に好ましい。
【0048】ホスファイト化合物(D) 本発明において必要に応じて用いられるホスファイト化
合物(D)として、好適に使用されるものは、ホスホン
酸[P(OH)3 ]の水酸基の少なくとも1個が置換ま
たは無置換のフェノキシ基で置換されたアリールホスフ
ァイトであり、例えばトリス(ノニルフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(ミックスド、モノおよびジノリルフェ
ニル)ホスファイト、テトラキス(2,4-ジターシャリブ
チルフェニール)4,4'-ビフェニレンジホスファイト、
ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリ
スリトール−ジ−ホスファイト、2,2-メチレンビス(4,
6-ジ-t-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリ
ス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトなどが
挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上を組み合
わせて使用してもよい。
【0049】上記したホスファイト化合物(D)のうち
では、4-メチル-1-ペンテン重合体に対しては、ビス
(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリ
トール−ジ−ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチ
ルフェニル)ホスファイトが特に好ましく使用される。
上記ヒンダードフェノール化合物(C)およびホスファ
イト化合物(D)成分は単独でも(B)成分添加による
肌荒れ防止効果をさらに向上させる効果があるが、両者
を併用してもよい。
【0050】ヒンダードフェノール化合物(C)の配合
量は、不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-ペンテン重合
体(A)100重量部に対し通常0.5〜15重量部、
好ましくは1.0〜5重量部であり、ホスファイト化合
物(D)の配合量は、不飽和カルボン酸変性4-メチル-1
-ペンテン重合体(A)100重量部に対し通常0.5
〜15重量部、好ましくは1.0〜5重量部である。
【0051】本発明に係る4-メチル-1-ペンテン重合体
組成物には、上記した以外の安定剤、例えば硫黄系安定
剤などを併用しても良い。また場合によって、例えば紫
外線吸収剤、増核剤、可塑剤、滑剤、耐電防止剤、顔
料、染料、粉末状充填剤(カオリン、タルク等)、繊維
状充填剤(ティスモ、ガラス繊維、炭素繊維等)を本願
発明の目的を損なわない範囲で配合してもよい。
【0052】本発明に係る4-メチル-1-ペンテン重合体
組成物を調製する方法としては、公知の任意の方法が採
用できる。例えば、タンブラーブレンダー、ヘンシルミ
キサー、リボンブレンダー等の混合機で上記(A)(ま
たは(E)と必要に応じて(F)、(G)もしくは
(H))と、上記(B)、必要に応じて(C)、
(D)、各種配合剤などとを混合後、押出機、ニーダ
ー、二本ロール等で混練して調製する方法等を採用する
ことができる。
【0053】本発明に係る4-メチル-1-ペンテン重合体
組成物は、架橋剤を含有した重合体と接触し、繰り返し
使用されるものであれば、いずれの用途にも使用するこ
とができるが、特にゴムホース製造におけるマンドレ
ル、被覆材料、あるいは、エチレン系重合体電力ケーブ
ル製造用被覆材は、架橋剤含有重合体と接触して何回も
繰り返し使用できることが求めらる用途に好適に使用さ
れる。本発明に係る4-メチル-1-ペンテン重合体組成物
から形成品を製造する場合には、従来公知の種々の溶融
成形法を採用することができ、例えば射出成形法、押出
成形法、押出被覆法、圧縮成形法など、いずれの方法に
よっても成形することができる。
【0054】
【発明の効果】本発明の4-メチル-1-ペンテン重合体組
成物は、有機過酸化物系の架橋剤、多官能モノマーなど
が含まれる未加硫ゴム等と表面接触し、繰り返し加硫操
作を行った場合であっても肌荒れが発生し難く、繰り返
し使用回数をより増やすことができる。従って、例えば
架橋エチレン重合体系電力ケーブル架橋時の被覆材やゴ
ムホース架橋工程でのマンドレル、または被覆材等の用
途に用いた場合、繰り返し使用回数がより増えるため、
生産・製造コストの低減を図ることができる。
【0055】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。本実施例において以下の各成分を用いた。未変性-メチル-1-ペンテン共重合体 4-メチル-1-ペンテンと、ダイアレン−168(1-ヘキ
サジエンと1-オクタジエン)との共重合体であり、4-メ
チル-1-ペンテン含量が95重量%、1-ヘキサジエン含
量と1-オクタジエン含量との合計が5重量%であり、M
FR(ASTMD 1238、260℃、5kg荷重)
が0.5g/分、密度(ASTM D 1505)が0.
835g/cm3 の4-メチル-1-ペンテン共重合体
(F)を用いた。
【0056】不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-ペンテ
ン重合体 上記4-メチル-1-ペンテン共重合体(F)を94重量
%、無水マレイン酸を5重量%、有機過酸化物(2,5-ジ
メチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、商品
名:パーヘキサ25B、日本油脂(株)製)を1重量%
の重量比率でヘンシェルミキサーにより混合した後、温
度280℃で二軸押出機で混練してグラフト変性して得
られた、無水マレイン酸グラフト率が2.7重量%であ
り、MFR(ASTM D 1238、260℃、5kg
荷重)が260g/10分である不飽和カルボン酸変性4-
メチル-1-ペンテン重合体(E-1)、および上記4-メチ
ル-1-ペンテン重合体(F)を97.5重量%、無水マ
レイン酸を2重量%、有機過酸化物2,5-ジメチル-2,5-
ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン(商品名:パーヘキ
サ25B、日本油脂(株)製)を0.5重量%の重量比
率でヘンシェルミキサーにより混合した後、温度280
℃で二軸押出機で混練してグラフト変性して得られた、
無水マレイン酸グラフト率が1.0重量%であり、MF
R(ASTM D 1238、260℃、5kg荷重)が
170g/10分である不飽和カルボン酸変性4-メチル-1
-ペンテン重合体(E-2)を用いた。
【0057】未変性α−オレフィン共重合体 エチレン含量が80重量%であり、プロピレン含量が2
0重量%であり、MFRが25g/10分であるエチレン
−プロピレン共重合体(G)を用いた。不飽和カルボン酸変性α−オレフィン重合体 上記エチレン−プロピレン共重合体(G)を94重量
%、無水マレイン酸を5重量%、有機過酸化物(2,5-ジ
メチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、商品
名:パーヘキサ25B、日本油脂(株)製)を1重量%
の重量比率でヘンシェルミキサーにより混合した後、温
度280℃で二軸押出機で混練することによりグラフト
変性して得られた、無水マレイン酸グラフト率が2.8
重量%であり、MFR(260℃、5kg荷重で測定)
が120g/10分である不飽和カルボン酸変性α−オレ
フィン重合体(H-1)、および上記エチレン−プロピレ
ン共重合体(G)を97.5重量%、無水マレイン酸を
2重量%、有機過酸化物(2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブ
チルペルオキシ)ヘキサン、商品名:パーヘキサ25
B、日本油脂(株)製)を0.5重量%の重量比率でヘ
ンシェルミキサーにより混合した後、温度280℃で二
軸押出機で混練することによりグラフト変性して得られ
た、無水マレイン酸グラフト率が0.9重量%であり、
MFR(260℃、5kg荷重で測定)が80g/10分
である不飽和カルボン酸変性α−オレフィン重合体(H
-2)を用いた。
【0058】フェノールアクリレート化合物(B) 2,4-ジ(tert-アミル)-6-〔1-[3,5-ジ(tert-アミ
ル)-2-ヒドロキシフェニル]エチル〕フェニルアクリ
レートヒンダードフェノール化合物(C) テトラキス〔メチレン-3(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕メタンホスファイト化合物(D) ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタ
エリスリトール−ジ−ホスファイト
【0059】
【実施例1〜4】4-メチル-1-ペンテン重合体組成物
ペレットの作製 4-メチル-1-ペンテン共重合体(F)、不飽和カルボン
酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体(E)、フェノー
ルアクリレート化合物(B)、ヒンダードフェノール化
合物(C)、ホスファイト化合物(D)を表1に示した
割合で配合し、ヘンシェルミキサーにて3分間低速回転
にて混合した。この混合物を二軸押出機にて280℃の
温度で押し出し、4-メチル-1-ペンテン重合体組成物の
ペレットを得た。
【0060】未加硫エチレン・プロピレン・ジエン共
重合体棒状体の作製 次にエチレン・プロピレン・ジエン共重合体(商品名:
三井EPT3045、以下「EPDM」という。)10
0重量部、酸化亜鉛5重量部、ステアリン酸1重量部、
FEFカーボンブラック60重量部、パラフィン系プロ
セスオイル20重量部、ジクミルパーオキサイド3.5
重量部、トリアリルイソシアヌレート2重量部を60℃
でミキシングロールで混練して得られた未加硫ゴムを直
径が13mmの円型のダイを通して80℃押し出し、直
径15mmの棒状の未加硫ゴムを得た。
【0061】4-メチル-1-ペンテン重合体組成物被覆
未加硫EPDM棒状体の作製 前記の処方および手順で得られた4-メチル-1-ペンテ
ン重合体組成物ペレット、またはの手順で得た4-メチ
ル-1-ペンテン重合体組成物リサイクル粉砕品を未加硫
EPDM棒状体の表面に280℃で溶融押し出し被覆
し、4-メチル-1-ペンテン重合体組成物被覆未加硫EP
DM棒状体を得た。
【0062】加硫 前記の手順で得られた4-メチル-1-ペンテン重合体組
成物被覆未加硫EPDM棒状体を160℃のエアーオー
ブン中で40分加硫した。4-メチル-1-ペンテン重合体組成物リサイクル品の作
前記の加硫操作後、4-メチル-1-ペンテン重合体組成
物被覆層をゴムから剥がして長さ3mm以下に粉砕し、
4-メチル-1-ペンテン重合体組成物リサイクル粉砕品を
得た。
【0063】繰り返し使用性の評価 前記の操作で得られた4-メチル-1-ペンテン重合体組
成物リサイクル粉砕品をからの操作を繰り返し使用
後、粉砕して再押し出し成形したもの(手順が終わっ
た状態のもの)の表面状態を、JIS B0601に従っ
て表面粗さ計によって測定し、表面上の最大高さ(R
max)が100μmを超えた状態を肌荒れが顕著である
状態とし、その状態に至るまでの使用回数を繰り返し使
用回数とした。
【0064】その結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【実施例5〜7】高耐熱老化性4-メチル-1-ペンテン
重合体組成物ペレットの作製 4-メチル-1-ペンテン共重合体(F)、不飽和カルボン
酸変性4-メチル-1-ペンテン重合体(E-1)、不飽和カ
ルボン酸変性4-メチル-1-ペンテン重合体(E-2)、エ
チレン−プロピレン共重合体(G)、不飽和カルボン酸
変性α−オレフィン重合体(H-1)、不飽和カルボン酸
変性α−オレフィン重合体(H-2)、フェノールアクリ
レート化合物(B)、ヒンダードフェノール化合物
(C)、ホスファイト化合物(D)を表2に示した割合
で配合し、ヘンシェルミキサーにて3分間低速回転にて
混合した。この混合物を二軸押出機にて280℃の温度
で押し出し、4-メチル-1-ペンテン重合体組成物のペレ
ットを得た。
【0067】以下、実施例1〜4と同様にして〜の
操作を行ない、繰り返し使用回数を測定した。結果を表
2に示す。
【0068】
【表2】
【0069】
【比較例1〜3】4-メチル-1-ペンテン重合体組成物
ペレットの作製 4-メチル-1-ペンテン共重合体(F)、不飽和カルボン
酸変性4-メチル-1-ペンテン重合体(E-1)、不飽和カ
ルボン酸変性α-オレフィン重合体(H-1)、フェノー
ルアクリレート化合物(B)、ヒンダードフェノール化
合物(C)、ホスファイト化合物(D)を表3に示した
割合で配合し、ヘンシェルミキサーにて3分間低速回転
にて混合した。この混合物を二軸押出機にて280℃の
温度で押し出し、4-メチル-1-ペンテン重合体組成物の
ペレットを得た。
【0070】以下、実施例1〜4と同様にして〜の
操作を行ない、繰り返し使用回数を測定した。結果を表
3に示す。
【0071】
【表3】
【0072】表1〜表3の結果から明らかなように、本
発明の4-メチル-1-ペンテン重合体組成物から成形され
た成形品は、有機過酸化物系の架橋剤および多官能モノ
マー等を含有せしめた重合体と表面接触し、繰り返し加
硫を行なった際に発生する4-メチル-1-ペンテン重合体
組成物の肌荒れが顕著に抑制され、繰り返し使用回数を
より増やすことができる。従って、例えば架橋エチレン
重合体系電力ケーブル架橋時の被覆材やゴムホース架橋
工程でのマンドレル、或いは被覆材などに用いた場合、
繰り返し使用回数がより増えるため、生産・製造コスト
の低減を図ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/00 C08L 23/00 23/20 23/20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-
    ペンテン重合体と、(B)下記一般式(1)で表される
    フェノールアクリレート化合物とからなり、不飽和カル
    ボン酸変性4-メチル-1-ペンテン重合体(A)100重
    量部に対し、フェノールアクリレート化合物(B)を
    0.5〜15重量部の割合で含有することを特徴とする
    4-メチル-1-ペンテン重合体組成物; 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2
    水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、
    3 、R4 、R5 およびR6 は互いに同一でも異なって
    いてもよく炭素原子数1〜9のアルキル基を示す。)。
  2. 【請求項2】 上記不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-
    ペンテン重合体(A)およびフェノールアクリレート化
    合物(B)に加えて、さらにヒンダードフェノール化合
    物(C)および/またはホスファイト化合物(D)を不
    飽和カルボン酸変性4-メチル-1-ペンテン重合体(A)
    100重量部に対してそれぞれ0.5〜15重量部の割
    合で含有する請求項1に記載の4-メチル-1-ペンテン重
    合体組成物。
  3. 【請求項3】上記不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-ペ
    ンテン重合体(A)が、(E)不飽和カルボン酸変性4-
    メチル-1-ペンテン重合体と、 必要に応じて(F)未変性4-メチル-1-ペンテン重合
    体、(G)未変性α-オレフィン重合体、および(H)
    不飽和カルボン酸変性α-オレフィン重合体から選ばれ
    る少なくとも1種の重合体とからなり、 不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-ペンテン重合体
    (E)を5〜100重量%、 未変性4-メチル-1-ペンテン重合体(F)を0〜95重
    量%、 未変性α-オレフィン重合体(G)を0〜50重量%、 不飽和カルボン酸変性α-オレフィン重合体(H)を0
    〜50重量%の割合(但し、(E)+(F)+(G)+
    (H)=100重量%、(G)+(H)=50重量%以
    下である。)で含有し、かつ(E)、(F)、(G)お
    よび(H)の合計重量に対する不飽和カルボン酸のグラ
    フト変性量が0.1〜5重量%の範囲にある請求項1ま
    たは2に記載の4-メチル-1-ペンテン重合体組成物。
  4. 【請求項4】 上記不飽和カルボン酸変性4-メチル-1-
    ペンテン重合体(E)が、4-メチル-1-ペンテンから導
    かれる繰返し単位を80〜100重量%の割合で含有
    し、炭素原子数2〜20のα-オレフィンから導かれる
    繰返し単位を0〜20重量%の割合で含有する4-メチル
    -1-ペンテン(共)重合体を不飽和カルボン酸でグラフ
    ト変性した変性物であって、グラフト変性量が0.1〜
    5重量%の範囲にある請求項3に記載の4-メチル-1-ペ
    ンテン重合体組成物。
  5. 【請求項5】 上記未変性α-オレフィン重合体(G)
    が、炭素原子数2〜20のα-オレフィンから選ばれる
    少なくとも1種のα-オレフィンの(共)重合体である
    請求項3または4に記載の4-メチル-1-ペンテン重合体
    組成物。
  6. 【請求項6】 上記不飽和カルボン酸変性α-オレフィ
    ン重合体(H)が、炭素原子数2〜20のα-オレフィ
    ンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンの
    (共)重合体を不飽和カルボン酸でグラフト変性した変
    性物であって、グラフト変性量が0.1〜5重量%の範
    囲にある請求項3ないし5のいずれかに記載の4-メチル
    -1-ペンテン重合体組成物。
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JP2008094909A (ja) * 2006-10-10 2008-04-24 Mitsui Chemicals Inc 4−メチル−1−ペンテン系重合体離型フィルム

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