JP2002069233A - 発泡スチロール処理用溶剤の回収液、これを用いた発泡スチロール処理用溶剤の再生方法、及びこれを用いたスチロール樹脂の再生方法 - Google Patents

発泡スチロール処理用溶剤の回収液、これを用いた発泡スチロール処理用溶剤の再生方法、及びこれを用いたスチロール樹脂の再生方法

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JP2002069233A
JP2002069233A JP2000265793A JP2000265793A JP2002069233A JP 2002069233 A JP2002069233 A JP 2002069233A JP 2000265793 A JP2000265793 A JP 2000265793A JP 2000265793 A JP2000265793 A JP 2000265793A JP 2002069233 A JP2002069233 A JP 2002069233A
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喜代冶 澤
Yasukuni Ogawa
泰州 小川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、発泡スチロールに対して、発泡ス
チロール処理用溶剤を接触させることによりゼリー状な
いしゲル状に処理した後の処理物から、前記発泡スチロ
ール処理用溶剤の成分を抽出・回収するための回収用媒
体であり、即ち、発泡スチロールをゼリー状ないしゲル
状に処理した処理物から発泡スチロール処理用溶剤の成
分を、迅速、簡便、且つ効率(収率)がよく、しかも安
価・省エネルギーで抽出・回収することができる発泡ス
チロール処理用溶剤の回収液、これを用いた発泡スチロ
ール処理用溶剤の再生方法、及びこれを用いたスチロー
ル樹脂の再生方法を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、発泡スチロールに対して、発泡ス
チロール処理用溶剤を接触させることによりゼリー状な
いしゲル状に処理した処理物から、前記発泡スチロール
処理用溶剤の成分を抽出・回収するための回収用媒体で
あって、この回収用媒体は有機概念図における無機性値
が65以上の官能基を少なくとも1種以上を一分子内に
有する化合物を主成分とすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡スチロールに対し
て発泡スチロール処理用溶剤を接触させることにより、
この発泡スチロールをゼリー状ないしはゲル状にしてそ
の体積を減少させる発泡スチロールの処理方法におい
て、ゼリー状ないしはゲル状に処理した後の処理物から
前記発泡スチロール処理用溶剤の成分を抽出・回収する
ための回収用媒体(回収液)に関し、更に詳しくは、処
理物と接触させることにより、このゲルから前記発泡ス
チロール処理用溶剤の成分を、迅速、簡便、且つ効率
(収率)がよく、しかも安価・省エネルギーで抽出・回
収することができる発泡スチロール処理用溶剤の回収
液、これを用いた発泡スチロール処理用溶剤の再生方
法、及びこれを用いたスチロール樹脂の再生方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】発泡スチロール(発泡ポリスチレン)
は、安定な化合物であり、しかも、単位体積当たりの重
量が非常に軽く(容積1立方メートルあたり約5〜20
kg)、成形性、保温・断熱性が良好である上、安価で
ある等の諸特性を有するため、容器、食器、飲料容器、
梱包材、緩衝材等の素材として多岐に亘って使用されて
いる。
【0003】そして、発泡スチロールは、前記のように
安価で、且つ軽量で、成型性に優れるなどの理由から、
主に使い捨てを目的として成型・製品化されることが多
く、現在では、毎年約40万トンもの発泡スチロールが
発泡スチロール製品として生産・使用され、その後、そ
のほとんどが廃棄物として処理されている。
【0004】しかしながら、このように廃棄された発泡
スチロールを処理するためには様々な問題がある。
【0005】この発泡スチロールの安定・軽量性等の諸
特性は、発泡スチロール製品として用いる場合には大き
な利点であるが、一旦、発泡スチロール製品が廃棄物と
なると、逆に、この特性が最大の問題となる。
【0006】即ち、発泡スチロールは、その安定性のた
め生分解を受け難く、従って、廃棄処分の際に埋め立て
処分をした場合には、土壌中で分解されることなく半永
久的に環境中に残存することとなり、環境への悪影響が
問題となる。
【0007】又、これらの廃材を焼却処理する場合に
は、発泡スチロール廃材の発熱量が高すぎて、焼却炉の
炉内温度が高くなりすぎる結果、焼却炉の炉材を傷め、
焼却炉の寿命を短くするばかりでなく、二酸化炭素の放
出に伴う地球温暖化等の環境悪化の原因となり、一方、
燃焼が不十分になると、一酸化炭素等の有害ガスの排出
が問題となる。
【0008】更に、発泡スチロールは、その発泡・軽量
性のため至極嵩張る上、発泡スチロールの構造は強固で
相当の外圧をかけてもその内部の気泡を圧縮・放出する
ことができず、廃棄された発泡スチロールを回収する際
の輸送効率が悪くなり、輸送コストや処理コストが著し
く高くなるといった問題がある。
【0009】そこで、発泡スチロール廃材の体積を減少
させる方法として、発泡スチロールを溶解可能な液状媒
体に発泡スチロール廃材を接触させ、これにより、発泡
スチロール廃材を液状に溶解してその体積を減少させ
る、発泡スチロール処理用溶剤及びこれを用いた発泡ス
チロールの処理方法が提案されている(特開平2−17
48号公報、特開平5−59212号公報、特開平7−
113089号公報等)。
【0010】即ち、これらの方法は、発泡スチロールを
溶解可能な有機溶媒、例えば、芳香族化合物や、アセト
ンやメチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン等の有機
溶媒を単独で用いて、発泡スチロール廃材を液状に溶解
してその体積を減少させるものである。
【0011】しかしながら、発泡スチロールを溶解可能
な有機溶媒を単独で用いて、これに発泡スチロールを接
触して、液状に溶解するこれらの方法では、使用する有
機溶媒一単位量当たりの発泡スチロールの溶解量が少な
く、実用化できるものではなかった。
【0012】そこで、最近では、芳香族炭化水素等の発
泡スチロールを溶解可能な溶剤と、脂肪族炭化水素等の
発泡スチロールを溶解できない溶剤とを混合した液状媒
体を使用し、発泡スチロールを半固形状、即ち、ゼリー
状ないしゲル状の樹脂(処理物)としてその体積を減少
する、発泡スチロール処理用溶剤及びこれを用いた発泡
スチロールの処理方法の研究・開発が主流となっている
(特開平9−40802号公報、特開平9−15743
5号の公報等)。
【0013】即ち、このように構成することにより、省
エネルギーで短時間に発泡スチロール廃材を処理するこ
とができる上、場所をとらず、しかも比較的廉価な溶剤
を用いることができるのである。
【0014】更に、これらの発泡スチロール処理用溶剤
は、発泡スチロール処理用溶剤に脂肪族炭化水素等の発
泡スチロールを溶解できない溶剤を加えることによっ
て、当該処理用溶剤に対して、発泡スチロールに対する
持続的で安定した溶解性を付与したものであり、従来の
発泡スチロールを処理するための溶剤と比較して、溶剤
一単位量当たり、著しく多量の発泡スチロールを処理す
ることができるものである。
【0015】
【発明の解決しようとする課題】ところで、このような
発泡スチロール処理用溶剤を用いて発泡スチロールを処
理した場合、最終的に生成する処理物は、発泡スチロー
ル処理用溶剤を包含した半固形状の膨潤状態となるた
め、この処理物には、スチロール樹脂と発泡スチロール
処理用溶剤の成分が混在することとなる。
【0016】そして、この半固形状の膨潤状態の処理物
をリサイクルに供する場合にあっては、当該処理物を、
スチロール樹脂と、発泡スチロール処理用溶剤の成分と
に分離し、それぞれの成分を別々に回収する必要があ
る。
【0017】即ち、このような発泡スチロール処理用溶
剤を用いて発泡スチロールを処理し、再生したり、再利
用したりするリサイクル事業等においては、廃発泡スチ
ロールを処理して得られた処理物の成分を分離・回収
(再生)した後、再生、再利用を行うといった一連のリ
サイクル手段が必要であり、この手段のそれぞれが安価
で無理なく循環しなければ、リサイクル事業として成立
し難いのである。
【0018】しかしながら、現在一般的に採用されてい
る、処理物をスチロール樹脂と発泡スチロール処理用溶
剤の成分とに分離・回収し、再利用に供するための方法
には様々な問題がある。
【0019】即ち、現在一般的に採用されている、処理
物をスチロール樹脂と発泡スチロール処理用溶剤とに分
離する方法は、当該処理物を直接加熱し、発泡スチロー
ル処理用溶剤の成分を気化・蒸発させて、スチロール樹
脂から分離し、スチロール樹脂を回収すると共に、この
気化・蒸発した発泡スチロール処理用溶剤を冷却して、
発泡スチロール処理用溶剤を液化・回収するといった手
段からなるものである。
【0020】従って、上記方法を用いる場合には、当該
処理物を、最低でも発泡スチロール処理用溶剤の沸点以
上に加熱する必要があり、これに必要とされるエネルギ
ーやコストが多大なものとなるばかりか、高温の作業条
件を制御するための人件費的なコストも必要となる。
【0021】又、処理物が半固形状であることから、当
該処理物の内部(中心)に吸収されて存在する発泡スチ
ロール処理用溶剤の成分まで完全に気化・蒸発させるこ
とは困難であり、従って、処理物を完全に蒸留するため
に必要とされる温度が更に高くなり、これに必要とされ
る時間、エネルギー及びコスト等が更に多大なものとな
る。
【0022】ところが、加熱温度が高くなればなるほ
ど、発泡スチロール処理用溶剤を構成する成分が変質
し、この変質した成分が不純物となるため、これを取り
除くために、再蒸留等の手段を講じる必要が更に生じ、
従って、この再蒸留等のための余計なコストが更に負担
となる。
【0023】従って、上記方法は、比較的沸点の低い発
泡スチロール処理用溶剤(例えば、沸点150℃程度の
もの等。)にしか用いることができないのである。
【0024】しかしながら、最近の作業環境に対する安
全対策が厳しくなってきていることに対応して、発泡ス
チロール処理用溶剤として安全性が高いものが要求され
ている結果、発泡スチロール処理用溶剤として、沸点・
引火点が高いもの(例えば、沸点200℃以上、引火点
50℃以上のもの等。)が好まれて使用されており、上
記方法で処理物を蒸留することは非常に困難になってい
るのである。
【0025】加えて、スチロール樹脂はもともとの原料
単価が安く、このような多大なコストを費やして、処理
物をスチロール樹脂と発泡スチロール処理用溶剤とに分
離したのであっては、リサイクル事業として成立し難い
のである。
【0026】従って、現在、発泡スチロール処理用溶剤
を用いて発泡スチロールを処理し、これを再生するリサ
イクル事業等においては、迅速、簡便、且つ効率(収
率)がよく、しかも安価・省エネルギーで、処理物から
発泡スチロール処理用溶剤の成分、及びスチロール樹脂
を分離し、それぞれの成分を別個に回収する手段の開発
が強く要求されいるのであり、この問題を好適に改善し
なければ、発泡スチロール処理用溶剤を用いた発泡スチ
ロールの処理方法をリサイクル事業として実用化するこ
とは事実上困難なのである。
【0027】このような技術的背景から、本発明者等
は、鋭意検討を重ね、調査及び検討を繰り返した結果、
水酸基やカルボキシル基等の有機概念図における一定以
上の無機性値の官能基を少なくとも1種以上を一分子内
に有する化合物を主成分とする回収用媒体が、処理物中
に含まれる発泡スチロール処理用溶剤の成分を、迅速、
簡便、且つ効率(収率)がよく、しかも安価・省エネル
ギーで抽出・回収することができる、発泡スチロール処
理用溶剤の回収液となり得るとの知見を得た。
【0028】即ち、有機概念図における一定以上の無機
性値の官能基を少なくとも1種以上その分子内に有する
化合物を主成分とする回収用媒体を、ゼリー状ないしゲ
ル状に処理された処理物に接触させることにより、この
処理物に包含されている発泡スチロール処理用溶剤の成
分が、効率よく当該回収用媒体に抽出されるとの知見を
得た。
【0029】しかも、有機概念図における一定以上の無
機性値の官能基を少なくとも1種以上その分子内に有す
る化合物を主成分とする回収用媒体のうち、沸点の比較
的低いものを発泡スチロール処理用溶剤の回収液として
用いることにより、発泡スチロール処理用溶剤を抽出し
た後、この抽出液を比較的低温条件下(例えば、150
℃以下程度。)で蒸留・精製することが可能となるとの
知見を得た。
【0030】即ち、使用した発泡スチロール処理用溶剤
の沸点が高沸点のため、前記従来の方法では分離・回収
できなかった処理物においても、発泡スチロール処理用
溶剤を低温条件下で再生することができるため、当該発
泡スチロール処理用溶剤の成分を変質させることなく再
生できるとの知見を得た。
【0031】本発明者等は、今のところ、この効果の詳
細については正確には把握していないが、おそらく、こ
れらの有機概念図におけるある一定以上の無機性値の官
能基は、いわゆる極性基であり、従って、この極性基を
少なくとも1種以上その分子内に有する化合物は処理物
中に取り込まれやすく、当該処理物の内部に含まれる発
泡スチロール処理用溶剤の成分と容易に交換されるた
め、その結果、当該処理物から発泡スチロール処理用溶
剤が速やかに抽出されるのであろうと解される。
【0032】本発明は、前記知見に基づき完成されたも
のであって、即ち、発泡スチロールをゼリー状ないしゲ
ル状に処理した処理物から発泡スチロール処理用溶剤の
成分を、迅速、簡便、且つ効率(収率)がよく、しかも
安価・省エネルギーで抽出・回収することができる発泡
スチロール処理用溶剤の回収液、これを用いた発泡スチ
ロール処理用溶剤の再生方法、及びこれを用いたスチロ
ール樹脂の再生方法を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明における発泡スチ
ロール処理用溶剤の回収液は、前記目的を達成するため
に、発泡スチロールに対して、発泡スチロール処理用溶
剤を接触させることによりゼリー状ないしゲル状にした
処理物から、発泡スチロール処理用溶剤の成分を抽出・
回収するための回収用媒体であって、この回収用媒体
は、有機概念図における無機性が65以上の官能基を少
なくとも1種以上を一分子内に有する化合物を主成分と
することを特徴とする、との技術的手段を採用したもの
である。
【0034】まず、本発明の発泡スチロール処理用溶剤
の回収液について詳細に説明する前に、発泡スチロール
をゼリー状ないしゲル状に処理するための発泡スチロー
ル処理用溶剤について説明する。
【0035】即ち、「発泡スチロールをゼリー状ないし
ゲル状処理する」とは、発泡スチロールを液状媒体(溶
剤)に接触させることにより、発泡スチロールの内部に
含まれる気泡を除去し、ゼリー状(ペースト状)ないし
はゲル状(半固形状)に凝集して発泡スチロールの体積
を減少させることをいう。
【0036】そして、発泡スチロールをゼリー状ないし
ゲル状に処理するための液状媒体としては、特に限定さ
れるものではなく、一般的には、発泡スチロールを溶解
可能な溶剤と、発泡スチロールを溶解することができな
い溶剤とを混合した液状媒体を主成分とする発泡スチロ
ール処理用溶剤を挙げることができる。
【0037】更に詳しくは、発泡スチロールを溶解可能
な溶剤としては、単独で発泡スチロールを溶解し得るも
のであれば特に限定されるものではなく、既知の発泡ス
チロールを溶解可能な溶剤を用いることができるもので
あるが、具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、キ
シレン及びエチルベンゼン等の芳香族化合物、酢酸エチ
ル、酪酸エチル、ラウリン酸エチル及びアジピン酸エチ
ル等のエステル系化合物、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン及びオクタノン等のケトン
類、ジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル及びエチ
レングリコールジエチルエーテル等のエーテル系化合物
及びリモネン、ピネン及びテルピネン等のテルペン系化
合物等を挙げることができる。
【0038】又、一般的に、発泡スチロールを溶解する
ことができない溶剤としては、それ自身は発泡スチロー
ルを溶解する作用をほとんど有さず、発泡スチロール処
理用溶剤中において、前記発泡スチロールを溶解可能な
溶剤が溶解した発泡スチロールを速やかにゼリー状ない
しはゲル状に凝集する作用を発現するものをいい、既知
の液状の脂肪族炭化水素、高級アルコール及び高級脂肪
酸を好適に用いることができる。
【0039】具体的には、例えば、脂肪族炭化水素とし
ては、ヘキサン類、ヘプタン類、オクタン類、ノナン
類、デカン類、ウンデカン類、ドデカン類、トリデカン
類、テトラデカン類、ペンタデカン類、ヘキサデカン
類、ヘプタデカン類、オクタデカン類等の炭素数が6〜
18の脂肪族炭化水素、不飽和脂肪族炭化水素及びこれ
らの異性体を挙げることができ、又、高級アルコール類
としては、炭素数が9〜15程度の直鎖アルコール若し
くはこれらの異性体を挙げることができ、高級脂肪酸と
しては、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレ
ン酸、リシノール酸等を挙げることができる。
【0040】勿論、これらの化合物を一種ないしは二種
以上選択し、混合して用いても良く、又、混合した液状
媒体が、少なくとも1気圧、15℃程度の条件下におい
て、液状となるものであれば、更に好適に使用すること
ができる。
【0041】普通、発泡スチロールを溶解可能な溶剤と
発泡スチロールを溶解できない溶剤との配合割合として
は、発泡スチロールを溶解可能な溶剤として選択された
ものの種類や、発泡スチロールを溶解できない溶剤とし
て選択されたものの種類によって、適宜決定されるもの
であり、一概に特定されるものではないが、一般的に
は、前記液状媒体に対する発泡スチロールを溶解できな
い溶剤の配合割合が20〜80重量%のものが好まし
く、更に30〜60重量%が好ましいとされている。
【0042】即ち、液状媒体に対する発泡スチロールを
溶解できない溶剤の配合割合が20重量%以下では、発
泡スチロールが前記液状媒体中に液状に溶解し、ゼリー
状ないしゲル状に処理できない場合が多く、一方、この
割合が80重量%以上では、この発泡スチロール処理用
溶剤の初期の溶解スピードが遅くなり実用的ではない。
【0043】そして、本発明は、前記した如きの発泡ス
チロール処理用剤を発泡スチロールに接触させ、発泡ス
チロールを処理する発泡スチロールの処理方法におい
て、生成したゼリー状ないしゲル状の処理物に施用する
ことにより、当該処理物から発泡スチロール処理用溶剤
の成分を好適に抽出し、スチロール樹脂及び発泡スチロ
ール処理用溶剤を再生せるためのものである。
【0044】以下、本発明を詳細に説明する。
【0045】本発明における発泡スチロール処理用溶剤
の回収液は、発泡スチロールをゼリー状ないしゲル状に
処理した処理物から発泡スチロール処理用溶剤を抽出す
る回収用媒体であって、この回収用媒体は、有機概念図
における無機性値が65以上の官能基を少なくとも1種
以上を一分子内に有する化合物を主成分とするものであ
ることを特徴とする。
【0046】ここで、「有機概念図」とは、一般的な有
機化合物の有機性や無機性を二次元図上に表現したもの
であり、その有機性及び無機性により表された位置は化
合物の物性、特に、静電性又は極性を表示している。
【0047】即ち、有機性のみを持つ化合物は炭化水素
であり、一方、無機性のみを持つ化合物を水として、石
油エーテルと水を溶媒として用い、石油エーテルと水、
つまり有機性と無機性の両極端の溶媒に、有機化合物が
どれくらい溶けて分配されるかを調べ、又沸点への影響
力から、諸種の官能基或いは原子団の無機性値が、水酸
基(−OH)の無機性値を100として見積もられたも
のである(参照:「有機化合物分離法」、第1版、株式
会社裳華房発行、第1〜18頁、1990年6月15日
発行)。
【0048】そして、本発明の発泡スチロール処理用溶
剤の回収液としては、この有機概念図における無機性値
が65以上の官能基を少なくとも1種以上その分子内に
有する化合物を主成分とするものであり、この発泡スチ
ロール処理用溶剤の回収液が、発泡スチロールをゼリー
状ないしゲル状に処理した処理物から、好適に、発泡ス
チロール処理用溶剤の成分を抽出することができるので
ある。
【0049】ここにおいて、「主成分とする」とは、発
泡スチロール処理用溶剤の回収液が、有機概念図におけ
る無機性値が65以上の官能基を少なくとも1種以上そ
の分子内に有する化合物のみからなるものの他、他の成
分、例えば、芳香族や脂肪族の炭化水素、特に、脂肪族
の炭化水素を50重量%程度以下の範囲で使用しても良
いの意味である。
【0050】この無機性値が65以上の官能基をその分
子内に全く有さない化合物では、当該処理物から発泡ス
チロール処理用溶剤の成分を抽出することができないば
かりか、当該処理物の粘着性を増加させ、その取り扱い
性を悪くするため好ましくない。
【0051】 逆に、この無機性値が65以上の官能基
をその分子内に少なくとも1種以上有する化合物にあっ
ては、分子内に存在するその他の官能基にかかわらず、
当該処理物から発泡スチロール処理用溶剤の成分を抽出
することができるのである。
【0052】従って、本発明の発泡スチロール処理用溶
剤の回収液としては、有機概念図における無機性値が6
5以上の官能基を少なくとも1種以上その分子内に有す
る化合物を主成分とするものが好ましく、中でも、入手
の容易さや化合物の安定性等、又、スチロール樹脂から
の抽出効果及び、スチロール樹脂や発泡スチロール処理
用溶剤との相溶性や相性を鑑みて、無機性値が65〜2
50程度のものが好ましく、更に、無機性値が65〜2
00程度のものが好ましいのである。
【0053】一般的には、本発明の発泡スチロール処理
用溶剤の回収液としては、例えば、水酸基(−OH、無
機性値100)、カルボキシル基(−COOH、無機性
値150)、ケトン基(>CO、無機性値65)、アル
デヒド基(−CHO、無機性値65)、及びアミノ基
(−NH2、−NHR、及び−NR2、無機性値70)
から選ばれた官能基を少なくとも1種以上を一分子内に
有する化合物が好ましいのである。
【0054】具体的には、例えば、メチルアルコール、
エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコ
ール、ペンチルアルコール、へキシルアルコール、へプ
チルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコー
ル及びデシルアルコール、ラウリルアルコール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類
や、アセトン、ジメチルケトン、エチルメチルケトン等
のケトン類や、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒ
ド等のアルデヒド類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプロン酸、ラ
ウリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、や
し油脂肪酸、ひまし油脂肪酸等の脂肪酸類、ジ−n−プ
ロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、シクロヘキ
シルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン等のアミン類を挙げることができ、その他、γ−アミ
ノ酪酸、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等を挙げることができ、勿論これらの
化合物の異性体も好適に用いることができるのであり、
又、これらの化合物から選ばれた1種ないしは2種以上
を混合して用いることもでき、更に、これらの化合物か
ら選ばれた1種ないしは2種以上を順次用いることもで
きる。
【0055】なかでも、本発明の発泡スチロール処理用
溶剤の回収液としては、沸点が、1気圧下で150℃以
下であるものが好ましく、特に100℃以下であるもの
が更に好ましい。
【0056】この理由としては、本発明においては、沸
点が1気圧で150℃以上のものであっても、好適に処
理物から発泡スチロール処理用溶剤を抽出することがで
きるが、このような高沸点のものを発泡スチロール処理
用溶剤の回収液として用いると、処理物から発泡スチロ
ール処理用溶剤の成分を抽出した後の抽出液から発泡ス
チロール処理用溶剤の成分を蒸留して分離する手段を選
択した場合にあっては、少なくとも150℃以上もの高
温で蒸留しなければならず、蒸留のためのエネルギーコ
ストが多大なものとなるばかりか、このような高温で蒸
留する結果、発泡スチロール処理用溶剤の成分が変質し
てしまう恐れがあるため好ましくないのである。
【0057】従って、本発明の発泡スチロール処理用溶
剤の回収液としては、上記列記した如き化合物の中から
沸点が、1気圧の条件下で150℃以下のものを選択し
て用いることが好ましいのであるが、この場合、一般的
に直鎖化合物よりも、分子内で枝分かれ構造を有する化
合物の方が、比較的沸点が低くなるためこのような化合
物(側鎖化合物)を選択して用いることが特に好まし
い。
【0058】本発明の発泡スチロール処理用溶剤の回収
液を用いて、ゼリー状ないしゲル状に処理された処理物
から発泡スチロール処理用溶剤の成分を抽出・回収し、
発泡スチロール処理用溶剤を再生する発泡スチロール処
理用溶剤の再生方法は、前記目的を達成するために、上
述の発泡スチロール処理用溶剤の回収液を、ゼリー状な
いしはゲル状に処理された後の処理物に施用して、当該
処理物から発泡スチロール処理用溶剤の成分を抽出し、
この抽出液から発泡スチロール処理用溶剤を再生するも
のである。
【0059】又、本発明の発泡スチロール処理用溶剤の
回収液を用いて、ゼリー状ないしゲル状に処理された処
理物から発泡スチロール処理用溶剤の成分を抽出・回収
し、スチロール樹脂を再生するスチロール樹脂の再生方
法は、前記目的を達成するために、上述の発泡スチロー
ル処理用溶剤の回収液を、ゼリー状ないしはゲル状に処
理された後の処理物に施用して、当該処理物から発泡ス
チロール処理用溶剤の成分を抽出した後、スチロール樹
脂を再生するものである。
【0060】即ち、本発明の発泡スチロール処理用溶剤
の再生方法、及びスチロール樹脂の再生方法は、本発明
の前記発泡スチロール処理用溶剤の回収液を処理物に散
布したり、浸漬したりするものであり、この結果、当該
処理物中に含まれる発泡スチロール処理用溶剤の成分を
好適に抽出することができるのである。
【0061】更に詳しくは、発泡スチロール処理用溶剤
を包含する処理物と、本発明の発泡スチロール処理用溶
剤の回収液とを接触させると、処理物内の発泡スチロー
ル処理用溶剤と、本発明の発泡スチロール処理用溶剤の
回収液とが交換される結果、発泡スチロール処理用溶剤
の回収液中には発泡スチロール処理用溶剤が抽出され、
一方、ゲルには、その分、発泡スチロール処理用溶剤の
回収液が包含されることになる。
【0062】この操作を数回繰り返すか、若しくは、発
泡スチロール処理用溶剤の回収液を処理物の量に対して
比較的多量に施用することにより、発泡スチロール内に
包含されていた発泡スチロール処理用溶剤はほぼ完全に
抽出されることになり、一方、処理物中には、発泡スチ
ロール処理用溶剤に替わって、発泡スチロール処理用溶
剤の回収液が包含されることになる。
【0063】又、この操作中においては、炭素数5〜8
程度の炭化水素、例えば、ヘキサンやヘプタン等の低沸
点パラフィンを、上記回収液と交互に用いて抽出した
り、或いは発泡スチロール処理用溶剤の回収液として、
これらの低沸点パラフィンを混合したものを用いると、
更に好適に発泡スチロール内に包含されていた発泡スチ
ロール処理用溶剤を抽出することができる。
【0064】 そして、発泡スチロール処理用溶剤を再
生させるためには、抽出した後の発泡スチロール処理用
溶剤の回収液を蒸留等の既知の手段によって分離すれば
よく、一方、スチロール樹脂を再生させるためには、新
たに発泡スチロール処理用溶剤の回収液が包含されるこ
ととなった処理物を、発泡スチロール処理用溶剤の沸点
以上の温度で加温処理等すれば、スチロール樹脂が再生
されるのである。
【0065】この場合において、発泡スチロール処理用
溶剤の回収液として、比較的沸点の低いものを用いれ
ば、比較的低温で蒸留等することができるため、省エネ
ルギーで、且つ、発泡スチロール処理用溶剤の成分の変
質等がないため好ましいのである。
【0066】
【作用】本発明の発泡スチロール処理用溶剤の回収液
は、ゼリー状ないしはゲル状に処理された処理物から発
泡スチロール処理用溶剤を好適に抽出するための回収用
媒体であり、この回収用媒体は、有機概念図における無
機性値が65以上の官能基を少なくとも1種以上その分
子内に有する化合物を主成分とすることを特徴とするも
のであり、処理物中に含まれる発泡スチロール処理用溶
剤の成分を、迅速、簡便、且つ効率(収率)がよく、し
かも安価・省エネルギーで抽出・回収することができる
極めて優れた発泡スチロール処理用溶剤の回収液であ
る。
【0067】即ち、本発明における発泡スチロール処理
用溶剤の回収液は、有機概念図における無機性値が65
以上の官能基を少なくとも1種以上その分子内に有する
化合物を主成分とすることを特徴とするものであり、ゼ
リー状ないしゲル状に処理された処理物に接触させるだ
けで、当該処理物中に含まれる発泡スチロール処理用溶
剤の成分を迅速、簡便、且つ効率(収率)よく抽出する
ことができる作用を有するのである。
【0068】又、本発明の発泡スチロール処理用溶剤の
回収液において、抽出された発泡スチロール処理用溶剤
の成分は、この抽出液を、当該発泡スチロール処理用溶
剤の回収液の沸点以上で蒸留等することによって、容易
に当該発泡スチロール処理用溶剤の回収液と分留するこ
とができるため、非常に安価で且つ省エネルギーで再生
することができる作用を有するのである。
【0069】更に、本発明の発泡スチロール処理用溶剤
の回収液として、沸点の比較的低いもの、例えば、1気
圧下で150℃以下のものを用いた場合にあっては、前
記蒸留等するための温度が比較的低温で充分となり、更
に省エネルギーで発泡スチロール処理用溶剤を再生する
ことができるばかりか、発泡スチロール処理用溶剤の成
分を変質させる恐れがないといった優れた作用も奏する
のである。
【0070】加えて、抽出液を蒸留する場合、気化・蒸
発した本発明の発泡スチロール処理用溶剤の回収液は、
冷却・液化することにより再び発泡スチロール処理用溶
剤の回収液として使用することができるといった作用も
有するのである。
【0071】又、本発明における発泡スチロール処理用
溶剤の再生方法、及びスチロール樹脂の再生方法は、前
記発泡スチロール処理用溶剤の回収液を処理物に散布し
たり、浸漬したりして、当該処理物から発泡スチロール
処理用溶剤の成分を抽出する方法であり、この結果、処
理物中に含まれる発泡スチロール処理用溶剤の成分やス
チロール樹脂を、迅速、簡便、且つ効率(収率)がよ
く、しかも安価・省エネルギーで抽出・回収することが
できる作用を有するのである。
【0072】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明の発泡スチロ
ール処理用溶剤の回収液、これを用いた発泡スチロール
処理用溶剤の再生方法、及びこれを用いたスチロール樹
脂の再生方法を説明するが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0073】・発泡スチロール処理用溶剤 発泡スチロール処理用溶剤として、ジエチレングリコー
ルジエチルエーテル(EDE)45重量%と日本石油化
学(株)社製のノルマルパラフィンL55重量%とを加
え、均一に攪拌したものを用いた(無色・無臭、沸点約
200℃)。 ・処理物の作成 前記の発泡スチロール処理用溶剤をガラス製のビーカー
に300g採取し、これに発泡スチロールを300g投
入することによって、当該発泡スチロール処理用溶剤を
包含したゲル状の処理物を得た。
【0074】実施例1 ・発泡スチロール処理用溶剤の再生 発泡スチロール処理用溶剤の回収液としてのメタノール
(無機性100、沸点約65℃)をガラス製のビーカー
に200g採取し、これに前記の処理物60gを秤量し
たものを投入し、ガラス棒で処理物を押しつぶしながら
攪拌することによって、発泡スチロール処理用溶剤の回
収液中に発泡スチロール処理用溶剤の成分を抽出し、抽
出液を得た。 ・スチロール樹脂の再生 次いで、抽出後の処理物をピンセットで前記抽出液から
取り出し、この処理物の表面を発泡スチロール処理用溶
剤の回収液としてのメタノール(50g)で洗浄した。
なお、デッドボリュームを極力減らすために、洗浄の
際、洗浄後の発泡スチロール処理用溶剤が前記ビーカー
内で抽出液と混合するようにおこなった。
【0075】実施例2 発泡スチロール処理用溶剤の回収液としてエタノール
(無機性100、沸点約78℃)を用いた以外は実施例
1と同様にして、発泡スチロール処理用溶剤の再生及び
スチロール樹脂の再生に供した。
【0076】実施例3 発泡スチロール処理用溶剤の回収液として、酢酸(無機
性150、沸点約120℃)を用いた以外は実施例1と
同様にして、発泡スチロール処理用溶剤の再生及びスチ
ロール樹脂の再生に供した。
【0077】実施例4 発泡スチロール処理用溶剤の回収液として、アセトン
(無機性65、沸点約120℃)を用いた以外は実施例
1と同様にして、発泡スチロール処理用溶剤の再生及び
スチロール樹脂の再生に供した。
【0078】実施例5 発泡処理用溶剤の回収液として、メタノール(無機性1
00、沸点約65℃)70重量%と、n−ヘキサン(無
機性0、沸点69℃)30重量%の混合溶液を用いた以
外は実施例1と同様にして、発泡スチロール処理用溶剤
の再生及びスチロール樹脂の再生に供した。
【0079】各実施例で得られた抽出液及び抽出後の処
理物を、それぞれホットプレート上で加温することによ
って、発泡スチロール処理用溶剤の回収液を蒸発させた
ところ、各実施例全てにおいて、抽出液からは無色・無
臭の液体を回収することができ、処理物からは乾燥した
樹脂を回収することができた。
【0080】この試験結果と、この回収した液体及び樹
脂の分析結果を表1に示す。
【0081】表1に示す結果より、各実施例の発泡スチ
ロール処理用溶剤の回収液を用いることによって、比較
的低温条件下(150℃以下)で発泡スチロール処理用
溶剤及びスチロール樹脂を、ほぼ完全に回収・再生する
ことができることが確認された。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】本発明の発泡スチロール処理用溶剤の回
収液は、ゼリー状ないしはゲル状に処理された発泡スチ
ロール樹脂(処理物)から発泡スチロール処理用溶剤を
好適に抽出するための回収用媒体であり、この回収用媒
体は、有機概念図における無機性値が65以上の官能基
を少なくとも1種以上その分子内に有する化合物を主成
分とすることを特徴とするものであり、処理物中に含ま
れる発泡スチロール処理用溶剤の成分を、迅速、簡便、
且つ効率(収率)がよく、しかも安価・省エネルギーで
抽出・回収することができる極めて優れた発泡スチロー
ル処理用溶剤の回収液である。
【0084】即ち、本発明における発泡スチロール処理
用溶剤の回収液は、有機概念図における無機性値が65
以上の官能基を少なくとも1種以上その分子内に有する
化合物を主成分とすることを特徴とするものであり、ゼ
リー状ないしゲル状に処理されたスチロール樹脂(処理
物)に接触させるだけで、当該処理物中に含まれる発泡
スチロール処理用溶剤の成分を迅速、簡便、且つ効率
(収率)よく抽出することができる効果を有するのであ
る。
【0085】又、本発明の発泡スチロール処理用溶剤の
回収液において、抽出された発泡スチロール処理用溶剤
の成分は、この抽出液を、当該発泡スチロール処理用溶
剤の回収液の沸点以上で蒸留等することによって、容易
に当該発泡スチロール処理用溶剤の回収液と分留するこ
とができるため、非常に安価で且つ省エネルギーで再生
することができる効果を有するのである。
【0086】更に、本発明の発泡スチロール処理用溶剤
の回収液として、沸点の比較的低いもの、例えば、1気
圧下で150℃以下のものを用いた場合にあっては、前
記蒸留等するための温度が比較的低温で充分となり、更
に省エネルギーで発泡スチロール処理用溶剤を再生する
ことができるばかりか、発泡スチロール処理用溶剤の成
分を変質させる恐れがないといった優れた効果も奏する
のである。
【0087】加えて、抽出液を蒸留する場合、気化・蒸
発した本発明の発泡スチロール処理用溶剤の回収液は、
冷却・液化することにより再び発泡スチロール処理用溶
剤の回収液として使用することができるといった効果も
有するのである。
【0088】又、本発明における発泡スチロール処理用
溶剤の再生方法、及びスチロール樹脂の再生方法は、前
記発泡スチロール処理用溶剤の回収液を処理物に散布し
たり、浸漬したりして、当該処理物から発泡スチロール
処理用溶剤の成分を抽出する方法であり、この結果、処
理物中に含まれる発泡スチロール処理用溶剤の成分やス
チロール樹脂を、迅速、簡便、且つ効率(収率)がよ
く、しかも安価・省エネルギーで抽出・回収することが
できる効果を有するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D056 AB17 AC05 AC06 AC07 AC08 AC09 AC11 BA03 CA15 CA17 CA18 CA39 4F301 AA15 AB01 CA03 CA09 CA14 CA41

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡スチロールに対して、発泡スチロー
    ル処理用溶剤を接触させることによりゼリー状ないしゲ
    ル状に処理した処理物から、前記発泡スチロール処理用
    溶剤の成分を抽出・回収するための回収用媒体であっ
    て、この回収用媒体は有機概念図における無機性値が6
    5以上の官能基を少なくとも1種以上を一分子内に有す
    る化合物を主成分とすることを特徴とする発泡スチロー
    ル処理用溶剤の回収液。
  2. 【請求項2】 回収用媒体が、水酸基、カルボキシル
    基、ケトン基、アルデヒド基又はアミノ基から選ばれた
    官能基を少なくとも1種以上を一分子内に有する化合物
    を主成分とするものである請求項1に記載の発泡スチロ
    ール処理用溶剤の回収液。
  3. 【請求項3】 回収用媒体の沸点が、1気圧下で150
    ℃以下である請求項1又は2に記載の発泡スチロール処
    理用溶剤の回収液。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の発泡スチロール処理用溶剤の回収液を用いて、ゼリー
    状ないしゲル状に処理された処理物から発泡スチロール
    処理用溶剤の成分を抽出・回収し、発泡スチロール処理
    用溶剤を再生することを特徴とする発泡スチロール処理
    用溶剤の再生方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の発泡スチロール処理用溶剤の回収液を用いて、ゼリー
    状ないしゲル状に処理された処理物から発泡スチロール
    処理用溶剤の成分を抽出・回収し、スチロール樹脂を再
    生することを特徴とするスチロール樹脂の再生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003095541A1 (fr) * 2002-05-14 2003-11-20 Shigenobu Hamano Solvant permettant de traiter la resine de polystyrene et procede de traitement de la resine de polystyrene au moyen de ce solvant
KR20210110956A (ko) * 2020-03-02 2021-09-10 대웅수지 주식회사 폐 발포 폴리스티렌으로부터 폴리스티렌을 분리하는 방법

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WO2003095541A1 (fr) * 2002-05-14 2003-11-20 Shigenobu Hamano Solvant permettant de traiter la resine de polystyrene et procede de traitement de la resine de polystyrene au moyen de ce solvant
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KR102385135B1 (ko) 2020-03-02 2022-05-18 대웅수지 주식회사 폐 발포 폴리스티렌으로부터 폴리스티렌을 분리하는 방법

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