JP2002068928A - 化粧料および基礎化粧品 - Google Patents
化粧料および基礎化粧品Info
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Abstract
色無臭でかつ安価な化粧料および基礎化粧品を提供す
る。 【解決手段】 C4オレフィン重合体の水素添加処理物
を含む化粧料において、上記水素添加処理物は、13C
−NMR測定において検出される7〜60ppmのシグナ
ルの積分値に対する第三級炭素原子のシグナルの積分値
の割合が0.08未満であり、かつ20、24、28お
よび32からなる群から選ばれる少なくとも1種の炭素
数を有するものが主成分であることを特徴とする化粧
料、およびそれを用いた基礎化粧品。
Description
有するブテンポリマーの水素添加処理物を含み、酸化安
定性と低皮膚刺激性に優れ、さらに無色、無臭、安価な
どの特徴を有し、特に基礎化粧品として使用するための
優れた特性を有する化粧料に関するものである。
00゜F(37.8℃)において15〜35cStの動粘
度を有する水素添加処理されたC4オレフィン重合体か
らなる化粧品用合成油を配合した化粧品用組成物が開示
され、その特性として、無臭、安価、動物や人に対する
低刺激性、貯蔵安定性などが挙げられている。しかし、
上記C4オレフィン重合体は、C4オレフィンがイソブ
チレン、n−ブテン、2−ブテン等を含むスペントC4
留分であるので、たとえ、後蒸留や水素添加処理を行
い、粘度に対し100゜F(37.8℃)において15
〜35cSt等の規格を設定しても、(1)第三級炭素原
子を分子内に含む構造となるために酸化安定性に劣り、
また(2)重合反応中に重合物から炭素原子が脱離する
副反応が起こるので、C4オレフィン重合体の炭素数は
4の倍数のみではなく、沸点が隣接した種々の炭素数の
重合体の混合物となるため蒸留による特定分子量成分の
精製分離が困難であり、酸化安定性に劣る成分や皮膚刺
激性を有する炭素数19以下の成分を完全に除去できな
いなどの点で改善の余地がある。
品用合成油を配合した化粧品用組成物が、皮膚刺激性を
示す成分を全く含まず、長期保存や屋外使用において安
定であることという要求に応えることは困難である。特
に、基礎化粧品の化粧料として使用する場合に、この欠
点は大きな問題となる。
について鋭意検討を行った結果、化粧品用組成物に含ま
れる水素添加処理されたC4不飽和化合物の重合体の分
子量(分布)、化学構造、使用する原料、重合方法等を
特定のものに限定することにより、酸化安定性が優れて
いる上に酸化劣化速度が非常に遅く、皮膚刺激性を示す
成分を全く含まず、無色かつ無臭で、安価な化粧品用組
成物が得られることを見出し、本発明を完成した。すな
わち、本発明の第1は、C4オレフィン重合体の処理品
を含む化粧料において、上記水素添加処理物は、13C−
NMR測定において検出される7〜60ppmのシグナル
の積分値に対する第三級炭素原子のシグナルの積分値の
割合が0.08未満であり、かつ20、24、28およ
び32からなる群から選ばれる少なくとも1種の炭素数
を有するものが主成分であることを特徴とする化粧料に
関するものである。本発明の第2は、本発明の第1にお
いて、C4オレフィン重合体が、重合触媒として含フッ
素化合物を用いイソブテン単独またはイソブテンを含む
C4モノオレフィン類を重合してなり、かつ上記重合体
の60モル%以上が末端ビニリデン構造を有することを
特徴とする化粧料に関する。本発明の第3は、本発明の
第1または第2において、C4オレフィン重合体のフッ
素含有量が10ppm以下であることを特徴とする化粧料
に関する。本発明の第4は、本発明の第1から第3のい
ずれかにおいて、炭素数24および/または28の水素
添加処理物を主成分とすることを特徴とする化粧料に関
する。本発明の第5は、本発明の第1から第3のいずれ
かにおいて、炭素数20および/または24の水素添加
処理物を主成分とすることを特徴とする化粧料に関す
る。本発明の第6は、本発明の第1から第5のいずれか
に記載の化粧料を用いてなる基礎化粧品に関するもので
ある。
本発明に係るC4不飽和化合物の重合体は、20、2
4、28および32からなる群から選ばれる少なくとも
1種の炭素数を有するものが主成分であり、かつ、その
水素添加処理したものは、13C−NMR測定において検
出される7〜60ppmのシグナルの積分値に対する第三
級炭素原子のシグナルの積分値の割合が0.08未満で
ある。(以下「ブテンオリゴマー水素化物」という。)
13C−NMR測定において検出される7〜60ppmのシ
グナルの積分値に対する第三級炭素原子のシグナルの積
分値の割合とは、例えば、以下の手順で求めることがで
きる。装置は400MHz NMR(日本電子(株)製)を使用
し、内径5mmのNMR試料管に、分析試料:重クロロホ
ルム=40:60(重量)の混合溶液を入れて測定サン
プルとした。第三級炭素原子はDEPT測定により決定
した。トリメチルシラン(TMS)を0ppmとして、7
〜60ppmのシグナルの積分値を求め、下記式により第
三級炭素原子の含有割合を計算した。 (第三級炭素原子の含有割合)=(第三級炭素原子のシグ
ナルの積分値)/(7〜60ppmのシグナルの積分値) 本発明の効果を得るためには、この値が0.08未満で
あることが必須である。第三級炭素原子のシグナルの積
分値の割合が0.08未満ということは、本発明のブテ
ンオリゴマー水素化物の炭素数が例えば20または24
である場合には、熱や紫外線などのエネルギーに対して
不安定なために分解や酸化などを起こしやすい第三級炭
素原子を1モルあたり2個以上含まないことを意味す
る。その結果、本発明のブテンオリゴマー水素化物は、
優れた酸化安定性を示す。
は、例えば、イソブテン単独あるいは石油、ナフサ、ブ
タンなどの熱分解により生成するC4留分からブタジエ
ンを除いたブタジエンラフィネートを含フッ素系触媒で
重合してブテンポリマーとし、これに含まれるオリゴマ
ー成分を水素化して得ることができる。この方法で得ら
れる本発明に係るブテンポリマーの炭素数は、重合反応
中に炭素原子が脱離する副反応が起こらないので、すべ
て4n(n≧2、nは自然数)で表わされる。そのた
め、特別な装置や技術を使用せず、蒸留により特定の分
子量のものを精製分離することができる。したがって、
本発明のブテンオリゴマー水素化物は、皮膚刺激性を示
す炭素数19以下の成分を全く含まないので、前述の通
り酸化安定性に優れ、酸化劣化速度が遅い上に、皮膚刺
激性を示さないという特徴を有する。
方法をさらに詳しく説明する。まず第三級炭素原子が少
ない炭素数4n(n≧2、nは自然数)のブテンポリマ
ーを得るために、反応器を備えた重合帯域(反応帯域)
にイソブテン単独あるいはイソブテンを含むC4留分を
供給し、含フッ素系触媒を用いて重合を行う。重合反応
器としては、撹拌型あるいはループ型などを任意に選択
することができ、また反応器を複数個設けてもよい。
エチレンプラントにおいてナフサ、灯油、軽油、ブタン
などのクラッカーから得られるC4留分からブタジエン
を除いたブタジエンラフィネートを使用することができ
る。このブタジエンラフィネートは1−ブテン、2−ブ
テン、イソブテン、ブタン類からなる炭化水素混合物で
あり、さらに詳しくは、1−ブテンを約10〜40重量
%、2−ブテンを約1〜40重量%、イソブテンを約3
5〜70重量%、ブタジエンを約0.5重量%以下、お
よびブタン類を約10〜30重量%含むものである。こ
の組成範囲にあれば他のモノマーは特に限定されず、流
動接触分解(FCC)装置からの分解成分などに含まれ
るC4留分でもよい。
フィネートを使用してもよい。例えば蒸留で組成を変更
したり、イソブテンを追加してイソブテン濃度を増大さ
せ、または接触ヒドロ異性化等の反応により1−ブテン
濃度を低減するなど化学的あるいは物理的操作により変
更することができる。いずれの場合も、イソブテン含有
量が多いほうが好ましく、重合原料中の水分は触媒の活
性を阻害するので通常10ppm以下に調整する。
が好ましい。含フッ素系触媒としては、三フッ化ホウ素
系触媒の他、二価ニッケル化合物をハロゲン化ヒドロカ
ルビルアルミニウムおよびトリフルオロ酢酸と接触させ
て得られる触媒、例えばニッケル・ヘプタノエートとジ
クロロエチルアルミニウムおよびトリフルオロ酢酸との
相互作用で形成されたもの等が挙げられる。この二価ニ
ッケル系含フッ素系触媒は、特開昭57−837626
号公報において提案されている。
を用いるが、さらに好ましくは含酸素化合物を錯化剤と
する錯体触媒として用いる。三フッ化ホウ素の錯化剤と
して好ましいものは、水、アルコール類、ジアルキルエ
ーテル類であり、これらは単独でも適当な割合で混合し
て使用してもよい。アルコール類としては、炭素数1〜
21の脂肪族あるいは芳香族アルコールが適当である。
炭化水素基は直鎖状、分岐状、脂環式、あるいは環を含
むものでもよい。具体的には、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、n−ブタノール、ペンタノール、ヘ
キサノール、ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノ
ナノール、デカノール、ベンジルアルコール、1,4−
ブタンジオールなどが挙げられる。ジアルキルエーテル
類としては、炭素数1〜20の脂肪族あるいは芳香族の
同一または異なる炭化水素基を持つジアルキルエーテル
が好ましい。炭化水素基は直鎖状、分岐状、脂環式、あ
るいは環を含むものでもよい。具体的には、ジメチルエ
ーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、メ
チルプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジプ
ロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルブチルエー
テル、エチルブチルエーテル、プロピルブチルエーテ
ル、ジペンチルエーテル、フェニルメチルエーテル、フ
ェニルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、シクロヘ
キシルメチルエーテル、シクロヘキシルエチルエーテル
等が挙げられる。
lに対し、0.03〜1,000mmolが好ましい。0.
03mmolより少ないと反応が進行し難く、1,000mm
olより多いと異性化や転化などの副反応が起こるので好
ましくない。触媒供給量はイソブテン1molに対し、三
フッ化ホウ素として0.1〜500mmolが適当である。
触媒供給量が0.1mmol未満では触媒量が少ないため反
応が進行し難く、500mmol より多いと触媒コストが
増大し、経済的でないために好ましくない。
製する。例えば、あらかじめ室温以下に冷却した錯化剤
に冷却しながらガス状の三フッ化ホウ素を所定量吹き込
んで調製する。または、触媒と錯化剤を別々に反応系内
に供給し、系内で錯体を形成させてもよい。重合反応温
度は、−100〜50℃が好ましく、さらに好ましくは
−50〜20℃である。温度が低すぎるとイソブテンの
転化率が低くなり、高すぎると異性化や転位反応などの
副反応が起こるため、いずれも好ましくない。
用いることも可能である。しかしながら、工業生産の場
合には連続式のほうが経済的でありかつ効率がよいの
で、以下、連続式の例について説明する。連続式では原
料と触媒の接触時間が重要であり、本発明においては5
分〜4時間が好ましい。接触時間が5分未満では十分な
イソブテンの転化率が得られず、4時間以上では経済的
損失が大きい上に、異性化や転位反応などの副反応が促
進されるので、いずれも好ましくない。重合反応液につ
いては、適当な失活剤、例えば水、アルカリ水、アルコ
ールなどを用いて触媒を失活させる。その後、中和およ
び水洗浄を行って有機層から触媒を除去した後、蒸留に
より未反応C4成分を除去する。上記の方法で製造した
ブテンポリマーは、第三級炭素原子が少なく、ポリマー
中の不飽和結合の60%以上がビニリデン構造であり、
炭素数はすべて4n(n≧2、nは自然数)で表わされ
る。
する残留フッ素がフッ素原子換算で1ppm以上、場合に
よっては数百ppm含まれている。この残留フッ素は、常
法により失活およびそれに続く水洗を行っても除去する
ことが困難な有機フッ素であり、フッ化水素となって装
置を腐食させたり、後続の水素化反応においては触媒毒
として反応を阻害する。したがって、ブテンポリマー中
のフッ素濃度は10ppm以下が好ましい。
接触させてフッ素化合物の除去を行う。フッ素化合物中
のフッ素原子はアルミニウムを含む処理剤中に固定され
て除去される。フッ素化合物を除去する具体的な方法に
ついては、特許(国際出願番号 PCT/JP00/0
1036)に詳しく示されている。この方法で脱フッ素
処理を行うことにより、ブテンポリマー中のフッ素濃度
は10ppm以下に減少する。
ることにより炭素数36以下のブテンオリゴマーを得
る。ブテンオリゴマーの量はブテンポリマーに対して5
〜30%である。上記の蒸留で得たブテンオリゴマー
は、ポリマー末端に二重結合を持つために化学的に不安
定である。そこで水素化反応を行い飽和炭化水素とし
て、酸化による皮膚刺激性物質の生成および臭気の発生
や変色を防ぐ。水素化反応は金属触媒の存在下、高温で
水素と反応させることによって行う。金属触媒としては
白金属、ニッケル属、例えば銅、ニッケル、パラジウ
ム、白金などを1種のみまたは2種以上を組み合わせて
用いる。またこれらの金属をケイソウ土、アルミナ、シ
リカなどの担体に付着させて用いてもよい。反応形式は
連続式でも回分式でもよく、反応条件としては、温度が
65〜250℃、水素圧が常圧〜100kgf/cm2(9.
8MPa)であり、触媒量はブテンオリゴマーに対する金
属量として、0.00015〜1.0重量%が好まし
い。水素化反応が進行したか否かの確認はヨウ素価測定
により行い、ヨウ素価が1.0g-I/100g未満になればよ
い。水素化したブテンオリゴマーを適宜に蒸留し、留出
温度145〜160℃/6〜7mmHg(8.0〜9.3hP
a)の留分を得る。これをガスクロマトグラフィー(キ
ャピラリカラム:HT−5、12m、温度30〜250
℃、5℃/minで昇温)により分析すると、炭素数20の
ものが95%以上を占める。また、蒸留塔底の残留物を
同様にガスクロマトグラフィーで分析すると、炭素数2
4および28のものが70%以上含まれている。
は24ならびに炭素数24および/または28のブテン
オリゴマーは、本発明の化粧料として各種化粧用組成物
に使用することができ、その配合量は、具体的な目的に
応じて決定される。特に、基礎化粧品に配合されると
き、その効果が最も効果的に発揮される。基礎化粧品を
例示すれば、化粧水(清浄用化粧水、収斂用化粧水、柔
軟性化粧水、多層状化粧水)、クリーム類(バニシング
クリーム、モイスチャークリーム、アイクリーム、クレ
ンジングクリーム、マッサージクリーム、エモリエント
クリーム、ナリシングクリーム、ナイトクリーム、ベー
スクリーム、リップクリーム)、乳液類(クレンジング
ローション、ハンドローション、ボディローション、エ
モリエントローション、ミルキーローション、ナリシン
グローション、モイスチャーローション、サンタンロー
ション、クレンジングミルク等)、パック(ピールオフ
パック、粉末パック、ウォッシングパック、オイルパッ
ク、ワックスパック等)、石鹸(化粧石鹸、透明石鹸、
薬用石鹸、液状石鹸、紙石鹸、髭剃り石鹸等)、ボディ
ーシャンプー、洗顔クリームなどが挙げられる。また、
基礎化粧品以外に口紅、アイシャドー、ファンデーショ
ン、ヘアクリームなどにも用いられる。
発明は以下の具体例に限定されるものではない。 <実施例1> 化粧品用油(1) (1)ブテンオリゴマーの製造 イソブテンを含むブタジエンラフィネート(エチレンク
ラッカーからのブタジエン抽出残分)を原料に用いた。
ガスクロマトグラフィーによる原料の組成は以下の通り
である(重量%)。 内容積4Lの連続式重合装置に原料を4L/hの流量で送入
し、三フッ化ホウ素を原料中のオレフィン1molに対し
8.27mmol供給した。ジエチルエーテルおよびエタノ
ールを、三フッ化ホウ素に対するモル比がそれぞれ1.
00および0.03となるように別々に供給した。反応
器内を−10℃に維持しながら重合反応を行った結果、
イソブテンの転化率は95%であった。続いて反応液に
2%水酸化ナトリウム水溶液を入れて錯体触媒の失活お
よび中和を行い、さらに有機層を脱イオン水で3回洗浄
し、乾燥を行って未反応C4成分を蒸留により回収し
た。13C−NMRにより求めた不飽和結合中のビニリデ
ン骨格含有率は94mol%であった。
燥した活性アルミナ(商品名:PSG−D25、PROCAT
ALYSE社製)を粉砕して粒径0.5mmから1.4mmに分
級したものを充填した。固定床温度を170℃、WHS
Vを1h-1として、上記(1)に記載のブテンポリマー
を接触させ、脱ハロゲン処理を行った。処理後のWickbo
ld−比色法により求めた残留フッ素濃度は、1ppm以下
であった。
真空ポンプおよび窒素線を接続した内容積10Lの回分
式蒸留装置に仕込んだ。塔底を220℃まで加熱し、2
mmHg(2.7hPa)の減圧下で留出するブテンオリゴマ
ーを回収した。回収量は1,700gであった。
オリゴマー3,068gおよび5%Pd−アルミナ触媒
153gを仕込み、高純度水素を用いて圧力50kgf/cm
2(4.9MPa)まで昇圧し、200℃で3時間反応を行
った。反応の進行により圧力が減少した場合は、その都
度高純度水素で所定の圧力まで昇圧を行った。反応終了
後、反応液を吸引ろ過することにより触媒を除去した。
反応後におけるブテンオリゴマー水素化物のヨウ素価は
1.0g-I/100g未満であり、また13C−NMR測定にお
いて反応前に見られたオレフィンを示すピークはすべて
消失していた。以上の結果により、水素化反応が進行し
たことを確認した。
留装置に、ブテンオリゴマー水素化物4,410gおよ
びフラックス油として前記(3)においてブテンオリゴ
マーを回収した残部のブテンポリマー2,446gを仕
込み、減圧蒸留を行った。その結果、留出温度142〜
152℃/9mmHg(12.0hPa)の無色、無臭の液体
を1,316g得た。このオリゴマー水素化物は、ガス
クロマトグラフィーにより分析した結果、炭素数がすべ
て20であり、13C−NMRにより求めた第三級炭素原
子の割合が0.051であった。また25℃における動
粘度は13.2cStであった。
ンポリマーの脱フッ素処理、ブテンオリゴマーの回収お
よびブテンオリゴマーの水素化を行った。ブテンオリゴ
マー水素化物の精製においては、実施例1の場合と同じ
装置を用い、ブテンオリゴマー水素化物を7,263g
仕込み、減圧蒸留を行った。留出温度142〜152℃
/9mmHg(12.0hPa)の成分が留出した時点で蒸留
を停止した。蒸留塔底に残ったブテンオリゴマー水素化
物をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、炭
素数24および28の化合物の含有量は79.3%であ
り、 13C−NMRにより求めた第三級炭素原子の含有
割合は0.044であった。
ガス導入管およびガス排気管を備えた重合用フラスコ内
部を乾燥窒素で十分に置換し、実施例1に示したブタジ
エンラフィネート198gを仕込んだ。−20℃まで冷
却し、塩化アルミニウム粉末1.0gを添加して重合を
開始した。温度を−20〜0℃に保ちながら1時間重合
を行った。重合終了後、5%水酸化ナトリウム水溶液を
加えて触媒を失活させ、未反応C4成分を留去し、ブテ
ンポリマー45gを得た。このブテンポリマーの13C−
NMRによる不飽和結合中のビニリデン骨格含有率は0
であった。以降の工程は実施例1と同様に行い、炭素数
16〜35のブテンオリゴマー水素化物を得た。このブ
テンオリゴマー水素化物は、13C−NMRにより求めた
第三級炭素原子の割合が0.121であり、また25℃
における動粘度は20.7cStであった。実施例1および
比較例1のブテンオリゴマー水素化物について、ガスク
ロマトグラフィーにより求めた炭素数の組成を表1に示
す。
化物は炭素数20のものが100mol%であったが、比
較例1では炭素数20以外の成分が4割以上含まれてい
た。
加熱試験を行った。各試料それぞれ50gを150℃に
加熱し、空気を流量0.21〜0.24L/hで6時間吹
き込んだ。加熱前後の過酸化物価および酸価を測定した
結果を表2に示す。
較例1のものよりも過酸化物価および酸価が低いので、
酸化安定性が高いことが分る。
本油化学会協会の制定による基準油脂分析試験法2.5.1.
2 CDM(Conductometric Determination Method)に
従って行った。この試験法はAOCS(American Oil C
hemists’ Society、米国油化学協会)の制定によるAOC
S Official Method Cd12b-92 Oil Stability Index(OS
I)に相当する。CDM値は、酸化により生成した揮発
性分解物を水中に捕集して水の導電率を測定し、その値
が急激に変化する折曲点が現れるまでの経過時間で表
す。CDM値が大きいほど酸化安定性が高いことを示
す。試験方法は以下の通りである。イオン交換水50ml
を入れた測定容器と試料3gを入れた反応容器とを接続
する。120±0.2℃に調整された恒温槽に上記反応
容器を入れて10分間放置した後、清浄空気を流量20
L/hで吹き込むと同時に導電率の測定を開始し、導電率
が300μS/cmに到達したところで測定を終了する。な
お、測定温度はCDM値の大きさに応じて、100℃ま
たは140℃とすることができる。実施例1および比較
例1について、CDM試験を行い、CDM値および水の
導電率が40μS/cmに到達した時間を表3に示す。
は、比較例1のものよりよりCDM値が大きく、さらに
導電率が40μS/cmに到達するまでの時間が長いことが
分る。したがって、前述の加熱試験の結果も考慮すれ
ば、実施例1のものは酸化安定性に優れているだけでな
く、酸化劣化速度も遅い材料である。これは第三級炭素
原子が少ないことによる効果である。
4に示す。表中の「酸・アルカリ性」の測定法は以下の
通りである。試料10mlに熱湯10mlとフェノール
フタレイン試薬1滴を加えて激しく振り混ぜるとき、液
は赤色を呈しない。また、これに0.02N水酸化ナト
リウム0.20mlを加えて振り混ぜるとき赤色を呈す
る。
0名(男19名、女21名)を被験者とし、実施例1で
得た化粧品油(1) 0.1mlをパッチテスト用絆創膏の
円形布地部に塗布し、上腕部内側に貼付した。また、対
照として絆創膏のみを並列に貼付した。24時間後に皮
膚症状を肉眼的に観察し評価を行った。評価方法は、日
本パッチテスト研究会の下記基準により、症状(紅班、
浮腫、水疱など)の有無を確認した。 日本パッチテスト研究会の基準: 0 反応なし 0.5 軽い紅班1 紅班 2 紅班+浮腫 3 紅班+浮腫+丘疹、漿液性丘疹、小水疱 4 大水疱 結果を表5に示す。
水素化物はほとんど無刺激性であることが分る。
順により化粧水を試作した。配合割合は表6の通りであ
る。
させた。これに色素を加えて、2〜3日冷却し、吸着剤
を用いて析出物を吸着ろ過した。試作品は従来品よりも
酸化劣化を起こし難く、皮膚への刺激が少なく、肌への
感触が爽快であった。
作 本発明のブテンオリゴマー水素化物を用いて、下記の手
順でエモリエントクリームを試作した。配合割合は表7
の通りである。
った。これを撹拌しながら、その中へ73〜78℃に加
熱溶解後、ろ過を行った成分Bを添加した。高速ホモミ
キサーで乳化し、静置して脱泡し、冷却後、55〜60
℃の香料を添加して室温まで冷却した。試作品は従来品
よりも酸化劣化を起こし難く、皮膚への刺激が少なかっ
た。
順でファンデーションを試作した。配合割合は表8の通
りである。
けした顔料を添加し、約70℃で混合分散させた後ろ過
を行った。これにあらかじめ70〜75℃に加熱して溶
解した後、ろ過した成分Bを添加し、撹拌して乳化させ
た。脱泡後、香料を55〜60℃で添加し、室温まで冷
却した。試作品は従来品より酸化劣化を起こし難く、皮
膚への刺激が少なく、肌への感触が爽快であった。
32からなる群から選ばれる炭素数を有するものが主成
分である本発明のブテンオリゴマー水素化物は、酸化安
定性に優れている上に酸化劣化速度が遅く、皮膚刺激性
成分を全く含まない上に、無色かつ無臭であり、しかも
安価な材料である。またこれらを配合した化粧品は、上
記の特徴を有するため、特に基礎化粧品に適している。
17)
加熱試験を行った。各試料50gを150℃に加熱し、
空気を流量21.0〜24.0L/hで6時間吹き込ん
だ。加熱前後の過酸化物価および酸価を測定した結果を
表2に示す。
較例1のものよりも過酸化物価および酸価が低いので、
酸化安定性が高いことが分る。
Claims (6)
- 【請求項1】 C4オレフィン重合体の水素添加処理物
を含む化粧料において、該水素添加処理物は、13C−N
MR測定において検出される7〜60ppmのシグナルの
積分値に対する第三級炭素原子のシグナルの積分値の割
合が0.08未満であり、かつ20、24、28および
32からなる群から選ばれる少なくとも1種の炭素数を
有するものが主成分であることを特徴とする化粧料。 - 【請求項2】 前記C4オレフィン重合体が、重合触媒
として含フッ素化合物を用いイソブテン単独またはイソ
ブテンを含むC4モノオレフィン類を重合してなり、か
つ該重合体の60モル%以上が末端ビニリデン構造を有
することを特徴とする請求項1に記載の化粧料。 - 【請求項3】 前記C4オレフィン重合体のフッ素含有
量が10ppm以下であることを特徴とする請求項1また
は2に記載の化粧料。 - 【請求項4】 炭素数24および/または28の水素添
加処理物を主成分とすることを特徴とする請求項1から
3のいずれかに記載の化粧料。 - 【請求項5】 炭素数20および/または24の水素添
加処理物を主成分とすることを特徴とする請求項1から
3のいずれかに記載の化粧料。 - 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の化粧
料を用いてなる基礎化粧品。
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