JP2002066256A - 排気ガス処理装置及び排気ガス処理方法 - Google Patents

排気ガス処理装置及び排気ガス処理方法

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JP2002066256A
JP2002066256A JP2000264155A JP2000264155A JP2002066256A JP 2002066256 A JP2002066256 A JP 2002066256A JP 2000264155 A JP2000264155 A JP 2000264155A JP 2000264155 A JP2000264155 A JP 2000264155A JP 2002066256 A JP2002066256 A JP 2002066256A
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JP
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exhaust gas
gas
water
washing water
hydrogen ion
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Application number
JP2000264155A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Kikuchi
泰彦 菊池
Kazunori Watanabe
和則 渡辺
Seiichi Terajima
誠一 寺嶋
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 補給する水の量を少なく保つと共に、循環ポ
ンプや洗浄水スプレーあるいは充填材の目詰まりを抑制
する排気ガス処理装置及び排気ガス処理方法を提供す
る。 【解決手段】 排気ガスを除害する除害塔を有し、除害
塔内で洗浄水と気液接触させて排気ガスを除害すると共
に気液接触させた洗浄水を回収し、再び洗浄水として排
気ガスと気液接触させる排気ガス処理装置において、洗
浄水の水素イオン指数を計測する水素イオン指数計測計
と、水素イオン指数計測計により計測した洗浄水の水素
イオン指数に基づいて水を断続的に補給して、洗浄水の
水素イオン指数を制御する洗浄水補給機構と、洗浄水の
水素イオン指数に基づくことなく水を供給する洗浄水入
替え機構と、を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気ガス処理装置
及び排気ガス処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体の製造工程等で排出されるガス、
例えば、塩化水素(HCl)、弗化水素(HF)、トリ
クロロシラン(SiHCl3)等の酸性ガス成分を含む
排気ガス(酸性排気ガス)は、湿式排気ガス処理装置(以
下、スクラバーという)にて除害された後、大気中に放
出される。図5に示すように、従来のスクラバー1は、
排気ガスを除害する除害塔2を有し、除害塔2の上部に
備えられた洗浄水スプレー3から洗浄水を噴射し、この
洗浄水と排気ガス導入部4から導入された排気ガスとを
充填材5の表面にて気液接触させることにより、洗浄水
に溶解するかあるいは洗浄水と反応する酸性ガス成分を
除去する。これにより、排気ガス中の酸性ガス成分は所
定の濃度以下まで低減化され、その排気ガスは処理ガス
排出部6から排気ファン7を通って大気中に放出され
る。洗浄水は、洗浄水溜8に回収された後、循環ポンプ
9により再び洗浄水として洗浄水スプレー3へ供給され
る。
【0003】洗浄水溜8には、通常毎分10リットル〜
20リットルの水を継続的に加えるので、コストの負担
が大きい。また、排水量も加える水に応じて増加するた
め、排水処理にかかるコスト負担も大きい。そこで補給
する洗浄水を少なくするため、例えば、従来のスクラバ
ー1において、洗浄水溜8に水素イオン指数計測計(以
下、pH計という)10を設け、pH計10で測定した
水素イオン指数(以下、pHという)に基づいて、pH制
御器11が電動弁12の開閉を制御して洗浄水溜8に新
たに補給する洗浄水量を調節し、洗浄水のpH値を所定
の範囲に制御するものが知られている(特開平10-29
0918号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、排気ガスがスクラバー1に流入している時間が短い
場合や、排気ガス中の酸性ガス濃度が極めて薄い場合
は、洗浄水のpH値の変動がほとんど生じないことがあ
る。また、電動弁12の開閉を制御して水の補給を調整
するpH設定値が極めて低い場合は、洗浄水のpH値が
前記pH設定値に到達するまでに長時間かかることがあ
る。これらの場合、水の補給をpH値のみに基づいて行
うこととすると、水が1ヶ月程度も補給されないことが
あり、その間、洗浄水が入替わることはない。そして、
洗浄水が長期間入替わらないと、洗浄水を循環させる循
環ポンプ9や洗浄水スプレー3あるいは充填材5が目詰
まりを起こし、スクラバー1の運転に支障をきたすこと
があった。
【0005】本発明の課題は、補給する水の量を少なく
保つと共に、循環ポンプや洗浄水スプレーあるいは充填
材の目詰まりを抑制する排気ガス処理装置及びその方法
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため鋭意研究を重ねた結果、洗浄水が長期間入
替わらないと、該洗浄水中に細菌や藻が繁殖すること、
又、シリコン薄膜の気相成長工程で使用されるモノシラ
ン(SiH4)、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、トリ
クロロシラン、四塩化珪素(SiCl4)等のシラン系
ガスが排気ガス中に含まれると、水と反応してSi
2、SiH(OH)3等の固体状のシリコン酸化物、シ
リコン水酸化物が生成することから、洗浄水溜において
浮遊固形物の量が増大し、さらに、洗浄水の粘性が増大
する結果、循環ポンプや洗浄水スプレーあるいは充填材
が目詰まりを起こしていることを見出した。
【0007】本発明の排気ガス処理装置は、排気ガスを
除害する除害塔を有し、前記除害塔内で洗浄水と気液接
触させて排気ガスを除害すると共に気液接触させた洗浄
水を回収し、再び洗浄水として排気ガスと気液接触させ
る排気ガス処理装置において、前記洗浄水の水素イオン
指数を計測する水素イオン指数計測計と、前記水素イオ
ン指数計測計により計測した前記洗浄水の水素イオン指
数に基づいて水を断続的に補給して、前記洗浄水の水素
イオン指数を制御する洗浄水補給機構と、前記洗浄水の
水素イオン指数に基づくことなく水を供給する洗浄水入
替え機構と、を備えたことを特徴としている。
【0008】本発明の排気ガス処理装置によれば、洗浄
水補給機構によって洗浄水の水素イオン指数を制御して
補給する水を少なく保つことができると共に、洗浄水入
替え機構により洗浄水の水素イオン指数に基づくことな
く水を供給して洗浄水を入替えるので、洗浄水中の浮遊
固形物の増加を抑えるとともに洗浄水の粘性の増大を抑
え、循環ポンプや洗浄水スプレーあるいは充填材の目詰
まりを抑制することができる。また、供給する水を少な
く保つことができるため、排水量も抑制することができ
る。ここで、洗浄水入替え機構による水の供給は、例え
ば、24時間連続して供給しても良いし、数時間毎に水
の供給と停止を繰り返しても良い。
【0009】本発明の排気ガス処理装置において、前記
排気ガスは酸性ガス又はアルカリ性ガスを含んでもよ
く、その場合、前記洗浄水補給機構は洗浄水の水素イオ
ン指数を設定値の範囲内に制御し、前記設定値は、除害
処理された排気ガス中の酸性ガス又はアルカリ性ガスの
濃度が定められた値以下となるように設定されているこ
とが好ましい。
【0010】また、本発明の排気ガス処理装置におい
て、前記排気ガスは酸性ガス及びアルカリ性ガスを含ん
でもよく、その場合、前記洗浄水補給機構は洗浄水の水
素イオン指数を設定値の範囲内に制御し、前記設定値
は、除害処理された排気ガス中の酸性ガス及びアルカリ
性ガスの濃度が定められた値以下となるよう設定されて
いることが好ましい。
【0011】本発明の排気ガス処理装置において、前記
排気ガスは塩化水素又は弗化水素を含んでもよい。ま
た、本発明の排気ガス処理装置において、前記排気ガス
はシラン系ガスを含んでもよい。
【0012】本発明の排気ガス処理装置において、前記
洗浄水入替え機構は、前記洗浄水の0.015%以上
0.03%以下の容量の水を毎分供給することが好まし
く、これにより、供給する水をより効果的に削減するこ
とができる。
【0013】本発明の排気ガス処理方法は、排気ガスを
除害する除害塔を有する排気ガス処理装置を用いて、前
記除害塔内で洗浄水と気液接触させて排気ガスを除害す
ると共に気液接触させた洗浄水を回収し、再び洗浄水と
して排気ガスと気液接触させる排気ガス処理方法におい
て、前記洗浄水の水素イオン指数を計測する工程と、前
記計測した洗浄水の水素イオン指数に基づいて水を断続
的に補給して、前記洗浄水の水素イオン指数を制御する
洗浄水補給工程と、前記洗浄水の水素イオン指数に基づ
くことなく水を供給し、前記洗浄水の一部を入替える洗
浄水入替え工程と、を有することを特徴としている。
【0014】本発明の排気ガス処理方法において、前記
排気ガスは酸性ガス又はアルカリ性ガスを含んでもよ
く、その場合、前記洗浄水補給工程において洗浄水の水
素イオン指数を設定値の範囲内に制御し、前記設定値
は、除害処理された排気ガス中の酸性ガス又はアルカリ
性ガスの濃度が定められた値以下となるように設定され
ていることが好ましい。
【0015】本発明の排気ガス処理方法において、前記
排気ガスは酸性ガス及びアルカリ性ガスを含んでもよ
く、その場合、前記洗浄水補給工程において洗浄水の水
素イオン指数を設定値の範囲内に制御し、前記設定値
は、除害処理された排気ガス中の酸性ガス及びアルカリ
性ガスの濃度が定められた値以下となるよう設定されて
いることが好ましい。
【0016】本発明の排気ガス処理方法において、前記
排気ガスは塩化水素又は弗化水素を含んでもよい。ま
た、本発明の排気ガス処理方法において、前記排気ガス
はシラン系ガスを含んでもよい。
【0017】本発明の排気ガス処理方法は、前記洗浄水
入替え工程において、前記洗浄水の0.015%以上
0.03%以下の容量の水を毎分供給することが好まし
い。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明に係る
排気ガス処理装置の実施の形態を説明する。図1は、本
発明に係る排気ガス処理装置(以下、スクラバーとい
う)20の概略構成を示す側面図であり、図2は、洗浄
水溜への水の補給経路を拡大して示した部分拡大図であ
る。本発明のスクラバー20は、半導体製造工程の半導
体ウェハの洗浄工程や、半導体ウェハ上にシリコン薄膜
を気相成長させる工程から排出される排気ガス中の酸性
ガス及び/又はアルカリ性ガスを水との気液接触により
除去した後、除害された排気ガスを大気中に放出する装
置である。
【0019】ここで、半導体ウェハの洗浄工程では、ウ
ェハ表面の汚染の除去、及び、表面汚染の防止の為、ウ
ェハの洗浄が行われる。典型的には、硫酸ー過酸化水素
水洗浄、アンモニアー過酸化水素水洗浄、HClー過酸
化水素水洗浄、希HF洗浄の組み合わせからなり、これ
らの成分を含むガスはドラフトによって排気されてスク
ラバー20へ導入される。この場合、アンモニアー過酸
化水素水洗浄により生成されるアルカリ性ガス成分を含
む排気ガスはアルカリ性ガス専用スクラバーへ、他の洗
浄により生成されるHCl、HF等の酸性ガス成分を含
む排気ガスは酸性ガス専用スクラバーへ導入された後、
それぞれ除害処理が行われることが好ましい。しかし、
酸性ガス及びアルカリ性ガスの両方をそれらに共通のス
クラバーへ導入しても良い。
【0020】また、シリコン薄膜の気相成長工程におい
ては、原料ガスとして四塩化珪素、トリクロロシラン、
ジクロロシラン、モノシラン等のシラン系ガス、キャリ
アガスとしてのH2ガス、ドーパントガスとしてのジボ
ラン(B26)、フォスフィン(PH3)等が用いられる。
そして、H2ガス、未反応のシラン系ガス、ドーパント
ガス、シラン系ガスとH2ガスとが反応して生成される
HClガス等を含む排気ガスがスクラバー20へ導入さ
れる。以下に示す本実施の形態では、ウェハの洗浄工程
から排出されるHF、HClガス等の酸性ガス成分を含
む排気ガスを除害処理する場合について説明する。
【0021】図1に示すスクラバー20は、除害塔2
1、洗浄水スプレー22、処理ガス排出部23、排気フ
ァン24、洗浄水溜25、循環ポンプ26、pH計2
7、水素イオン指数制御器(以下、pH制御器という)
28、電動弁(開閉弁)29、洗浄水補給管30、流量計
31を備えた洗浄水入替え部32(図2参照)、ボールタ
ップ33、排水部34、充填材39等を備えている。ま
た、スクラバー20は、排気ガスを除害塔21に導入す
る排気ガス導入管35と接続されている。洗浄水スプレ
ー22は、除害塔21の上部に設置され、洗浄水を除害
塔21の下方に向けて噴射し、この洗浄水と排気ガス導
入管35から導入された排気ガスとを充填材39の表面
にて気液接触させる。処理ガス排出部23は除害塔21
の上端部に設置され、排気ファン24に接続されてい
る。酸性ガス成分が洗浄水と気液接触して洗浄水に溶解
し、大気中に放出可能な濃度まで除害された排気ガス
は、排気ファン24に吸引されて処理ガス排出部23を
通り、大気中へ放出される。
【0022】洗浄水溜25は除害塔21の下部に設置さ
れ、洗浄水スプレー22から噴射された洗浄水を受け
る。洗浄水溜25の洗浄水は、循環ポンプ26で汲み上
げられて洗浄水スプレー22へ供給され、再び洗浄水と
して噴射されて排気ガスと気液接触する。pH計27
は、洗浄水溜25に備えられ、洗浄水溜25の洗浄水の
pH値を測定する。pH制御器28は、洗浄水溜25の
洗浄水のpH値に基づいて、電動弁29の開閉を制御
し、洗浄水のpH値を設定範囲内に制御する。電動弁2
9は洗浄水補給管30に取り付けられ、pH制御器28
と電気的に接続されており、洗浄水補給管30から補給
される新たな水の流量を制御する。
【0023】図2に示す洗浄水入替え部32は、新たに
供給される水の流量を示す流量計31及びバルブ36,
37を備え、洗浄水溜25へ水を供給する。洗浄水入替
え部32からは、洗浄水溜25の洗浄水のpH値に基づ
かないで常時水が供給されており、その量は、例えば、
洗浄水溜25の容量に基づいて設定され、バルブ36,
37の開閉を調節することにより供給量が調節される。
ボールタップ33は、洗浄水溜25の水位を検出するた
めのもので、洗浄水溜25の液面が設定された水位より
低下するとボールタップ33に連動する開閉弁38が開
き、水が補給される。また、水位が上昇し過ぎると強制
的に排水部34から排水される。
【0024】次に、上記スクラバー20における排気ガ
ス処理方法について説明する。まず、ウェハ洗浄工程か
ら排出されるHF、HClガス等の酸性ガス成分を含む
排気ガスは、排気ガス導入管35から除害塔21内へ導
入される。導入された排気ガスは、除害塔21の内部で
上昇しながら洗浄水スプレー22から噴射される洗浄水
と気液接触する。この時、排気ガス中のHF、HClガ
ス等の酸性ガス成分は洗浄水に溶解するため、排気ガス
は除害される。そして、除害処理された排気ガスは更に
上昇し、排気ファン24に吸引されて処理ガス排出部2
3から排気ファン24を通り、HF、HClガス等の酸
性ガス成分が放出基準値以下の濃度で大気中へ放出され
る。気液接触した洗浄水は洗浄水溜25で回収された
後、循環ポンプ26により再び洗浄水スプレー22へ供
給され、洗浄水として噴射される。
【0025】上記除害処理を繰返し行うことにより、洗
浄水はHF,HClガス等の酸性ガス成分を吸収してp
H値が低下する。洗浄水のpH値は洗浄水溜25に設置
されたpH計27で計測され、計側値はpH制御器28
へ出力される。pH制御器28は、pH計27から出力
されたpH値が設定値以下の場合、電動弁29を開いて
洗浄水溜25へ水を補給し、洗浄水のpH値が設定値以
上になった時、電動弁29を閉じて水の補給を停止す
る。pH値の設定値は、HF、HClガス等の酸性ガス
成分が放出基準値以下の濃度で大気中へ放出されるよう
に設定されている。
【0026】また、洗浄水入替え部32から継続的に所
定の容量の水、例えば、毎分0.5リットルを常時洗浄
水溜25へ供給している。常時供給される水量の定め方
であるが、経験値から定めても良いし、洗浄水中の浮遊
固形物量あるいは洗浄水の粘度を測定して、測定値に基
づいて設定しても良い。例えば、洗浄水溜25の洗浄水
が2日〜4日ですべて入替わるよう設定すれば、洗浄水
スプレー22や循環ポンプ26又は充填材39が目詰ま
りを起こすことはない。この場合、洗浄水溜25の水量
の0.03%〜0.015%の水を毎分供給すればよ
い。本実施の形態では、洗浄水溜25の水量の0.03
%に相当する0.5リットルの水を毎分供給している。
【0027】次に、洗浄水のpH値の設定値の定め方に
ついて説明する。例えば、HFガスの大気中への放出基
準が1ppm以下の場合について説明する。図3は、HF
ガスの放出濃度とpH値との関係を示したグラフで、横
軸は洗浄水のpH値、縦軸は大気中へのHFガスの放出
濃度(ppm)を表している。HFガス濃度は、HFの分
圧/大気圧(101.3kPa(キロパスカル))によ
って表している。図3から、洗浄水のpH値が1.1の
時に、大気中へ放出されるHFガス濃度は、1ppmとな
ることがわかる。従って、除害塔21の洗浄水のpH値
を1.1以上に保てば、排気ガスに含まれるHFガスは
放出基準値である1ppm以下に抑制される。
【0028】ここで、pH制御器28に設定されるpH
値が高いと頻繁に水を補給する必要があり、又、多量の
水を必要とするので、設定値はできるだけ低い方が良
い。しかし、pH計27によって計測された値がpH制
御器28へ出力され、電動弁29を開いて水を補給して
洗浄水のpH値を設定値範囲内に制御するまで、ある程
度時間がかかる。この様な時間の遅れがあっても、大気
中に放出される排気ガス中のHFガス濃度を1ppm以下
に保つためには、pH値の設定値を例えば、2.0以
上、好ましくは1.5以上とするのがよい。
【0029】また、図4はHClガスの放出濃度とpH
値との関係を示したグラフで、横軸は洗浄水のpH値、
縦軸は大気中へのHClガスの放出濃度(ppm)を表し
ている。図4から、例えば、HClガスの放出濃度が5
ppmの時、塩酸のpH値は−0.36である。従って、
洗浄水のpH値が0以上であれば、大気中に放出される
排気ガス中のHClガス濃度は5ppm以下に十分でき
る。上記のように、排気ガス中の酸性ガス成分が基準値
以下にまで除去されて大気中に放出可能となるように、
洗浄水のpH値の設定値を理論的に算出して定めればよ
い。
【0030】本実施の形態による排気ガス処理装置2
0、及び、排気ガス処理方法によれば、pH計27によ
り計測した洗浄水のpH値に基づいて水を断続的に補給
して、洗浄水のpH値を制御するので、導入される排気
ガス中の酸性ガス成分の濃度変化に対応でき、補給する
水を少なく保つことができる。本実施の形態の場合、p
H値に基づく水の補給頻度は1ヶ月に1度程度である。
そして、排気ガス中の酸性ガス成分が基準値以下に除去
されて大気中に放出可能となるように、洗浄水のpH値
の設定値が定められ、洗浄水のpH値が設定値の範囲内
に制御されるので、大気中に放出される排気ガス中の酸
性ガス成分の濃度を所定の濃度以下に保つことができ
る。一方、洗浄水のpH値に基づくことなく洗浄水入替
え部32により水を少しづつ供給するので、pH値に基
づく水の補給によるよりも洗浄水を短期間で入替えるこ
とができる。従って、洗浄水中に繁殖する細菌や藻に起
因する浮遊固形物の増加を抑えるとともに洗浄水の粘性
の増大を抑え、洗浄水スプレー22や循環ポンプ26あ
るいは充填材39の目詰まりを抑制することができる。
洗浄水の入替えには、洗浄水溜25の水量の0.03%
に相当する0.5リットルの水を毎分供給しているの
で、新たに供給される水量はpH制御の為の水と合わせ
ても、従来の水の使用量に比べて、20分の1程度に削
減できる。従って、排水量も削減することができる。
【0031】なお、上記実施の形態では、除害塔21へ
導入される排気ガスがHF,HClガス等の酸性ガスを
含む場合について説明したが、これに限らず、前述のシ
リコン薄膜の気相成長工程から排出されるシラン系ガス
やHClガス等の酸性ガス成分を含む排気ガスについて
も本発明は適用できる。この場合、シラン系ガスと水と
が反応してSiO2、SiH(OH)3等の固体状のシリ
コン酸化物、シリコン水酸化物が生成するが、上述の洗
浄水入替え部32により洗浄水を短期間で入替えるの
で、洗浄水スプレー22や循環ポンプ26あるいは充填
材39の目詰まりを抑制することができる。また、硫黄
酸化物、窒素酸化物等の他の酸性ガス成分のみを含む排
気ガス、アンモニア等のアルカリ性ガスのみを含む排気
ガスについても本発明は適用できる他、酸性ガス及びア
ルカリ性ガスの両方を含む排気ガスについても本発明は
適用できる。
【0032】
【発明の効果】本発明による代表的なものによって得ら
れる効果を説明すれば、洗浄水補給機構によって洗浄水
の水素イオン指数を制御して補給する水の量を少なく保
つと共に、水入替え機構により洗浄水の水素イオン指数
に基づくことなく水を供給して洗浄水を入替えるので、
洗浄水中の浮遊固形物の増加及び洗浄水の粘性の増大を
抑え、循環ポンプや洗浄水スプレーあるいは充填材の目
詰まりを抑制することができる。従って、排気ガスの除
害処理の効率低減を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排気ガス処理装置の概略構成を示
す側面図である。
【図2】図1の洗浄水溜への水の補給経路を拡大して示
した部分拡大図である。
【図3】HFガスの放出濃度とpH値との関係を示した
グラフである。
【図4】HClガスの放出濃度とpH値との関係を示し
たグラフである。
【図5】従来の排気ガス処理装置の概略構成を示す側面
図である。
【符号の説明】
20 スクラバー 21 除害塔 22 洗浄水スプレー 25 洗浄水溜 26 循環ポンプ 27 pH計(水素イオン指数計測計) 28 pH制御器(水素イオン指数制御器) 29 電動弁 30 洗浄水補給管 31 流量計 32 洗浄水入替え部 39 充填材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺嶋 誠一 群馬県安中市磯部二丁目13番1号 信越半 導体株式会社磯部工場内 Fターム(参考) 4D002 AA19 AA23 AA26 AB01 AC10 BA02 CA01 CA07 DA35 GA01 GA02 GA03 GB06 GB09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気ガスを除害する除害塔を有し、前記
    除害塔内で洗浄水と気液接触させて排気ガスを除害する
    と共に気液接触させた洗浄水を回収し、再び洗浄水とし
    て排気ガスと気液接触させる排気ガス処理装置におい
    て、 前記洗浄水の水素イオン指数を計測する水素イオン指数
    計測計と、 前記水素イオン指数計測計により計測した前記洗浄水の
    水素イオン指数に基づいて水を断続的に補給して、前記
    洗浄水の水素イオン指数を制御する洗浄水補給機構と、 前記洗浄水の水素イオン指数に基づくことなく水を供給
    する洗浄水入替え機構と、 を備えたことを特徴とする排気ガス処理装置。
  2. 【請求項2】 前記排気ガスは酸性ガス又はアルカリ性
    ガスを含み、前記洗浄水補給機構は洗浄水の水素イオン
    指数を設定値の範囲内に制御し、前記設定値は、除害処
    理された排気ガス中の酸性ガス又はアルカリ性ガスの濃
    度が定められた値以下となるように設定されていること
    を特徴とする請求項1記載の排気ガス処理装置。
  3. 【請求項3】 前記排気ガスは酸性ガス及びアルカリ性
    ガスを含み、前記洗浄水補給機構は洗浄水の水素イオン
    指数を設定値の範囲内に制御し、前記設定値は、除害処
    理された排気ガス中の酸性ガス及びアルカリ性ガスの濃
    度が定められた値以下となるよう設定されていることを
    特徴とする請求項1記載の排気ガス処理装置。
  4. 【請求項4】 前記排気ガスは塩化水素又は弗化水素を
    含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の
    排気ガス処理装置。
  5. 【請求項5】 前記排気ガスはシラン系ガスを含むこと
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の排気ガス
    処理装置。
  6. 【請求項6】 前記洗浄水入替え機構は、前記洗浄水の
    0.015%以上0.03%以下の容量の水を毎分供給
    することを特徴とする請求項1記載の排気ガス処理装
    置。
  7. 【請求項7】 排気ガスを除害する除害塔を有する排気
    ガス処理装置を用いて、前記除害塔内で洗浄水と気液接
    触させて排気ガスを除害すると共に気液接触させた洗浄
    水を回収し、再び洗浄水として排気ガスと気液接触させ
    る排気ガス処理方法において、 前記洗浄水の水素イオン指数を計測する工程と、 前記計測した洗浄水の水素イオン指数に基づいて水を断
    続的に補給して、前記洗浄水の水素イオン指数を制御す
    る洗浄水補給工程と、 前記洗浄水の水素イオン指数に基づくことなく水を供給
    し、前記洗浄水の一部を入替える洗浄水入替え工程と、 を有することを特徴とする排気ガス処理方法。
  8. 【請求項8】 前記排気ガスは酸性ガス又はアルカリ性
    ガスを含み、前記洗浄水補給工程において洗浄水の水素
    イオン指数を設定値の範囲内に制御し、前記設定値は、
    除害処理された排気ガス中の酸性ガス又はアルカリ性ガ
    スの濃度が定められた値以下となるように設定されてい
    ることを特徴とする請求項7記載の排気ガス処理方法。
  9. 【請求項9】 前記排気ガスは酸性ガス及びアルカリ性
    ガスを含み、前記洗浄水補給工程において洗浄水の水素
    イオン指数を設定値の範囲内に制御し、前記設定値は、
    除害処理された排気ガス中の酸性ガス及びアルカリ性ガ
    スの濃度が定められた値以下となるよう設定されている
    ことを特徴とする請求項7記載の排気ガス処理方法。
  10. 【請求項10】 前記排気ガスは塩化水素又は弗化水素
    を含むことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか記載
    の排気ガス処理方法。
  11. 【請求項11】 前記排気ガスはシラン系ガスを含むこ
    とを特徴とする請求項7乃至9のいずれか記載の排気ガ
    ス処理方法。
  12. 【請求項12】 前記洗浄水入替え工程において、前記
    洗浄水の0.015%以上0.03%以下の容量の水を
    毎分供給することを特徴とする請求項7記載の排気ガス
    処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107281919A (zh) * 2016-04-13 2017-10-24 上海运青制版有限公司 一种用于电镀车间废气处理的酸雾塔

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