JP2004283759A - フッ素含有排水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フッ素含有排水にCa(OH)2を添加してpH10〜11とした後過剰分のCa2+120〜250mg/Lに相当するCa(OH)2220〜460mg/Lを注入すると共にHClを添加してpH6〜8に中和する。或いは、過剰分のCa2+120〜250mg/Lに相当するCa(OH)2220〜460mg/Lを注入した後HClを添加してpH5.8〜8.6に中和する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はフッ素含有排水にカルシウム(Ca)塩として水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を添加してフッ素をフッ化カルシウム(CaF2)として固液分離する方法に係り、特に、排水中のフッ素に対してCa(OH)2を有効に作用させて、高水質の処理水を得るフッ素含有排水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体部品製造におけるシリコンウェハ製造工程から排出されるフッ素含有廃水、ステンレス鋼板製造工程から排出される酸洗廃水、アルミニウム表面処理廃水、フッ酸製造廃水、肥料製造廃水、ゴミ焼却廃水等のフッ素含有排水は、一般に、次のような二段処理で処理されている。即ち、まず、一段目でフッ素含有排水にCa塩を添加して排水中のフッ素の大部分をCaF2として沈殿分離し、次に二段目でアルミニウム(Al)塩を添加して残留するフッ素を共沈させて分離する二段沈殿法、或いは、二段目でキレート樹脂で残留フッ素を吸着除去する方法が採用されている。
【0003】
このうち、一段目のCa塩によるCaF2の沈殿除去は、図3に示す如く、反応中和槽11において、原水に一定量のCa(OH)2又は鉱酸を添加し、これに対して鉱酸又はCa(OH)2でpH6〜8に調整する方法と、図4に示す如く、反応槽12で原水のFに対して過剰となるようにCa(OH)2を添加し、その後中和槽13で鉱酸を添加してpH6〜8に調整する方法とがある。図3,4のいずれの方法においても、Ca(OH)2及び鉱酸を添加してCaF2を析出させた後は、凝集槽14で高分子凝集剤(ポリマー)を添加して凝集処理し、その後沈殿槽15で固液分離して処理水を得る。
【0004】
図3,4のいずれの方法でも、処理水をそのまま放流することができるように、鉱酸でpH6〜8にpH調整している。このpH調整のための鉱酸としては、通常、操作性やコストの面から硫酸(H2SO4)が使用されている。
【0005】
また、図3,4のいずれの方法でも、次の理由により原水中のFに対してCa(OH)2が過剰添加されている。即ち、フッ素含有排水中には、通常、フッ酸(HF)以外に、硝酸(HNO3)、塩酸(HCl)、硫酸(H2SO4)、リン酸(H3PO4)などの1種又は2種以上が含まれており、これらはCa(OH)2で中和することにより、以下のように反応する。
【0006】
2HF+Ca(OH)2→CaF2(沈殿)+2H2O ……(1)
2HNO3+Ca(OH)2→Ca2++2NO3−+2H2O ……(2)
2HCl+Ca(OH)2→Ca2++2Cl−+2H2O ……(3)
H2SO4+Ca(OH)2→Ca2++SO4 2−+2H2O ……(4)
2H3PO4+3Ca(OH)2→Ca3(PO4)2(沈殿)+3H2O……(5)
【0007】
従って、pH中性の時点で原水中のFをCaF2として沈殿させるためのCa(OH)2は確保されている。
【0008】
しかし、上記(1)式の反応で原水中のフッ素含有排水をCaF2として完全に沈殿させるためには、溶解性のCa2+を系内に200〜300mg/L程度存在させる必要があると考えられていた。この過剰分のCa2+を確保するために、従来においては、原水中のHCl,HNO3,H2SO4等の共存量が少ない場合には、図3に示す如く、原水に鉱酸として安価なH2SO4を予め添加するかCa(OH)2と共に添加し、これをCa(OH)2で中和する。即ち、図3の中和槽11へのH2SO4添加分に対応するCa(OH)2が200〜300mg/Lの過剰のCa2+に相当するようにしていた。また、図4に示す方法では、反応槽14でCa(OH)2を過剰添加してその後H2SO4で中和することにより、200〜300mg/Lの過剰のCa2+を確保している。
【0009】
なお、従来において、Ca(OH)2の添加量の決定方法としては、原水の水質変動の範囲において、F濃度が最大となる濃度に対応して所定のCa(OH)2添加量を決定して定量注入する方法と、Ca(OH)2添加後のpHが11〜12となるようにCa(OH)2添加量を制御する方法とがあるが、このうち、原水の水質変動にかかわらず、Ca(OH)2を定量注入する方法は、常にCa(OH)2が過剰注入されることとなり、薬注量の無駄が発生する。従って、Ca(OH)2はpHに基いて薬注制御する方法が好ましい。
【0010】
これら、図3,4の方法は、一般的にはその処理水の水質に大差はないが、図4に示す方法で処理した方が良好な水質の処理水が得られる場合がある。この水質の差と原水の水質との関係は明確には解明されていないが、原水のF濃度が数百ppm以下の場合に、図4に示す方法の方が図3に示す方法よりも良好な水質の処理水が得られる傾向にある。
【0011】
この処理水の水質の差が起こる原因は定かではないが、図3に示す如く、鉱酸とCa(OH)2を同時に添加してpHを6〜8に調整する方法では、添加したCa(OH)2が急速に溶解してCa2+イオンになると同時にF−イオンと反応し、CaF2の沈殿が生成するが、系内に沈殿の核となる懸濁物質が存在しないため、一部溶解性のコロイダルCaF2が生成し、このコロイダルCaF2のために処理水の水質が悪くなるためと考えられる。
【0012】
一方、図4に示す如く、Ca(OH)2を先に添加する方法では、Ca(OH)2の添加によりアルカリ性となるためCa(OH)2の溶解速度が遅くなり、溶解過程のCa(OH)2粒子の表面にCaF2が析出する。そして、析出したCaF2が結晶の核となって逐次初期析出CaF2の表面に新たなCaF2が析出することで、溶解性のコロイダルCaF2の発生を制御することができ、このために、処理水質が良好なものになるものと推定される。
【0013】
このようなことから、Ca(OH)2によるフッ素含有排水の処理法としては、図4に示す如く、Ca(OH)2を過剰添加し、その際、反応槽12におけるpHが11〜12となるように薬注制御し、その後中和槽13でH2SO2により中和する方法が有望であると考えられる。
【0014】
ところで、フッ素含有排水については、その排水基準が平成13年度にF濃度15mg/Lから8mg/Lに強化されたことに伴い、前述のフッ素含有排水の二段処理における一段目におけるCaF2の沈殿除去を効果的に行い、二段目におけるフッ素含有排水負荷をできるかぎり軽減する処理システムの開発が望まれている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明はフッ素含有排水にCa(OH)2を添加して排水中のフッ素をCaF2として沈殿除去するに当たり、Ca(OH)2を有効に作用させてフッ素を効率的に除去するフッ素含有排水の処理方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1のフッ素含有排水の処理方法は、フッ素含有排水に水酸化カルシウムを添加してフッ化カルシウムを生成させ、これを固液分離して処理する方法において、該排水に水酸化カルシウムを添加してpHを10〜11にする第1反応工程と、該第1反応工程の反応液に従来より少ない過剰分のカルシウムイオン120〜250mg/Lに相当する水酸化カルシウム220〜460mg/Lを注入すると共に、塩酸を添加してpHを5.8〜8.6にする第2反応兼中和工程とを有することを特徴とする。
【0017】
請求項2のフッ素含有排水の処理方法は、フッ素含有排水に水酸化カルシウムを添加してフッ化カルシウムを生成させ、これを固液分離して処理する方法において、該排水に水酸化カルシウムを添加してpHを10〜11にする第1反応工程と、該第1反応工程の反応液に過剰分のカルシウムイオン120〜250mg/Lに相当する水酸化カルシウム220〜460mg/Lを注入する第2反応工程と、該第2反応工程の反応液に塩酸を添加してpHを5.8〜8.6にする中和工程とを有することを特徴とする。
【0018】
なお、本発明において、過剰分のカルシウムイオン(Ca2+)とは、原水中のF−をCaF2とする場合に必要な理論Ca2+量に対して過剰分となるCa2+に相当し、従来法において、この過剰分のCa2+は前述の如く200〜300mg/Lが適当であるとされていた。
【0019】
本発明者らは、図4に示す従来法において、処理水の水質を向上させるべく、次のような検討を行った。
【0020】
即ち、図4に示す従来法においては、Ca(OH)2の過剰添加のために、反応槽12におけるpHが11〜12、一般的には11.5となるようにCa(OH)2の薬注制御が行われているが、pH11を超えるアルカリ性では、Ca(OH)2と空気中の二酸化炭素(CO2)とが反応して炭酸カルシウム(CaCO3)が析出する傾向が著しくなる。そして、このCaCO3スケールがpH計電極等に析出し、pH制御が困難になったり、煩雑なpH計の洗浄を頻繁に行う必要が生じる。また、高アルカリ側では、Ca(OH)2の溶解が遅くなり、Ca(OH)2注入量が多くなる傾向にある。従って、pH11以下での薬注制御が好ましい。
【0021】
ところで、原水中にアンモニアのようなpH緩衝性の化合物が存在した場合、薬注量に対するpH変化が緩慢となるため、pH制御に基く薬注制御が困難となるが、最近の半導体部品製造工場では、バッファードフッ酸と称されるエッチング力の弱いフッ酸が使用されている。このバッファードフッ酸には多量のフッ化アンモニウム(NH4F)が含まれているが、NH4FはpH中性であるため、前述のHNO3やHCl等の酸のようにCa(OH)2によりpH中性にするのみでは、原水中のF−をCaF2にするためのCa(OH)2を確保し得ず、従って、過剰の溶解性Ca2+も確保し得ない場合がある。
【0022】
アンモニアの解離特性は、下記(6)式で示され、
pH9.2では NH3/NH4 +=1/1、
pH10.2では NH3/NH4 +=10/1、
pH10.5では NH3/NH4 +=15/1、
pH11では NH3/NH4 +=60/1
となり、pH10〜11の範囲で大部分のアンモニアはNH3の形となる。
【0023】
NH3+H+⇔NH4 +(pK=9.2) …(6)
このpH10〜11の範囲での状態を、NH4FとCa(OH)2との反応で表すと、下記(7),(8)式の通りである。
2NH4F+Ca(OH)2→CaF2+2NH4OH …(7)
NH4OH⇔NH3+H2O …(8)
【0024】
上記(6),(7),(8)式より、NH4FがNH3になるpH、即ち、pH10〜11、好ましくはpH10.2〜10.5の範囲で制御することにより、NH4FがCaF2となるCa(OH)2が確保されること、そして、この状態から更に過剰のCa(OH)2を添加すると、CaF2を完全に沈殿させるための過剰の溶解性Ca2+を確保することができることが明らかである。
【0025】
このようなことから、本発明においては、原水にCa(OH)2を添加してpH10〜11とし、その後、所定量の溶解性Ca2+が存在するように過剰分のCa(OH)2を更に添加する。
【0026】
また、本発明者らの検討により、このように、Ca(OH)2を添加した後の中和のための鉱酸としてHClを用いることにより、H2SO4を用いる場合に比べて、処理水の水質を大幅に向上させることができることが見出された。これは、HClとH2SO4との中和機能に差異はないが、Ca2+とCl−の反応性と、Ca2+とSO4 2−との反応性には次のように差異があることによる。
【0027】
即ち、H2SO4の添加で生成するCaSO4の溶解度は約2000mg/Lであるが、溶解度以下のCa2+,SO4 2−濃度でもCa2+とSO4 2−は溶解状態で結合していると考えられ、分子状のCaSO4となっていると推察される。このため過剰のCa(OH)2を添加してもCa2+はSO4 2−と結合することにより、溶解性Ca2+としてCaF2の沈殿に有効に作用しないものと考えられる。このことは、原水中のNa2SO4濃度が高いと、処理水のF濃度が高くなることからも裏付けられる。
【0028】
一方、HClの添加で生成するCaCl2はCa2+とCl−に解離しており、過剰添加されたCa(OH)2のCa2+は溶解性Ca2+としてCaF2の沈殿に有効に作用する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明のフッ素含有排水の処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0030】
図1,2は本発明のフッ素含有排水の処理方法の実施の形態を示す系統図である。
【0031】
図1の方法では、原水を反応槽1に導入してCa(OH)2をpH10〜11となるように添加して反応させた後、反応中和槽2において、過剰分のCa(OH)2を添加すると共に、HClを添加してpH5.8〜8.6に中和する。この反応中和槽2の液は、次いで凝集槽4に導入してポリマーを添加して凝集処理した後、沈殿槽5で固液分離して処理水を得る。
【0032】
図2の方法では、原水を第1反応槽1Aに導入してCa(OH)2をpH10〜11となるように添加して反応させた後、第2反応槽2Bにおいて更に過剰分のCa(OH)2を添加して反応させ、その後中和槽3でHClを添加してpH5.8〜8.6に中和する。この中和槽3の液は、次いで凝集槽4に導入してポリマーを添加して凝集処理した後、沈殿槽5で固液分離して処理水を得る。
【0033】
本発明において、このように、Ca(OH)2を2回に分けて分割添加する際に、前段におけるCa(OH)2の添加でpHを10〜11に調整することは極めて重要であり、このpHが11を超えると、前述の如く、CaCO3スケールの問題が生起する。また、このpHが10未満であればNH4F由来のF−をCaF2として十分に沈殿させることができなくなる。特に、この調整pHは10.2〜10.5とすることが好ましい。
【0034】
本発明においては、このように、pH10〜11となるようにCa(OH)2を添加して反応させた後、更に過剰分のCa(OH)2を添加する。この過剰分の添加は、従来においては、Ca2+として200〜300mg/Lが好ましいとされていたが、本発明においては、pH調整にHClを用いたことによる前述の効果から、この過剰分のCa2+は、200mg/Lよりも少なく、120mg/L程度でも処理水中のFを大幅に改善することができた。
【0035】
HClによる中和pHは、処理水の放流、或いは後段の処理の点から、pH5.8〜8.6、特に6.0〜7.5とすることが好ましい。
【0036】
各反応槽における反応時間は、CaF2が十分に析出するような時間であれば良く、通常、図1の方法における反応槽1、反応中和槽2、図2の方法における第1反応槽、第2反応槽の滞留時間はいずれも20〜30分程度とするのが好ましい。
【0037】
なお、図1,2において、沈殿槽5の代りに膜分離装置や遠心分離装置を用いても良い。
【0038】
本発明の方法は、各種のフッ素含有排水に適用可能であるが、特にpH制御が困難なアンモニアを含有する排水、とりわけNH4Fを50mg/L以上含有する排水の処理に好適である。
【0039】
【実施例】
以下に比較例及び実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0040】
なお、以下の実施例及び比較例においては、下記水質のアルミニウム表面処理工場排水を原水として処理した。
【0041】
[原水水質]
pH:6.8
SS:29mg/L
COD:6mg/L
F:160mg/L
SiO2:22.4mg/L
PO4−P:4.6mg/L
SO4 2−:56mg/L
NH4−N:55.4mg/L
【0042】
この原水に必要なCa2+は従来法では次の通り▲1▼,▲2▼,▲3▼の合計の約370mg/Lであり、Ca(OH)2として約685mg/Lに相当する。なお、理論量は▲1▼,▲2▼の合計の約177mg/LでありCa(OH)2として約327mg/Lである。
【0043】
Fと当量分のCa2+=160×40/38=168mg/L …▲1▼
PO4−Pと当量分のCa2+
=4.6×40×3/(31×2)=9mg/L …▲2▼
過剰分のCa2+=200mg/L …▲3▼
【0044】
比較例1(実験No.1〜3)
図3の方法に準じて原水の処理を行った。
【0045】
原水にH2SO4を表1に示す量添加すると共に、Ca(OH)2を表1に示す量添加してpHが6.5となるように添加して10分間反応させた後、反応液を濾紙(No.5A)で濾過し、濾液(処理水)の分析を行い、結果を表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
表1より、この方法では、Ca(OH)2添加量が685mg/L以上となるNo.2,3でも、処理水の水質は殆ど改善されず、Ca(OH)2の過剰添加を行っても良好な処理水は得られないことが分かる。
【0048】
比較例2(実験No.4〜6)
図4の方法に準じて原水の処理を行った。
【0049】
原水にCa(OH)2を表2に示すpHとなるように添加して10分間反応させた後、pH6.5となるようにH2SO4を添加して10分間反応させた。反応液を濾紙(No.5A)で濾過し、濾液(処理水)の分析を行い、結果を表2に示した。
【0050】
【表2】
【0051】
表2より明らかなように、この方法では、比較例1の場合よりも改善され、Ca(OH)2の過剰添加で処理水F濃度は低減されるが、次の実施例には及ばない。
【0052】
実施例1(実験No.7〜9)
図1の方法に準じて原水の処理を行った。
【0053】
原水にpH10.2となるようにCa(OH)2を添加して10分間反応させた。このときのCa(OH)2添加量は310mg/Lであった。その後、表3に示す量のCa(OH)2を添加すると同時にHCl(35%HCl)を添加してpH6.5に調整して10分間反応させた。
【0054】
このときの35%HCl添加量は表3に示す通りであった。この反応液を濾紙(No.5A)で濾過し、濾液(処理水)の分析を行い、結果を表3に示した。
【0055】
【表3】
【0056】
表3より明らかなように、この方法では、Ca(OH)2をpH10〜11となるように添加した後、過剰分のCa(OH)2を添加することにより、良好な水質の処理水を得ることができる。
【0057】
なお、図2に示すフローに従って、第1反応槽及び第2反応槽で各々上記と同量のCa(OH)2を添加しても、同様の結果が得られた。このとき、第2反応槽におけるpHは、過剰分Ca(OH)2を160mg/L添加した場合は11.3、過剰分Ca(OH)2を250mg/L添加した場合は11.6、過剰分Ca(OH)2を500mg/L添加した場合は11.9であった。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のフッ素含有排水の処理方法によれば、フッ素含有排水にCa(OH)2を添加して排水中のフッ素をCaF2として沈殿除去するに当たり、Ca(OH)2を有効に作用させてフッ素を効率的に除去することができ、これにより高水質処理水を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフッ素含有排水の処理方法の実施の形態を示す系統図である。
【図2】本発明のフッ素含有排水の処理方法の別の実施の形態を示す系統図である。
【図3】従来法を示す系統図である。
【図4】従来法を示す系統図である。
【符号の説明】
1 反応槽
1A 第1反応槽
1B 第2反応槽
2 反応中和槽
3 中和槽
4 凝集槽
5 沈殿槽
Claims (2)
- フッ素含有排水に水酸化カルシウムを添加してフッ化カルシウムを生成させ、これを固液分離して処理する方法において、
該排水に水酸化カルシウムを添加してpHを10〜11にする第1反応工程と、
該第1反応工程の反応液に過剰分のカルシウムイオン120〜250mg/Lに相当する水酸化カルシウム220〜460mg/Lを注入すると共に、塩酸を添加してpHを5.8〜8.6にする第2反応兼中和工程と
を有することを特徴とするフッ素含有排水の処理方法。 - フッ素含有排水に水酸化カルシウムを添加してフッ化カルシウムを生成させ、これを固液分離して処理する方法において、
該排水に水酸化カルシウムを添加してpHを10〜11にする第1反応工程と、
該第1反応工程の反応液に過剰分のカルシウムイオン120〜250mg/Lに相当する水酸化カルシウム220〜460mg/Lを注入する第2反応工程と、
該第2反応工程の反応液に塩酸を添加してpHを5.8〜8.6にする中和工程と
を有することを特徴とするフッ素含有排水の処理方法。
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