JP2002065286A - 光学活性(r)‐1‐インダンアミド誘導体およびその製造方法 - Google Patents

光学活性(r)‐1‐インダンアミド誘導体およびその製造方法

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JP2002065286A JP2000259083A JP2000259083A JP2002065286A JP 2002065286 A JP2002065286 A JP 2002065286A JP 2000259083 A JP2000259083 A JP 2000259083A JP 2000259083 A JP2000259083 A JP 2000259083A JP 2002065286 A JP2002065286 A JP 2002065286A
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浩 川島
Toru Asari
徹 浅利
Tadataka Ishikawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不斉誘導試薬や医薬品合成中間体として有用な
化合物である光学活性1−アミノインダンの前駆体であ
り、また医薬品あるいは液晶材料合成中間体として利用
価値の高い光学活性(R)−1−インダンアミド誘導体
を提供する。 【解決手段】リパーゼおよびエステラーゼなどの酵素を
用い、有機溶媒中でラセミ体の(±)−1−アミノイン
ダンの不斉アミド化を行い、下記式(3)で表される光
学活性な(R)−1−インダンアミドを製造する。ここ
で、R1がアルケニル基である(R)−1−インダンアミ
ドは、新規化合物でもある。 【化1】 (式中、R1はアルキル基またはアルケニル基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酵素の立体選択性
を利用した不斉合成による(R)−1−インダンアミド
の製造方法、新規(R)−1−インダンアミドおよび光
学活性(R)−1−アミノインダンの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光学活性(R)−1−インダンアミドの
製造については、ラセミ体の(±)−1−アミノインダ
ンをL−(−)−リンゴ酸を用いて光学分割する方法
(Biochemistry, 19, 2133(1980))、N−アセチル−L
−ロイシンを用いて光学分割する方法(Boll Chim Far
m, 115, 489(1976))などキラル酸やアミノ酸のN−ア
セチル誘導体によりジアステレオマー塩を形成し、次い
で再結晶により所望の鏡像体のジアステレオマー塩を分
離することにより、光学活性(R)−1−アミノインダ
ンを得たのち、それをアミド化する方法が知られてい
る。しかしながらこれら光学活性な分割剤を用いる方法
は、工程が煩雑になり、かつ高価な分割剤を化学量論量
用いる必要があり、工業的に実用な方法とは言えない。
また、キラルカラムを用いた分取クロマトグラフィーに
よって分離する製造法も知られているが、高価なキラル
カラムを使用しなければならないなど工業的に実用な方
法とは言えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、医薬品や液
晶材料合成における重要中間体として有用な光学活性
(R)−1−インダンアミドを、より簡単な操作によ
り、工業的に安価に製造する方法を提供するものであ
る。また、本発明は新規光学活性化合物で、光学分割
剤、不斉誘導試薬として有用であり、かつ医薬品や液晶
材料製造における重要中間体である(R)−1−インダ
ンアミドを提供するものである。更に、本発明は、
(R)−1−インダンアミドの加水分解により得られる
不斉誘導試薬や医薬品合成中間体として有用な化合物光
学活性(R)−1−アミノインダンの製造方法を提供す
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ラセミ体
の(±)−1−アミノインダンをエステル類の存在下、
酵素、例えばリパーゼまたはエステラーゼを用いて、不
斉アミド化反応を行うことにより、光学活性(R)−1
−インダンアミドを高収率で、かつ高い光学純度で、安
価に製造し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】本発明は、下記式(1):
【化6】 で表される(±)−1−アミノインダンと、下記一般式
(2): R1COOR2 (2) (式中、R1、R2はアルキル基またはアルケニル基を示
し、同じであっても異なってもよい)で表されるエステ
ル類を酵素の存在下で反応させることを特徴とする下記
式(3):
【化7】 (式中、R1はアルキル基またはアルケニル基を示す)
で表される光学活性(R)−1−インダンアミドの製造
方法である。また、本発明は、式(3)において、R1
はアルケニル基である光学活性な(R)−1−インダン
アミドである。
【0006】更に、本発明は、前記の製造方法で得られ
た(R)−1−インダンアミドを加水分解することを特
徴とする下記式(5):
【化8】 で表される(R)−1−アミノインダンの製造方法であ
る。また、本発明は、下記式(6):
【化9】 で表される1−インダノンオキシムの接触水素還元によ
って(±)−1−アミノインダンを製造し、これを請求
項1〜7に記載のいずれかの製造方法により(R)−1
−インダンアミドすることを特徴とする(R)−1−イ
ンダンアミドの製造方法。並びに、このようにして得ら
れた(R)−1−インダンアミドを加水分解することを
特徴とする(R)−1−アミノインダンの製造方法であ
る。
【0007】本発明において、原料として使用される式
(1)のラセミ体の(±)−1−アミノインダンは、式
(6)で表される1−インダノンオキシムの接触水素還
元(Synthesis, 9, 695(1980))等により容易に製造す
ることができる。式(1)で表される(±)−1−アミ
ノインダンは、公知の製法で得ることができるが、式
(6)で表される1−インダノンオキシムの接触水素還
元で得る方法が有利である。1−インダノンオキシムの
接触水素還元は、 例えば白金、パラジウム、ロジウム
等の貴金属系触媒またはニッケル、コバルト、モリブデ
ン等の非貴金属系触媒の存在下に、50〜400℃の温
度、1〜30MPaの水素圧の条件で水素化することによ
り行うことができる。
【0008】式(1)で表される(±)−1−アミノイ
ンダンと反応させる一般式(2)で表されるエステル類
は、本発明の酵素反応において、アシル化剤として作用
するものであり、例えば、酢酸エチル、酢酸n−プロピ
ル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、プロピオン酸
エチル、プロピオン酸イソプロピル、n−酪酸エチル、
n−酪酸イソプロピル、n−カプロン酸イソプロピル、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソ
ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸イソプロピルが挙げられるが、好ましくは酢
酸イソプロピルやアクリル酸イソブチルが用いられる。
これらのエステルは、1種でも2種以上の混合物として
使用することができる。
【0009】一般式(2)において、R1はアルキル基
又はアルケニル基であり、直鎖状であっても、分岐状で
あってもよい。また、炭素数には制限はないが、1〜6
の範囲が好ましい。また、R2はアルキル基又はアルケ
ニル基であり、直鎖状であっても、分岐状であってもよ
い。炭素数には制限はないが、1〜6の範囲が好まし
い。なお、シクロアルキルやアラルキルをエステル類と
して使用することは、好ましくない。また、目的とする
(R)−1−インダンアミドが、アルキルアミドである
場合は、R1がアルキル基であるエステル類を使用し、
アルケニルアミドである場合は、R1がアルケニル基で
あるエステル類を使用する。好ましいアルケニルカルボ
ン酸エステルは、アクリル酸またはメタクリル酸の低級
アルキルエステルである。
【0010】本発明の製造方法において使用する酵素
は、アミン類とエステル類とを反応させる作用を有する
ものであればよいが、リパーゼ、エステラーゼおよびプ
ロテアーゼから選ばれた少なくとも1種を含む酵素であ
ることが望ましい。本発明の製造方法において使用する
酵素の好ましい例として、リパーゼ、エステラーゼ、プ
ロテアーゼが挙げられ、具体的にはシュードモナスリパ
ーゼ(Pseudomonas lipase)、ブタ
膵臓リパーゼ(Porcinepancreatic
lipase)、キャンディダリパーゼ(Candid
alipase)、イーストリパーゼ(Yeast l
ipase)、ブタ肝臓エステラーゼ(Pig liv
er esterase)等が挙げられるが、好ましく
はキャンディダ由来のリパーゼ、より好ましくは、キャ
ンディダ アンタルティカ(Candida anta
rctica)、更に好ましくは、キャンディダ アン
タルティカ由来のリパーゼの固定化品が用いられる。
【0011】式(1)で表される(±)−1−アミノイ
ンダンと一般式(2)で表されるエステル類との前記酵
素存在下の反応は、過剰の液状のエステル類を溶媒とす
るか、他の有機溶媒中で行うことが有利である。この溶
媒は、それが酵素反応を妨げるものでない限り特に限定
はない。好ましくは有機溶剤から選ばれ、例えば、エー
テル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒ
ドロフランのようなエーテル類、ペンタン、ヘキサン、
シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類、ベンゼン、
トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、アセト
ン、メチルエチルケトンのようなケトン類を挙げられ
る。更に、前記エステル類をそのまま溶媒として使用す
ることもできる。好ましい有機溶媒としては、アセトニ
トリル、ジオキサン、ジクロロメタン、トルエン、ジイ
ソプロピルエーテルおよびヘキサンから選ばれた少なく
とも1種を含むからなる溶媒が挙げられる。また、反応
に消費される量以上の過剰エステル類を溶媒とすること
も有利であり、反応性の異なる2種類以上のエステル類
を使用し、反応性の劣るエステル類を溶媒とすることも
可能である。
【0012】本発明の製造方法において反応原料として
使用される(±)−1−アミノインダンの濃度に制限は
ないが、0.1〜5モル/lの範囲であることが好まし
い。また、エステル類の使用量は、(±)−1−アミノ
インダンと等モル以上であればよいが、3倍モル以上が
好ましい。エステル類を過剰にして溶媒とする場合は、
更に過剰に使用することもできる。また、反応触媒とし
て使用する酵素の使用量には格別の制限はないが、一般
に0.1〜50g/lの濃度で用いるのが望ましい。
【0013】本発明の製造方法おいて、反応温度は通
常、0℃から60℃であることが好ましく、より好まし
くは室温付近である。また、反応に要する時間は、酵素
の種類と使用量、(±)−1−アミノインダンの使用
量、反応温度等によって異なるが、好ましくは1時間か
ら100時間の間である。この反応は、攪拌しながら行
うことが好ましく、反応終了後は、層分離、抽出、再結
晶等の操作により目的の化合物である光学活性(R)−
1−インダンアミドを回収する。
【0014】本発明の製造方法で得られる光学活性
(R)−1−インダンアミドは、式(3)で表される化
合物である。式中、R1はアルキル基またはアルケニル
基を示すが、このR1は、原料として使用した式(2)
で表されるエステル類のR1と対応するので、式(2)
で表されるエステル類のR1を変えることにより、種々
の光学活性(R)−1−インダンアミドが得られる。上
記発明方法により得られた式(3)で示される光学活性
な(R)−1−インダンアミドは、光学純度90%以上
とすることが可能である。
【0015】式(3)において、R1がアルケニル基で
ある光学活性な(R)−1−インダンアミドは新規な化
合物であり、本発明の化合物である。R1はアルケニル
基であるが、好ましくは炭素数が2〜6のアルケニル基
である。この本発明のR1がアルケニル基である光学活
性な(R)−1−インダンアミドとしては、(R)−1
−インダンアクリルアミド、(R)−1−インダンメタ
アクリルアミド、(R)−1−インダンクロトンアミド
等が挙げられる。この本発明のR1がアルケニル基であ
る光学活性な(R)−1−インダンアミドは、光学分割
剤、不斉誘導試薬として優れた性能を示すだけでなく、
医薬品や液晶材料中間体として有用である。
【0016】更に、本発明は、上記発明方法により得ら
れた式(3)で表される光学活性な(R)−1−インダ
ンアミドを加水分解することにより、不斉誘導試薬や医
薬品合成中間体として有用な、式(5)で表される光学
活性な(R)−1−アミノインダンを製造する方法を含
む。式(3)中、R1はアルキル基またはアルケニル基
を示すが、このR1は、原料として使用した式(2)で
表されるエステル類のR1と対応することは、前記のと
おりである。光学活性な(R)−1−アミノインダンを
製造することを目的とする場合は、R1はメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等の低級アルキルが有利である。
【0017】光学活性な(R)−1−インダンアミドを
加水分解することにより、光学活性な(R)−1−アミ
ノインダンを製造するための加水分解は(R)−1−イ
ンダンアミドを適当な溶剤、例えばメタノールなどに溶
解し、酸、好ましくは塩酸あるいはアルカリ、好ましく
は水酸化ナトリウムと共に還流することによって行うこ
とができる。加水分解が終了したならば、反応混合液か
ら溶媒を留去し、残液から適当な手段により生成物を捕
集すれば、光学活性な(R)−1−アミノインダンを得
ることができる。例えば、塩酸による抽出や蒸留等の操
作により生成物を捕集すれば、光学活性な(R)−1−
アミノインダンを得ることができる。オキシムを原料と
し、ラセミ1−アミノインダン、光学活性な(R)−1
−インダンアミドを経由して、光学活性な(R)−1−
アミノインダンを有利につくることができる。
【0018】
【実施例】本発明を以下の実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 500ml容三角フラスコに、(±)−1−アミノイン
ダン13.3g(100mmol)、酢酸イソプロピル
87.5ml(745mmol)、キラザイム(登録商
標)L−2、c−f、C2凍結乾燥品(Candida
antactica由来のリパーゼが固定されている
固定化リパーゼ:ロッシュ・ダイアグノスティックス社
製)1.0gを入れ、室温で攪拌しながら51時間反応
させた。反応混合物に酢酸エチル200mlを加えた
後、酵素を濾過除去した。この濾液を10%塩酸100
mlと混合攪拌し、有機層を分液後、溶媒を留去した。
残留物に50%メタノール120ml加え、60℃に加
温して溶解させた。その後室温まで降温し、再結晶させ
ることにより白色結晶の(R)−1−インダンアセトア
ミド6.3g(収率36%)を得た。 HPLC純度99.9%、光学純度99.9%e.e.、
[α]=+135.8゜(c 0.5 、MeOH)
【0019】実施例2 実施例1で得られた(R)−1−インダンアセトアミド
5.0gをメタノール50ml、33%塩酸50ml中
で40時間還流して加水分解を行った。反応混合液から
メタノールを留去し、トルエン50mlで攪拌洗浄後、
分液した水層に水酸化ナトリウムを加えアルカリ性と
し、トルエン50mlで抽出した。トルエン層を分液
後、濃縮留去して、オイル状の(R)−1−アミノイン
ダン4.5g(収率66%)を得た。 HPLC純度99.9%、光学純度99.9%e.e.、
[α]=−18.2゜(c 0.5、 MeOH)
【0020】実施例3 100ml容三角フラスコに、(±)−1−アミノイン
ダン0.133g(1mmol)、アクリル酸イソブチ
ル10ml(75mmol)、キラザイム(登録商標)
L−2、c−f、C2凍結乾燥品0.1gを入れ、室温
で攪拌しながら24時間反応させた。反応混合物から酵
素を濾過除去した後、濾液を10%塩酸10mlと混合
攪拌し、有機層を分液後、溶媒を留去した。残留物に5
0%メタノール12ml加え、60℃に加温して溶解さ
せた。その後室温まで降温し、再結晶させることにより
白色結晶の(R)−1−インダンアクリルアミド0.0
38g(収率40%)を得た。 HPLC純度99.9%、光学純度99.9%e.e. 、融
点128〜130℃
【0021】実施例4 500ml容三角フラスコに、(±)−1−アミノイン
ダン1.33g(10mmol)、表1に示す種々のエ
ステル類100ml、キラザイム(登録商標)L−2、
c−f、C2凍結乾燥品0.1gを入れ、室温で攪拌し
ながら24時間反応させた。反応後生成した(R)−1
−インダンアミドをHPLCで測定したところ、表1に
示す結果を得た。
【0022】
【表1】
【0023】実施例5 500ml容三角フラスコに、表2に示す種々の溶媒5
0ml、(±)−1−アミノインダン13.3g(10
0mmol)、酢酸イソプロピル37.5ml(320
mmol)、キラザイム(登録商標)L−2、c−f、
C2凍結乾燥品1.0gを入れ、室温で攪拌しながら4
8時間反応させた。反応後生成した(R)−1−インダ
ンアセトアミドを測定したところ、表2に示す結果を得
た。なお、溶媒がエステルである場合は、反応原料の酢
酸イソプロピル37.5mlとは別に加えたものであ
り、一部は反応原料としても作用すると考えられるが、
アシル化剤として反応するのは酢酸イソプロピルと酢酸
エチルだけで、酢酸エチルに関しては、反応原料の酢酸
イソプロピルに優先して、あるいは競合して反応が起こ
っていると考えられる。
【0024】
【表2】
【0025】実施例6 20ml容テストチューブに、(±)−1−アミノイン
ダン13.3mg(0.1mmol)、表3に示す種々
のアクリル酸エステル類またはメタクリル酸エステル類
1.0ml、キラザイム(登録商標)L−2、c−f、
C2凍結乾燥品10mgを入れ、30℃で振盪させなが
ら5時間反応させた。反応後生成した(R)−1−イン
ダンアクリルアミドまたは(R)−1−インダンメタク
リルアミドをHPLCで測定したところ、表3に示す結
果を得た。
【0026】
【表3】 ここで、(R)−1−インダンアクリルアミドの融点は
128〜130℃、(R)−1−インダンメタクリルア
ミドの融点は95〜97℃、(R)−1−インダンクロ
トンアミドの融点は141〜142℃であった。なお、
(R)−1−インダンアセトアミドの融点は152〜1
53℃であった。
【0027】
【発明の効果】本発明方法により、(±)−1−アミノ
インダンとエステル類を酵素の存在下に溶媒中で反応さ
せることにより、光学純度の高い(R)−1−インダン
アミドを工業的かつ安価に製造することができる。さら
にこの光学活性(R)−1−インダンアミドから、光学
純度の高い(R)−1−アミノインダンを得ることがで
きる。また、本発明の新規な(R)−1−インダンアミ
ドは、光学分割剤、不斉誘導試薬等として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12P 41/00 (C12P 41/00 J C12R 1:72) C12R 1:72) (72)発明者 石川 維孝 福岡県北九州市戸畑区大字中原先の浜46番 地の80 新日鐵化学株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4B064 AE02 CA21 CA31 CB26 CC03 CD05 CD12 CD27 DA01 DA16 4H006 AA01 BJ50

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1): 【化1】 で表される(±)−1−アミノインダンと、下記一般式
    (2): R1COOR2 (2) (式中、R1、R2はアルキル基またはアルケニル基を示
    し、同じであっても異なってもよい)で表されるエステ
    ル類を酵素の存在下で反応させることを特徴とする下記
    式(3): 【化2】 (式中、R1はアルキル基またはアルケニル基を示す)
    で表される光学活性(R)−1−インダンアミドの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 酵素が、リパーゼ、エステラーゼおよび
    プロテアーゼから選ばれた少なくとも1種を含む酵素で
    ある請求項1記載の(R)−1−インダンアミドの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 リパーゼが、酵母キャンディダ属に属す
    る菌体由来のリパーゼである請求項2記載の(R)−1
    −インダンアミドの製造方法。
  4. 【請求項4】 キャンディダ属に属する菌が、キャンデ
    ィダ アンタルティカである請求項3記載の(R)−1
    −インダンアミドの製造方法。
  5. 【請求項5】 キャンディダ アンタルティカ由来のリ
    パーゼが、固定化酵素である請求項4記載の(R)−1
    −インダンアミドの製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(2)で表されるエステル類が、
    酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢
    酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸tert−ブチル、酢
    酸sec−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸
    エチル、プロピオン酸イソプロピル、n−酪酸エチル、
    n−酪酸イソプロピル、 n−カプロン酸メチル、n−
    カプロン酸イソプロピル、アクリル酸メチル、アクリル
    酸エチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチ
    ル、メタクリル酸エチルおよびメタクリル酸イソプロピ
    ルから選ばれた少なくとも1種のエステルである請求項
    1〜5のいずれかに記載の(R)−1−インダンアミド
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 一般式(2)で表されるエステル類、ま
    たはアセトニトリル、ジオキサン、ジクロロメタン、ト
    ルエン、ジイソプロピルエーテルおよびヘキサンから選
    ばれた少なくとも1種の有機溶剤を含む溶液中で反応さ
    せる請求項1〜6のいずれかに記載の(R)−1−イン
    ダンアミドの製造方法。
  8. 【請求項8】 下記式(3): 【化3】 (式中、R1はアルケニル基を示す)で表される光学活
    性な(R)−1−インダンアミド。
  9. 【請求項9】 請求項2〜7のいずれかに記載の製造方
    法で得られた(R)−1−インダンアミドを加水分解す
    ることを特徴とする下記式(5): 【化4】 で表される(R)−1−アミノインダンの製造方法。
  10. 【請求項10】 下記式(6): 【化5】 で表される1−インダノンオキシムの接触水素還元によ
    って(±)−1−アミノインダンを製造し、これを請求
    項1〜7に記載のいずれかの製造方法により(R)−1
    −インダンアミドすることを特徴とする(R)−1−イ
    ンダンアミドの製造方法。
  11. 【請求項11】 式(6)で表される1−インダノンオ
    キシムの接触水素還元によって(±)−1−アミノイン
    ダンを製造し、これを請求項1〜7に記載のいずれかの
    製造方法により(R)−1−インダンアミドとし、これ
    を加水分解することを特徴とする(R)−1−アミノイ
    ンダンの製造方法。
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