JP2002064037A - 電極被覆剤及びこれを用いてなる電気二重層キャパシタ - Google Patents

電極被覆剤及びこれを用いてなる電気二重層キャパシタ

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JP2002064037A
JP2002064037A JP2001173430A JP2001173430A JP2002064037A JP 2002064037 A JP2002064037 A JP 2002064037A JP 2001173430 A JP2001173430 A JP 2001173430A JP 2001173430 A JP2001173430 A JP 2001173430A JP 2002064037 A JP2002064037 A JP 2002064037A
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electrode
carbon atoms
vinyl
electrode coating
cyclic
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Application number
JP2001173430A
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Inventor
Hirofumi Inoue
裕文 井上
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電容量を低下することなく、漏れ電流を低
減するための電極被覆剤を提供することを目的とする。 【解決手段】 電気化学重合性単量体(A)を含有する
ことを特徴とする電極被覆剤(B)を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極被覆剤及びこ
れを用いてなる電気二重層キャパシタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気二重層キャパシタの分極性電
極の漏れ電流を低減するために、炭素電極の一部を絶縁
性の高いフッ素樹脂で被覆した電極が知られている(特
公平7−44132号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
7−44132号公報に記載のフッ素樹脂被覆電極で
は、電極表面上に存在するミクロポア自体がフッ素樹脂
により被覆されて消失し実質的に電極表面積が低下する
ため、非被覆電極に比べ静電容量が低下するという問題
がある。すなわち、本発明は、静電容量を低下させず
に、漏れ電流を低減するための電極被膜剤及びこれを用
いた電気二重層キャパシタ電極を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の単量体を含
有する電極被覆剤が上記目的を達成し得ることを見出
し、本発明に至った。すなわち、本発明の電気化学重合
用電極被覆剤(B)の特徴は、電気化学重合性単量体
(A)を含有してなる点にある。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の電気化学重合性単量体
(A)は、(A)に接触する少なくとも一対の電極間に
電位を印加することにより、イオン化又はラジカルイオ
ン化して重合する得る単量体を意味する。(A)として
は、公知の電気化学重合性単量体等が使用でき、例え
ば、ビニル単量体及びヘテロ環状単量体等が使用でき
る。ビニル単量体としては、例えば、オレフィン、ビニ
ル基を有する酸、ビニルエステル、ビニルエーテル、芳
香環含有ビニル、シアノ基含有ビニル、アクリルアミ
ド、含硫黄ビニル及びハロゲン化ビニル等が用いられ
る。
【0006】オレフィンとしては、炭素数2〜10(好
ましくは炭素数2〜7、さらに好ましくは炭素数2〜
5)のオレフィン等が用いられ、例えば、エチレン、プ
ロピレン、ブタジエン、ペンタジエン、イソブチレン、
3−ヘキシル−1−ブテン、イソプレン及び3−メチル
−1−ブテン等が挙げられる。ビニル基を有する酸とし
ては、炭素数3〜5(好ましくは炭素数3〜4)のビニ
ル基含有有機酸等が用いられ、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸及び
メサコン酸等が挙げられる。
【0007】ビニルエステルとしては、炭素数4〜14
(好ましくは炭素数4〜10、さらに好ましくは炭素数
4〜7)のビニルエステル等が用いられ、例えば、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ヒドロキ
シエチル、メタクリル酸デシル、酢酸アリル、酢酸プロ
ぺニル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、パーフルオ
ロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオ
クチル(メタ)アクリレート及び酢酸ビニル等が挙げら
れる。
【0008】ビニルエーテルとしては、炭素数3〜10
(好ましくは炭素数3〜7、さらに好ましくは炭素数3
〜5)のビニルエーテル等が用いられ、非ハロゲン化ビ
ニルエーテル及びハロゲン化ビニルエーテル等が含まれ
る。非ハロゲン化ビニルエーテルとしては、例えば、メ
チルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチ
ルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エ
チルヘキシルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、
エチルアリルエーテル、n−ブチルアリルエーテル、イ
ソブチルアリルエーテル、2−エチルヘキシルアリルエ
ーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニル
エーテル、n−ブチルプロペニルエーテル、イソブチル
プロペニルエーテル及び2−エチルヘキシルプロペニル
エーテル等が挙げられる。
【0009】ハロゲン化ビニルエーテルとしては、例え
ば、2−クロルエチルビニルエーテル、2−クロルエチ
ルアリルエーテル、2−クロルエチルプロペニルエーテ
ル、2−ブロモエチルビニルエーテル、2−ブロモエチ
ルアリルエーテル、2−ブロモエチルプロペニルエーテ
ル、2−フルオロエチルビニルエーテル、2−フルオロ
エチルアリルエーテル、パーフルオロ−2−エチルヘキ
シルプロペニルエーテル及び2−フルオロエチルプロペ
ニルエーテル等が挙げられる。
【0010】芳香環含有ビニルとしては、炭素数8〜1
6(好ましくは炭素数8〜14、さらに好ましくは炭素
数8〜12)の芳香環含有ビニル等が用いられ、非ハロ
ゲン系芳香族含有ビニル及びハロゲン系芳香族含有ビニ
ル等が含まれる。非ハロゲン系芳香族含有ビニルとして
は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニ
ルカルバゾール、ケイ皮酸、3,5−ジメチルスチレ
ン、ニトロスチレン、シアノスチレン、フェニルスチレ
ン、3−メチル−4−メトキシスチレン、3−ヘプチル
ー4−メトキシスチレン、ビニルピリジン、ビニルフラ
ン、N−ビニルピロリドン、ビニルフェノール、ジビニ
ルベンゼン、アリルベンゼン、N−アリルカルバゾー
ル、3,5−ジメチルアリルベンゼン、ニトロアリルベ
ンゼン、シアノアリルベンゼン、フェニルアリルベンゼ
ン、3−メチル−4−メトキシアリルベンゼン、アリル
ピリジン、アリルフラン、アリルピロリドン、アリルフ
ェノール、ジアリルベンゼン、プロペニルベンゼン、N
−プロペニルカルバゾール、3,5−ジメチルプロペニ
ルベンゼン、ニトロプロペニルベンゼン、シアノプロペ
ニルベンゼン、フェニルプロペニルベンゼン、3−メチ
ル−4−メトキシプロペニルベンゼン、プロペニルピリ
ジン、プロペニルフラン、プロペニルピロリドン、プロ
ペニルフェノール及びジプロペニルベンゼン等が挙げら
れる。
【0011】ハロゲン系芳香族含有ビニルとしては、例
えば、クロロメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロ
スチレン、ヨードスチレン、クロロメチルアリルベンゼ
ン、ブロモアリルベンゼン、クロロアリルベンゼン、ヨ
ードアリルベンゼン、クロロメチルプロペニルベンゼ
ン、ブロモプロペニルベンゼン、クロロプロペニルベン
ゼン及びヨードプロペニルベンゼン等が挙げられる。
【0012】シアノ基含有ビニルとしては、炭素数3〜
10(好ましくは炭素数3〜9、さらに好ましくは炭素
数3〜7)のシアノ基含有ビニル等が用いられ、例え
ば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化
ビニリデン、α−シアノアクリル酸メチル、α−シアノ
アクリル酸ヘキシル、2−プロピレンニトリル、2−ブ
チレンニトリル及び3−ブチレンニトリル等が挙げられ
る。
【0013】アクリルアミドとしては、炭素数3〜10
(好ましくは炭素数3〜9、さらに好ましくは炭素数3
〜7)のアクリルアミド等が用いられ、例えば、アクリ
ルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジプロ
ピルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド及
びN,N−ジメチルメタクリルアミド等が挙げられる。
【0014】含硫黄ビニルとしては、炭素数3〜10
(好ましくは炭素数3〜9、さらに好ましくは炭素数3
〜7)の含硫黄ビニル等が用いられ、例えば、メチルビ
ニルチオエーテル、エチルビニルチオエーテル、プロピ
ルビニルチオエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニル
スルフォン、ビニルチオフェン、ビニルフェノキサイ
ン、ジアリルチオエーテル、ジアリルスルフィド、ジア
リルスルフォン、アリルチオフェン、アリルフェノキサ
イン、ジプロペニルチオエーテル、ジプロペニルスルフ
ィド、ジプロペニルスルフォン、プロペニルチオフェン
及びプロペニルフェノキサイン等が挙げられる。
【0015】ハロゲン化ビニルとしては、炭素数2〜1
0(好ましくは炭素数2〜9、さらに好ましくは炭素数
2〜7)のハロゲン化ビニル等が用いられ、フッ素含有
化合物及び塩素含有化合物等が含まれる。フッ素含有化
合物としては、例えば、フッ化ビニリデン、モノフルオ
ロエチレン、ジフルオロエチレン、トリフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン、1−フルオロプロピレ
ン、2−フロオロプロピレン、3−フルオロプロピレ
ン、ジフルオロプロピレン、トリフルオロプロピレン、
テトラフルオロプロピレン及びヘキサフルオロプロピレ
ン等が挙げられる。塩素含有化合物としては、例えば、
塩化ビニル、塩化プロピレン、クロロトリフルオロエチ
レン及びクロロトリフルオロプロピレン等が挙げられ
る。
【0016】これらの内、(A)を用いて形成した被覆
体の体積抵抗率(体積抵抗率が高いと漏れ電流がさらに
少なくなる傾向がある。)の観点から、ビニルエステ
ル、ビニルエーテル、芳香環含有ビニル、シアノ基含有
ビニル及びハロゲン化ビニルが好ましく、さらに好まし
くはビニルエステル、ハロゲン化ビニルエーテル、ハロ
ゲン系芳香族含有ビニル及びフッ素含有化合物、特に好
ましくはビニルエステル、フッ化ビニリデン、モノフル
オロエチレン、ジフルオロエチレン、トリフルオロエチ
レン、テトラフルオロエチレン、1−フルオロプロピレ
ン、2−フロオロプロピレン、3−フルオロプロピレ
ン、ジフルオロプロピレン、トリフルオロプロピレン、
テトラフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン、クロロトリフルオロエチレン及びクロロトリフルオ
ロプロピレンである。
【0017】ヘテロ環状単量体としては、炭素原子以外
のヘテロ原子と少なくとも2個(好ましくは2〜12
個、さらに好ましくは2〜8個、特に好ましくは2〜5
個)の炭素原子とを有する環状化合物等が使用でき、例
えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、珪素原子及び燐
原子からなる群より選ばれる原子と少なくとも2個の炭
素原子を有する環状化合物等が用いられ、好ましくは式
(1)で表される化合物等が使用できる。
【0018】
【化1】
【0019】式(1)中、Rは、炭素数2〜12(好ま
しくは2〜8、さらに好ましくは2〜5)のアルキレン
基であり、アルキレン基の水素原子の一部が、ハロゲン
原子、炭化水素基(炭素数1〜8、好ましくは1〜5、
さらに好ましくは1〜4)若しくはハロゲン原子を有す
る炭化水素基(炭素数1〜8、好ましくは1〜5、さら
に好ましくは1〜4)で、直接又はエーテル結合、チオ
エーテル結合若しくはエステル結合を介して、置き換わ
っていてもよい。Rとしては、ハロゲン化アルキレン基
及び非ハロゲン化アルキレン基等が使用できる。
【0020】非ハロゲン化アルキレン基としては、例え
ば、エチレン基、メチルエチレン基、フェニルエチレン
基、プロピレン基、メチルプロピレン基、エチルエチレ
ン基、ブチレン基、アルキル(炭素数1〜8)オキシエ
チレン基、アルキル(炭素数1〜8)メルカプトエチレ
ン基、アルキル(炭素数1〜8)オキシカルボニルエチ
レン基、アルキル(炭素数1〜8)カルボニルオキシエ
チレン基等が挙げられる。
【0021】ハロゲン化アルキレン基としては、例え
ば、パーフルオロアルキル(炭素数1〜8)オキシエチ
レン基、テトラフルオロエチレン基、トリフルオロエチ
レン基、ジフルオロエチレン基、ヘキサフルオロプロピ
レン基、オクタフルオロブチレン基、トリフルオロメチ
ルエチレン基、ジクロロエチレン基、パーフルオロアル
キル(炭素数1〜8)メルカプトエチレン基、パーフル
オロアルキル(炭素数1〜8)オキシカルボニルエチレ
ン基、パーフルオロアルキル(炭素数1〜8)カルボニ
ルオキシエチレン基、トリクロロエチレン基及びテトラ
クロロエチレン基等が挙げられる。
【0022】式(1)中、Qは、−O−、−S−、−N
H−、−OCOO−、−SCOO−、−OCSO−、−
OCOS−、−SS−、−OCO−、−CONH−及び
−N=P(−R72−O−からなる群より選ばれる2価
の有機基(式中R7は、炭素数1〜12のアルキル基、
アルキル基で置換されていてもよい炭素数1〜12のシ
クロアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよ
い炭素数1〜12のアリール基を表す。なお、2つのR
7は同じでも異なっていてもよい。)である。
【0023】式(1)で示されるヘテロ環状単量体とし
ては、例えば、環状エーテル、環状チオエーテル、環状
イミン、環状カーボネート、環状チオカーボネート、環
状ジチオカーボネート、環状ジスルフィド、ラクトン、
ラクタム及び環状ホスファゼン等が例示される。
【0024】環状エーテルとしては、炭素数2〜18
(好ましくは炭素数2〜15、さらに好ましくは炭素数
2〜10)の環状エーテル等が用いられ、例えば、エチ
レンオキサイド、トリフルオロメチルエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチ
レンオキサイド、オキセタン、テトラヒドロフラン、メ
チルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、
グリシジル酢酸エステル、グリシジルプロピオン酸エス
テル、トリフルオロメチルグリシジルエーテル、ペンタ
フルオロエチルグリシジルエーテル、グリシジルトリフ
ルオロ酢酸エステル、グリシジルペンタフルオロプロピ
オン酸エステル及びグリシジルパーフルオロヘプタン酸
エステル等が挙げられる。
【0025】環状チオエーテルとしては、炭素数2〜1
8(好ましくは炭素数2〜15、さらに好ましくは炭素
数2〜10)の環状チオエーテル等が用いられ、例え
ば、エチレンサルファイド(チオシクロプロパン)、ヘ
キセンサルファイド(チオシクロヘプタン)、ヘプテン
サルファイド(チオシクロオクタン)、オクテンサルフ
ァイド(チオシクロノナン)、プロピレンサルファイド
(チオシクロブタン)、1,2−エピチオヘキサン、ブ
チレンサルファイド(チオシクロペンタン)及び2,3
−ジプロピルブチレンサルファイド等が挙げられる。
【0026】環状イミンとしては、炭素数2〜18(好
ましくは炭素数2〜15、さらに好ましくは炭素数2〜
10)の環状イミン等が用いられ、例えば、エチレンイ
ミン、ヘキセンイミン、ヘプテンイミン、オクテンイミ
ン、ペンテンイミン、プロピレンイミン、ブチレンイミ
ン及びジメチルオクテンイミン等が挙げられる。環状カ
ーボネートとしては、炭素数3〜19(好ましくは炭素
数2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜10)の環状
カーボネート等が用いられ、例えば、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネー
ト、ペンテンカーボネート及びジプロピルブチレンカー
ボネート等が挙げられる。
【0027】環状チオカーボネートとしては、炭素数3
〜19(好ましくは炭素数2〜16、さらに好ましくは
炭素数2〜10)の環状チオカーボネート等が用いら
れ、例えば、エチレンチオカーボネート及びプロピレン
チオカーボネート、ブチレンチオカーボネート、ペンテ
ンチオカーボネート及びジプロピルブチレンチオカーボ
ネート等が挙げられる。
【0028】環状ジチオカーボネートとしては、炭素数
3〜19(好ましくは炭素数2〜16、さらに好ましく
は炭素数2〜10)の環状ジチオカーボネート等が用い
られ、例えば、エチレンジチオカーボネートプロピレン
ジチオカーボネート、ブチレンジチオカーボネート、ペ
ンテンジチオカーボネート及びジプロピルブチレン等が
挙げられる。
【0029】環状ジスルフィドとしては、炭素数2〜1
8(好ましくは炭素数2〜15、さらに好ましくは炭素
数2〜10)の環状ジスルフィド等が用いられ、例え
ば、エチレンジスルフィド、プロピレンジスルフィド、
ブチレンジスルフィド、ペンテンジスルフィド及びジプ
ロピルブチレンジスルフィド等が挙げられる。ラクトン
としては、炭素数3〜19(好ましくは炭素数2〜1
6、さらに好ましくは炭素数2〜10)のラクトン等が
用いられ、例えば、ε−カプロラクトン及びδ−バレロ
ラクトン等が挙げられる。
【0030】ラクタムとしては、炭素数3〜19(好ま
しくは炭素数2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜1
0)のラクタム等が用いられ、例えば、ε−カプロラク
タム、N−メチルピロリドン、N−ヘキシルピロリド
ン、アゼチジノン及びピロリドン等が挙げられる。環状
ホスファゼンとしては、炭素数4〜66(好ましくは炭
素数4〜40、さらに好ましくは炭素数4〜20)のホ
スファゼン等が用いられ、例えば、ヘキサクロロホスフ
ァゼン及びヘキサフルオロホスファゼン等が挙げられ
る。
【0031】これらの中で、環状エーテル、環状チオエ
ーテル、環状イミン、環状ジスルフィド及び環状シロキ
サンが好ましく、さらに好ましくは環状エーテル、環状
イミン及び環状シロキサン、特に好ましくは環状イミン
及び環状シロキサンである。これらの(A)は、1種又
は2種以上の混合物を用いてもよい。これら(A)のう
ち、被覆のしやすさの観点から、ビニル単量体が好まし
い。
【0032】本発明の(A)を用いて形成した被覆体の
体積抵抗率は、103〜1025Ω・cmが好ましく、さ
らに好ましくは1010〜1024Ω・cm、特に好ましく
は1015〜1023Ω・cmである。この範囲であると、
(A)の重合体で被覆してなる電極の漏れ電流がさらに
減少する傾向にある。なお、本発明において、体積抵抗
率とは、JIS C6481−1986、項目5.9に
記載された方法に準じて測定される値を意味する。
【0033】なお、測定に用いる被覆体(フィルム状)
は、次のようにして調製する。ビニル化合物単量体の場
合、(A)とアゾビスイソブチロニトリル{(A)の重
量に基づいて0.1重量%}とを混合し、60℃、6時
間重合させて重合体を得た後、膜厚0.2mmのフィル
ムを調製する。ヘテロ環状単量体の場合は、公知の個々
のモノマーに応じた方法で重合し{例えば、環状エーテ
ルの場合は、水酸化カリウム(モノマーの重量に基づい
て0.3重量%)を用いて、密閉下で130℃でモノマ
ーのすべてを触媒に接触させてから130℃で2時間熟
成反応させる。}重合体を得た後、膜厚0.2mmのフ
ィルムを調整する。
【0034】本発明の電気化学重合用電極被覆剤(B)
は、(A)を含有していればよく、必要に応じて、溶
媒、電解質及びキャパシタ用電解液等を含有させること
ができる。なお、電解液を含有する場合、そのままキャ
パシタ用電解液として使用できる。溶媒としては、
(A)を溶解・分散できるものでれば公知のものが使用
でき、カーボネート系溶媒、含硫黄系溶媒、ラクトン系
溶媒、アルコール系溶媒、含ハロゲン系溶媒、脂肪族炭
化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒及び無機系溶媒等
が使用できる。
【0035】カーボネート系溶媒としては、例えば、プ
ロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレ
ンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチル
カーボネート及びジエチルカーボネート等が挙げられ
る。含硫黄系溶媒としては、例えば、スルホラン、メチ
ルスルホラン、ジメチルスルホキシド及びトリメチルス
ルホキシド等が挙げられる。ラクトン系溶媒としては、
例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等が
挙げられる。
【0036】アルコール系溶媒としては、例えば、メタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げ
られる。含ハロゲン系溶媒としては、例えば、塩化メチ
レン、クロロホルム等が挙げられる。脂肪族炭化水素系
溶媒としては、例えば、ヘプタン、シクロヘキサン、オ
クタン及びヘキサン等が挙げられる。芳香族炭化水素系
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン及びベンゼ
ン等が挙げられる。
【0037】無機系溶媒としては、例えば、水、塩化ナ
トリウム水溶液(塩化ナトリウム濃度0.1〜30重量
%)及び過塩素酸ナトリウム水溶液(過塩素酸ナトリウ
ム濃度0.1〜30重量%)等が挙げられる。溶媒は、
2種以上の混合物としても使用できる。これらのうち、
アルコール系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒及び芳香族炭
化水素系溶媒が好ましく、さらに好ましくはメタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘプタン、
シクロヘキサン、オクタン、ヘキサン、トルエン、キシ
レン及びベンゼン、特に好ましくはメタノール、イソプ
ロピルアルコール、ヘキサン及びトルエンである。
【0038】電極を被覆した後に洗浄及び/又は乾燥さ
せる場合は、揮発性の観点から、メタノール、エタノー
ル、クロロホルム、イソプロピルアルコール、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ベンゼン、
水及びこれらの混合物が好ましい。溶媒を使用する場合
は、溶媒の使用量は、溶媒と(A)との合計重量100
重量部に対して、99.99〜5重量部が好ましく、さ
らに好ましくは99.9〜20、特に好ましくは99〜
50重量部、さらに特に好ましくは98〜70重量部、
最も好ましくは97〜90重量部である。
【0039】電解質としては、公知のものが使用でき、
例えば、アルキルアンモニウム塩、アルキルホスホニウ
ム塩、イミダゾリウム塩、ピリミジウム塩及び第4級ア
ミジニウム塩等が使用できる。電解質を形成しうるカチ
オンとしては、公知のものが使用でき、例えば、アルキ
ルアンモニウムイオン、アルキルホスホニウムイオン、
イミダゾリウムイオン、ピリミジウムイオン及び第4級
アミジウムイオン等が挙げられる。ここで、アルキルア
ンモニウムイオン及びアルキルホスホニウムイオン中の
アルキル基の炭素数の総和は、1〜12が好ましく、さ
らに好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜3である。
【0040】また、イミダゾリウムイオン、ピリミジウ
ムイオン及び第4級アミジウムイオン中のアルキル基の
炭素数は、1〜12が好ましく、さらに好ましくは1〜
5である。アルキルアンモニウムイオンとしては、例え
ば、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルア
ンモニウムイオン、テトラ−n−ブチルアンモニウムイ
オン、メチルトリエチルアンモニウムイオン及びジメチ
ルジエチルアンモニウムイオン等が挙げられる。
【0041】アルキルホスホニウムイオンとしては、例
えば、テトラメチルホスホニウムイオン、テトラエチル
ホスホニウム及びメチルトリエチルホスホニウムイオン
等が挙げられる。イミダゾリウムイオンとしては、例え
ば、1,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−エチ
ル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1,2,3−ト
リメチルイミダゾリウムイオン、1,2,3−トリメチ
ルイミダゾリニウムイオン、1,2,3,4−テトラメ
チルイミダゾリニウムイオン及び1−エチル−2,3−
ジメチルイミダゾリニウムイオン等が挙げられる。
【0042】ピリミジウムイオンとしては、例えば、
1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリ
ミジウムイオン及び1,2,3−トリメチル−1,4,
5,6−テトラヒドロピリミジウムイオン等が挙げられ
る。第4級アミジニウムイオンとしては、例えば、1−
メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ
セン−7イオン及び1−メチル−1,5−ジアザビシク
ロビシクロ[4.3.0]ノネン−5イオン等が挙げら
れる。これらのカチオンのうち、アルキルアンモニウム
イオン、イミダゾリウムイオン、第4級アミジウムイオ
ンが好ましく、さらに好ましくはイミダゾリウムイオ
ン、第4級アミジウムイオン、特に好ましくはイミダゾ
リウムイオンである。
【0043】電解質を形成しうるアニオンとしては、公
知のものが使用でき、例えば、過塩素酸、4フッ化ホウ
酸6フッ化リン酸、6フッ化砒素酸、6フッ化アンチモ
ン酸、パーフルオロアルカンスルホン酸(アルカンの炭
素数1〜5)、パーフルオロアルカンスルホニルイミド
(アルカンの炭素数1〜5)、パーフルオロアルカンス
ルホニルメチル(アルカンの炭素数1〜5)、ヨウ化水
素酸又は四塩化アルミニウム等からなるアニオンが挙げ
られる。これらのアニオンのうち、過塩素酸、パーフル
オロアルカンスルホン酸、パーフルオロアルカンスルホ
ニルイミド、パーフルオロアルカンスルホニルメチル、
ヨウ化水素酸が好ましく、さらに好ましくは、過塩素
酸、パーフルオロアルカンスルホン酸、パーフルオロア
ルカンスルホニルメチル、特に好ましくは、過塩素酸で
ある。
【0044】電解質を使用する場合は、電解質の使用量
は、電極被覆剤(B)100重量部に対して、0.01
〜20重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1
0重量部、特に好ましくは1〜5重量部である。
【0045】電解液としては、公知の電解液が使用でき
るが、本発明の電極被覆剤(B)をそのままキャパシタ
用の電解液として使用することを考慮すると(印加可能
な電圧が大きく、エネルギー密度の大きなキャパシター
を得るために)電解液は非水系電解液が好ましい。ま
た、高い耐電圧が得られるように、非水系電解液中の水
分は、200ppm以下であることが好ましく、さらに
好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50pp
m以下である。
【0046】電解液に使用することのできる電解溶媒と
しては、公知のものが使用でき、例えば、環状又は鎖状
の炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖
状のエーテル、ラクトン、ニトリル、アミド及びこれら
の混合物等が使用できる。環状炭酸エステルとしては、
炭素数3〜5の環状炭酸エステル等が用いられ、例え
ば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート及
びブチレンカーボネート等のアルキレンカーボネートが
挙げられる。
【0047】鎖状炭酸エステルとしては、炭素数3〜1
0の鎖状炭酸エステル等が用いられ、例えば、ジメチル
カーボネート、ヘキシルプロピルカーボネート、メチル
エチルカーボネート及びジエチルカーボネート等のジア
ルキレンカーボネートが挙げられる。鎖状カルボン酸エ
ステルとしては、炭素数3〜5の鎖状カルボン酸エステ
ル等が用いられ、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、
酢酸ブチル、酢酸メチル及びプロピオン酸メチル等が挙
げられる。
【0048】環状又は鎖状のエーテルとしては、炭素数
4〜10の環状又は鎖状のエーテル等が用いられ、例え
ば、テトラヒドロフラン、1,3−メトキシブタン、
1,2−ジエトキシヘキサン及び1,2−ジメトキシエ
タン等が挙げられる。ラクトンとしては、炭素数4〜6
のラクトン等が用いられ、例えば、γ−ブチロラクト
ン、ε−カプロラクトン及びγ−バレロラクトン等が挙
げられる。ニトリル化合物としては、炭素数2〜6のニ
トリル化合物等が用いられ、例えば、アセトニトリル、
ブタンニトリル及びヘキサンにトリル等が挙げられる。
アミド化合物としては、炭素数3〜6のアミド化合物等
が用いられ、例えば、ジメチルフォルムアミド、ε−カ
プロラクタム、アゼチジノン及びピロリドン等が挙げら
れる。これらの中で、充放電特性の観点から、環状炭酸
エステル及び/又は鎖状炭酸エステルが好ましい。
【0049】電解液に含まれる電解質としては、公知の
ものが使用でき、例えば、上記に例示したものが使用で
きる。これらの電解質の電解液中のモル濃度は、キャパ
シターの特性の観点から、電解液の単位容量当たり、
0.1〜2.5モル/リットルが好ましく、さらに好ま
しくは0.3〜2.0モル/リットルである。電解液を
使用する場合、電解液の使用量は、漏れ電流と静電容量
の観点から、(A)と電解液との合計重量100重量部
に対して、99.99〜50重量部が好ましく、さらに
好ましくは99.95〜60重量部、特に好ましくは9
9.9〜70重量部である。
【0050】本発明の電極被覆剤の電気化学重合反応に
より、電極表面を(A)の重合体で被覆する方法として
は、例えば、以下の(1)又は(2)等が挙げられる。 (1)本発明の電極被覆剤中に一対の電極を浸漬させ
て、又は一対の電極に本発明の電極被覆剤を接触させ
て、この電極間に電位をかけて、ミクロポア内部まで
(A)を引き寄せると共に、電気化学的に重合させて、
電極表面に被覆体を形成させる方法。この際、電流密度
は、電気的活性部位を被覆する観点から、0.0000
1〜10,000mA/cm2・minが好ましく、さ
らに好ましくは0.001〜10mA/cm2・min
である。また、電流印加時間、反応温度に特に制限はな
い。
【0051】(2)密閉容器中において、本発明の電極
被覆剤中に一対の電極を浸漬させて、又は一対の電極に
本発明の電極被覆剤を接触させて、密閉容器内を減圧・
加圧を繰り返した後、この電極間に電位をかけて、ミク
ロポア内部まで(A)を引き寄せると共に、電気化学的
に重合させて、電極表面に被覆体を形成させる方法。こ
の際、電流密度は、電気的活性部位を被覆する観点か
ら、0.0001〜10,000mA/cm2・min
が好ましく、さらに好ましくは0.001〜10mA/
cm2・minである。また、電流印加時間、反応温度
に特に制限はない。
【0052】なお、電気的活性部位とは、電極表面に存
在し、漏れ電流発生の原因となる部位を意味し、例え
ば、炭素電極表面に存在するカルボキシル基又はヒドロ
キシル基等の存在する部位である。さらに、(1)又は
(2)の後に、加熱又は電子線等のエネルギーを加える
ことにより、さらに重合反応を完全なものとしてもよ
い。加熱する場合、使用する単量体により決定し得る
が、加熱温度は、通常40〜270℃であり、加熱時間
は通常5分〜24時間である。電子線を照射する場合、
使用する単量体により決定し得るが、照射エネルギーと
しては、通常1〜10MRadである。
【0053】また、電気化学重合反応の後に、電極を溶
媒又は(A)で洗浄してもよい。洗浄溶媒としては、上
記で例示した溶媒が使用できる。また、本発明の電極被
覆剤の電気化学重合反応による電極表面の被覆は、キャ
パシタを組み立てた後で行ってもよいし、組み立てる前
に行ってもよい。組立後に行う場合は、キャパシタの耐
電圧以下の電位で行うことが好ましい。また、被覆され
る電極は、キャパシタの正極又は負極の何れか一方の電
極でも、両方の電極でもよいが、両方の電極を被覆した
方が好ましい。
【0054】被覆される電極としては、キャパシタに用
いられる公知のものが使用でき、例えば、活性炭素電極
及び他の樹脂炭化物のような炭素電極、並びに多孔質ニ
ッケル及びアルミ電極等が使用できる。これらのうち、
微細構造(ミクロポアを多く有し表面積が大きい程、静
電容量を大きくできる。)の観点から、活性炭素電極が
好ましい。電気化学重合反応に使用する(A)の量とし
ては、電極の種類、形状(ミクロポアの大きさや数を含
む。)により異なり、電気的活性部位のほとんど(好ま
しくは全て)を被覆する量であれば制限はない。例え
ば、炭素電極の場合、炭素電極1gに対して、0.01
〜1000mmolが好ましく、さらに好ましくは0.
1〜100mmol、特に好ましくは1〜10mmol
である。
【0055】本発明の電極被覆剤の電気化学重合反応に
より電極表面を(A)の重合体で被覆してなる電極
(C)は、キャパシタとして有用であり、特に電気二重
層キャパシタ用の電極として好適である。この電極を用
いることにより、静電容量が大きくかつ漏れ電流の小さ
い電気二重層キャパシタを得ることができる。なお、電
気二重層キャパシタを製造する方法としては、公知の方
法が使用でき、例えば、特開平11−87195号公報
に記載の方法が挙げられる。
【0056】
【実施例】次に、本発明について実施例を示すことで更
に詳細に説明するが、この発明は以下の実施例に限定さ
れるものではない。 実施例1 テトラエチルアンモニウムパークロレイトの濃度が1.
00mol/lとなるように、プロピレンカーボネート
にテトラエチルアンモニウムパークロレイトを加えて電
解液(D1)を調製した。この電解液(D1)100重
量部に対し、表1に示す単量体(A)を同表に示す割合
で加えて、本発明の電極被覆剤(B1)〜(B9)を調
整した。
【0057】
【表1】
【0058】実施例2 炭素繊維電極(1)(クラレ社製、商品名:CH−72
0、直径15mm)をステンレス製ケースa(5)(宝
泉株式会社製、商品名:CR−2025缶、円形缶)に
導電性カーボンペースト(2)(日本アチソン社製、商
品名:エレクトロダック112)を使って圧着した。同
様に炭素繊維電極(1)をステンレス製ケースb(6)
に導電性カーボンペースト(2)を使って圧着し、ポリ
プロピレン製ガスケット(4)をステンレス製ケースb
(6)の内側に配置した。次いで、実施例1で調整した
電極被覆剤(B1)を炭素繊維電極(1)のそれぞれに
200μlづつ含浸させた。
【0059】次いで、窒素ガス雰囲気下で、ポリプロピ
レン製多孔質セパレーター(3)(三菱化学社製)を炭
素繊維電極(1)同士間に挟むようにして、ステンレス
製ケースa(5)及びb(6)を重ね合わせた。次い
で、ステンレス製ケースb(6)の開口端を内側へ折曲
し封口部分をポリプロピレン製ガスケット(4)でシー
ルするようにして図1に示すコイン型キャパシタを作成
した。次に、ステンレス製ケースa(5)とb(6)と
の間(以下、a−b電極間と略する。)に、30℃で、
この間の電位差が2.5Vになるまで0.1mAの定電
流を印可することにより、電極表面に被覆体を形成させ
ることにより本発明の電気二重層キャパシタ(E1)を
調製した。引き続き、20℃、65%RHの恒温恒湿室
内で、このコイン型キャパシタ(E1)の漏れ電流と静
電容量とを以下の方法で測定した。その結果を表1に示
す。なお、ポリアクリロニトリルの体積抵抗率(JIS
C6481−1986、5.9)は、2.2×1016
Ω・cmであった。
【0060】<漏れ電流の測定>a−b電極間の電位差
が2.5Vになるまで、0.5mAで定電流充電を行
い、引き続き4時間2.5Vの定電圧充電を行った。J
IS C5102−1977、項目7.7の方法に準拠
して、漏れ電流を測定した。ただし、定格電圧は、2.
5Vである。
【0061】<静電容量の測定>漏れ電流の測定後、引
き続き、a−b電極間の電位差が2.5Vになるまで、
0.5mAで定電流充電を行い、引き続き4時間2.5
Vの定電圧充電を行った。次いで、定電流(3mA)放
電させ、1.5Vから1.0Vになるまでの放電時間t
を測定し、下記式から静電容量C(F)を算出した。 C=0.003×t/0.5
【0062】実施例3 電極被覆剤(B1)を電極被覆剤(B2)に変更した以
外は実施例2と同様にしてコイン型キャパシタを作成し
た後、実施例2と同様にして電極表面に被覆体を形成す
ることにより本発明の電気二重層キャパシタ(E2)を
調製した。引き続き、このコイン型キャパシタ(E2)
の漏れ電流と静電容量とを実施例2と同様にして測定し
た。その結果を表1に示す。
【0063】実施例4 電極被覆剤(B1)を電極被覆剤(B3)に変更した以
外は実施例2と同様にしてコイン型キャパシタを作成し
た後、実施例2と同様にして電極表面に被覆体を形成す
ることにより本発明の電気二重層キャパシタ(E3)を
調製した。引き続き、このコイン型キャパシタ(E3)
の漏れ電流と静電容量とを実施例2と同様にして測定し
た。その結果を表1に示す。なお、ポリスチレンの体積
抵抗率(JIS C6481−1986、5.9)は、
3.5×1017Ω・cmであった。
【0064】実施例5 電極被覆剤(B1)を電極被覆剤(B4)に変更した以
外は実施例2と同様にしてコイン型キャパシタを作成し
た後、実施例2と同様にして電極表面に被覆体を形成す
ることにより本発明の電気二重層キャパシタ(E4)を
調製した。引き続き、このコイン型キャパシタ(E4)
の漏れ電流と静電容量とを実施例2と同様にして測定し
た。その結果を表1に示す。
【0065】実施例6 硝酸リチウムの濃度が0.65mol/lになるよう
に、プロピレンカーボネートに硝酸リチウムを加えて電
解液(D2)を調製した。この電解液100重量部に対
し、アクリロニトリルを20重量部を加えて、本発明の
電極被覆剤(B5)を調製した。次に、200mlビー
カーに上記で調製した電極被覆剤(B5)を150ml
入れ、30℃で、炭素繊維電極(クラレ社製、商品名:
CH−720、15×50mmの長方形)を陰極に、白
金電極を陽極として、電極間距離を10mmに保ち両極
間の電位差が2.5Vになるまで、両極間に0.1mA
の定電流を印加することにより炭素電極表面を被覆した
被覆炭素繊維電極を調製した。この被覆炭素電極を、電
解液(D2)で10回洗浄した後、直径15mmの円形
にくり抜き、180℃で24時間、窒素雰囲気下におい
て加熱乾燥して、その後、100℃で5時間、真空乾燥
を行いキャパシタ用電極(C1)を調製した。このキャ
パシタ用電極(C1)を2個用いて、電極被覆剤(B
1)を上記の電解液(D2)に変更した以外は実施例2
と同様にして、コイン型キャパシタ(E5)を調製し
た。引き続き、このコイン型キャパシタ(E5)の漏れ
電流と静電容量とを実施例2と同様にして測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0066】実施例7 炭素繊維電極(クラレ社製、商品名:CH−720、1
5×50mmの長方形)を陰極、白金電極を陽極とした
一対の電極(電極間距離10mm)を備え付けた200
mlオートクレーブに、塩化亜鉛を5重量部仕込み、次
いで、エチレンオキサイド100重量部を加圧条件下で
仕込み、塩化亜鉛を含有した電極被覆剤(B6)を調製
した。次に、110℃で、電極間の電位差が2.5Vに
なるまで、両極間に0.1mAの定電流を印加すること
により炭素電極表面を被覆した被覆炭素繊維電極を調製
した。この被覆炭素電極を、電解液(D2)で10回洗
浄した後、直径15mmの円形にくり抜き、180℃で
24時間、窒素雰囲気下において加熱乾燥して、その
後、100℃で5時間、真空乾燥を行いキャパシタ用電
極(C2)を調製した。
【0067】このキャパシタ用電極(C2)を2個用い
て、電解液(B1)を電解液(D2)に変更した以外は
実施例2と同様にして、コイン型キャパシタ(E6)を
調製した。引き続き、このコイン型キャパシタ(E6)
の漏れ電流と静電容量とを実施例2と同様にして測定し
た。その結果を表1に示す。なお、ポリエチレンオキサ
イドの体積抵抗率(JIS C6481−1986、
5.9)は、1.0×1016Ω・cmであった。
【0068】実施例8 電極被覆剤(B1)を電極被覆剤(B7)に変更した以
外は実施例2と同様にしてコイン型キャパシタを作成し
た後、実施例2と同様にして電極表面に被覆体を形成す
ることにより本発明の電気二重層キャパシタ(E7)を
調製した。引き続き、このコイン型キャパシタ(E7)
の漏れ電流と静電容量とを実施例2と同様にして測定し
た。その結果を表1に示す。
【0069】実施例9 電極被覆剤(B1)を電極被覆剤(B8)に変更した以
外は実施例2と同様にしてコイン型キャパシタを作成し
た後、実施例2と同様にして電極表面に被覆体を形成す
ることにより本発明の電気二重層キャパシタ(E8)を
調製した。引き続き、このコイン型キャパシタ(E8)
の漏れ電流と静電容量とを実施例2と同様にして測定し
た。その結果を表1に示す。なお、ポリ(パーフルオロ
オクチルアクリレート)の体積抵抗率(JIS C64
81−1986、5.9)は、1.2×1018Ω・cm
であった。
【0070】実施例10 電極被覆剤(B1)を電極被覆剤(B9)に変更した以
外は実施例2と同様にしてコイン型キャパシタを作成し
た後、実施例2と同様にして電極表面に被覆体を形成す
ることにより本発明の電気二重層キャパシタ(E9)を
調製した。引き続き、このコイン型キャパシタ(E9)
の漏れ電流と静電容量とを実施例2と同様にして測定し
た。その結果を表1に示す。
【0071】比較例1 電極被覆剤(B1)を実施例6で調製した電解液(D
2)に変更した以外は実施例2と同じにしてコイン型キ
ャパシタ(E10)を作成した。引き続き、このコイン
型キャパシタ(E10)の漏れ電流と静電容量とを実施
例2と同様にして測定した。その結果を表1に示す。
【0072】比較例2 炭素繊維電極(クラレ社製、商品名:CH−720)に
ポリテトラフルオロエチレンの水性懸濁液を塗布した
後、250℃窒素雰囲気下で加熱乾燥して、炭素繊維電
極表面にフッ素樹脂皮膜を形成した被膜炭素繊維電極を
作製した。この繊維電極を、直径15mmの円形にくり
抜いた。この被膜炭素繊維電極を2個用いて、電極被覆
剤(B1)を電解液(D2)に変更した以外は実施例2
と同様にして、コイン型キャパシタ(E11)を調製し
た。引き続き、このコイン型キャパシタ(E11)の漏
れ電流と静電容量とを実施例2と同様にして測定した。
その結果を表1に示す。
【0073】表1に示す結果から明らかなように、未被
覆電極を使用した電気二重層キャパシタ(比較例1)に
比べて、被覆電極を用いた電気二重層キャパシタ(実施
例2〜10及び比較例2)において、漏れ電流が大幅に
低減されている。また、樹脂分散液から作成された被膜
で被覆した電極を用いた電気二重層キャパシタ(比較例
2)に比べて、本発明の電極被覆剤で被覆した電極
(C)を用いた電気二重層キャパシタ(実施例2〜1
0)では、漏れ電流が大幅に低減することに加えて、静
電容量が大きいことが明白である。
【0074】
【発明の効果】本発明の電極被覆剤は、キャパシタの静
電容量を低下させることなく、漏れ電流を大幅に低減し
得る電極を調製できる。従って、本発明の電極被覆剤を
用いを用いることにより、経時安定性に極めて優れた電
気二重層キャパシタを得ることができ、その工業価値の
絶大なものである。
【0075】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例で調製したコイン型キャパシ
タの概略構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 炭素繊維電極 2 導電性カーボンペースト 3 ポリプロピレン製多孔質セパレーター 4 ポリプロピレン製ガスケット 5 ステンレス製ケースa 6 ステンレス製ケースb 7 不活性ガス相

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気化学重合性単量体(A)を含有する
    ことを特徴とする電気化学重合用電極被覆剤。
  2. 【請求項2】 電解液を含有してなる請求項1に記載の
    電極被覆剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の電極被覆剤の電
    気化学重合反応により、電極表面を(A)の重合体で被
    覆してなる電気二重層キャパシタ用電極(C)。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の電極(C)を用いてな
    る電気二重層キャパシタ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005310702A (ja) * 2004-04-26 2005-11-04 Japan Storage Battery Co Ltd 非水電解質二次電池
JP2013503244A (ja) * 2009-08-31 2013-01-31 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ ポリマーの製造方法、電極のコーティング並びに関連ポリマー及び電極

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