JP2002061754A - バタフライ弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 海洋生物の付着を防止して長期使用によって
所定のシール性及び円滑な開閉作動性を維持することが
できるバタフライ弁を提供する。 【解決手段】 弁箱１の内部に弁箱内流路の軸線に対し
て垂直な軸心周りで回転して弁箱内流路を開閉する弁体
３を配置し、弁箱内流路の内周面１Ａおよび弁体３の全
体にゴムライニング４を施したバタフライ弁において、
超音波振動子１１を弁箱１、弁体３、弁棒２の少なくと
も何れかに取付けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はバタフライ弁に関
し、特に海水の配管ラインに設置して用いる技術に係る
ものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の一般的なバタフライ弁は、円筒
状の流路を有する弁箱内に円形の弁体を設け、弁棒によ
り弁体を弁箱内流路の軸線に対して垂直な軸心周りで回
転操作することにより弁箱内流路を開閉し、弁体の全閉
時に弁体外周面部を弁箱の流路内周面に設置した弾性シ
ートに弾性接触（密着）させることで、止水性を発揮す
る。このようなバタフライ弁は、特に海水の配管ライン
に設置して用いる場合に、腐食対策として弁箱の流路内
周面および弁体の全体にゴムライングを施している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
なバタフライ弁では、海水中に含まれている海洋生物、
例えば貝等の幼生がゴムシートに付着することは避けら
れず、その付着した海洋生物の幼生の成長によりゴムシ
ートが損傷して止水性が損なわれたり、あるいは海洋生
物が弁箱の弁棒支承部に侵入して外部への漏水や弁の開
閉作動不良を招く問題があった。

【０００４】本発明は上記した課題を解決するものであ
り、海洋生物の付着を防止して長期使用によって所定の
シール性及び円滑な開閉作動性を維持することができる
バタフライ弁を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のバタフライ弁は、弁箱の内部に弁箱内流路
の軸線に対して垂直な軸心周りで回転して弁箱内流路を
開閉する弁体を配置し、弁箱内流路の内周面および弁体
の全体にゴムライニングを施したバタフライ弁におい
て、超音波振動子を弁箱、弁体、弁棒の少なくとも何れ
かに取付けたものである。

【０００６】上記した構成により、超音波振動子を常時
に、もしくは定期的あるいは不定期的に作動させ、弁箱
もしくは弁体を介してゴムライニングに超音波振動を付
与することによってゴムライニングに付着した海洋生物
の幼生を除去し、あるいは付着することを防止する。こ
のことで、ゴムライニングの損傷に伴う止水性の低下を
回避するだけでなく、海洋生物の弁棒支承部への侵入に
伴う漏水や弁の開閉作動不良の発生を避けることが可能
となり、ゴムライニングによる本来の腐食防止と相俟っ
てバタフライ弁全体の耐久性の向上を図れる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１〜図４において、弁箱１は円
筒状の弁箱内流路１Ａを有し、弁箱内流路１Ａの内部に
流路軸線ｃに対して垂直な軸心ｂ周りで回転する弁棒２
で支持して円形の弁体３を配置しており、弁体３が回転
操作に伴って弁箱内流路１Ａを開閉する。

【０００８】図３〜図４に示すように、弁箱内流路１Ａ
の内周面および弁体３にはその全体を覆ってゴムライニ
ング４を施工しており、全閉時には弁体３のゴムライニ
ング４の外周面部３ａが弁箱１のゴムライニング４の中
央肉厚部４ａの内面に圧接することにより、所定の止水
性を確保する。

【０００９】弁箱１の上部にはスタンド５及びアダプタ
６を介して弁開閉操作用の電動減速機７を設けており、
電動減速機７に弁棒２を連動連結している。弁棒２は、
電動減速機７に直結する上部弁棒２Ａと弁箱１の底部に
形成した筒部１Ｂで軸受８を介して支承する下部弁棒２
Ｂとからなる。上部弁棒２Ａの外周面及び弾性ゴムシー
ト４の中央肉厚部４ａに対応する弁箱１の外面にはそれ
ぞれ超音波振動子１０，１１を取付けている。

【００１０】以下、上記した構成における作用を説明す
る。バタフライ弁を海水の配管ライン等に設置し使用す
る場合には、弁体３の全閉時、全開時において常時に、
もしくは定期的に、あるいは不定期的に超音波振動子１
０，１１を動作させ、弁棒２、弁箱１、弁体３を介して
ゴムライニング４に超音波振動を付与する。このことに
よって、海水中に含まれている貝等の海洋生物の幼生が
ゴムライニング４に付着することを防ぎ、あるいは付着
した海洋生物を除去する。

【００１１】結果、ゴムライニング４の損傷に伴う止水
性の低下を回避するだけでなく、海洋生物の幼生が弁棒
２（２Ａ，２Ｂ）の支承部ＳＡ，ＳＢ（図３参照）に侵
入することに起因する外部への漏水や弁開閉の作動不良
の発生を避けることができ、ゴムライニング４の本来の
腐食防止と相俟って、バタフライ弁全体の耐久性を向上
することができる。

【００１２】なお、本実施の形態では、超音波振動子１
０，１１を上部弁棒２Ａの外周面及びゴムライニング４
の中央肉厚部４ａに対応する弁箱１の外面にそれぞれ取
付けたが、超音波振動子１１はゴムライニング４に超音
波振動を付与できる位置であれば、上記以外の箇所に取
付けてもよい。

【００１３】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、超音波振
動により海水中に含まれている貝等の海洋生物の幼生が
ゴムライニングに付着することを防止することができる
ので、海洋生物の付着に起因するゴムライニングの損傷
及び止水性の低下を回避できるとともに、海洋生物が弁
棒支承部に侵入することに起因する外部漏水や弁開閉の
作動不良の発生を避けることができ、ゴムシート本来の
腐食防止効果と相俟って、バタフライ弁全体の耐久性を
向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態におけるバタフライ弁を示
す全体外観正面図である。

【図２】同バタフライ弁の全体外観側面図である。

【図３】同バタフライ弁の要部拡大縦断側面図である。

【図４】同バタフライ弁の要部拡大平断面図である。

【符号の説明】

１ 弁箱 １Ａ 弁箱内流路 ２ 弁棒 ３ 弁体 ４ ゴムライニング １０，１１ 超音波振動子

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 弁箱の内部に弁箱内流路の軸線に対して
   垂直な軸心周りで回転して弁箱内流路を開閉する弁体を
   配置し、弁箱内流路の内周面および弁体の全体にゴムラ
   イニングを施したバタフライ弁において、超音波振動子
   を弁箱、弁体、弁棒の少なくとも何れかに取付けたこと
   を特徴とするバタフライ弁。