JP2002060663A - インクジェット記録用インク組成物 - Google Patents

インクジェット記録用インク組成物

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JP2002060663A
JP2002060663A JP2000249799A JP2000249799A JP2002060663A JP 2002060663 A JP2002060663 A JP 2002060663A JP 2000249799 A JP2000249799 A JP 2000249799A JP 2000249799 A JP2000249799 A JP 2000249799A JP 2002060663 A JP2002060663 A JP 2002060663A
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group
ink
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carbon atoms
ring
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JP2000249799A
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English (en)
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Nobuhiro Nishida
伸洋 西田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、取り扱い性、臭気、安全性に
優れた水性インクにおいて、従来の欠点を解消する。即
ち、写真画質用紙へ記録した際のインクの浸透性を改良
することで、記録濃度を高めて記録画質を向上させると
同時に印字直後の汚れを解消することにある。 【解決手段】高沸点有機溶媒に溶解した油溶性染料を水
性媒体中に分散して成る染料分散物を含有するインクジ
ェット用インク組成物において、水溶性染料及び油溶性
染料のそれぞれの吸収極大波長差が0〜20nmである
ことを特徴とするインクジェット用インク組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録画像の品質が
高く、吐出安定性に優れたインクジェット記録用インク
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピューターの普及に伴いイン
クジェットプリンターがオフィスだけでなく家庭で紙、
フィルム、布等に印字するために広く利用されている。
インクジェット用インクは油性、水性、固体状インクが
知られているが、製造・取り扱い性・臭気・安全性等の
点から水性インクが主流となっている。しかしながら、
多くの水性インクは分子状態で溶解する水溶性染料を用
いているため透明性、色濃度が高いという利点を有する
ものの、耐水性が悪くいわゆる普通紙に印字すると滲み
(ブリード)を生じ著しい印字品質の低下や、更に耐光
性が著しく悪いという欠点を有していた。
【0003】上記欠点を改良するために顔料や分散染料
を用いた水性インクが種々提案されている。例えば特開
昭56−157468号公報、特開平4−18468号
公報、特開平10−110126号公報、特開平10−
195355号公報に記載されている。これらの方法に
よって耐水性は改良されるものの完全ではなく、特に顔
料インクの場合は染料インクに比べ発色が劣ること、分
散物の保存安定性に欠けるため吐出口での目詰まりを起
こしやすいなどの欠点を有していた。また特開昭58−
45272号公報ではウレタンポリマーラテックス粒子
に染料を内包させる方法が提案されているが、所望の濃
度に染料を内包すると分散安定性に優れた着色粒子が得
にくいという欠点を有していた。更に、特開平10−2
79873号公報にはアクリル系ポリマーと油溶性染料
を有機溶媒に溶かし、分散後有機溶媒を除去することで
着色ポリマー微粒子を作る方法が開示されているが、記
録画像品質、特に写真画質用の紙媒体に記録した際の品
質や連続記録における安定性に問題があった。一方、特
公平5−76977号公報には、水への溶解度が小さく
比重が水に近い有機溶媒に油溶性染料を溶解し分散せし
めたインク組成物が開示されているが、ここで規定され
た有機溶媒は一般に油溶性染料との相溶性が不充分なた
めに記録濃度が低く、場合によっては保存中に染料が析
出しノズルの目詰まりの原因となる事が明らかになっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】取り扱い性、臭気、安
全性に優れた水性インクにおいて、耐水性と耐光性を両
立させた油溶性染料の水性分散インクを用い、このイン
クの従来の欠点を解消するものである。即ち、写真画質
用紙へ記録した際のインクの浸透性を改良することで、
記録濃度を高めて記録画質を向上させると同時に印字直
後の汚れを解消することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】本発明の目的は以下に示す方法にて解決さ
れる事を見いだした。 (1)高沸点有機溶媒に溶解した油溶性染料を水性媒体
中に分散して成る染料分散物を含有するインクジェット
用インク組成物において、水溶性染料及び油溶性染料の
それぞれの吸収極大波長差が0〜20nmであることを
特徴とするインクジェット用インク組成物。 (2)(1)に記載のインクジェット用インク組成物に
おいて、油溶性染料が下記一般式(1)で表される化合
物を含有することを特徴とするインクジェット用インク
組成物。
【0007】
【化2】 一般式(I)
【0008】式(I)において、Xはカラー写真カプラ
ーの残基、Aは−NR45またはヒドロキシ基を表わ
し、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族
基、芳香族基または複素環基を表わす。B1は=C
(R6)−または=N−を表わし、B2は−C(R7)=
または−N=を表わす。R2、R3、R6およびR7はそれ
ぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族
基、複素環基、シアノ、−OR 51、−SR52、−CO2
53、−OCOR54、−NR5556、−CONR
5758、−SO259、−SO2NR6061、−NR62
ONR6364、−NR65CO266、−COR67、−N
68COR69または−NR70SO271であって、
51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R
59、R60、R61、R62、R63、R64、R65、R66
67、R68、R69、R70およびR71はそれぞれ独立に、
水素原子、脂肪族基または芳香族基である。R2とR3
3とR4、R4とR5、R5とR6またはR6とR7は互いに
結合して環を形成してもよい。
【0009】(3)(1)、(2)のインクジェット用
インクを用いインク滴を記録信号に応じて吐出させて、
受像材料上に記録するインクジェット記録方法におい
て、該受像材料が支持体上に白色無機顔料粒子を含有す
る受像層を有することを特徴とするインクジェット記録
方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳しく説明
する。本発明のインクジェット用インク組成物は、油溶
性染料と水非混和性有機溶媒が水性媒体中に微粒子状の
油滴として分散された、いわゆる乳化分散物状態になっ
ているものである。本発明における「水性媒体」とは、
水又は水と少量の水混和性有機溶剤との混合物に、必要
に応じて界面活性剤、湿潤剤、安定剤、防腐剤等の添加
剤を添加したものを意味する。
【0011】イエロー染料としては、例えばカップリン
グ成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン
類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化
合物類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例
えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物
類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料や
モノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例
えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のような
キノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキ
ノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染
料、アクリジノン染料等を挙げることができる。これら
の染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエロ
ーを呈するものであっても良く、その場合のカウンター
カチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機
のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アン
モニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さ
らにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであ
ってもよい。
【0012】マゼンタ染料としては、例えばカップリン
グ成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類
を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカ
ップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾ
ール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染
料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染
料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフ
ェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウ
ム染料;例えばナフトキノン、アントラキノン、アント
ラピリドンなどのようなキノン系染料;例えばジオキサ
ジン染料等のような縮合多環系染料等を挙げることがで
きる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して
初めてマゼンタを呈するものであっても良く、その場合
のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウム
のような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウ
ム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであっ
てもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマー
カチオンであってもよい。
【0013】シアン染料としては、例えばインドアニリ
ン染料、インドフェノール染料のようなアゾメチン染
料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染
料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、ト
リフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボ
ニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染
料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフ
トール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリ
ルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ染料を挙げること
ができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離
して初めてシアンを呈するものであっても良く、その場
合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウ
ムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニ
ウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであ
ってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマ
ーカチオンであってもよい。
【0014】中でも、写真材料において酸化によりカプ
ラー及び現像主薬から生成する染料は有効である。該染
料は下記一般式(I)で表されるものが好ましい。
【0015】
【化3】 一般式(I)
【0016】式(I)において、Xはカラー写真カプラ
ーの残基、Aは−NR45またはヒドロキシ基を表わ
し、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族
基、芳香族基または複素環基を表わす。Aは−NR45
であることが好ましい。R4およびR5はそれぞれ独立に
水素原子または脂肪族基であることが好ましく、水素原
子、アルキル基または置換アルキル基であることがさら
に好ましく、水素原子、炭素原子数が1〜18のアルキ
ル基または炭素原子数が1〜18の置換アルキル基であ
ることが最も好ましい。
【0017】式(I)においてB1は=C(R6)−また
は=N−を表わし、B2は−C(R7)=または−N=を
表わす。B1、B2が同時には−N=とならない場合が好
ましく、B1が=C(R6)−、B2が−C(R7)=とな
る場合がさらに好ましい。この場合式(I)において、
2、R3、R6およびR7はそれぞれ独立に水素原子、ハ
ロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ、
−OR51、−SR52、−CO253、−OCOR54、−
NR5556、−CONR5758、−SO259、−SO2
NR6061、−NR62CONR6364、−NR65CO2
66、−COR67、−NR68COR69または−NR70
271であって、R51、R52、R53、R5 4、R55、R
56、R57、R58、R59、R60、R61、R62、R63
64、R65、R6 6、R67、R68、R69、R70およびR71
はそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基または芳香族基
である。
【0018】R2およびR7はそれぞれ独立に上記のうち
水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、−OR51、−NR
62CONR6364、−NR65CO266、−NR68CO
69または−NR70SO271であることが好ましく、
水素原子、フッ素原子、塩素原子、アルキル基、置換ア
ルキル基、−NR62CONR6364または−NR68CO
69であることがさらに好ましく、水素原子、塩素原
子、炭素原子数1〜10のアルキル基または炭素原子数
1〜10の置換アルキル基であることがさらに好まし
く、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原
子数1〜4の置換アルキル基であることが最も好まし
い。
【0019】R3およびR6は、それぞれ独立に上記のう
ち水素原子、ハロゲン原子または脂肪族基であることが
好ましく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、アルキル
基または置換アルキル基であることがさらに好ましく、
水素原子、塩素原子、炭素原子数1〜10のアルキル
基、炭素原子数1〜10の置換アルキル基であることが
さらに好ましく、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキ
ル基、炭素原子数1〜4の置換アルキル基であることが
最も好ましい。
【0020】式(I)においてR2とR3、R3とR4、R4
とR5、R5とR6またはR6とR7は互いに結合して環を
形成できる。環を形成する組み合わせはR3とR4、R4
とR5またはR5とR6であることが好ましい。R2とR3
またはR6とR7が互いに結合して形成する環は、5員環
または6員環であることが好ましい。環は芳香族環
(例、ベンゼン環)または不飽和複素環(例、ピリジン
環、イミダゾール環、チアゾール環、ピリミジン環、ピ
ロール環、フラン環)であることが好ましい。R3とR4
またはR5とR6が互いに結合して形成する環は、5員環
または6員環であることが好ましい。環の例にはテトラ
ヒドロキノリン環およびジヒドロインドール環が含まれ
る。R4とR5が互いに結合して形成する環は5員環また
は6員環であることが好ましい。環の例にはピロリジン
環、ピペリジン環およびモルホリン環が含まれる。
【0021】本明細書において、脂肪族基はアルキル
基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル
基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基お
よび置換アラルキル基を意味する。アルキル基は分岐を
有していてもよく、また環を形成していてもよい。アル
キル基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、
1〜18であることがさらに好ましい。置換アルキル基
のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アル
ケニル基は分岐を有していてもよく、また環を形成して
いてもよい。アルケニル基の炭素原子数は2〜20であ
ることが好ましく、2〜18であることがさらに好まし
い。置換アルケニル基のアルケニル部分は、上記アルケ
ニル基と同様である。アルキニル基は分岐を有していて
もよく、また環を形成していてもよい。アルキニル基の
炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18
であることがさらに好ましい。置換アルキニル基のアル
キニル部分は、上記アルキニル基と同様であるアラルキ
ル基および置換アラルキル基のアルキル部分は、上記ア
ルキル基と同様である。アラルキル基および置換アラル
キル基のアリール部分は下記アリール基と同様である。
置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基
および置換アラルキル基のアルキル部分の置換基の例に
は、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、複素環基、−OR
111、−SR112、−CO2113、−NR114115、−C
ONR116117、−SO2118および−SO2NR119
120が含まれる。R111、R112、R113、R114、R115
116、R117、R118、R119およびR120はそれぞれ独
立に水素原子、脂肪族基または芳香族基である。置換ア
ラルキル基のアリール部分の置換基の例は、下記置換ア
リール基の置換基の例と同様である。
【0022】本明細書において、芳香族基はアリール基
および置換アリール基を意味する。アリール基は、フェ
ニルまたはナフチルであることが好ましく、フェニルが
特に好ましい。置換アリール基のアリール部分は、上記
アリール基と同様である。置換アリール基の置換基の例
にはハロゲン原子、シアノ、ニトロ、脂肪族基、複素環
基、−OR121、−SR122、−CO2123、−NR124
125、−CONR 126127、−SO2128および−S
2NR129130が含まれる。R121、R122、R123、R
124、R125、R126、R127、R128、R129およびR130
はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基または芳香族基で
ある。
【0023】本明細書において、複素環基は5員または
6員の飽和または不飽和複素環を含むことが好ましい。
複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合し
ていてもよい。複素環のヘテロ原子の例にはB、N、
O、S、SeおよびTeが含まれる。ヘテロ原子として
はN、OおよびSが好ましい。複素環は、炭素原子が遊
離の原子価(一価)を有する(複素環基は炭素原子にお
いて結合する)ことが好ましい。飽和複素環の例には、
ピロリジン環、モルホリン環、2−ボラ−1,3−ジオ
キソラン環および1,3−チアゾリジン環が含まれる。
不飽和複素環の例には、イミダゾール環、チアゾール
環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベン
ゾトリアゾール環、ベンゾセレナゾール環、ピリジン
環、ピリミジン環およびキノリン環が含まれる。複素環
基は置換基を有していてもよい。置換基の例にはハロゲ
ン原子、シアノ、ニトロ、脂肪族基、芳香族基、複素環
基、−OR131、−SR132、−CO21 33、−NR134
135、−CONR136137、−SO2138および−S
2NR139140が含まれる。R131、R132、R133、R
134、R135、R136、R137、R138、R139およびR140
はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基または芳香族基で
ある。
【0024】式(I)においてXで表わされるカプラーは
以下のカプラーが好ましい。イエローカプラー:米国特
許3,933,501号、同4,022,620号、同4,326,024号、同4,4
01,752号、同4,248,961号、特公昭58-10739号、英国特
許1,425,020号、同1,476,760号、米国特許3,973,968
号、同4,314,023号、同4,511,649号、欧州特許249,473A
号、同502,424A号の式(I),(II)で表わされるカプラー、
同513,496A号の式(1),(2)で表わされるカプラー(特に18
頁のY-28)、同568,037A号のクレーム1の式(I)で表わさ
れるカプラー、米国特許5,066,576号のカラム1の45〜5
5行の一般式(I)で表わされるカプラー、特開平4-274425
号の段落0008の一般式(I) で表わされるカプラー、欧州
特許498,381A1号の40頁のクレーム1に記載のカプラー
(特に18頁のD-35)、同447,969A1号の4頁の式(Y) で表
わされるカプラー(特に、Y-1(17頁),Y-54(41 頁))、米
国特許4,476,219号のカラム7の36〜58行の式(II)〜(I
V)で表わされるカプラー(特にII-17,19( カラム17),II
-24(カラム19))。
【0025】マゼンタカプラー;米国特許4,310,619号、
同4,351,897号、欧州特許73,636号、米国特許3,061,432
号、同3,725,067号、リサーチ・ディスクロージャーNo.
24220(1984年6月)、同No.24230(1984年6月)、特開昭60-
33552号、同60-43659号、同61-72238号、同60-35730
号、同55-118034号、同60-185951号、米国特許4,500,63
0号、同4,540,654号、同4,556,630号、国際公開WO88/04
795号、特開平3-39737号(L-57(11 頁右下),L-68(12 頁
右下),L-77(13 頁右下))、欧州特許456,257号の〔A-4〕
-63(134 頁),〔A-4〕-73,-75(139 頁)、同486,965号のM
-4,-6(26 頁),M-7(27頁)、同571,959A号のM-45(19
頁)、特開平5-204106号の(M-1)(6 頁)、同4-362631号の
段落0237のM-22、米国特許3,061,432号、同3,725,067
号。
【0026】シアンカプラー:米国特許4,052,212号、同
4,146,396号、同4,228,233号、同4,296,200号、欧州特
許73,636号、特開平4-204843のCX-1,3,4,5,11,12,14,15
(14〜16頁);特開平4-43345のC-7,10(35 頁),34,35(37
頁),(I-1),(I-17)(42 〜43頁); 特開平6-67385の請求項
1の一般式(Ia)または(Ib)で表わされるカプラー。
【0027】その他、特開昭62-215272号(91頁)、特開
平2-33144号(3頁,30頁)、EP355,660A(4頁,5頁,45
頁,47頁)記載のカプラーも有用である。
【0028】また、マゼンタ染料としては下記式(II)
で表わされる化合物は特に好ましく用いられる。
【0029】
【化4】 式(II)
【0030】式中R1は水素原子、脂肪族基、芳香族
基、複素環基、シアノ、−OR11、−SR12、−CO2
13、−OCOR14、−NR1516、−CONR
1718、−SO219、−SO2NR2021、−NR22
ONR2324、−NR25CO226、−COR27、−N
28COR29または−NR30SO231であって、
11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R
19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26
27、R28、R29、R30およびR31はそれぞれ独立に、
水素原子、脂肪族基または芳香族基である。またR2
3、A、B1およびB2は式(I)と同義であり、それら
の好ましい範囲も同じである。Zは脂肪族基、芳香族
基、複素環基、シアノ、−OR81、−SR82、−CO2
83、−OCOR84、−NR8 586、−CONR
8788、−SO289、−SO2NR9091、−NR92
ONR9394、−NR95CO296、−COR97、−N
98COR99または−NR100SO2101の少なくとも
1つで置換されていてもよい5員または6員の含窒素複
素環を形成する原子群を表わし、この複素環はさらに別
の環と縮合環を形成してもよい。ここでR81、R82、R
83、R84、R85、R86、R87、R88、R89、R90
91、R92、R93、R94、R95、R96、R97、R98、R
99、R100およびR101はそれぞれ独立に、水素原子、脂
肪族基または芳香族基である。
【0031】式(II)で表わされる化合物のうち、Aが
−NR45であるものは更に好ましい。
【0032】次に式(II)について更に詳しく説明す
る。R1は前述のうち水素原子、脂肪族基、芳香族基、
−OR11、−SR12、−NR1516、−SO219、−
NR22CONR2324、−NR25CO226、−NR28
COR29または−NR30SO2 31であることが好まし
く、水素原子、脂肪族基、芳香族基、−OR11または−
NR1516であることがより好ましく、水素原子、アル
キル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール
基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、フェノキシ基、
置換フェノキシ基、ジアルキルアミノ基、または置換ジ
アルキルアミノ基であることがより好ましく、水素原
子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜
10の置換アルキル基、炭素原子数6〜10のアリール
基または炭素原子数6〜10の置換アリール基であるこ
とがさらに好ましく、水素原子、炭素原子数1〜6のア
ルキル基または炭素原子数1〜6の置換アルキル基であ
ることが最も好ましい。
【0033】Zは5員の含窒素複素環を形成するのが好
ましく、5員の含窒素複素環の例にはイミダゾール環、
トリアゾール環、テトラゾール環が含まれる。
【0034】また、式(II)で表わされる化合物のう
ち、特に下記式(III)で表わされる油溶性のピラゾロ
トリアゾールアゾメチン化合物は好ましい。
【0035】
【化5】 式(III)
【0036】ここで式中、R1、R2、R3、R4、R5
6、R7は式(II)と同義を表わす。またX1およびX2
はそれぞれ独立に−C(R8)=または−N=を表わ
し、R8は水素原子、脂肪族基、芳香族基を表わし、X1
およびX2の一方は必ず−N=であり、またX1とX2
同時に−N=となることはない。
【0037】このとき、R8は水素原子、アルキル基、
置換アルキル基、アリール基または置換アリール基であ
ることが好ましく、水素原子、炭素数1〜150の置換
アルキル基、炭素数1〜150の置換アリール基である
ことがさらに好ましく、炭素数1〜100の置換アルキ
ル基、炭素数1〜100の置換アリール基であることが
最も好ましい。
【0038】式(III)においてより好ましくはX1が−
N=であり、X2が−C(R8)=となるピラゾロトリア
ゾールアゾメチン化合物である。
【0039】以下に式(II)で表わされるピラゾロトリ
アゾールアゾメチン化合物の例を挙げる。
【0040】
【化6】
【0041】
【化7】
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
【0044】
【化10】
【0045】本発明の化合物例は更に特願平11−36
5189号公報に記載されているが、これらに限定され
るものではない。
【0046】本発明の式(II)で表わされる染料は例え
ば特開平4−126772号、特公平7−94180号
公報及び特願平11−365187号公報に記載された
方法を参考にして合成することができる。
【0047】また、シアン染料としては下記式(IV−
1)〜(IV−4)で表わされるピロロトリアゾールアゾ
メチン化合物は特に好ましく用いられる。
【0048】
【化11】
【0049】式(IV−1)〜(IV−4)中、A、R2
3、B1およびB2は式(I)と同義であり、それらの好
ましい範囲も同じである。R201、R202およびR203
各々独立に式(II)におけるR1と同義である。 R201
とR202は互いに結合して、環構造を形成してもよい。
【0050】更に、前記一般式(IV−1)〜(IV−4)
で表わされるピロロトリアゾールアゾメチン化合物のR
201がハメット置換基定数σp値0.30以上の電子吸引
性基であるものは、吸収がシャープであり、より好まし
い。そして、ピロロトリアゾールアゾメチン化合物のR
201およびR202のハメット置換基定数σp値の和が0.
70以上のものはシアン色として優れた色相を呈し、更
に好ましい。
【0051】色相について更に詳しく説明する。本発明
のピロロトリアゾールアゾメチン化合物はR201
202、R203およびR2、R3、A、B1、B2の選択のし
かたにより、さまざまな色相を持つことができる。本発
明のピロロトリアゾールアゾメチン化合物はR201が電
子吸引性の置換基であると、そうでないものと比較して
吸収波形がシャープとなり、好ましい。そして電子吸引
性の程度が強いほど吸収波形はよりシャープになる。こ
の点からR201はアルキル基やアリール基であるよりも
ハメット置換定数σp値が0.30以上の電子吸引性基
であることが好ましい。更にはハメット置換定数σp
が0.45以上の電子吸引性基がより好ましく、0.6
0以上の電子吸引性基が最も好ましい。
【0052】本発明のピロロトリアゾールアゾメチン化
合物はマゼンタ染料としてよりも、シアン染料として用
いる方が好ましい。尚、本発明の一般式(IV−1)およ
び(IV−2)で表わされるピロロトリアゾールアゾメチ
ン化合物はマゼンタ染料として用いることができる。本
発明の染料をシアン染料とするためにはR201およびR
202のハメット置換基定数σp値の和が0.70以上であ
ることが好ましい。このσp値の和が0.70未満であ
ると、吸収極大波長がシアン染料としては短波長であっ
て、人間の目には青色に見え、好ましくない。その中で
もR202のハメット置換基定数σp値が0.30以上のも
のが好ましい。 R201、R202のハメット置換基定数σp
値の和は2.0以下が好ましい。
【0053】ハメット置換基定数σp値が0.30以上
の電子吸引性基としては、アシル基、アシルオキシ基、
カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスル
フィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホ
ニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、ハ
ロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲ
ン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルチオ基、2
つ以上のσp値が0.15以上の電子吸引性基で置換さ
れたアリール基、および複素環を挙げることができる。
更に詳しくはアシル基(例えば、アセチル、3−フェニ
ルプロパノイル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキ
シ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイ
ル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−(2−ドデシ
ルオキシエチル)カルバモイル、N−メチル−N−ドデ
シルカルバモイル)、アルコキシカルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、ド
デシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニ
ル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキ
シカルボニル)、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルフ
ィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニ
ル)、アリールスルフィニル基(例えば3−ペンタデシ
ルフェニルスルフィニル)、アルキルスルホニル基(例
えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル)、アリ
ールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル)、ス
ルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、
N,N−ジプロピルスルファモイル)、ハロゲン化アル
キル基(例えば、トリフロロメチル、ヘプタフロロプロ
ピル)ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリフロロメ
チルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、
ペンタフロロフェニルオキシ)、ハロゲン化アルキルチ
オ基(例えば、ジフロロメチルチオ)、2つ以上のσp
値が0.15以上の他の電子吸引性基で置換されたアリ
ール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、2,4,
6−トリクロロフェニル、ペンタクロロフェニル)、複
素環基(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾ
チアゾリル、1−フェニル−2−ベンズイミダゾリル、
5−クロロ−1−テトラゾリル、1−ピロリル)を挙げ
ることができる。
【0054】ハメットσp値が0.45以上の電子吸引
性基としては、アシル基(例えば、アセチル、3−フェ
ニルプロパノイル)、アルコキシカルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル
基(例えば、m−クロロフェノキシカルボニル)、シア
ノ基、ニトロ基、アルキルスルフィニル基(例えば、n
−プロピルスルフィニル)、アリールスルフィニル基
(例えばフェニルスルフィニル)、アルキルスルホニル
基(例えば、メタンスルホニル、n−オクタンスルホニ
ル)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホ
ニル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルフ
ァモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ハロゲ
ン化アルキル基(例えば、トリフロロメチル)を挙げる
ことができる。ハメット置換基定数σp値が0.60以
上の電子吸引性基としては、シアノ基(0.66)、ニ
トロ基(0.78)、メタンスルホニル基(0.72)
を例として挙げることができる。
【0055】R201およびR202のσp値の和が0.70
以上の組み合わせとしては、 R201がシアノ基、アルコ
キシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールス
ルホニル基、ハロゲン化アルキル基から選ばれ、 R202
がアシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルコ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シア
ノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、
スルファモイル基、ハロゲン化アルキル基から選ばれる
組み合わせが好ましい。
【0056】
【化12】
【0057】本発明で用いられるピロロトリアゾールア
ゾメチン化合物の好ましい構造は一般式(IV−1a)で
表わされる構造であって;R2が水素原子、炭素数1〜4
のアルキル基、炭素数1〜4の置換アルキル基、炭素数
1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、
臭素)、炭素数1〜5のアシルアミノ基、炭素数1〜5
のアミノカルボニルアミノ基、または炭素数1〜5のア
ルコキシカルボニルアミノ基であり; R4およびR5は各
々独立に水素原子、炭素数1〜18のアルキル基または
炭素数1〜18の置換アルキル基であり;R201およびR
202は各々独立にハメット置換基定数σp値が0.30以
上の電子吸引性基であり、R203は炭素数1〜18のア
ルキル基、炭素数1〜18の置換アルキル基、炭素数6
〜20の置換または無置換のアリール基である。そし
て、シアン染料として用いる時は上記のもののなかでも
201とR202のハメット置換基定数σp値の和が0.7
0以上のものが好ましく、更にはσp値の和が1.00
以上のものが好ましい。本発明のピロロトリアゾールア
ゾメチン化合物の最も好ましいものは一般式(IV−1
a)で表わされる構造であって; R2が水素原子または
メチル基であり; R4およびR5は各々独立に炭素数1〜
5のアルキル基であり; R201がシアノ基であり;R202
がアルコキシカルボニル基であり;R203がアリール基で
ある。
【0058】ここで、本明細書中で用いられるハメット
の置換基定数については特願平11−365188号公
報に説明があり、本発明のσp値、σm値もその中で定め
るものと同一である。
【0059】本発明に用いられるピロロトリアゾールア
ゾメチン化合物の具体例をあげるが、これらは、本発明
を詳しく説明するためのものであって、これらにより本
発明は限定されない。
【0060】
【化13】
【0061】
【化14】
【0062】
【化15】
【0063】更に本発明の化合物例は特願平11−36
5188号公報に記載されているが、これらに限定され
るものではない。
【0064】本発明の(IV−1)〜(IV−4)で表わさ
れるピロロトリアゾールアゾメチン化合物は特開平5−
177959号、同9−292679号、同10−62
926号および特願平11−365188号公報に記載
の方法を参考に合成することができる。本発明で用いら
れる油溶性染料はインクジェット用インク組成物に対し
て0.01〜50重量%の範囲で用いられることが好ま
しく、0.05〜10重量%の範囲で用いられることが
より好ましい。
【0065】次に、本発明で用いられる水溶性染料につ
いて説明する。
【0066】本発明で用いられる水溶性染料は、アント
ラキノン類、インジゴイド類、フタロシアニン類、カル
ボニウム類、キノンイミン類、メチン類、キノリン類、
ニトロ類、ニトロソ類、ベンゾキノン類、ナフトキノン
類、ナフタルイミド類、アゾ類およびアゾメチン類等の
中から任意のものを選択することができ、特に下記一般
式(V)で表されるものが好ましい。
【0067】
【化16】 一般式(V)
【0068】式(V)において、Y1はハメットの置換基
定数σp値が0.20以上の電子吸引性基である。好ま
しくは、0.30以上の電子吸引性基である。上限とし
ては1.0以下の電子吸引性基である。σp値が0.2
0以上の電子吸引性基であるY1の具体例としては、ア
シル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シア
ノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホ
スホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフ
ィニル、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシ
ルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオ
カルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アル
コキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化ア
ルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp値が
0.20以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール
基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシ
アネート基が挙げられる。
【0069】Y1が更に置換基を有することが可能な基
は、以下に挙げたような置換基を更に有してもよい。ハ
ロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、炭素数1
〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基(例えばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、2−メ
タンスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリ
フルオロメチル、シクロペンチル)、炭素数7〜18の
アラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル)、炭素
数2〜12のアルケニル基(例えば、ビニル、アリ
ル)、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルキニル基
(例えば、エチニル)、炭素数3〜12の直鎖または分
岐鎖シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シク
ロヘキシル)、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シク
ロアルケニル基、アリール基(例えば、フェニル、4−
t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニ
ル)、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピ
リミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒド
ロキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アミノ基、アル
キルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メト
キシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリ
ールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノ
キシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキ
シ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3
−メトキシカルバモイル)、アシルアミノ基(例えば、
アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキル
アミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエ
チルアミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例え
ば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ、ウレイド基
(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N
−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例え
ば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アル
キルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−
フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フ
ェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニル
チオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシ
カルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミ
ノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミ
ド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンア
ミド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモ
イル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイ
ル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジ
プロピルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモ
イル)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オ
クタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスル
ホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メト
キシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環
オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オ
キシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例
えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−
ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−
プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例え
ば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N
−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイ
ルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリ
ルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオ
キシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニ
ルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、
N−フタルイミ)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベン
ゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,
5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、ス
ルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフ
ィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニ
ル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニ
ル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキ
シカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フ
ェニルプロパノイル、ベンゾイル)が挙げられる。
【0070】Y1の好ましいものとしては、炭素数2〜
12のアシル基、炭素数2〜12のアシルオキシ基、炭
素数1〜12のカルバモイル基、炭素数2〜12のアル
キルオキシカルボニル基、炭素数7〜18のアリールオ
キシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜1
2のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜18のアリー
ルスルフィニル基、炭素数1〜12のアルキルスルホニ
ル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、炭素数
0〜12のスルファモイル基、炭素数1〜12のハロゲ
ン化アルキル基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキル
オキシ基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキルチオ
基、炭素数7〜18のハロゲン化アリールオキシ基、σ
pが0.20以上である2つ以上の他の電子吸引性基で
置換された炭素数7〜18のアリール基、及び窒素原
子、酸素原子、またはイオウ原子を有する5〜8員環で
炭素数1〜18のヘテロ環基を挙げることができる。更
に好ましくは、炭素数2〜12のアルキルオキシカルボ
ニル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜12のアルキ
ルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル
基、炭素数1〜12のカルバモイル基及び炭素数1〜1
2のハロゲン化アルキル基である。Y1として特に好ま
しいものは、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスル
ホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基であ
り、最も好ましいものは、シアノ基である。
【0071】前記一般式(V)において、R01、R02
03、R04、R05、R06およびY2は、それぞれ独立
に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアル
キル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シア
ノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキル
アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド
基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルア
ミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ
カルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル
基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカル
ボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ
基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリール
オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ
基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホス
ホリル基、アシル基、またはイオン性親水性基を表す。
【0072】中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド
基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スル
ホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基およ
びアルコキシカルボニル基が特に好ましい。
【0073】R01〜R06およびY2が表すハロゲン原子
としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げ
られる。
【0074】R01〜R06およびY2が表すアルキル基に
は、置換基を有するアルキル基および無置換のアルキル
基が含まれる。前記アルキル基は、炭素原子数が1〜1
2のアルキル基が好ましい。前記置換基の例には、ヒド
ロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、
およびイオン性親水性基が含まれる。アルキル基の例に
は、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチ
ル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチ
ル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピルおよび4
−スルホブチルが含まれる。
【0075】R01〜R06およびY2が表すシクロアルキ
ル基には、置換基を有するシクロアルキル基および無置
換のシクロアルキル基が含まれる。前記シクロアルキル
基としては、炭素原子数が5〜12のシクロアルキル基
が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が
含まれる。前記シクロアルキル基の例には、シクロヘキ
シル基が含まれる。
【0076】R01〜R06およびY2が表すアラルキル基
としては、置換基を有するアラルキル基および無置換の
アラルキル基が含まれる。前記アラルキル基としては、
炭素原子数が7〜12のアラルキル基が好ましい。前記
置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記ア
ラルキル基の例には、ベンジル基、および2−フェネチ
ル基が含まれる。
【0077】R01〜R06およびY2が表すアリール基に
は、置換基を有するアリール基および無置換のアリール
基が含まれる。前記アリール基としては、炭素原子数が
7〜12のアリール基が好ましい。前記置換基の例に
は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキ
ルアミノ基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記
アリール基の例には、フェニル、p−トリル、p−メト
キシフェニル、o−クロロフェニルおよびm−(3−ス
ルホプロピルアミノ)フェニルが含まれる。
【0078】R01〜R06およびY2が表すヘテロ環基に
は、置換基を有するヘテロ環基および無置換のヘテロ環
基が含まれる。前記ヘテロ環基としては、5員または6
員環のヘテロ環基が好ましい。前記置換基の例には、イ
オン性親水性基が含まれる。前記へテロ環基の例には、
2−ピリジル基、2−チエニル基および2−フリル基が
含まれる。
【0079】R01〜R06およびY2が表すアルキルアミ
ノ基には、置換基を有するアルキルアミノ基および無置
換のアルキルアミノ基が含まれる。前記アルキルアミノ
基としては、炭素原子数1〜6のアルキルアミノ基が好
ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含ま
れる。前記アルキルアミノ基の例には、メチルアミノ基
およびジエチルアミノ基が含まれる。
【0080】R01〜R06およびY2が表すアルコキシ基
には、置換基を有するアルコキシ基および無置換のアル
コキシ基が含まれる。前記アルコキシ基としては、炭素
原子数が1〜12のアルコキシ基が好ましい。前記置換
基の例には、アルコキシ基、ヒドロキシル基、およびイ
オン性親水性基が含まれる。前記アルコキシ基の例に
は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メト
キシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基および3−カル
ボキシプロポキシ基が含まれる。
【0081】R01〜R06およびY2が表すアリールオキ
シ基には、置換基を有するアリールオキシ基および無置
換のアリールオキシ基が含まれる。前記アリールオキシ
基としては、炭素原子数が6〜12のアリールオキシ基
が好ましい。前記置換基の例には、アルコキシ基、およ
びイオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシ基
の例には、フェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基お
よびo−メトキシフェノキシ基が含まれる。
【0082】R01〜R06およびY2が表すアミド基に
は、置換基を有するアミド基および無置換のアミド基が
含まれる。前記アミド基としては、炭素原子数が2〜1
2のアミド基が好ましい。前記置換基の例には、イオン
性親水性基が含まれる。前記アミド基の例には、アセト
アミド基、プロピオンアミド基、ベンズアミド基および
3,5−ジスルホベンズアミド基が含まれる。
【0083】R01〜R06およびY2が表すアリールアミ
ノ基には、置換基を有するアリールアミノ基および無置
換のアリールアミノ基が含まれる。前記アリールアミノ
基としては、炭素原子数が6〜12のアリールアミノ基
が好ましい。前記置換基の例としては、ハロゲン原子、
およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリールアミ
ノ基の例としては、アニリノ基および2−クロロアニリ
ノ基が含まれる。
【0084】R01〜R06およびY2が表すウレイド基に
は、置換基を有するウレイド基および無置換のウレイド
基が含まれる。前記ウレイド基としては、炭素原子数が
1〜12のウレイド基が好ましい。前記置換基の例に
は、アルキル基およびアリール基が含まれる。前記ウレ
イド基の例には、3−メチルウレイド基、3,3−ジメ
チルウレイド基および3−フェニルウレイド基が含まれ
る。
【0085】R01〜R06およびY2が表すスルファモイ
ルアミノ基には、置換基を有するスルファモイルアミノ
基および無置換のスルファモイルアミノ基が含まれる。
前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記スル
ファモイルアミノ基の例には、N, N−ジプロピルスル
ファモイルアミノが含まれる。
【0086】R01〜R06およびY2が表すアルキルチオ
基には置換基を有するアルキルチオ基および無置換のア
ルキルチオ基が含まれる。前記アルキルチオ基として
は、炭素原子数が1〜12のアルキルチオ基が好まし
い。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれ
る。前記アルキルチオ基の例には、メチルチオ基および
エチルチオ基が含まれる。
【0087】R01〜R06およびY2が表すアリールチオ
基には、置換基を有するアリールチオ基および無置換の
アリールチオ基が含まれる。前記アリールチオ基として
は、炭素原子数が6〜12のアリールチオ基が好まし
い。前記置換基の例には、アルキル基、およびイオン性
親水性基が含まれる。前記アリールチオ基の例には、フ
ェニルチオ基およびp−トリルチオ基が含まれる。
【0088】R01〜R06およびY2が表すアルコキシカ
ルボニルアミノ基には、置換基を有するアルコキシカル
ボニルアミノ基および無置換のアルコキシカルボニルア
ミノ基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基
としては、炭素原子数が2〜12のアルコキシカルボニ
ルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性
親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ
基の例には、エトキシカルボニルアミノ基が含まれる。
【0089】R01〜R06およびY2が表すスルホンアミ
ド基には、置換基を有するスルホンアミド基および無置
換のスルホンアミド基が含まれる。前記スルホンアミド
基としては、炭素原子数が1〜12のスルホンアミド基
が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が
含まれる。前記スルホンアミド基の例には、メタンスル
ホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、および3−カル
ボキシベンゼンスルホンアミドが含まれる。
【0090】R01〜R06およびY2が表すカルバモイル
基には、置換基を有するカルバモイル基および無置換の
カルバモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アル
キル基が含まれる。前記カルバモイル基の例には、メチ
ルカルバモイル基およびジメチルカルバモイル基が含ま
れる。
【0091】R01〜R06およびY2が表すスルファモイ
ル基には、置換基を有するスルファモイル基および無置
換のスルファモイル基が含まれる。前記置換基の例に
は、アルキル基が含まれる。前記スルファモイル基の例
には、ジメチルスルファモイル基およびジ−(2−ヒド
ロキシエチル)スルファモイル基が含まれる。
【0092】R01〜R06およびY2が表すスルホニル基
としては、メタンスルホニル基およびフェニルスルホニ
ル基が含まれる。
【0093】R01〜R06およびY2が表すアルコキシカ
ルボニル基には、置換基を有するアルコキシカルボニル
基および無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。
前記アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2
〜12のアルコキシカルボニル基が好ましい。前記置換
基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルコ
キシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル基およ
びエトキシカルボニル基が含まれる。
【0094】R01〜R06およびY2が表すヘテロ環オキ
シ基には、置換基を有するヘテロ環オキシ基および無置
換のヘテロ環オキシ基が含まれる。前記ヘテロ環オキシ
基としては、5員または6員環のヘテロ環を有するヘテ
ロ環オキシ基が好ましい。前記置換基の例には、ヒドロ
キシル基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記ヘ
テロ環オキシ基の例には、2−テトラヒドロピラニルオ
キシ基が含まれる。
【0095】R01〜R06およびY2が表すアゾ基には、
置換基を有するアゾ基および無置換のアゾ基が含まれ
る。前記アゾ基の例には、p−ニトロフェニルアゾ基が
含まれる。
【0096】R01〜R06およびY2が表すアシルオキシ
基には、置換基を有するアシルオキシ基および無置換の
アシルオキシ基が含まれる。前記アシルオキシ基として
は、炭素原子数1〜12のアシルオキシ基が好ましい。
前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前
記アシルオキシ基の例には、アセトキシ基およびベンゾ
イルオキシ基が含まれる。
【0097】R01〜R06およびY2が表すカルバモイル
オキシ基には、置換基を有するカルバモイルオキシ基お
よび無置換のカルバモイルオキシ基が含まれる。前記置
換基の例には、アルキル基が含まれる。前記カルバモイ
ルオキシ基の例には、N−メチルカルバモイルオキシ基
が含まれる。
【0098】R01〜R06およびY2が表すシリルオキシ
基には、置換基を有するシリルオキシ基および無置換の
シリルオキシ基が含まれる。前記置換基の例には、アル
キル基が含まれる。前記シリルオキシ基の例には、トリ
メチルシリルオキシ基が含まれる。
【0099】R01〜R06およびY2が表すアリールオキ
シカルボニル基には、置換基を有するアリールオキシカ
ルボニル基および無置換のアリールオキシカルボニル基
が含まれる。前記アリールオキシカルボニル基として
は、炭素原子数が7〜12のアリールオキシカルボニル
基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基
が含まれる。前記アリールオキシカルボニル基の例に
は、フェノキシカルボニル基が含まれる。
【0100】R01〜R06およびY2が表すアリールオキ
シカルボニルアミノ基には、置換基を有するアリールオ
キシカルボニルアミノ基および無置換のアリールオキシ
カルボニルアミノ基が含まれる。前記アリールオキシカ
ルボニルアミノ基としては、炭素原子数が7〜12のア
リールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。前記置換
基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アリー
ルオキシカルボニルアミノ基の例には、フェノキシカル
ボニルアミノ基が含まれる。
【0101】R01〜R06およびY2が表すイミド基に
は、置換基を有するイミド基および無置換のイミド基が
含まれる。前記イミド基の例には、N−フタルイミド基
およびN−スクシンイミド基が含まれる。
【0102】R01〜R06およびY2が表すヘテロ環チオ
基には、置換基を有するヘテロ環チオ基および無置換の
ヘテロ環チオ基が含まれる。前記ヘテロ環チオ基として
は、5員または6員環のヘテロ環を有することが好まし
い。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれ
る。前記へテロ環チオ基の例には、2−ピリジルチオ基
が含まれる。
【0103】R01〜R06およびY2が表すスルフィニル
基には、置換基を有するスルフィニル基および無置換の
スルフィニル基が含まれる。前記スルフィニル基の例に
は、フェニルスルフィニルが含まれる。
【0104】R01〜R06およびY2が表すホスホリル基
には、置換基を有するホスホリル基および無置換のホス
ホリル基が含まれる。前記ホスホリル基の例には、フェ
ノキシホスホリル基およびフェニルホスホリル基が含ま
れる。
【0105】R01〜R06およびY2が表すアシル基に
は、置換基を有するアシル基および無置換のアシル基が
含まれる。前記アシル基としては、炭素原子数が1〜1
2のアシル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン
性親水性基が含まれる。前記アシル基の例には、アセチ
ル基およびベンゾイル基が含まれる。
【0106】R01〜R06およびY2が表すイオン性親水
性基には、カルボキシル基、スルホ基、および4級アン
モニウム基が含まれる。前記イオン性親水性基として
は、カルボキシル基およびスルホ基が好ましく、特にス
ルホ基が好ましい。カルボキシル基およびスルホ基は塩
の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例に
は、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリ
ウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルグ
アニジウムイオン)が含まれる。
【0107】前記一般式(V)において、R01とR02
03とR01、R05とR02の各々は、環を形成してもよ
い。環を形成する場合の好ましい例を以下に示す。
【0108】
【化17】
【0109】前記一般式(V)において、Z’は、5〜
8員環を形成するのに必要な、非金属原子群を表わす
(以下、Z’で表される環を「環Z’」という場合があ
る)。環Z’は飽和環であっても不飽和結合を有してい
てもよい。前記非金属原子群は、窒素原子、酸素原子、
イオウ原子および炭素原子から選ばれる1種または2種
以上を組み合わせた群が好ましく、炭素原子のみからな
るのが特に好ましい。
【0110】環Z’としては、例えばベンゼン環、シク
ロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、
シクロオクタン環、シクロヘキセン環、ピリジン環、ピ
ペラジン環、オキサン環、チアン環等が挙げられ、これ
らの環のうち更に置換基を有することが可能な基は、上
記置換基R01〜R06、Y2及びZ1〜Z6で例示したよう
な基で更に置換されていてもよい。
【0111】環Z’を形成している非金属原子群のうち
少なくとも3つは、ピラゾール環のN原子、Z1および
2で各々置換され、ピラゾール環のN原子で置換され
た原子はZ1およびZ2で置換された原子の双方に隣接す
る。
【0112】環Z’としては、ベンゼン環が好ましく、
ピラゾール環のN原子、Z1およびZ2以外にピラゾール
環のN原子に対して4位がイオン性親水性基(前述の置
換基で置換されていてもよい)で置換されたベンゼン環
が特に好ましい。
【0113】前記一般式(V)において、Z1およびZ2
はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘ
テロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミ
ノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スル
ファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド
基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル
基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ
基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオ
キシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシ
カルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スル
フィニル基、ホスホリル基、アシル基、またはイオン性
親水性基を表す。
【0114】中でも、ハロゲン原子、アルキル基、アリ
ール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド
基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド
基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカ
ルボニル基およびイオン性親水性基が好ましく、特にハ
ロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基が好ましく、ハ
ロゲン原子が最も好ましい。
【0115】Z1およびZ2が表す各基については、R01
〜R06およびY2が表す各基とそれぞれ同義であり好ま
しい範囲も同様である。
【0116】前記一般式(V)で表されるアゾ染料の中
でも、下記一般式(VI)で表される構造のアゾ染料が好
ましい。以下に本発明の一般式(VI)で表されるアゾ染
料について詳しく述べる。
【0117】
【化18】 一般式(VI)
【0118】前記一般式(VI)において、Y1、Y2、Z
1、Z2、R01、R02、R03、R04、R05、R06は、前記
一般式(V)中のY1、Y2、Z1、Z2、R01、R02、R
03、R04、R05、R06と同義であり、好ましいY1
2、Z1、Z2、R01、R02、R 03、R04、R05、R06
の例も同じである。
【0119】前記一般式(VI)において、Z3、Z4およ
びZ5はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール
基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ
基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド
基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンア
ミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニ
ル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、ア
ゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリル
オキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ス
ルフィニル基、ホスホリル基、アシル基、またはイオン
性親水性基を表す。
【0120】中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド
基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スル
ホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、ア
ルコキシカルボニル基およびイオン性親水性基が特に好
ましい。
【0121】Z3、Z4およびZ5の具体例は、前記一般
式(V)中の置換基R01〜R06およびY2で前述した基を
挙げることができる。
【0122】Z3およびZ5の更に好ましくは、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基であり、その中でも特に
水素原子が好ましい。
【0123】Z4の更に好ましくは、水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキ
シ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カル
バモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル
基およびイオン性親水性基が特に好ましく、その中でも
特に水素原子、アルキル基、イオン性親水性基が好まし
く、最も好ましいのはイオン性親水性基である。
【0124】本発明一般式(VI)で表されるアゾ染料と
して特に好ましい置換基の組み合わせは、Y1は、シア
ノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数
6〜18のアリールスルホニル基であり、特に好ましい
ものは、シアノ基である。Y 2は水素原子、アルキル
基、アリ−ル基でありその中でも特に水素原子が好まし
い。R01および/またはR02は、アルキル基(イオン性
親水性基を置換基として有していてもよい)またはアリ
ール基である(イオン性親水性基を置換基として有して
いてもよい)。R03、R04およびR05は水素原子、R06
はアミド基である(イオン性親水性基を置換基として有
していてもよい)。Z1および/またはZ2は、ハロゲン
原子、アルキル基である。Z3およびZ5は、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基であり、その中でも特に水素
原子が好ましい。Z4は、水素原子、ハロゲン原子、ス
ルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、
アルコキシカルボニル基またはイオン性親水性基であ
り、その中でも特にイオン性親水性基が好ましい。
【0125】尚、前記一般式(VI)で表される化合物の
好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基
の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好
ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基であ
る化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい
基である化合物が最も好ましい。
【0126】ただし、前記一般式(V)においては、、
01、R02、R03、R04、R05、R0 6、Y1、Y2
1、Z2およびZ’のうち少なくとも1つ、前記一般式
(VI)においては、R01、R02、R03、R04、R05、R
06、Y1、Y2、Z1、Z2、Z3、Z4、およびZ5のうち
少なくとも1つがイオン性親水性基を表すか、イオン性
親水性基を置換基として有する。前記一般式(V)およ
び前記一般式(VI)で表されるアゾ染料は、分子内に少
なくとも1つのイオン性親水性基を有しているので、水
性媒体中に対する溶解性または分散性が良好となる。R
01〜R06、Y1、Y2およびZ1〜Z5の置換基としてのイ
オン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基および
4級アンモニウムが含まれる。中でも、スルホ基および
カルボキシル基が好ましく、スルホ基が特に好ましい。
カルボキシル基およびスルホ基は塩の状態であってもよ
く、塩を形成する対イオンの例には、アルカリ金属イオ
ン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有
機カチオン(例、テトラメチルグアニジウムイオン)が
含まれる。
【0127】前記一般式(VI)で表されるアゾ染料は、
下記一般式(VII)で表される構造であるのがさらに好
ましい。
【0128】
【化19】 一般式(VII)
【0129】前記一般式(VII)中、Y1、Y2、Z1、Z
2、Z4、R01、R02およびR06は、一般式(VI)中のY
1、Y2、Z1、Z2、Z4、R01、R02およびR06と各々
同義であり、好ましい例も同様である。
【0130】前記一般式(VII)で表されるアゾ染料の
中でも、特に好ましい置換基の組み合わせとしては、Y
1はシアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル
基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基であり、特
に好ましいものは、シアノ基である。Y2は水素原子、
アルキル基、アリ−ル基でありその中でも特に水素原子
が好ましい。R01および/またはR02は、アルキル基
(イオン性親水性基を置換基として有していてもよい)
またはアリール基(イオン性親水性基を置換基として有
していてもよい)である。R06はアミド基(イオン性親
水性基を置換基として有していてもよい)である。Z1
および/またはZ2は、ハロゲン原子、アルキル基であ
る。Z4は、水素原子、ハロゲン原子、スルホンアミド
基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカ
ルボニル基またはイオン性親水性基であり、その中でも
特にイオン性親水性基が好ましい。
【0131】尚、前記一般式(VII)で表される化合物
の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換
基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が
好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基で
ある化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好まし
い基である化合物が最も好ましい。
【0132】前記一般式(V)、前記一般式(VI)で表
されるアゾ染料の具体例(例示化合物101〜143)
を以下に示すが、本発明に用いられるアゾ染料は、下記
の例に限定されるものではない。
【0133】
【化20】
【0134】
【化21】
【0135】
【化22】
【0136】
【化23】
【0137】
【化24】
【0138】
【化25】
【0139】
【化26】
【0140】
【化27】
【0141】
【化28】
【0142】
【化29】
【0143】
【化30】
【0144】本発明で用いられる水溶性染料は油溶性染
料に対して5〜50重量%の範囲で用いられることが好
ましく、10〜40重量%の範囲で用いられることがよ
り好ましい。
【0145】本発明で用いられる水溶性染料は、良好な
色相を保つためには、同一色の油溶性染料と共に用いら
れることが必須である。ここでいう同一色とは、極性溶
媒中での吸収極大波長の差が小さいことを指して言う。
それぞれの吸収極大波長の差は0〜20nmであること
が好ましく、0〜10nmであることが更に好ましい。
【0146】本発明に用いられる高沸点有機溶媒の沸点
は150℃以上であるが、好ましくは170℃以上であ
る。本発明に用いられる高沸点有機溶媒としては、フタ
ール酸エステル類(例えば、ジブチルフタレート、ジオ
クチルフタレート、ジシクロへキシルフタレート、ジ−
2−エチルヘキシルフタレート、デシルフタレート、ビ
ス(2,4−ジ−tert−アミルフェニル)イソフタ
レート、ビス(1,1−ジエチルプロピル)フタレー
ト)、リン酸又はホスホンのエステル類(例えば、ジフ
ェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリ
クレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニル
ホスフェート、ジオクチルブチルホスフェート、トリシ
クロヘキシルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシル
ホスフェート、トリドデシルホスフェート、ジ−2−エ
チルヘキシルフェニルホスフェート)、安息香酸エステ
ル酸(例えば、2−エチルヘキシルベンゾエート、2,
4−ジクロロベンゾエート、ドデシルベンゾエート、2
−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート)、ア
ミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド、
N,N−ジエチルラウリルアミド)、アルコール類また
はフェノール類(イソステアリルアルコール、2,4−
ジ−tert−アミルフェノールなど)、脂肪族エステ
ル類(例えば、コハク酸ジブトキシエチル、コハク酸ジ
−2−エチルヘキシル、テトラデカン酸−2−ヘキシル
デシル、クエン酸トリブチル、ジエチルアゼレート、イ
ソステアリルラクテート、トリオクチルシトレート)、
アニリン誘導体(N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5
−tert−オクチルアニリンなど)、塩素化パラフィ
ン類(塩素含有量10%〜80%のパラフィン類)、ト
リメシン酸エステル類(例えば、トリメシン酸トリブチ
ル)、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン、
フェノール類(例えば、2,4−ジ−tert−アミル
フェノール、4−ドデシルオキシフェノール、4−ドデ
シルオキシカルボニルフェノール、4−(4−ドデシル
オキシフェニルスルホニル)フェノール)、カルボン酸
類(例えば、2−(2,4−ジ−tert−アミルフェ
ノキシ酪酸、2−エトキシオクタンデカン酸)、アルキ
ルリン酸類(例えば、ジ−2(エチルヘキシル)リン
酸、ジフェニルリン酸)などが挙げられる。また補助溶
媒として沸点が30℃以上約160℃以下の有機溶剤
(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチ
ル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−エト
キシエチルアセテート、ジメチルホルムアミド)を併用
してもよい。高沸点有機溶媒は染料に対して重量比で
0.01〜10倍量の範囲で使用するのが好ましく、
0.05〜5倍量の範囲で使用するのがより好ましい。
これらの高沸点有機溶媒は単独で使用しても、数種の混
合〔例えばトリクレジルホスフェートとジブチルフタレ
ート、トリオクチルホスフェートとジ(2−エチルヘキ
シル)セバケート、ジブチルフタレートとポリ(N−t
−ブチルアクリルアミド)〕で使用してもよい。
【0147】本発明において用いられる高沸点有機溶媒
の前記以外の化合物例及び/またはこれら高沸点有機溶
媒の合成方法は例えば米国特許第2,322,027 号、同第2,
533,514 号、同第2,772,163 号、同第2,835,579 号、同
第3,594,171 号、同第3,676,137 号、同第3,689,271
号、同第3,700,454 号、同第3,748,141 号、同第3,764,
336 号、同第3,765,897 号、同第3,912,515 号、同第3,
936,303 号、同第4,004,928 号、同第4,080,209 号、同
第4,127,413 号、同第4, 193,802 号、同第4,207,393
号、同第4,220,711 号、同第4,239,851 号、同第4,278,
757 号、同第4,353,979 号、同第4,363,873 号、同第4,
430,421 号、同第4,430,422 号、同第4,464,464 号、同
第4,483,918 号、同第4,540,657 号、同第4,684,606
号、同第4,728,599 号、同第4,745,049 号、同第4,935,
321 号、同第5,013,639 号、欧州特許第276,319A号、同
第286,253A号、同第289,820A号、同第309,158A号、同第
309,159A号、同第309,160A号、同第509,311A号、同第51
0,576A号、東独特許第147,009号、同第157,147 号、同
第159,573 号、同第225,240A号、英国特許第2,091,124A
号、特開昭48-47335号、同50-26530号、同51-25133号、
同51-26036号、同51-27921号、同51-27922号、同51-149
028 号、同52-46816号、同53-1520 号、同53-1521 号、
同53-15127号、同53-146622 号、同54-91325号、同54-1
06228 号、同54-118246 号、同55-59464号、同56-64333
号、同56-81836号、同59-204041 号、同61-84641号、同
62-118345 号、同62-247364 号、同63-167357 号、同63
-214744 号、同63-301941 号、同64-9452 号、同64-945
4 号、同64-68745号、特開平1-101543号、同1-102454
号、同2-792 号、同2-4239号、同2-43541 号、同4-2923
7 号、同4-30165 号、同4-232946号、同4-346338号等に
記載されている。上記高沸点有機溶媒は、染料に対し、
重量で好ましくは0.01〜10倍、より好ましくは
0.05〜5倍で使用する。
【0148】本発明で染料や高沸点有機溶媒が疎水性の
場合、水性媒体中に乳化分散して用いられる。乳化分散
の際、乳化性の観点から場合によっては低沸点有機溶媒
を用いることが出来る。低沸点有機溶媒としては、常圧
で沸点約30℃以上、150℃以下の有機溶媒である。
例えばエステル類(例えばエチルアセテート、ブチルア
セテート、エチルプロピオネート、β−エトキシエチル
アセテート、メチルセロソルブアセテート)、アルコー
ル類(例えばイソプロピルアルコール、n−ブチルアル
コール、sec−ブチルアルコール)、ケトン類(例え
ばメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン)、アミド類(例えばジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン)、エーテル類(例えばテト
ラヒドロフラン、ジオキサン)等が好ましく用いられる
が、これに限定されるものではない。
【0149】乳化分散は、高沸点有機溶媒と場合によっ
ては低沸点有機溶媒の混合溶媒に染料を溶かした油相
を、水を主体とした水相中に分散し、油相の微少油滴を
作るために行われる。この際、水相、油相のいずれか又
は両方に、後述する界面活性剤、湿潤剤、染料安定化
剤、乳化安定剤、防腐剤、防黴剤等の添加剤を必要に応
じて添加することが出来る。乳化法としては水相中に油
相を添加する方法が一般的であるが、油相中に水相を滴
下して行く、いわゆる転相乳化法も好ましく用いること
が出来る。
【0150】本発明の乳化分散する際には、種々の界面
活性剤を用いることができる。例えば脂肪酸塩、アルキ
ル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハ
ク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホ
ン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫
酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル
アミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオ
キシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面
活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチ
レンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(A
irProducts&Chemicals社)も好ま
しく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキ
ルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面
活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,63
6号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャー
No.308119(1989年)記載の界面活性剤と
して挙げたものも使うことができる。
【0151】また、乳化直後の安定化を図る目的で、上
記界面活性剤と併用して水溶性ポリマーを添加すること
も出来る。水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドやこれらの共
重合体が好ましく用いられる。また多糖類、カゼイン、
ゼラチン等の天然水溶性ポリマーを用いるのも好まし
い。さらに染料分散物の安定化のためには実質的に水性
媒体中に溶解しないアクリル酸エステル類、メタクリル
酸エステル類、ビニルエステル類、アクリルアミド類、
メタクリルアミド類、オレフィン類、スチレン類、ビニ
ルエーテル類、アクリロニトリル類の重合により得られ
るポリビニルやポリウレタン、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリウレア、ポリカーボネート等も併用することが
出来る。これらのポリマーは−SO2-、−COO-を含
有していること好ましい。これらの実質的に水性媒体中
に溶解しないポリマーを併用する場合、高沸点有機溶媒
の20重量%以下用いられることが好ましく、10重量
%以下で用いられることがより好ましい。
【0152】乳化分散により疎水性染料を分散させて水
性インクとする場合、特に重要なのはその粒子サイズコ
ントーロールである。インクジェットにより画像を形成
した際の、色純度や濃度を高めるには平均粒子サイズを
小さくする事が必須である。体積平均粒子サイズで好ま
しくは5nm以上100nm以下である。また、粗大粒
子の存在も印刷性能に非常に大きな役割を示すことが明
らかになった。即ち、粗大粒子がヘッドのノズルを詰ま
らせる、あるいは詰まらないまでも汚れを形成すること
によってインクの不吐出や吐出のヨレを生じ、印刷性能
に重大な影響を与えることが分かった。これを防止する
ためには、インクにした時にインク1μl中で5μm以
上の粒子を10個以下、1μm以上の粒子を1000個
以下に抑える事が重要である。これらの粗大粒子を除去
する方法としては、公知の遠心分離法、精密濾過法等を
用いることが出来る。これらの分離手段は乳化分散直後
に行っても良いし、乳化分散物に湿潤剤や界面活性剤等
の各種添加剤を加えた後、インクカートリッジに充填す
る直前でも良い。平均粒子サイズを小さくし、且つ粗大
粒子を無くす有効な手段として、機械的な乳化装置を用
いることが出来る。
【0153】乳化装置としては、簡単なスターラーやイ
ンペラー撹拌方式、インライン撹拌方式、コロイドミル
等のミル方式、超音波方式など公知の装置を用いること
が出来るが、高圧ホモジナイザーの使用は特に好ましい
ものである。高圧ホモジナイザーは、US−45332
54号、特開平6−47264号等に詳細な機構が記載
されているが、市販の装置としては、ゴーリンホモジナ
イザー(A.P.V GAULIN INC.)、マイ
クロフルイダイザー(MICROFLUIDEX IN
C.)、アルティマイザー(株式会社スギノマシン)等
がある。また、近年になってUS−5720551号に
記載されているような、超高圧ジェット流内で微粒子化
する機構を備えた高圧ホモジナイザーは本発明の乳化分
散に特に有効である。この超高圧ジェット流を用いた乳
化装置の例として、DeBEE2000(BEE IN
TERNATIONAL LTD.)があげられる。
【0154】高圧乳化分散装置で乳化する際の圧力は5
00bar以上であり、好ましくは600bar以上、
更に好ましくは1800bar以上である。例えば、撹
拌乳化機で乳化した後、高圧ホモジナイザーを通す等の
方法で2種以上の乳化装置を併用するのは特に好ましい
方法である。また、一度これらの乳化装置で乳化分散し
た後、湿潤剤や界面活性剤等の添加剤を添加した後、カ
ートリッジにインクを充填する間に再度高圧ホモジナイ
ザーを通過させる方法も好ましい方法である。高沸点有
機溶媒に加えて低沸点有機溶媒を含む場合、乳化物の安
定性及び安全衛生上の観点から低沸点溶媒を除去するの
が好ましい。低沸点溶媒を除去する方法は溶媒の種類に
応じて各種の公知の方法を用いることが出来る。即ち、
蒸発法、真空蒸発法、限外濾過法等である。この低沸点
有機溶剤の除去工程は乳化直後、出来るだけ速やかに行
うのが好ましい。
【0155】本発明で得られた疎水性染料の着色微粒子
の乳化分散液をインクジェット記録用インクとして用い
る場合には、インクの噴射口での乾操による目詰まりを
防止するための乾燥防止剤、インクを紙により良く浸透
させるための浸透促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
粘度調整剤、表面張力調整剤、分散剤、分散安定剤、防
黴剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤、キレート剤等の添
加剤を適宜選択して適量使用することができる。
【0156】本発明に使用される乾燥防止剤としては水
より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な
例としてはエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリ
オール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、ト
リメチロールプロパン等に代表される多価アルコール
類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エー
テル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)
エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブ
チル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エ
チルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルス
ルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセ
トンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合
物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリ
ン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好
ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いても良いし
2種以上併用しても良い。これらの乾燥防止剤はインク
中に10〜50重量%含有することが好ましい。
【0157】本発明に使用される浸透促進剤としてはエ
タノール、イソプロパノール、ブタノール,ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等の
アルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナ
トリウムや上記乳化分散用界面活性剤として掲げたノニ
オン性界面活性剤等も用いることができる。これらはイ
ンク中に10〜30重量%含有すれば充分な効果があ
り、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさな
い添加量の範囲で使用するのが好ましい。
【0158】本発明で画像の保存性を向上させるために
使用される酸化防止剤としては、各種の有機系及び金属
錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪
色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノ
ール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、ア
ニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコ
キシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体とし
てはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的に
はリサーチ・ディスクロージャーNo.17643の第
VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.1
8716の650頁左欄、同No.36544の527
頁、同No.307105の872頁、同No.151
62に引用された特許に記載された化合物や特開昭62
−215272号公報の127頁〜137頁に記載され
た代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物
を使用することができる。
【0159】本発明に使用される防黴剤としてはデヒド
ロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピ
リジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸
エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−
オンおよびその塩等が挙げられる。これらはインク中に
0.02〜1.00重量%使用するのが好ましい。
【0160】本発明に使用されるpH調整剤としては水
酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸
化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸
塩、酢酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸二ナトリ
ウム等の無機塩基、N−メチルジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン等の有機塩基が挙げられる。インク
の保存安定性を向上させるためにpH6〜10が好まし
い。さらに好ましくは7〜10が好ましい。
【0161】本発明のインクの表面張力は、2〜6×1
-2N/mが好ましい。更に好ましくは2.5〜4.5
×10-2N/mである。本発明に使用される表面張力調
整剤としてはノニオン、カチオンあるいはアニオン界面
活性剤が挙げられる。例えば、上記の乳化分散に用いる
界面活性剤を用いることが出来るが、ここで用いられる
界面活性剤は25℃での水に対する溶解度が0.5%以
上のものが好ましい。本発明のインクの粘度は3×10
-2Pa・s以下が好ましい。更に2×10-2Pa・s以
下に調整することがより好ましい。
【0162】また本発明では分散剤、分散安定剤として
上述のカチオン、アニオン、ノニオン系の各種界面活性
剤、消泡剤としてフッソ系、シリコーン系化合物やED
TAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用する
ことができる。これらの各種添加剤は、疎水染料の乳化
後、乳化分散物に添加するのが一般的であるが、乳化分
散時に油相又は水相に添加していわゆる共乳化しても良
い。
【0163】本発明のインクは公知の被記録材、即ち普
通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号
公報、同8−27693号公報、同2−276670号
公報、同7−276789号公報、同9−323475
号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10
−153989号公報、同10−217473号公報、
同10−235995号公報、同10−337947号
公報、同10−217597号公報、同10−3379
47号公報等に記載されているインクジェット専用紙、
フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁
器等に画像を形成するのに用いることができる。
【0164】以下に本発明のインクを用いてインクジェ
ットプリントをするのに用いられる記録紙及び記録フィ
ルムについて説明する。記録紙及び記録フィルムおける
支持体はLBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、P
GW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の
機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等をからなり、必要
に応じて従来の公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定
着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長
網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等
が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラ
スチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持
体の厚み10〜250μm、坪量は10〜250g/m
2 が望ましい。支持体には、そのままインク受容層及び
バックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニ
ルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設
けた後、インク受容層及びバックコート層を設けてもよ
い。さらに支持体には、マシンカレンダー、TGカレン
ダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦
化処理を行ってもよい。本発明では支持体としては、両
面をポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテンおよびそ
れらのコポリマー)でラミネートした紙およびプラスチ
ックフイルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィ
ンポリオレフィン中に、白色顔料(例、酸化チタン、酸
化亜鉛)または色味付け染料(例、コバルトブルー、群
青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
【0165】支持体上に設けられるインキ受容層には、
顔料や水性バインダーが含有される。顔料としては、白
色顔料がよく、白色顔料としては、炭酸カルシウム、カ
オリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、
珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオラ
イト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、
硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機白色顔料、スチレン系ピグ
メント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹
脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層に含有さ
れる白色顔料としては、多孔性無機顔料がよく、特に細
孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成
非晶質シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸
及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使
用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが望まし
い。
【0166】インク受容層に含有される水性バインダー
としては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリ
ビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カ
ゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリ
アルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導
体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、
アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられ
る。これらの水性バインダーは単独または2種以上併用
して用いることができる。本発明においては、これらの
中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリ
ビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層
の耐剥離性の点で好適である。インク受容層は、顔料及
び水性結着剤の他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、
界面活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
【0167】インク受容層中に添加する媒染剤は、不動
化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー
媒染剤が好ましく用いられる。ポリマー媒染剤について
は、特開昭48−28325号、同54−74430
号、同54−124726号、同55−22766号、
同55−142339号、同60−23850号、同6
0−23851号、同60−23852号、同60−2
3853号、同60−57836号、同60−6064
3号、同60−118834号、同60−122940
号、同60−122941号、同60−122942
号、同60−235134号、特開平1−161236
号の各公報、米国特許2484430号、同25485
64号、同3148061号、同3309690号、同
4115124号、同4124386号、同41938
00号、同4273853号、同4282305号、同
4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−
161236号公報の212〜215頁に記載のポリマ
ー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記
載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得
られ、かつ画像の耐光性が改善される
【0168】耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、
これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望まし
い。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリ
アミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリ
アミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロラ
イド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダル
シリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特に
ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適であ
る。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の
全固形分に対して1〜15重量%が好ましく、特に3〜
10重量%であることが好ましい。耐光性向上剤として
は、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダーアミン系酸化防止
剤、ベンゾフェノン等のベンゾトリアゾール系の紫外線
吸収剤等が挙げられる。これらの中で特に硫酸亜鉛が好
適である。界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、ス
ベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面
活性剤については、特開昭62−173463号、同6
2−183457号の各公報に記載がある。界面活性剤
の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フ
ルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フ
ルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状
フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素化
合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有
機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号
(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62
−135826号の各公報に記載がある。その他のイン
ク受容層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増
粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整
剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。なお、インク受
容層は1層でも2層でもよい。
【0169】記録紙及び記録フィルムには、バックコー
ト層を設けることもでき、この層に添加可能な成分とし
ては、白色顔料、水性結着剤、その他の成分が挙げられ
る。バックコート層に含有される白色顔料としては、例
えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオ
リン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化
チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイ
ト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸
マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、
コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウ
ム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイ
ト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無
機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル
系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカ
プセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げ
られる。バックコート層に含有される水性バインダーと
しては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/
アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノ
ール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化
デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロ
リドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテック
ス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げ
られる。バックコート層に含有されるその他の成分とし
ては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐
水化剤等が挙げられる。インクジェット記録紙及び記録
フィルムの構成層(バック層を含む)には、ポリマーラ
テックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸
度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止の
ような膜物性改良の目的で使用される。ポリマーラテッ
クスについては、特開昭62−245258号、同62
−1316648号、同62−110066号の各公報
に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)
ポリマーラテックスを媒染剤を含む層に添加すると、層
のひび割れやカールを防止することができる。また、ガ
ラス転移温度が高いポリマーラテックスをバック層に添
加しても、カールを防止できる
【0170】本発明のインクはインクジェットの記録方
式に制限はなく、公知の方式例えば静電誘引力を利用し
てインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動
圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス
方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して
放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェッ
ト方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧
力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられ
る。インクジェット記録方式には、フォトインクと称す
る濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、
実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて
画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が
含まれる。
【0171】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0172】実施例1 (インクセット101の作製)染料(M−6)8g、ジ
オクチルスルホコハク酸5gを、高沸点有機溶媒(s−
1)6g、高沸点有機溶媒(s−2)10g及び酢酸エ
チル50ml中に70℃にて溶解させた。この溶液中に
500mlの脱イオン水をマグネチックスターラーで撹
拌しながら添加し、水中油滴型の粗粒分散物を作製し
た。次にこの粗粒分散物を、マイクロフルイダイザー
(MICROFLUIDEXINC)にて600bar
の圧力で5回通過させることで微粒子化を行った。更に
出来上がった乳化物をロータリーエバポレーターにて酢
酸エチルの臭気が無くなるまで脱溶媒を行った。こうし
て得られた疎水性染料の微細乳化物に、ジエチレングリ
コール140g、グリセリン64g、水溶性染料(10
1)1.0g、及び尿素等の添加剤を加えた後、脱イオ
ン水900mlを加え、KOH 10mol/lにてpH
=9に調整することにより表1に従うライトマゼンタイ
ンクを作製した。得られた乳化分散インクの体積平均粒
子サイズをマイクロトラックUPA(日機装株式会社)
を用いて測定したところ51nmであった。
【0173】
【化31】
【0174】
【表1】
【0175】さらに使用する染料種、高沸点有機溶剤を
変更し、表1にしめすインクセット101のマゼンタイ
ンク、ライトシアンインク、シアンインク、イエローイ
ンク、ブラックインクを作成した。
【0176】
【化32】
【0177】油溶性及び水溶性染料の吸収極大波長は、
染料をN,N−ジメチルホルムアルデヒドに溶解させ、
U−2010形分光光度計(日立製)を用いて測定し
た。結果を表2に示す。
【0178】
【表2】
【0179】さらに表3に従うように比較用のインクセ
ット102を作成した。
【0180】
【表3】
【0181】次にこれらのインクセットをインクジェッ
トプリンターPM670C(EPSON社製)のカート
リッジに詰め、同機にて富士写真フイルム製インクジェ
ットペーパーフォト光沢紙EXに画像を印刷し、以下の
評価を行った。印刷性能はカートリッジをプリンター
にセットし全ノズルからのインクの突出を確認した後、
A4 20枚出力し、印字の乱れを評価した。 A:印刷開始から終了まで印字の乱れ無し B:印字の乱れのある出力が発生する C:印刷開始から終了まで印字の乱れあり 印刷性能はカートリッジを60℃にて2日放置した
後、印刷性能と同様の方法にて印字の乱れを評価し
た。
【0182】乾燥性は印刷直後に、指で触ったときの汚
れを目視にて評価した。細線の滲みについては、イエロ
ー、マゼンタ、シアン及びブラックの細線パターンを印
字し目視にて評価を行った。ブラックについてはマゼン
タインクをベタに印字した後、ブラックの細線を印字
し、2色の接触による滲みの評価も行った。
【0183】これらの結果をまとめて表4に示した。本
発明のインクは印刷時、高濃度、ノズルの目詰まりに起
因するスジの発生が少なく、かつ擦過性、耐水性に優れ
ることが分かる。また、分散性インクの場合ネックにな
るインク経時安定性にも優れている。
【0184】
【表4】
【0185】(実施例2)実施例1で作製した同じイン
クを、インクジェットプリンターBJ−F850(CA
NON社製)のカートリッジに詰め、同機にて画像を富
士写真フイルム製インクジェットペーパーフォト光沢紙
EXにプリントし、実施例1と同様な評価を行ったとこ
ろ、実施例1と同様な結果が得られた。
【0186】
【発明の効果】本発明によれば、取り扱い性、臭気、安
全性に優れた水性インクにおいて、耐水性と耐光性を両
立させた油溶性染料の水性分散インクを用いることで、
写真画質用紙へ記録した際のインクの浸透性を改良し、
記録濃度を高めて記録画質を向上させると同時に印字直
後の汚れを解消することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高沸点有機溶媒に溶解した油溶性染料を水
    性媒体中に分散して成る染料分散物を含有するインクジ
    ェット用インク組成物において、水溶性染料及び油溶性
    染料のそれぞれの吸収極大波長差が0〜20nmである
    ことを特徴とするインクジェット用インク組成物。
  2. 【請求項2】前記請求項1に記載のインクジェット用イ
    ンク組成物において、油溶性染料が下記一般式(I)で
    表される化合物を含有することを特徴とするインクジェ
    ット用インク組成物。 【化1】 一般式(I) 式(I)において、Xはカラー写真カプラーの残基、A
    は−NR45またはヒドロキシ基を表わし、R4および
    5はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基ま
    たは複素環基を表わす。B1は=C(R6)−または=N
    −を表わし、B2は−C(R7)=または−N=を表わ
    す。R2、R3、R6およびR7はそれぞれ独立に水素原
    子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シ
    アノ、−OR 51、−SR52、−CO253、−OCOR
    54、−NR5556、−CONR5758、−SO259
    −SO2NR6061、−NR62CONR6364、−NR
    65CO266、−COR67、−NR68COR69または−
    NR70SO271であって、R51、R52、R53、R54
    55、R56、R57、R58、R59、R60、R61、R62、R
    63、R64、R65、R66、R67、R68、R69、R70および
    71はそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基または芳香
    族基である。R2とR3、R3とR4、R4とR5、R5とR6
    またはR6とR7は互いに結合して環を形成してもよい。
  3. 【請求項3】請求項1乃至2のインクジェット用インク
    を用いインク滴を記録信号に応じて吐出させて、受像材
    料上に記録するインクジェット記録方法において、該受
    像材料が支持体上に白色無機顔料粒子を含有する受像層
    を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012127758A1 (ja) 2011-03-18 2012-09-27 富士フイルム株式会社 インク組成物、インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法
WO2014077223A1 (ja) 2012-11-15 2014-05-22 富士フイルム株式会社 着色組成物、該着色組成物を用いたインクジェット記録用インク、該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法、インクカートリッジ、及び、インクジェット記録物

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WO2012127758A1 (ja) 2011-03-18 2012-09-27 富士フイルム株式会社 インク組成物、インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法
WO2014077223A1 (ja) 2012-11-15 2014-05-22 富士フイルム株式会社 着色組成物、該着色組成物を用いたインクジェット記録用インク、該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法、インクカートリッジ、及び、インクジェット記録物

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