JP2003231834A - インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法

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JP2003231834A
JP2003231834A JP2002032494A JP2002032494A JP2003231834A JP 2003231834 A JP2003231834 A JP 2003231834A JP 2002032494 A JP2002032494 A JP 2002032494A JP 2002032494 A JP2002032494 A JP 2002032494A JP 2003231834 A JP2003231834 A JP 2003231834A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吐出安定性が高く、色相、耐候性、耐水性や画
質面での欠点がないインクジェット記録用インク組成物
を提供する。 【解決手段】 特定のフタロシアニン染料を少なくとも
1種水性媒体中に溶解または分散してなるインク組成物
であって、該インク組成物の固形分濃度が0.5質量%
以上20質量%以下及び/又は該インク組成物1cm3
中に存在する粒子の総体積が3.5×10-6cm3以下
であるインクジェット記録用インク組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録画像の品質が
高く、吐出安定性に優れ、しかも得られた画像の保存性
が優れたインクジェット記録用インク組成物及びそれを
用いたインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピューターの普及に伴いイン
クジェットプリンターがオフィスだけでなく家庭で紙、
フィルム、布等に印字するために広く利用されている。
インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を
加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡
を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方
式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式が
ある。これらのインクジェット記録用インクとしては、
水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)イン
クが用いられる。これらのインクのうち、製造、取り扱
い性・臭気・安全性等の点から水性インクが主流となっ
ている。
【0003】これらのインクジェット記録用インクに用
いられる着色剤に対しては、溶剤に対する溶解性が高い
こと、高濃度記録が可能であること、色相が良好である
こと、光、熱、空気、オゾン、水や薬品に対する堅牢性
に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲み
にくいこと、インクとしての保存性に優れていること、
毒性がないこと、純度が高いこと、さらには、安価に入
手できることが要求されている。しかしながら、これら
の要求を高いレベルで満たす着色剤を捜し求めること
は、極めて難しい。特に、良好なシアン色相を有し、オ
ゾン堅牢性に優れた着色剤が強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】既にインクジェット用
として様々な染料や顔料が提案され、実際に使用されて
いるが、未だに全ての要求を満足する着色剤は、発見さ
れていないのが現状である。カラーインデックス(C.
I.)番号が付与されているような、従来からよく知ら
れている染料や顔料では、インクジェット記録用インク
に要求される色相と堅牢性とを両立させることは難し
い。一方で、インク組成物を調液する際に、その組成物
中の固形分が適当な範囲を超えると、インクの吐出性や
画像の耐候性に問題があることがわかった。また、イン
ク中で不溶性の粒子成分が増加すると、同様にインクの
吐出性に問題があることがわかった。
【0005】従って、本発明が解決しようとする課題
は、色相、耐候性に優れたインクジェット記録用インク
組成物を提供することにある。本発明の更なる課題は、
吐出安定性が高く、色相、耐候性、耐水性に優れ、画質
面での欠点がないインクジェット記録用インク組成物を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下
記1〜5項記載のインクジェット記録用インク組成物な
らびに6,7項記載のインクジェット記録方法によって
達成された。1.下記一般式(I)で表される染料を少
なくとも1種水性媒体中に溶解または分散してなるイン
ク組成物であって、該インク組成物の固形分濃度が0.
50質量%以上20質量%以下であることを特徴とする
インクジェット記録用インク組成物。 一般式(I)
【0007】
【化3】
【0008】上記一般式(I)中;X1、X2、X3およ
びX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、
−SO2NR12、スルホ基、−CONR12、または
−CO21を表す。上記Zは、置換もしくは無置換のア
ルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置
換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換
のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、ま
たは置換もしくは無置換の複素環基を表す。上記R1
2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置
換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル
基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは
無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール
基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。な
お、Zが複数個存在する場合、それらは同一でも異なっ
ていてもよい。Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ独
立に、一価の置換基を表す。なお、X1〜X4およびY1
〜Y4のいずれかが複数個存在するとき、それらは、同
一でも異なっていてもよい。 a1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X4およびY
1〜Y4の置換基数を表し、a1〜a4は、それぞれ独立
に、0〜4の整数であり、全てが同時に0になることは
なく、b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であ
る。Mは、水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸
化物もしくはハロゲン化物である。
【0009】2.一般式(I)で表される染料が、下記
一般式(II)で表される染料であることを特徴とする上
記1.に記載のインクジェット記録用インク組成物。 一般式(II)
【0010】
【化4】
【0011】上記一般式(II)中;X11〜X14、Y11
18、Mは、それぞれ一般式(I)の中のX1〜X4、Y
1〜Y4、Mと同義である。a11〜a14は、それぞれ独立
に、1または2の整数である。
【0012】3.上記一般式(I)で表される染料又は
一般式(II)で表される染料を少なくとも1種水性媒体
中に溶解または分散してなるインク組成物であって、該
インク組成物1cm3中に存在する粒子の総体積が3.
5×10-6cm3以下であることを特徴とするインクジ
ェット記録用インク組成物。 4.インク組成物1cm3中に存在する粒子の総体積が
3.5×10-6cm3以下であることを特徴とする上記
1.又は2.記載のインクジェット記録用インク組成
物。 5.インク組成物中に沸点150℃以上の有機溶剤を含有
することを特徴とする上記1.〜4.のいずれかに記載
のインクジェット記録用インク組成物。
【0013】6.上記1.〜5.のいずれかに記載のイ
ンクジェット記録用インク組成物を用いることを特徴と
するインクジェット記録方法。 7.支持体上に白色無機顔料粒子を含有する受像層を有
する受像材料にインク滴を記録信号に応じて吐出させ、
受像材料上に画像を記録するインクジェット記録方法で
あって、インク滴が上記1.〜5.のいずれかに記載の
インクジェット記録用インク組成物を含有することを特
徴とするインクジェット記録方法。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳細
に説明する。本発明のインクジェット記録用インクに含
有される染料は、上記一般式(I)で表されるフタロシ
アニン染料である。フタロシアニン染料は堅牢な染料と
して知られていたが、インクジェット用記録染料として
使用した場合、オゾンガスに対する堅牢性に劣ることが
知られている。本発明では、求電子剤であるオゾンとの
反応性を下げるために、フタロシアニン骨格に電子求引
性基を導入して酸化電位を1.0V(vs SCE)よ
りも貴とすることが望ましい。酸化電位は貴であるほど
好ましく、酸化電位が1.1V(vs SCE)よりも
貴であるものがより好ましく、1.2V(vs SC
E)より貴であるものが最も好ましい。
【0015】酸化電位の値(Eox)は当業者が容易に測
定することができる。この方法に関しては、例えばP.
Delahay著“New Instrumental
Methods in Electrochemis
try”(1954年 Interscience P
ublishers社刊)、A.J.Bard他著“E
lectrochemical Methods”(1
980年 JohnWiley & Sons社刊)、
藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年技報堂出版
社刊)などに記載されている。
【0016】具体的には、酸化電位は、過塩素酸ナトリ
ウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムなどの支持
電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルな
どの溶媒中に、被験試料を1×10-4〜1×10-6モル
/リットルの濃度に溶解して、サイクリックボルタンメ
トリーや直流ポーラログラフィーを用いてSCE(飽和
カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、
液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミ
ルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えば
ハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証すること
ができる。なお、電位を一義的に規定するために、本発
明では、0.1moldm-3の過塩素酸テトラプロピル
アンモニウムを支持電解質として含むジメチルホルムア
ミド中(染料の濃度は0.001moldm-3)で直流
ポーラログラフィーにより測定した値(vs SCE)
を染料の酸化電位とする。
【0017】Eox(酸化電位)の値は試料から電極への
電子の移りやすさを表わし、その値が大きい(酸化電位
が貴である)ほど試料から電極への電子の移りにくい、
言い換えれば、酸化されにくいことを表す。化合物の構
造との関連では、電子求引性基を導入することにより酸
化電位はより貴となり、電子供与性基を導入することに
より酸化電位はより卑となる。本発明では、求電子剤で
あるオゾンとの反応性を下げるために、フタロシアニン
骨格に電子求引性基を導入して酸化電位をより貴とする
ことが望ましい。従って、置換基の電子求引性や電子供
与性の尺度であるハメットの置換基定数σp値を用いれ
ば、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイル基
のようにσp値が大きい置換基を導入することにより酸
化電位をより貴とすることができると言える。このよう
な電位調節をする理由からも、上記一般式(I)で表さ
れるフタロシアニン染料を用いることは好ましい。
【0018】一般式(I)において、X1、X2、X3
よびX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2
Z、−SO2NR12、スルホ基、−CONR12、ま
たは−CO21を表す。これらの置換基の中でも、−S
O−Z、−SO2−Z、−SO2NR12および−CON
12が好ましく、特に−SO2−Zおよび−SO2NR
12が好ましく、−SO2−Z が最も好ましい。ここ
で、その置換基数を表すa1〜a4のいずれかが2以上の
数を表す場合、X1〜X4の内、複数存在するものは同一
でも異なっていても良く、それぞれ独立に上記のいずれ
かの基を表す。また、X1、X2、X3およびX4は、それ
ぞれ全く同じ置換基であってもよく、あるいは例えばX
1、X2、X3およびX4が全て−SO2−Zであり、かつ
各Zは異なるものを含む場合のように、同じ種類の置換
基であるが部分的に互いに異なる置換基であってもよ
く、あるいは互いに異なる置換基を、例えば−SO2
Zと−SO2NR12を含んでいてもよい。
【0019】上記Zは、それぞれ独立に、置換もしくは
無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアル
キル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もし
くは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリ
ール基、置換もしくは無置換の複素環基を表す。好まし
くは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは
無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基で
あり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置
換複素環基が最も好ましい。上記R1、R2は、それぞれ
独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、
置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは
無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキ
ル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換も
しくは無置換の複素環基を表す。なかでも、水素原子、
置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換
のアリール基、および置換もしくは無置換の複素環基が
好ましく、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換
アリール基、および置換複素環基がさらに好ましい。但
し、R1、R2がいずれも水素原子であることは好ましく
ない。
【0020】R1、R2およびZが表す置換もしくは無置
換のアルキル基としては、炭素原子数が1〜30のアル
キル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を
高めるという理由から、分岐のアルキル基が好ましく、
特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に
好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2
1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能
な場合の置換基と同じものが挙げられる。中でも水酸
基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、ス
ルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させ
るので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性
親水性基を有していても良い。なお、アルキル基の炭素
原子数は置換基の炭素原子を含まず、他の基についても
同様である。
【0021】R1、R2およびZが表す置換もしくは無置
換のシクロアルキル基としては、炭素原子数が5〜30
のシクロアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やイ
ンク安定性を高めるという理由から、不斉炭素を有する
場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例
としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3および
4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同
じものが挙げられる。なかでも、水酸基、エーテル基、
エステル基、シアノ基、アミド基、およびスルホンアミ
ド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に
好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を
有していても良い。
【0022】R1、R2およびZが表す置換もしくは無置
換のアルケニル基としては、炭素原子数が2〜30のア
ルケニル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定
性を高めるという理由から、分岐のアルケニル基が好ま
しく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)
が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、
1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つ
ことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。な
かでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、
アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢
性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原
子やイオン性親水性基を有していてもよい。
【0023】R1、R2およびZが表す置換もしくは無置
換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のア
ラルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定
性を高めるという理由から、分岐のアラルキル基が好ま
しく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)
が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、
1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つ
ことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。な
かでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、
アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢
性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原
子やイオン性親水性基を有していてもよい。
【0024】R1、R2およびZが表す置換もしくは無置
換のアリール基としては、炭素原子数が6〜30のアリ
ール基が好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R
1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つこ
とが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なか
でも、染料の酸化電位を貴とし堅牢性を向上させるので
電子吸引性基が特に好ましい。電子吸引性基としては、
ハメットの置換基定数σp値が正のものを挙げられる。
なかでも、ハロゲン原子、複素環基、シアノ基、カルボ
キシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルフ
ァモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、イミド
基、アシル基、スルホ基、4級アンモニウム基が好まし
く、シアノ基、カルボキシル基、スルファモイル基、カ
ルバモイル基、スルホニル基、イミド基、アシル基、ス
ルホ基、4級アンモニウム基が更に好ましい。
【0025】R1、R2およびZが表す複素環基として
は、5員または6員環のものが好ましく、それらは更に
縮環していてもよい。また、芳香族複素環であっても非
芳香族複素環であっても良い。以下にR1、R2およびZ
で表される複素環基を、置換位置を省略して複素環の形
で例示するが、置換位置は限定されるものではなく、例
えばピリジンであれば、2位、3位、4位で置換するこ
とが可能である。ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピ
リダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナ
ゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロ
ール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェ
ン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベ
ンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベン
ズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソ
チアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、
イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジ
ン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾ
リンなどが挙げられる。なかでも、芳香族複素環基が好
ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリ
ジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジ
ン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、
トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチ
アゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙
げられる。それらは置換基を有していても良く、置換基
の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3
よびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基
と同じものが挙げられる。好ましい置換基は前記アリー
ル基の置換基と、更に好ましい置換基は、前記アリール
基の更に好ましい置換基とそれぞれ同じである。
【0026】Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ独立
に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアル
キル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複
素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ
基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アシルアミノ基、アリールアミノ基、ウレイド基、
スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド
基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル
基、アルコキシカルボニル基、複素環オキシ基、アゾ
基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオ
キシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシ
カルボニルアミノ基、イミド基、複素環チオ基、ホスホ
リル基、アシル基、カルボキシル基、またはスルホ基を
挙げる事ができ、各々はさらに置換基を有していてもよ
い。
【0027】なかでも、水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド
基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、
スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキ
シル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハ
ロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基およびスルホ基
が好ましく、水素原子が最も好ましい。
【0028】Z、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4
更に置換基を有することが可能な基であるときは、以下
に挙げる置換基を更に有してもよい。
【0029】炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖アルキ
ル基、炭素数7〜18の直鎖または分岐鎖アラルキル
基、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルケニル基、
炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルキニル基、炭素
数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルキル基、炭素
数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルケニル基(以
上の各基は分岐鎖を有するものが染料の溶解性およびイ
ンクの安定性を向上させる理由から好ましく、不斉炭素
を有するものが特に好ましい。以上の各基の具体例:例
えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec-ブ
チル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルス
ルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオ
ロメチル、シクロペンチル)、ハロゲン原子(例えば、
塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニ
ル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミル
フェニル)、複素環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾ
リル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−
ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、
【0030】シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カ
ルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メ
トキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタン
スルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フ
ェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェ
ノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシ
カルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイ
ル)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズ
アミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノ
キシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メ
チルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブ
チルアミノ)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、
2−クロロアニリノ、ウレイド基(例えば、フェニルウ
レイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイ
ド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプ
ロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例え
ば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチル
チオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−
ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボ
キシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ
基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、スルホンア
ミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスル
ホンアミド、p−トルエンスルホンアミド)、
【0031】カルバモイル基(例えば、N−エチルカル
バモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファ
モイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N
−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモ
イル)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オ
クタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスル
ホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メト
キシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、複素環オ
キシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキ
シ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例え
ば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピ
バロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プ
ロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、
アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メ
チルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオ
キシ)、
【0032】シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリ
ルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオ
キシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニ
ルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、
N−フタルイミド)、複素環チオ基(例えば、2−ベン
ゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,
5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、ス
ルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフ
ィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニ
ル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニ
ル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキ
シカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フ
ェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基
(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基およ
び4級アンモニウム基)が挙げられる。
【0033】前記一般式(I)で表されるフタロシアニ
ン染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有
することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ
基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウ
ム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カ
ルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好まし
く、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボ
キシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であっ
てもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウ
ムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、
ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオ
ン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチ
ルグアニジニウムイオン、テトラメチルホスホニウム)
が含まれる。対イオンのなかでも、アルカリ金属塩が好
ましく、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安
定性を向上させるため特に好ましい。イオン性親水性基
の数としては、フタロシアニン系染料1分子中少なくと
も2個有することが好ましく、スルホ基および/または
カルボキシル基を少なくとも2個有することが特に好ま
しい。
【0034】a1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1
〜X4およびY1〜Y4の置換基数を表す。a1〜a4は、
それぞれ独立に、0〜4の整数を表すが、全てが同時に
0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0
〜4の整数を表す。なお、a1〜a4およびb1〜b4のい
ずれかが2以上の整数であるときは、X1〜X4およびY
1〜Y4のいずれかは複数個存在することになり、それら
は同一でも異なっていてもよい。
【0035】a1とb1は、a1+b1=4の関係を満た
す。特に好ましいのは、a1が1または2を表し、b1
3または2を表す組み合わせであり、そのなかでも、a
1が1を表し、b1が3を表す組み合わせが最も好まし
い。a1とb1、a1とb1、a1とb1の各組み合わせにお
いても、a1とb1の組み合わせと同様の関係であり、好
ましい組み合わせも同様である。
【0036】Mは、水素原子、金属元素またはその酸化
物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。Mとして好
ましいものは、水素原子の他に、金属元素として、L
i、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、C
r、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、
Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、C
d、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、P
b、Sb、Bi等が挙げられる。酸化物としては、V
O、GeO等が好ましく挙げられる。また、水酸化物と
しては、Si(OH)2、Cr(OH)2、Sn(OH)
2等が好ましく挙げられる。さらに、ハロゲン化物とし
ては、AlCl、SiCl2、VCl、VCl2、VOC
l、FeCl、GaCl、ZrCl等が挙げられる。な
かでも、Cu、Ni、Zn、Al等が好ましく、Cuが
最も好ましい。
【0037】また、L(2価の連結基)を介してPc
(フタロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L
-M−Pc)または3量体を形成してもよく、その時の
Mはそれぞれ同一であっても異なるものであってもよ
い。
【0038】Lで表される2価の連結基は、オキシ基−
O−、チオ基−S−、カルボニル基−CO−、スルホニ
ル基−SO2−、イミノ基−NH−、メチレン基−CH2
−、およびこれらを組み合わせて形成される基が好まし
い。
【0039】前記一般式(I)で表される化合物の好ま
しい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少
なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好まし
く、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化
合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基で
ある化合物が最も好ましい。
【0040】前記一般式(I)で表されるフタロシアニ
ン染料のなかでも、前記一般式(II)で表される構造の
フタロシアニン染料が更に好ましい。以下に本発明の一
般式(II)で表されるフタロシアニン染料について詳し
く述べる。
【0041】前記一般式(II)において、X11〜X14
11〜Y18は一般式(I)の中のX 1〜X4、Y1〜Y4
それぞれ同義であり、好ましい例も同じである。また、
Mは一般式(I)中のMと同義であり、好ましい例も同
様である。
【0042】一般式(II)中、a11〜a14は、それぞれ
独立に、1または2の整数であり、好ましくは4≦a11
+a12+a13+a14≦6を満たし、特に好ましくはa11
=a 12=a13=a14=1のときである。
【0043】X11、X12、X13およびX14は、それぞれ
全く同じ置換基であってもよく、あるいは例えばX1
2、X3およびX4が全て−SO2−Zであり、かつ各Z
は異なるものを含む場合のように、同じ種類の置換基で
あるが部分的に互いに異なる置換基であってもよく、あ
るいは互いに異なる置換基を、例えば−SO2−Zと−
SO2NR12を含んでいてもよい。一般式(II)で表
されるフタロシアニン染料のなかでも、特に好ましい置
換基の組み合わせは、以下の通りである。
【0044】X11〜X14としては、それぞれ独立に、−
SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR12または−CO
NR12が好ましく、特に−SO2−Zまたは−SO2
12が好ましく、−SO2−Zが最も好ましい。
【0045】Zは、それぞれ独立に、置換もしくは無置
換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置
換もしくは無置換の複素環基が好ましく、そのなかで
も、置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が
最も好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高め
るという理由から、置換基中に不斉炭素を有する場合
(ラセミ体での使用)が好ましい。また、会合性を高め
堅牢性を向上させるという理由から、水酸基、エーテル
基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド
基が置換基中に有する場合が好ましい。
【0046】R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、
置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換
のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基が好まし
く、そのなかでも、水素原子、置換アルキル基、置換ア
リール基、置換複素環基がより好ましい。ただしR1
2が共に水素原子であることは好ましくない。特に染
料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、置
換基中に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が
好ましい。また、会合性を高め堅牢性を向上させるとい
う理由から、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ
基、アミド基、スルホンアミド基が置換基中に有する場
合が好ましい。
【0047】Y11〜Y18は、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ
基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンア
ミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキ
シカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好
ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カル
ボキシル基、またはスルホ基であることが好ましく、水
素原子であることが最も好ましい。a11〜a14は、それ
ぞれ独立に、1または2であることが好ましく、全てが
1であることが特に好ましい。Mは、水素原子、金属元
素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を
表し、特にCu、Ni、Zn、Alが好ましく、なかで
も特に特にCuが最も好ましい。
【0048】前記一般式(II)で表されるフタロシアニ
ン染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有
することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ
基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウ
ム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カ
ルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好まし
く、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボ
キシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であっ
てもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウ
ムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、
ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオ
ン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチ
ルグアニジニウムイオン、テトラメチルホスホニウム)
が含まれる。対イオンのなかでも、アルカリ金属塩が好
ましく、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安
定性を向上させるため特に好ましい。イオン性親水性基
の数としては、フタロシアニン系染料1分子中に少なく
とも2個有することが好ましく、スルホ基および/また
はカルボキシル基を少なくとも2個有することが特に好
ましい。
【0049】前記一般式(II)で表される化合物の好ま
しい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少
なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好まし
く、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化
合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基で
ある化合物が最も好ましい。
【0050】本発明のフタロシアニン染料の化学構造と
しては、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイ
ル基のような電子吸引性基を、フタロシアニンの4つの
各ベンゼン環に少なくとも一つずつ、フタロシアニン骨
格全体の置換基のσp値の合計で1.6以上となるよう
に導入することが好ましい。ハメットの置換基定数σp
値について若干説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導
体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論
ずるために1935年L.P.Hammettにより提
唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認め
られている。ハメット則に求められた置換基定数にはσ
p値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書
に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean
編、「Lange’s Handbook of Ch
emistry」第12版、1979年(Mc Gra
w−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96
〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。
【0051】前記一般式(I)で表されるフタロシアニ
ン誘導体は、その合成法によって不可避的に置換基Xn
(n=1〜4)およびYm(m=1〜4)の導入位置お
よび導入個数が異なる類縁体混合物である場合が一般的
であり、従って一般式はこれら類縁体混合物を統計的に
平均化して表している場合が多い。本発明では、これら
の類縁体混合物を以下に示す三種類に分類すると、特定
の混合物が特に好ましいことを見出したものである。す
なわち前記一般式(I)および(II)で表されるフタロ
シアニン系染料類縁体混合物を置換位置に基づいて以下
の三種類に分類して定義する。
【0052】(1)β-位置換型:2およびまたは3
位、6およびまたは7位、10およびまたは11位、1
4およびまたは15位に特定の置換基を有するフタロシ
アニン染料。 (2)α-位置換型:1およびまたは4位、5およびま
たは8位、9およびまたは12位、13およびまたは1
6位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料 (3)α,β-位混合置換型:1〜16位に規則性な
く、特定の置換基を有するフタロシアニン染料
【0053】本明細書中において、構造が異なる(特
に、置換位置が異なる)フタロシアニン染料の誘導体を
説明する場合、上記β-位置換型、α-位置換型、α,β
-位混合置換型を使用する。
【0054】本発明に用いられるフタロシアニン誘導体
は、例えば白井−小林共著、(株)アイピーシー発行
「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)、
C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共
著、VCH発行‘Phthalocyanines−P
roperties and Application
s’(P.1〜54)等に記載、引用もしくはこれらに
類似の方法を組み合わせて合成することができる。
【0055】本発明の一般式(I)で表されるフタロシ
アニン化合物は、世界特許00/17275号、同00
/08103号、同00/08101号、同98/41
853号、特開平10−36471号などに記載されて
いるように、例えば無置換のフタロシアニン化合物のス
ルホン化、スルホニルクロライド化、アミド化反応を経
て合成することができる。この場合、スルホン化がフタ
ロシアニン核のどの位置でも起こり得る上にスルホン化
される個数も制御が困難である。従って、このような反
応条件でスルホ基を導入した場合には、生成物に導入さ
れたスルホ基の位置と個数は特定できず、必ず置換基の
個数や置換位置の異なる混合物を与える。従ってそれを
原料として本発明の化合物を合成する時には、複素環置
換スルファモイル基の個数や置換位置は特定できないの
で、本発明の化合物としては置換基の個数や置換位置の
異なる化合物が何種類か含まれるα,β-位混合置換型
混合物として得られる。
【0056】前述したように、例えばスルファモイル基
のような電子求引性基を数多くフタロシアニン核に導入
すると酸化電位がより貴となり、オゾン耐性が高まる。
上記の合成法に従うと、電子求引性基が導入されている
個数が少ない、即ち酸化電位がより卑であるフタロシア
ニン染料が混入してくることが避けられない。従って、
オゾン耐性を向上させるためには、酸化電位がより卑で
ある化合物の生成を抑えるような合成法を用いることが
より好ましい。
【0057】本発明の一般式(II)で表されるフタロシ
アニン化合物は、例えば下記式で表されるフタロニトリ
ル誘導体(化合物P)および/またはジイミノイソイン
ドリン誘導体(化合物Q)を一般式(III)で表される
金属誘導体と反応させるか、或いは下記式で表される4
-スルホフタロニトリル誘導体(化合物R)と一般式(I
II)で表される金属誘導体を反応させて得られるテトラ
スルホフタロシアニン化合物から誘導することができ
る。
【0058】
【化5】
【0059】上記各式中、Xpは上記一般式(II)にお
けるX11、X12、X13またはX14に相当する。また、Y
q、Yq'は、それぞれ上記一般式(II)における
11、Y1 2、Y13、Y14、Y15、Y16、Y17またはY18
に相当する。化合物Rにおいて、M’はカチオンを表
す。M’が表わすカチオンとしては、Li、Na、Kなどの
アルカリ金属イオン、またはトリエチルアンモニウムイ
オン、ピリジニウムイオンなどの有機カチオンなどが挙
げられる。
【0060】一般式(III):M−(Y)d 一般式(III)中、Mは前記一般式(I)および(II)
のMと同義であり、Yはハロゲン原子、酢酸陰イオン、
アセチルアセトネート、酸素などの1価または2価の配
位子を示し、dは1〜4の整数である。
【0061】即ち、上記の合成法に従えば、望みの置換
基を特定の数だけ導入することができる。特に本発明の
ように酸化電位を貴とするために電子求引性基を数多く
導入したい場合には、上記の合成法は、一般式(I)の
フタロシアニン化合物を合成するための既に述べた方法
と比較して極めて優れたものである。
【0062】かくして得られる前記一般式(II)で表さ
れるフタロシアニン化合物は、通常、Xpの各置換位置
における異性体である下記一般式(a)−1〜(a)−
4で表される化合物の混合物、すなわちβ-位置換型と
なっている。
【0063】
【化6】
【0064】
【化7】
【0065】
【化8】
【0066】
【化9】
【0067】上記合成法において、Xpとして全て同一
のものを使用すればX11、X12、X 13およびX14が全く
同じ置換基であるβ−位置換型フタロシアニン染料を得
ることができる。一方、Xpとして異なるものを組み合
わせて使用すれば、同じ種類の置換基であるが部分的に
互いに異なる置換基をもつ染料や、あるいは、互いに異
なる種類の置換基をもつ染料を合成することができる。
一般式(II)の染料のなかでも、互いに異なる電子吸引
性置換基を持つこれらの染料は、染料の溶解性、会合
性、インクの経時安定性などを調整できるので、特に好
ましい。
【0068】本発明では、いずれの置換型においても酸
化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴であること
が堅牢性の向上に非常に重要であることが見出され、そ
の効果の大きさは前記先行技術から全く予想することが
できないものであった。また、原因は詳細には不明であ
るが、なかでも、α,β-位混合置換型よりはβ-位置換
型の方が色相、光堅牢性、オゾンガス耐性等において明
らかに優れている傾向にあった。
【0069】前記一般式(I)および(II)で表される
フタロシアニン染料の具体例(例示化合物I−1〜I−
12および101〜190)を下記に示すが、本発明に
用いられるフタロシアニン染料は、下記の例に限定され
るものではない。
【0070】
【化10】
【0071】
【化11】
【0072】
【化12】
【0073】
【化13】
【0074】
【化14】
【0075】
【化15】
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】
【表7】
【0083】
【表8】
【0084】
【表9】
【0085】
【表10】
【0086】
【表11】
【0087】なお、表8〜表11のM−Pc(Xp1
m(Xp2)nで示されるフタロシアニン化合物の構造
は下記の通りである
【0088】
【化16】
【0089】前記一般式(I)で表されるフタロシアニ
ン染料は、前述した特許に従って合成することが可能で
ある。また、一般式(II)で表されるフタロシアニン染
料は、前記した合成方法の他に、特開2001−226
275号、同2001−96610号、同2001−4
7013号、同2001−193638号の各公報に記
載の方法により合成することができる。また、出発物
質、染料中間体および合成ル−トについてはこれらに限
定されるものでない。
【0090】本発明のインクジェット記録用インクは、
前記フタロシアニン染料を好ましくは0.2〜20質量
%含有し、より好ましくは0.5〜15質量%含有す
る。
【0091】本発明のインク組成物には、前記フタロシ
アニン染料とともに、フルカラーの画像を得るための色
調を整えるために、他の色素を併用してもよい。併用す
ることができる他の色素の例としては、以下の染料や顔
料を挙げることができる。
【0092】イエロー染料としては、例えばカップリン
グ成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン
類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化
合物類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例
えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物
類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料や
モノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例
えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のような
キノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキ
ノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染
料、アクリジノン染料等を挙げることができる。これら
の染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエロ
ーを呈するものであってもよく、その場合のカウンター
カチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機
のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アン
モニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さ
らにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであ
ってもよい。
【0093】マゼンタ染料としては、例えばカップリン
グ成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類
を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカ
ップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾ
ール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染
料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染
料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフ
ェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウ
ム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アント
ラピリドンなどのようなキノン系染料、例えばジオキサ
ジン染料等のような縮合多環系染料等を挙げることがで
きる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して
初めてマゼンタを呈するものであってもよく、その場合
のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウム
のような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウ
ム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであっ
てもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマー
カチオンであってもよい。
【0094】シアン染料としては、例えばインドアニリ
ン染料、インドフェノール染料のようなアゾメチン染
料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染
料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、ト
リフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボ
ニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染
料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフ
トール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリ
ルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ染料を挙げること
ができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離
して初めてシアンを呈するものであってもよく、その場
合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウ
ムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニ
ウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであ
ってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマ
ーカチオンであってもよい。また、ポリアゾ染料などの
ブラック染料も使用することができる。
【0095】水溶性染料としては、直接染料、酸性染
料、食用染料、塩基性染料、反応性染料等が挙げられ
る。好ましいものとしては、C.I. ダイレクトレッド2、
4、9、23、26、31、39、62、63、72、75、76、79、80、
81、83、84、89、92、95、111、173、184、207、211、2
12、214、218、21、223、224、225、226、227、232、23
3、240、241、242、243、247、C.I. ダイレクトバイオ
レット7、9、47、48、51、66、90、93、94、95、98、
100、101、C.I. ダイレクトイエロー8、9、11、12、2
7、28、29、33、35、39、41、44、50、53、58、59、6
8、86、87、93、95、96、98、100、106、108、109、11
0、130、132、142、144、161、163、C.I. ダイレクトブ
ルー1、10、15、22、25、55、67、68、71、76、77、7
8、80、84、86、87、90、98、106、108、109、151、15
6、158、159、160、168、189、192、193、194、199、20
0、201、202、203、207、211、213、214、218、225、22
9、236、237、244、248、249、251、252、264、270、28
0、288、289、291、C.I. ダイレクトブラック9、17、1
9、22、32、51、56、62、69、77、80、91、94、97、10
8、112、113、114、117、118、121、122、125、132、14
6、154、166、168、173、199、C.I. アシッドレッド3
5、42、52、57、62、80、82、111、114、118、119、12
7、128、131、143、151、154、158、249、254、257、26
1、263、266、289、299、301、305、336、337、361、39
6、397、C.I. アシッドバイオレット5、34、43、47、4
8、90、103、126、C.I. アシッドイエロー17、19、23、
25、39、40、42、44、49、50、61、64、76、79、110、1
27、135、143、151、159、169、174、190、195、196、1
97、199、218、219、222、227、C.I. アシッドブルー
9、25、40、41、62、72、76、78、80、82、92、106、11
2、113、120、127:1、129、138、143、175、181、20
5、207、220、221、230、232、247、258、260、264、27
1、277、278、279、280、288、290、326、C.I. アシッ
ドブラック7、24、29、48、52:1、172、C.I. リアク
ティブレッド3、13、17、19、21、22、23、24、29、3
5、37、40、41、43、45、49、55、C.I. リアクティブバ
イオレット1、3、4、5、6、7、8、9、16、17、22、23、
24、26、27、33、34、C.I. リアクティブイエロー2、
3、13、14、15、17、18、23、24、25、26、27、29、3
5、37、41、42、C.I. リアクティブブルー2、3、5、8、
10、13、14、15、17、18、19、21、25、26、27、28、2
9、38、C.I. リアクティブブラック4、5、8、14、21、2
3、26、31、32、34、C.I. ベーシックレッド12、13、1
4、15、18、22、23、24、25、27、29、35、36、38、3
9、45、46、C.I. ベーシックバイオレット1、2、3、7、
10、15、16、20、21、25、27、28、35、37、39、40、4
8、C.I. ベーシックイエロー1、2、4、11、13、14、1
5、19、21、23、24、25、28、29、32、36、39、40、C.
I. ベーシックブルー1、3、5、7、9、22、26、41、45、
46、47、54、57、60、62、65、66、69、71、C.I. ベー
シックブラック8、等が挙げられる。
【0096】本発明で使用するフタロシアニン染料を含
む色素は実質的に水溶性又は水分散性のものである。具
体的には20℃における色素の水への溶解度は2質量%
以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上である。
また、本発明で使用yするフタロシアニン染料は、20
℃における色素の水への溶解度が2質量%以上であるも
のが好ましい。
【0097】本発明に用いられる顔料としては、市販の
ものの他、各種文献に記載されている公知のものが利用
できる。文献に関してはカラーインデックス(The Socie
ty of Dyers and Colourists編)、「改訂新版顔料便
覧」日本顔料技術協会編(1989年刊)、「最新顔料応用技
術」CMC出版(1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版(1
984年刊)、W. Herbst, K. Hunger共著によるIndustrial
Organic Pigments (VCHVerlagsgesellschaft、1993年
刊)等がある。具体的には、有機顔料ではアゾ顔料(ア
ゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレー
トアゾ顔料)、多環式顔料(フタロシアニン系顔料、ア
ントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、イ
ンジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔
料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ジ
ケトピロロピロール系顔料等)、染付けレーキ顔料(酸
性または塩基性染料のレーキ顔料)、アジン顔料等があ
り、無機顔料では、黄色顔料のC. I. Pigment Yellow 3
4, 37, 42, 53など、赤系顔料のC. I. Pigment Red 10
1, 108など、青系顔料のC. I. Pigment Blue 27, 29,1
7:1など、黒系顔料のC. I. Pigment Black 7,マグネタ
イトなど、白系顔料のC.I. Pigment White 4,6,18,21な
どを挙げることができる。
【0098】画像形成用に好ましい色調を持つ顔料とし
ては、青ないしシアン顔料ではフタロシアニン顔料、ア
ントラキノン系のインダントロン顔料(たとえばC. I.
Pigment Blue 60など)、染め付けレーキ顔料系のトリ
アリールカルボニウム顔料が好ましく、特にフタロシア
ニン顔料(好ましい例としては、C. I. Pigment Blue1
5:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6などの銅フタロシ
アニン、モノクロロないし低塩素化銅フタロシアニン、
アルニウムフタロシアニンでは欧州特許860475号に記載
の顔料、C. I. Pigment Blue 16である無金属フタロシ
アニン、中心金属がZn、Ni、Tiであるフタロシアニンな
ど、中でも好ましいものはC. I. Pigment Blue 15:3、同
15:4、アルミニウムフタロシアニン)が最も好ましい。
【0099】赤ないし紫色の顔料では、アゾ顔料(好ま
しい例としては、C. I. Pigment Red 3、同5、同11、
同22、同38、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同49:
1、同52:1、同53:1、同57:1、同63:2、同144、同146、
同184)など、中でも好ましいものはC. I. Pigment Red
57:1、同146、同184)、キナクリドン系顔料(好まし
い例としてはC. I. Pigment Red 122、同192、同202、
同207、同209、C. I. Pigment Violet 19、同42、なか
でも好ましいものはC. I. Pigment Red 122)、染め付
けレーキ顔料系のトリアリールカルボニウム顔料(好ま
しい例としてはキサンテン系のC. I. Pigment Red 81:
1、C. I. Pigment Violet 1、同2、同3、同27、同3
9)、ジオキサジン系顔料(例えばC. I. Pigment Viole
t 23、同37)、ジケトピロロピロール系顔料(例えばC.
I. Pigment Red 254)、ペリレン顔料(例えばC. I. P
igment Violet 29)、アントラキノン系顔料(例えばC.
I. Pigment Violet 5:1、同31、同33)、チオインジゴ
系(例えばC. I. Pigment Red 38、同88)が好ましく用
いられる。
【0100】黄色顔料としては、アゾ顔料(好ましい例
としてはモノアゾ顔料系のC. I. Pigment Yellow 1, 3,
74, 98、ジスアゾ顔料系のC. I. Pigment Yellow 12,
13,14, 16, 17, 83、総合アゾ系のC. I. Pigment Yello
w 93, 94, 95, 128, 155、ベンズイミダゾロン系のC.
I. Pigment Yellow 120, 151, 154, 156, 180など、な
かでも好ましいものはベンジジン系化合物を原料に使用
しなもの)、イソインドリン・イソインドリノン系顔料
(好ましい例としてはC. I. Pigment Yellow 109, 110,
137, 139など)、キノフタロン顔料(好ましい例とし
てはC. I. Pigment Yellow 138など)、フラパントロン
顔料(例えばC. I. Pigment Yellow 24など)が好まし
く用いられる。
【0101】黒顔料としては、無機顔料(好ましくは例
としてはカーボンブラック、マグネタイト)やアニリン
ブラックを好ましいものとして挙げることができる。こ
の他、オレンジ顔料(C. I. Pigment Orange 13, 16な
ど)や緑顔料(C. I.Pigment Green 7など)を使用して
もよい。
【0102】本技術に使用できる顔料は、上述の裸の顔
料であっても良いし、表面処理を施された顔料でも良
い。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コート
する方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質
(例えば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポ
リイソシアネート、ジアゾニウム塩から生じるラジカル
など)を顔料表面に結合させる方法などが考えられ、次
の文献や特許に記載されている。 金属石鹸の性質と応用(幸書房) 印刷インキ印刷(CMC出版 1984) 最新顔料応用技術(CMC出版 1986) 米国特許5,554,739号、同5,571,311号 特開平9-151342号、同10-140065号、同10-292143
号、同11-166145号 特に、上記の米国特許に記載されたジアゾニウム塩を
カーボンブラックに作用させて調製された自己分散性顔
料や、上記の日本特許に記載された方法で調製された
カプセル化顔料は、インク中に余分な分散剤を使用する
ことなく分散安定性が得られるため特に有効である。
【0103】本発明においては、顔料はさらに分散剤を
用いて分散されていてもよい。分散剤は、用いる顔料に
合わせて公知の種々のもの、例えば界面活性剤型の低分
子分散剤や高分子型分散剤を用いることが出来る。分散
剤の例としては特開平3-69949号、欧州特許549486号等
に記載のものを挙げることができる。また、分散剤を使
用する際に分散剤の顔料への吸着を促進するためにシナ
ジストと呼ばれる顔料誘導体を添加してもよい。本技術
に使用できる顔料の粒径は、分散後で0.01〜10μ
の範囲であることが好ましく、0.05〜1μであるこ
とが更に好ましい。顔料を分散する方法としては、イン
ク製造やトナー製造時に用いられる公知の分散技術が使
用できる。分散機としては、縦型あるいは横型のアジテ
ーターミル、アトライター、コロイドミル、ボールミ
ル、3本ロールミル、パールミル、スーパーミル、イン
ペラー、デスパーサー、KDミル、ダイナトロン、加圧
ニーダー等が挙げられる。詳細は「最新顔料応用技術」
(CMC出版、1986)に記載がある。
【0104】本発明のインク組成物は、上記一般式
(I)で表される染料を含有すると共に、インク組成物
中の固形分濃度がインク総量に対して0.50質量%以
上20質量%以下であるという特徴を有する。ここで、
固形分濃度とは、以下の式で求められる値を指す。
【0105】固形分濃度(質量%)=100×(インク
1000ml中の固形分質量)/1000ml
【0106】ここでいう固形分とは、インクを調液する
際に使用する原材料の中で、常温(15℃〜30℃)、
大気圧条件下において固体状態で存在する物質の総量を
表す。このような原材料としては先に挙げた染料の他
に、防腐剤、界面活性剤、浸透助剤、分散用可塑剤、高
分子添加剤等、種々の添加剤の中で、固体状態のものを
挙げることができる。
【0107】これらの固体状態の原材料を、水をはじめ
とする溶媒に溶解して、一般式(I)で表される染料を
含有するインク組成物を調液する際、本発明のインク組
成物においては固形分濃度で0.50質量%以上20質
量%以下となるようにする。固形分濃度として好ましく
は0.80質量%以上15質量%以下、さらに好ましく
は1質量%以上10質量%以下である。これにより、イ
ンク物性をコントロールし、流動性を改良することがで
きる。
【0108】一方、本発明のインク組成物は、上記一般
式(I)で表される染料を含有すると共に、インク組成
物1cm3中に存在する粒子の総体積が3.5×10-6
cm3以下であるという特徴を有する。これはインク調
液を行った際に、不溶性成分として存在するインク中の
固形分のことを表す。これはインク組成物に用いる染料
や固形の添加物、溶媒などに含まれるゴミや、調液時に
環境から混入してくるゴミが主たる固形分となる。これ
らの固形分総体積をこれらの固形分の、インク組成物1
cm3中に存在する総体積を3.5×10-6cm3以下と
することにより、目詰まりのコントロールが可能であ
る。粒子総体積を3.5×10-6cm3/cm3とするた
めには、クラス1000以下のクリーンルームやクリー
ンベンチを使用して調液作業を行ったり、インク組成物
をポアサイズの微小な濾過フィルターで濾過したりする
ことにより行うことができる。濾過フィルターを使用す
る場合、そのポアサイズとしては10μm以下が好まし
く、より好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.5μ
m以下である。
【0109】インク組成物中に存在する粒子の総体積を
測定するには、特許登録第3027982号記載のコールター
カウンター法を使用することができる。本発明において
は、インク組成物1cm3中に存在する粒子の総体積が
3.5×10-6cm3以下、好ましくは3.5×10-7
cm3以下である。
【0110】本発明のインク組成物は、特に、一般式
(I)で表される染料を含有すると共に、インク組成物
中の固形分濃度がインク総量に対して0.5質量%以上
20質量%以下であり、且つインク組成物1cm3中に
存在する粒子の総体積が3.5×10-6cm3以下であ
ることが好ましい。
【0111】次に、本発明のインクジェット記録用イン
ク組成物が含有し得る他の成分について説明する。本発
明のインクジェット記録用インク組成物には、界面活性
剤を含有させることが好ましく、これにより、インクの
液物性を調整することで、インクの吐出安定性を向上さ
せ、画像の耐水性の向上や印字したインクの滲みの防止
などに優れた効果を持たせることができる。界面活性剤
としては、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルオ
キシスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン
酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、セチルピリジ
ニウムクロライド、トリメチルセチルアンモイニウムク
ロライド、テロラブチルアンモニウムクロライド等のカ
チオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のノニ
オン性界面活性剤などが挙げられる。中でも特にノニオ
ン系界面活性剤が好ましく使用される。
【0112】界面活性剤の含有量はインクに対して0.
001〜15質量%、好ましくは0.005〜10質量
%、更に好ましくは0.01〜5質量である。
【0113】本発明のインクジェット記録用インクは、
水性媒体中に前記のフタロシアニン染料と界面活性剤を
溶解および/または分散させることによって作製するこ
とができる。本発明における「水性媒体」とは、水又は
水と少量の水混和性有機溶剤との混合物に、必要に応じ
て湿潤剤、安定剤、防腐剤等の添加剤を添加したものを
意味する。
【0114】本発明において用いることができる水混和
性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−
ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキ
サノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類
(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキ
サンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサ
ントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体
(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、トリエチレングルコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、
エチレングルコールモノメチルエーテルアセテート、ト
リエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、
N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノー
ルアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレ
ンジアミンン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレ
ンジアミン)およびその他の極性溶媒(例えば、ホルム
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラ
ン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N
−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリ
ル、アセトン)が挙げられる。尚、前記水混和性有機溶
剤は、2種類以上を併用してもよい。
【0115】前記フタロシアニン染料が油溶性染料の場
合は、該油溶性染料を高沸点有機溶媒中に溶解させ、水
性媒体中に乳化分散させることによって調製することが
できる。本発明に用いられる高沸点有機溶媒の沸点は1
50℃以上であるが、好ましくは170℃以上である。
例えば、フタール酸エステル類(例えば、ジブチルフタ
レート、ジオクチルフタレート、ジシクロへキシルフタ
レート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、デシルフ
タレート、ビス(2,4−ジ−tert−アミルフェニ
ル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプロピ
ル)フタレート)、リン酸又はホスホンのエステル類
(例えば、ジフェニルホスフェート、トリフェニルホス
フェート、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキ
シルジフェニルホスフェート、ジオクチルブチルホスフ
ェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ−2−
エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホスフェー
ト、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホスフェート)、
安息香酸エステル酸(例えば、2−エチルヘキシルベン
ゾエート、2,4−ジクロロベンゾエート、ドデシルベ
ンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベン
ゾエート)、アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデ
カンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド)、アル
コール類またはフェノール類(イソステアリルアルコー
ル、2,4−ジ−tert−アミルフェノールなど)、
脂肪族エステル類(例えば、コハク酸ジブトキシエチ
ル、コハク酸ジ−2−エチルヘキシル、テトラデカン酸
2−ヘキシルデシル、クエン酸トリブチル、ジエチルア
ゼレート、イソステアリルラクテート、トリオクチルシ
トレート)、アニリン誘導体(N,N−ジブチル−2−
ブトキシ−5−tert−オクチルアニリンなど)、塩
素化パラフィン類(塩素含有量10%〜80%のパラフ
ィン類)、トリメシン酸エステル類(例えば、トリメシ
ン酸トリブチル)、ドデシルベンゼン、ジイソプロピル
ナフタレン、フェノール類(例えば、2,4−ジ−te
rt−アミルフェノール、4−ドデシルオキシフェノー
ル、4−ドデシルオキシカルボニルフェノール、4−
(4−ドデシルオキシフェニルスルホニル)フェノー
ル)、カルボン酸類(例えば、2−(2,4−ジ−te
rt−アミルフェノキシ酪酸、2−エトキシオクタンデ
カン酸)、アルキルリン酸類(例えば、ジ−2(エチル
ヘキシル)リン酸、ジフェニルリン酸)などが挙げられ
る。高沸点有機溶媒は油溶性染料に対して質量比で0.
01〜3倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用
できる。これらの高沸点有機溶媒は単独で使用しても、
数種の混合〔例えばトリクレジルホスフェートとジブチ
ルフタレート、トリオクチルホスフェートとジ(2−エ
チルヘキシル)セバケート、ジブチルフタレートとポリ
(N−t−ブチルアクリルアミド)〕で使用してもよ
い。
【0116】本発明において用いられる高沸点有機溶媒
の前記以外の化合物例及び/またはこれら高沸点有機溶
媒の合成方法は例えば米国特許第2,322,027号、同第2,5
33,514号、同第2,772,163号、同第2,835,579号、同第3,
594,171号、同第3,676,137号、同第3,689,271号、同第
3,700,454号、同第3,748,141号、同第3,764,336号、同
第3,765,897号、同第3,912,515号、同第3,936,303号、
同第4,004,928号、同第4,080,209号、同第4,127,413
号、同第4,193,802号、同第4,207,393号、同第4,220,71
1号、同第4,239,851号、同第4,278,757号、同第4,353,9
79号、同第4,363,873号、同第4,430,421号、同第4,430,
422号、同第4,464,464号、同第4,483,918号、同第4,54
0,657号、同第4,684,606号、同第4,728,599号、同第4,7
45,049号、同第4,935,321号、同第5,013,639号、欧州特
許第276,319A号、同第286,253A号、同第289,820A号、同
第309,158A号、同第309,159A号、同第309,160A号、同第
509,311A号、同第510,576A号、東独特許第147,009号、
同第157,147号、同第159,573号、同第225,240A号、英国
特許第2,091,124A号、特開昭48-47335号、同50-26530
号、同51-25133号、同51-26036号、同51-27921号、同51
-27922号、同51-149028号、同52-46816号、同53-1520
号、同53-1521号、同53-15127号、同53-146622号、同54
-91325号、同54-106228号、同54-118246号、同55-59464
号、同56-64333号、同56-81836号、同59-204041号、同6
1-84641号、同62-118345号、同62-247364号、同63-1673
57号、同63-214744号、同63-301941号、同64-9452号、
同64-9454号、同64-68745号、特開平1-101543号、同1-1
02454号、同2-792号、同2-4239号、同2-43541号、同4-2
9237号、同4-30165 号、同4-232946号、同4-346338号等
に記載されている。上記高沸点有機溶媒は、油溶性染料
に対し、質量比で0.01〜3.0倍量、好ましくは
0.01〜1.0倍量で使用する。
【0117】本発明では油溶性性染料や高沸点有機溶媒
は、水性媒体中に乳化分散して用いられる。乳化分散の
際、乳化性の観点から場合によっては低沸点有機溶媒を
用いることができる。低沸点有機溶媒としては、常圧で
沸点約30℃以上150℃以下の有機溶媒である。例え
ばエステル類(例えばエチルアセテート、ブチルアセテ
ート、エチルプロピオネート、β−エトキシエチルアセ
テート、メチルセロソルブアセテート)、アルコール類
(例えばイソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、セカンダリーブチルアルコール)、ケトン類(例え
ばメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン)、アミド類(例えばジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン)、エーテル類(例えばテト
ラヒドロフラン、ジオキサン)等が好ましく用いられる
が、これに限定されるものではない。
【0118】乳化分散は、高沸点有機溶媒と場合によっ
ては低沸点有機溶媒の混合溶媒に染料を溶かした油相
を、水を主体とした水相中に分散し、油相の微小油滴を
作るために行われる。この際、水相、油相のいずれか又
は両方に、後述する界面活性剤、湿潤剤、染料安定化
剤、乳化安定剤、防腐剤、防黴剤等の添加剤を必要に応
じて添加することができる。乳化法としては水相中に油
相を添加する方法が一般的であるが、油相中に水相を滴
下して行く、いわゆる転相乳化法も好ましく用いること
ができる。
【0119】乳化分散する際には、種々の界面活性剤を
用いることができる。例えば脂肪酸塩、アルキル硫酸エ
ステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナ
フタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、
アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホル
マリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステ
ル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリル
エーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グ
リセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピ
レンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好
ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシ
ド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirPro
ducts&Chemicals社)も好ましく用いら
れる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオ
キシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も
好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(3
7)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.30
8119(1989年)記載の界面活性剤として挙げた
ものも使うことができる。
【0120】また、乳化直後の安定化を図る目的で、上
記界面活性剤と併用して水溶性ポリマーを添加すること
もできる。水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドやこれらの共
重合体が好ましく用いられる。また多糖類、カゼイン、
ゼラチン等の天然水溶性ポリマーを用いるのも好まし
い。さらに染料分散物の安定化のためには実質的に水性
媒体中に溶解しないアクリル酸エステル類、メタクリル
酸エステル類、ビニルエステル類、アクリルアミド類、
メタクリルアミド類、オレフィン類、スチレン類、ビニ
ルエーテル類、アクリロニトリル類の重合により得られ
るポリビニルやポリウレタン、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリウレア、ポリカーボネート等も併用することが
できる。これらのポリマーは−SO2-、−COO-を含
有していること好ましい。これらの実質的に水性媒体中
に溶解しないポリマーを併用する場合、高沸点有機溶媒
の20質量%以下用いられることが好ましく、10質量
%以下で用いられることがより好ましい。
【0121】乳化分散により油溶性性染料や高沸点有機
溶媒を分散させて水性インクとする場合、特に重要なの
はその粒子サイズのコントーロールである。インクジェ
ットにより画像を形成した際の、色純度や濃度を高める
には平均粒子サイズを小さくすることが必須である。体
積平均粒子サイズで好ましくは1μm以下、より好まし
くは5〜100nmである。前記分散粒子の体積平均粒
径および粒度分布の測定方法には静的光散乱法、動的光
散乱法、遠心沈降法のほか、実験化学講座第4版の41
7〜418ページに記載されている方法を用いるなど、
公知の方法で容易に測定することができる。例えば、イ
ンク中の粒子濃度が0.1〜1質量%になるように蒸留
水で希釈して、市販の体積平均粒子サイズ測定機(例え
ば、マイクロトラックUPA(日機装(株)製))で容
易に測定できる。更に、レーザードップラー効果を利用
した動的光散乱法は、小サイズまで粒径測定が可能であ
り特に好ましい。体積平均粒径とは粒子体積で重み付け
した平均粒径であり、粒子の集合において、個々の粒子
の直径にその粒子の体積を乗じたものの総和を粒子の総
体積で割ったものである。体積平均粒径については「高
分子ラテックスの化学」(室井宗一著 高分子刊行
会)」119ページに記載がある。
【0122】また、粗大粒子の存在も印刷性能に非常に
大きな役割を示すことが明らかになった。即ち、粗大粒
子がヘッドのノズルを詰まらせる、あるいは詰まらない
までも汚れを形成することによってインクの不吐出や吐
出のヨレを生じ、印刷性能に重大な影響を与えることが
分かった。これを防止するためには、インクにした時に
インク1μl中で5μm以上の粒子を10個以下、1μ
m以上の粒子を1000個以下に抑えることが重要であ
る。これらの粗大粒子を除去する方法としては、公知の
遠心分離法、精密濾過法等を用いることができる。これ
らの分離手段は乳化分散直後に行ってもよいし、乳化分
散物に湿潤剤や界面活性剤等の各種添加剤を加えた後、
インクカートリッジに充填する直前でもよい。平均粒子
サイズを小さくし、且つ粗大粒子を無くす有効な手段と
して、機械的な乳化装置を用いることができる。
【0123】乳化装置としては、簡単なスターラーやイ
ンペラー撹拌方式、インライン撹拌方式、コロイドミル
等のミル方式、超音波方式など公知の装置を用いること
ができるが、高圧ホモジナイザーの使用は特に好ましい
ものである。高圧ホモジナイザーは、US−45332
54号、特開平6−47264号等に詳細な機構が記載
されているが、市販の装置としては、ゴーリンホモジナ
イザー(A.P.V GAULIN INC.)、マイ
クロフルイダイザー(MICROFLUIDEX IN
C.)、アルティマイザー(株式会社スギノマシン)等
がある。また、近年になってUS−5720551号に
記載されているような、超高圧ジェット流内で微粒子化
する機構を備えた高圧ホモジナイザーは本発明の乳化分
散に特に有効である。この超高圧ジェット流を用いた乳
化装置の例として、DeBEE2000(BEE IN
TERNATIONAL LTD.)があげられる。
【0124】高圧乳化分散装置で乳化する際の圧力は5
0MPa以上であり、好ましくは60MPa以上、更に
好ましくは180MPa以上である。例えば、撹拌乳化
機で乳化した後、高圧ホモジナイザーを通す等の方法で
2種以上の乳化装置を併用するのは特に好ましい方法で
ある。また、一度これらの乳化装置で乳化分散した後、
湿潤剤や界面活性剤等の添加剤を添加した後、カートリ
ッジにインクを充填する間に再度高圧ホモジナイザーを
通過させる方法も好ましい方法である。高沸点有機溶媒
に加えて低沸点有機溶媒を含む場合、乳化物の安定性及
び安全衛生上の観点から低沸点溶媒を除去するのが好ま
しい。低沸点溶媒を除去する方法は溶媒の種類に応じて
各種の公知の方法を用いることができる。即ち、蒸発
法、真空蒸発法、限外濾過法等である。この低沸点有機
溶剤の除去工程は乳化直後、できるだけ速やかに行うの
が好ましい。
【0125】本発明で得られたインクジェット記録用イ
ンク組成物には、インクの噴射口での乾操による目詰ま
りを防止するための乾燥防止剤、インクを紙によりよく
浸透させるための浸透促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、分散剤、分散安定
剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤、キレート剤
等の添加剤を適宜選択して適量使用することができる。
【0126】本発明に使用される乾燥防止剤としては水
より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な
例としてはエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリ
オール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、ト
リメチロールプロパン等に代表される多価アルコール
類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エー
テル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)
エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブ
チル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エ
チルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルス
ルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセ
トンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合
物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリ
ン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好
ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いてもよいし
2種以上併用してもよい。これらの乾燥防止剤はインク
中に10〜50質量%含有することが好ましい。
【0127】本発明に使用される浸透促進剤としてはエ
タノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)
エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキ
サンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウ
ム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を
用いることができる。これらはインク中に10〜30質
量%含有すれば充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け
(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用す
るのが好ましい。
【0128】本発明で画像の保存性を向上させるために
使用される紫外線吸収剤としては特開昭58−1856
77号公報、同61−190537号公報、特開平2−
782号公報、同5−197075号公報、同9−34
057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合
物、特開昭46−2784号公報、特開平5−1944
83号公報、米国特許第3214463号等に記載され
たベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号
公報、同56−21141号公報、特開平10−881
06号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−
298503号公報、同8−53427号公報、同8−
239368号公報、同10−182621号公報、特
表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン
系化合物、リサーチディスクロージャーNo.2423
9号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサ
ゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発
する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができ
る。
【0129】本発明では、画像の保存性を向上させるた
めに使用される酸化防止剤としては、各種の有機系及び
金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機
の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフ
ェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール
類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、
アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯
体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具
体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643
の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同N
o.18716の650頁左欄、同No.36544の
527頁、同No.307105の872頁、同No.
15162に引用された特許に記載された化合物や特開
昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記
載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる
化合物を使用することができる。
【0130】本発明に使用される防黴剤としてはデヒド
ロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピ
リジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸
エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−
オンおよびその塩等が挙げられる。これらはインク中に
0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。尚、
これらの詳細については「防菌防黴剤事典」(日本防菌
防黴学会事典編集委員会編)等に記載されている。ま
た、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸
ナトリウム、チオグリコール酸アンモン、ジイソプロピ
ルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトー
ル、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾ
トリアゾール等が挙げられる。これらは、インク中に
0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
【0131】本発明に使用されるpH調整剤は、pH調
節、分散安定性付与などの点で好適に使用する事がで
き、25℃でのインクのpHが8〜11に調整されてい
ることが好ましい。pHが8未満である場合は染料の溶
解性が低下してノズルが詰まりやすく、11を超えると
耐水性が劣化する傾向がある。pH調整剤としては、塩
基性のものとして有機塩基、無機アルカリ等が、酸性の
ものとして有機酸、無機酸等が挙げられる。前記有機塩
基としては、トリエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノー
ルアミン等が挙げられる。前記無機アルカリとしては、
アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、
水酸化リチウム、水酸化カリウム等)、炭酸塩(例え
ば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等)、アンモ
ニウム等が挙げられる。また、前記有機酸としては、酢
酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、アルキルスルホ
ン酸等が挙げられる。前記無機酸としては、塩酸、硫
酸、リン酸等が挙げられる。
【0132】本発明では前記した界面活性剤とは別に表
面張力調整剤として、ノニオン、カチオンあるいはアニ
オン界面活性剤が挙げられる。例えばアニオン系界面活
性剤としては脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホ
ン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸
エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、
ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げる
ことができ、ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル
アミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオ
キシプロピレンブロックコポリマー等を挙げることがで
きる。アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活
性剤であるSURFYNOLS(AirProduct
s&Chemicals社)も好ましく用いられる。ま
た、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドの
ようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好まし
い。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(3
8)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.30811
9(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも
使うことができる。本発明のインクの表面張力は、これ
らを使用してあるいは使用しないで20〜60mN/m
が好ましい。さらに25〜45mN/mが好ましい。
【0133】本発明に用いられるインクの粘度は30m
Pa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調
整することがより好ましいので、粘度を調製する目的
で、粘度調整剤が使用されることがある。粘度調整剤と
しては、例えば、セルロース類、ポリビニルアルコール
などの水溶性ポリマーやノニオン系界面活性剤等が挙げ
られる。更に詳しくは、「粘度調製技術」(技術情報協
会、1999年)第9章、及び「インクジェットプリンタ用
ケミカルズ(98増補)−材料の開発動向・展望調査−」
(シーエムシー、1997年)162〜174頁に記載されてい
る。
【0134】また本発明では分散剤、分散安定剤として
上述のカチオン、アニオン、ノニオン系の各種界面活性
剤、消泡剤としてフッソ系、シリコーン系化合物やED
TAに代表されるれるキレート剤等も必要に応じて使用
することができる。
【0135】本発明のインク液を調液する際には、水溶
性インクの場合、まず水に溶解することが好ましい。そ
のあと、各種溶剤や添加物を添加し、溶解、混合して均
一なインク液とする。このときの溶解方法としては、攪
拌による溶解、超音波照射による溶解、振とうによる溶
解等種々の方法が使用可能である。中でも特に攪拌法が
好ましく使用される。攪拌を行う場合、当該分野では公
知の流動攪拌や反転アジターやディゾルバを利用した剪
断力を利用した攪拌など、種々の方式が利用可能であ
る。一方では、磁気攪拌子のように、容器底面との剪断
力を利用した攪拌法も好ましく利用できる。
【0136】本発明の画像記録方法に用いられる記録紙
及び記録フィルムについて説明する。記録紙及び記録フ
ィルムおける支持体はLBKP、NBKP等の化学パル
プ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CM
P、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等を
からなり、必要に応じて従来の公知の顔料、バインダ
ー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添
加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で
製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の
他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであ
ってもよく、支持体の厚み10〜250μm、坪量は1
0〜250g/m2が望ましい。支持体にそのまま受像
層及びバックコート層を設けて受像材料としてもよい
し、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレス
やアンカーコート層を設けた後、受像層及びバックコー
ト層を設けて受像材料としてもよい。さらに支持体に
は、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレン
ダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよ
い。本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン
(例、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブテンおよびそれらのコポリマー)や
ポリエチレンテレフタレートでラミネートした紙および
プラスチックフイルムがより好ましく用いられる。ポリ
オレフィンポリオレフィン中に、白色顔料(例、酸化チ
タン、酸化亜鉛)または色味付け染料(例、コバルトブ
ルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好まし
い。
【0137】支持体上に設けられる受像層には、多孔質
材料や水性バインダーが含有される。また、受像層には
顔料を含むのが好ましく、顔料としては、白色顔料が好
ましい。白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸
アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水
酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、
硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜
鉛、炭酸亜鉛等の無機白色顔料、スチレン系ピグメン
ト、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等
の有機顔料等が挙げられる。特に好ましくは、多孔性の
白色無機顔料がよく、特に細孔面積が大きい合成非晶質
シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造
法(気相法)によって得られる無水珪酸及び湿式製造法
によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能である
が、特に含水珪酸を使用することが望ましい。これらの
顔料は2種以上を併用してもよい。
【0138】上記顔料を受像層に含有する記録紙として
は、具体的には、特開平10−81064号、同10−
119423、同10−157277、同10−217
601、同11−348409、特開2001−138
621、同2000−43401、同2000−211
235、同2000−309157、同2001−96
897、同2001−138627、特開平11−91
242、同8−2087、同8−2090、同8−20
91、同8−2093、同8−174992、同11−
192777、特開2001−301314などに開示
されたものを用いることができる。
【0139】受像層に含有される水性バインダーとして
は、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニル
アルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイ
ン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアル
キレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等
の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アク
リルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。
これらの水性バインダーは単独または2種以上併用して
用いることができる。本発明においては、これらの中で
も特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニ
ルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐
剥離性の点で好適である。
【0140】受像層は、顔料及び水性バインダーの他に
媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、耐ガス性向上剤、界
面活性剤、硬膜剤その他の添加剤を含有することができ
る。
【0141】受像層中に添加する媒染剤は、不動化され
ていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤
が好ましく用いられる。ポリマー媒染剤については、特
開昭48−28325号、同54−74430号、同5
4−124726号、同55−22766号、同55−
142339号、同60−23850号、同60−23
851号、同60−23852号、同60−23853
号、同60−57836号、同60−60643号、同
60−118834号、同60−122940号、同6
0−122941号、同60−122942号、同60
−235134号、特開平1−161236号の各公
報、米国特許2484430号、同2548564号、
同3148061号、同3309690号、同4115
124号、同4124386号、同4193800号、
同4273853号、同4282305号、同4450
224号の各明細書に記載がある。特開平1−1612
36号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤
を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリ
マー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、か
つ画像の耐光性が改善される。
【0142】耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、
これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望まし
い。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリ
アミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリ
アミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロラ
イド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダル
シリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特に
ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適であ
る。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の
全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜
10質量%であることが好ましい。
【0143】耐光性向上剤、耐ガス性向上剤としては、
フェノール化合物、ヒンダードフェノール化合物、チオ
エーテル化合物、チオ尿素化合物、チオシアン酸化合
物、アミン化合物、ヒンダードアミン化合物、TEMP
O化合物、ヒドラジン化合物、ヒドラジド化合物、アミ
ジン化合物、ビニル基含有化合物、エステル化合物、ア
ミド化合物、エーテル化合物、アルコール化合物、スル
フィン酸化合物、糖類、水溶性還元性化合物、有機酸、
無機酸、ヒドロキシ基含有有機酸、ベンゾトリアゾール
化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物、へ
テロ環化合物、水溶性金属塩、有機金属化合物、金属錯
体等があげられる。これらの具体的な化合物例として
は、特開平10-182621号、特開2001-260
519号、特開2000-260519号、特公平4‐
34953号、特公平4-34513号、特公平4-34
512号、特開平11-170686号、特開昭60-6
7190号、特開平7-276808号、特開2000-
94829号、特表平8-512258号、特開平11-
321090号等に記載のものがあげられる。
【0144】界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、
スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界
面活性剤については、特開昭62−173463号、同
62−183457号の各公報に記載がある。界面活性
剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機
フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機
フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル
状フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素
化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。
有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053
号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同6
2−135826号の各公報に記載がある。
【0145】硬膜剤としては特開平1−161236号
公報の222頁、特開平9-263036号、特開平1
0-119423号、特開2001-310547号に記
載されている材料等を用いることが出来る。
【0146】その他の受像層に添加される添加剤として
は、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、
防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられ
る。尚、インク受容層は1層でも2層でもよい。
【0147】記録紙及び記録フィルムには、バックコー
ト層を設けることもでき、この層に添加可能な成分とし
ては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げ
られる。バックコート層に含有される白色顔料として
は、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サ
チンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシ
ウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダ
ルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化
アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水
ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム
等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメン
ト、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレ
ン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有
機顔料等が挙げられる。
【0148】バックコート層に含有される水性バインダ
ーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレ
ン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シ
ラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオ
ン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニル
ピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテ
ックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が
挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分
としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐
剤、耐水化剤等が挙げられる。
【0149】インクジェット記録紙及び記録フィルムの
構成層(バック層を含む)には、ポリマー微粒子分散物
を添加してもよい。ポリマー微粒子分散物は、寸度安定
化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような
膜物性改良の目的で使用される。ポリマー微粒子分散物
については、特開昭62−245258号、同62−1
316648号、同62−110066号の各公報に記
載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリ
マー微粒子分散物を媒染剤を含む層に添加すると、層の
ひび割れやカールを防止することができる。また、ガラ
ス転移温度が高いポリマー微粒子分散物をバック層に添
加しても、カールを防止できる。
【0150】本発明では、インクジェットの記録方式に
制限はなく、公知の方式例えば静電誘引力を利用してイ
ンクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力
を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方
式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放
射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット
方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力
を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット
(登録商標))方式等に用いられる。インクジェット記
録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを
小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃
度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や
無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
【0151】本発明のインクジェット記録用インクは、
インクジェット記録以外の用途に使用することもでき
る。例えば、ディスプレイ画像用材料、室内装飾材料の
画像形成材料および屋外装飾材料の画像形成材料などに
使用が可能である。
【0152】ディスプレイ画像用材料としては、ポスタ
ー、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、商業宣伝用チ
ラシ、包装紙、ラッピング材料、紙袋、ビニール袋、パ
ッケージ材料、看板、交通機関(自動車、バス、電車な
ど)の側面に描画や添付した画像、ロゴ入りの洋服、等
各種の物を指す。本発明の染料をディスプレイ画像の形
成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象
的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が
認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
【0153】室内装飾材料としては、壁紙、装飾小物
(置物や人形など)、照明器具の部材、家具の部材、床
や天井のデザイン部材等各種の物を指す。本発明の染料
を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の
他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンな
ど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含
む。
【0154】屋外装飾材料としては、壁材、ルーフィン
グ材、看板、ガーデニング材料屋外装飾小物(置物や人
形など)、屋外照明器具の部材等各種の物を指す。本発
明の染料を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義
の画像ののみならず、抽象的なデザイン、文字、幾何学
的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパター
ンをすべて含む。
【0155】以上のような用途において、パターンが形
成されるメディアとしては、紙、繊維、布(不織布も含
む)、プラスチック、金属、セラミックス等種々の物を
挙げることができる。染色形態としては、媒染、捺染、
もしくは反応性基を導入した反応性染料の形で色素を固
定化することもできる。この中で、好ましくは媒染形態
で染色されることが好ましい。
【0156】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
【0157】実施例1 下記の成分に脱イオン水を加え1リッターとした後、3
0〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平
均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過して
ライトシアン用インク液(LC-101)を調製した。
【0158】 〔ライトシアンインク(LC-101)処方〕 (固形分) 本発明のシアン色素(154) 17.5g/l 尿素 37g/l ベンゾトリアゾール 0.08g/l PROXEL XL2、 3.5g/l
【0159】 (液体成分) ジエチレングリコール(DEG) 150g/l グリセリン(GR) 130g/l トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 130g/l トリエタノールアミン(TEA) 6.9g/l サーフィノールSTG(SW) 10g/l
【0160】インク液(LC-101)の固形分濃度は、5.
8質量%である。これに対して、下表−Aのようにイン
ク液(LC-101)を希釈したインク(LC-102)〜(LC-107)を
それぞれ調製した。
【0161】
【表12】
【0162】さらに上記処方でシアン色素(154)を6
8gに増量したシアン用インク液 (C-101)を調製し
た。
【0163】 〔シアンインク(C-101)処方〕 (固形分) 本発明のシアン色素(154) 68g/l 尿素 37g/l ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l PROXEL XL2、 3.5g/l
【0164】 (液体成分) ジエチレングリコール(DEG) 150g/l グリセリン(GR) 130g/l トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 130g/l トリエタノールアミン(TEA) 6.9g/l サーフィノールSTG(SW) 10g/l
【0165】インク液(C-101)に対して、インク処方
を変更したシアンインク(C-102)〜(C-106)を下表−
Bの処方で調製した。
【0166】
【表13】
【0167】このとき、濾過前後のインクを、コールタ
ーカウンターTA-IIを用いてアパーチャー径を10μmと
して、特許登録第3027982号第5ページ記載と同様の方
法でインク組成物中に存在する粒子個数を測定した。濾
過前後のインク1cm3あたりの粒子体積(×10-7
3)は表−Cに示す通りであった。
【0168】
【表14】
【0169】これらのインクをEPSON社製インクジェッ
トプリンターPM-950Cのシアンインク・ライトシアンイ
ンクのカートリッジに装填し、その他の色のインクはPM
-950Cのインクを用いて、シアンの単色画像を印字させ
た。受像シートは富士写真フイルム(株)製インクジェ
ットペーパーフォト光沢紙EXに画像を印刷し、画像堅
牢性の評価を行った。各水準でインク濃度が異なるた
め、各実験水準で印字濃度を調節して画像評価を行っ
た。
【0170】
【表15】
【0171】これらのインクを用いて、下記の評価を行
った。 (評価実験) 1)吐出安定性については、カートリッジをプリンター
にセットし全ノズルからのインクの突出を確認した後、
A4を20枚出力し、以下の基準で評価した。 A:印刷開始から終了まで印字の乱れ無し B:印字の乱れのある出力が発生する C:印刷開始から終了まで印字の乱れあり D:印刷途中で不吐出が認められた
【0172】2)細線の滲みについては、イエロー、
マゼンタ、シアン及びブラックの細線パターンを印字し
目視にて評価を行った。 ○:問題ないレベル、△:やや悪いレベル、×:問題レ
ベル
【0173】細線の滲みについては、ブラックについ
てはシアンインクをベタに印字した後、ブラックの細線
を印字し、2色の接触による滲みの評価を行った。 ○:問題ないレベル、△:やや悪いレベル、×:問題レ
ベル
【0174】3)耐水性については、得られた画像を1
0秒間脱イオン水に浸漬した後、画像の滲みを評価し
た。 ○:問題ないレベル、△:やや悪いレベル、×:問題レ
ベル
【0175】4)画像保存性については、シアンのベタ
画像印字サンプルを作成し、以下の評価を行った。 光堅牢性については、印字直後の画像濃度CiをX-ri
te 310にて測定した後、アトラス社製ウェザーメータ
ーを用い画像にキセノン光(8万5千ルックス)を10
日照射した後、再び画像濃度Cfを測定し染料残存率C
f/Ci*100を求め評価を行った。染料残像率につ
いて反射濃度が1、1.5及び2の3点にて評価し、い
ずれの濃度でも染料残存率が70%以上の場合をA、2
点が70%未満の場合をB、全ての濃度で70%未満の
場合をCとした。
【0176】熱堅牢性については、80℃15%RH
の条件下に10日間、試料を保存する前後での濃度を、
X-rite 310にて測定し染料残存率を求め評価した。染
料残像率について反射濃度が1、1.5及び2の3点に
て評価し、いずれの濃度でも染料残存率が90%以上の
場合をA、2点が90%未満の場合をB、全ての濃度で
90%未満の場合をCとした。
【0177】オゾン耐性については、前記画像を形成
したフォト光沢紙を、オゾンガス濃度が0.5ppmに
設定されたボックス内に7日間放置し、オゾンガス下放
置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310T
R)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、
前記反射濃度は、1、1.5及び2.0の3点で測定し
た。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製
オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を
用いて設定した。何れの濃度でも色素残存率が80%以
上の場合をA、1又は2点が80%未満をB、全ての濃
度で70%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
【0178】得られた結果を表−Eに示す。
【0179】
【表16】
【0180】上記インクセット102〜115におい
て、濾過前のインクを用いて、上記と同様に使用して評
価を行ったところ、吐出性の評価において、インクセッ
ト102〜108においては評価がDに、インクセット
109〜115においては評価がCとなった。上記の結
果から、本発明に従う固形分濃度を有し、且つ不溶性の
粒子成分の少ないインクセットを使用した系109〜1
15ではすべての性能で優れていることがわかった。ま
た、本発明のインクは、EPSON社PM−950のイ
ンクと同等の色相が得られた。
【0181】
【発明の効果】本発明によれば、吐出安定性が高く、色
相、耐候性、耐水性や画質面での欠点がないインクジェ
ット記録用インク組成物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09B 47/26 B41J 3/04 101Y

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される染料を少な
    くとも1種水性媒体中に溶解または分散してなるインク
    組成物であって、該インク組成物の固形分濃度が0.5
    0質量%以上20質量%以下であることを特徴とするイ
    ンクジェット記録用インク組成物。 一般式(I) 【化1】 上記一般式(I)中;X1、X2、X3およびX4は、それ
    ぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR1
    2、スルホ基、−CONR12、または−CO21
    表す。上記Zは、置換もしくは無置換のアルキル基、置
    換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無
    置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル
    基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もし
    くは無置換の複素環基を表す。上記R1、R2は、それぞ
    れ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル
    基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もし
    くは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラ
    ルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置
    換もしくは無置換の複素環基を表す。なお、Zが複数個
    存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ独立に、一価の置
    換基を表す。なお、X1〜X4およびY1〜Y4のいずれか
    が複数個存在するとき、それらは、同一でも異なってい
    てもよい。a1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X
    4およびY1〜Y4の置換基数を表し、a1〜a4は、それ
    ぞれ独立に、0〜4の整数であり、全てが同時に0にな
    ることはなく、b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の
    整数である。Mは、水素原子、金属原子またはその酸化
    物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で表される染料が、下記一
    般式(II)で表される染料であることを特徴とする請求
    項1に記載のインクジェット記録用インク組成物。 一般式(II) 【化2】 上記一般式(II)中;X11〜X14、Y11〜Y18、Mは、
    それぞれ一般式(I)の中のX1〜X4、Y1〜Y4、Mと
    同義である。a11〜a14は、それぞれ独立に、1または
    2の整数である。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の一般式(I)で表される
    染料又は請求項2記載の一般式(II)で表される染料を
    少なくとも1種水性媒体中に溶解または分散してなるイ
    ンク組成物であって、該インク組成物1cm3中に存在
    する粒子の総体積が3.5×10-6cm3以下であるこ
    とを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
  4. 【請求項4】 インク組成物1cm3中に存在する粒子
    の総体積が3.5×10-6cm3以下であることを特徴
    とする請求項1又は2記載のインクジェット記録用イン
    ク組成物。
  5. 【請求項5】 インク組成物中に沸点150℃以上の有
    機溶剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のインク
    ジェット記録用インク組成物を用いることを特徴とする
    インクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】 支持体上に白色無機顔料粒子を含有する
    受像層を有する受像材料にインク滴を記録信号に応じて
    吐出させ、受像材料上に画像を記録するインクジェット
    記録方法であって、インク滴が請求項1〜5のいずれか
    に記載のインクジェット記録用インク組成物を含有する
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
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