JP2002060518A - ポリエステル系フィルム及び印刷インキの剥離方法 - Google Patents

ポリエステル系フィルム及び印刷インキの剥離方法

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JP2002060518A JP2000248433A JP2000248433A JP2002060518A JP 2002060518 A JP2002060518 A JP 2002060518A JP 2000248433 A JP2000248433 A JP 2000248433A JP 2000248433 A JP2000248433 A JP 2000248433A JP 2002060518 A JP2002060518 A JP 2002060518A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来より低温でアルカリ水溶液処理を行って
もポリエステル系熱収縮性フィルム製のラベルのインキ
を悪くとも90%以上剥離できるポリエステル系フィル
ムを提供する。 【解決手段】 結晶性を下げるためのジオール成分が共
重合されたエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とし
た未延伸ポリエステル系フィルムを、主として横方向に
延伸して熱収縮性フィルムとした。熱収縮性フィルムに
はコロナ処理が施されている。コロナ処理の処理度は5
〜30W/m2 /min である。ジオール成分はシクロヘ
キサンジメタノールであり、その含有量がジオール成分
100%のうちの1〜30モル%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル系フ
ィルム及び印刷インキの剥離方法に係り、特にリサイク
ルに際して印刷されたインキの剥離が容易なポリエステ
ル系フィルム及び印刷インキの剥離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱収縮性フィルムは加熱により収縮する
性質を利用して収縮包装、収縮ラベル、キャップシール
等の用途に広く用いられている。熱収縮性フィルムの材
質としては、ポリ塩化ビニル(PVC)が広く使用され
てきた。しかし、PVCは熱収縮性フィルムとしての優
れた実用製とコスト性を有しているものの、廃棄後焼却
すると塩素を含んだガスを発生する等の問題から、近
年、PVC以外の材料が要望されている。
【0003】PVC以外の材料の一つとして、スチレン
−ブタジエンブロック共重合体を主たる材料とするポリ
スチレン系熱収縮性フィルムが提案され、使用されてい
る。この熱収縮性フィルムは加熱収縮時の収縮斑やしわ
が少なく収縮仕上がり性は優れているものの、室温にお
ける剛性が乏しく、自然収縮(常温よりやや高い温度、
例えば夏場においてフィルムが本来の使用前に収縮して
しまうこと)率が大きいことや、耐破断性に劣る等の問
題を有している。
【0004】また、PVC以外の材料として、ポリエス
テル系樹脂を主たる材料とした熱収縮性フィルムも提案
され、使用されている。ポリエステル系熱収縮性フィル
ムは常温における剛性が高く、透明性に優れ、自然収縮
率は非常に低い。
【0005】一方、近年社会環境の変化等により、プラ
スチックのリサイクルが大きな問題となっており、PE
Tボトルのリサイクル化が進められている。ポリエステ
ル系熱収縮性フィルムをPETボトルのラベルに使用し
た場合は、ラベルもボトルと一緒にリサイクルすること
が可能になる。その際、ラベルに印刷されたインキが残
った状態では、インキがPETボトル及びラベルをリサ
イクル原料としたときの不純物となり、製品の物性や外
観が低下する。従って、PETボトルのリサイクルの際
には、ラベルに印刷されたインキをほぼ完全に除去する
必要がある。
【0006】通常、使用されているラベル印刷用のイン
キでは上記の完全な除去が極めて困難であり、除去が容
易なアルカリ可溶性のインキを使用してラベル印刷する
ことが検討されている。このようなアルカリ可溶性のイ
ンキの除去は、1.5%アルカリ濃度のアルカリ水溶液
(80〜85℃)の入った釜に、使用後のラベル装着し
たPETボトルを粉砕したフレークを投入して処理する
ことで行っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のポリ
エステル系の熱収縮性フィルム製のラベルでは、85〜
90℃でのアルカリ水溶液処理を行ってもインキの剥離
が不完全な場合が多いという問題があった。この原因の
一つとしてインキの剥離に必要な温度が85〜90℃と
高い場合は、釜の中の温度を均一に保つのが難しく、部
分的に低温部分が存在することにより、剥離が不完全に
なることが考えられる。
【0008】ラベルの印刷面をブラシ等で擦ればインキ
が剥離し易くなるが、ラベルの印刷面は裏面、即ちPE
Tボトル側の面のため、ラベルがボトルに装着された状
態で印刷面を擦ることはできない。また、ボトルから取
り外した状態でラベルをブラシで擦るのは作業が面倒に
なる。
【0009】また、アルカリ水溶液による処理温度が高
ければ、温度を均一に保つのが難しくなるだけでなく、
消費エネルギーも多くなるという問題もある。また、熱
収縮性フィルムに限らず、通常のポリエステル系フィル
ムやシートに印刷を施したポリエステル製品をリサイク
ルする際にも、インキの除去が必要になり、前記とほぼ
同様の問題がある。
【0010】本発明は前記の問題に鑑みてなされたもの
であって、その第1の目的は従来より低温でアルカリ水
溶液処理を行ってもポリエステル系の熱収縮性フィルム
製のラベルのインキをほぼ完全に剥離できるポリエステ
ル系フィルムを提供することにあり、第2の目的は印刷
インキの剥離方法を提供することにある。ほぼ完全にと
は悪くても90%以上を意味する。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るために、請求項1に記載の発明では、結晶性を下げる
ためのジオール成分が共重合されたエチレンテレフタレ
ート系樹脂を主成分としたポリエステル系フィルムに、
アルカリ水溶液処理によるインキの剥離性を高めるため
のコロナ処理を施した。
【0012】この発明のポリエステル系フィルムにアル
カリ可溶性インキを使用して印刷を施したものをリサイ
クルする際、従来より低温の70〜75℃のアルカリ水
溶液で処理することにより、インキがポリエステル系フ
ィルムから悪くても90%以上剥離される。従って、リ
サイクル原料とした際にインキが製品の物性や外観を低
下させることが防止される。外観とは残存インキによる
目的外の着色を意味する。
【0013】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記コロナ処理の処理度は5〜30
W/m2 /min である。コロナ処理度の下限を前記の値
にすることにより、ポリエステル系フィルムに対する印
刷時のインキの密着性向上と、前記アルカリ水溶液での
処理によるインキの剥離が完全になされる。また、上限
を前記の値にすることで、コロナ処理時のポリエステル
系フィルム同士のブロッキングやポリエステル系フィル
ムの損傷が防止される。
【0014】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記ジオール成分はシ
クロヘキサンジメタノールであり、その含有量が全ジオ
ール成分100モル%のうちの1〜30モル%である。
この発明では、工業的に入手し易いシクロヘキサンジメ
タノールを前記の範囲で使用することにより、前記の特
性を有するポリエステル系フィルムが得られる。
【0015】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記フィ
ルムは熱収縮性フィルムである。この発明のポリエステ
ル系フィルムをPETボトルの収縮ラベルとして装着し
た場合、使用後にPETボトルを70℃以上のアルカリ
水溶液で処理することにより、ラベルに印刷されたイン
キが悪くても90%以上剥離され、PETボトル及びラ
ベルをポリエステル原料として好適にリサイクルでき
る。
【0016】第2の目的を達成するために、請求項5に
記載の発明では、請求項4に記載の発明の熱収縮性フィ
ルムにアルカリ可溶性インキで印刷を施した熱収縮ラベ
ルがポリエステルボトルに装着された後、70〜75℃
のアルカリ水溶液で処理してインキを剥離させる。
【0017】この発明では、熱収縮ラベルからのインキ
の剥離が従来より10〜15℃低い温度で行われるた
め、アルカリ水溶液を加熱するために必要なエネルギー
が少なくなるとともに、アルカリ水溶液を所定温度に保
つのが容易になる。
【0018】請求項6に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれか一項に記載の発明のポリエステル系フ
ィルムにアルカリ可溶性インキで印刷を施した印刷フィ
ルムを、70〜75℃のアルカリ水溶液で処理して印刷
されたインキを剥離させる。この発明ではポリエステル
系フィルムからの印刷インキの剥離が従来より低温で行
われ、消費エネルギーが少なくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を熱収縮性ポリエス
テル系フィルムに具体化した実施の形態を説明する。
【0020】フイルムの素材となるポリエステルは、ジ
カルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分とし
てエチレングリコールを主成分とするエチレンテレフタ
レート系共重合ポリエステルが好適に用いられる。共重
合成分としては、ジカルボン酸としてイソフタル酸、ア
ジピン酸、セバシン酸等、ジオール成分として1,4−
シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール
等が工業的に容易に入手でき、かつ収縮特性も良好で好
ましい。
【0021】本発明において用いる共重合ポリエステル
においては、ジカルボン酸成分100モル%およびジオ
ール成分100モル%の合計量200モル%中、共重合
成分が合計20モル%以上、より好ましくは30モル%
以上とするのがよい。共重合成分が合計20モル%未満
の共重合ポリエステルは、フイルムにした際の結晶化度
が高くなり、収縮仕上がり、溶媒によるフィルム端部で
の接合時の溶剤シール性が劣るので好ましくない。
【0022】ジオール成分中の結晶性を下げるための
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグ
リコール等の含有率はジオール成分全体の1〜30モル
%、好ましくは13〜23モル%の範囲とすることが必
要である。このジオール成分が1モル%未満では伸びが
小さく、また30モル%を超えた場合はフィルムにした
際の結晶化度が高くなり、収縮仕上がり、溶剤シール性
が劣るので好ましくない。
【0023】またフィルムの素材となるポリエステル
は、前記共重合ポリエステルだけを用いても、共重合ポ
リエステルにエチレンテレフタレート系ポリエステル、
ブチレンテレフタレート系、シクロヘキサンテレフタレ
ート系等のポリエステルを30重量%以下の範囲で混合
してもよい。また、滑剤、酸化防止剤、充填剤、着色
剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種助剤
(添加剤)を添加してもよい。
【0024】熱収縮性ポリエステル系フィルムは、前記
のポリエステルあるいは混合物を成形することにより製
造される。Tダイ法、チユーブラ法等既存の方法のいず
れかにより、押出成形で原反フィルムを製造し、次いで
延伸することにより製造される。また、延伸後、巻き取
り前にコロナ処理が行われる。
【0025】熱収縮性フィルムの収縮が1軸方向か2軸
方向かにより、また必要な収縮率により延伸方向と延伸
倍率が調整される。ボトルの表示ラベル等に適用する場
合には、1軸収縮フィルムが使用される。ガラス容器等
の保護と内容物表示とを行うためキャップ部から底部に
わたる全体を包む場合には2軸収縮フィルムが使用され
る。
【0026】例えば、1軸収縮フィルムの場合、未延伸
フイルムが、加熱縦延伸ロールを用いて、ロール温度6
0〜120℃にて1.0〜2.0倍、好ましくは1.0
〜1.5倍延伸される。縦延伸後、テンターを用いて延
伸温度60〜120℃にて1.7〜7.0倍延伸され、
60〜100℃の温度で熱処理された後冷却され、コロ
ナ処理が行われた後、巻き取られる。熱収縮性フィルム
の厚みは好ましくは20〜100μm程度、より好まし
くは30〜70μm程度である。
【0027】コロナ処理の処理度は5〜30W/m2
min が好ましく、10〜20W/m 2 /min wがより好
ましい。この処理度ではJIS・K−6768で規定さ
れるぬれ指数が44dyne/cm以上となる。処理度が5W
/m2 /min 未満ではコロナ処理によるフィルム表面の
改質が不充分な部分が残る虞があり、30W/m2 /mi
n を超えると、ぬれ指数は十分であるが、フィルムのダ
メージが大きくなる場合があり、また使用電力が無駄に
なる。処理度が10〜20W/m2 /min であれば、使
用電力が抑えられてフィルム表面の改質が充分なされ
る。
【0028】熱収縮性フィルムは70℃の温水に10秒
間浸漬した際における、縦方向(MD方向)の収縮率と
横方向(TD方向)の収縮率との和が5%以上が好まし
い。本発明にて使用するアルカリ可溶性インキとして
は、例えば特開平11−209677号、特開2000
−86951号に開示されたインキが好適に使用でき
る。
【0029】(実施例)以下、実施例及び比較例により
本発明をさらに詳しく説明する。 (熱収縮性フィルムの調製)ジカルボン酸成分がテレフ
タル酸90モル%とイソフタル酸(IPA)10モル
%、グリコール成分がエチレングリコール80モル%と
1,4−シクロヘキサンジメタノール20モル%よりな
る共重合ポリエステルを270℃で溶融押出して未延伸
フイルムを得た。
【0030】その未延伸フイルムを、テンターにより延
伸温度70℃の雰囲気下で、横方向に4倍の延伸倍率で
1軸延伸し、次いで熱処理を行って厚さ50μmのフイ
ルムを得た。なお、熱処理後、巻き取り前にコロナ処理
を行った。コロナ処理度の異なる熱収縮性フィルムを数
種類調製し、コロナ処理面にアルカリ可溶性インキで印
刷を施した。アルカリ可溶性インキとして「ニューダイ
エコロSR−F」及び「SR−Cインキ」(大日精化工
業(株)製)を使用し、インキ層の厚さを2〜15μm
とした。また、熱収縮性フィルムは、70℃の温水に1
0秒間浸漬した際における、縦方向(MD方向)の収縮
率が0%で、横方向(TD方向)の収縮率が7%で両方
向の収縮率の合計が7%以上であった。
【0031】得られた熱収縮性フィルムを500mlP
ETボトルの熱収縮性ラベルとするため所定の大きさに
切断し、溶媒(例えばテトラヒドロフラン)を使用して
両端を接合して筒状の熱収縮性ラベルを形成した。その
熱収縮性ラベルをPETボトルにかぶせ、70〜80℃
の蒸気シュリンクトンネルを(水蒸気炉)を通過させて
ボトルに装着させた。その後、ラベルを装着したPET
ボトルを粉砕機で粉砕してフレーク状にした後、70℃
のアルカリ水溶液(1.5%NaOH)に所定時間(例
えば、15分)攪拌しながら浸漬した後、ラベルのイン
キの剥離状態を目視で観察した。結果を表1に示す。
【0032】(比較例)コロナ処理の条件が異なる点を
除いて、前記実施例と同様にして熱収縮性ラベルの形
成、PETボトルへの装着及びアルカリ水溶液によるイ
ンキの剥離処理を行った。結果を表1に示す。
【0033】実施例及び比較例においてコロナ処理の度
合いをJIS・K−6768のぬれ試験方法、即ち、ホ
ルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテルの
混合液を標準液として使用し、ぬれ指数として表す方法
により確認した。
【0034】
【表1】 実施例1〜実施例3、即ちコロナ処理の処理度が5〜3
0W/m2 /min の熱収縮性フィルムから形成した熱収
縮性ラベルでは、いずれも70℃のアルカリ水溶液処理
により熱収縮性ラベルのインキが完全に剥離された。一
方、比較例2の処理度が3W/m2 /min の場合は、ぬ
れ指数が同じであっても、熱収縮性ラベルのインキは完
全には剥離されずに部分的に残った。また、比較例1の
処理度40W/m2 /min の場合は、ぬれ指数は上限の
56であったが、コロナ処理により熱収縮性フィルムが
溶着したり、損傷されたため、熱収縮性ラベルを形成す
る前の段階で不合格となった。
【0035】この実施の形態では以下の効果を有する。 (1) 結晶性を下げるためのジオール成分が共重合さ
れたエチレンテレフタレート系樹脂を主成分としたポリ
エステル系フィルムに、アルカリ水溶液によるインキの
剥離性を高めるためのコロナ処理を施すとともに、延伸
して熱収縮性フィルムを形成した。従って、その熱収縮
性フィルムをPETボトルの収縮ラベルとして装着した
場合、使用後にPETボトルを70〜75℃のアルカリ
水溶液で処理することにより、ラベルに印刷されたイン
キが悪くても90%以上剥離され、PETボトル及びラ
ベルをポリエステル原料として好適にリサイクルでき
る。
【0036】(2) コロナ処理の処理度を5〜30W
/m2 /min とすることにより、ポリエステル系フィル
ムに対する印刷時のインキの密着性向上と、前記アルカ
リ水溶液での処理によるインキの剥離が完全になされる
とともに、コロナ処理時のポリエステル系フィルム同士
のブロッキングやポリエステル系フィルムの損傷が防止
される。
【0037】(3) 結晶性を下げるためのジオール成
分はシクロヘキサンジメタノールであり、その含有量が
全ジオール成分100モル%のうちの1〜30モル%で
ある。従って、工業的に入手し易いシクロヘキサンジメ
タノールを前記の範囲で使用することにより、前記の特
性を有するポリエステル系フィルムが得られる。
【0038】(4) 熱収縮性フィルムにアルカリ可溶
性インキで印刷を施した熱収縮ラベルをPETボトルに
装着し、使用後に70〜75℃のアルカリ水溶液で処理
してインキを剥離させるため、インキの剥離が従来より
10〜15℃低い温度で行われる。従って、アルカリ水
溶液を加熱するために必要なエネルギーが少なくなると
ともに、アルカリ水溶液を所定温度に保つのが容易にな
る。
【0039】実施の形態は前記に限らず、例えば、以下
のようにしてもよい。 ○ コロナ処理は片面だけでなく両面に行ってもよい。 ○ 熱収縮性フィルムに限らず、通常のポリエステル系
フィルムにアルカリ水溶液によるインキの剥離性を高め
るためのコロナ処理を施してもよい。この場合、アルカ
リ可溶性インキを使用して印刷を施したものをリサイク
ルする際、70〜75℃のアルカリ水溶液で処理するこ
とによりインキがポリエステル系フィルムから悪くても
90%以上剥離される。従って、リサイクル原料とした
際にインキが製品の物性や外観を低下させることを防止
できる。
【0040】○ ポリエステル系フィルムは単層に限ら
ず2層以上の積層構造としてもよい。例えば、印刷を施
す面となる層を請求項1〜請求項3のいずれかの要件を
満足するフィルムとし、他の層をそれ以外の組成のポリ
エステルフィルムとしてもよい。この場合も、アルカリ
可溶性インキで印刷を施したポリエステル系フィルム
を、70〜75℃のアルカリ水溶液で処理することによ
り、印刷されたインキを悪くても90%以上剥離するこ
とができる。
【0041】○ PETボトルのアルカリ水溶液による
処理温度は75℃より高くてもよい。温度が高くてもイ
ンキは完全に剥離できるが、エネルギーが無駄になるた
め、75℃以下が好ましい。
【0042】○ 熱収縮性ラベルのインキの剥離はPE
Tボトルにラベルが装着されたままの状態でアルカリ水
溶液処理を行う方法に限らず、ラベルをPETボトルか
ら外した状態、あるいはPETボトルをラベルごと砕い
たものをアルカリ水溶液で処理してもよい。PETボト
ルをラベルごと砕いた状態で処理すると、効率良くイン
キが剥離される。また、粉砕せずにラベルをPETボト
ルとともにアルカリ水で処理する場合は、粉砕工程が不
要となり、リサイクルのコストが安くなる。
【0043】前記各実施の形態から把握される請求項記
載以外の技術的思想について、以下に記載する。 (1) 多層構造のポリエステル系フィルムであって、
印刷を施す面となる層が請求項1〜請求項3のいずれか
一項に記載の発明のポリエステル系フィルムで構成され
ている。
【0044】(2) (1)のポリエステル系フィルム
は延伸処理が施された熱収縮性フィルムである。 (3) 請求項5に記載の発明に記載の発明において、
ラベルが装着されたポリエステルボトルを粉砕せずに、
ラベルとともにアルカリ水で処理する。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項4
に記載の発明では、従来より低温でアルカリ水溶液処理
を行ってもポリエステル系の熱収縮性フィルム製のラベ
ルのインキを悪くても90%以上剥離できる。また、請
求項5に記載の発明ではポリエステル系の熱収縮性フィ
ルム製のラベルが装着されたPETボトルを従来より低
温でアルカリ水溶液処理を行っても印刷インキを悪くて
も90%以上剥離できる。請求項6に記載の発明ではポ
リエステル系フィルムを従来より低温でアルカリ水溶液
処理を行っても印刷インキを悪くても90%以上剥離で
きる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 3/04 G09F 3/04 C // B29K 67:00 B29K 67:00 105:02 105:02 B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 67:00 C08L 67:00 (72)発明者 澤 晃一 滋賀県長浜市三ツ矢町5番8号 三菱樹脂 株式会社長浜工場内 Fターム(参考) 4F071 AA43 AF61 AH12 BA01 BB06 BB07 BC01 4F073 AA01 AA32 BA23 CA21 4F210 AA24 AE01 AG01 RA03 RC02 RG02 RG04 RG43 4F301 AA25 AD02 BF06 BF12 BF25 BF31 BF40

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性を下げるためのジオール成分が共
    重合されたエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とし
    たポリエステル系フィルムにコロナ処理を施して、アル
    カリ熱水処理によるインキの剥離性を高めたことを特徴
    とするポリエステル系フィルム。
  2. 【請求項2】 前記コロナ処理の処理度は5〜30W/
    2 /min である請求項1に記載のポリエステル系フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 前記ジオール成分はシクロヘキサンジメ
    タノールであり、その含有量が全ジオール成分100モ
    ル%のうちの1〜30モル%である請求項1又は請求項
    2に記載のポリエステル系フィルム。
  4. 【請求項4】 前記フィルムは熱収縮性フィルムである
    請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のポリエステ
    ル系フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の熱収縮性フィルムにア
    ルカリ可溶性インキで印刷を施した熱収縮ラベルがポリ
    エステルボトルに装着された後、70〜75℃のアルカ
    リ水で処理して印刷されたインキを剥離させるポリエス
    テル系フィルムからの印刷インキの剥離方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記
    載のポリエステル系フィルムにアルカリ可溶性インキで
    印刷を施した印刷フィルムを、70〜75℃のアルカリ
    水で処理して印刷されたインキを剥離させるポリエステ
    ル系フィルムからの印刷インキの剥離方法。
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