JP2002060368A - シクロブタノンの回収及び精製方法 - Google Patents

シクロブタノンの回収及び精製方法

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JP2002060368A JP2001247215A JP2001247215A JP2002060368A JP 2002060368 A JP2002060368 A JP 2002060368A JP 2001247215 A JP2001247215 A JP 2001247215A JP 2001247215 A JP2001247215 A JP 2001247215A JP 2002060368 A JP2002060368 A JP 2002060368A
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ドナルド バーニッキ スコット
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Dewey Wayne Fuller Jr
ウェイン フラー,ジュニア デューイ
Mary Kathleen Foster
キャサリーン フォスター マリー
Stephen Neal Falling
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 90%以上の純度のシクロブタノンを回収す
る方法を提供する。 【解決手段】 水の存在下でのシクロブタノールのシク
ロブタノンへの酸化で生成する酸化生成物混合物から得
られる粗生成物混合物からの、シクロブタノンの回収及
び精製方法を開示する。この方法は、新規な蒸留工程の
組合せにより少なくとも90重量%の純度でのシクロブ
タノンの回収を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロブタノール
のシクロブタノンへの酸化によって得られる酸化生成物
混合物から得られる粗生成物混合物からのシクロブタノ
ンの回収及び精製方法に関する。更に詳しくは、本発明
は、蒸留工程の新規な組合せによる少なくとも90重量
%の純度でのシクロブタノンの回収に関する。
【0002】
【従来の技術】シクロブタノンは、種々の化合物の製造
に於いて有用な、価値ある有機中間体である。例えば、
Lee−Ruff,Adv.Strain Org.C
hem.、(1991年)、第1巻、第167頁及びB
ellus他、Angew Chem.、(1988
年)、第100(6)巻、第820頁参照。シクロブタ
ノンは、例えば、Organic Synthesis
CollectiveVolumes、第114〜1
16頁にKrumpolic及びRocekにより記載
されているように、三酸化クロム及びシュウ酸によるシ
クロブタノールの酸化により製造することができる。三
酸化クロム/シュウ酸酸化は、比較的非選択的であり、
多数の分離困難な不純物を含有する薄い水性粗シクロブ
タノン混合物を生成する。この疎水性シクロブタノン中
の典型的な不純物には、これらに限定されないがシクロ
プロパンメタノール、未反応シクロブタノール、3−ブ
テン−1−オール、2−ブテン−1−オール、シクロプ
ロパンカルボキシアルデヒド、シクロプロパンカルボン
酸;シクロブタノール、シクロプロパンメタノール、3
−ブテン−1−オール及び2−ブテン−1−オールのエ
ーテル及び混合エーテル;シクロプロパンメタノール、
シクロブタノール、3−ブテン−1−オール及び2−ブ
テン−1−オールとシクロブタノンとヘミケタール及び
ケタール並びにシクロブタノンよりも高い沸点を有する
及び低い沸点を有するその他の未知の化合物が含まれ
る。これらの不純物の多くは有色体であり、これは、除
去しないと、シクロブタノン生成物を非常に着色したも
のにする。
【0003】上記のKrumpolic及びRocek
は、塩化メチレンによる粗シクロブタノン−水混合物の
抽出並びに無水炭酸カリウムを含有する無水硫酸マグネ
シウムによる、シクロブタノン及び他の有機不純物から
なる有機相の乾燥を記載している。乾燥された有機層は
2回蒸留され、塩化メチレンが除去され、シクロブタノ
ン生成物が回収される。この手順は、比較的純粋なシク
ロブタノン生成物、即ち、98〜99重量%のシクロブ
タノンを生成すると言われている。しかしながら、この
方法は、高純度シクロブタノンの実用的な大規模製造の
観点からは多くの問題を有する。抽出剤である塩化メチ
レンは、非常に毒性で、非常に揮発性であり、そして安
全に取り扱い且つ廃棄するためにコストがかかる。前記
の手順では、シクロブタノン生成物1kg当たり約86kg
の塩化メチレンを使用することが特定されている。従っ
て、必要な抽出及びそれに続く蒸留装置は、製造される
シクロブタノンの量に対して非常に大きく且つ高価であ
るに違いない。この著者は、シクロブタノンは水中に非
常に可溶性であり、高回収率で塩化メチレンの中に抽出
することが困難であることを開示している。さらに、シ
クロブタノンの全体回収率は低く(70〜80%)、著
者は、クロトンアルデヒド及びシクロプロパンカルボキ
シアルデヒドのような沸点の近い不純物並びに有色体を
除去するためのどのような方法も特定することを達成し
ていない。
【0004】フランス特許FR第0112261号に
は、2元金属(バイメタル)触媒と連係させて分子状酸
素を使用して、2〜36個の炭素原子を有する第一級又
は第二級の単官能性又は多官能性アルコールを酸化的に
脱水する、アルデヒド又はケトンの製造方法が開示され
ている。生成する水は、反応の過程中で、(1)溶媒が
水と共に形成する二元共沸混合物が、少なくとも50℃
の沸点を有し、(2)溶媒の沸点が、脱水素すべきアル
コールの沸点よりも低く、そして(3)溶媒の沸点が、
アルコールと水との間で及びアルコールと有機溶媒自体
との間で形成し得る全ての二元共沸混合物の沸点よりも
低いような方法で選択された有機溶媒を使用して、共沸
蒸留により除去される。この有機溶媒は、50℃と20
0℃との間の沸点を有するように特定され、脂肪族、シ
クロ脂肪族又は芳香族炭化水素;脂肪族カルボン酸のア
ルキル又はアルケニルエステル;脂肪族、芳香族又は環
式エーテル;脂肪族、シクロ脂肪族又は芳香族ニトリ
ル;脂肪族、シクロ脂肪族又は芳香族ケトンの中から選
択される。更に、水と有機溶媒との間に形成される共沸
混合物は、不均一でなくてはならない。
【0005】フランス特許FR第0112261号は、
ケトンの共沸蒸留脱水のための一般的な方法を提供して
いるが、この特許では、ケトンの脱水を実施するために
追加の溶媒を添加しなくてはならないことが特定されて
いる。更に、フランス特許FR第0112261号は、
高純度ケトン生成物を得る方法を意図することを達成し
ていない。高純度ケトン生成物を得るために、未反応ア
ルコール供給原材料、有色体、他の高沸点物及び低沸点
物又は沸点の近い不純物を除去する方法は開示されてい
ない。
【0006】米国特許第2,647,861号には、2
塔又は3塔圧力スイング蒸留配列による、特に、メチル
エチルケトン(MEK)、メチルプロピルケトン(MP
K)及びメチルブチルケトン(MBK)のための、水及
び未反応アルコール出発物質を含むケトンの精製方法が
開示されている。MEK,MPK及びMBKの場合に、
ケトン−水共沸混合物の組成は、圧力に於ける僅かな変
化で著しく変化する。この特許も、高純度ケトン生成物
を得る方法を意図することを達成していない。高純度ケ
トン生成物を得るために、有色体、他の高沸点物及び低
沸点物又は沸点の近い不純物を除去する方法は開示され
ていない。
【0007】米国特許第2,684,934号には、抽
出蒸留、抽出及び追加の溶媒と一緒の共沸蒸留工程の組
合せによる、水並びに未反応のエタノール及びイソプロ
パノールを含有するMEK及びメチルイソプロピルケト
ンの混合物の精製方法が開示されている。疎水性ケトン
−アルコール供給原料が、最初に、抽出蒸留溶媒として
の水と共に抽出的に蒸留される。未反応エタノール、イ
ソプロパノール及び水からなる塔底生成物は、ケトン生
成工程に再循環され、一方、MEK−MIPK−水留出
液生成物は、抽出塔内でn−ヘキサンと向流で接触され
る。幾らかのMIPK及びMEKを含む水富化抽残液
は、抽出蒸留塔に再循環される。抽出機への供給原料中
のMIPK及びMEKの大部分並びに幾らかの水を含む
ヘキサン富化抽出剤は、共沸蒸留塔に供給され、そこで
残留する水は、不均一低沸点ヘキサン−MEK−水三元
共沸混合物として上から取られる。この共沸混合物は相
分離され、デカンテーションされ、そしてMEK及びヘ
キサンの大部分を含有する有機富化層が、抽出工程に再
循環される。デカンテーションの水層は、抽出蒸留工程
に再循環される。次いで、MEK及びMIPKは、最終
蒸留工程で分離される。
【0008】米国特許第4,186,059号には、蒸
留工程で水共沸剤としてトルエンを使用し、抽出溶媒と
して炭化水素ワックスを使用する、MEK脱水のための
同様の溶媒補助共沸蒸留及び抽出方法が記載されれい
る。フランス特許FR第7828329号には、水共沸
剤として軽質炭化水素、好ましくはn−ペンタンを使用
する、MEKの脱水のための同様の共沸蒸留方法が教示
されている。ソビエト連邦特許第1,567,603号
には、MEK脱水のための溶媒としてジイソプロピルエ
ーテルを使用することが教示されている。
【0009】これらのMEK関連特許の全てには、シク
ロブタノン脱水のために過度に複雑で、高価で且つ不必
要である方法が教示されている。MEKと水とは低沸点
不均一共沸混合物を形成するが、液−液領域は、MEK
と水との高い相互溶解度により小さい。従って、MEK
は、それ自体の脱水で使用するための好ましい共沸剤で
はない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、蒸留工
程及び処理工程の新規な組合せによる、少なくとも90
重量%の純度でのシクロブタノンの回収方法を開発し
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の精製方法には、
シクロブタノールの水中での酸化から得られる、シクロ
ブタノン、水及び複数の他の有機化合物を含む粗生成物
混合物から、少なくとも90重量%の純度でシクロブタ
ノンを回収する方法であって、(1)粗生成物混合物を
蒸留して、(i)シクロブタノン、水、シクロプロパン
メタノール、シクロブタノール、3−ブテン−1−オー
ル、2−ブテン−1−オール、シクロプロパンカルボキ
サルデヒド;シクロブタノール、シクロプロパンメタノ
ール、3−ブテン−1−オール及び2−ブテン−1−オ
ールのエーテル及び混合エーテル並びにシクロプロパン
メタノール、シクロブタノール、3−ブテン−1−オー
ル及び2−ブテン−1−オールとシクロブタノンとのヘ
ミケタール及びケタールを含む留出物並びに(ii)水、
金属塩並びにγ−ブチロラクトン、シクロプロパンカル
ボン酸並びにシクロプロパンメタノール、シクロブタノ
ール、3−ブテン−1−オール及び2−ブテン−1−オ
ールとシクロブタノンとのヘミケタール及びケタールの
ような高沸点有機化合物を含む蒸留残渣を得る工程、
(2)得られた混合物を、(i)留出物中に含まれる少
量割合のシクロブタノン及びエーテル、ケタール及び有
色体のような、シクロブタノンよりも水中に溶解し難い
多量割合の不純物を含む有機相と(ii)水、留出物中に
含まれる多量割合のシクロブタノン、アルコール及びシ
クロプロパンカルボキシアルデヒドのような一層親水性
の少量割合の不純物を含む水相とに分離させる工程、
(3)工程(2)からの水相を蒸留して、(i)水及び
水相中の有機不純物からなる低沸点共沸混合物を含む少
量割合の留出物、(ii)水及びシクロブタノンの共沸混
合物を含む多量割合の留出物並びに(iii)水、シクロプ
ロパンカルボン酸、γ−ブチロラクトン、シクロブタノ
ール、シクロプロパンメタノール、アルコールの混合エ
ーテル及びエーテルとアルコールとの間の反応から生成
されたケタールを含む蒸留残渣を得る工程、(4)工程
(3)からの留出物(ii)を、(i)シクロブタノン、
水及びシクロブタノンの沸点に近い沸点を有する1種又
はそれ以上のアルデヒドを含むシクロブタノン富化有機
相と(ii)シクロブタノン及び水を含む水相とに分離さ
せる工程並びに(5)工程(4)からの有機相(i)を
蒸留して、(i)水及びシクロブタノンの共沸混合物を
含む第一の留出物、(ii)少なくとも90%の純度を有
するシクロブタノンを含む第二の留出物並びに(iii)シ
クロブタノール、シクロプロパンメタノール、アルコー
ルの混合エーテル及びエーテルとアルコールとの間の反
応から生成されたケタールを含む蒸留残渣を得る工程を
含んでなる工程による方法が含まれる。
【0012】このシクロブタノン生成物には、許容でき
ないほど高いレベルのアルデヒド、例えば、シクロプロ
パンカルボキシアルデヒド及びシス/トランス−クロト
ンアルデヒドが含まれている。それは、このような化合
物は、精製プロセスの間に除去することが特に困難であ
るからである。従って、上記の5工程精製方法には、ア
ルデヒド転化工程が含まれてよく、この場合、工程
(3)及び/又は(5)の蒸留の前に、工程(3)及び
/又は(5)で蒸留する物質を、アルデヒドを、他の方
法で分離困難なアルデヒドよりも高い沸点を有する他の
化合物又は化合物群に転化する物質で処理するアルデヒ
ド転化を行う。この補助工程によって、存在するアルデ
ヒド(群)は、より高い沸点を有し、それによってシク
ロブタノンから容易に分離される生成物に転化される。
【0013】本発明の他の変形は、工程(5)で蒸留さ
れる物質への外部からの不活性(非反応性)共沸混合物
形成性溶媒の添加を備えている。更に他の変形は、工程
(3)及び(5)の蒸留で圧力差を利用することであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明により提供される精製方法
の第一工程に於いて、疎水性シクロブタノンが、シクロ
ブタノールの水中での酸化から得られる、シクロブタノ
ン、水及び複数の他の有機化合物を含む粗生成物混合物
から蒸留される。水中のシクロブタノールのシクロブタ
ノンへの酸化の例は、水の存在下で三酸化クロム及びシ
ュウ酸によりシクロブタノールをシクロブタノンに酸化
した、前記のKrumpolic及びRocekにより
記載されている。この粗生成物は、典型的には、シクロ
ブタノン約2〜20重量%、水約70〜97重量%並び
に触媒残渣、未反応シクロブタノール及び多くの副生物
を含む不純物約0.2〜10重量%を含む。第一工程か
らの留出物は、シクロブタノン、水、シクロプロパンメ
タノール、シクロブタノール、3−ブテン−1−オー
ル、2−ブテン−1−オール、シクロプロパンカルボキ
シアルデヒド;シクロブタノール、シクロプロパンメタ
ノール、3−ブテン−1−オール及び2−ブテン−1−
オールのエーテル及び混合エーテル並びにシクロプロパ
ンメタノール、シクロブタノール、3−ブテン−1−オ
ール及び2−ブテン−1−オールのシクロブタノンとの
ヘミケタール及びケタールからなる。この蒸留残渣(蒸
留されない物質)は、水、金属塩、例えば、シクロブタ
ノンの合成でクロム化合物を使用したことからもたらさ
れるクロム塩、高沸点有機化合物、例えば、γ−ブチロ
ラクトン;シクロブタノール、シクロプロパンメタノー
ル、3−ブテン−1−オール及び2−ブテン−1−オー
ルのエーテル及び混合エーテル並びにシクロプロパンメ
タノール、シクロブタノールのヘミケタール及びケター
ル並びに重質酸(heavy acids)、例えば、
シュウ酸及びシクロプロパンカルボン酸を含む。
【0015】第一の工程は、粗酸化混合物をその沸点ま
で加熱し、続いて発生した蒸気を捕集し、凝縮させるこ
とによって行われる。第一蒸留工程について、粗反応混
合物中の本質的に全てのシクロブタノンを取り出し、蒸
気凝縮物中にシクロブタノンを濃縮させることが望まし
い。粗生成物混合物中に存在する有機不純物の多くは、
水と共に低沸点共沸混合物を形成し、第一の工程蒸留の
間にシクロブタノンと共に上方に運ばれる傾向がある。
多くのこれらの不純物は、非常に着色しており、効率よ
く除去しない場合には、最終シクロブタノン生成物の着
色を起こす。しかしながら、本発明者らは、これらの不
純物が、一般的に、シクロブタノンよりも水中に溶解し
難いことを見出した。シクロブタノン−水二成分系は、
20重量%より高いシクロブタノンの濃度で二つの液相
に分離するが、工程(1)蒸留からの典型的な粗シクロ
ブタノン凝縮物は、疎水性不純物が存在するために、シ
クロブタノンの非常に低い濃度、例えば、約1〜2重量
%のシクロブタノンのように低い濃度で、二つの液相に
分離する。シクロブタノンの大部分は水相中に存在し、
一方、より疎水性の不純物は有機層の中に濃縮される傾
向がある。この方式で、シクロブタノンの高い回収率を
なお維持しながら、重質不純物の多くを、更に蒸留する
前に疎水性シクロブタノン混合物から容易に分離するこ
とができる。
【0016】工程(1)からの凝縮した留出物中のシク
ロブタノンの濃度は、典型的には、凝縮した留出物の全
重量基準で、2〜20重量%、好ましくは、4〜12重
量%の範囲内である。この濃度範囲によって、水相中に
シクロブタノン回収率は最大になり、一方、不純物の共
抽出は最小になる。必要な場合、凝縮した留出物中のシ
クロブタノンの濃度を、新しい水を添加することによっ
て、2〜20重量%、好ましくは4〜12重量%に調節
することができる。一般的に、フタッシュ蒸留工程での
所望の濃度を達成するために、1個又はそれ以上の平衡
分離段で十分である。
【0017】第一の工程からの留出物の凝縮で生成した
有機相と水相とを分離し、水相を次の蒸留精製工程のた
めに保有しておく。有機層を、十字流又は多段向流抽出
方式で、新しい水で更に抽出して、望まない不純物から
追加のシクロブタノンを抽出して、回収率を改良するこ
とができる、典型的には、1〜8段、更に好ましくは2
〜6段の十字流又は向流抽出が、有機相からシクロブタ
ノンの大部分を回収するために十分である。好ましい水
対有機相重量比は、1:4〜5:1、更に好ましくは
0.5:1〜2:1の範囲内である。各抽出工程からの
水抽出相の全てを、次のシクロブタノンの回収及び精製
のために、蒸留工程(1)からの水層と一緒にする。主
として有機不純物を含む抽残液相を、廃液流として廃棄
する。
【0018】フラッシュ蒸留工程からの水層を、中間デ
カンテーション工程を有する2工程共沸上流配列、即
ち、前記の工程(3)、(4)及び(5)で更に処理す
る。この蒸留配列は、水、アルコール、高沸点物及び低
沸点物を除去する機能を果たし、90重量%以上、好ま
しくは95重量%よりも高い、最も好ましくは99重量
%よりも高い純度を有するシクロブタノンを製造するこ
とができる。シクロブタノン自体は、混合物から水を除
去するための脱水剤として使用される。この2塔配列
は、同等の効率で回分式又は連続式で操作することがで
きる。
【0019】本発明の新規な精製方法に於ける第三の工
程に於いて、第一蒸留工程からの水相を第一蒸留釜ポッ
トに装入し、蒸留して、最初に、少量割合の留出物を
得、これを捕集して、低沸点化合物及び低沸点有機−水
共沸混合物を除去する。この前カットは、典型的に、蒸
留釜ポットへの最初の装入物の0.1〜0.6重量%、
更に典型的には、0.1〜0.3重量%である。ヘッド
温度は、典型的に、前カットを捕集する間、シクロブタ
ノン−水共沸混合物の沸点よりも2〜4℃ほど低いであ
ろう。勿論、実際のヘッド温度は、塔の操作圧力に依存
する。従って、例えば、740トルで、ヘッド温度は約
78〜81℃であろう。
【0020】工程(3)の蒸留塔のヘッド温度が、例え
ばシクロブタノン−水共沸混合物の沸点から約2℃より
小さい温度に近づくと、生成物画分、即ち工程(3)の
留出物(ii)の捕集を始める。この生成物カットの組成
は、本質的に水−シクロブタノン共沸混合物のもの、即
ち、約80重量%のシクロブタノンである。この生成物
画分の捕集は、シクロブタノンが蒸留釜ポットから実質
的に取り尽くされるまで続けられる。シクロブタノン−
水共沸混合物が上方に蒸留されている間、蒸留塔のヘッ
ド温度は、シクロブタノン−水共沸混合物の沸点で本質
的に一定のままである。従って、例えば、約740トル
の塔圧力で、ヘッド温度は約82〜83℃である。ヘッ
ド温度がシクロブタノン−水共沸混合物のものよりも著
しく上に上昇した後まで蒸留を続けた場合、より高い沸
点の不純物、例えばシクロブタノール及びシクロプロパ
ンメタノール並びに実質的な量の水が、上方に蒸留さ
れ、留出物生成物カットを汚染するであろう。ヘッド温
度が、塔運転圧力でシクロブタノン−水共沸混合物の沸
点よりも、1℃から15℃以下ほど、更に好ましくは、
2℃から8℃以下ほど、最も好ましくは2℃から5℃以
下ほど上昇した後、蒸留を停止することが好ましい。
【0021】工程(3)からの蒸留残渣(iii)には、典
型的には、シクロプロパンカルボン酸、γ−ブチロラク
トン、シクロブタノール、シクロプロパンメタノール、
アルコールの混合エーテル及びエーテルとアルコールと
の間の反応から生成されたケタールのような高沸点不純
物並びに全ての残留するシクロブタノンが含有されてい
る。塔内の第一共沸蒸留工程を十分な平衡段階で操作
し、還流させてアルコール−水共沸混合物をシクロブタ
ノン−水共沸混合物から実質的に分離することが有利で
ある。これらの不純物が、シクロブタノンと共に共蒸留
される場合、これらは第二蒸留塔の底内に蓄積する傾向
がある。第二塔の底内での、高濃度のアルコール、例え
ばシクロブタノール及びシクロプロパンメタノールは、
ヘミケタール及びケタールへのシクロブタノールの損失
を促進し、また水発生にも至る。次いで、生成物シクロ
ブタノンについての厳しい水仕様は、適合させることが
困難である。この塔への供給物中のシクロブタノール及
びシクロプロパンメタノールレベルが低い、即ち、0.
005重量%よりも低い場合、この塔には、少なくとも
5個の平衡段、更に好ましくは、少なくとも10個の平
衡段が含まれていなくてはならない。この塔への供給物
中のシクロブタノール及びシクロプロパンメタノールレ
ベルが高い、即ち、0.005重量%よりも大きい場
合、この塔には、少なくとも10個の平衡段、更に好ま
しくは、少なくとも15個の平衡段が含まれていなくて
はならない。勿論、好ましい還流比は、平衡段の数及び
アルコールの濃度に依存するが、2:1〜10:1、好
ましくは、2:1〜7:1の比が、通常適している。こ
の蒸留は、全体を通して一定の還流比で行うことができ
るか又は当該技術分野で公知の方法で変化させる還流方
針で操作することができる。十分な段及び適当な還流比
が与えられた場合、アルコール及びその他の重質不純物
を効率よく分離し、蒸留釜ポット内に水を残したままに
することができる。典型的な操作圧力は、100〜30
00トル(0.013〜0.4MPa)、好ましくは3
80〜1520トル(0.05〜0.2MPa)であ
る。
【0022】工程(3)を、回分式操作の状況で上に説
明した。しかしながら、工程(3)を、留出物(i)及
び(ii)並びに残渣(iii)を、蒸留塔から同時に取り出
す連続方式で行うことができることが当業者に明らかで
あろう。例えば、工程(3)の連続操作は、工程(2)
からの水相を蒸留塔に供給し、そして蒸留塔から、
(i)例えば、塔の上部の側面から、水及び水相中の有
機不純物からなる低沸点共沸混合物からなる少量割合の
留出物、(ii)例えば塔の頂部又は上部から、水とシク
ロブタノンとの共沸混合物からなる多量割合の留出物並
びに(iii)水、シクロプロパンカルボン酸、γ−ブチロ
ラクトン、シクロブタノール、シクロプロパンメタノー
ル、アルコールの混合エーテル及びエーテルとアルコー
ルとの間の反応から生成されたケタールからなる塔下流
生成物、即ち塔の底部から取り出される液体蒸留残渣を
取り出すことからなっていてよい。
【0023】十分な段及び適当な還流比が、生成物カッ
トの組成が、本質的にシクロブタノン−水共沸混合物の
組成であるように与えられた場合、生成物カットは二つ
の液相に容易に分離するであろう。シクロブタノン約9
6重量%、水約4重量%及び有機不純物約1〜2重量%
より少ない量含む上部有機相、即ち工程(4)の相
(i)を、工程(5)に於いて更なる処理に付す。シク
ロブタノン約20重量%を含む底部の水相、即ち工程
(4)の相(ii)を、次の工程(3)蒸留に再循環させ
て、全体のシクロブタノン回収率を増加させることがで
きるか又は所望によりこれを廃棄することができる。こ
の水相を再循環させることが好ましい。
【0024】本発明の新規な方法の工程(5)には、工
程(4)からの有機相(i)を蒸留して、少なくとも9
9%、好ましくは少なくとも99.5%の純度を有する
シクロブタノンを得ることが含まれる。工程(5)に於
いて、第一留出物画分を、シクロブタノン−水共沸混合
物の沸点の温度に近い塔ヘッド温度で捕集する。そうし
て、例えば約740トルの塔圧力で、ヘッド温度は約8
2〜83℃であろう。第一留出物画分の組成は、本質的
に、水−シクロブタノン共沸混合物の組成(約80重量
%のシクロブタノン)である。第一留出物画分は、放置
すると二つの液相に分離する。水層は工程(3)に再循
環させることができ、有機相は工程(5)に再循環させ
ることができる。第一留出物画分の捕集は、蒸留釜ポッ
トに供給される物質から水が実質的に使い尽くされるま
で、例えば蒸留釜ポットに供給される物質に、約1重量
%以下、好ましくは0.5重量%以下、更に好ましくは
0.3重量%以下の水が含有されるまで水が使い尽くさ
れるまで、続ける。蒸留する物質の水含有量が、シクロ
ブタノン−水共沸混合物の組成より下に低下したとき、
塔ヘッド温度は、徐々に、純粋のシクロブタノンの沸
点、即ち760トルで98〜99℃の方に上昇する。
【0025】塔ヘッド温度が、純粋のシクロブタノンの
沸点に密接して近づいたとき、即ち、純粋のシクロブタ
ノンの沸点から約1℃以内であるとき、生成物カットの
捕集を定める。生成物カットの組成は、本質的に純粋な
シクロブタノンのものである。シクロブタノン生成物が
上方に蒸留されている間、蒸留釜のヘッド温度は、純粋
のシクロブタノンの沸点で本質的に一定のままであろ
う。従って、例えば、約740トルの塔圧力で、ヘッド
温度は約96〜97℃であろう。蒸留を、ヘッド温度が
純粋のシクロブタノンの温度よりも実質的に上に上昇し
た後に続けると、より高い沸点の不純物、例えばシクロ
ブタノール、シクロプロパンメタノール、ケタール及び
エーテルが上方に運ばれ、留出生成物画分を汚染するで
あろう。ヘッド温度が、塔運転圧力で純粋のシクロブタ
ノンの沸点よりも0.1℃から6℃以下、更に好ましく
は0.2℃から4℃以下、最も好ましくは0.2℃から
2.5℃以下ほど高く上昇した後に、蒸留を停止するこ
とが好ましい。
【0026】工程(5)の蒸留塔には、少なくとも8個
の平衡段、更に好ましくは少なくとも12個の平衡段が
含まれていなくてはならない。勿論、好ましい還流比
は、平衡段の数に依存するが、2:1〜12:1、好ま
しくは、2:1〜8:1の比が、一般的に適している。
この蒸留は、全体を通して一定の還流比で行うことがで
きるか又は当該技術分野で公知の方法で変化させる還流
方針で操作することができる。典型的な操作圧力は、1
00〜3000トル(0.013〜0.4MPa)であ
り、更に典型的な圧力は、380〜1520トル(0.
05〜0.2MPa)である。十分な段及び適当な還流
比が与えられ、本発明の他の面が追従した場合、90重
量%より高い、更に典型的には、95重量%より高い、
最も好ましくは99重量%より高いシクロブタノン生成
物純度を、容易に達成することができる。
【0027】ポット内の残渣は、典型的には、未回収の
シクロブタノン並びにシクロプロパンカルボン酸、γ−
ブチロラクトン、シクロブタノール、シクロプロパンメ
タノール、アルコールの混合エーテル及びエーテルとア
ルコールとの間の反応から生成されたケタールのような
高沸点不純物を含む。本発明者らは、工程(5)からの
蒸留釜ポット残渣を、次の工程(5)の蒸留に供給する
のではなくて、次の工程(3)蒸留に再循環することが
有利であることを見出した。この方式で、シクロブタノ
ール及びシクロプロパンメタノールは、工程(5)蒸留
の蒸留釜ポット内でかなりの程度のレベル、即ち、2〜
3重量%より多くまで蓄積されない。第二塔の底内の脱
水環境内の高濃度のアルコールは、ヘミケタール及びケ
タールへのシクロブタノールの損失を促進し、また水発
生にも至る。次いで、生成物シクロブタノンについての
高い回収率及び厳しい水仕様は、適合させることが困難
である。シクロブタノンからのアルコールの分離は、工
程(3)蒸留に於いて、ヘミケタール/ケタール平衡を
ケタールではなくてシクロブタノン/アルコールの方に
移動させる、大過剰の水の存在下で最も良く行われる。
【0028】ここでは、本発明によって提供される方法
を回分式操作として詳細に説明したが、これは連続方式
で操作できることは当業者に明らかな通りである。
【0029】工程(4)の有機相(i)中のアルデヒド
レベルが、シクロブタノン生成物の所望の純度仕様より
も高い場合、工程(5)の蒸留の前に、このようなアル
デヒドの幾らか又は全部を除去することが必要である。
通常、シクロブタノン生成物のアルデヒド含有量は、2
重量%より低く、好ましくは0.5重量%よりも低く、
更に好ましくは0.2重量%よりも低くしなくてはなら
ない。蒸留により分離することが特に困難であるアルデ
ヒドは、シクロプロパンカルボキサルデヒド及びシス/
トランス−クロトンアルデヒドである。これらのアルデ
ヒドは、シクロブタノンの数度以内で沸騰し、蒸留によ
って経済的に除去することが極めて困難である。従っ
て、これらを他の手段によって除去することが望まし
い。この好ましい手段は、蒸留によって容易に分離でき
る高沸点種への化学的転化によるものである。本発明者
らは、沸点の近いアルデヒド不純物を、分子状酸素若し
くは空気のような分子状酸素含有ガスによる酸化により
又はアミン若しくは無機塩基により触媒作用される縮合
反応により、高沸点で容易に蒸留可能な化合物に転化で
きることを見出した。
【0030】沸点の近いアルデヒド不純物は、工程
(4)の有機相(i)を、酸素、空気又は酸素富化空気
のような分子状酸素含有ガスと接触させることによっ
て、穏和な条件下で高沸点の酸に容易に転化することが
できる。従って、分子状酸素又は空気を、アルデヒド含
有混合物を通してバブリングさせ、所定の接触時間の
間、酸化温度に保持することができる。酸化のための典
型的な条件は、20〜80℃で4〜120時間保持、更
に典型的に40〜60℃で15〜60時間保持である。
この酸化反応は、アルデヒドの酸化の方に非常に選択的
であり、ケトンの損失は通常、最初の装入量の1%より
も著しく小さい。
【0031】他の酸化剤、例えば、過酸化剤がアルデヒ
ドを酸に転化することは当該技術分野で公知であるが、
本発明者らは、これらの化合物は本発明に於いては不利
になることを見出した。過酢酸のようなペルオキシ酸
は、これらが非選択的であり、大量のシクロブタノンを
アルデヒドと同様に破壊するので好ましくない。アルデ
ヒドはペルオキシ酸に対して非常に反応性であるが、ア
ルデヒドを越えた大過剰のシクロブタノンの存在下に、
ラクトン、γ−ブチロラクトンの生成が、アルデヒドか
らの酸の生成を越えて優勢である傾向がある。同様の理
由のために、過酸化水素又はtert−ブチロヒドロペ
ルオキシドのような有機ヒドロペルオキシドは好ましく
ない。
【0032】アルデヒドを容易に蒸留可能な化合物に転
化する第二の方法は、塩基触媒作用アルドール型縮合反
応によるものである。触媒量、例えば、存在するアルデ
ヒドの量基準で0.1〜1化学量論的当量の塩基を、工
程(4)の有機相(i)に添加する。アルデヒド含有混
合物を加熱し、所定時間の間ある温度に保持する。この
縮合反応反応の典型的な条件は、20〜80℃で2〜7
5時間、更に典型的に40〜60℃で15〜50時間の
反応時間である。反応時間の間、より反応性のアルデヒ
ドが高沸点縮合生成物に転化し、その間に少量部分のシ
クロブタノンのみが同様の縮合反応に関与する。
【0033】好ましい塩基は、第二級及び第三級アミ
ン、無機塩基並びに塩基性樹脂、特に第二級アミン官能
基を有するものである。より弱い塩基は、反応速度を低
下させるが、ケトン縮合を越えてアルデヒドの方に一層
選択的であり、従って好ましい。好ましい塩基は、11
より小さい、更に好ましくは10.5より小さいpKa
を有する。好ましい第二級及び第三級アミンには、ジ−
及びトリ−アルキルアミン(但し、アルキル基は、炭素
数1〜20、好ましくは炭素数2〜10のアルキル及び
炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基から選択される)
が含まれる。特に好ましい塩基は、ジエタノールアミン
である。n−ブチルアミンのような第一級アミンは、こ
れらが非選択的であり、大部分のシクロブタノンをアル
デヒドと同様に破壊するので好ましくない。アルデヒド
は塩基触媒作用縮合反応に対して非常に反応性である
が、アルデヒドを越えた大過剰のシクロブタノンの存在
下に、ケトン誘導イミンの生成が、アルデヒドのアルド
ール縮合生成物の生成を越えて優勢である傾向がある。
【0034】塩基は、試薬としてよりもむしろ触媒とし
て作用するので、塩基は、最終蒸留工程の間、縮合反
応、特に望ましくないシクロブタノン縮合反応に触媒作
用し続けるであろう。シクロブタノン縮合の触媒作用を
し続けるこの傾向は、蒸留リボイラー又は蒸留釜ポット
の高温度及び乾燥環境下で特に顕著である。従って、シ
クロブタノンを高収率で得るためには、最終蒸留工程の
前に塩基を除去若しくは中和するか又は塩基を第二蒸留
の間に迅速に除去することが重要である。塩基が、シク
ロブタノン−水共沸混合物よりも低くて沸騰するか又は
水と共にシクロブタノン−水共沸混合物よりも低い沸点
を有する共沸混合物を生成する場合、この塩基を、工程
(5)で、例えば、工程(5)の第一留出物(i)の一
部として、蒸留釜から迅速に除去することができる。例
えばジイソプロピルアミンは、74℃の沸点を有する水
との最低沸点共沸混合物を生成し、従って、工程(5)
の第一留出物(i)の一成分として蒸留により除去する
ことができる。低沸点アミン及び水の共沸混合物を含む
第一留出物の量は、工程(5)で蒸留される物質の、典
型的に0.2〜3.0重量%、更に典型的に0.5〜
2.0重量%である。塔ヘッド温度は、典型的に、前カ
ットを捕集している間、アミン−水共沸混合物の沸点に
近いであろう。勿論、実際のヘッド温度は、塔の運転圧
力に依存する。従って、例えば、740トルで、塩基触
媒としてジイソプロピルアミンで約73〜74℃であろ
う。アミン又はアミン−水共沸混合物の沸点は、シクロ
ブタノン−水共沸混合物の沸点よりも少なくとも8℃、
更に好ましくは少なくとも15℃低いことが好ましい。
【0035】塩基触媒、特に蒸留により除去することが
できない高沸点塩基は、酸の添加によって中和すること
ができるが、正確な滴定は困難である。完全に中和する
ためには少なすぎる酸を使用すると、残留する塩基の触
媒作用は改良されず、一方、多すぎる酸を使用すると、
次の最終蒸留工程での望ましくない酸触媒作用ケタール
及びエーテル生成反応が促進される。本発明者らは、強
酸型樹脂、例えば、スルホン酸基を有する酸性イオン交
換樹脂での処理によって、シクロブタノン混合物から塩
基を効率よく除去できることを見出した。この酸樹脂
は、塩基含有混合物と、樹脂粉末のスラリーとして又は
樹脂の充填床中で接触させることができる。樹脂をスラ
リー化した場合、これは、当該技術分野で公知である濾
過方法によって混合物から回収することができる。好ま
しい酸樹脂は、水素型アンバーリスト(Amberly
st)15樹脂である。類似の形態の多くの他の樹脂
が、塩基除去のために有効に機能するであろう。
【0036】高沸点溶媒(溶媒I)を、任意に、蒸留工
程(5)の供給物に添加して、熱移動及びシクロブタノ
ン回収を改良するための蒸留のためのヒール(hee
l)又は残渣を与えることができる。この溶媒Iは、下
記の特徴、即ち、(1)シクロブタノンの沸点よりも著
しく高い、例えば少なくとも30℃高い沸点、(2)シ
クロブタノンと二元共沸混合物を形成しない、(3)純
粋のシクロブタノンの沸点に近い、例えば10℃以内の
沸点を有するアルコール汚染物質と二元共沸混合物を形
成しない並びに(4)シクロブタノンと非反応性であ
る、を有しなくてはならない。このような高沸点不活性
溶媒Iの例は、n−デカン、n−ノナン及びイソ酪酸イ
ソブチルのような、高沸点、直鎖及び分枝鎖アルカン及
びアルカン酸のアルキルエステルである。これらの特性
を有する混合溶媒も、本発明のこの面のために有用であ
る。不活性補助溶媒Iは、典型的に、少なくとも130
℃、好ましくは140〜200℃の沸点を有する。使用
することができる任意の高沸点溶媒の量は、典型的に、
工程(5)の蒸留のための供給物質の重量基準で、0.
1〜2重量部の範囲内である。
【0037】本発明によって提供される方法の他の変形
では、工程(5)に於いて外部溶媒(溶媒II)を使用す
る。外部溶媒IIは、シクロブタノン、水及び下記の特
徴、(1)この溶媒は、水と共に不均一最低沸点二元共
沸混合物又は水及びシクロブタノン(これは、三元系の
全ての二元共沸混合物及び純粋の成分の最低沸点物であ
る)との不均一三元最低沸点共沸混合物を形成する、並
びに(2)この溶媒は、シクロブタノンと非反応性であ
る、を有する外部溶媒IIからなる三成分系を与えるよう
に選択される。不活性な外部溶媒IIは、好ましくは純粋
のシクロブタノンの沸点に近く、即ち10℃以内の沸点
を有する、アルコール汚染物質と二元共沸混合物を形成
しない。有機溶媒IIは、好ましくは炭素数7以下の脂肪
族、シクロ脂肪族及び芳香族炭化水素;炭素数6以下の
脂肪族、芳香族及び環式エーテル;炭素数5以下の脂肪
族及びシクロ脂肪族ニトリル;炭素数6以下の脂肪族及
びシクロ脂肪族ケトン;炭素数6以下及び塩素数3以下
又はフッ素数6以下又は臭素数3以下の脂肪族及びシク
ロ脂肪族ハロゲン化炭化水素並びに炭素数5以下の脂肪
族及びシクロ脂肪族エステルから選択される。不活性外
部溶媒IIの具体例には、メチルtert−ブチルエーテ
ル(MTBE)、tert−アミルエーテル、酢酸エチ
ル、酢酸イソプロピル、n−ペンタン、n−ヘキサン、
シクロヘキサン、メチルイソプロピルケトン、1−クロ
ロブタン及び2−クロロブタンが含まれる。
【0038】蒸留工程(5)に於いて、不活性な外部有
機溶媒IIを使用する場合には、第一留出物画分を、溶媒
II−水二元共沸混合物又は溶媒II−水−シクロブタノン
三元共沸混合物の沸点の温度に近い塔ヘッド温度で捕集
する。そうして、例えば、溶媒IIとしてMTBEでそし
て約740トルの塔圧力で、ヘッド温度は約51〜52
℃であろう。第一留出物(i)の組成は、本質的に、溶
媒IIを含有する二元又は三元共沸混合物からなる。第一
留出物(i)は、放置すると二つの液相に分離するであ
ろう。水相は次の工程(3)蒸留に再循環させることが
でき、有機相は次の工程(5)蒸留に再循環させること
ができる。第一留出物(i)の捕集は、蒸留釜ポットか
ら実質的に全ての水が使い尽くされるまで続けられる。
蒸留釜内の水含有量が、この溶媒との二元又は三元共沸
混合物の組成より下に低下したとき、ヘッド温度は、徐
々に、外部溶媒IIの沸点の方に上昇する。水、シクロブ
タノン及び溶媒IIからなる次の留出物画分が、最後のト
レース量の水として取られ、任意の過剰の溶媒IIが上方
に蒸留される。この画分も次の工程(3)蒸留に再循環
させることができる。塔ヘッド温度が、純粋のシクロブ
タノンの沸点に密接して近づいたとき、即ち、純粋のシ
クロブタノンの沸点から約1℃以内であるとき、生成物
画分(ii)の捕集を前記のように始める。
【0039】工程(5)で蒸留される供給物質に添加さ
れる外部不活性溶媒IIの量は、供給物質の水含有量に基
づいている。通常、溶媒II−水二元共沸混合物又は水−
溶媒II−シクロブタノン三元共沸混合物の組成に対して
過剰、好ましくは5〜30%過剰を与えるために十分な
溶媒IIを、蒸留釜ポットに装入する。従って、例えば、
溶媒IIとしてMTBEを使用する場合、MTBE−水二
元共沸混合物の組成は、4重量%の水である。それで、
MTBEを、供給物中の水1kg当たりMTBE少なくと
も24kg、更に典型的に水1kg当たりMTBE25.2
〜36kgの割合で添加する。
【0040】本発明の更に他の変形に於いて、工程
(3)及び工程(5)蒸留を、異なった圧力を使用して
行う。本明細書に於いて連続供給方式で操作するとして
記載された、本発明のこの態様に於いて、工程(4)に
於いて前期に特定した分離操作は、90%以上の純度を
有するシクロブタノンを回収する全体方法の成功した操
作のために必須ではない。しかしながら、工程(4)分
離をこの方法の操作に含めることができる。従って、本
発明のこの態様は、シクロブタノールの水中での酸化か
ら得られる、シクロブタノン、水及び複数の他の有機化
合物を含む粗生成物混合物から、少なくとも90重量%
の純度でシクロブタノンを回収する方法であって、
(I)粗生成物混合物を蒸留して、(i)シクロブタノ
ン、水、シクロプロパンメタノール、シクロブタノー
ル、3−ブテン−1−オール、2−ブテン−1−オー
ル、シクロプロパンカルボキシアルデヒド;シクロブタ
ノール、シクロプロパンメタノール、3−ブテン−1−
オール及び2−ブテン−1−オールのエーテル及び混合
エーテル並びにシクロプロパンメタノール、シクロブタ
ノール、3−ブテン−1−オール及び2−ブテン−1−
オールとシクロブタノンとのヘミケタール及びケタール
を含む留出物並びに(ii)水、金属塩並びにγ−ブチロ
ラクトン、シクロプロパンカルボン酸並びにシクロプロ
パンメタノール、シクロブタノール、3−ブテン−1−
オール及び2−ブテン−1−オールとシクロブタノンと
のヘミケタール及びケタールを含むような高沸点有機化
合物を含む蒸留残渣を得る工程、(II)得られた混合物
を、(i)留出物中に含まれる少量割合のシクロブタノ
ン及びエーテル、ケタール及び有色体のような、シクロ
ブタノンよりも水中に溶解し難い多量割合の不純物を含
む有機相と(ii)水、留出物中に含まれる多量割合のシ
クロブタノン、アルコール及びシクロプロパンカルボキ
サルデヒドのような一層親水性の少量割合の不純物を含
む水相とに分離させる工程、(III)工程IIからの水相
を、100〜2000トルの範囲内の圧力で蒸留して、
(i)水及びシクロブタノンの共沸混合物を含む凝縮し
た留出生成物並びに(ii)水、シクロプロパンカルボン
酸、γ−ブチロラクトン、シクロブタノール、シクロプ
ロパンメタノール、アルコールの混合エーテル及びエー
テルとアルコールとの間の反応から生成したケタールを
含む塔下流生成物を得る工程並びに(IV)工程III から
の留出物(i)を、2000〜6000トルの圧力で蒸
留して、(i)水及びシクロブタノンの共沸混合物(こ
れは、工程III の蒸留の供給物に再循環する)を含む留
出生成物及び(ii)少なくとも90%の純度を有するシ
クロブタノンを含む塔下流生成物を得る工程を含んでな
る(但し、工程IVの蒸留は、工程III を操作する圧力よ
りも少なくとも760トル高い圧力で操作する)工程に
よる方法からなる。
【0041】蒸留工程III は、100〜2000トル
(0.013〜0.26MPa)、好ましくは、700
〜1250トル(0.093〜0.17MPa)の圧力
で操作する。工程III 蒸留からの凝縮した蒸留生成物
は、任意に沸点の近いアルデヒドを分解した後で、シク
ロブタノンの最終精製のために、蒸留工程III よりも高
い圧力での工程IV蒸留塔に供給する。工程IV蒸留塔は、
工程III 蒸留塔の圧力よりも、実質的に高い、例えば、
少なくとも760トル(0.1MPa)、更に好ましく
は、少なくとも2280トル(0.3MPa)高い圧力
で操作する。工程IV蒸留塔は、典型的に、2000〜6
000トル(0.26〜0.8MPa)の圧力、更に典
型的に、3500〜5500トル(0.4〜0.53M
Pa)の圧力で運転する。十分な段及び適当な還流比が
与えられ、本発明の他の面が追従した場合、90重量%
より高い、更に典型的に、95重量%より高い、最も好
ましくは、99重量%より高いシクロブタノン生成物純
度を、容易に達成することがきる。
【0042】本発明の新規な方法を、下記の実施例によ
り更に例示する。実施例に記載したパーセントは、他に
特定しない限り重量基準である。
【0043】粗シクロブタノン生成物の製造 50リットルの丸底ガラス製フラスコに、電気加熱マン
トル、空気駆動攪拌モータ及びサーモカップルを取り付
けた。フラスコの一つの口に、0.61メートル(2フ
ィート)の長さで、蒸留ヘッド、水冷凝縮器を備えた短
い非充填ガラス製塔をはめ込み、5リットルのドロップ
−ボトム(drop−bottom)受容フラスコに接
続した。受容器及び反応フラスコの両方を窒素で覆い、
ドライアイス・ベントトラップを取り付けた。反応フラ
スコに、5750gの水を装入した。空気駆動撹拌機を
始動させ、1315gの濃塩酸及び1140gのシクロ
プロパンメタノールをフラスコに添加した。この混合物
を還流まで加熱し、この温度で4時間保持した。この混
合物を30℃に冷却し、空気駆動攪拌モータ、サーモカ
ップル、窒素パージライン及びドライアイスベント凝縮
器を取り付けた、氷冷ジャケット付き50リットルの丸
底フラスコに移した。攪拌しながら、0.9リットルの
水を氷冷フラスコに添加し、続いて3961gのシュウ
酸を添加した。反応物を25℃に冷却させ、4860g
の水中の3148gの三酸化クロムの混合物を、ジャケ
ット付きフラスコに10時間かけて、25℃の温度を維
持しながら、滴下により添加した。三酸化クロム水溶液
の添加が完結したとき、反応混合物を1時間25℃で攪
拌した。
【0044】例1−工程(1)蒸留 上記のようにして製造した粗シクロブタノン生成物を、
50リットルの丸底蒸留フラスコに移し、沸点まで加熱
した。全取り出しで24時間の操作の経過に亘って、約
3881gの工程(1)蒸留物生成物を、受容器内に捕
集した。受容器内の工程(2)物質は、二つの液相に分
離した。少ない非常に着色した上の有機相(i)は、約
50%のシクロブタノンからなっていた。粗水相(ii)
は8.8%のシクロブタノンからなっていた。従って、
シクロブタノン濃度を好ましい範囲に調節するために、
水添加は必要でなかった。変動が可能であるが、水層
(ii)中のシクロブタノンの濃度は、典型的に、溶液の
3〜20%、更に典型的に、6〜15%である。有機層
(i)には、約95%以下のシクロブタノン、更に典型
的に、30〜85%のシクロブタノンが含有されていて
よい。
【0045】例2−工程(2)工程(1)留出物の有機
層(i)の水抽出 十字流抽出実験を、上記の工程(1)蒸留から得られた
有機相(i)について実施し、(1)有機相(i)か
ら、更なるシクロブタノンを回収できること及び(2)
水が、他の酸化副生物からシクロブタノンを分離するた
めの選択的溶媒であることを示した。有機相(i)は、
ほぼ水5%、シクロブタノン59%及び有機不純物36
%からなっていた。
【0046】一連の十字流抽出実験を、下記の手順によ
り、工程(1)蒸留から得られた少ない有機相(i)層
の部分について実施した。有機相(i)を、等質量の脱
イオン水と一緒に分離漏斗に装入した。この漏斗を2分
間振盪し、次いで相を分離させた。得られた水相及び有
機相をデカンテーションし、各相をGCにより分析し
た。このようにして第一抽出から得られた新しい有機相
を、次いで、第二抽出のためにもう一度等質量の新しい
脱イオン水と一緒にし、合計で8回の十字流抽出につい
て、以下同様にした。不純物の全てを個別に同定するこ
とは不可能であったので、熱伝導度(TC)検出器につ
いての単位応答係数を不純物について推定し、水、シク
ロブタノン及び不純物についての重量%を、100%に
対して正規化した。
【0047】一連の8回の十字流抽出についての相組成
及び分布係数を、表Iに示す。表Iに於いて、有機(又
は抽残液)相及び水(又は抽出物)相の重量はグラムで
示し、CBONはシクロブタノンであり、Impは存在
する不純物を表し、そして有機相及び水相の組成につい
て示す値並びに累積回収率は重量%である。分布係数
は、水(抽出物)相中の所定の成分の質量分率を、有機
(抽残液)相中の同じ成分の質量分率によって割ったも
のとして定義する。8回の抽出の後、元の有機層中のシ
クロブタノンの78%及び不純物の僅か19%が、一緒
にした抽出物流の中に回収された。より大量の水又はよ
り多くの抽出段を使用すると、シクロブタノンのより高
い回収率が可能である。シクロブタノンの分布係数は、
典型的に、不純物についてのものよりも一桁高く、それ
で水が、シクロブタノン対不純物のための非常に選択的
な抽出溶媒であることを示している。
【0048】
【表1】
【0049】例3−工程(3)蒸留 約789kg(1740ポンド)の上記の工程(1)蒸留
手順により製造した水相(ii)を、充填物入り6.1メ
ートル×25.4cm直径(20フィート×10インチ直
径)塔、還流スプリッター、凝縮器及び受容容器を取り
付けた5003.8リットル(500ガロン)のガラス
ライニング反応器に装入した。最初の装入物の組成は、
シクロブタノン約9%及びシクロプロパンカルボキサル
デヒド0.25%であった。反応器容器をスチームで加
熱し、塔ヘッド温度が約80℃に達するまで、全還流で
保持した。還流比を6/1に切り替えて、留出物カット
の捕集を始めた。81.8〜82℃のヘッド温度で、少
ない留出物前カットを捕集して低沸点物を系から除去し
た。前カットは、約2.9kg(6.39ポンド)又は最
初の装入物の0.4%の重量であり、約1.9kg(4.
13ポンド)のシクロブタノンからなっていた。生成物
画分を、6/1の還流比で、81.9〜85℃の塔ヘッ
ド温度で捕集した。生成物画分は、81.6kg(180
ポンド)の重量であり、シクロブタノン−水共沸混合物
の組成に近い78.5%のシクロブタノン及び0.35
%のシクロプロパンカルボキサルデヒドを含有してい
た。容器を冷却し、0.4%のシクロブタノンを含有す
る702.3kg(1548.5ポンド)の物質が、蒸留
釜ポットから排出された。シクロブタノン回収率は、9
5%アカウンタビリティ(accountabilit
y)で供給物装入量の97%であった。この実験は、明
らかに、シクロブタノンは共沸混合物組成に容易に濃縮
できるが、シクロブタノンはシクロプロパンカルボキサ
ルデヒドから効率よく分別できないことを示している。
【0050】例4−工程(4)分離 上記の工程(3)蒸留からの生成物画分を、二つの液相
に分離させた。19.5kg(43ポンド)の重量であ
り、18%のシクロブタノンを含有する底の水層[水相
(ii)]を、受容器から排出し、再循環のために保有し
た。62.1kg(137ポンド)の重量であり、94.
5%のシクロブタノン及び0.35%のシクロプロパン
カルボキサルデヒドを含有する上の有機層[有機相
(i)]を、更に精製するために保有した。
【0051】例5−工程(5)蒸留 約64.6kg(142.5ポンド)の上記の手順によっ
て製造した有機相(i)を、6.35mm(0.25イン
チ)HC−276ペン・ステート(PennStat
e)ランダム充填物を充填した1.37m×15.2cm
(54インチ×6インチ)直径の塔、還流スプリッタ
ー、凝縮器及び受容容器を取り付けた、100リットル
のガラス製蒸留釜ポットに装入した。この供給物質は、
任意のアルデヒド分解工程で処理しなかった。この蒸留
釜ポットをスチームで加熱し、ヘッド温度が約81.7
℃に達するまで、全還流で保持した。還流比を6/1に
切り替えて、第一留出物画分の捕集を始めた。シクロブ
タノン−水共沸混合物がポットから蒸留されたとき、ヘ
ッド温度は約82℃で一定のままであった。カラム内の
水含有量(inventory)が共沸混合物組成より
も下に落ちたとき、温度は急速に上昇し始め、約98℃
で平らになった。この画分[第一留出物(i)]は、重
量が22.7kg(50ポンド)の、80%のシクロブタ
ノンを含有する物質であった。これを、次の工程3蒸留
に再循環するために保有した。
【0052】工程5蒸留のこの時点で、水は蒸留釜から
本質的に使い尽くされ、生成物捕集を始めた。この蒸留
は、底ジャケット温度が143℃に達し、ヘッド温度が
99℃になるまで続けた。合計で約30.8kg(68ポ
ンド)の生成物画分[第二留出物(ii)]を捕集した。
この生成物画分には、シクロブタノン99.17%、水
0.15%、シクロプロパンカルボキシアルデヒド0.
57%、ブチロラクトン0.04%及び検出不能のシク
ロプロパンメタノール又はシクロブタノールが含有され
ていた。蒸留釜ポット残渣[蒸留残渣(iii)]は、8.
4kg(18.5ポンド)の重量であり、ほぼシクロプロ
パンメタノール0.3%、水0.04%及び未同定の重
い端部約5%からなっていた。この物質を、工程(3)
蒸留に再循環するために保有した。
【0053】例6−工程(3)蒸留 例1及び例2に記載した工程(1)蒸留及び工程(2)
分離によって得られた、シクロブタノン13.2%及び
シクロブタノール0.7%を含む水性混合物を、2.5
cm(1インチ)内径、真空ジャケット付き、20段オル
ダーショウ塔、液体分割ヘッド、還流タイマー及び冷却
水凝縮器を取り付けた、2リットルのガラス製丸底フラ
スコに装入した。この塔を、回分方式で6/1の還流比
で運転した。蒸留釜ポットへの装入物の約0.2%を、
79〜80℃の塔ヘッド温度で、低沸点物、水及び幾ら
かのシクロブタノンからなる留出物(i)として捕集し
た。主生成物[留出物(ii)]画分を、81.1℃〜8
5℃のヘッド温度で捕集した。シクロブタノン約80
%、水20%及びシクロブタノール0.1%未満の全組
成を有する留出物(ii)は、二つの液相に分離した。8
5℃より高いヘッド温度で捕集した最終留出物画分は、
高レベル、例えば、2%より高いレベルのシクロブタノ
ールを含有し、第一生成物カットから分離されて保持さ
れた。蒸留釜ポット残渣[蒸留残渣(iii)]には、シク
ロブタノール0.9%及びシクロブタノン1%未満が含
有されていることが見出された。第一生成物カット中の
シクロブタノンの全回収率は92%であった。この例
は、分離段、還流比及び塔ヘッド温度を注意深く制御す
ることによって、シクロブタノンからシクロブタノール
を効率よく分離できることを示している。
【0054】例7−工程(4)分離 例6に於けるようにして実施した、数回の工程(3)蒸
留の主生成物カットを、500mLの分離漏斗の中に注い
だ。合計質量は346.65gであった。この混合物を
相分離させた。シクロブタノン約21%からなる底の水
相(68.6g)をデカンテーションし、再循環するた
めに保有した。上の有機相(265.3g)は、シクロ
ブタノン92%及び水7.0%からなっていた。
【0055】例8−工程(5)蒸留 例7から得られた有機層の一部、254.5gを、回分
式蒸留装置の底ポットに装入した。この蒸留装置は、液
体分割ヘッド、還流タイマー、冷却水凝縮器、留出物受
容器フラスコ、窒素ブランケットライン及びドライアイ
スコールドトラップを取り付けた、2.5cm(1イン
チ)内径、真空ジャケット付きガラス塔に接続された、
500ミリリットルの丸底フラスコからなっていた。こ
の塔に、3.2mmペン・ステート充填物1メートル(4
0インチ)を充填した。全還流で定常状態に到達した
後、還流タイマーを16%引き取りに設定し、生成物捕
集を開始した。蒸留ヘッド温度を約82℃で一定に保持
しながら、62.4gの物質からなる初期留出物画分
[初期留出物(i)]を捕集した。この物質は受容器フ
ラスコ内で二つの液相に分離し、ガスクロマトグラフィ
ーにより、本質的に水−シクロブタノン共沸混合物の組
成(一緒にした水層及び有機層内でシクロブタノン約8
0%)を有すると見出された。この時点で、残留する水
が底ポットから共沸して出たので、塔ヘッド温度は約9
6.5℃まで鋭く上昇した。最初は、受容器の留出物は
二つの液相を形成したが、第二画分の捕集の終わりに、
留出物は一つの液相に戻った。第二画分として、合計3
4.5gを捕集した。第二画分には水約5.7%が含有
されていた。ヘッド温度を96.5〜96.7℃に保持
しながら、第三画分90.54gを捕集した。この生成
物画分[留出物(ii)]は、ガスクロマトグラフィーに
よりシクロブタノン99.95%及び水0.05%並び
にGC質量分光法により微量のシクロブタノールからな
っていたことが見出された。他の不純物は同定されなか
った。塔を冷却し、蒸留釜ポット内の残渣を、分析用に
集めた。残渣[蒸留残渣(iii)]は、37gの重量であ
り、シクロブタノン約96%、シクロブタノール1%並
びに非定量レベルのケタール、エーテル及びその他の高
沸点化合物からなっていた。
【0056】例9−ジエタノールアミン触媒作用アルデ
ヒド転化 シクロブタノン(CBON)約88%及びシクロプロパ
ンカルボキサルデヒド(CPCA)0.56%を含有す
る、例4からの有機層のサンプル350gを、1.75
gのジエタノールアミン(DEA)と、ガラス製ジャケ
ット付き丸底フラスコ内で混合した。フラスコの内容物
を、不活性窒素雰囲気下で連続的に攪拌しながら、50
℃に加熱した。この温度で7.5時間の反応時間の後、
物質をサンプリングし、加熱を更に15時間続けた。こ
の時点での物質のGC分析により、CPCAの87.5
%が高沸点アルデヒド縮合オリゴマーに転化し、最初の
CBONの96.9%より多くが元のままであったこと
が示された。フラスコを15〜20℃に冷却し、3.5
gの水素型アンバーリスト15イオン交換樹脂を、攪拌
しながら添加した。この物質を15〜20℃で4時間保
持し、次いで濾過して樹脂を除去した。濾過した液体1
ミリリットルを90℃で24時間保持したとき、非常に
少量のシクロブタノンが失われ、殆ど全部のDEAが樹
脂処理によって除去されたことを示した。
【0057】例10−ジエタノールアミン触媒作用アル
デヒド転化 シクロブタノン(CBON)約88%及びシクロプロパ
ンカルボキシアルデヒド(CPCA)0.56%を含有
する、例4からの有機層のサンプル100gを、0.5
1gのジエタノールアミン(DEA)と、ガラス製ジャ
ケット付き丸底フラスコ内で混合した。フラスコを、不
活性窒素雰囲気下で7.5時間60℃で保持した。物質
をサンプリングし、次いで50℃に冷却し、更に14.
5時間保持した。第二のサンプルを取り、フラスコを5
0℃で更に24.5時間保持した。この時点での物質の
GC分析により、CPCAの100%が高沸点アルデヒ
ド縮合オリゴマーに転化したことが示された。最初のC
BONの91%より多くが元のままであった。フラスコ
を34℃に冷却し、1.0gの水素型アンバーリスト1
5イオン交換樹脂を、攪拌しながら添加した。この物質
を28℃で6.5時間保持し、次いで濾過して樹脂を除
去した。次いで、フラスコを60℃に加熱し、この温度
で更に15時間保持して、より高い温度でのCBONの
安定性を検査した。GC分析により、最終保持期間の間
に、シクロブタノン濃度に於ける低下は示されず、殆ど
全部のDEAが樹脂処理によって除去されたことを示し
た。
【0058】例11−空気酸化アルデヒド転化 例4からの有機層のサンプル1mLを、蒸気空間に空気を
存在させた7.4mL(0.25オンス)密閉バイアル内
で、60℃で攪拌した。この物質を、60℃で16時
間、54.5時間及び79.5時間後にサンプリング
し、分析した。各サンプル中に存在するCPCA及びC
BONの量は、下記の通りであった。
【0059】 出発物質残留パーセント 反応時間 CPCA CBON 0 100 100 16 44.6 99.7 54.5 25 99.5 79.5 12.5 99.5
【0060】この例は、穏和な条件下での空気酸化が、
シクロブタノン生成物の少量の損失でアルドヒドの有効
な分解方法であることを示す。純粋のシクロブタノン基
準で、CPCAレベルは0.37重量%から、十分に好
ましいアルデヒド仕様範囲内である0.043重量%に
低下した。
【0061】例12−ジイソプロピルアミン触媒作用ア
ルデヒド転化 シクロブタノン99%超及びCPCA0.57%のGC
アッセイを有するシクロブタノン(100mL)を蒸留水
と混合し、二つの液相に分離させた。有機層は、シクロ
ブタノン94.05%、水5.86%及びシクロプロピ
ルカルボキサルデヒド0.49%からなっていた。デカ
ンテーションした後、約1mLのジイソプロピルアミンを
有機層に添加した。この混合物を60℃に加熱し、この
温度で維持し、60℃での加熱の2時間、6.7時間及
び28.7時間後にサンプルを取り、分析した。各サン
プル中に存在するCPCA及びCBONの量は、下記の
通りであった。
【0062】 出発物質残留パーセント 反応時間 CPCA CBON 0 100 100 2 73.7 97.6 6.7 47.4 92.3 28.7 28.1 89.4
【0063】ジイソプロピルアミンを使用すると、シク
ロブタノンのまずまずの損失で、CPCAの実質的な分
解になった。
【0064】例13−ジエタノールアミン触媒作用アル
デヒド転化 例4に記載したようにして製造した有機生成物画分を、
例2に記載したようにして製造した留出物有機層と混合
した。CPCA0.55%及びシクロブタノン>85%
を含有するこの物質の約37kgを、22リットルのジャ
ケット付きガラス製容器内で、185gのジエタノール
アミンと混合し、50℃で23時間攪拌した。この混合
物を20℃に冷却し、370gの水素型アンバーリスト
15イオン交換樹脂を添加した。この混合物を4時間攪
拌し、次いで0.45ミクロンフィルターを通して濾過
した。濾液中のCPCAレベルは、GC分析により、最
初のシクロブタノンの95%が元のままで、0.05%
より低いことが見出された。
【0065】例14−工程(5)蒸留 例13で製造した精製した物質を、例5に記載した手順
及び装置を使用して蒸留した。34.7kgの重量の生成
物画分を、GCにより分析して、シクロブタノン99.
73%、水0.1%、シクロプロパンカルボキサルデヒ
ド0.05%未満及び検出不能のシクロブタノール又は
シクロプロパンメタノールが含有されていたことが見出
された。
【0066】例15−工程(5)外部溶媒と一緒の蒸留 この例は、シクロブタノンの最終脱水及び精製での、不
活性共沸混合物形成溶媒の使用を示す。例7に記載した
手順によって得られた有機相(271.6g)を、83
1.8gのメチルtert−ブチルエーテル(MTB
E)と一緒に、回分式蒸留装置の2リットルの底ポット
に装入した。この蒸留装置は、3.2mm(1/8イン
チ)ペン・ステート充填物1メートル(40インチ)を
充填した、2.54cm(1インチ)内径、真空ジャケッ
ト付きガラス塔からなっていた。この塔に、液体分割ヘ
ッド、還流タイマー、冷却水凝縮器、留出物受容器フラ
スコ、電気加熱マントル、窒素ブランケットライン及び
ドライアイスコールドトラップを取り付けた。全還流で
定常状態沸騰に到達した後、還流タイマーを20%引き
取りに設定し、留出物捕集を開始した。初期留出物画分
は、50.6℃〜51.9℃の塔ヘッド温度で捕集し
た。この物質は、受容器フラスコ内で二つの液相に分離
し、ガスクロマトグラフィーにより、本質的に水−MT
BE共沸混合物で、全体で約3%の水の組成を有するこ
とが見出された。蒸留釜の水含有量が共沸混合物よりも
下に落ちたとき、殆ど純粋のMTBEが上方に取り除か
れたので、ヘッド温度は徐々に約54℃に上昇した。最
後の微量のMTBEがポットから蒸留されたとき、塔ヘ
ッド温度は95.8〜96.8℃まで急速に上昇した。
温度が96.8℃で安定したとき、生成物画分を捕集し
た。ポット内容物が約50gまで減少し、レベルが底ポ
ット内のサーモカップルよりも十分に低かったとき、蒸
留を停止した。生成物画分の平均純度は、シクロブタノ
ン99.8%、MTBE0.03%未満及び水0.1%
未満であった。ポット残渣はシクロブタノン99.7重
量%であった。
【0067】例16−圧力差を使用する工程III 及びIV
蒸留 この例は、異なった圧力を使用する工程III 及びIV蒸留
の運転を示す。連続式2塔圧力差蒸留配列を模擬するた
めに、プロセスシミュレーターを使用した。工程III 蒸
留は、供給点から上に15段で、1034トル(0.1
38MPa)で、3の乾留比で運転する、30の理論段
からなる塔としてシミュレートした。工程IV蒸留は、供
給点から上に7段で、5170トル(0.69MPa)
で、2.5の乾留比で運転する、20の理論段からなる
塔としてシミュレートした。第一塔への新しい供給物
は、表II中に特定した組成で、1時間当たり200kg−
モルの速度で供給した。工程IV蒸留塔からの留出物を、
工程III 蒸留塔の供給物に再循環し、一方、工程III 蒸
留塔からの留出物を、工程IV蒸留塔に供給した。水及び
シクロブタノールを、工程III 蒸留塔からの塔下流とし
て塔の底から取り出し、シクロブタノン生成物を、工程
IV蒸留塔からの塔下流として取り出した。シミュレーシ
ョンの結果を表IIに示す。表IIに於いて、モル流量はkg
−モル/時であり、工程IV留出物は工程III に再循環す
る。
【0068】 表II モル流量 流 れ シクロブタノン シクロブタノール 新しい供給物 6.12 193.64 0.24 工程(III)留出物 29.29 30.63 9.5E-7 工程(III)下流 0.03 193.63 0.24 工程(V)留出物 23.30 30.63 4.1E-10 工程(V)下流 6.09 6.1E-3 9.5E-7
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート ステアリング クライン アメリカ合衆国,テネシー 37877,タル ボット,ウエスト ポイント ドライブ 8124 (72)発明者 デューイ ウェイン フラー,ジュニア アメリカ合衆国,テネシー 37620,ブリ ストル,バンス ドライブ 608 (72)発明者 マリー キャサリーン フォスター アメリカ合衆国,テネシー 37659,ジョ ーンズポロー,ローカスト ストリート 512 (72)発明者 スティーブン ニール フォーリング アメリカ合衆国,テネシー 37663,キン グスポート,ウェイクフィールド コート 522 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC44 AD11 AD12 AD16 BB31 BC51 BC52

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロブタノールの水中での酸化から得
    られる、シクロブタノン、水及び複数の他の有機化合物
    を含む粗生成物混合物から、少なくとも90重量%の純
    度でシクロブタノンを回収する方法であって、 (1)粗生成物混合物を蒸留して、(i)シクロブタノ
    ン、水、シクロプロパンメタノール、シクロブタノー
    ル、3−ブテン−1−オール、2−ブテン−1−オー
    ル、シクロプロパンカルボキシアルデヒド;シクロブタ
    ノール、シクロプロパンメタノール、3−ブテン−1−
    オール及び2−ブテン−1−オールのエーテル及び混合
    エーテル並びにシクロプロパンメタノール、シクロブタ
    ノール、3−ブテン−1−オール及び2−ブテン−1−
    オールとシクロブタノンとのヘミケタール及びケタール
    を含む留出物並びに(ii)水、金属塩及び高沸点有機化
    合物を含む蒸留残渣を得る工程、 (2)工程(1)からの留出物を、(i)留出物中に含
    まれる少量割合のシクロブタノン及びシクロブタノンよ
    りも水中に溶解し難い多量割合の不純物を含む有機相と
    (ii)水、留出物中に含まれる多量割合のシクロブタノ
    ン及び一層親水性の少量割合の不純物を含む水相とに分
    離させる工程、 (3)工程(2)からの水相を蒸留して、(i)水及び
    水相中の有機不純物からなる低沸点共沸混合物を含む少
    量割合の留出物、(ii)水及びシクロブタノンの共沸混
    合物からなる多量割合の留出物並びに(iii)水、シクロ
    プロパンカルボン酸、γ−ブチロラクトン、シクロブタ
    ノール、シクロプロパンメタノール、アルコールの混合
    エーテル及びエーテルとアルコールとの間の反応から生
    成されたケタールを含む蒸留残渣を得る工程、 (4)工程(3)からの留出物(ii)を、(i)シクロ
    ブタノン、水及び沸点の近いアルデヒドを含むシクロブ
    タノン富化有機相と(ii)シクロブタノン及び水を含む
    水相とに分離させる工程並びに (5)工程(4)からの有機相(i)を蒸留して、
    (i)水及びシクロブタノンの共沸混合物を含む第一の
    留出物、(ii)少なくとも90%の純度を有するシクロ
    ブタノンを含む第二の留出物並びに(iii)シクロブタノ
    ール、シクロプロパンメタノール、アルコールの混合エ
    ーテル及びエーテルとアルコールとの間の反応から生成
    されたケタールを含む蒸留残渣を得る工程を含んでなる
    シクロブタノンの回収方法。
  2. 【請求項2】 工程(1)で蒸留される粗生成物混合物
    がシクロブタノン2〜20重量%、水70〜97重量%
    及び不純物0.2〜10重量%を含み、工程(1)から
    の凝縮留出物中のシクロブタノンの濃度が4〜12重量
    %であり、工程(3)の蒸留塔が少なくとも15個の平
    衡段を有し、工程(5)の蒸留塔が少なくとも12個の
    平衡段を有し、そして工程(5)の第二の留出物(ii)
    が少なくとも95%の純度を有するシクロブタノンを含
    む請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 工程(2)からの有機相(i)を、1:
    4〜5:1の水:有機相重量比を使用して水で抽出し、
    そしてこの水抽出物相を工程(2)の水相(ii)と組み
    合わせる請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 工程(4)の有機相(i)を分子状酸素
    含有ガス又は塩基と接触させて、存在するアルデヒドを
    高沸点化合物に転化させる請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 有機相を20〜80℃の温度で空気と接
    触させる請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 有機相を20〜80℃の温度で、第二級
    又は第三級アミンと接触させる請求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 工程(5)を、(1)シクロブタノンの
    沸点よりも少なくとも30℃高い沸点を有し、(2)シ
    クロブタノンと二元共沸混合物を形成せず、(3)純粋
    のシクロブタノンの沸点の10℃以内の沸点を有するア
    ルコール汚染物質と二元共沸混合物を形成せず、そして
    (4)シクロブタノンと非反応性である高沸点溶媒の存
    在下に実施する請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 高沸点不活性溶媒が140〜200℃の
    沸点を有し、直鎖及び分岐鎖アルカリ並びにアルカン酸
    のアルキルエステルから選択される請求項7に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 工程(5)を、(1)水と共に不均一最
    低沸点二元共沸混合物又は水及びシクロブタノン(これ
    は、三元系の全ての二元共沸混合物及び純粋の成分の最
    低沸点物である)との不均一三元最低沸点共沸混合物を
    形成し、(2)シクロブタノンと非反応性であり、そし
    て(3)純粋のシクロブタノンの沸点の10℃以内の沸
    点を有するアルコール汚染物質と二元共沸混合物を形成
    しない外部有機共沸混合物形成性溶媒の存在下に実施す
    る請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 外部共沸混合物形成性溶媒が、炭素数
    7以下の脂肪族、シクロ脂環族及び芳香族炭化水素;炭
    素数6以下の脂肪族、芳香族及び環状エーテル;炭素数
    5以下の脂肪族及びシクロ脂環族又は芳香族ニトリル;
    炭素数6以下の脂肪族及びシクロ脂肪族ケトン;炭素数
    6以下及び塩素原子数3以下、フッ素原子数6以下又は
    臭素原子数3以下の脂肪族及びシクロ脂肪族ハロゲン化
    炭化水素並びに炭素数5以下の脂肪族及びシクロ脂肪族
    カルボン酸エステルから選択される請求項9に記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 外部共沸混合物形成性溶媒が、メチル
    tert−ブチルエーテル、tert−アミルエーテ
    ル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、n−ペンタン、n
    −ヘキサン、シクロヘキサン、メチルイソプロピルケト
    ン、1−クロロブタン及び2−クロロブタンから選択さ
    れる請求項9に記載の方法。
  12. 【請求項12】 シクロブタノールの水中での酸化から
    得られる、シクロブタノン、水及び複数の他の有機化合
    物を含む粗生成物混合物から少なくとも90重量%の純
    度でシクロブタノンを回収する方法であって、 (I)粗生成物混合物を蒸留して、(i)シクロブタノ
    ン、水、シクロプロパンメタノール、シクロブタノー
    ル、3−ブテン−1−オール、2−ブテン−1−オー
    ル、シクロプロパンカルボキシアルデヒド;シクロブタ
    ノール、シクロプロパンメタノール、3−ブテン−1−
    オール及び2−ブテン−1−オールのエーテル及び混合
    エーテル並びにシクロプロパンメタノール、シクロブタ
    ノール、3−ブテン−1−オール及び2−ブテン−1−
    オールとシクロブタノンとのヘミケタール及びケタール
    を含む留出物並びに(ii)水、金属塩並びにγ−ブチロ
    ラクトン、シクロプロパンカルボン酸並びにシクロプロ
    パンメタノール、シクロブタノール、3−ブテン−1−
    オール及び2−ブテン−1−オールとシクロブタノンと
    のヘミケタール及びケタールを含む高沸点有機化合物を
    含んでなる蒸留残渣を得る工程、 (II)得られた混合物を、(i)留出物中に含まれる少
    量割合のシクロブタノン及びエーテル、ケタール及び有
    色体のような、シクロブタノンよりも水中に溶解し難い
    多量割合の不純物を含む有機相と(ii)水、留出物中に
    含有される多量割合のシクロブタノン、アルコール及び
    シクロプロパンカルボキサルデヒドのような一層親水性
    の少量割合の不純物を含む水相とに分離させる工程、 (III)工程IIからの水相を、100〜2000トルの範
    囲内の圧力で蒸留して、(i)水及びシクロブタノンの
    共沸混合物を含む留出物並びに(ii)水、シクロプロパ
    ンカルボン酸、γ−ブチロラクトン、シクロブタノー
    ル、シクロプロパンメタノール、アルコールの混合エー
    テル及びエーテルとアルコールとの間の反応から生成し
    たケタールを含む塔下流生成物を得る工程並びに (IV)工程III からの留出物(i)を、2000〜60
    00トルの圧力で蒸留して、(i)水及びシクロブタノ
    ンの共沸混合物(これは、工程III の蒸留の供給物に再
    循環する)を含む留出生成物及び(ii)少なくとも90
    %の純度を有するシクロブタノンを含む塔下流生成物を
    得る工程を含んでなる(但し、工程IVの蒸留は、工程II
    I の操作圧力よりも少なくとも760トル高い圧力で操
    作する)工程を含んでなるシクロブタノンの回収方法。
  13. 【請求項13】 工程III を700〜1250トルの圧
    力で操作し、工程IVを3500〜5500トルの圧力で
    操作する(但し、工程IVの操作圧力は、工程III の操作
    圧力よりも少なくとも2280トル高い)請求項12に
    記載の方法。
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