JP2002060346A - 新規な虚血・再灌流障害抑制剤 - Google Patents

新規な虚血・再灌流障害抑制剤

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JP2002060346A
JP2002060346A JP2001054750A JP2001054750A JP2002060346A JP 2002060346 A JP2002060346 A JP 2002060346A JP 2001054750 A JP2001054750 A JP 2001054750A JP 2001054750 A JP2001054750 A JP 2001054750A JP 2002060346 A JP2002060346 A JP 2002060346A
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peptide
reperfusion injury
ischemia
selenoprotein
amino acid
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JP2001054750A
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Masaki Hirashima
正樹 平嶋
Hiroaki Maeda
浩明 前田
Chikahide Nozaki
周英 野崎
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Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken
Original Assignee
Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 脳梗塞、虚血性臓器障害、臓器移植等再灌流
傷害、血管性障害、動脈硬化及び心筋梗塞等の虚血・再
灌流障害に起因する疾患に対する虚血・再灌流障害抑制
剤を提供する。 【構成】 セレノプロテインPまたは当該蛋白質のC末
端ペプチドもしくは当該ペプチド群を主要有効成分とす
る虚血・再灌流障害抑制剤。 【効果】 新規な虚血・再灌流障害抑制剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は医療用医薬品の分野に
関し、血漿蛋白質の新たな用途に関する。さらに詳細に
は、臓器移植時あるいは種々のショック時に生じる虚血
・再灌流障害に起因する血管性障害、神経障害、臓器・
組織障害及び運動機能障害等の疾患に対する医薬品に関
する。より詳しくは、血漿蛋白質の一種であるセレノプ
ロテインPを、好適には当該セレノプロテインPのC末
端側ペプチドもしくは当該ペプチド群を有効成分として
含有する、虚血・再灌流障害抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
虚血・再灌流障害に起因する臓器障害等の疾患が注目さ
れている。虚血とは局所性の強い貧血を意味する。虚血
の種類としては、腫瘍など外部からの圧迫による動脈壁
の狭窄または閉塞によって生じる圧迫性虚血、血栓・動
脈硬化症のように血管内または血管自体の変化による閉
塞性虚血、および脳貧血・狭心症などのように血管痙攣
による痙攣性虚血に分けることができ、虚血が血管内腔
の狭窄によるか、または完全閉塞によるかに依って相対
的虚血と絶対的虚血とに分類される。また、病態に起因
する場合以外にも手術中の出血防止、止血処置などで、
容易に虚血が生じる。通常、虚血により生ずる局所の変
化は、虚血の持続時間、虚血に対する組織の感受性、あ
るいはその部位での血管吻合の有無によって異なるが、
一般に虚血領域の細胞や組織に酸素欠乏と栄養障害をも
たらし、酸素欠乏はATP産生の途絶を介して、まず機
能が障害され、ついには変性、壊死、あるいは萎縮をき
たす。このように、循環障害の結果起こる限局性の虚血
性壊死が梗塞である。梗塞は基本的には貧血性梗塞と出
血性梗塞に大別できる。前者は脳、心、腎、脾にしばし
ば観られ、後者は肺、腸、精巣、卵巣などに、時に脳に
も観られる。このように、血流を止める虚血状態は程度
の差があるにせよ組織に悪影響を及ぼす。特に、脳に関
しては、血管性障害に付随して大脳(前頭葉)性、小脳
性、前庭(迷路)性及び脊髄性の運動失調症が生じる。
【0003】初期の梗塞や梗塞にまで至らない手術中の
虚血の場合などは、虚血状態を改善すれば梗塞が回避さ
れるようにも考えられるが、実際には頻繁に虚血・再灌
流障害が生じる。虚血・再灌流障害とは、虚血に陥った
臓器への血流再開に伴う再潅流あるいは再酸素化が逆に
虚血臓器の細胞や組織に生じる障害のことである。脳や
心筋、肺、肝、腎、膵、消化管などの虚血後の障害発生
機序としては、主に好中球やマクロファージなどの貪食
細胞、血管内皮細胞などにより産生される活性酸素、フ
リーラジカルの発生、ロイコトリエン、トロンボキサン
の生成、脂質・糖の過酸化、タンパク質の変性、酵素の
不活性化、DNA鎖の切断、核酸塩基の修飾などが組織
障害の原因の一つと考えられている。また、同時に生じ
る内皮細胞の障害が、微小循環障害を起こして虚血は遷
延し、アルブミン透過性の亢進、好中球の内皮細胞への
接着、組織への浸潤、細胞内Caイオンの流入なども引
き起こし、障害を増悪させている。この障害は虚血時間
に依存し、虚血時間が長いほど再灌流時の障害も悪化す
る傾向にある。
【0004】これらのことから、虚血時に生じる組織細
胞の障害とその再灌流時に生じる障害を抑制する事が、
虚血を伴う種々の病態の改善や手術時の組織障害などを
低減させるためには必要であることが理解される。つま
り、虚血による直接の障害を押さえるためには、細胞が
維持されるのに必要な物質、例えば、酸素や栄養濃度が
低い状態でも細胞死が生じにくい状態に保つことが必要
であり、また、再灌流障害を抑制するためには、血管拡
張による血流の改善、抗酸化活性の上昇、ケミカルメデ
ィエーターの制御などが必要である。
【0005】現在、スーパーオキシドジスムターゼやカ
タラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼほか多数の生
体の酸化障害に対する予防、制御物質のほか、実際に治
療に用いられている虚血性心疾患治療剤である塩酸トリ
メタジジン、トロンボキサン合成酵素阻害剤であるオザ
グレルナトリウム、脳循環代謝改善剤である酒石酸イフ
ェンプロジル、虚血性脳障害改善剤であるフマル酸ニゾ
フェノンなどもあるが、これらにより障害が完全に抑制
できるわけではない。このような、種々の虚血が原因と
なる障害を改善するためには、現在開発もしくは使用さ
れている既知の物質以外の物質で、細胞にとって悪条件
下で生じる細胞死を抑制する物質、細胞内抗酸化能を上
昇させる物質を探索することが必要とされており、この
ような物質の同定には大きな意味があると考えられ、よ
り効果の高い新規な虚血・再灌流障害抑制剤、特に脳領
域に関しては、血管性障害、虚血・再灌流障害に付随し
て生じる神経障害、運動失調改善剤が切望されている。
なお、本項(従来の技術及び発明が解決しようとする課
題)の記述は、「虚血によりなぜ細胞は死ぬのか」田川
邦夫著、共立出版;「脳卒中ハンドブック」佐野圭司、
アイ・ピー・シー;「今日の診療」CD-ROM版、医
学書院;「医学大辞典」CD-ROM版、南山堂;「最
新医学大辞典」CD-ROM第2版、医歯薬出版の記述
を参考にした。
【0006】
【発明の構成】
【課題を解決するための手段】上述の状況の下、本願発
明者等は先に、血液成分由来の蛋白質であるセレノプロ
テインPに、そしてより好適な態様として当該セレノプ
ロテインPのC末端側ペプチドに、従来報告されていな
かった細胞死抑制活性が認められることを見出し、この
知見を基に特許出願した(PCT/JP99/0632
2)。本願発明者は、新たな虚血・再灌流障害抑制剤を
供するべく鋭意研究した結果、驚くべきことに従来試み
られることのなかった前記セレノプロテインPまたはそ
のC末端側ペプチドもしくは当該ペプチド群が、モデル
動物での実際の生体内投与によって、虚血・再灌流障害
抑制剤、とりわけ脳領域における血管性障害に付随する
運動失調改善剤として人間その他の動物に充分に適応で
きる事実を見出し、この知見に基づいて本願発明を完成
するに至った。
【0007】セレノプロテインPは1977年にグルタ
チオンペロキシダーゼ(gulutathion−pe
roxidase)とは異なるセレン含有タンパク質と
して確認され、1982年にセレンがセレノシステイン
(selenocystein)の形態で取り込まれてい
ることが明らかにされた。さらに、1991年にセレノ
プロテインPのcDNAのクローニングにより全長のア
ミノ酸配列が明らかにされ、その結果、当該蛋白質は最
大10個のセレノシステインを含む可能性等が示された
(Hill K.E. and Burk R.F., Biom
ed Environ Sci., 10, p.198−20
8,(1997))。本願発明はこのセレノプロテインPの
新たな薬効に関するものであり、本願発明の虚血・再灌
流障害抑制剤の本態はセレノプロテインPである。ここ
で用いられるセレノプロテインPに特段の制約はなく、
所望の虚血・再灌流障害抑制活性を有するものであれば
如何なる分子形態のものを包含する。すなわち、完全分
子型セレノプロテインPをはじめ種々の分子形態のもの
が対象となり得る。この中で、好適な態様はセレノプロ
テインPのC末端側ペプチドもしくは当該ペプチド群で
あり、中でもC末端側103アミノ酸配列または当該ア
ミノ酸配列のうち1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置
換もしくは付加されたアミノ酸配列または前記いずれか
のアミノ酸配列の部分配列または前記アミノ酸配列を含
有するアミノ酸配列を有するペプチドまたは当該ペプチ
ド群は、とりわけ好適な態様として推奨され得る。な
お、本願発明でいうペプチド群とは、糖鎖の有無、荷電
の相違、断片化の多様性等に起因する微細構造の異なる
ペプチドの集合体を意味する。
【0008】当該ペプチドの精製過程における知見によ
り、当該ペプチドまたはペプチド群は(a)分子量分画膜
に基づき10kDa〜30kDaの分子量画分に回収さ
れ、(b)イオン交換樹脂への結合性の検討の結果、血中
でpH7からpH8の間に等電点を示す構造とpH8以
上に等電点を示す構造を有し、(c)非還元系SDS−P
AGEでは分子量13〜14kDaの2本のバンド及び
それらに糖鎖の付加された16〜17kDaの2本のバ
ンドを示し、また(d)還元条件下でのSDS−PAGE
では、前記バンドに加えて3〜4kDa、7〜9kDa
及び10〜12kDaのバンドを呈する性状を有するこ
と、さらに断片化された前記ペプチドにも活性が存在す
ることが明らかになった。
【0009】より詳細な解析により、当該ペプチドまた
はペプチド群は、次式、 (I):Lys Arg Cys Ile Asn Gln L
eu Leu Cys Lys Leu Pro Thr A
sp Ser Glu Leu Ala Pro Arg S
er Xaa Cys Cys His Cys Arg H
is Leuおよび/または (II):Thr Gly Ser Ala Ile Thr
Xaa Gln CysLys Glu Asn Leu P
ro Ser Leu Cys Ser Xaa Gln G
ly Leu Arg Ala Glu Glu Asn I
le (式中Alaはアラニン、Argはアルギニン、Asn
はアスパラギン、Aspはアスパラギン酸、Cysはシ
ステイン、Glnはグルタミン、Gluはグルタミン
酸、Glyはグリシン、Hisはヒスチジン、Ileは
イソロイシン、Lysはリジン、Leuはロイシン、M
etはメチオニン、Pheはフェニルアラニン、Pro
はプロリン、Serはセリン、Thrはトレオニン、T
rpはトリプトファン、Tyrはチロシン、Valはバ
リン及びXaaはセレノシステインの各残基をそれぞれ
表す)で例示されるアミノ酸配列もしくは当該アミノ酸
配列の部分配列を有するペプチドまたはペプチド群であ
ることが判明した。
【0010】本願発明に使用されるセレノプロテインP
または当該蛋白質に由来するペプチドもしくはペプチド
群を製造する方法は特に限定されるものではないが、例
えばヒト血液より分離する方法、または遺伝子組換え技
術により製造することができる。以下に、好適な態様と
して血漿を出発原料として調製する方法を概説する。本
願発明に使用される虚血・再灌流障害抑制剤の主要構成
成分となるセレノプロテインPまたは当該蛋白質に由来
するペプチドもしくはペプチド群は、一般的な酵素類よ
りも熱、変性剤、幅広いpH、血中のプロテアーゼに対
して安定であるため、これを精製同定するに際しては、
一つの態様として、血漿を出発原料とし種々のクロマト
グラフィー工程、例えば、ヘパリンクロマトグラフィ
ー、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換ク
ロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過
クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ハイド
ロキシアパタイトクロマトグラフィー、抗体カラムのよ
うなアフィニティークロマトグラフィー等、適用可能な
種々の担体を用いた分画方法の他、硫酸アンモニウム沈
殿分画、分子量膜分画、等電点分画、電気泳動分画等、
種々の分画法が利用可能である。これらの分画法を組み
合わせることにより、所望のセレノプロテインPまたは
ペプチドもしくはペプチド群を分画することが可能であ
る。その望ましい組み合わせの一例を調製例1ないし調
製例3に示す。態様の概略は、例えばペプチドまたはペ
プチド群に対して、順に、ヘパリンクロマトグラフィ
ー、硫酸アンモニウム沈殿分画、陰イオン交換クロマト
グラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、疎水ク
ロマトグラフィー、ヘパリンクロマトグラフィー、ゲル
濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー及び
陰イオン交換クロマトグラフィーである。この組み合わ
せにより得られる活性画分は、純度的に推定夾雑物5%
以下、例えばヒト血漿を出発原料とした場合、細胞死抑
制活性を指標とすると、2×105/1mg蛋白質/ml
の活性を示す状態で精製することが可能である。出発原
料の血漿の活性が約20〜40/1mg蛋白質/ml程度
であるので、比活性で推定5,000〜10,000倍程
度上昇する。
【0011】上述の方法等で調製されたセレノプロテイ
ンPまたはペプチドもしくはペプチド群の活性を最大限
に維持するために、本願発明のセレノプロテインPまた
はペプチドもしくはペプチド群は新鮮であるか、4℃で
保存する場合には保存後約5日以内のものが好ましい。
あるいは、本願発明の当該蛋白質またはペプチドもしく
はペプチド群は好適な安定化剤と共に凍結乾燥して保存
することができるし、さらには、溶液を凍結し保存する
ことも可能である。本願発明では、有効成分としての当
該蛋白質またはペプチドもしくはペプチド群と公知の適
当な賦形剤を組み合わせ、公知の方法で本願発明の虚血
・再灌流障害抑制剤とすることができる。本願発明の虚
血・再灌流障害抑制剤の有効投与量は、投与対象者の年
齢、症状及び重症度などにより変動し、最終的には医師
の意図により変動する。投与方法は局部での経門脈ある
いは経動脈的単回大量(ボーラス)投与あるいは点滴の静
脈内投与が最適である。また、低分子ペプチド群の場合
は経口や経皮投与等も可能である。
【0012】本願発明の虚血・再灌流障害抑制剤の投与
対象は、虚血・再灌流障害に起因する疾患の患者であれ
ば特に限定されることはないが、脳梗塞、虚血性臓器障
害、臓器移植等再灌流障害、血管性障害、神経障害、動
脈硬化及び心筋梗塞等の患者がその対象として考慮され
得る。虚血・再灌流障害抑制剤として本願発明のセレノ
プロテインPまたはこれに由来するペプチドもしくはペ
プチド群を主要構成成分として含有する薬剤を使用する
場合、本薬剤を単独で投与することもできるし、他の治
療薬剤との併用投与も効果を増大させるための有効な手
段として期待できる。本願発明の虚血・再灌流障害抑制
剤は、患者が虚血性臓器障害を被った直後や、臓器移植
のための外科的手術前後に投与されることが効果的であ
り、血管性障害に付随する運動失調に対しては、予防的
または治療的投与のいずれにおいても効果が期待でき
る。
【0013】今回の血液由来の本願発明で用いるセレノ
プロテインPまたは当該ペプチドもしくはペプチド群
は、マウスでの単回静脈内投与毒性試験、反復静脈内投
与毒性試験、一般薬理試験、ウイルス不活化試験などに
よりその安全性が確認されている。以下、調製例及び実
施例に沿って本願発明をさらに詳細に説明するが、これ
らは本願発明の範囲を何ら限定するものではない。な
お、以下に示す調製例及び実施例では、特に断りのない
限り、和光純薬、宝酒造、東洋紡およびNew Eng
land BioLabs社製の試薬を使用した。
【0014】調製例1 (セレノプロテインPの調製)セレノプロテインP(C末
端103アミノ酸)をマウスに免疫することを基に得ら
れたモノクローナル抗体を、180mg/25mlge
lの比率で固定化担体に固定化し抗体カラムを作製し
た。リン酸化生理食塩水(PBS)により平衡化した抗体
カラムに血漿1リットルを通液し、該抗体カラムにセレ
ノプロテインPを吸着させた。PBSを用いて洗浄し、
4M尿素/20mM MESバッファー(pH4.5)によ
り結合物を溶出した。前記溶出画分を20mM MES
バッファー(pH4.5)により平衡化したヘパリンセフ
ァロース(5ml)に通液した。次に、ヘパリンカラムを
20mMリン酸バッファー(pH6.5)20mlを用い
て洗浄した。さらに、20mMリン酸バッファー(pH
6.5)/0.5M NaCl/1.5mM DTT(Dit
hiothreitol)30mlにより洗浄した。D
TTを除去するために20mMリン酸バッファー(pH
6.5)/0.5M NaCl20mlを用いて洗浄した。
その後、20mMリン酸バッファー(pH6.5)/1.0
M NaCl 30mlにより吸着物を溶出した。溶出・
回収された物質は電気泳動、ウエスタンブロッティング
により約66kDaの分子量を有する完全分子型セレノ
プロテインPであることを確認した。回収量は約3mg
であった。
【0015】調製例2 (セレノプロテインP由来C末端ペプチドまたは当該ペ
プチド群の調製)以下の調製工程における活性の追跡
は、すべて細胞死抑制活性を指標とする下記アッセイ法
に拠った。 (アッセイ法)0.05μM 2MEおよび0.1%BSA
を含有する無血清培地SFO3(三光純薬社製)で継代可
能なDami細胞(Greenberg S.M., et
al.,Blood vol.72, p.1968−197
7(1988)に記載:1×106cell/dish/3
ml)1mlにRPMI1640/D−MEM/F−12
の1:2:2混合培地(SA medium)を2ml添
加後、3日間培養し、アッセイ時に当該細胞を回収し
た。細胞を50%PBS/SA/0.03%HSA(SIG
MA社製)により2回洗浄し、同培地で3×104ce
ll/mlになるように懸濁後、得られた細胞懸濁液を
サンプル添加ウェルのみ200μl、段階希釈のための
ウェルには100μlずつを96wellプレートに分
注した。サンプル添加ウェルにアッセイ試料を2μl添
加し撹拌後、100μl細胞懸濁液が入ったウェルに対
して段階希釈した。37℃のCO2インキュベーターで
4〜5日間培養し判定した。アッセイの評価法としては
培養4日目以降、活性のないwellの細胞は死滅し活
性のあるwellの細胞は生存し続けることから、生細
胞が被検試料の何倍希釈まで存在するかで評価した。
【0016】血漿中の細胞死抑制活性はヘパリン結合性
を示す。そこで、先ず、血漿中のヘパリン結合画分を集
めるためにヘパリンカラムを用いた分画を行なった。ヒ
ト血漿を出発原料とし、血漿中のヘパリン結合蛋白をヘ
パリンカラム(Heparin Sepharose:P
harmacia社製)に吸着させた後、0.3M塩化ナ
トリウムで洗浄後、2M塩化ナトリウムにより吸着画分
を溶出した。目的の細胞死抑制活性の殆どは0.3M塩
化ナトリウム洗浄画分に回収されるが、活性物質の精製
には2M塩化ナトリウム溶出画分を用いた。ヘパリンに
結合した細胞死抑制活性の粗分画を実施するために、硫
酸アンモニウム沈殿による分画を行なった。2M塩化ナ
トリウムヘパリン溶出画分の総量に対して31.3%W/
V(約2M)の硫酸アンモニウムを添加し、沈澱物を回収
した。沈殿物を水に溶解し、分子量3,500カットの
透析膜を用いて水に対して透析した。透析の完了した溶
液を回収後、その総量に対して1/50量の1Mトリス
塩酸緩衝液(pH8.0)を添加し、さらに、20mMト
リス塩酸緩衝液(pH8.0)を用いてOD280の値で
20〜30になるように溶液濃度を調整した。この溶液
から不溶物質を除去するため、1.0μm及び0.45μ
mの濾過フィルターを用いて濾過した。
【0017】20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に
より平衡化した陰イオン交換クロマトグラフィー担体
(Macro−prep High Q:BioRad社
製)に、濾過済みの蛋白溶液を通液し、陰イオン交換ク
ロマトグラフィーを実施した。この時、非吸着画分及び
50mM塩化ナトリウム溶出画分に活性が存在していた
ため、この画分を回収し混合した。陰イオン交換クロマ
トグラフィーにより得られた活性画分に対して、1Mク
エン酸緩衝液(pH4.0)と1Mクエン酸を6:4の割
合で混合した溶液を総量の1/50量添加し、20mM
クエン酸緩衝液(pH約4.0)となるように蛋白溶液を
調製した。20mMクエン酸緩衝液(pH4.0)により
平衡化した陽イオン交換クロマトグラフィー担体(Ma
cro−prep High S:BioRad社製)
に、前述の蛋白溶液を通液し、陽イオン交換クロマトグ
ラフィーを実施した。220mM塩化ナトリウムを含む
20mMクエン酸緩衝液(pH4.0)で洗浄後、550
mM塩化ナトリウムを含む20mMクエン酸緩衝液(p
H4.0)により溶出される画分に活性が存在したため、
この画分を回収した。得られた550mM塩化ナトリウ
ム溶出画分の総量に対して1Mトリスアミノメタン溶液
を1/30量添加し、pHを約7.5に調整した。この溶
液に対して3.5M 硫酸アンモニウム溶液(1Mトリス
塩酸緩衝液(pH8.5)を1/50量添加しpHを約7.
5に調整)を2/3量添加後、硫酸アンモニウム濃度が
1.4M、塩化ナトリウム濃度が330mMになるよう
に塩濃度を調整した。さらに、不溶物質を除去するため
に、0.45μmの濾過フィルターを用いて濾過した。
【0018】次に1.4M硫酸アンモニウム及び330
mM塩化ナトリウムを含む20mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.5)で平衡化した疎水クロマトグラフィー担体
(Macro−prep Methyl HIC:Bio
Rad社製)に前述の濾過済み蛋白溶液を通液し、疎水
クロマトグラフィーを実施した。非吸着画分及び平衡化
緩衝液(pH7.5)洗浄画分に活性が存在したため、こ
の画分を回収した。吸着画分には殆ど活性は存在しなか
った。活性画分を疎水クロマトグラフィー担体に結合さ
せるために、活性画分に対して硫酸アンモニウム濃度が
2.0Mになるように上記の約pH7.5の3.5M硫酸
アンモニウム溶液を添加した。2.0M硫酸アンモニウ
ム及び240mM塩化ナトリウムを含む20mMトリス
塩酸緩衝液(pH7.5)により平衡化した疎水クロマト
グラフィー担体(Macro−prep Methyl
HIC:BioRad社製)に試料を通液し、活性成分
を吸着させた。平衡化緩衝液により洗浄後、吸着してい
る活性を20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)により
溶出した。回収した活性画分を水に対して1昼夜透析
し、この回収した活性画分をヘパリンカラムに確実に吸
着させるために、1Mクエン酸緩衝液(pH4.5)を1/
50量添加し、pHを約5.0に調整した。
【0019】20mMリン酸緩衝液(pH6.5)(緩衝液
A)及び2M塩化ナトリウムを含む20mMリン酸緩衝
液(pH6.2)(緩衝液B)を調製し、緩衝液Aで平衡化
したヘパリンカラム(Hi−Trap Heparin:
Pharmacia社製)にpH調整した活性画分を通
液した。その後、緩衝液Bを緩衝液Aに対して5%混合
した溶液(0.1M NaCl)によりカラムの2倍量洗浄
した後、さらに、緩衝液Bの緩衝液Aに対して20%混
合した溶液(0.4MNaCl)により溶出し、活性画分
を回収した。ここで得られた活性画分を15mg/ml
程度の濃度まで膜濃縮器(centriprep3:a
micon社製)により濃縮した。濃縮した活性画分の
総量に対して2%の酢酸を添加後、0.45μmの濾過
フィルターにより不溶物の除去を行なった。
【0020】2%酢酸及び500mM塩化ナトリウムを
含む溶液により平衡化したゲル濾過クロマトグラフィー
担体(Superdex 200pg:Pharmaci
a社製)に活性画分を1ml通液し、ゲル濾過クロマト
グラフィーを実施し、活性を分画後、回収した。0.1
%トリフルオロ酢酸及び1%イソプロパノールを含む1
%アセトニトリルにより平衡化したC4逆相HPLC
(Wakosil 5C4−200 6mmx 150m
m:Wako社製)に前述の画分を通液し、平衡化溶媒
で洗浄後、0.1%トリフルオロ酢酸及び1%イソプロ
パノールを含む条件下で1%から40%アセトニトリル
のリニアグラジエント溶出により得られた活性画分を回
収した。
【0021】得られた活性画分をさらに細かく分画する
ためにイオン交換クロマトグラフィー担体Mini Q
(Pharmacia社製)による分画を実施した。20
mMエタノールアミン(pH9.15)の条件下で塩化ナ
トリウムによるリニアグラジエント溶出を行なった。分
画された画分には全て活性が存在しており、全ての画分
が本願発明のペプチドに対する抗体と反応した。つまり
活性物質はいくつかの構造の異なる状態で存在している
ことが確認された。この段階での目的の活性物質は、電
気泳動による解析の結果、非還元状態で10kDaから
30kDaの数本のバンドより構成され、還元状態では
3〜4kDaと7〜9kDaにスメアなバンドが1本、
13〜14kDaに2本、16〜17kDaに2本の最
低6本のバンドを示した。これらのバンドは全て先述の
抗体を用いたウエスタンブロッティングにより検出可能
であった。非還元状態での電気泳動において、28〜2
9kDa近傍にも抗体に反応する蛋白が確認されること
より、2量体を形成しているものも存在している可能性
が示唆された。
【0022】調製例3 (抗セレノプロテインP抗体結合担体カラムを用いたセ
レノプロテインP断片の調製)血漿中のヘパリンセファ
ロース結合画分を2M硫酸アンモニウムにより沈殿さ
せ、その沈殿画分に対して5倍容量以上の20mMTr
isバッファー(pH8.0)を用いて沈殿を溶解させ
た。この溶液に存在するセレノプロテインPを抗セレノ
プロテインP抗体を担体に結合させた抗セレノプロテイ
ンP抗体結合担体カラムに吸着させ、リン酸化生理食塩
水(PBS)で洗浄した。その後、4M尿素を含有する2
0mMクエン酸緩衝液(pH4.0)によりセレノプロテ
インPを溶出し、当該溶出液をさらに20mMクエン酸
緩衝液(pH4.0)で平衡化した陽イオン交換体(Mac
roprep High S、BioRad社)に吸着さ
せた。これを、塩化ナトリウムによる塩濃度勾配溶出
し、細胞死抑制活性を示す画分を回収した。このとき、
全長のセレノプロテインPを得ることが可能であるが、
この物質は蛋白質当たりの細胞死抑制活性は明らかに弱
い値を示した。本方法によれば、短時間の精製が可能で
あるため、蛋白質当たりの細胞死抑制活性の強いセレノ
プロテインP断片を得ることができた。ここで得られた
断片もまた、糖鎖の有無、分子間結合の有無、内部切断
の有無などにより種々の大きさの分子種を含む混合画分
であり、非還元電気泳動で10−30kDaのサイズを
示すセレノプロテインP断片群であった。
【0023】実施例1 (脳虚血再潅流障害モデルにおけるセレノプロテインP
断片の虚血・再灌流障害抑制効果、その1)脳梗塞にお
ける脳神経障害に影響を与える因子の一つとして、虚血
状態で遊離されてくる遊離脂肪酸が考えられている。セ
レノプロテインPは脂肪酸により誘導される細胞死(神
経芽細胞NT2において確認している)を抑制すること
が可能であることから、脳梗塞におけるセレノプロテイ
ンPの影響を検討するため、14週齢スナネズミを用い
たセレノプロテインP断片の脳梗塞モデルに対する虚血
・再灌流障害抑制効果を検討した。塩酸ケタミン(10
0mg/kg)の腹腔内注射にて全身麻酔をかけ、正中
切開にて頚静脈を露出させ調製例2で調製したセレノプ
ロテインP断片を1mg/匹の量で静脈内投与した。3
0分後両側の頚動脈をクリップし、30分遮断後、再潅
流させ、24時間後の生存率を比較した。
【0024】
【表1】 対照となる生理食塩水投与群よりセレノプロテインP断
片投与群の死亡率が明らかに低く、急性期の脳梗塞で回
復している割合が高いことを示唆する結果が得られた。
【0025】実施例2 (脳虚血再潅流障害モデルにおけるセレノプロテインP
断片の虚血・再灌流障害抑制効果、その2運動失調改善
効果)セレノプロテインPの脳虚血再灌流障害、運動失
調に及ぼす影響を麻痺の度合いで確認するために、12
週齢のスナネズミを用いて評価した。実施例1と同様に
塩酸ケタミン(100mg/kg)の腹腔内注射にて全身
麻酔をかけ、正中切開にて頚静脈を露出させ調製例2で
調製したセレノプロテインP断片を1mg/匹の量で静
脈内投与した。30分虚血、45分間虚血を行なった
後、血流を再灌流させ、6時間後及び24時間後の麻痺
の度合いにより評価した。6時間後及び24時間後の麻
痺の状態を表2に示すスコアで判定し評価した。結果を
表3及び表4に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】30分虚血モデル
【0028】
【表4】45分虚血モデル
【0029】30分虚血モデルにおける6時間後の麻痺
の状態及び24時間後の麻痺の状態を評価すると、セレ
ノプロテインP断片投与群の方が明らかに症状が良好で
ある結果が得られた。また、45分虚血モデルでは6時
間後の麻痺の度合いは大差ないが、24時間後の麻痺の
度合いに大きな差が観られた。
【0030】実施例3 (クロトー(klotho)マウスへのセレノプロテインPの投
与による運動失調の改善効果)血管性障害に付随する運
動失調の改善を目的として、クロトーマウスを用いて本
願発明のセレノプロテインP断片の効果を確認した。ク
ロトーマウスは、Nature,390:45−51,1
997に記載され、京都大学大学院医学研究科の鍋島陽
一先生の許可を得て日本クレアより入手した。1群4匹
の4週齡のクロトーマウスに対して8週齡まで、生理食
塩水に溶解した調製例2で得られたセレノプロテインP
断片(1.5mg/ml)及び生理食塩水を毎週300μ
lずつ腹腔に投与し、その状態変化を観察した。その結
果、生理食塩水投与群、セレノプロテインP断片投与群
ともに、4週齡からの体重の増加は観察されず、根本原
因を解決する事は無かった。しかし、その行動を比較す
るとセレノプロテインP断片投与群が手のひらに乗せた
際、自発的に逃げるために飛び降りることが可能である
のに対し、生食投与群は自発的な逃避行動をとることが
出来なかった。これはセレノプロテインP断片による運
動能低下の改善効果を示すものと考えられた。
【0031】実施例4 (肝虚血再潅流モデルにおけるセレノプロテインP断片
の虚血・再灌流障害抑制効果)スナネズミを用いた肝虚
血再潅流モデルおけるセレノプロテインP断片の虚血・
再灌流障害抑制効果を検討した。セレノプロテインPの
影響を確認するために、セレノプロテインP断片及び生
理食塩水を事前投与し門脈血流遮断による虚血を行な
い、その後再潅流させた際の30時間後のスナネズミの
生存率、血中のGOT、GPT、ALPの濃度変化、組
織の観察によって評価した。スナネズミに10倍希釈し
たネンブタール(50mg/ml)を300μl腹腔内投
与により麻酔し、腹部切開により下大静脈を露出、そこ
から調製例2で調製されたセレノプロテインP断片1m
g/匹、もしくは生理食塩水を静注した。5分後に門脈
を露出し、クリップにより血流遮断した。40分後に再
潅流させ、腹部縫合後、30時間後に全てのスナネズミ
を麻酔下で解剖し血液、臓器採取、血中の肝臓マーカー
酵素の解析を行なった。結果を表5に示す。
【0032】
【表5】 その結果、生理食塩水投与群の死亡率が3/4であるの
に対し、セレノプロテインP断片投与群においては0/
3となった。ALPの活性が生理食塩水投与群ではコン
トロールの5倍程度上昇していたのに対し、セレノプロ
テインP投与群では正常値を示していた。肝臓もしくは
腸の細胞膜に傷害が起こるとALPが上昇するため、傷
害を受けるはずの細胞がセレノプロテインPにより安定
化され傷害が低減された結果、セレノプロテインP投与
群が生き残った可能性が示唆される。
【0033】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110>JURIDICAL FOUNDATION THE CHEMO-SERO-THERAPEUTIC RESEARCH INSTITUTE <120>Nobel Agent for Ischemia-Reperfusion Injury <130>JP387YS <160>7 <210>1 <211>29 <212>PRT <213>Human plasma <220> <223>Xaa represents selenocysteine <400>1 Lys Arg Cys Ile Asn Gln Leu Leu Cys Lys Leu Pro Thr Asp Ser 1 5 10 15 Glu Leu Ala Pro Arg Ser Xaa Cys Cys His Cys Arg His Leu 20 25 <210>2 <211>28 <212>PRT <213>Human plasma <220> <223>Xaa represents selenocysteine <400>2 Thr Gly Ser Ala Ile Thr Xaa Gln Cys Lys Glu Asn Leu Pro Ser 1 5 10 15 Leu Cys Ser Xaa Gln Gly Leu Arg Ala Glu Glu Asn Ile 20 25

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セレノプロテインPを主要構成成分とす
    る、虚血・再灌流障害抑制剤。
  2. 【請求項2】 セレノプロテインPが、セレノプロテイ
    ンPのC末端側ペプチドまたは当該ペプチド群である請
    求項1記載の虚血・再灌流障害抑制剤。
  3. 【請求項3】 ペプチドまたは当該ペプチド群が、セレ
    ノプロテインPのC末端側103アミノ酸配列または当
    該アミノ酸配列のうち1もしくは数個のアミノ酸が欠
    失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列または前記い
    ずれかのアミノ酸配列の部分配列または前記アミノ酸配
    列を含有するアミノ酸配列を有するペプチドまたは当該
    ペプチド群である、請求項2記載の虚血・再灌流障害抑
    制剤。
  4. 【請求項4】 ペプチドまたは当該ペプチド群が、次
    式、 (I):Lys Arg Cys Ile Asn Gln L
    eu Leu CysLys Leu Pro Thr As
    p Ser Glu Leu Ala Pro Arg Se
    r Xaa Cys Cys His Cys Arg Hi
    s Leuおよび/または (II):Thr Gly Ser Ala Ile Thr
    Xaa Gln CysLys Glu Asn Leu P
    ro Ser Leu Cys Ser Xaa Gln G
    ly Leu Arg Ala Glu Glu Asn I
    le (式中Alaはアラニン、Argはアルギニン、Asn
    はアスパラギン、Aspはアスパラギン酸、Cysはシ
    ステイン、Glnはグルタミン、Gluはグルタミン
    酸、Glyはグリシン、Hisはヒスチジン、Ileは
    イソロイシン、Lysはリジン、Leuはロイシン、M
    etはメチオニン、Pheはフェニルアラニン、Pro
    はプロリン、Serはセリン、Thrはトレオニン、T
    rpはトリプトファン、Tyrはチロシン、Valはバ
    リン及びXaaはセレノシステインの各残基をそれぞれ
    表す)で表されるアミノ酸配列もしくは当該アミノ酸配
    列の部分配列または前記アミノ酸配列を含有するアミノ
    酸配列を有するペプチドまたは当該ペプチド群である請
    求項2または請求項3に記載の虚血・再灌流障害抑制
    剤。
  5. 【請求項5】 ペプチドまたは当該ペプチド群が、(a)
    分子量分画膜に基づき10〜30kDaの分子量画分に
    回収され、(b)イオン交換樹脂への結合性の検討の結
    果、血中でpH7からpH8の間に等電点を示す構造と
    pH8以上に等電点を示す構造を有し、(c)非還元系S
    DS−PAGEでは分子量13〜14kDaの2本のバ
    ンド及びそれらに糖鎖の付加された16〜17kDaの
    2本のバンドを示し、また(d)還元条件下でのSDS−
    PAGEでは、前記バンドに加えて3〜4kDa、7〜
    9kDa及び10〜12kDaのバンドを呈するペプチ
    ドまたは当該ペプチド群である請求項2から請求項4の
    いずれかに記載の虚血・再灌流障害抑制剤。
  6. 【請求項6】 虚血・再灌流障害に起因する疾患が、脳
    梗塞、虚血性臓器・組織障害、臓器移植等再灌流傷害、
    動脈硬化、心筋梗塞及び血管性障害に付随する運動失調
    より選択される、請求項1から請求項5のいずれかに記
    載の虚血・再灌流障害抑制剤。
  7. 【請求項7】 虚血・再灌流障害に起因する疾患が、血
    管性障害に付随する運動失調である請求項6記載の虚血
    ・再灌流障害抑制剤。
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