JPH10182479A - ペプチド誘導体類からなる薬剤 - Google Patents

ペプチド誘導体類からなる薬剤

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JPH10182479A
JPH10182479A JP8343590A JP34359096A JPH10182479A JP H10182479 A JPH10182479 A JP H10182479A JP 8343590 A JP8343590 A JP 8343590A JP 34359096 A JP34359096 A JP 34359096A JP H10182479 A JPH10182479 A JP H10182479A
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JP
Japan
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peptide
sequence
arg
amino acid
manufactured
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JP8343590A
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English (en)
Inventor
Seiichi Shimamura
誠一 島村
Shuzo Origasa
修三 折笠
Hiroshi Matsumoto
宏志 松本
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副作用が少なく、安全な血栓抑制剤を提供す
る。 【解決手段】 次の一般式化(A)、(B)または
(C) (A)R1 −X (B)X−R1 (C)R1 −X−R1 [ただし、式中R1 は、アシル基またはポリエチレング
リコールのいずれかを示し、R2 は、アミノ基、アシル
基、ポリエチレングリコールまたはβ−アラニン−ポリ
エチレングリコ−ルのいずれかを示し、Xは、D体また
はL体のアミノ酸残基からなり、配列番号1から配列番
号36のアミノ酸配列を有するペプチドのいずれかを示
す。]で示されるペプチド誘導体、このペプチド誘導体
の薬学的に許容される塩類、このペプチド誘導体と担体
との結合物、このペプチド誘導体と担体との吸着物、ま
たはこれらの任意の混合物を有効成分として含有する薬
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ラクトフェリン
由来のペプチド誘導体、このペプチド誘導体の薬学的に
許容される塩類、このペプチド誘導体と担体との結合
物、このペプチド誘導体と担体との吸着物、またはこれ
らの任意の混合物(以下特に断りのない限り、これらを
まとめてペプチド誘導体類と記載することがある)を有
効成分として含有し、血栓抑制を主作用とする副作用の
無い新規な薬剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生体内における血栓形成は、播種性血管
内血液凝固症候群、虚血性心疾患、虚血性脳疾患等の重
篤な疾患を招来することが知られており、血栓抑制剤
が、血栓症の治療および再発防止に使用されている[ア
ルフレッド・グッドマン・ギルマン(Alfred Goodman G
ilman )他編、ザ・ファーマコロジカル・ベイシス・オ
ブ・セラピューティクス(The Pharmacological Basis
of Therapeutics )、第7版、第1338ページ、マク
ミラン(Macmilan)社、1985年]。通常、血栓抑制
は、血栓溶解、血液凝固阻害若しくは血小板凝集阻害の
いずれか、またはその組み合わせにより達成される。従
って、血栓抑制剤として、それぞれの機能を備えた血栓
溶解剤、血液凝固阻害剤および血小板凝集阻害剤が現在
主に使用されている。
【0003】血栓溶解剤としては、tPA等の血栓溶解
性酵素の製剤が使用されている。これらは、主に心筋梗
塞等の発症の直後に投与され、心筋壊死等の病状の悪化
を阻止する目的で使用されている。しかしながら、血栓
症は再発する傾向があり、これらの血栓溶解剤を継続的
に投与して、血栓症の再発防止に使用することは、血栓
溶解性酵素に対する抗体が生体内に生じること等による
副作用が懸念され、不適切である[ザ・ニュー・イング
ランド・ジャーナル・オブ・メディスン(NewEngland J
ournal of Medicine )、第320巻、第618ペー
ジ、1989年]。
【0004】一方、血液凝固阻害剤としては、経口抗凝
固剤のワルファリン等が、心筋梗塞等の血栓症の治療お
よび予防に使用されている[アルフレッド・グッドマン
・ギルマン(Alfred Goodman Gilman )他編、ザ・ファ
ーマコロジカル・ベイシス・オブ・セラピューティクス
(The Pharmacological Basis of Therapeutics )、第
7版、第1338ページ、マクミラン(Macmilan)社、
1985年]。経口抗凝固剤の副作用の一つは、出血を
惹起し、止血が困難になる点であり、出血を伴う手術、
特に開胸手術を受けた患者が出血が継続して血胸を誘発
し、死に至る場合がある。従って、経口抗凝固剤で治療
を受けている患者が手術等を受ける場合、出血を惹起す
ることなく、併せて血栓症を予防することは極めて困難
である[チェスト(Chest )、第95巻、第5Sペー
ジ、1989年、およびザ・ニュー・イングランド・ジ
ャーナル・オブ・メディスン(New England Journal of
Medicine )、第324巻、第1865ページ、199
1年]。
【0005】また、血小板凝集阻害剤としては、ベラプ
ロスト等のプロスタグランジン誘導体が血栓症の治療に
使用されている。また、血小板凝集機序が明らかにされ
つつある中にあって、フィブリノーゲン等の血小板への
結合部位のアミノ酸配列が明らかにされ、そのペプチド
誘導体の血小板凝集阻害剤としての可能性が示唆されて
いる[ザ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アン
ド・エクスペリメンタル・セラピューティクス(The Jo
urnal of Pharmacology and Experimental Therapeutic
s)、第266巻、第1501ページ、1993年]。こ
れらのペプチド誘導体は、富血小板血漿を使用して、ト
ロンビン等を添加することにより誘発された血小板凝集
に対しては有効なことが確認され、血小板凝集に関する
研究においては、富血小板血漿が一般に広く用いられて
いる。
【0006】また、血小板第4因子は、炎症や血小板凝
集との関連性が注目され、血小板に対する結合試験等が
行われている[バイオキミカ・エト・バイオフィジカ・
アクタ(Biochimica et Biophysica Acta )、第839
巻、第161ページ、1985年]。しかし、血小板第
4因子は、トロンビン等とは異なり、富血小板血漿に添
加しても安定して血小板を凝集させないため、血小板第
4因子の血小板凝集に関する直接的な検討は未だなされ
ていない。
【0007】これに対して、血小板第4因子との類似性
が指摘されているプロタミンを添加すると、血小板を凝
集させることが、全血を使用して明らかにされてきてい
る[酪農科学食品の研究、第44巻、第A−99ペー
ジ、1995年]。このような技術の現状において、通
常の血液である全血を使用し、血小板凝集誘発物質とし
てプロタミンまたは血小板第4因子を使用して、抗血栓
薬を検索する試みは全くなされていなかった。
【0008】一方、この発明の発明者等は、ラクトフェ
リンの抗菌活性に着目し、哺乳類のラクトフェリンを酸
または酵素により加水分解した物質が、抗原性等の副作
用がなく、かつ未分解のラクトフェリンよりも強い耐熱
性および抗菌性を有することを見い出すと共に、ラクト
フェリンの分解物から強い抗菌活性を有するペプチドを
単離し、それらのペプチドと同一のアミノ酸配列を有す
るペプチドまたはペプチド誘導体を合成し、既に特許出
願を行った(特開平3−171736号公報、特開平3
−186260号公報、特開平3−48196号公報、
特開平3−94492号公報、特開平3−94493号
公報、および特開平3−94494号公報)。
【0009】さらにこの発明の発明者等は、これらのペ
プチドには、抗菌活性の他に、脳の保護効果(特開平4
−327738号公報)、上皮細胞増殖因子の繊維芽細
胞増殖作用を促進する効果(特開平6−48955号公
報)、神経成長因子の産生促進効果(特開平5−235
57号公報)、抗酸化効果(特開平5−310594号
公報、特開平5−320067号公報および特開平6−
199687号公報)のあることを見い出し、既に特許
出願行った。また、ヘパリン中和効果(特開平7−29
1874号公報)、狭心症の治療効果(特開平7−27
8011号公報)等が存在することも見出し、既に特許
出願を行った。
【0010】ところで、ペプチドの薬剤成分としての利
用については、ペプチド誘導体を製造し、薬理活性の増
加および代謝酵素に対する抵抗性の付与等が試みられて
いる。例えば、標的細胞、ウイルスおよびウイルス感染
細胞に対して生物活性を有する両親媒性イオンチャンネ
ル形成ペプチドのC末端置換ペプチド(特表平6−51
1234号公報)およびN末端置換ペプチド(特表平8
−500818号公報)等が知られている。
【0011】しかしながら、血小板第4因子との類似性
が指摘されているプロタミンまたは血小板第4因子自体
を全血に添加することにより誘発される血小板凝集を、
ラクトフェリン由来のペプチド誘導体が阻害することは
知られておらず、文献にも記載されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記のとおり、少量で
効果があり、しかも副作用の少ない血栓抑制剤が待望さ
れ、種々の研究がなされているが、従来の血栓抑制剤
は、それぞれに欠点を有していた。この発明は以上のと
おりの事情に鑑みてなされたものであり、少量で効果が
あり、しかも副作用の少ない血栓抑制剤を提供すること
を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の発明者等は、
前記の課題を解決するための血栓抑制剤を検索していた
が、通常の血液である全血を使用して、プロタミンまた
は血小板第4因子により誘発された血小板凝集に対する
効果を調べることにより、ラクトフェリン由来のペプチ
ド誘導体類が血栓抑制効果を有することを見い出し、こ
の発明を完成した。
【0014】すなわち、この発明は、前記の課題を解決
するものとして、次の一般式(A)、(B)または
(C) (A)R1 −X (B)X−R2 (C)R1 −X−R2 [ただし、式中R1 は、アシル基またはポリエチレング
リコールのいずれかを示し、R2 は、アミノ基、アシル
基、ポリエチレングリコールまたはβ−アラニン−ポリ
エチレングリコ−ルのいずれかを示し、Xは、D体また
はL体のアミノ酸残基からなり、配列番号1から配列番
号36にアミノ酸配列を示したペプチドのいずれかを示
す。]で示されるペプチド誘導体、このペプチド誘導体
の薬学的に許容される塩類、このペプチド誘導体と担体
との結合物、このペプチド誘導体と担体との吸着物、ま
たはこれらの任意の混合物を有効成分として含有する薬
剤を提供する。
【0015】また、この発明の薬剤においては、 1)薬学的に許容される塩類が、塩酸塩、燐酸塩、硫酸
塩、クエン酸塩、乳酸塩または酒石酸塩であること、 2)担体が、スターチ、デキストリン、セルロース、デ
キストラン、ポリビニルピロリドン、塩化ビニール、ポ
リエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂、ガラスまたは
タルクであること、 3)薬剤が、血栓抑制、敗血症、特発性血小板減少症、
潰瘍性大腸炎または自己免疫疾患の治療に使用されるこ
と、 4)プロタミンによる血小板凝集を抑制する薬剤である
こと、および 5)血小板第4因子の作用に拮抗する薬剤であること、
をそれぞれ望ましい態様としてもいる。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明において使用するペプチ
ド誘導体は、公知の方法(例えば、ペプチド自動合成装
置を用いる方法)によって合成したペプチドに、有機合
成技術によりアシル基、ポリエチレングリコール等を付
加する方法、またはラクトフェリン類を酸や酵素を使用
して加水分解し、分解物混合物から液体クロマトグラフ
ィー等の分離手段によって一定のアミノ酸配列を有する
ペプチドを含む画分を得た後、有機合成技術を使用して
アシル基、ポリエチレングリコール等を付加する方法な
どにより調製することができる。
【0017】この発明のペプチド誘導体の例として、ア
ミノ末端にアシル基、カルボキシル末端にアミドを有す
るペプチドの製造法を示せば次のとおりである。ペプチ
ドシンセサイザー[パーキン・エルマー(Perkin Elme
r)社製。Model433A]を使用し、シェパード等[ジャー
ナル・オブ・ケミカル・ソサイエティー・パーキンI(J
ournal of Chemical Society Perkin I) 、第538ペ
ージ、1981年]による固相ペプチド合成法に基づい
て次のとおり合成する。
【0018】カルボキシル末端アミドペプチド合成用固
相樹脂[パーキン・エルマー(Perkin Elmer)社製。Fm
ocアミドレジン]を使用して、前記ペプチドシンセサイ
ザーの合成プログラムにより脱保護基反応および縮合反
応を反復してペプチド鎖を延長する。即ち、20%ピペ
リジン/N−メチルピロリドン[パーキン・エルマー
(Perkin Elmer)社製。以下、N−メチルピロリドンを
NMPと記載する。]によりアミノ保護基である9−フ
ルオレニルメトキシカルボニル(以下、Fmocと記載す
る。)基を切断除去し、NMPで洗浄した後Fmoc−アミ
ノ酸/ FastMocTMリージェントキット[パーキン・エル
マー(Perkin Elmer)社製]を反応させ、NMPで洗浄
する操作を反復する。
【0019】縮合反応条件および脱保護条件は、フィー
ドバックモニタリングシステムにより、自動的に制御す
る。使用するアミノ酸は、たとえば、D体またはL体の
Fmoc-Arg(Pmc)-OH、Fmoc-Trp(Boc)-OH、Fmoc-Gln(Trt)-
OH、Fmoc-Met-OH 、Fmoc-Lys(Boc)-OH[いずれもパーキ
ンエルマー(Perkin Elmer)社製、または渡辺化学工業
社製]等であり、1mmolのカートリッジを使用する
ことができる。ペプチド鎖の伸張反応が全て終了した
後、20%ピペリジン/NMPによりFmoc基を切断し、
NMPおよびジクロロメタン[パーキン・エルマー(Pe
rkin Elmer)社製。以下、DCMと記載する。]で洗浄
し、真空乾燥する。次いで、n−カプリン酸、2-(1H-be
nzotriazol-1-yl)-1,1,3,3,-tetramethyluronium hexaf
luorophosphate(以下、HBTUと記載する。)、N−
ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル(以下、HOBtと記載
する。)をジメチルホルムアミド(関東化学社製。以
下、ジメチルホルムアミドをDMFと記載する。)に溶
解させ、ジイソプロピルエチルアミン(以下、DIEA
と記載する。)を添加した混合液により、前記ペプチド
シンセサイザーで合成したアミノ末端に何も結合してい
ない保護ペプチド樹脂のアシル化を行なう。カイザーテ
ストによりアシル化が完了したことを確認した後、樹脂
をDMF、tert−ペンチルアルコール、酢酸、tert−ペ
ンチルアルコール、DMF、無水ジエチルエーテルの順
によく洗浄し、真空乾燥する。
【0020】前記の保護ペプチド樹脂にエタンジチオー
ル、m−クレゾール、チオアニソールを室温でアルゴン
気流下15分間攪拌した後、氷冷下にし、更に10分間
攪拌する。これにトリフルオロ酢酸を添加して10分間
攪拌し、トリメチルシリルブロミドを添加して50分間
攪拌する。グラスフィルターで樹脂を濾去し、濾液を手
早く減圧濃縮する。残渣にあらかじめ冷却した無水ジエ
チルエーテルを添加し、ペプチドを白色粉末化する。遠
沈管に移して遠心分離(2500rpmで5分間)し、
上清を捨て、冷ジエチルエーテルを新たに添加してよく
攪拌し、再び遠心分離する操作を4回反復する。ペプチ
ド沈殿物を真空乾燥し、水に溶解して凍結乾燥を行ない
粗製ペプチドを得る。
【0021】前記粗製ペプチドを水に溶解し、遠心分離
(2500rpmで5分間)し、上清を0.45μmフ
ィルターで濾過する。この溶液を高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC)に供し、ペプチドの精製を行なう。
HPLCはガリバーPU-986高圧グラジエントシステム
(日本分光社製)を使用し、カラムは逆相系のLichrosp
her100RP-18(e) 250×10mm(メルク社製)を使用するこ
とができる。溶離液は0.1%TFA(トリフルオロ酢
酸)/水をA液、80%アセトニトリル/A液をB液と
して、A液からB液への濃度直線勾配により溶出する。
クロマトグラムのピークはほぼ単一のピークであり、相
当画分を分取する。分取を数回繰り返し、これらを凍結
乾燥して精製ペプチドを得る。
【0022】これを分析用カラム(Lichrospher100RP-1
8(e) 250×4.6mm 。メルク社製)を使用してHPLC分
析を行ない、精製物が単一であることを更に確認する。
また、精製ペプチドの構造確認は、常法のアミノ酸分
析、アミノ酸配列分析、元素分析、質量分析等を実施
し、目的のペプチドが得られていることを確認する。な
お、アミノ末端のアシル化において、n−カプリン酸に
変えて各種カルボン酸(脂肪酸等)を使用することがで
きる。更に、乳酸を使用すれば、広義のアシル基である
ラクトイル基をアミノ末端に有するペプチド誘導体を製
造できる。
【0023】また、カルボキシル末端にポリエチレング
リコ−ル(以下、ポリエチレングリコ−ルをPEGと記
載する。)を有するペプチド誘導体は、固相樹脂とし
て、PEGのスペーサー入りの樹脂である TantaGel-NH
2 (島津製作所社製)を使用することにより製造でき
る。更に、カルボキシル末端に何も結合していないペプ
チド誘導体は、固相樹脂として、固相ペプチド合成法に
おいて一般的な樹脂であるノバシン(NovaSyn )KA1
25樹脂(カルビオケム−ノバビオケム・ジャパン社
製)を使用することにより製造できる。
【0024】次に、ラクトフェリン類の加水分解等で得
られたペプチドにポリエチレングリコール、アシル基等
を付加する方法の例を示せば次のとおりである。CH3
(OCH2 CH2 n −OH[ポリサイエンス社製。モ
ノメトキシポリエチレングリコール(以下、mPEGと
記載する。)]に無水酢酸を作用させてmPEG−CO
OHを得る。これにN−ヒドロキシスクシンイミドとジ
シクロヘキシルカルボジイミドを作用させ、mPEGの
N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを合成する。ラ
クトフェリン類由来のペプチドフラグメントにmPEG
スクシンイミドエステルを作用させポリエチレングリコ
ール修飾体を得る。また上記と同様の方法により、CH
3 (CH2 n −COOHから脂肪酸スクシンイミドエ
ステルを得る。これをラクトフェリン類由来のペプチド
フラグメントに作用させアシル体を得る。ここでポリエ
チレングリコールおよびアシル基の分子量には特に制限
はない。なお、このアシル基にはラクトイル基も含まれ
る。
【0025】前記ペプチド誘導体の薬学的に許容される
塩類としては、塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩、クエン酸
塩、乳酸塩、酒石酸塩等の酸付加塩を例示することがで
きる。前記ペプチド誘導体を結合または吸着する担体と
しては、スターチ、デキストリン、セルロース、デキス
トラン、ポリビニルピロリドン、塩化ビニール、ポリエ
チレン、ポリスチレン、フッ素樹脂、その他種々の高分
子化合物、ガラス、タルク等を例示することができる。
【0026】前記のとおり製造したペプチド誘導体類
は、単体または混合して使用することもできる。前記ペ
プチド誘導体類を含有するこの発明の薬剤は、公知の方
法により錠剤、カプセル剤、座剤、トローチ剤、シロッ
プ剤、顆粒剤、散剤、注射剤、軟膏剤、ハップ剤等に加
工することもでき、必要に応じて剤皮を施した薬剤、例
えば腸溶被錠、に加工することもできる。
【0027】この発明の薬剤の投与量は、年齢、症状等
により異なるが、前記ペプチド誘導体類を有効成分とし
て、1日に体重1kg当たり0.5から50mgの範囲
で適宜に決定することができる。また、この発明の薬剤
は、プロタミンによる血小板凝集を抑制するものであ
り、血小板第4因子の作用に拮抗するものであって、血
栓抑制を主作用としており、これに基づいて、血栓抑
制、敗血症、特発性血小板減少症、潰瘍性大腸炎、自己
免疫疾患等の治療薬として有効である。
【0028】以下、試験例を示して、この発明の薬剤の
作用効果を実証する。 試験例1 この試験は、血小板の凝集に対するペプチド誘導体類の
抑制効果を調べるために行った。 (1)試験動物 4週令のddY系雄性マウス(日本SLC社より購入)
を、5日間以上予備飼育したものを使用した。 (2)被検試料の調製 次に示す4種類のペプチド誘導体を被検試料として調製
した。 試料1:実施例1記載の方法により調製した次のペプチ
ド誘導体(1) D-Arg-D-Trp-D-Gln-D-Trp−NH2 試料2:実施例4記載の方法により調製した次のペプチ
ド誘導体(4) CH3 CH(OH)CO−D-Arg-D-Trp-D-Gln-D-Trp 試料3:実施例5記載の方法により調製した次のペプチ
ド誘導体(5) CH3 CH(OH)CO−D-Arg-D-Trp-D-Gln-D-Trp −
NH2 試料4:実施例9記載の方法により調製した次のペプチ
ド誘導体(9) CH3 CH(OH)CO−D-Arg-D-Ala-D-Phe −NH2 (3)試験方法 マウスの尾端部より採取した血液20μlを、プロタミ
ン(シグマ社製)2μg/mlおよび各被検試料を表1
に示す濃度で含有する注射用水(大塚製薬社製)で50
0倍希釈した後、10分間静置して被検試料と反応させ
た。その後、この反応終了液を更に100倍希釈し、得
られた50,000倍希釈液中の血小板数を血球計(東
亜医用電子社製)により測定した。
【0029】なお、被検試料を含有せずプロタミン2μ
g/mlのみを含有する注射用水で希釈したものを対照
とした。 (4)試験結果 この試験の結果は、表1に示すとおりである。試料1か
ら試料4には、プロタミンの添加による見かけの血小板
数の減少を抑制する効果が認められた。従って、ペプチ
ド誘導体には、プロタミンにより誘発された血小板凝集
を抑制する作用のあることが認められた。なお、他のペ
プチド誘導体についても同様の試験を行ったが、ほぼ同
等の結果が得られた。
【0030】
【表1】
【0031】試験例2 この試験は、ペプチド誘導体の急性毒性を調べる目的で
行った。 (1)試験動物 4週齢のddY系雄性マウス(日本SLCより購入)を
5日間以上馴化し、のち3群(1群5匹)に分けて使用
した。 (2)試験方法 実施例1と同一の方法を反復して製造したペプチド誘導
体(1) を体重1kg当たり0、1000、または200
0mgの割合で、注射用水(大塚製薬社製)に溶解し、
単回強制経口投与し、急性毒性を試験した。 (3)試験結果 このペプチド誘導体(1) を1000mg/kg体重およ
び2000mg/kg体重の割合で投与した群に死亡例
は認められなかった。従って、このペプチド誘導体のL
D50は、2000mg/kg体重以上であり、毒性は極
めて低いことが判明した。なお、他のペプチド誘導体に
ついても同様の試験を行ったが、ほぼ同様の結果が得ら
れた。 参考例 市販の牛ラクトフェリン(シグマ社製)50mgを精製
水0.9mlに溶解し、0.1規定の塩酸でpHを2.
5に調整し、のち市販の豚ペプシン(シグマ社製)1m
gを添加し、37℃で6時間加水分解した。次いで0.
1規定の水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整し、8
0℃で10分間加熱して酵素を失活させ、室温に冷却
し、15,000rpmで30分間遠心分離し、透明な
上清を得た。この上清100μlをTSKゲルODS−
120T(東ソー社製)を使用した高速液体クロマトグ
ラフィーにかけ、0.8ml/分の流速で試料注入後1
0分間0.05%TFA(トリフルオロ酢酸)を含む2
0%アセトニトリルで溶出し、のち30分間0.05%
TFAを含む20〜60%のアセトニトリルのグラジエ
ントで溶出し、24〜25分の間に溶出する画分を集
め、真空乾燥した。この乾燥物を2%(W/V)の濃度
で精製水に溶解し、再度TSKゲルODS−120T
(東ソー社製)を使用した高速液体クロマトグラフィー
にかけ、0.8ml/分の流速で試料注入後10分間
0.05%TFAを含む24%アセトニトリルで溶出
し、のち30分間0.05%TFAを含む24〜32%
のアセトニトリルのグラジエントで溶出し、33.5〜
35.5分の間に溶出する画分を集めた。上記の操作を
25回反復し、真空乾燥し、ペプチド約1.5mgを得
た。
【0032】上記のラクトフェリン由来ペプチドを6N
塩酸で加水分解し、アミノ酸分析計を使用して常法によ
りアミノ酸組成を分析した。同一の試料を気相シ−クェ
ンサ−(アプライド・バイオシステムズ社製)を使用し
て25回のエドマン分解を行ない、25個のアミノ酸残
基の配列を決定した。またDTNB(5,5−ジチオ−
ビス(2−ニトロベンゾイック・アシド))を使用した
ジスルフィド結合分析法[アナリティカル・バイオケミ
ストリー(Analytical Biochemistry )、第67巻、第
493ページ、1975年]によりジスルフィド結合が
存在することを確認した。
【0033】その結果、このペプチドは、25個のアミ
ノ酸残基からなり、3番目と20番目のシステイン残基
がジスルフィド結合し、3番目のシステイン残基からア
ミノ末端側に2個のアミノ酸残基が、20番目のシステ
イン残基からカルボキシル末端側に5個のアミノ酸が、
それぞれ結合した配列番号26に記載のアミノ酸配列を
有していることが確認された。
【0034】
【実施例】次に実施例を示してこの発明をさらに詳しく
説明するが、この発明は以下の例に限定されるものでは
ない。 実施例1 ペプチドシンセサイザー[パーキン・エルマー(Perkin
Elmer)社製。Model433A]を使用し、シェパード等
[ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティー・パー
キンI(Journal of Chemical Society Perkin I) 、第
538ページ、1981年]による固相ペプチド合成
法、および同ペプチドシンセサイザーの使用説明書に基
づいてペプチドを次のとおり合成した。
【0035】カルボキシル末端アミドペプチド合成用固
相樹脂[パーキン・エルマー(Perkin Elmer)社製。Fm
ocアミドレジン]0.25mmolを使用して、上記ペ
プチドシンセサイザーの合成プログラムにより脱保護基
反応および縮合反応を反復してペプチド鎖を延長した。
すなわち、20%ピペリジン/NMP[パーキン・エル
マー(Perkin Elmer)社製]によりアミノ保護基である
Fmoc基を切断除去し、NMPで洗浄した後Fmoc−アミノ
酸/ FastMocTMリージェントキット[パーキン・エルマ
ー(Perkin Elmer)社製]を反応させ、NMPで洗浄す
る操作を反復した。
【0036】縮合反応の条件および脱保護条件は、フィ
ードバックモニタリングシステムにより、自動的に制御
した。使用したアミノ酸は、Fmoc-D-Arg(Pmc)-OH、Fmoc
-D-Trp(Boc)-OH、Fmoc-D-Gln(Trt)-OH、(いずれも渡辺
化学工業社製)で1mmolのカートリッジを使用し
た。ペプチド鎖の伸長反応が、全て終了したのち、20
%ピペリジン/NMPによりFmoc基を切断し、アミノ末
端のアミノ基に何も結合していない状態にし、NMPお
よびDCM[パーキン・エルマー(Perkin Elmer)社
製]で洗浄し、真空乾燥した。
【0037】前記の保護ペプチド樹脂にエタンジチオー
ル(渡辺化学工業社製)1.2ml、m−クレゾール
(渡辺化学工業社製)400μlおよびチオアニソール
(渡辺化学工業社製)2.4mlを、室温でアルゴン気
流下15分間攪拌した後、氷冷下にし、更に10分間攪
拌した。これにトリフルオロ酢酸(渡辺化学工業社製)
15mlを加え10分間攪拌し、トリメチルシリルブロ
ミド(渡辺化学工業社製)2.7mlを添加して50分
間攪拌した。グラスフィルターで樹脂を濾去し、濾液を
手早く減圧濃縮した。残渣にあらかじめ冷却した無水ジ
エチルエーテルを添加し、ペプチドを白色粉末化した。
遠沈管に移して遠心分離(2500rpmで5分間)
し、上清を捨て、冷ジエチルエーテルを新たに添加して
よく攪拌し、再び遠心分離する操作を4回反復した。ペ
プチド沈殿物を真空乾燥し、水に溶解して凍結乾燥を行
ない粗製ペプチドを得た。
【0038】前記粗製ペプチドを水に溶解し、遠心分離
(2500rpmで5分間)し、上清を0.45μmフ
ィルターで濾過した。この溶液を高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC)に供し、ペプチドの精製を行なっ
た。HPLCはガリバーPU-986高圧グラジエントシステ
ム(日本分光社製)を使用し、カラムは逆相系のLichro
spher100RP-18(e) 250×10mm(メルク社製)を使用し
た。溶離液は0.1%TFA(トリフルオロ酢酸)/水
をA液、80%アセトニトリル/A液をB液として、A
液からB液への濃度直線勾配により溶出した。クロマト
ピークはほとんど単一のピークと認められ、相当画分を
分取した。分取を数回繰り返し、これらを凍結乾燥して
精製ペプチドを得た。
【0039】この精製ペプチドに対して分析用カラム
(Lichrospher100RP-18(e) 250×4.6mm 。メルク社製)
を使用してHPLC分析を行ない、精製物が単一である
ことをさらに確認した。また、精製ペプチドの構造は、
常法のアミノ酸分析、アミノ酸配列分析、元素分析、質
量分析により確認し、次のペプチド誘導体(1) が得られ
ていることを確認した。
【0040】D-Arg-D-Trp-D-Gln-D-Trp −NH2 このペプチド誘導体はそのまま注射用水(大塚製薬社
製)に所望濃度で溶解し、プロタミンによる血小板凝集
を抑制する薬剤として使用することができる。 実施例2 実施例1と同一の方法によりペプチドシンセサイザーで
アミノ末端に何も結合していない保護ペプチド樹脂を合
成し、これに次の方法によりアミノ末端にアシル基を導
入することにより、ペプチド誘導体を合成した。
【0041】カプロン酸(東京化成社製)116mg、
HBTU(島津製作所社製)379mg、HOBt(島
津製作所社製)153mgをDMF(関東化学社製)に
溶解し、DIEA(渡辺化学工業社製)174μlを添
加した混合液を、前記ペプチドシンセサイザーで合成し
たアミノ末端に何も結合していない保護ペプチド樹脂
(0.1mmolスケール)に添加し、室温で1時間攪
拌し、カイザーテストにより完全にアシル化されている
ことを確認した。前記保護ペプチド樹脂をDMF(関東
化学社製)、tert−ペンチルアルコール(関東化学社
製)、酢酸(関東化学社製)、tert−ペンチルアルコー
ル、DMF、無水ジエチルエーテル(いずれも国産化学
社製)の順によく洗浄し、真空乾燥し、アシル化保護ペ
プチド樹脂を得た。続いて実施例1と同一の方法によ
り、前記アシル化保護ペプチド樹脂を脱保護、脱樹脂
し、HPLCで精製し、次のペプチド誘導体(2) を調製
した。
【0042】CH3 (CH2 4 CO−D-Arg-D-Trp-D-
Gln-D-Trp −NH2 このペプチド誘導体はそのまま注射用水(大塚製薬社
製)に所望濃度で溶解し、プロタミンによる血小板凝集
を抑制する薬剤として使用することができる。 実施例3 実施例1と同一の方法によりペプチドシンセサイザーで
アミノ末端に何も結合していない保護ペプチド樹脂を合
成し、これに次の方法によりアミノ末端にアシル基を導
入することにより、ペプチド誘導体を合成した。
【0043】n−カプリン酸(東京化成社製)172m
g、HBTU(島津製作所社製)379mg、HOBt
(島津製作所社製)153mgをDMF(関東化学社
製)に溶解し、DIEA(渡辺化学工業社製)174μ
lを添加した混合液を、前記ペプチドシンセサイザーで
合成したアミノ末端に何も結合していない保護ペプチド
樹脂(0.1mmolスケール)に添加し、室温で1時
間攪拌し、カイザーテストにより完全にアシル化されて
いることを確認した。前記保護ペプチド樹脂をDMF
(関東化学社製)、tert−ペンチルアルコール(関東化
学社製)、酢酸(関東化学社製)、tert−ペンチルアル
コール、DMF、無水ジエチルエーテル(いずれも国産
化学社製)の順によく洗浄し、真空乾燥し、アシル化保
護ペプチド樹脂を得た。続いて実施例1と同一の方法に
より、前記アシル化保護ペプチド樹脂を脱保護、脱樹脂
し、HPLCで精製し、次のペプチド誘導体(3) を調製
した。
【0044】CH3 (CH2 8 CO−D-Arg-D-Trp-D-
Gln-D-Trp −NH2 このペプチド誘導体はそのまま注射用水(大塚製薬社
製)に所望濃度で溶解し、プロタミンによる血小板凝集
を抑制する薬剤として使用することができる。 実施例4 固相樹脂として、カルボキシル末端アミドペプチド合成
用固相樹脂[パーキン・エルマー(Perkin Elmer)社
製。Fmocアミドレジン]に変えて、カルボキシル末端に
何も結合していないペプチドの合成用固相樹脂であるノ
バシン(NovaSyn)KA125樹脂(カルビオケム−ノ
バビオケム・ジャパン社製)を使用したことを除き、実
施例1と同様の方法によりペプチドシンセサイザーでア
ミノ末端に何も結合していない保護ペプチド樹脂を合成
し、これに次の方法によりアミノ末端にアシル基を導入
することにより、ペプチド誘導体を合成した。
【0045】乳酸(東京化成社製)90mg、HBTU
(島津製作所社製)379mg、HOBt(島津製作所
社製)153mgをDMF(関東化学社製)に溶解し、
DIEA(渡辺化学工業社製)174μlを添加した混
合液を、前記ペプチドシンセサイザーで合成したアミノ
末端に何も結合していない保護ペプチド樹脂(0.1m
molスケール)に添加し、室温で1時間攪拌し、カイ
ザーテストにより完全にアシル化されていることを確認
した。前記保護ペプチド樹脂をDMF(関東化学社
製)、tert−ペンチルアルコール(関東化学社製)、酢
酸(関東化学社製)、tert−ペンチルアルコール、DM
F、無水ジエチルエーテル(いずれも国産化学社製)の
順によく洗浄し、真空乾燥し、アシル化保護ペプチド樹
脂を得た。続いて実施例1と同様の方法により、前記ア
シル化保護ペプチド樹脂を脱保護、脱樹脂し、HPLC
で精製し、次のペプチド誘導体(4) を調製した。
【0046】 CH3 CH(OH)CO−D-Arg-D-Trp-D-Gln-D-Trp このペプチド誘導体はそのまま注射用水(大塚製薬社
製)に所望濃度で溶解し、プロタミンによる血小板凝集
を抑制する薬剤として使用することができる。 実施例5 実施例1と同一の方法によりペプチドシンセサイザーで
アミノ末端に何も結合していない保護ペプチド樹脂を合
成し、これに実施例4と同様の方法によりアミノ末端に
広義のアシル基の一種であるラクトイル基を導入するこ
とにより、次のペプチド誘導体(5) を調製した。
【0047】CH3 CH(OH)CO−D-Arg-D-Trp-D-
Gln-D-Trp −NH2 このペプチド誘導体はそのまま注射用水(大塚製薬社
製)に所望濃度で溶解し、プロタミンによる血小板凝集
を抑制する薬剤として使用することができる。 実施例6 ペプチド合成に使用したアミノ酸が、Fmoc-D-Arg(Pmc)-
OH、Fmoc-D-Ala-OH 、Fmoc-D-Phe-OH 、(いずれも渡辺
化学工業社製)であることを除き、実施例1と同様の方
法によりペプチドシンセサイザーでアミノ末端に何も結
合していない保護ペプチド樹脂を合成し、これに実施例
2と同様の方法によりアミノ末端にアシル基を導入する
ことにより、次のペプチド誘導体(6) を調製した。
【0048】 CH3 (CH2 4 CO−D-Arg-D-Ala-D-Phe −NH2 このペプチド誘導体はそのまま注射用水(大塚製薬社
製)に所望濃度で溶解し、プロタミンによる血小板凝集
を抑制する薬剤として使用することができる。 実施例7 ペプチド合成に使用したアミノ酸が、Fmoc-D-Arg(Pmc)-
OH、Fmoc-D-Ala-OH 、Fmoc-D-Phe-OH 、(いずれも渡辺
化学工業社製)であることを除き、実施例1と同様の方
法によりペプチドシンセサイザーでアミノ末端に何も結
合していない保護ペプチド樹脂を合成し、これに実施例
3と同様の方法によりアミノ末端にアシル基を導入する
ことにより、次のペプチド誘導体(7) を調製した。
【0049】 CH3 (CH2 8 CO−D-Arg-D-Ala-D-Phe −NH2 このペプチド誘導体はそのまま注射用水(大塚製薬社
製)に所望濃度で溶解し、プロタミンによる血小板凝集
を抑制する薬剤として使用することができる。 実施例8 固相樹脂として、カルボキシル末端アミドペプチド合成
用固相樹脂(パーキンエルマー(Perkin Elmer)社製。
Fmocアミドレジン)に変えて、カルボキシル末端に何も
結合していないペプチドの合成用固相樹脂であるノバシ
ン(NovaSyn)KA125樹脂(カルビオケム−ノバビ
オケム・ジャパン社製)を使用すること、およびペプチ
ド合成に使用したアミノ酸が、Fmoc-D-Arg(Pmc)-OH、Fm
oc-D-Ala-OH 、Fmoc-D-Phe-OH 、(いずれも渡辺化学工
業社製)であることを除き、実施例1と同様の方法によ
りペプチドシンセサイザーでアミノ末端に何も結合して
いない保護ペプチド樹脂を合成し、これに実施例4と同
様の方法によりアミノ末端に広義のアシル基の一種であ
るラクトイル基を導入することにより、次のペプチド誘
導体(8) を調製した。
【0050】 CH3 CH(OH)CO−D-Arg-D-Ala-D-Phe このペプチド誘導体はそのまま注射用水(大塚製薬社
製)に所望濃度で溶解し、プロタミンによる血小板凝集
を抑制する薬剤として使用することができる。 実施例9 ペプチド合成に使用したアミノ酸が、Fmoc-D-Arg(Pmc)-
OH、Fmoc-D-Ala-OH 、Fmoc-D-Phe-OH 、(いずれも渡辺
化学工業社製)であることを除き、実施例1と同様の方
法によりペプチドシンセサイザーでアミノ末端に何も結
合していない保護ペプチド樹脂を合成し、これに実施例
4と同様の方法によりアミノ末端に広義のアシル基の一
種であるラクトイル基を導入することにより、次のペプ
チド誘導体(9) を調製した。
【0051】 CH3 CH(OH)CO−D-Arg-D-Ala-D-Phe −NH2 このペプチド誘導体はそのまま注射用水(大塚製薬社
製)に所望濃度で溶解し、プロタミンによる血小板凝集
を抑制する薬剤として使用することができる。 実施例10 注射用水(大塚製薬社製)1mlに、実施例1と同一の
方法により製造したペプチド誘導体(1) の凍結乾燥粉末
10mgおよび塩化ナトリウム(和光純薬工業社製)9
mgの割合で溶解し、水酸化ナトリウム(和光純薬工業
社製)および塩酸(和光純薬工業社製)でpHを約7に調
整し、濾過滅菌し、1mlずつアンプルに充填し、注射
用の血小板凝集抑制剤を製造した。 実施例11 注射用水(大塚製薬社製)1mlに、実施例5と同一の
方法により製造したペプチド誘導体(5) の凍結乾燥粉末
15mgおよびD−マンニット(和光純薬工業社製)4
9.5mgの割合で溶解し、リン酸緩衝剤粉末(和光純
薬工業社製)の水溶液でpHを約7に調整し、濾過滅菌
し、1mlずつバイアル瓶に充填し、凍結乾燥し、注射
用の血栓抑制剤を製造した。 実施例12 1錠当り次の組成からなる錠剤の特発性血小板減少症治
療薬を次の方法により製造した。
【0052】 実施例9と同一の方法により製造したペプチド誘導体(9) 20.0(mg) 乳糖一水和物(和光純薬工業社製) 30.0 トウモロコシデンプン(和光純薬工業社製) 19.8 結晶セルロース(旭化成社製) 28.0 珪酸マグネシウム五水和物(和光純薬工業社製) 2.0 ステアリン酸マグネシウム(和光純薬工業社製) 0.2 実施例9と同一の方法により製造したペプチド誘導体
(9) の凍結乾燥粉末、乳糖一水和物、トウモロコシデン
プンおよび結晶セルロースの混合物に、滅菌精製水を適
宜添加しながら均一に混練し、50℃で3時間乾燥さ
せ、得られた乾燥物に珪酸マグネシウム五水和物および
ステアリン酸マグネシウムを添加して混合し、打錠器で
打錠した。
【0053】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この発明に
よって、以下の効果を有する薬剤が提供される。。 (1)抗原性等の副作用が少ない。 (2)耐熱性があり、水に可溶性であり、水溶液中で安
定なので、薬剤として安定である。 (3)血小板凝集阻害に基づく血栓抑制剤として利用で
きる。
【0054】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列: Lys Xaa Xaa Xaa Xaa Gln Xaa Xaa Met Lys Lys 1 5 10 (上記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸
残基を示す) 配列番号:2 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列: Lys Xaa Xaa Xaa Xaa Gln Xaa Xaa Met Arg Lys 1 5 10 (上記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸
残基を示す) 配列番号:3 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列: Arg Xaa Xaa Xaa Xaa Arg 1 5 (上記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸
残基を示す) 配列番号:4 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。次の配列において、Xaa
はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。 配列: Lys Xaa Xaa Xaa Xaa Arg 1 5 配列番号:5 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。次の配列において、Xaa
はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。 配列: Lys Xaa Xaa Xaa Xaa Lys 1 5 配列番号:6 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。次の配列において、Xaa
はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。 配列: Arg Xaa Xaa Xaa Xaa Lys 1 5 配列番号:7 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。次の配列において、Xaa
はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。 配列: Arg Xaa Xaa Xaa Arg 1 5 配列番号:8 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。次の配列において、Xaa
はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。 配列: Lys Xaa Xaa Xaa Arg 1 5 配列番号:9 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。次の配列において、Xaa
はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。 配列: Arg Xaa Xaa Xaa Lys 1 5 配列番号:10 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。 配列: Phe Gln Trp Gln Arg Asn 1 5 配列番号:11 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。 配列: Phe Gln Trp Gln Arg 1 5 配列番号:12 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。 配列: Gln Trp Gln Arg 1 配列番号:13 配列の長さ:3 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。 配列: Trp Gln Arg 1 配列番号:14 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。 配列: Arg Arg Trp Gln Trp 1 5 配列番号:15 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。 配列: Arg Arg Trp Gln 1 配列番号:16 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。 配列: Trp Gln Trp Arg 1 配列番号:17 配列の長さ:3 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。 配列: Gln Trp Arg 1 配列番号:18 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。 配列: Leu Arg Trp Gln Asn Asp 1 5 配列番号:19 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。 配列: Leu Arg Trp Gln Asn 1 5 配列番号:20 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。 配列: Leu Arg Trp Gln 1 配列番号:21 配列の長さ:3 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。 配列: Arg Trp Gln 1 配列番号:22 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。次の配列において、2番
の Cysと19番の Cysがジスルフィド結合している。 配列: Lys Cys Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro 1 5 10 15 Ser Ile Thr Cys Val 20 配列番号:23 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。次の配列においてCys*
は、ジスルフィド結合の形成を防止するため、チオ−ル
基を化学的に修飾したシステインを示す。 配列: Lys Cys* Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro 1 5 10 15 Ser Ile Thr Cys* Val 20 配列番号:24 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。次の配列において、2番
の Cysと19番の Cysがジスルフィド結合している。 配列: Lys Cys Phe Gln Trp Gln Arg Asn Met Arg Lys Val Arg Gly Pro 1 5 10 15 Pro Val Ser Cys Ile 20 配列番号:25 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。次配列においてCys*は、
ジスルフィド結合の形成を防止するため、チオ−ル基を
化学的に修飾したシステインを示す。 配列: Lys Cys* Phe Gln Trp Gln Arg Asn Met Arg Lys Val Arg Gly Pro 1 5 10 15 Pro Val Ser Cys* Ile 20 配列番号:26 配列の長さ:25 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。次配列において、3番の
Cysと20番の Cysがジスルフィド結合している。 配列: Phe Lys Cys Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala 1 5 10 15 Pro Ser Ile Thr Cys Val Arg Arg Ala Phe 20 25 配列番号:27 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。 配列: Lys Thr Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys 1 5 10 配列番号:28 配列の長さ:38 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。次の配列において、16
番の Cysと33番の Cysとがジスルフィド結合してい
る。 配列: Lys Asn Val Arg Trp Cys Thr Ile Ser Gln Pro Glu Trp Phe Lys 1 5 10 15 Cys Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro Ser 20 25 30 Ile Thr Cys Val Arg Arg Ala Phe 35 配列番号:29 配列の長さ:32 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。次の配列において、10
番の Cysと27番の Cysとがジスルフィド結合してい
る。 配列: Thr Ile Ser Gln Pro Glu Trp Phe Lys Cys Arg Arg Trp Gln Trp 1 5 10 15 Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro Ser Ile Thr Cys Val Arg Arg 20 25 30 Ala Phe 配列番号:30 配列の長さ:47 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。次の配列において、配列
の長さ36であって9番、26番、および35番に Cys
を有するペプチドの、9番の Cysと26番の Cysとがジ
スルフィド結合し、次の配列の長さ36のペプチドの3
5番の Cysが、配列の長さ11であって46番に Cysを
有するペプチドの46番の Cysとがジスルフィド結合し
ている。 配列: Val Ser Gln Pro Glu Ala Thr Lys Cys Phe Gln Trp Gln Arg Asn 1 5 10 15 Met Arg Lys Val Arg Gly Pro Pro Val Ser Cys Ile Lys Arg Asp 20 25 30 Ser Pro Ile Gln Cys Ile 35 Gly Arg Arg Arg Arg Ser Val Gln Trp Cys Ala 40 45 配列番号:31 配列の長さ:47 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。次の配列において、10
番の Cysと46番の Cysとがジスルフィド結合し、20
番の Cysと37番のCys とがジスルフィド結合してい
る。 配列: Gly Arg Arg Arg Arg Ser Val Gln Trp Cys Ala Val Ser Gln Pro 1 5 10 15 Glu Ala Thr Lys Cys Phe Gln Trp Gln Arg Asn Met Arg Lys Val 20 25 30 Arg Gly Pro Pro Val Ser Cys Ile Lys Arg Asp Ser Pro Ile Gln 35 40 45 Cys Ile 配列番号:32 配列の長さ:36 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。次の配列において、9番
の Cysと26番の Cysとがジスルフィド結合している。 配列: Val Ser Gln Pro Glu Ala Thr Lys Cys Phe Gln Trp Gln Arg Asn 1 5 10 15 Met Arg Lys Val Arg Gly Pro Pro Val Ser Cys Ile Lys Arg Asp 20 25 30 Ser Pro Ile Gln Cys Ile 35 配列番号:33 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。 配列: Gly Arg Arg Arg Arg Ser Val Gln Trp Cys Ala 1 5 10 配列番号:34 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。下記配列において、 Xaa
は Cysを除く任意のアミノ酸残基を示す。 配列: Lys Xaa Xaa Xaa Lys 1 5 配列番号:35 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。 配列: Arg Trp Gln Trp 1 配列番号:36 配列の長さ:3 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。 配列: Arg Ala Phe 1
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 5/08 C07K 5/11 5/09 5/117 5/10 7/06 ZNA 5/11 7/08 5/117 14/79 7/06 ZNA A61K 37/02 ABA 7/08 ACL 14/79 AED

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(A)、(B)または(C) (A)R1 −X (B)X−R2 (C)R1 −X−R2 [ただし、式中R1 は、アシル基またはポリエチレング
    リコールのいずれかを示し、R2 は、アミノ基、アシル
    基、ポリエチレングリコールまたはβ−アラニン−ポリ
    エチレングリコ−ルのいずれかを示し、Xは、D体また
    はL体のアミノ酸残基からなり、配列番号1から配列番
    号36にアミノ酸配列を示したペプチドのいずれかを示
    す。]で示されるペプチド誘導体、このペプチド誘導体
    の薬学的に許容される塩類、このペプチド誘導体と担体
    との結合物、このペプチド誘導体と担体との吸着物、ま
    たはこれらの任意の混合物を有効成分として含有する薬
    剤。
  2. 【請求項2】 薬学的に許容される塩類が、塩酸塩、燐
    酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、乳酸塩または酒石酸塩であ
    る請求項1の薬剤。
  3. 【請求項3】 担体が、スターチ、デキストリン、セル
    ロース、デキストラン、ポリビニルピロリドン、塩化ビ
    ニール、ポリエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂、ガ
    ラスまたはタルクである請求項1または2の薬剤。
  4. 【請求項4】 薬剤が、血栓抑制、敗血症、特発性血小
    板減少症、潰瘍性大腸炎または自己免疫疾患の治療に使
    用される請求項1から3のいずれかの薬剤。
  5. 【請求項5】 プロタミンによる血小板凝集を抑制する
    請求項1から4のいずれかの薬剤。
  6. 【請求項6】 血小板第4因子の作用に拮抗する請求項
    1から4のいずれかの薬剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000017231A1 (fr) * 1998-09-24 2000-03-30 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Derives d'ethylamine
JP2008069073A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Yokohama Tlo Co Ltd ラクトフェリン複合体及びその製造方法
JP2008214265A (ja) * 2007-03-05 2008-09-18 Morinaga Milk Ind Co Ltd インターロイキン−11産生促進剤

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