JP2002060216A - アルミナ改質微粒子および該微粒子を含んでなる被膜付基材 - Google Patents

アルミナ改質微粒子および該微粒子を含んでなる被膜付基材

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JP2002060216A JP2000278418A JP2000278418A JP2002060216A JP 2002060216 A JP2002060216 A JP 2002060216A JP 2000278418 A JP2000278418 A JP 2000278418A JP 2000278418 A JP2000278418 A JP 2000278418A JP 2002060216 A JP2002060216 A JP 2002060216A
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Hiroyasu Nishida
田 広 泰 西
Mitsuru Nakai
井 満 中
Michio Komatsu
松 通 郎 小
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Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機溶媒に分散させても安定であり、高濃度で
も安定に分散しかつ、透明性に優れた分散ゾルを形成可
能なアルミナ改質微粒子を提供する。 【解決手段】アルミナ微粒子が水および/または有機溶
媒に分散したゾルに、下記式(1)または(2)式で表
されるカチオン性水和金属化合物の水溶液を添加し、ア
ルミナ微粒子とカチオン性水和金属化合物を接触させて
得られたアルミナ改質微粒子。 〔M2(OH)n(2a-n)/bm …(1) 〔MOX(a-2)/bm …(2) (式中、Mは3価以上の金属カチオン、aは金属カチオ
ンの価数、Xはアニオン、bはアニオンの価数を示し、
1<n<5、1≦mである。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、表面電荷量が高く、分散
媒に安定な分散しうるアルミナ改質微粒子に関する。さ
らに本発明は、該微粒子を含む被膜が形成されてなる被
膜付基材およびインク受容層付記録用シートに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来から、アルミナ、アルミナ水
和物等の金属酸化物微粒子、金属水酸化物微粒子あるい
はこれらを溶媒に分散させたゾルは種々の用途に用いら
れている。たとえば、このような金属酸化物微粒子は、
触媒、触媒担体、吸着剤、吸着分離用膜形成材、樹脂中
のフィラー、種々バインダー、滑り性向上剤、潤滑剤、
増粘剤、難燃剤、保湿剤、化粧料配合剤、印刷用記録シ
ートにおけるインク受容層等の用途に用いられている。
【0003】従来、アルミナ微粒子またはアルミナ水和
物微粒子の分散ゾルは粒子が凝集し易いために、Al2
3としての濃度が約8重量%以上の高濃度のゾルが得難
く、低濃度では輸送費用が嵩んだり、上記用途に使用す
るには濃度が低すぎるため、種々の問題があった。具体
的には、膜を形成する場合、膜形成用塗布液が低濃度と
なるために膜を厚くすることができず、また膜厚を厚く
するためには繰り返し塗布乾燥を必要とすることがあっ
た。
【0004】さらに、従来のアルミナ、アルミナ水和物
微粒子の分散ゾルから、比較的高濃度のゾルを調製した
としても、透明性が低下したり粘度が高くなりすぎるな
どの問題があった。特に、多孔質(低屈折率のためなど
に用いられる)のアルミナ微粒子またはアルミナ水和物
微粒子の分散ゾルにあっては、粘度が低いゾルを得るこ
とは困難であった。
【0005】さらにまた、用途に応じて、アルミナ微粒
子またはアルミナ水和物微粒子を有機溶媒に分散させて
用いる場合があるが、有機溶媒に分散させると、得られ
るゾルに増粘が生じたり、さらには粒子が凝集し、ゲル
化し、被膜を形成するためには、塗布液の安定性が充分
ではなく、しかもこのような塗布液を用いて形成された
被膜中のアルミナ微粒子は分散性が悪く、不均一であっ
たり、透明性が低下したり、密着性、強度等が低下する
などの問題があった。
【0006】また、これらのアルミナ微粒子では、水分
散ゾルから分散媒である水を有機溶媒に置換しても安定
に微粒子が分散したオルガノゾルを得ることは困難であ
った。このため、アルミナ微粒子をカップリング剤など
で表面処理して、有機溶媒中に安定にアルミナ微粒子を
分散させることも知られていたが、こうして得られたオ
ルガノゾルは高価であり、その上、安定性も不充分であ
り、このため用途が制限されるという問題があった。
【0007】ところで、このようなアルミナ微粒子およ
びアルミナ水和物微粒子は、印刷記録媒体用の受容層の
形成に用いられることが知られている。例えば、特公平
3−24906号公報には、カチオン性水和アルミニウ
ム酸化物含む受容層が形成された記録媒体は、水溶性染
料インクにおける印刷に好適であることが記載されてい
る。また、特公平4−115984号公報には、擬ベー
マイトアルミナからなる層の上に多孔性シリカからなる
層を設けた記録用シートは、透明性が高く、かつ高いイ
ンクの吸収性を有することが記載されている。
【0008】さらにまた、特開平6−55829号公報
には、平均粒子径が2〜50μm、平均細孔直径が8〜
50nm、細孔容積が0.8〜2.5cc/gの多孔性
シリカ粒子の層および該層の上に、アルミナゾルを乾燥
して得られる擬ベーマイト多孔質層を有する記録用シー
トが提案されている。この記録用シートは、インクの吸
収性が高く、色素の安定性が良好であることが記載され
ている。
【0009】さらに本願出願人も特開2000−379
46号において酸化物粒子表面に、特に金属カチオンが
Al3+であるカチオン性水和金属化合物を担持した正の
ゼータ電位を持つ酸化物粒子を含むインク受容層形成用
塗布液を用いて形成したインク受容層付記録用シート
は、滲みが無く、鮮明に印刷することが可能であり、か
つ耐水性、耐候性、退色性等に優れることを提案してい
る。
【0010】また、特公平3−24906号公報には、
カチオン性水和アルミニウム酸化物含む受容層を有する
記録媒体が水溶性染料インクでの印刷に好適であること
が記載されている。即ち、水溶性アルミニウム化合物を
中和等して得たヒドロゲルを洗浄・乾燥して得られるア
ルミナキセロゲルの水分散体はプラスの表面電荷を持ち
アニオン性染料が安定的に保持され、耐水性、耐光性に
優れた記録媒体が得られることが記載されている。
【0011】しかしながら、従来のアルミナ微粒子、ア
ルミナ水和物微粒子の分散ゾルでは、高濃度のゾルを調
製することが困難であり、しかも、インク受容層形成用
に適用したときに、水分子や染料等との親和性が低い上
に、吸着量も少ないという問題点があった。
【0012】
【発明の目的】本発明は、上記従来技術に伴う問題点を
解決すべくなされたものであり、有機溶媒に分散させて
も安定であり、高濃度でも安定に分散しかつ、透明性に
優れた分散ゾルを作製可能なアルミナ改質微粒子を提供
することを目的としている。また、基材上に、水分子や
染料等との親和性が高く、かつ 、染料等の吸着量が高
い被膜を形成した被膜付き基材、およびインク受容層付
記録用シートを提供することを目的としている。
【0013】
【発明の概要】本発明に係るアルミナ改質微粒子は、ア
ルミナ微粒子が水および/または有機溶媒に分散したゾ
ルに、下記式(1)または(2)式で表されるカチオン
性水和金属化合物の水溶液を添加し、アルミナ微粒子と
カチオン性水和金属化合物を接触させて得られたもので
あることを特徴としている。
【0014】 〔M2(OH)n(2a-n)/bm …(1) 〔MOX(a-2)/bm …(2) (式中、Mは3価以上の金属カチオン、aは金属カチオ
ンの価数、Xはアニオン、bはアニオンの価数を示し、
1<n<5、1≦mである。) 前記アルミナ改質微粒子の表面電荷量は、0.5〜10m
eq/gの範囲にあることが好ましい。
【0015】前記式(1)で表される金属カチオンがA
l3+であることが好ましい。本発明に係る被膜付基材
は、基材と、前記アルミナ改質微粒子を含む被膜とを有
することを特徴としている。本発明に係るインク受容層
付記録用シートは、記録用シート上に、前記アルミナ改
質微粒子を含んでなるインク受容層が形成されているこ
とを特徴としている。
【0016】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るアルミナ改質
微粒子および該微粒子を含む被膜付基材およびインク受
容層付記録用シートについて説明する。先ず、本発明に
係るアルミナ改質微粒子について説明する。 [アルミナ改質微粒子]本発明に用いるアルミナ改質微
粒子は、アルミナ微粒子が水および/または有機溶媒に
分散したゾルに、式(1)で表されるカチオン性水和金
属化合物の水溶液を添加し、アルミナ微粒子とカチオン
性水和金属化合物を接触させて得られたものであること
を特徴としている。
【0017】アルミナ微粒子が水および/または有機溶
媒に分散したゾルは、従来公知の方法によって得られた
ものを用いることができる。具体的には、以下の製造方
法によって製造される。まず、アルミン酸アルカリ金属
塩水溶液またはアルミニウム塩水溶液を中和することに
よってアルミナヒドロゲルを調製する。
【0018】アルミン酸アルカリ金属塩水溶液として
は、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどの
水溶性塩水溶液が挙げられ、特にアルミン酸ナトリウム
水溶液が好適に使用される。また、アルミニウム塩水溶
液としては、硫酸アルミニウム水溶液、塩化アルミニウ
ム水溶液などが挙げられ、硫酸アルミニウム水溶液が好
適である。
【0019】より具体的には、アルミン酸アルカリ金属
塩水溶液とアルミニウム塩水溶液とを、必要に応じてア
ルカリ金属の水酸化物および/またはアンモニア水等の
アルカリまたは鉱酸、有機酸等の酸の存在下で中和し
て、アルミナヒドロゲルを調製する。また、アルミン酸
アルカリ金属塩水溶液を鉱酸、有機酸等の酸性化合物で
中和することによってもアルミナヒドロゲルを調製する
ことができ、さらにアルミニウム塩水溶液をアルカリ金
属の水酸化物および/またはアンモニア水で中和するこ
とによってもアルミナヒドロゲルを調製することができ
る。
【0020】アルカリ金属の水酸化物水溶液としては、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化ストロンチウム、などの水溶液が挙げられ、この
うち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム水溶液が好適
である。また、アンモニア成分として、分解によってア
ンモニアを発生する尿素を用いることもできる。鉱酸と
しては、硫酸、塩酸、硝酸、などが挙げられ、有機酸と
しては、酢酸、蓚酸、クエン酸などが挙げられる。
【0021】このとき、必要に応じて結晶成長抑制剤を
添加してもよい。結晶成長抑制剤としては、グルコン
酸、アスパラギン酸、アジピン酸等のカルボン酸、グル
コン酸塩、アスパラギン酸塩、アジピン酸塩等のカルボ
ン酸塩が好ましく用いられる。前記各水溶液の濃度とし
ては、アルミナヒドロゲルが生成しうる濃度であれば特
に制限されるものではないが、生成するAl23として
の濃度が概ね1〜5重量%の範囲となるようにすること
が望ましい。
【0022】また、調製時のアルミナヒドロゲルのpH
は約9〜12であることが好ましく、調製時のアルミナ
ヒドロゲルの液温は10〜50℃の範囲にあることが望
ましい。ついで、アルミナヒドロゲルは、濾過し、水お
よび/またはアンモニア水を用いて洗浄して塩を除去す
る。
【0023】洗浄したアルミナヒドロゲルは、Al23
としての濃度が概ね1〜7重量%の範囲となるように水
分を調整し、必要に応じてアンモニア水を加えてpHを
9〜12の範囲に調整し、次いで温度を50〜105
℃、好ましくは80〜110℃の範囲にして、1〜10
0時間加熱してアルミナヒドロゲルの熟成を行う。熟成
後のアルミナヒドロゲルに酸を添加して解膠することに
よってアルミナ分散ゾルが得られる。使用される酸とし
ては、塩酸、硝酸等の鉱酸、酢酸等の有機酸が挙げられ
る。このときのアルミナ分散ゾル中のAl23としての
濃度は概ね1〜7重量%の範囲である。また、酸の添加
量は、解膠できればできるだけ少ない量が好ましく、A
l231モルに対して酸が約0.2モル以下であることが
望ましい。
【0024】ついで、上記で得たアルミナ分散ゾルに、
下記式(1)または(2)式で表されるカチオン性水和
金属化合物の水溶液(または金属化合物塩の水溶液)を
添加し、アルミナ微粒子とカチオン性水和金属化合物を
接触させる。こうして本発明に係るアルミナ改質微粒子
が得られる。 〔M2(OH)n(2a-n)/bm …(1) 〔MOX(a-2)/bm …(2) (式中、Mは3価以上の金属カチオン、aは金属カチオ
ンの価数、Xはアニオン、bはアニオンの価数を示し、
1<n<5、1≦mである。) 金属カチオンとしては、3価または4価の金属カチオン
が好ましく、例えばAl3+、Ti3+、La3+、Ce4+、Ti
4+、Zr4+ 等の金属カチオンが好ましく、特にAl3+
安定なカチオン性水和金属化合物が得られ、得られるア
ルミナ微粒子の表面電荷量が高く、水の吸着量が高くな
り、このため例えばこのようなアルミナ微粒子を含むイ
ンク受容層は染料インクの安定性を向上させることがで
きる。このようなカチオン性水和金属化合物は結晶水を
有していてもよい。
【0025】アニオンとしては、塩素、臭素、フッ素、
ヨウ素、などのハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオ
ン、有機アニオンなどが挙げられる。なお、本発明で使
用されるカチオン性水和金属化合物は、公知の方法によ
って製造することが可能であり、例えば水酸化アルミニ
ウムを塩酸に加圧下または溶解助剤を加えて溶解して塩
化アルミニウムなどの水溶液とした後、これに硫酸など
の重合促進剤を添加して熟成することによって得ること
ができる。このようなカチオン性水和金属化合物として
は、たとえばAl2(OH)5Cl、ZrOCl 2・8H2
Oなどが使用される。
【0026】このような(1)式で表されるカチオン性
水和金属化合物または(2)式で表される金属化合物塩
とアルミナ微粒子の接触は、前記アルミナ微粒子を水に
分散させた分散液に、前記カチオン性水和金属化合物ま
たは金属化合物塩の水溶液を混合し、必要に応じて酸ま
たはアルカリを添加して分散液のpHが3〜9の範囲と
なるように調整して行う。
【0027】カチオン性水和金属化合物または金属化合
物塩とアルミナ微粒子との混合比は、カチオン性水和金
属化合物および金属化合物塩を酸化物(MOx)に換算
し、アルミナ微粒子をAl23 に換算したときの重量比
MOx/Al23 が0.005〜2.0、好ましくは0.
1〜1.5の範囲にあることが望ましい。前記重量比M
x/Al23 が0.005未満の場合は、得られるアル
ミナ微粒子分散ゾルの表面電荷量が不充分であり、この
ため有機溶媒中、高濃度で安定なアルミナ改質微粒子分
散ゾルを得ることができない。前記重量比が2.0を越
えても得られるアルミナ改質微粒子の表面電荷量が後述
するように10meq/gを越えて高くなることはな
い。
【0028】カチオン性水和金属化合物または金属化合
物塩の水溶液を添加する際のアルミナ微粒子分散液の濃
度はAl23として概ね0.1〜7重量%の範囲にある。
前記濃度が0.1重量%未満の場合は、濃度が低すぎて
生産効率が低く、前記濃度が7重量%を越えると粘度が
高くなり均一で分散性に優れたアルミナ改質微粒子分散
ゾルを得ることができないことがある。
【0029】カチオン性水和金属化合物または金属化合
物塩を添加したアルミナ改質微粒子分散液は、室温でし
ばらく撹拌し、さらに、必要に応じて限外濾過膜、イオ
ン交換樹脂等を用いて脱塩(洗浄)あるいは夾雑イオン
を除去する。このようにして得られたアルミナ改質微粒
子の水分散ゾルを有機溶媒と置換すれば、有機溶媒分散
ゾルを調製することができる。このときの溶媒の置換
は、ロータリーエバポレーター等により、アルミナ微粒
子水分散ゾルに有機溶媒を添加し、あるいは添加しなが
ら水を留去するなどの方法により行うことができる。ま
た、このとき、必要に応じて濃縮することによって所望
の濃度のアルミナ改質微粒子分散ゾルとすることができ
る。
【0030】こうして得られたアルミナ改質微粒子の表
面電荷量は、0.5〜10meq/g、好ましくは2〜10me
q/gの範囲にあることが望ましい。また、アルミナ改質
微粒子の表面電荷量が0.5meq/g 未満の場合は、有機
溶媒に分散させた際に増粘したりゲル化して安定なアル
ミナ微粒子のオルガノゾルを得ることができず、また、
染料インクの印刷等に用いるインク受容層付記録用シー
トに用いた場合に染料の吸着量が従来のアルミナ微粒子
と変わらず、耐水性においても従来のインク受容層付記
録用シートと変わるところがない。一方、表面電荷量が
10meq/g を越えるアルミナ改質微粒子は得ることが困
難である。
【0031】アルミナ改質微粒子の表面電荷量が0.5
〜10meq/gの範囲にあれば、有機溶媒に分散してもゾ
ルは高濃度で透明性と安定性を有しており、またインク
受容層付記録用シートに用いた場合には染料の吸着量が
高く、耐水性に優れ、鮮明な印刷ができる記録用シート
を得ることができる。このようなアルミナ改質微粒子の
表面電荷量は、酸化物(Al23+MOx)としての濃度
が0.01重量%のアルミナ改質微粒子の純水分散体を
調製し、流動電位測定機(MUTEK社製:PCD0
2)により、ポリマー滴定法により測定される。このと
き、ポリマー標準液として、電荷量が1meq/L に調整
されたナトリウム-ポリエチレンサルファイド(PES
−Na)を用いて滴定される。
【0032】上記アルミナ微粒子の平均粒子径は2〜1
000nm、好ましくは5〜500nmの範囲にあるこ
とが好ましい。平均粒子径が2nm未満の場合は、粘度
が高くなるので高濃度のゾルを得ることが困難となる。
平均粒子径が1000nmを越えると、分散ゾルにおい
ては透明性が低下するとともに沈降することがある。
【0033】このようなアルミナ改質微粒子の平均粒子
径は、粒度分布測定装置(堀場製作所(株)製:CAPA-7
00)によって測定される。こうして得られたアルミナ改
質微粒子は、通常水および/または有機溶媒に分散した
ゾルとして使用される。有機溶媒としては通常オルガノ
ゾルに用いられる従来公知の有機溶媒を用いることがで
き、具体的にはメタノール、エタノール、イソプロピル
アルコールなどの低級アルコール、エチレングリコール
などのグリコール類、その他水と相溶性のある有機溶媒
を使用することができる。
【0034】このようなアルミナ改質微粒子の分散ゾル
濃度は、水を分散媒とする場合はゾル中の酸化物(Al2
3+MOx)としての濃度が概ね40重量%以下であ
る。また前記有機溶媒を分散媒とする場合は概ね30重
量%以下である。アルミナ改質微粒子の分散ゾルの濃度
が前記40重量%(水分散体の場合)および30重量%
(有機溶媒分散体の場合)を越えると、粘度が高くなる
とともに透明性が低下する傾向にある。
【0035】[被膜付基材]次に、本発明の被膜付基材に
ついて説明する。本発明の被膜付基材は、前記アルミナ
改質微粒子を含む被膜が基材上に形成されている。本発
明の被膜付基材に用いる基材としては、特に限定されな
いが、PET、塩ビ等の樹脂製フィルム、各種紙、鋼
板、布等が用いられる。
【0036】上記被膜の形成は、アルミナ微粒子分散ゾ
ルとバインダーと、必要に応じてさらに水および/また
は有機溶媒を加えてなる被膜形成用塗布液を塗布した
後、乾燥することによって行うことができる。本発明で
使用されるバインダーとしては、ポリビニルアルコー
ル、変成ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン
などの親水性ポリマー、ブチラール樹脂などの親油性ポ
リマーなどの有機化合物を使用することができる。さら
にこれらを変成して使用することもできる。
【0037】バインダーの使用量は、バインダーの種
類、基材の種類などによっても異なるが、アルミナ改質
微粒子を酸化物(Al23+MOx)に換算した重量の5
〜60重量%、好ましくは10〜40重量%であること
が好ましい。バインダー量が5重量%未満では、被膜と
基材との接着力が不足して被膜が剥離しやすく、また被
膜の強度が不十分となることがあり、バインダー量が6
0重量%を越える場合はアルミナ微粒子の含有量が少な
くなりすぎて、印刷・記録性能が充分発現しないことが
あるので好ましくない。
【0038】また本発明に係る被膜は、上記アルミナ微
粒子およびバインダーの他に、酸化防止剤、セルロース
類などの有機ポリマー、バイオ繊維、無機ポリマー、無
機微粒子などを含んでいても良い。基材上に被膜を形成
する方法としては従来公知の方法が採用でき、基材の種
類によって好ましい方法を採用すれば良い。
【0039】具体的には、前記した被膜形成用塗布液
を、スプレー法、ロールコーター法、ブレードコーター
法、バーコーター法、カーテンコーター法などで、基材
上に塗布した後、乾燥することによって形成することが
できる。また、基材はあらかじめプライマー処理して用
いてもよい。 [インク受容層付記録用シート]次ぎに、本発明に係る
インク受容層付記録用シートについて説明する。
【0040】本発明のインク受容層付記録用シートは、
記録用シート基材上に、前記アルミナ改質微粒子を含ん
でなるインク受容層が形成されている。基材シート 本発明に用いられる基材シートとしては、特に限定され
ないが、PET、塩ビなどの樹脂製フィルムシート、各
種紙、鋼板、布等が用いられる。
【0041】インク受容層 前記基材シート上に形成されるインク受容層は、前記し
たアルミナ微粒子とバインダーとから構成される。使用
するアルミナ改質微粒子としては、表面電荷量が0.5
〜10meq/g、好ましくは2〜10meq/gの範囲にあり、
平均粒子径が20〜200nm、好ましくは30〜15
0nmの範囲にあるものが好ましい。
【0042】インク受容層に用いるアルミナ改質微粒子
の表面電荷量が0.5meq/g 未満の場合は、インク受容
層形成用塗布液を調製する際に、有機溶媒を混合使用す
ると増粘したりゲル化して安定な塗布液を得ることがで
きず、また染料の吸着量あるいは耐水性が従来のアルミ
ナ微粒子と変わるところが無く、表面電荷量が10meq/
gを越えるアルミナ改質微粒子は得ることが困難であ
る。
【0043】アルミナ改質微粒子の表面電荷量が0.5
〜10meq/gの範囲にあれば、アルミナ改質微粒子が均
一に分散した安定な塗布液を得ることができ、染料の吸
着量が高く、滲みもなく、耐水性に優れ、鮮明な印刷が
できる記録用シートを得ることができる。また、アルミ
ナ改質微粒子の平均粒子径が20nm未満では、これを
用いて調製するインク受容層形成用塗布液の粘度が高く
なることがあり、塗工性が低下するので好ましくない。
さらに得られるインク受容層の細孔径が15nm以上の
細孔が少ないため、インクの吸収速度が遅い等の問題が
ある。
【0044】アルミナ改質微粒子の平均粒子径が200
nmを越えると、得られるインク受容層の強度や基材シ
ートとの密着性が低下したり、透明性、印刷画像の鮮明
さ・コントラストが低下したり、滲みが生じるなどの問
題がある。バインダー インク受容層に用いるバインダーとしては、ポリビニル
アルコール、変成ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、その他親水性ポリマーなどの有機化合物を使
用することができる。さらにこれらを変成して使用する
こともできる。
【0045】バインダーの使用量は、バインダーの種類
によっても異なるが、アルミナ微粒子を酸化物(Al2
3+MOx)に換算した重量の5〜60重量%、好ましく
は10〜40重量%であることが好ましい。バインダー
量が5重量%未満では、インク受容層と基材シートとの
接着力が不足してインク受容層が剥離しやすく、またイ
ンク受容層の強度が不十分であり、60重量%を越える
場合はインクの受容量が低下したり、耐水性が低下する
ことがある。
【0046】また本発明に係るインク受容層は、上記ア
ルミナ改質微粒子およびバインダーの他に、酸化防止
剤、セルロース類などの有機ポリマー、バイオ繊維、無
機ポリマー、無機微粒子などを含んでいても良い。インク受容層形成方法 基材シート上にインク受容層を形成する方法としては従
来公知の方法が採用でき、基材の種類によって好ましい
方法を採用すれば良い。
【0047】具体的には、後述するインク受容層形成用
塗布液を、スプレー法、ロールコーター法、ブレードコ
ーター法、バーコーター法、カーテンコーター法など
で、基材シート上に塗布した後、乾燥することによって
形成することができる。また、基材はあらかじめプライ
マー処理して用いてもよい。たとえば、基材に有機樹
脂、シリコーン樹脂などのエラストマーからなるプライ
マー膜形成用塗布液を塗布、乾燥等してプライマー膜を
形成した後に受容層を形成すると基材と受容層の密着性
を向上させることができる。
【0048】このようにして形成されたインク受容層
は、全細孔容積が0.5〜1.5ml/gの範囲にあるこ
とが好ましい。インク受容層の全細孔容積が0.5ml
/g未満であると、インクの吸収容量が小さいための滲
みが生じ、鮮明で高精度の画像が得られないことがあ
る。またインク受容層の細孔容積が1.5ml/gより
大きいと、染料の定着性が低下したり、インク受容層の
強度が低くなることがある。
【0049】基材シート上に形成されるインク受容層の
厚さは、シートの厚さ、印刷物の用途、印刷用インクの
種類などによって、任意に選定することができるが、通
常5〜100μmの範囲にあることが望ましい。インク
受容層の厚さが5μm未満では、インクの吸収容量が不
足して、滲みが生じたり、また、インクの使用量を減じ
た場合は色彩が低下することがある。インク受容層の厚
さが100μmより大きいものは、一回の塗工で得るこ
とが困難であり、複数回の塗工を行うことは経済性の点
で問題となるほか、塗工して乾燥する際にひび割れが生
じたり剥離することがある。
【0050】上記、基材シート上にインク受容層を形成
するには、アルミナ微粒子とバインダーとが、水および
/または有機溶媒からなる溶媒に分散されてなるインク
受容層形成用塗布液を用い、該塗布液を塗布した後、乾
燥することによって行うことができる。アルミナ改質微
粒子およびバインダーとしては、前記したと同様のもの
を用いることができ、有機溶媒としては、イソプロピル
アルコール、エタノール、ブタノールなどを用いること
ができる。
【0051】バインダーの使用量は、バインダーの種類
によっても異なるが、アルミナ改質微粒子を酸化物(A
l23+MOx)に換算した重量の5〜60重量%、好ま
しくは10〜40重量%であることが好ましい。バイン
ダー量が5重量%未満では、基材シートとの接着力が不
足してインク受容層が剥離しやすく、またインク受容層
の強度が不十分であり、60重量%を越える場合はアル
ミナ改質微粒子の含有量が低くなりすぎて、印刷・記録
性能が充分発現しないことがある。
【0052】また、塗布液中のアルミナ改質微粒子の濃
度は、塗布方法によって適宜選択されるが、酸化物(A
l23+MOx)に換算した濃度で好ましくは2〜40重
量%、特に好ましくは5〜30重量%の範囲にあること
が望ましい。また本発明に用いるインク受容層形成用塗
布液には、上記アルミナ改質微粒子およびバインダーの
他に、酸化防止剤、セルロース類などの有機ポリマー、
バイオ繊維、無機ポリマー、無機微粒子などを含んでい
ても良い。
【0053】
【発明の効果】本発明のアルミナ改質微粒子は、表面電
荷量が高いという特徴を有している。このため、このア
ルミナ改質微粒子の分散ゾルは濃度を高くすることが可
能であり、分散媒が有機溶媒であっても安定に分散して
いる。さらに有機溶媒を含む安定な被膜形成用塗布液を
得ることができ、この塗布液を用いて形成される被膜付
基材は、被膜と基材との密着性、透明性、膜強度等に優
れている。
【0054】また、塗布液中でアルミナ改質微粒子が凝
集することが少ないので、得られる膜が緻密であり、こ
のようなアルミナ改質微粒子を含む緻密な遮蔽層付基材
フィルムは、遮蔽層が透明でかつ基材と密着性よく形成
できるので、水分や酸素ガスの透過性を抑制することが
でき、遮蔽層付基材フィルムで包装された食品等は乾燥
したり、酸化・腐食することが抑制される。
【0055】また、本発明のアルミナ改質微粒子を含ん
でなるインク受容層付基材は、微粒子の表面電荷量が高
いので、染料の吸着量が高く、耐水性に優れ、鮮明な印
刷ができるなど印刷性能に優れている。
【0056】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれら実施例によって限定されるものではな
い。
【0057】
【実施例1】アルミナ改質微粒子分散ゾルの調製 アルミン酸ソーダ水溶液(Al23としての濃度3重量
%、)12.7Kgを攪拌しながら、これに濃度26重
量%のグルコン酸ソーダ水溶液7.3gを添加し、つい
で硫酸アルミニウム水溶液(Al23としての濃度1.5
重量%)25Kgを12分間で添加してアルミナヒドロ
ゲルを調製した。このときの温度は30℃で、pHは1
0.2であった。ついで、攪拌を停止し、30℃で90
分間熟成を行った。
【0058】ついで、フィルターにて濾過した後、濃度
1.5%のアンモニア水をにより洗浄した。ついで洗浄
したアルミナヒドロゲルに水を加えてAl23としての
濃度を5.0重量%に調整し、これに濃度15%のアン
モニア水を加えてpHを11.2に調整し、ゆっくり攪
拌しながら95℃で80時間熟成を行った。熟成中は濃
度15%のアンモニア水を加えながらpHを11.2に
維持した。
【0059】つぎに、温度を95℃で、Al23 の重量
に対して5.5重量%の酢酸を添加し、3時間攪拌した
後35℃に冷却し、純水を加えてAl23としての濃度
5.0重量%のアルミナ微粒子の分散ゾル(A)を調製
した。アルミナ微粒子の分散ゾル(A)100gに、カ
チオン性水和アルミニウム化合物Al2(OH)5Cl水溶液
(多木化学(株)製:タキバイン ♯1500)24g
(水溶液中のAl2(OH)5Clは23.5重量%)と水3
3gを混合して調製したカチオン性水和アルミニウム化
合物の水溶液を添加し、ついで10分間撹拌し、つぎに
蒸留して濃度10重量%のアルミナ改質微粒子分散ゾル
(B)を調製した。
【0060】得られたゾルについて、表面電荷量、平均
粒子径および下記の方法によりオルガノゾル安定性を測
定した。結果を表1に示す。 [有機溶媒安定性の評価]上記で得られたアルミナ改質微
粒子分散ゾル(B)にイソプロピルアルコール(IP
A)を加えて濃度を5重量%に希釈した後のゾルの状態
を目視で観察した。評価基準は以下によった。
【0061】 ◎ :IPA添加後、粘度等の変化が殆ど認められない
もの ○ :IPA添加数時間後に、粘度の上昇とゲル化が認
められたもの △ :IPA添加数分間後に、粘度の上昇とゲル化が認
められたもの × :IPA添加直後に、ゲル化が認められたものインク受容層形成用塗布液の調製 上記で得た分散液(B)150重量部と、濃度10重量
%のポリビニルアルコール水溶液37.5重量部を混合
して塗布液を調製した。
【0062】記録用シートの調製 次いで、この塗布液を、バーコーターを用いてPETフ
ィルム上に塗布し、乾燥後、140℃で加熱処理して記
録用シートを得た。インク受容層の厚さは30μmであ
った。また、インク受容層の細孔容積は水銀圧入法によ
って測定した。得られた記録用シートについて、下記の
ように印刷を施し、評価した。
【0063】結果を表1に示す。印刷 得られた記録用シートに、純正の染料インクを用いてイ
ンクジェットプリンター(GRAPHTEC社製:Ma
sterjet)により2cm四方のべた塗りのパター
ンWを印刷した。色はマゼンタ、ブラック、シアンおよ
びイエローを使用し、出力の変更により濃度を変えて印
刷した。
【0064】滲み 各印刷ドットの形状を顕微鏡で観察し、以下の基準で評
価した。 完全に円形であり滲みのないもの :◎ 円形であるが僅かに滲みの認められるもの:○ 円形であるが明らかに滲みのあるもの :△耐水性 印刷片を水に浸漬して顔料および染料の溶出を観察し、
以下の基準で評価した。
【0065】 滲みの認められないもの :◎ 滲みの僅かに認められるもの :○ 滲みの明らかに認められるもの :△ 顔料または染料の溶出の認められるもの:×
【0066】
【実施例2】アルミナ改質微粒子分散ゾルの調製 アルミナ微粒子の分散ゾルとしてアルミナゾル(触媒化
成工業(株)社製:カタロイド AS−2、濃度10重
量%、平均粒子径200nm)100gに、実施例1と
同じカチオン性水和アルミニウム化合物Al2(OH)5Cl
水溶液(多木化学(株)製:タキバイン ♯1500)
24gと水33gとを混合して調製したカチオン性水和
アルミニウム化合物の水溶液を添加し、ついで10分間
撹拌し、濃度10重量%のアルミナ改質微粒子分散ゾル
(C)を調製した。
【0067】得られたゾル(C)について、表面電荷
量、平均粒子径および有機溶媒安定性を測定した。結果
を表1に示す。インク受容層形成用塗布液の調製 上記アルミナ改質微粒子分散ゾル(C)150重量部
と、濃度10重量%のポリビニルアルコール水溶液3
7.5重量部を混合して塗布液を調製した。
【0068】記録用シートの調製 次いで、この塗布液をバーコーターを用いてPETフィ
ルム上に塗布し、乾燥後、140℃で加熱処理して記録
用シートを得た。受容層の厚さは同様に30μmであっ
た。得られた記録用シートについて、実施例1と同様に
印刷を施し、評価した。
【0069】結果を表1に示す。
【0070】
【実施例3】実施例2におけるカチオン性水和アルミニ
ウム化合物:Al2(OH)5Cl水溶液(多木化学(株)
製:タキバイン ♯1500)の使用量を48g、水の
使用量を66gとした以外は実施例2と同様にしてアル
ミナ改質微粒子分散ゾル(D)を調製した。
【0071】得られたゾルについて、表面電荷量、平均
粒子径および有機溶媒安定性を測定した。結果を表1に
示す。インク受容層形成用塗布液の調製 上記アルミナ改質微粒子分散ゾル(D)150重量部
と、濃度10重量%のポリビニルアルコール水溶液3
7.5重量部を混合して塗布液を調製した。
【0072】記録用シートの調製 次いで、この塗布液を、バーコーターを用いてPETフ
ィルム上に塗布し、乾燥後、140℃で加熱処理して記
録用シートを得た。受容層の厚さは同様に30μmであ
った。得られた記録用シートについて、実施例1と同様
に印刷を施し、評価した。
【0073】結果を表1に示す。
【0074】
【実施例4】実施例2におけるカチオン性水和アルミニ
ウム化合物:Al2(OH)5Cl水溶液(多木化学(株)
製:タキバイン ♯1500)の使用量を12g、水の
使用量を10.5gとした以外は実施例2と同様にして
アルミナ改質微粒子分散ゾル(E)を調製した。
【0075】得られたゾルについて、表面電荷量、平均
粒子径および有機溶媒安定性を測定し、結果を表1に示
す。インク受容層形成用塗布液の調製 上記アルミナ改質微粒子分散ゾル(E)150重量部
と、濃度10重量%のポリビニルアルコール水溶液3
7.5重量部を混合して塗布液を調製した。
【0076】記録用シートの調製 次いで、この塗布液を、バーコーターを用いてPETフ
ィルム上に塗布し、乾燥後、140℃で加熱処理して記
録用シートを得た。受容層の厚さは同様に30μmであ
った。得られた記録用シートについて、実施例1と同様
に印刷を施し、評価した。
【0077】結果を表1に示す。
【0078】
【実施例5】アルミナ改質微粒子分散ゾルとしてアルミ
ナゾル(触媒化成工業(株)社製:カタロイド AS−
2、平均粒子径200nm)100gに、オキシ塩化ジ
ルコニウムの8水塩(ZrOCl2・8H2O)35.7
gと水100.6gを混合し、さらに10分間バイオミ
キサーを用いて撹拌してアルミナ改質微粒子分散ゾル
(F)を調製した。
【0079】得られたゾルについて、表面電荷量、平均
粒子径および有機溶媒安定性を測定した。結果を表1に
示す。インク受容層形成用塗布液の調製 上記アルミナゾルを固形分濃度10重量%となるように
水に分散させた分散液150重量部と、濃度10重量%
のポリビニルアルコール水溶液37.5重量部を混合し
て塗布液を調製した。
【0080】記録用シートの調製 次いで、この塗布液を、バーコーターを用いてPETフ
ィルム上に塗布し、乾燥後、140℃で加熱処理して記
録用シートを得た。受容層の厚さは同様に30μmであ
った。得られた記録用シートについて、実施例1と同様
に印刷を施し、評価した。
【0081】結果を表1に示す。
【0082】
【比較例1】実施例1で調製したアルミナ微粒子の分散
ゾル(A)をそのまま使用し、このゾル(A)につい
て、表面電荷量、平均粒子径および下記の方法により有
機溶媒安定性を測定した。結果を表1に示す。
【0083】インク受容層形成用塗布液の調製 実施例1で調製したアルミナ微粒子の分散ゾル(A)
(固形分濃度5重量%)300重量部と、濃度10重量
%のポリビニルアルコール水溶液37.5重量部を混合
して塗布液を調製した。記録用シートの調製 次いで、この塗布液を、バーコーターを用いてPETフ
ィルム上に塗布し、乾燥後、140℃で加熱処理して記
録用シートを得た。受容層の厚さは同様に30μmであ
った。得られた記録用シートについて、実施例1と同様
に印刷を施し、評価した。
【0084】結果を表1に示す。
【0085】
【比較例2】実施例2で使用したアルミナゾル(触媒化
成工業(株)社製:カタロイド AS−2、濃度10重
量%、平均粒子径200nm)をそのまま使用し、この
ゾルについて、表面電荷量、平均粒子径および有機溶媒
安定性を測定した。結果を表1に示す。
【0086】インク受容層形成用塗布液の調製 上記アルミナゾル(AS−2)300重量部と、濃度1
0重量%のポリビニルアルコール水溶液37.5重量部
を混合して塗布液を調製した。記録用シートの調製 次いで、この塗布液を、バーコーターを用いてPETフ
ィルム上に塗布し、乾燥後、140℃で加熱処理して記
録用シートを得た。受容層の厚さは同様に30μmであ
った。得られた記録用シートについて、実施例1と同様
に印刷を施し、評価した。
【0087】結果を表1に示す。
【0088】
【比較例3】アルミナ微粒子分散ゾルとしてアルミナゾ
ル(触媒化成工業(株)製:カタロイド AS−2、濃度
10重量%、平均粒子径200nm)100gに、塩化
マグネシウム・2水塩22.5gと水100gを混合
し、さらに10分間バイオミキサーを用いて撹拌し、つ
いで蒸留して固形分濃度10重量%のアルミナ改質微粒
子分散ゾルGを調製した。
【0089】得られたゾルについて、表面電荷量、平均
粒子径および有機溶媒安定性を測定した。結果を表1に
示す。インク受容層形成用塗布液の調製 上記アルミナゾルを固形分濃度10重量%となるように
水に分散させた分散液150重量部と、濃度10重量%
のポリビニルアルコール水溶液37.5重量部を混合し
て塗布液を調製した。
【0090】記録用シートの調製 次いで、この塗布液を、バーコーターを用いてPETフ
ィルム上に塗布し、乾燥後、140℃で加熱処理して記
録用シートを得た。受容層の厚さは同様に30μmであ
った。得られた記録用シートについて、実施例1と同様
に印刷を施し、評価した。
【0091】結果を表1に示す。
【0092】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小 松 通 郎 福岡県北九州市若松区北湊町13番2号 触 媒化成工業株式会社若松工場内 Fターム(参考) 2H086 BA15 BA33 BA41 BA45 4G076 AA02 AB06 BA27 BC05 BD01 BD02 BF01 CA02 DA15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミナ微粒子が水および/または有機溶
    媒に分散したゾルに、下記式(1)または(2)式で表
    されるカチオン性水和金属化合物の水溶液を添加し、ア
    ルミナ微粒子とカチオン性水和金属化合物を接触させて
    得られたことを特徴とするアルミナ改質微粒子。 〔M2(OH)n(2a-n)/bm …(1) 〔MOX(a-2)/bm …(2) (式中、Mは3価以上の金属カチオン、aは金属カチオ
    ンの価数、Xはアニオン、bはアニオンの価数を示し、
    1<n<5、1≦mである。)
  2. 【請求項2】表面電荷量が0.5〜10meq/gの範囲にあ
    る請求項1に記載のアルミナ改質微粒子。
  3. 【請求項3】前記式(1)または(2)中の金属カチオ
    ン(M)がAl3+であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載のアルミナ改質微粒子。
  4. 【請求項4】基材と、請求項1〜3のいずれかに記載の
    アルミナ改質微粒子を含む被膜とを有する被膜付基材。
  5. 【請求項5】記録用シート上に、請求項1〜3のいずれ
    かに記載のアルミナ改質微粒子を含んでなるインク受容
    層が形成されていることを特徴とするインク受容層付記
    録用シート。
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