JP2002059546A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents
インクジェット記録ヘッドInfo
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- JP2002059546A JP2002059546A JP2000251381A JP2000251381A JP2002059546A JP 2002059546 A JP2002059546 A JP 2002059546A JP 2000251381 A JP2000251381 A JP 2000251381A JP 2000251381 A JP2000251381 A JP 2000251381A JP 2002059546 A JP2002059546 A JP 2002059546A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- plate
- lower plate
- inorganic filler
- metal element
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】インク滴の吐出量や吐出速度が低下し、奇麗で
正確な記録ができない。 【解決手段】下板1と、該下板1の上面に離間して配置
された少なくとも2つの隔壁2と、該隔壁2の上面に配
置された上板4と、前記下板1と一対の隔壁2と上板4
とで形成される内部空間を塞ぐ側板7とから成り、前記
下板1、上板4及び側板7の少なくとも1つにインク吐
出孔8とインク供給孔5を設け、インク供給孔5を介し
て前記内部空間にインクを供給するとともに該供給され
たインクを隔壁2の変位によって加圧し、インク吐出孔
8より吐出させるインクジェット記録ヘッドであって、
前記下板1、隔壁2、上板4、側板7の少なくとも1つ
が熱硬化性樹脂に無機材質フィラーを含有させた接着剤
9により接合されており、且つ該接着剤9の無機材質フ
ィラーに含有されている金属元素及び/又はアルカリ金
属元素が酸化物換算で無機材質フィラー全重量に対し
0.5重量%以下とする。
正確な記録ができない。 【解決手段】下板1と、該下板1の上面に離間して配置
された少なくとも2つの隔壁2と、該隔壁2の上面に配
置された上板4と、前記下板1と一対の隔壁2と上板4
とで形成される内部空間を塞ぐ側板7とから成り、前記
下板1、上板4及び側板7の少なくとも1つにインク吐
出孔8とインク供給孔5を設け、インク供給孔5を介し
て前記内部空間にインクを供給するとともに該供給され
たインクを隔壁2の変位によって加圧し、インク吐出孔
8より吐出させるインクジェット記録ヘッドであって、
前記下板1、隔壁2、上板4、側板7の少なくとも1つ
が熱硬化性樹脂に無機材質フィラーを含有させた接着剤
9により接合されており、且つ該接着剤9の無機材質フ
ィラーに含有されている金属元素及び/又はアルカリ金
属元素が酸化物換算で無機材質フィラー全重量に対し
0.5重量%以下とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、文字や画像の印刷
に用いる高精度のインクジェット記録装置に搭載される
インクジェット記録へッドに関するものである。
に用いる高精度のインクジェット記録装置に搭載される
インクジェット記録へッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューターの普及
やマルチメディアの発達に伴って、情報を記録媒体に出
カする記録装置として、インクジェット方式の記録装置
の利用が急速に拡大している。
やマルチメディアの発達に伴って、情報を記録媒体に出
カする記録装置として、インクジェット方式の記録装置
の利用が急速に拡大している。
【0003】かかるインクジェット方式の記録装置に
は、インクジェット記録へッド(以下ヘッドと称す)が搭
載されており、該ヘッドは、インクが充填される流路を
形成する隔壁を圧電素子によって屈曲変位させ、機械的
に流路内のインクを加圧し、インク吐出孔よりインク滴
を吐出させる圧電方式が一般的に知られている。
は、インクジェット記録へッド(以下ヘッドと称す)が搭
載されており、該ヘッドは、インクが充填される流路を
形成する隔壁を圧電素子によって屈曲変位させ、機械的
に流路内のインクを加圧し、インク吐出孔よりインク滴
を吐出させる圧電方式が一般的に知られている。
【0004】この圧電方式のへッドは、例えば図3に示
すように、チタン酸ジルコン酸鉛等を主成分とする圧電
セラミックスから成る下板21と、該下板21の上面に
等間隔に並設された複数の隔壁22と、各隔壁22の両
側面の上半分に長手方向に沿って設けられた駆動用電極
23と、各隔壁22に接着剤を介して接合され、インク
供給孔25を有する上板24と、前記下板21、隔壁2
2及び上板24とで形成される内部空間をインクの流路
26とし、該流路26の両端を塞ぐべく各隔壁22の端
面に接着剤を介して接合され、各流路26に連通するイ
ンク吐出孔28を有する側板27とから構成されている
(特開平7−101056参照)。
すように、チタン酸ジルコン酸鉛等を主成分とする圧電
セラミックスから成る下板21と、該下板21の上面に
等間隔に並設された複数の隔壁22と、各隔壁22の両
側面の上半分に長手方向に沿って設けられた駆動用電極
23と、各隔壁22に接着剤を介して接合され、インク
供給孔25を有する上板24と、前記下板21、隔壁2
2及び上板24とで形成される内部空間をインクの流路
26とし、該流路26の両端を塞ぐべく各隔壁22の端
面に接着剤を介して接合され、各流路26に連通するイ
ンク吐出孔28を有する側板27とから構成されている
(特開平7−101056参照)。
【0005】そして、このへッドよりインク滴を吐出す
るには外部の駆動回路(不図示)より、引出し線を経て、
隔壁22の両側面に形成されている駆動用電極23に電
圧を印加し、隔壁22を形成する圧電セラミックスに剪
断モード変形を起こさせるとともに、上板24及び下板
21で拘束された隔壁22を流路26側に屈曲変位さ
せ、各流路26内のインクを加圧することによって行な
われる。
るには外部の駆動回路(不図示)より、引出し線を経て、
隔壁22の両側面に形成されている駆動用電極23に電
圧を印加し、隔壁22を形成する圧電セラミックスに剪
断モード変形を起こさせるとともに、上板24及び下板
21で拘束された隔壁22を流路26側に屈曲変位さ
せ、各流路26内のインクを加圧することによって行な
われる。
【0006】また、このへッドは、予め厚み方向に分極
処理したチタン酸ジルコン酸鉛等を主成分とする圧電セ
ラミックス体に、例えばダイシングソーと呼ばれる回転
刃或いは砂、ガラス、セラミックス等の粉体を吹き付け
て下板21と隔壁22とが一体的に形成されたものを作
製し、次に各隔壁22の両側面に蒸着法やスパッタリン
グ法などの膜形成手段により駆動用電極23を被着さ
せ、しかる後、前記隔壁22の上面に熱硬化性樹脂から
成る接着剤を介して上板24を接着するとともに下板2
1、隔壁22及び上板24によって形成される流路26
の開放端面にインク吐出孔28を有する側板27を熱硬
化性樹脂から成る接着剤を介し接着することによって製
作されている。
処理したチタン酸ジルコン酸鉛等を主成分とする圧電セ
ラミックス体に、例えばダイシングソーと呼ばれる回転
刃或いは砂、ガラス、セラミックス等の粉体を吹き付け
て下板21と隔壁22とが一体的に形成されたものを作
製し、次に各隔壁22の両側面に蒸着法やスパッタリン
グ法などの膜形成手段により駆動用電極23を被着さ
せ、しかる後、前記隔壁22の上面に熱硬化性樹脂から
成る接着剤を介して上板24を接着するとともに下板2
1、隔壁22及び上板24によって形成される流路26
の開放端面にインク吐出孔28を有する側板27を熱硬
化性樹脂から成る接着剤を介し接着することによって製
作されている。
【0007】しかしながら、この従来のヘッドにおいて
は隔壁22の上面に上板24を、また下板21、隔壁2
2及び上板24によって形成される流路26の開放端面
に側板27を熱硬化性樹脂から成る接着剤を使用して接
着しており、該熱硬化性樹脂から成る接着剤は熱硬化時
に一旦粘度が低下するため流路26内に流れ込みやす
く、流路26内に接着剤の一部が流れ込むと、流路26
の一部が塞がれて流路26内でのインクの流れに制限が
加わり、その結果、インク吐出孔28からのインク滴の
吐出にばらつきが発生して奇麗な記録ができないという
欠点を有していた。
は隔壁22の上面に上板24を、また下板21、隔壁2
2及び上板24によって形成される流路26の開放端面
に側板27を熱硬化性樹脂から成る接着剤を使用して接
着しており、該熱硬化性樹脂から成る接着剤は熱硬化時
に一旦粘度が低下するため流路26内に流れ込みやす
く、流路26内に接着剤の一部が流れ込むと、流路26
の一部が塞がれて流路26内でのインクの流れに制限が
加わり、その結果、インク吐出孔28からのインク滴の
吐出にばらつきが発生して奇麗な記録ができないという
欠点を有していた。
【0008】そこで、上記欠点を解決するために熱硬化
性樹脂から成る接着剤に無機材質フィラ−を添加混合
し、接着剤の熱硬化時の粘度低下を防止することが提案
されている。
性樹脂から成る接着剤に無機材質フィラ−を添加混合
し、接着剤の熱硬化時の粘度低下を防止することが提案
されている。
【0009】この無機材質フィラーを添加混合した熱硬
化性樹脂から成る接着剤は熱硬化時に粘度低下がないこ
とから、接着剤の一部が流路26内に流れ込むのが有効
に防止され、その結果、流路26内でのインクの流れを
自由とすることができる。
化性樹脂から成る接着剤は熱硬化時に粘度低下がないこ
とから、接着剤の一部が流路26内に流れ込むのが有効
に防止され、その結果、流路26内でのインクの流れを
自由とすることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱硬化
性樹脂から成る接着剤に添加混合される無機材質フィラ
ーは、接着剤の粘度低下を防止するために混合量、粒径
等のみが注目されており、無機材質フィラーに不純物と
して含有されている例えばFe、Mg、Ca等の金属元
素やNa、Li、K等のアルカリ金属元素については注
目されておらず、従来一般には金属元素及び/又はアル
カリ金属元素は酸化物換算で無機材質フィラーの全重量
に対して0.7重量%以上含まれていた。
性樹脂から成る接着剤に添加混合される無機材質フィラ
ーは、接着剤の粘度低下を防止するために混合量、粒径
等のみが注目されており、無機材質フィラーに不純物と
して含有されている例えばFe、Mg、Ca等の金属元
素やNa、Li、K等のアルカリ金属元素については注
目されておらず、従来一般には金属元素及び/又はアル
カリ金属元素は酸化物換算で無機材質フィラーの全重量
に対して0.7重量%以上含まれていた。
【0011】このような不純物としての金属元素及び/
又はアルカリ金属元素が酸化物換算で無機材質フィラー
の全重量に対し0.7重量%以上含まれている無機材質
フィラーを熱硬化性樹脂から成る接着剤に添加混合した
ものを用いて隔壁22の上面に上板24を、また下板2
1、隔壁22及び上板24によって形成される流路26
の開放端面に側板27を接着した場合、無機材質フィラ
ーに含まれる金属元素及び/又はアルカリ金属元素がイ
ンクに溶出するとともに陽イオン化し、インク中の着色
剤を均一に分散させている分散剤の負の帯電を部分的に
中和してしまい、その結果、インク中の着色剤に凝集が
起こり、インクの粘度が増加してインクの流れが悪くな
ったり、インク吐出孔28から吐出されるインク滴の吐
出量や吐出速度が低下し、最悪の場合にはインク吐出孔
28が塞がりインクの吐出が不可能となって正確、且つ
奇麗な記録ができなくなるという欠点が誘発される。
又はアルカリ金属元素が酸化物換算で無機材質フィラー
の全重量に対し0.7重量%以上含まれている無機材質
フィラーを熱硬化性樹脂から成る接着剤に添加混合した
ものを用いて隔壁22の上面に上板24を、また下板2
1、隔壁22及び上板24によって形成される流路26
の開放端面に側板27を接着した場合、無機材質フィラ
ーに含まれる金属元素及び/又はアルカリ金属元素がイ
ンクに溶出するとともに陽イオン化し、インク中の着色
剤を均一に分散させている分散剤の負の帯電を部分的に
中和してしまい、その結果、インク中の着色剤に凝集が
起こり、インクの粘度が増加してインクの流れが悪くな
ったり、インク吐出孔28から吐出されるインク滴の吐
出量や吐出速度が低下し、最悪の場合にはインク吐出孔
28が塞がりインクの吐出が不可能となって正確、且つ
奇麗な記録ができなくなるという欠点が誘発される。
【0012】本発明は、上述の欠点に鑑み案出されたも
ので、その目的はインクの吐出速度、吐出量を安定と
し、奇麗で正確、鮮明な記録ができるインクジェット記
録ヘッドを提供することにある。
ので、その目的はインクの吐出速度、吐出量を安定と
し、奇麗で正確、鮮明な記録ができるインクジェット記
録ヘッドを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、下板と、該下
板の上面に離間して配置された少なくとも2つの隔壁
と、該隔壁の上面に配置された上板と、前記下板と一対
の隔壁と上板とで形成される内部空間を塞ぐ側板とから
成り、前記下板、上板及び側板の少なくとも1つにイン
ク吐出孔とインク供給孔を設け、インク供給孔を介して
前記内部空間にインクを供給するとともに該供給された
インクを隔壁の変位によって加圧し、インク吐出孔より
吐出させるインクジェット記録ヘッドであって、前記下
板、隔壁、上板、側板の少なくとも1つが熱硬化性樹脂
に無機材質フィラーを含有させた接着剤により接合され
ており、且つ該接着剤の無機材質フィラーに含有されて
いる金属元素及び/又はアルカリ金属元素が酸化物換算
で無機材質フィラー全重量に対し0.5重量%以下であ
ることを特徴とするものである。
板の上面に離間して配置された少なくとも2つの隔壁
と、該隔壁の上面に配置された上板と、前記下板と一対
の隔壁と上板とで形成される内部空間を塞ぐ側板とから
成り、前記下板、上板及び側板の少なくとも1つにイン
ク吐出孔とインク供給孔を設け、インク供給孔を介して
前記内部空間にインクを供給するとともに該供給された
インクを隔壁の変位によって加圧し、インク吐出孔より
吐出させるインクジェット記録ヘッドであって、前記下
板、隔壁、上板、側板の少なくとも1つが熱硬化性樹脂
に無機材質フィラーを含有させた接着剤により接合され
ており、且つ該接着剤の無機材質フィラーに含有されて
いる金属元素及び/又はアルカリ金属元素が酸化物換算
で無機材質フィラー全重量に対し0.5重量%以下であ
ることを特徴とするものである。
【0014】本発明のインクジェット記録ヘッドによれ
ば、インクが供給される内部空間を形成する下板、隔
壁、上板、側板の少なくとも1つを熱硬化性樹脂に無機
材質フィラーを含有させた接着剤で接合したことから、
接着剤の熱硬化時の粘度低下が無機材質フィラーにより
有効に防止されて接着剤の一部が流路内に流れ込むこと
はなく、その結果、流路内でのインクの流れを自由と
し、インク吐出孔からのインク滴の吐出を均等として奇
麗な記録を行うことが可能となる。
ば、インクが供給される内部空間を形成する下板、隔
壁、上板、側板の少なくとも1つを熱硬化性樹脂に無機
材質フィラーを含有させた接着剤で接合したことから、
接着剤の熱硬化時の粘度低下が無機材質フィラーにより
有効に防止されて接着剤の一部が流路内に流れ込むこと
はなく、その結果、流路内でのインクの流れを自由と
し、インク吐出孔からのインク滴の吐出を均等として奇
麗な記録を行うことが可能となる。
【0015】また本発明のインクジェット記録ヘッドに
よれば、前記接着剤に添加混合される無機材質フィラー
に含有されている不純物としての金属元素及び/又はア
ルカリ金属元素の量が酸化物換算で無機材質フィラー全
重量に対し0.5重量%以下の少量としたことから、無
機材質フィラーに含まれる金属元素及び/又はアルカリ
金属元素がインク中に溶出するとともに陽イオン化し
て、分散剤の負の帯電を中和することはほとんどなく、
その結果、インク中の着色剤は常に均一に分散してイン
クの粘度が適度となり、インクの流れがスムーズとなる
とともにインク吐出孔から吐出されるインク滴の吐出量
や吐出速度を一定となすことができ、これによって常に
奇麗で、正確、鮮明な記録が可能となる。
よれば、前記接着剤に添加混合される無機材質フィラー
に含有されている不純物としての金属元素及び/又はア
ルカリ金属元素の量が酸化物換算で無機材質フィラー全
重量に対し0.5重量%以下の少量としたことから、無
機材質フィラーに含まれる金属元素及び/又はアルカリ
金属元素がインク中に溶出するとともに陽イオン化し
て、分散剤の負の帯電を中和することはほとんどなく、
その結果、インク中の着色剤は常に均一に分散してイン
クの粘度が適度となり、インクの流れがスムーズとなる
とともにインク吐出孔から吐出されるインク滴の吐出量
や吐出速度を一定となすことができ、これによって常に
奇麗で、正確、鮮明な記録が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
面に基づいて説明する。
【0017】図1は本発明のインクジェット記録へッド
の一実施形態を示す一部を破断した斜視図である。
の一実施形態を示す一部を破断した斜視図である。
【0018】本発明のインクジェット記録へッド(以下
ヘッドと称す)は、図1に示すように下板1と、該下板
1の上面に等間隔に並設された複数の隔壁2と、各隔壁
2の両側面の上半分に長手方向に沿って設けられた駆動
用電極3と、各隔壁2上に熱硬化性樹脂から成る接着剤
9を介して接合され、インク供給孔5を有する上板4
と、前記下板1、隔壁2及び上板4とで形成される内部
空間をインクの流路6とし、該流路6の端面を塞ぐべく
各隔壁2の端面に接着剤9を介して接合され、各流路6
に連通するインク吐出孔8を有する側板7とから構成さ
れている。
ヘッドと称す)は、図1に示すように下板1と、該下板
1の上面に等間隔に並設された複数の隔壁2と、各隔壁
2の両側面の上半分に長手方向に沿って設けられた駆動
用電極3と、各隔壁2上に熱硬化性樹脂から成る接着剤
9を介して接合され、インク供給孔5を有する上板4
と、前記下板1、隔壁2及び上板4とで形成される内部
空間をインクの流路6とし、該流路6の端面を塞ぐべく
各隔壁2の端面に接着剤9を介して接合され、各流路6
に連通するインク吐出孔8を有する側板7とから構成さ
れている。
【0019】前記下板1は、その上面に複数の隔壁2が
下板1に対し一体的に並設されており、かかる下板1及
び隔壁2は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT
系)、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケル
ニオブ酸鉛(PNN系)を主成分とする圧電セラミック
スや、これらを複合した圧電セラミックス等で形成され
ている。
下板1に対し一体的に並設されており、かかる下板1及
び隔壁2は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT
系)、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケル
ニオブ酸鉛(PNN系)を主成分とする圧電セラミック
スや、これらを複合した圧電セラミックス等で形成され
ている。
【0020】前記下板1及び隔壁2は、圧電セラミック
スからなる基板にダイシングソーによる研削加工やブラ
ストによる溝加工を施すことによって製作され、具体的
には圧電セラミックスから成る基板に対し、ダイヤモン
ド砥粒が固着された回転刀を15mm/sec以下、好
ましくは5mm/sec以下の送り速度で接触させ溝を
形成することによって、或いは砂やガラス、セラミック
ス等の粒子を2〜4kg/cm2程度の圧力で吹き付け
溝を形成することによって製作される。
スからなる基板にダイシングソーによる研削加工やブラ
ストによる溝加工を施すことによって製作され、具体的
には圧電セラミックスから成る基板に対し、ダイヤモン
ド砥粒が固着された回転刀を15mm/sec以下、好
ましくは5mm/sec以下の送り速度で接触させ溝を
形成することによって、或いは砂やガラス、セラミック
ス等の粒子を2〜4kg/cm2程度の圧力で吹き付け
溝を形成することによって製作される。
【0021】なお、前記下板1及び隔壁2を形成する圧
電セラミックスは、予め矢印の方向に分極処理が施して
ある。
電セラミックスは、予め矢印の方向に分極処理が施して
ある。
【0022】また、各隔壁2は、その両側面に長手方向
に沿って駆動用電極3が形成されており、該駆動用電極
3は圧電セラミックスから成る各隔壁2に剪断モード変
形を起こさせる作用を成す。
に沿って駆動用電極3が形成されており、該駆動用電極
3は圧電セラミックスから成る各隔壁2に剪断モード変
形を起こさせる作用を成す。
【0023】前記駆動用電極3は、白金、金、パラジウ
ム、ロジウム、ニッケル、アルミニウム等の金属、ある
いは白金―金、パラジウム―銀、白金―パラジウム等を
主体とする合金からなる金属膜で形成されており、前記
各隔壁2の両側面から頂面の周縁部に沿って、蒸着法、
無電解メッキ法、スパッタリング法等の膜形成手段を採
用することによって形成される。前記各隔壁2に形成さ
れた駆動用電極3はその一部が外部に導出され、外部駆
動用回路(不図示)に電気的に接続されるようになってい
る。
ム、ロジウム、ニッケル、アルミニウム等の金属、ある
いは白金―金、パラジウム―銀、白金―パラジウム等を
主体とする合金からなる金属膜で形成されており、前記
各隔壁2の両側面から頂面の周縁部に沿って、蒸着法、
無電解メッキ法、スパッタリング法等の膜形成手段を採
用することによって形成される。前記各隔壁2に形成さ
れた駆動用電極3はその一部が外部に導出され、外部駆
動用回路(不図示)に電気的に接続されるようになってい
る。
【0024】更に、前記各隔壁2の頂面には、各流路6
の上部を塞ぐべく接着剤9を介して上板4が接合されて
おり、該上板4には各流路6と連通するインク供給孔5
が形成されている。
の上部を塞ぐべく接着剤9を介して上板4が接合されて
おり、該上板4には各流路6と連通するインク供給孔5
が形成されている。
【0025】前記上板4は、酸化アルミニウム質焼結体
等のセラミックス、ガラス、シリコン等の絶縁材料から
なり、例えば、酸化アルミニウム質焼結体で形成されて
いる場合には、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化カ
ルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸
化珪素(SiO2)等の原料粉末に適当な有機バインダ
ー、溶剤を添加混合して泥漿状のセラミックスラリーと
成すとともに該セラミックスラリーを周知のドクターブ
レード法等のテープ成形技術を採用することによってシ
ート状のセラミックグリーンシートを得、しかる後、前
記セラミックグリーンシートにインク供給孔5となる孔
を打ち抜き加工により形成するとともに、約1600℃
の温度で焼成することによって製作され、また、ガラ
ス、シリコン等で形成されている場合には、ガラス等の
板状体を用意するとともに該板状体にインク供給孔5と
なる孔をYAGレーザー、CO2レーザー、エキシマレ
ーザー等のレーザー加工やエッチング加工により形成す
ることによって製作できる。
等のセラミックス、ガラス、シリコン等の絶縁材料から
なり、例えば、酸化アルミニウム質焼結体で形成されて
いる場合には、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化カ
ルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸
化珪素(SiO2)等の原料粉末に適当な有機バインダ
ー、溶剤を添加混合して泥漿状のセラミックスラリーと
成すとともに該セラミックスラリーを周知のドクターブ
レード法等のテープ成形技術を採用することによってシ
ート状のセラミックグリーンシートを得、しかる後、前
記セラミックグリーンシートにインク供給孔5となる孔
を打ち抜き加工により形成するとともに、約1600℃
の温度で焼成することによって製作され、また、ガラ
ス、シリコン等で形成されている場合には、ガラス等の
板状体を用意するとともに該板状体にインク供給孔5と
なる孔をYAGレーザー、CO2レーザー、エキシマレ
ーザー等のレーザー加工やエッチング加工により形成す
ることによって製作できる。
【0026】更に、各流路6の開放端面には各流路6と
連通するインク吐出孔8を有する側板7が接着剤9を介
して接合されている。
連通するインク吐出孔8を有する側板7が接着剤9を介
して接合されている。
【0027】前記側板7は、例えば、酸化アルミニウム
質焼結体等のセラミックス、ガラス、シリコン、樹脂、
モリブデン系やニッケル系の金属等の材料からなり、酸
化アルミニウム質焼結体等のセラミックスやガラス、シ
リコン等から成る場合には、上述の上板4と同様の方法
によって製作される。
質焼結体等のセラミックス、ガラス、シリコン、樹脂、
モリブデン系やニッケル系の金属等の材料からなり、酸
化アルミニウム質焼結体等のセラミックスやガラス、シ
リコン等から成る場合には、上述の上板4と同様の方法
によって製作される。
【0028】ここで本発明においては、前記隔壁2と上
板4とを接合させる接着剤9及び下板1、隔壁2及び上
板4によって形成される流路6の開放端面に側板7を接
合させる接着剤9を熱硬化性樹脂に無機材質フィラーを
添加混合させたものを使用すること及び無機材質フィラ
ーに不純物として含有されるFe、Mg、Ca等の金属
元素やNa、Li、K等のアルカリ金属元素を酸化物換
算で無機材質フィラー全重量に対し0.5重量%以下と
しておくことが重要である。
板4とを接合させる接着剤9及び下板1、隔壁2及び上
板4によって形成される流路6の開放端面に側板7を接
合させる接着剤9を熱硬化性樹脂に無機材質フィラーを
添加混合させたものを使用すること及び無機材質フィラ
ーに不純物として含有されるFe、Mg、Ca等の金属
元素やNa、Li、K等のアルカリ金属元素を酸化物換
算で無機材質フィラー全重量に対し0.5重量%以下と
しておくことが重要である。
【0029】前記隔壁2と上板4とを接合する、また下
板1、隔壁2及び上板4によって形成される流路6の開
放端面と側板7とを接合する接着剤9として、熱硬化性
樹脂に無機材質フィラーを含有させたものを使用する
と、接着剤9の熱硬化時の粘度低下が無機材質フィラー
により有効に防止されて接着剤9の一部が流路6内に流
れ込むことはなく、その結果、流路6内でのインクの流
れを自由とし、インク吐出孔8からのインク滴の吐出を
均等として奇麗な記録を行うことが可能となる。
板1、隔壁2及び上板4によって形成される流路6の開
放端面と側板7とを接合する接着剤9として、熱硬化性
樹脂に無機材質フィラーを含有させたものを使用する
と、接着剤9の熱硬化時の粘度低下が無機材質フィラー
により有効に防止されて接着剤9の一部が流路6内に流
れ込むことはなく、その結果、流路6内でのインクの流
れを自由とし、インク吐出孔8からのインク滴の吐出を
均等として奇麗な記録を行うことが可能となる。
【0030】なお、前記接着剤9に添加混合される無機
材質フィラーとしては、アルミナ(Al2O3)、炭化珪
素(SiC)、シリカ(SiO2)のうち少なくとも1
種を主成分とするものが好適に使用し得る。
材質フィラーとしては、アルミナ(Al2O3)、炭化珪
素(SiC)、シリカ(SiO2)のうち少なくとも1
種を主成分とするものが好適に使用し得る。
【0031】また、前記無機材質フィラーは、平均粒径
を10nm〜8μm、最大粒径を1〜20μmとしてお
くと、隔壁2と上板4とを接合する、また下板1、隔壁
2及び上板4とによって形成される流路6の開放端面と
側板7とを接合する際に無機材質フィラーが細密に近い
充填となって接着剤9の厚みを一定とし、各接合を均
等、且つ強固となすことができる。従って、前記無機材
質フィラーはその平均粒径を10nm〜8μm、最大粒
径を1〜20μmとしておくことが好ましい。
を10nm〜8μm、最大粒径を1〜20μmとしてお
くと、隔壁2と上板4とを接合する、また下板1、隔壁
2及び上板4とによって形成される流路6の開放端面と
側板7とを接合する際に無機材質フィラーが細密に近い
充填となって接着剤9の厚みを一定とし、各接合を均
等、且つ強固となすことができる。従って、前記無機材
質フィラーはその平均粒径を10nm〜8μm、最大粒
径を1〜20μmとしておくことが好ましい。
【0032】更に、前記接着剤9に添加混合される無機
材質フィラーの含有量は、その含有量が5体積%未満で
あると、接着剤9の熱硬化時における粘度低下を有効に
防止することができず、接着剤9の一部が流路6内に流
れ込んでしまう危険性があり、また50体積%を超える
と、熱硬化性樹脂の絶対量が少なくなり、隔壁2と上板
4、或いは下板1、隔壁2及び上板4によって形成され
る流路6の開放端面に側板7を強固に接着することが困
難となってしまう危険性がある。従って、前記接着剤9
に添加混合される無機材質フィラーはその含有量を5~
50体積%の範囲としておくことが好ましい。
材質フィラーの含有量は、その含有量が5体積%未満で
あると、接着剤9の熱硬化時における粘度低下を有効に
防止することができず、接着剤9の一部が流路6内に流
れ込んでしまう危険性があり、また50体積%を超える
と、熱硬化性樹脂の絶対量が少なくなり、隔壁2と上板
4、或いは下板1、隔壁2及び上板4によって形成され
る流路6の開放端面に側板7を強固に接着することが困
難となってしまう危険性がある。従って、前記接着剤9
に添加混合される無機材質フィラーはその含有量を5~
50体積%の範囲としておくことが好ましい。
【0033】また更に、前記無機材質フィラーは、それ
に含有されている不純物としてのFe、Mg、Ca等の
金族元素やNa、Li、K等のアルカリ金属元素を酸化
物換算で無機材質フィラー全重量に対して0.5重量%
以下の少量としておくことが重要であり、金属元素やア
ルカリ金属元素の量を少量とすることによって、無機材
質フィラーに含まれる金属元素やアルカリ金属元素がイ
ンク中に溶出するとともに陽イオン化して、分散剤の負
の帯電を中和することはほとんどなく、その結果、イン
ク中の着色剤は常に均一に分散してインクの粘度が適度
となり、インクの流れがスムーズとなるとともにインク
吐出孔から吐出されるインク滴の吐出量や吐出速度を一
定となすことができ、これによって常に奇麗で、正確、
鮮明な記録が可能となる。
に含有されている不純物としてのFe、Mg、Ca等の
金族元素やNa、Li、K等のアルカリ金属元素を酸化
物換算で無機材質フィラー全重量に対して0.5重量%
以下の少量としておくことが重要であり、金属元素やア
ルカリ金属元素の量を少量とすることによって、無機材
質フィラーに含まれる金属元素やアルカリ金属元素がイ
ンク中に溶出するとともに陽イオン化して、分散剤の負
の帯電を中和することはほとんどなく、その結果、イン
ク中の着色剤は常に均一に分散してインクの粘度が適度
となり、インクの流れがスムーズとなるとともにインク
吐出孔から吐出されるインク滴の吐出量や吐出速度を一
定となすことができ、これによって常に奇麗で、正確、
鮮明な記録が可能となる。
【0034】前記無機材質フィラーに含有されている不
純物としての金族元素やアルカリ金属元素の量を酸化物
換算で無機材質フィラー全重量に対して0.5重量%以
下とするには、無機材質フィラーを周知のバイヤー法、
有機金属法、気相反応法、ゾルゲル法、共沈法、無機塩
分解法、火炎加水分解法等によって形成する際、不純物
が最も入り込み難い方法を採用することによって行われ
る。
純物としての金族元素やアルカリ金属元素の量を酸化物
換算で無機材質フィラー全重量に対して0.5重量%以
下とするには、無機材質フィラーを周知のバイヤー法、
有機金属法、気相反応法、ゾルゲル法、共沈法、無機塩
分解法、火炎加水分解法等によって形成する際、不純物
が最も入り込み難い方法を採用することによって行われ
る。
【0035】なお、前記無機材質フィラーに含有されて
いる不純物としての金属元素やアルカリ金属元素の量が
酸化物換算で無機材質フィラー全重量に対し0.5重量
%を超えたものとなると、金属元素やアルカリ金属元素
がインクと接触し、インク中に溶出するとともに陽イオ
ン化し、金属イオン及び/又はアルカリ金属イオンとな
り、インク中の着色剤を均一に分散させている分散剤の
負の帯電を部分的に中和してしまい、その結果、インク
中の着色剤に凝集が起こり、インクの粘度が増加してイ
ンクの流れが悪くなったり、インク吐出孔8から吐出さ
れるインク滴の吐出量や吐出速度が低下し、最悪の場合
にはインク吐出孔8が塞がりインクの吐出が不可能とな
って正確、且つ奇麗な記録ができなくなってしまう。従
って、前記無機材質フィラーに含有されている不純物と
しての金属元素やアルカリ金属元素の量は酸化物換算で
無機材質フィラー全重量に対し0.5重量%以下に特定
される。
いる不純物としての金属元素やアルカリ金属元素の量が
酸化物換算で無機材質フィラー全重量に対し0.5重量
%を超えたものとなると、金属元素やアルカリ金属元素
がインクと接触し、インク中に溶出するとともに陽イオ
ン化し、金属イオン及び/又はアルカリ金属イオンとな
り、インク中の着色剤を均一に分散させている分散剤の
負の帯電を部分的に中和してしまい、その結果、インク
中の着色剤に凝集が起こり、インクの粘度が増加してイ
ンクの流れが悪くなったり、インク吐出孔8から吐出さ
れるインク滴の吐出量や吐出速度が低下し、最悪の場合
にはインク吐出孔8が塞がりインクの吐出が不可能とな
って正確、且つ奇麗な記録ができなくなってしまう。従
って、前記無機材質フィラーに含有されている不純物と
しての金属元素やアルカリ金属元素の量は酸化物換算で
無機材質フィラー全重量に対し0.5重量%以下に特定
される。
【0036】また、前記無機材質フィラー中の金属元素
及び/又はアルカリ金属元素の含有量の測定は、蛍光X
線分析法を用いて定量することができる。
及び/又はアルカリ金属元素の含有量の測定は、蛍光X
線分析法を用いて定量することができる。
【0037】このようにして得られたヘッドを用いて記
録媒体(下図示)に記録を行うには、図2に示す部分断面
図のように、先ず各流路6内にインク供給孔5を介して
水系顔料インクや水素染料インク等から成るインクを導
入し、次に各隔壁2の両側面に被着形成されている駆動
用電極3a、3d、3g、3jに正の電圧を、駆動用電
極3b、3c、3h、3iに負の電圧を印加して、隔壁
2に流路6を狭める屈曲変位を起こさせ、流路6内のイ
ンクを加圧してインク吐出孔8よりインク滴を吐出させ
ることによって行われる。
録媒体(下図示)に記録を行うには、図2に示す部分断面
図のように、先ず各流路6内にインク供給孔5を介して
水系顔料インクや水素染料インク等から成るインクを導
入し、次に各隔壁2の両側面に被着形成されている駆動
用電極3a、3d、3g、3jに正の電圧を、駆動用電
極3b、3c、3h、3iに負の電圧を印加して、隔壁
2に流路6を狭める屈曲変位を起こさせ、流路6内のイ
ンクを加圧してインク吐出孔8よりインク滴を吐出させ
ることによって行われる。
【0038】なお、本発明は上述の実施形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれ
ば、種々の変更は可能であり、例えば、上述の実施形態
では下板1と隔壁2を一体的に形成したが、下板1と隔
壁2とを別個に形成し、これを熱硬化性樹脂に無機材質
フィラーを添加混合させた接着剤9で接合して形成して
もよい。この場合、無機材質フィラーに不純物として含
有されている金属元素及び/又はアルカリ金属元素は酸
化物換算で無機材質フィラーの全重量に対して0.5重
量%以下としておくよう配慮しなければならない。
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれ
ば、種々の変更は可能であり、例えば、上述の実施形態
では下板1と隔壁2を一体的に形成したが、下板1と隔
壁2とを別個に形成し、これを熱硬化性樹脂に無機材質
フィラーを添加混合させた接着剤9で接合して形成して
もよい。この場合、無機材質フィラーに不純物として含
有されている金属元素及び/又はアルカリ金属元素は酸
化物換算で無機材質フィラーの全重量に対して0.5重
量%以下としておくよう配慮しなければならない。
【0039】また、上述の実施形態では側板7を下板
1、隔壁2及び上板4によって形成される流路6の開放
端面に接着剤9を介して接合したが側板7は下板1と隔
壁2に対し一体的に形成してもよい。
1、隔壁2及び上板4によって形成される流路6の開放
端面に接着剤9を介して接合したが側板7は下板1と隔
壁2に対し一体的に形成してもよい。
【0040】更に、上述の実施形態では各隔壁2を一層
の圧電セラミックスで形成したが、これを圧電セラミッ
クスから成る上下2層の構造としてもよい。この場合、
上下の層を逆方向に分極処理しておくと、屈曲変位させ
た際、上下の層の接合部を最大とする「く」の字状に大
きな屈曲変位が得られ、これによってインク滴の吐出性
能をより一層高いものとなすことができる。
の圧電セラミックスで形成したが、これを圧電セラミッ
クスから成る上下2層の構造としてもよい。この場合、
上下の層を逆方向に分極処理しておくと、屈曲変位させ
た際、上下の層の接合部を最大とする「く」の字状に大
きな屈曲変位が得られ、これによってインク滴の吐出性
能をより一層高いものとなすことができる。
【0041】また更に、上述の実施形態においては、側
板7にインク吐出孔8を、上板4にインク供給孔5を分
けて設けたが、インク吐出孔8とインク供給孔5を同じ
上板4や下板1等に設けてもよく、またインク吐出孔8
を下板1や上板4等にインク供給孔5を上板4等に設け
てもよい。
板7にインク吐出孔8を、上板4にインク供給孔5を分
けて設けたが、インク吐出孔8とインク供給孔5を同じ
上板4や下板1等に設けてもよく、またインク吐出孔8
を下板1や上板4等にインク供給孔5を上板4等に設け
てもよい。
【0042】
【実施例】先ず、予め厚み方向に分極処理したチタン酸
ジルコン酸鉛を主成分とする複数の圧電セラミツク体を
用意し、ダイシングソーにて溝幅75μm、溝深さ35
0μm、ピッチ141μmの溝加工を施し、この溝加工
による複数の溝をインクの流路とするとともに、下板と
隔壁とが一体的に形成されたものを作製し、次に、各隔
壁の両側面の上半分に長手方向に沿ってスパッタリング
法によりAuから成り、流路の深さ方向への寸法が20
0μm、流路の長手方向の寸法が10mmとなる駆動用
電極を被着形成した。
ジルコン酸鉛を主成分とする複数の圧電セラミツク体を
用意し、ダイシングソーにて溝幅75μm、溝深さ35
0μm、ピッチ141μmの溝加工を施し、この溝加工
による複数の溝をインクの流路とするとともに、下板と
隔壁とが一体的に形成されたものを作製し、次に、各隔
壁の両側面の上半分に長手方向に沿ってスパッタリング
法によりAuから成り、流路の深さ方向への寸法が20
0μm、流路の長手方向の寸法が10mmとなる駆動用
電極を被着形成した。
【0043】次いで、隔壁の頂面に酸化アルミニウム質
焼結体から成る上板を、また下板、隔壁及び上板から形
成される流路の開放端面にインク吐出孔を有する酸化ア
ルミニウム質焼結体から成る側板をエポキシ樹脂に表1
に示す不純物としての金属元素やアルカリ金属元素が含
有されている各種無機材質フィラー添加混合させた接着
剤を介して接合し、図1に示すようなへッドを作製し
た。
焼結体から成る上板を、また下板、隔壁及び上板から形
成される流路の開放端面にインク吐出孔を有する酸化ア
ルミニウム質焼結体から成る側板をエポキシ樹脂に表1
に示す不純物としての金属元素やアルカリ金属元素が含
有されている各種無機材質フィラー添加混合させた接着
剤を介して接合し、図1に示すようなへッドを作製し
た。
【0044】そして、得られた各ヘッドに水系インクを
充填したのち、インク吐出孔をシリコンゴム製のキャッ
プで塞ぎ、70℃で4週間放置した後に水系インクを回
収し、凝集物の観察、インクの粘度測定の確認を行っ
た。
充填したのち、インク吐出孔をシリコンゴム製のキャッ
プで塞ぎ、70℃で4週間放置した後に水系インクを回
収し、凝集物の観察、インクの粘度測定の確認を行っ
た。
【0045】また、前記隔壁の駆動用電極に駆動周波数
120kHzを印加し、マイナス側の入力はカットした
状態の正弦波を用いて、プラス側にのみ30Vの電圧を
印加するようにしてインク滴の吐出を行いインクの吐出
速度を高速度ビデオカメラ及びストロボを用いて、イン
ク滴の軌道を測定し算出した。
120kHzを印加し、マイナス側の入力はカットした
状態の正弦波を用いて、プラス側にのみ30Vの電圧を
印加するようにしてインク滴の吐出を行いインクの吐出
速度を高速度ビデオカメラ及びストロボを用いて、イン
ク滴の軌道を測定し算出した。
【0046】なお、試料No.1,16は本発明と比較
するための比較試料であり、試料No.1は無機材質フ
ィラーに不純物として含有される金属元素やアルカリ金
属元素の量が多いもの、試料No.16は無機材質フィ
ラーを添加混合しないものである。
するための比較試料であり、試料No.1は無機材質フ
ィラーに不純物として含有される金属元素やアルカリ金
属元素の量が多いもの、試料No.16は無機材質フィ
ラーを添加混合しないものである。
【0047】また、無機材質フィラー中の金属元素及び
アルカリ金属元素の含有量は、各々蛍光X線分析法にて
定量を行った。
アルカリ金属元素の含有量は、各々蛍光X線分析法にて
定量を行った。
【0048】上記の結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1から明らかなように、接着剤の無機材
質フィラーに含有されている金属元素及び/又はアルカ
リ金属元素が酸化物換算で無機材質フィラー全重量に対
し0.5重量%以下である本発明品(試料No.2〜1
5)は、インクの凝集やインク吐出孔におけるインク詰
まりも生じることはなく、インク吐出速度もほぼ5.8
m/sec以上と安定しており正確な文字の記録ができ
た。
質フィラーに含有されている金属元素及び/又はアルカ
リ金属元素が酸化物換算で無機材質フィラー全重量に対
し0.5重量%以下である本発明品(試料No.2〜1
5)は、インクの凝集やインク吐出孔におけるインク詰
まりも生じることはなく、インク吐出速度もほぼ5.8
m/sec以上と安定しており正確な文字の記録ができ
た。
【0051】これに対し、無機材質フィラーに含有され
ている金属元素及び/又はアルカリ金属元素が酸化物換
算で無機材質フィラー全重量に対し0.5重量%を超え
るもの(試料No.1)は、無機材質フィラーに含有さ
れている金属元素やアルカリ金属元素がインク中へ溶出
し、インクの粘度が増加するとともに水系インクの凝集
によってインクの吐出速度も3.9m/sec以下と約
35%の低下が見られた。同様に無機材質フィラーを添
加混合していないもの(試料No.16)は、流路内に
インクが流れ込みインク吐出速度が2.7m/secと
大きく低下していることが分かる。
ている金属元素及び/又はアルカリ金属元素が酸化物換
算で無機材質フィラー全重量に対し0.5重量%を超え
るもの(試料No.1)は、無機材質フィラーに含有さ
れている金属元素やアルカリ金属元素がインク中へ溶出
し、インクの粘度が増加するとともに水系インクの凝集
によってインクの吐出速度も3.9m/sec以下と約
35%の低下が見られた。同様に無機材質フィラーを添
加混合していないもの(試料No.16)は、流路内に
インクが流れ込みインク吐出速度が2.7m/secと
大きく低下していることが分かる。
【0052】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録ヘッドによ
れば、インクが供給される内部空間を形成する下板、隔
壁、上板、側板の少なくとも1つを熱硬化性樹脂に無機
材質フィラーを含有させた接着剤で接合したことから、
接着剤の熱硬化時の粘度低下が無機材質フィラーにより
有効に防止されて接着剤の一部が流路内に流れ込むこと
はなく、その結果、流路内でのインクの流れを自由と
し、インク吐出孔からのインク滴の吐出を均等として奇
麗な記録を行うことが可能となる。
れば、インクが供給される内部空間を形成する下板、隔
壁、上板、側板の少なくとも1つを熱硬化性樹脂に無機
材質フィラーを含有させた接着剤で接合したことから、
接着剤の熱硬化時の粘度低下が無機材質フィラーにより
有効に防止されて接着剤の一部が流路内に流れ込むこと
はなく、その結果、流路内でのインクの流れを自由と
し、インク吐出孔からのインク滴の吐出を均等として奇
麗な記録を行うことが可能となる。
【0053】また本発明のインクジェット記録ヘッドに
よれば、前記接着剤に添加混合される無機材質フィラー
に含有されている不純物としての金属元素及び/又はア
ルカリ金属元素の量が酸化物換算で無機材質フィラー全
重量に対し0.5重量%以下の少量としたことから、無
機材質フィラーに含まれる金属元素及び/又はアルカリ
金属元素がインク中に溶出するとともに陽イオン化し
て、分散剤の負の帯電を中和することはほとんどなく、
その結果、インク中の着色剤は常に均一に分散してイン
クの粘度が適度となり、インクの流れがスムーズとなる
とともにインク吐出孔から吐出されるインク滴の吐出量
や吐出速度を一定となすことができ、これによって常に
奇麗で、正確、鮮明な記録が可能となる。
よれば、前記接着剤に添加混合される無機材質フィラー
に含有されている不純物としての金属元素及び/又はア
ルカリ金属元素の量が酸化物換算で無機材質フィラー全
重量に対し0.5重量%以下の少量としたことから、無
機材質フィラーに含まれる金属元素及び/又はアルカリ
金属元素がインク中に溶出するとともに陽イオン化し
て、分散剤の負の帯電を中和することはほとんどなく、
その結果、インク中の着色剤は常に均一に分散してイン
クの粘度が適度となり、インクの流れがスムーズとなる
とともにインク吐出孔から吐出されるインク滴の吐出量
や吐出速度を一定となすことができ、これによって常に
奇麗で、正確、鮮明な記録が可能となる。
【図1】本発明のインクジェット記録へッドの一実施形
態を示す一部を破断した斜視図である。
態を示す一部を破断した斜視図である。
【図2】本発明のインクジェット記録へッドの駆動原理
を示す部分断面図である。
を示す部分断面図である。
【図3】従来のインクジェット記録へッドを示す一部を
破断した斜視図である。
破断した斜視図である。
【符号の説明】 1:下板 2:隔壁 3:駆動用電極 4:上板 5:インク供給孔 6:流路 7:側板 8:インク吐出孔 9:接着剤
Claims (1)
- 【請求項1】下板と、該下板の上面に離間して配置され
た少なくとも2つの隔壁と、該隔壁の上面に配置された
上板と、前記下板と一対の隔壁と上板とで形成される内
部空間を塞ぐ側板とから成り、前記下板、上板及び側板
の少なくとも1つにインク吐出孔とインク供給孔を設
け、インク供給孔を介して前記内部空間にインクを供給
するとともに該供給されたインクを隔壁の変位によって
加圧し、インク吐出孔より吐出させるインクジェット記
録ヘッドであって、前記下板、隔壁、上板、側板の少な
くとも1つが熱硬化性樹脂に無機材質フィラーを含有さ
せた接着剤により接合されており、且つ該接着剤の無機
材質フィラーに含有されている金属元素及び/又はアル
カリ金属元素が酸化物換算で無機材質フィラー全重量に
対し0.5重量%以下であることを特徴とするインクジ
ェット記録ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000251381A JP2002059546A (ja) | 2000-08-22 | 2000-08-22 | インクジェット記録ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000251381A JP2002059546A (ja) | 2000-08-22 | 2000-08-22 | インクジェット記録ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002059546A true JP2002059546A (ja) | 2002-02-26 |
Family
ID=18740797
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000251381A Pending JP2002059546A (ja) | 2000-08-22 | 2000-08-22 | インクジェット記録ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002059546A (ja) |
-
2000
- 2000-08-22 JP JP2000251381A patent/JP2002059546A/ja active Pending
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