JP2001270115A - インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法

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JP2001270115A
JP2001270115A JP2000089539A JP2000089539A JP2001270115A JP 2001270115 A JP2001270115 A JP 2001270115A JP 2000089539 A JP2000089539 A JP 2000089539A JP 2000089539 A JP2000089539 A JP 2000089539A JP 2001270115 A JP2001270115 A JP 2001270115A
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adhesive
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JP2000089539A
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English (en)
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Chitose Ueki
千歳 植木
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Kyocera Corp
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Publication date
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  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】隔壁両側から頂面周縁に設けられた駆動用電極
同士がショートするのを防止するとともに、隔壁と蓋体
とを接合する接着剤がインクの流路に流れ込むのを防止
して、インク滴を良好に吐出することができる信頼性の
高いインクジェット記録ヘッドを提供する。 【解決手段】圧電材料からなる複数の隔壁1にて仕切ら
れたインクの流路2を備え、隔壁の両側面から頂面周縁
に沿って駆動用電極3を備える流路部材10と、前記複
数の隔壁1の頂面に接着層11を介して接合され、前記
流路2を覆う蓋体4とを備え、前記駆動用電極3に通電
して隔壁1を屈曲変位させることにより、流路2内のイ
ンクを加圧して流路2と連通するインク吐出孔7からイ
ンク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドにおいて、
前記接着層11中に平均粒径が3.0〜10.0μmの
絶縁性フィラー11aを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を吐出し
て文字や画像を印刷するインクジェット方式の記録装置
に搭載するインクジェット記録ヘッドに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューターの普及
やマルチメディアの発達に伴って、情報を記録媒体に出
力する記録装置としてインクジェット方式の記録装置の
利用が急速に拡大している。
【0003】かかるインクジェット方式の記録装置に
は、インクジェット記録ヘッド(以下ヘッドと称す)が
搭載されており、該ヘッドは、インクが充填される流路
内にヒータを設け、このヒータによりインクを加熱、沸
騰させ、流路内に発生する気泡によってインクを加圧
し、インク吐出孔よりインク滴を吐出するサーマルジェ
ット方式と、インクが充填される流路を形成する壁を圧
電素子によって屈曲変位させ、機械的に流路内のインク
を加圧し、インク吐出孔よりインク滴を吐出する圧電方
式が一般的に知られている。前記圧電方式のヘッドは、
耐久性及び応答性に優れるとともに、直接インクを加熱
しないため、インクの種類が限定されないといった利点
がある。
【0004】この圧電方式のヘッドは、図5に示すよう
に、圧電セラミックスからなる複数の隔壁31を並設
し、これら隔壁31の間をインクの流路32とするとと
もに、隔壁31の両側面から頂面周縁に沿って駆動用電
極33を有する流路部材40と、前記各流路の頂面に接
着層を介して接合され、前記各流路32へインクを導入
するためのインク供給孔35を備えた蓋体34と、前記
流路部材40の開口端面に接合され、各流路32と連通
するインク吐出孔37を備えたノズル板36とから構成
されている。
【0005】なお、流路部材40の他端側は閉鎖された
構造となっており、隔壁31を形成する圧電セラミック
スは矢印の方向に分極処理されている。また、38は隔
壁31の両側に形成された駆動用電極33を仕切る溝、
39は駆動用電極33の引出線である。
【0006】そして、このヘッド50よりインク滴を吐
出するには、外部の駆動回路(不図示)より、引出線3
9を経て、駆動用電極33に電圧が印加されると、隔壁
31を形成する圧電セラミックスが剪断モード変形し、
上下が拘束された隔壁31が略「く」の字状に屈曲変位
することによって、流路32内のインクを加圧してイン
ク吐出孔37よりインク滴を吐出するようになってい
る。
【0007】また、このヘッド50は、予め厚み方向に
分極処理したチタン酸ジルコン酸鉛等を主成分とする圧
電セラミック体に、例えばダイシングソーと呼ばれる回
転刃によって一端が閉鎖された複数の溝を等間隔に刻設
し、各溝をインクの流路32とするとともに、流路32
を構成する壁を隔壁31となし、次いで隔壁31の頂面
と側面及び閉鎖部に、蒸着法、スパッタリング法、メッ
キ法等の膜形成手段により金属膜を被着した後、隔壁3
1の頂面に形成された金属膜の中央を、その長手方向に
沿ってレーザー加工により分断し、隔壁31の両側面か
ら頂面周縁に沿って被着された金属膜を駆動用電極33
とするとともに、基板の閉鎖部に被着された金属膜を駆
動用電極33の引出し線39とする流路部材40を製作
した後、隔壁31の頂部にインク供給孔35を備えた蓋
体34を、強度及びインクへの耐久性がよいエポキシ接
着剤を介して接合し、流路部材40の開放端部に、イン
ク吐出孔37を備えたノズル板36をエポキシ接着剤で
接合することによって製作されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記隔
壁31の頂面に形成された金属膜をレーザー加工によっ
て分断して溝38を設ける際に、バリが立ち上がるよう
に発生し、隔壁31と蓋体34との接合時に加える押圧
力によって、バリが折れ曲がったり、剥がれたりして隔
壁31の両側に形成された駆動用電極33同士が接触し
た状態で接合されると、インク滴を吐出するために駆動
用電極33に電圧を印加したときに、駆動用電極33間
でショートしてしまうという課題があった。
【0009】また、前記流路32の幅は非常に微細であ
るため、隔壁31の頂面と蓋体34とを接着剤によって
接合する際に、流路32が毛細管のように作用し毛細管
現象を引き起こして接着剤が流路32内に流れ出してイ
ンクの流れを阻害したり、ノズル板36に備えるインク
吐出孔37が目詰まりを起こしてインクの吐出性能を低
下させるという課題もあった。
【0010】この接着剤の流出を解決する手段として
は、隔壁31の頂面と蓋体34とを高粘度(2000C
PS以上)のエポキシ接着剤を用いて接合し、毛細管現
象によるエポキシ接着剤の流路32内への流れ込みを防
止する方法が開示されている(特開平9−141879
号公報参照)。
【0011】また、別の方法として高圧下で高粘度接着
剤を硬化させることで、接着剤硬化時の加熱によって一
時的に高粘度接着剤の粘度が低下し、流動性が高くなっ
た状態でも毛細管現象による高粘度接着剤の流路32内
への流れ込みを防止する方法が開示されている(特開平
9−174861号公報参照)。
【0012】しかし、上述のように隔壁31の頂面と蓋
体34との接合に高粘度(2000CPS以上)のエポキ
シ接着剤を用いたとしても、接着剤を硬化させるための
加熱による一時的な接着剤の粘度低下によって、接着剤
の毛細管現象が発生し、流路32内へ流れ込むのを完全
に防止することができないという欠点があり、また、高
粘度接着剤を高圧下で硬化させた場合、別途、恒温加圧
装置が必要となり、接着対象物の形状が恒温加圧装置の
内容積に制限されるという欠点があった。
【0013】
【発明の目的】本発明は、上記欠点に鑑み案出されたも
ので、その目的は隔壁両側面から頂面周縁に設けられた
駆動用電極間でショートするのを防止するとともに、隔
壁と蓋体とを接合する接着剤がインク流路に流れ込むの
を防止して、インク滴を良好に吐出することができる信
頼性の高いインクジェット記録ヘッドを提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも一
部が圧電材料からなる複数の隔壁にて仕切られたインク
の流路を備え、前記複数の隔壁の両側面から頂面周縁に
は駆動用電極を有する流路部材と、前記複数の隔壁の頂
面に接着層を介して接合され、前記流路を覆う蓋体とを
備え、前記駆動用電極に通電して隔壁を屈曲変位させる
ことにより、流路内のインクを加圧して流路と連通する
インク吐出孔からインク滴を吐出するインクジェット記
録ヘッドにおいて、前記接着層中に平均粒径が3.0〜
10.0μmの絶縁性フィラーを含有したことを特徴と
するものである。
【0015】また、前記絶縁性フィラーは接着層の隔壁
側に多く分布していることを特徴とするものである。
【0016】さらに、前記接着層上に、平均粒径が1.
0μm以下のフィラーが含有した第2接着層を形成した
ことを特徴とするものである。
【0017】また、本発明は少なくとも一部が圧電材料
からなる複数の隔壁を並設し、各隔壁間をインクの流路
とする基板を用意し、前記各隔壁の側面及び頂面に金属
膜を被着するとともに、前記各隔壁の頂面中央における
金属膜を除去して隔壁の側面に駆動用電極を、隔壁の頂
面に駆動用電極の引出線をそれぞれ形成して流路部材を
形成した後、前記隔壁の頂面に、平均粒径が3.0〜1
0.0μmの絶縁性フィラーを含有する熱硬化型接着剤
を塗布し、60℃以下の温度で仮硬化させて第1の仮硬
化層を形成し、さらに第1の仮硬化層上に、熱硬化型接
着剤を塗布して蓋体を載置し、60℃以下の温度で仮硬
化させて第2の仮硬化層を形成し、しかる後、2層の仮
硬化層を本硬化させて前記隔壁と蓋体とを接合すること
を特徴とするものである。
【0018】さらに、前記第2の仮硬化層中に、平均粒
径が1.0μm以下のフィラーを含有していることを特
徴とするものである。
【0019】
【作用】本発明のインクジェット記録ヘッドによれば、
前記接着層中に平均粒径が3.0〜10.0μmの絶縁
性フィラーを含有させたことから、隔壁の頂面と蓋体と
の接合時の圧着によって隔壁の両側面から頂面周縁に沿
って設けた駆動用電極に発生するバリが折れ曲がった
り、剥がれたりして隔壁両側の駆動用電極同士が接触す
ることに起因して発生するショートを有効に防止するこ
とができるとともに、前記接着層が、接着剤の硬化に伴
う加熱によって流路内へ流れ込むことを有効に防止する
ことができる。
【0020】また、前記絶縁性フィラーを接着層の隔壁
側に多く分布させることにより、隔壁の頂面周縁に設け
た駆動用電極のバリを十分に覆い、バリが折れ曲がった
り、剥がれたりして駆動用電極同士が接触することに起
因して発生するショートをより確実に防止することがで
きる。
【0021】さらに、前記接着層上に、平均粒径が1.
0μm以下のフィラーを含有した第2接着層を形成させ
ることにより、第2接着層の硬化に伴う加熱によって、
第2接着層の粘度が低下して流路内へ流れ込むことを、
より確実に防止することができるとともに、隔壁と蓋体
との接着強度を高いものにすることができる。
【0022】また、インクジェット記録ヘッドの製造工
程において、前記隔壁の頂面に、平均粒径が3.0〜1
0.0μmの絶縁性フィラーを含有する熱硬化型接着剤
を塗布し、60℃以下の温度で仮硬化させて第1の仮硬
化層を形成し、さらにその上に熱硬化型接着剤を塗布し
て蓋体を載置した後、60℃以下の温度で仮硬化させて
第2の仮硬化層を形成し、2層の仮硬化層を本硬化させ
て前記隔壁と蓋体とを接合することから、第1の仮硬化
層が、隔壁頂面に被着した金属膜の中央を除去する際に
発生するバリを十分に覆い、バリが剥がれたり、折れた
りして接触するのを防止して、隔壁両側の駆動用電極間
でショートすることを防止するとともに、接着剤の硬化
に伴う加熱によって該接着剤の粘度が低下して流路内へ
流れ込むのを防止することができ、その上面に第2の仮
硬化層を形成して蓋体と接合することから、接着剤の流
路内への流れ込みが極めて少なく、強固に隔壁と蓋体と
を接合することができる。
【0023】また、前記第2の仮硬化層中に、平均粒径
が1.0μm以下のフィラーを含有させることにより、
接着剤が流路内へ流れ込むことをより確実に防ぐことが
できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
【0025】図1は本発明のインクジェット記録ヘッド
20の一実施例を示す一部を破断した斜視図であり、1
は並設された複数の隔壁、2は隔壁1間に設けられたイ
ンクの流路、3は隔壁の両側面上半分から頂面周縁部に
わたってその長手方向全体に設けられた駆動用電極、4
は各流路2を塞ぐ蓋体、5は蓋体4に形成され、各流路
2へインクを導入するためのインク供給孔、6はノズル
板、7はノズル板6に形成され、各流路2と連通したイ
ンクを吐出するためのインク吐出孔、8は各隔壁1の頂
面周縁に亘って形成される駆動用電極3を分断するため
の溝、9は外部の駆動回路(不図示)より、駆動用電極
3に電圧を印加するための引出線、10は流路部材、1
1は蓋体4と隔壁1とを接合する接着層である。
【0026】前記流路部材10は、例えば、チタン酸ジ
ルコン酸鉛、ランタンチタン酸ジルコン酸鉛、マグネシ
ウムニオブ酸鉛を主成分とする周知の圧電セラミックス
等からなり、該圧電セラミック基板にインクの流路2と
して作用する複数の溝を並設し、各流路2を仕切る壁を
隔壁1とする。
【0027】なお、前記流路部材10の他端側は閉じら
れた構造となっており、隔壁1の矢印は隔壁1を形成す
る圧電セラミックスの分極方向を示している。
【0028】前記駆動用電極3及び引出線9は、白金、
金、パラジウム、ロジウム、ニッケル、アルミニウム等
の金属、あるいは白金−金、パラジウム−銀、白金−パ
ラジウム等を主体とする合金からなる金属膜から形成さ
れている。
【0029】また、前記蓋体4は、セラミックス、ガラ
ス、シリコン等の絶縁材料からなり、前記各流路2の上
部を塞ぐべく各隔壁1の頂面に接着層11を介して接合
されている。
【0030】さらに、前記ノズル板6は、絶縁性セラミ
ックス、ガラス、シリコン、樹脂等からなり、流路部材
10の開放端部を塞ぐように熱硬化型接着剤にて接合さ
れている。
【0031】ところで、隔壁1と蓋体4とを接合するに
あたっては、平均粒径が3.0〜10.0μmの絶縁性
フィラーを含有する接着層11を介して接合することが
重要である。
【0032】図2(a),(b)は前記隔壁1と蓋体4
との接合部の拡大断面図であり、隔壁1と蓋体4を接合
する接着層11には、平均粒径が3.0〜10.0μm
の絶縁性フィラー11aを含有させてある。そのため、
これらの絶縁性フィラー11aは、後述する製造方法に
おいて、隔壁1の頂面に被着した金属膜の中央をレーザ
加工によって分断して溝8を設ける際に駆動用電極3と
しての金属膜に発生したバリ13を十分に覆って、該バ
リ13が折れ曲がったり、剥がれたりすることにより隔
壁1両側の駆動用電極3同士が接触するのを有効に防止
し、ヘッド20の駆動時に駆動用電極3間がショートす
ることを効果的に防ぐことができるとともに、接着層1
1の粘度が接着剤の硬化に伴う加熱によって低下して
も、絶縁性フィラー11aの存在によって流路2内へ流
れ込むことを有効に防止し、インク滴の吐出性能が低下
するのを防ぐことができる。
【0033】前記接着層11はバリ13を中心にその周
囲に塗布され、バリ13を高さ方向に十分覆う厚みに塗
布する必要がある。接着層11の厚みは、絶縁性フィラ
ー11aの平均粒径に起因して決まるため、前記絶縁性
フィラー11aの平均粒径が3.0μm未満となると、
バリ13を十分に覆うまでの厚みに接着剤を塗布するこ
とができず、バリ13を覆う厚みに達する前に隔壁1の
頂面から流れ出してしまうため、バリ13が折れ曲がっ
たり、剥がれたりすることによって隔壁1両側の駆動用
電極3同士が接触することを防ぐことができなくなる。
一方、絶縁性フィラー11aの平均粒径が10μmを超
えると、絶縁性フィラー11aの比表面積が小さくな
り、接着剤との接触面積が減少し、絶縁性フィラー11
aと接着剤との剪断の抵抗が小さくなるため接着剤の流
動性が高くなり流路2内へ流れ込んでしまうためであ
る。
【0034】また、前記絶縁性フィラー11aは接着層
11の隔壁1側に多く分布していることが好ましい。こ
れは前記隔壁1の頂面に発生するバリ13を十分に覆う
ことができ、バリ13が折れ曲がったり、剥がれたりす
ることにより隔壁1両側の駆動用電極3同士が接触する
のを確実に防止することができる。
【0035】前記絶縁性フィラー11aは、ガラスや絶
縁性セラミックスを用いるのが好ましいが、その材質は
特に限定するものではなく、シリカ、アルミナ、ジルコ
ニア、フォルステライト、ステアタイト、ジルコン、ム
ライト、コージライト、炭化珪素等のいずれか一種を主
成分とする絶縁性セラミックス等の絶縁性を有するもの
であると、バリ13が折れ曲がったり、剥がれたりする
ことにより駆動用電極3同士が接触してヘッド20の駆
動時に駆動用電極3間にショートが発生するのを効果的
に防止できる。
【0036】なお、本発明において絶縁性フィラー11
aとは、103Ω・cm以上の体積固有抵抗値をもつも
のをいう。
【0037】また、前記絶縁性フィラー11aの含有量
は、3〜30体積%が好ましく、該含有量が3体積%未
満と極端に少なくなると、絶縁性フィラー11aの分散
が偏って接着層11の厚みにバラツキが生じ、バリ13
が折れ曲がったり、剥がれたりすることにより隔壁1両
側の駆動用電極3同士が接触するのを防止することがで
きず、駆動用電極3間でショートが発生する恐れがある
ためである。一方、含有量が30体積%を越えると、絶
縁性フィラー11aの粒子表面を十分に接着剤で覆うこ
とができなくなり、未接着の部分が増加して接着強度が
低下する恐れがあるためである。
【0038】また、同図(b)に示すように、前記接着
層11の上に、さらに平均粒径1.0μm以下のフィラ
ー12aを含有した第2接着層12を形成することが好
ましい。
【0039】前記フィラー12aを含有した第2接着層
12は、接着剤の硬化に伴う加熱によって粘度が低下し
た際に、接着剤が流路2内へ流れ込むのを確実に防止す
ることができる。
【0040】前記フィラー12aの平均粒径が1.0μ
mを超えると、第2接着層12の厚みが厚くなり過ぎて
隔壁1の変位の力を吸収しやすくなり、隔壁1の変位に
応じて確実にインクの供給、吐出ができなくなる危険性
を有しているためである。
【0041】なお、前記フィラー12aの材質は、前記
絶縁性フィラー11aの他、一般的に接着剤等に添加さ
れるフィラーを用いてもよく、絶縁性が必要ない場合は
導電性、半導電性のフィラー等を用いてもよい。
【0042】ここで、前記接着層11(以下第1接着層
とも称す)及び第2接着層12は、バリ13を十分に覆
う厚みを確保することが前提であるが、その厚みはでき
る限り薄い方が好ましく、また隔壁1の変位の力を蓋体
4に伝えやすくするためにも第1接着層11及び第2接
着層12の剛性は高い方が好ましい。これは、接着剤自
体の剛性は低く、且つ前記絶縁性フィラー11a及びフ
ィラー12aを含有すると若干の剛性は高くなるもの
の、その厚みが大きいと第1接着層11及び第2接着層
12が横方向にずれて変形して隔壁1の変位の力を伝え
難くするためである。したがって、前記第1接着層11
及び第2接着層12の厚みは薄くすることが好ましい。
【0043】上述のように隔壁1側には絶縁性フィラー
11aを含有した第1接着層11が形成され、蓋体4側
にはフィラー12aを含有した第2接着層12が形成さ
れた場合、前記平均粒径が1.0μm以下のフィラー1
2aの含有量は、3〜15体積%が好ましい。該含有量
が3体積%未満となると、接着剤の硬化時の加熱によっ
て流動性が増し、流路2内に流れ込んでしまう恐れがあ
り、一方、15体積%を越えると、第2接着層12の厚
みが大きくなり過ぎて隔壁1が変位した際、第1接着層1
1及び第2接着層12が横方向にずれやすくなり隔壁1の
変位した力が伝わり難いという危険性があるためであ
る。
【0044】なお、前記絶縁性フィラー11a及びフィ
ラー12aの平均粒径は、隔壁1と蓋体4との任意接合
部断面を画像解析装置で分析し、この面に存在する絶縁
性フィラー11a及びフィラー12aの円相当径の平均
値を算出することによって測定できる。ただし、第1接
着層11と第2接着層12が同種の接着剤である場合、
第1接着層11と第2接着層12の境界は、粒径の大き
な絶縁性フィラー11aと粒径の小さなフィラー12a
との境目を境界とする。
【0045】次に、前記ヘッド20の製造方法を図3に
基づいて説明する。
【0046】先ず、予め厚み方向に分極処理した圧電セ
ラミック基板を、ダイシングソー等のダイヤモンドブレ
ードによって研削加工し、図3(a)に示すような複数
の溝を並設してインクの流路を形成し、各流路2を仕切
る壁を隔壁1とする。
【0047】次いで、同図(b)(b’)に示すよう
に、隔壁1の両側面上半分と頂面及び流路部材10の閉
鎖部に、蒸着法、無電解メッキ法、スパッタリング法等
にて、白金、金、パラジウム、ロジウム、ニッケル、ア
ルミニウム等の金属、あるいは白金−金、パラジウム−
銀、白金−パラジウム等を主体とする合金からなる金属
膜を被着する。
【0048】その後、同図(c)に示すように、隔壁1
の頂面中央に被着された金属膜をYAGレーザー、CO
2レーザー、エキシマレーザー等のレーザー加工にて除
去し溝8を設けることで駆動用電極3及び引出線9を設
けて流路部材10を形成する。
【0049】しかる後、同図(d)に示すように、ポリ
イミドフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム
等のフィルムに平均粒径が3.0〜10.0μmの絶縁
性フィラー11aを含有した熱硬化型接着剤を、スクリ
ーン印刷、バーコーター等の厚みを調節できる手段を用
いて塗布し、このフィルム上の熱硬化型接着剤を隔壁1
の頂面に当接し転写する。
【0050】次いで、60℃以下の温度で仮硬化させ
て、第1の仮硬化層を形成する。仮硬化させる温度が6
0℃を超えると、前記熱硬化型接着剤を硬化するときの
加熱によって接着剤の粘度が一時的に低下し、接着剤が
毛細管現象によって流路2へ流れ込む恐れがあるためで
ある。また、仮硬化させる際は無加圧とすることが好ま
しく、加圧による接着剤の流動によって隔壁1の頂面に
被着した駆動用電極3のバリ13が折れ曲がったり、剥
がれたりして隔壁1両側の駆動用電極3同士が接触して
ショートが発生するのを防ぐ。
【0051】さらに、同図(e)(f)に示すように前
記第1の仮硬化層上に、熱硬化型接着剤を上述と同様に
フィルムを用いて塗布して蓋体4を載置し、60℃以下
の温度で仮硬化させて第2の仮硬化層を形成する。
【0052】ここで、前記第2の仮硬化層を形成する熱
硬化型接着剤中には、平均粒径が1.0μm以下のフィ
ラー12aを含有してもよい。
【0053】しかる後、2層の仮硬化層を本硬化させて
前記隔壁1と蓋体4とを接合する。
【0054】前記本硬化する温度は用いる熱硬化型接着
剤によって決まり、例えばエポキシ接着剤を用いた場合
は、約100℃である。
【0055】前記接着層11及び第2接着層12を形成
する接着剤は、例えば、エポキシ接着剤、レゾルシノー
ル系接着剤、フェノール系接着剤等の熱硬化型接着剤を
用いると、硬化時間が短縮され、被接着物の材質が限定
されることがなく好適に使用できる。
【0056】前記隔壁1と蓋体4との接合において、第
1の仮硬化層はバリ13が折れ曲がったり、剥がれたり
して隔壁1両側の駆動用電極3同士が接触することでシ
ョートが発生するのを防止できると同時に接着剤の硬化
に伴う加熱によって、接着剤の粘度が低下して流路2内
へ流れ込むのを防止することができる。
【0057】さらに、その上面に第2の仮硬化層を形成
して蓋体4と接合することから、流路2内へ流れ込むこ
となく強固に隔壁1と蓋体4とを接合して信頼性の高い
ヘッド20を得ることができる。
【0058】このヘッド20を用いて記録媒体(不図
示)へ印刷するには、図4(a)(b)に示す駆動原理
を説明する部分断面図のように、先ず、インクとして顔
料タイプの油性インクや水性染料インクあるいは紫外線
硬化インク等のインクをインク供給孔5より各流路2へ
導入し、例えば駆動用電極3b,3c及び駆動用電極3
h,3iにそれぞれ負極の電圧を、駆動用電極3a,3
d,3g,3jに正極の電圧を印加すると、図4(a)
に示すように隔壁1a及び隔壁1bが流路2a側へ屈曲
変位するとともに、隔壁1d,1eが流路2d側へ屈曲
変位するため、流路2a,2d内に充填されたインクを
加圧して、インク吐出孔7よりインク滴を吐出させるこ
とができる。次に各駆動用電極3a〜3d,3g〜3j
への通電を遮断すると、屈曲変位していた隔壁1a,1
b,1d,1eが弾性作用によって元の形状に戻り、流
路2a,2d内が減圧される結果、インク供給孔5から
インクの導入が開始される。
【0059】また、前述した駆動用電極3a〜3d,3
g〜3jへ正負を逆転して電圧を印加すると、図4
(b)に示すように隔壁1a,1bが流路2aに対して
外側へ屈曲変位するとともに、隔壁1d,1eが流路2
dに対して外側へ屈曲変位するため、流路2a,2d内
がさらに減圧されてインクが充填されることになる。そ
して、各駆動用電極3a〜3d,3g〜3jへの通電を
遮断すると、屈曲変位していた隔壁1a,1b,1d,
1eが弾性作用によって元の形状に戻り、次のインク滴
の吐出段階に入るようになっており、これらの動作を順
次繰り返すことでインク滴の吐出を連続的に行うことが
できる。
【0060】なお、図4(a)(b)中の矢印は、各隔
壁1a〜1eの分極方向を示すものである。
【0061】以上、本発明のヘッド20は、図1に示す
構造に限定されるものではなく、例えば、図1における
ノズル板6を、インク供給孔5を備えた封止板とし、蓋
体4のインク供給孔5のかわりにインク吐出孔7を備え
たものや、ノズル板6を封止板として、流路2の底部に
インク吐出孔を設けたもの、さらには、隔壁1をシェブ
ロン構造と呼ばれる、相対する方向に分極処理した壁部
材を重ねて隔壁1とした構造のものなどにも適用でき、
本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、改良や変更を
加えることができることは言うまでもない。
【0062】
【実施例】(実施例1)以下、実施例で具体的に説明す
る。
【0063】先ず、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とす
る圧電セラミック基板を厚み方向に分極処理した後に、
ブレード径76.2mm、ブレード厚み75μmのダイ
ヤモンドブレードを取り付けたダイシングソーによっ
て、回転数30,000rpm、送り速度3mm/se
cの加工条件のもとに、前記流路の幅を80μm、隔壁
の幅を70μmに加工した。隔壁の数は1,600とし
た。
【0064】次いで、隔壁の側面上半分及び頂面にスパ
ッタリング法によりアルミニウムからなる金属膜を形成
し、隔壁の頂面中央のアルミニウム膜を除去するため
に、YAGレーザーによって溝を形成し、アルミニウム
からなる駆動用電極及び引出線を形成し流路部材を作製
した。
【0065】また、全ての流路にインクが供給できる長
さを持つ、幅2mmのインク供給孔を開孔したアルミナ
セラミック基板からなる蓋体を、熱硬化型エポキシ接着
剤(POTEK353;商品名)に、表1に示す材質、平
均粒径のフィラーを含有してポリイミドフィルム上に約
6μmの厚みに塗布した後、隔壁の頂面に転写し、仮硬
化させ第1の仮硬化層を形成し、さらに第1の仮硬化層上
にエポキシ接着剤を転写し、蓋体を載置した後、仮硬化
させ第2の仮硬化層を形成し、約100℃の温度で1時
間、本硬化を行いヘッドを作製した。
【0066】なお、接着層の厚みや流路への流れ込みを
観察するために、ノズル板の接合は行っていない。
【0067】また、比較例としてフィラーを含まない熱
硬化型エポキシ接着剤を上記と同様にして隔壁の頂面に
転写した後、蓋体を張り合わせ、約100℃の温度で1
時間本硬化を行ったヘッド(No.9)を作製した。
【0068】以上のように作製したヘッドの接着層の厚
み、流路への接着剤の流れ込みの有無を流路の開放端か
ら断面観察によって判断した。また、ショートの発生を
テスターによって判定し、ショート不良率(ショートし
た隔壁数を全隔壁数で除した百分率)及びヘッドの断面
を双眼顕微鏡若しくはSEM写真で観察して接着不良率
(接着不良の隔壁数を全隔壁数で除した百分率)を評価
した。
【0069】なお、接着層厚みの最大値と最小値との差
をバラツキレンジとした。
【0070】その結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】フィラーを含有しない試料(No.9)
は、接着剤の硬化に伴う加熱によって粘度が低下すると
流路内への流れ込みが発生し、接着不良が多く、また接
着層の厚みが小さくバリを十分に覆うことができないた
め、隔壁と蓋体との接合時の加圧によって、バリが折れ
曲がって隔壁両側の駆動用電極同士が接触し、ショート
による不良率が15%と高い値となった。
【0073】炭化珪素からなるフィラーを含有する試料
(No.1〜5)のうち、平均粒径が小さいフィラーを
含有した試料(No.1)は、バリを十分に覆う接着層
の厚みが確保されず、隔壁両側の駆動用電極同士が接触
し、ショートによる不良率が8%であった。また、平均
粒径が大きいフィラーを含有した試料(No.5)は、
平均粒径が大きいことからフィラーの比表面積が小さく
なり、接着剤との接触面積が小さくなって剪断の抵抗が
低下し接着剤の流動性が増加してしまい接着剤が流路へ
流れ込むのが確認され、各隔壁の接着層の厚みのバラツ
キが大きくなって接着の不良率が9%と悪かった。
【0074】これに対し、試料No.2〜4では、接着
剤が流路へ流れ込むことなく、ショートによる不良及び
接着不良の発生はみられなかった。これはフィラーが、
バリを十分に覆って隔壁両側の駆動用電極同士の接触を
防いでショートの発生を抑制し、接着剤を硬化する際の
加熱によって接着剤の粘度が低下し、流路へ流れ込むの
を防ぐためである。
【0075】また、絶縁性セラミックスのアルミナ、ジ
ルコニアからなるフィラーを含有した試料(No.6,
7)においては、いずれも平均粒径が3〜10μmの範
囲にあるため炭化珪素をフィラーとして用いた場合と同
様に流路への流れ込みも無く、ショート不良及び接着不
良も見られなかった。
【0076】これに対し、導電性のランタンストロンチ
ウムマンガンをフィラーとして用いた(No.8)場
合、フィラーが導電性を有するために、ショートによる
不良率が92%と高いものであった。
【0077】(実施例2)前記実施例1と同様に流路部
材を作製し、アルミナセラミック基板からなる蓋体を熱
硬化型エポキシ接着剤(EPOTEK353;商品名)
に、平均粒径7.3μmの炭化珪素からなる絶縁性フィ
ラーを含有し、ポリイミドフィルム上に約6μmの厚み
に塗布した後、隔壁の頂面に転写し、約60℃の温度、
無加圧で仮硬化させて第1の仮硬化層を形成し、さら
に、その上面に熱硬化型エポキシ接着剤(EPOTEK
353;商品名)に、シリカからなる表2に示すような
平均粒径のフィラーを含有させ、ポリイミドフィルム上
に約6μmの厚みに延ばし、前記第1の仮硬化層上に転
写し蓋体を載置した後、約60℃の温度で仮硬化して第
2の仮硬化層を形成する。次いで、2層の仮硬化層を約
100℃の温度で1時間、本硬化を行いヘッドを作製
し、実施例1と同様の評価を行った。
【0078】その結果を表2に示す。
【0079】
【表2】
【0080】接着層のうち第2接着層に含有するフィラ
ーの平均粒径が1.2μmの試料(No.15)は、含
有したフィラーの平均粒径が大きいため接着剤とフィラ
ーとの接触面積が小さくなり、流路への流れ込みが発生
して接着不良率が3%となった。
【0081】一方、第2接着層中に平均粒径が1.0μ
m以下のフィラーを含有した試料は、流路への接着剤の
流れ込みはなく、ショート不良及び接着不良の発生も見
られなかった。
【0082】
【発明の効果】本発明は、前記接着層中に平均粒径が
3.0〜10.0μmの絶縁性フィラーを含有させたこ
とから、隔壁の頂面と蓋体との接合時の圧着によって隔
壁の頂面周縁に被着する駆動用電極に発生したバリが折
れ曲がったり、剥がれたりして隔壁両側の駆動用電極同
士が接触することに起因して発生するショートを有効に
防止することができるとともに、前記接着層が、接着剤
の硬化に伴う加熱によって流路内へ流れ込むことを有効
に防止しインクの吐出性能を良好に保つことができる。
【0083】また、前記絶縁性フィラーが接着層の隔壁
側に多く分布していることから、隔壁の頂面に周縁に被
着する駆動用電極のバリを十分に覆い、バリが折れ曲が
ったり、剥がれたりして隔壁両側の駆動用電極同士が接
触することに起因して発生するショートをより確実に防
止することができる。
【0084】また、前記接着層上に、さらに平均粒径が
1.0μm以下のフィラーを含有した第2接着層を形成
させたことから、該第2接着層の硬化に伴う加熱によっ
て、第2接着層の粘度が低下して流路内へ流れ込むこと
を、より確実に防止することができるとともに、隔壁と
蓋体との接着強度を高いものにすることができる。
【0085】さらに、インクジェット記録ヘッドの製造
工程において、前記隔壁の頂面に、平均粒径が3.0〜
10.0μmの絶縁性フィラーを含有する熱硬化型接着
剤を塗布し、60℃以下の温度で仮硬化させて第1の仮
硬化層を形成し、さらにその上に熱硬化型接着剤を塗布
して蓋体を載置した後、60℃以下の温度で仮硬化させ
て第2の仮硬化層を形成し、2層の仮硬化層を本硬化さ
せて前記隔壁と蓋体とを接合することから、第1の仮硬
化層が、隔壁頂面の金属膜を除去する際に発生する駆動
用電極としての金属膜のバリを十分に覆い、バリが剥が
れたり、折れたりして接触するのを防止して、駆動用電
極間でショートすることを防止できるとともに、接着剤
の硬化に伴う加熱によって該接着剤の粘度が低下して流
路内へ流れ込むのを防止することができ、その上面に第
2の硬化層を形成して蓋体と接合することから、接着剤
の流路内への流れ込みが極めて少なく、強固に隔壁と蓋
体とを接合することができる。
【0086】また、前記第2の仮硬化層中に、平均粒径
が1.0μm以下のフィラーを含有させることから、接
着剤が流路内へ流れ込むことを確実に防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの一実施例
を示す一部を破断した斜視図である。
【図2】(a)は図1のインクジェット記録ヘッドにお
ける隔壁と蓋体との接合部の一例を拡大した断面図、
(b)は隔壁と蓋体との接合部の他の例を示す拡大した
断面図である。
【図3】(a)〜(f)はそれぞれ本発明のインクジェ
ット記録ヘッドの製造工程を示す図である。
【図4】(a)(b)はそれぞれ本発明のインクジェッ
ト記録ヘッドの駆動原理を接明するための断面図であ
る。
【図5】従来のインクジェット記録ヘッドの一部を破断
した斜視図である。
【符号の説明】
1:隔壁 2:流路 3:駆動用電極 4:蓋体 5:インク供給孔 6:ノズル板 7:インク吐出孔 8:溝 9:引出線 10:流路部材 11:接着層 11a:絶縁性フィラー 12:第2接着層 12a:フィラー 13:バリ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一部が圧電材料からなる複数の
    隔壁にて仕切られたインクの流路を備え、前記複数の隔
    壁の両側面から頂面周縁に沿って駆動用電極を有する流
    路部材と、前記複数の隔壁の頂面に接着層を介して接合
    され、前記流路を覆う蓋体とを備え、前記駆動用電極に
    通電して隔壁を屈曲変位させることにより、流路内のイ
    ンクを加圧して流路と連通するインク吐出孔からインク
    滴を吐出するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記
    接着層中に平均粒径が3.0〜10.0μmの絶縁性フ
    ィラーを含有したことを特徴とするインクジェット記録
    ヘッド。
  2. 【請求項2】前記絶縁性フィラーは接着層の隔壁側に多
    く分布していることを特徴とする請求項1記載のインク
    ジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】前記接着層上に、さらに平均粒径が1.0
    μm以下のフィラーを含有した第2接着層を形成させた
    ことを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録ヘ
    ッド。
  4. 【請求項4】少なくとも一部が圧電材料からなる複数の
    隔壁を並設し、各隔壁間をインクの流路とする基板を用
    意し、前記各隔壁の側面及び頂面に金属膜を被着すると
    ともに、前記各隔壁の頂面中央における金属膜を除去し
    て隔壁の両側面から頂面周縁に沿って駆動用電極を、そ
    れぞれ形成して流路部材を形成した後、前記隔壁の頂面
    に、平均粒径が3.0〜10.0μmの絶縁性フィラー
    を含有する熱硬化型接着剤を塗布し、60℃以下の温度
    で仮硬化させて第1の仮硬化層を形成し、さらに第1の
    仮硬化層上に熱硬化型接着剤を塗布して蓋体を載置し、
    60℃以下の温度で仮硬化させて第2の仮硬化層を形成
    し、しかる後、2層の仮硬化層を本硬化させて前記隔壁
    と蓋体とを接合することを特徴とするインクジェット記
    録ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】前記第2の仮硬化層中に、平均粒径が1.
    0μm以下のフィラーを含有していることを特徴とする
    請求項4記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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