JP2003159801A - 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置

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JP2003159801A
JP2003159801A JP2002268988A JP2002268988A JP2003159801A JP 2003159801 A JP2003159801 A JP 2003159801A JP 2002268988 A JP2002268988 A JP 2002268988A JP 2002268988 A JP2002268988 A JP 2002268988A JP 2003159801 A JP2003159801 A JP 2003159801A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異物による吐出不良を防止した液体噴射ヘッ
ド及びその製造方法並びに液体噴射装置を提供する。 【解決手段】 流路形成基板10の圧電素子300側に
接合される接合基板30を有すると共に、流路形成基板
10に設けられる貫通部13と接合基板30に設けられ
る貫通部31とが連通する連通部110を有し、且つ該
連通部110の内周縁部に対応する領域に樹脂材料から
なる被膜層121を含む積層膜120を設けて液体への
異物の混入を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被噴射液を吐出す
る液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置
に関し、特に、インク滴を吐出するノズル開口と連通す
る圧力発生室に供給されたインクを圧電素子によって加
圧することにより、ノズル開口からインク滴を吐出させ
るインクジェット式記録ヘッド及びその製造方法並びに
インクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を吐出するノズル開口と連通す
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、た
わみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの
2種類が実用化されている。
【0003】前者は圧電素子の端面を振動板に当接させ
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという工程や、切り分けられた圧電素
子を圧力発生室に位置決めして固定する作業がある。
【0004】これに対して後者は、圧電材料のグリーン
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作
り付けることができる。
【0005】このようなインクジェット式記録ヘッドで
は、一般に、各圧力発生室の共通のインク室となるリザ
ーバが形成されており、このリザーバから各圧力発生室
にインクが供給されるようになっている。そして、リザ
ーバとしては、例えば、圧力発生室が形成される流路形
成基板に設けられた連通部と、流路形成基板の圧電素子
側の面に接合されたリザーバ形成基板に設けられたリザ
ーバ部とで構成されたものがある(例えば、特許文献1
参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2000−296616号公報(第
8−13頁、第1−2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなインクジェット式記録ヘッドでは、リザーバの一部
を機械的に破断させることによって流路が形成されてい
るため、リザーバを構成する内面にクラックが生じる場
合がある。このようなリザーバにインクを充填して使用
していると、リザーバの内面のクラックが生じている部
分がはがれ、その破片がノズル開口を塞いでしまい吐出
不良が発生するという問題がある。
【0008】また、各基板等を接合する際に位置決めの
ために用いられる位置決め孔等も、リザーバと同様にそ
の一部が機械的に破断させて形成しているため、このと
き発生した破断片等の異物によって吐出不良等が発生す
る虞もある。
【0009】なお、このような問題は、インクを吐出す
るインクジェット式記録ヘッドだけでなく、勿論、イン
ク以外の液体を噴射する他の液体噴射ヘッドにおいて
も、同様に存在する。
【0010】本発明はこのような事情に鑑み、異物によ
る吐出不良を防止した液体噴射ヘッド及びその製造方法
並びに液体噴射装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、複数のノズル開口が穿設されたノズ
ルプレートと、前記ノズル開口に連通する圧力発生室が
画成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側
に振動板を介して設けられた下電極、圧電体層及び上電
極からなる圧電素子とを具備する液体噴射ヘッドにおい
て、前記流路形成基板の前記圧電素子側に接合される接
合基板を有すると共に、前記流路形成基板に設けられる
貫通部と前記接合基板に設けられる貫通部とが連通する
連通部を有し、且つ該連通部の内周縁部に対応する領域
に樹脂材料からなる被膜層を含む積層膜を有することを
特徴とする液体噴射ヘッドにある。
【0012】かかる第1の態様では、被膜層によって積
層膜の他の層が固定されるため、積層膜にクラックが生
じたり、破断して破断片を生じたりすることがない。
【0013】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記連通部が、各圧力発生室に共通する液室である
リザーバを介して前記圧力発生室に液体を供給するため
の液体供給部を含むことを特徴とする液体噴射ヘッドに
ある。
【0014】かかる第2の態様では、液体に積層膜の破
断片が混入することによるノズル詰まり等の吐出不良が
発生するのを防止できる。
【0015】本発明の第3の態様は、第2の態様におい
て、前記連通部の内周縁部に設けられた積層膜が樹脂材
料からなる保護膜によって覆われていることを特徴とす
る液体噴射ヘッドにある。
【0016】かかる第3の態様では、積層膜が保護膜に
よって固定されるため、破断片の発生を確実に防止でき
る。さらに、液体の流れがスムーズになるため、液体の
吐出特性が向上する。
【0017】本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか
の態様において、前記連通部が、前記流路形成基板に設
けられた位置決め孔と前記接合基板に設けられた位置決
め孔とを連通する位置決め連通部を含むことを特徴とす
る液体噴射ヘッドにある。
【0018】かかる第4の態様では、位置決め孔を連通
する位置決め連通部の積層膜から破断片が生じることが
ない。
【0019】本発明の第5の態様は、第1〜4の何れか
の態様において、前記積層膜が、前記流路形成基板と前
記接合基板との接合面の当該接合基板の外周縁部に亘っ
てさらに設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッ
ドにある。
【0020】かかる第5の態様では、接合基板の外周縁
部での破断片等の異物の発生を防止することができる。
【0021】本発明の第6の態様は、第1〜5の何れか
の態様において、前記被膜層が、前記流路形成基板と前
記接合基板とを接合する接着剤からなることを特徴とす
る液体噴射ヘッドにある。
【0022】かかる第6の態様では、被膜層を比較的容
易に形成することができると共に、積層膜の他の層が確
実に固定される。
【0023】本発明の第7の態様は、第1〜6の何れか
の態様において、前記被膜層が、エポキシ系、アクリル
系、ウレタン系又はシリコン系の樹脂材料からなること
を特徴とする液体噴射ヘッドにある。
【0024】かかる第7の態様では、被膜層を所定材料
で形成することにより、被膜層によって積層膜の他の層
を確実に固定できる。
【0025】本発明の第8の態様は、第1〜7の何れか
の態様において、前記積層膜が、前記振動板及び前記圧
電素子を構成する層の一部を含むことを特徴とする液体
噴射ヘッドにある。
【0026】かかる第8の態様では、積層膜を比較的容
易に形成でき、且つ複数層で構成することにより積層膜
の剛性が向上する。
【0027】本発明の第9の態様は、第1〜8の何れか
の態様において、前記圧力発生室及び前記貫通部がシリ
コン単結晶基板にエッチングにより形成され、前記圧電
素子の各層が成膜及びリソグラフィ法により形成された
ものであることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
【0028】かかる第9の態様では、高密度のノズル開
口を有する液体噴射ヘッドを大量に且つ比較的容易に製
造することができる。
【0029】本発明の第10の態様は、第9の態様にお
いて、前記積層膜の最下層が、耐エッチング性を有する
材料からなることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
【0030】かかる第10の態様では、貫通部をエッチ
ングによって比較的容易に形成することができる。
【0031】本発明の第11の態様は、第1〜10の何
れかの態様の液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置に
ある。
【0032】かかる第11の態様では、ヘッドの液体吐
出特性が安定し、信頼性を向上した液体噴射装置を実現
することができる。
【0033】本発明の第12の態様は、複数のノズル開
口が穿設されたノズルプレートと、前記ノズル開口に連
通する圧力発生室が画成される流路形成基板と、該流路
形成基板の一方面側に振動板を介して設けられた下電
極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子と、前記流路
形成基板の前記圧電素子側に接合される接合基板とを具
備し、且つ前記流路形成基板に設けられる貫通部と前記
接合基板に設けられる貫通部とが連通する連通部を有す
る液体噴射ヘッドの製造方法において、前記流路形成基
板の前記圧電素子側の面に前記接合基板を接着剤によっ
て接着すると共に前記連通部の内周縁部に対応する領域
に樹脂材料からなる被膜層を形成する工程と、前記流路
形成基板に設けられる貫通部と前記接合基板に設けられ
る貫通部とを連通させて前記連通部を形成する工程とを
有することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にあ
る。
【0034】かかる第12の態様では、被膜層を形成後
に連通部を形成することにより、連通部の内周縁部が被
膜層によって固定され、破断片等の異物の発生を防止で
きる。
【0035】本発明の第13の態様は、第12の態様に
おいて、前記流路形成基板に前記接合基板を前記接着剤
によって接着する際に、この接着剤を前記連通部に対向
する領域まではみ出させることによって前記連通部の内
周縁部に対応する領域に前記被膜層を形成することを特
徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
【0036】かかる第13の態様では、被膜層を比較的
容易に形成することができ、製造工程を簡略化できる。
【0037】本発明の第14の態様は、第12又は13
の態様において、機械的又はレーザ加工によって前記連
通部を形成することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造
方法にある。
【0038】かかる第14の態様では、連通部を比較的
容易に形成することができる。
【0039】本発明の第15の態様は、第12〜14の
何れかの態様において、前記流路形成基板の前記圧電素
子とは反対側の面に前記ノズルプレートを接着した後
に、前記連通部を形成することを特徴とする液体噴射ヘ
ッドの製造方法にある。
【0040】かかる第15の態様では、ノズルプレート
によって流路形成基板の剛性が向上するため、連通部を
形成する際に流路形成基板に割れが発生するのを防止す
ることができる。
【0041】本発明の第16の態様は、第12〜15の
何れかの態様において、前記連通部を形成するまでの一
連の工程を、複数の流路形成基板が一体的に形成された
ウェハの状態で行うと共に、前記連通部を形成後に前記
ウェハを各流路形成基板に分割する工程を有し、且つ前
記被膜層を形成する工程では、前記連通部の内周縁部に
対応する領域と共に前記流路形成基板と前記接合基板と
の接合面の当該接合基板の外周縁部に亘って前記被膜層
をさらに設けることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造
方法にある。
【0042】かかる第16の態様では、ウェハが被膜層
に沿って分割されて分割面が比較的平坦となるため、破
断片等の異物の発生が抑えられる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態に基づい
て詳細に説明する。
【0044】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
1に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であ
り、図2は、その平面図及び断面図である。
【0045】図示するように、流路形成基板10は、本
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなる。流路形成基板10としては、通常、150〜3
00μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは18
0〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の
厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室
間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるから
である。
【0046】流路形成基板10の一方の面は開口面とな
り、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリ
コンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成され
ている。
【0047】一方、流路形成基板10の開口面には、シ
リコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、
複数の隔壁により区画された圧力発生室12が幅方向に
並設され、その長手方向外側には、後述するリザーバ形
成基板30のリザーバ部31に連通して各圧力発生室1
2の共通のインク室となるリザーバ100の一部を構成
するインク連通孔13が流路形成基板10を貫通して設
けられ、各圧力発生室12の長手方向一端部とそれぞれ
インク供給路14を介して連通されている。
【0048】また、流路形成基板10のインク連通孔1
3とは反対側の端部近傍には、後述するリザーバ形成基
板30等との組立時に、位置決めをするための位置決め
孔15が形成されている。
【0049】ここで、異方性エッチングは、シリコン単
結晶基板のエッチングレートの違いを利用して行われ
る。例えば、本実施形態では、シリコン単結晶基板をK
OH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々に侵食されて
(110)面に垂直な第1の(111)面と、この第1
の(111)面と約70度の角度をなし且つ上記(11
0)面と約35度の角度をなす第2の(111)面とが
出現し、(110)面のエッチングレートと比較して
(111)面のエッチングレートが約1/180である
という性質を利用して行われる。かかる異方性エッチン
グにより、二つの第1の(111)面と斜めの二つの第
2の(111)面とで形成される平行四辺形状の深さ加
工を基本として精密加工を行うことができ、圧力発生室
12を高密度に配列することができる。
【0050】本実施形態では、各圧力発生室12の長辺
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングす
ることにより形成されている。ここで、弾性膜50は、
シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵
される量がきわめて小さい。また各圧力発生室12の一
端に連通する各インク供給路14は、圧力発生室12よ
り浅く形成されており、圧力発生室12に流入するイン
クの流路抵抗を一定に保持している。すなわち、インク
供給路14は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中ま
でエッチング(ハーフエッチング)することにより形成
されている。なお、ハーフエッチングは、エッチング時
間の調整により行われる。
【0051】また、流路形成基板10の開口面側には、
各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通
するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が
接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。な
お、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.1〜1
mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜
4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、又
は不錆鋼などからなる。ノズルプレート20は、一方の
面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン
単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果
たす。
【0052】一方、流路形成基板10の開口面とは反対
側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.2μm
の下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体膜
70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80と
が、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子30
0を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極
膜60、圧電体膜70及び上電極膜80を含む部分をい
う。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を
共通電極とし、他方の電極及び圧電体膜70を各圧力発
生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここ
ではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体膜
から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが
生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下
電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜
80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回
路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの
場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成
されていることになる。
【0053】また、圧電素子300の上電極膜80の長
手方向一端部近傍から流路形成基板10の端部近傍ま
で、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が延
設されている。そして、このリード電極90の端部近傍
には圧電素子300を駆動するための外部配線(図示な
し)が電気的に接続されている。
【0054】また、流路形成基板10の圧電素子300
側には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリ
ザーバ部31を有するリザーバ形成基板30が、接着剤
25によって接着されている。
【0055】リザーバ部31は、リザーバ形成基板30
を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って
形成されており、上述のように流路形成基板10のイン
ク連通孔13と連通されて各圧力発生室10の共通のイ
ンク室となるリザーバ100を構成している。
【0056】図3は、リザーバ100付近の一部拡大断
面図であり、図3に示すように、リザーバ形成基板30
のリザーバ部31と流路形成基板10のインク連通孔1
3とは、圧力発生室12に液体を供給するための液体供
給部であるリザーバ連通部110を介して連通されてい
る。そして、このリザーバ連通部110の内周縁部に
は、樹脂材料からなる被膜層121を含む積層膜120
が設けられている。この積層膜120は、本実施形態で
は、被膜層121と、弾性膜50と、圧電素子300を
構成する下電極膜60、圧電体膜70及び上電極膜80
とで構成されている。
【0057】この積層膜120を構成する被膜層121
は、例えば、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系又は
シリコン系等の樹脂材料からなり、厚さ1〜10μm、
幅10〜100μm程度で形成することが好ましい。
【0058】また、この被膜層121は、本実施形態で
は、流路形成基板10とリザーバ形成基板30とを接合
するための接着剤25で形成されている。すなわち、流
路形成基板10とリザーバ形成基板30とを接着する際
に、リザーバ部31の内側に接着剤25をはみ出させる
ことによって形成されている。
【0059】このように、リザーバ連通部110の内周
縁部に設けられる積層膜120が被膜層121を含んで
いるため、印刷実行時にインク中に積層膜120が剥が
れて破断片が混入することがないため、ノズル詰まりに
よるインク滴の吐出不良を防止することができる。
【0060】なお、本実施形態では、積層膜120が被
膜層121、弾性膜50及び圧電素子300を構成する
各層で構成されているが、積層膜120は、少なくとも
被膜層121を有していれば、他の層は特に限定されな
い。例えば、積層膜は、被膜層と弾性膜とで構成されて
いてもよいし、被膜層と圧電素子を構成する層の少なく
とも一層とで構成されていてもよい。また、勿論、被膜
層は圧電素子とは別途設けた層で構成されていてもよ
い。
【0061】一方、リザーバ形成基板30の圧電素子3
00に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害
しない程度の空間を確保した状態で、その空間を密封可
能な圧電素子保持部32が設けられ、圧電素子300
は、この圧電素子保持部32内に密封されている。
【0062】また、リザーバ形成基板30には、流路形
成基板10との組立時に、位置決めをするための位置決
め孔33が設けられており、流路形成基板10に設けら
れている位置決め孔15と位置決め連通部130を介し
て連通している。
【0063】そして、この位置決め連通部130の内周
縁部に対応する領域にも、リザーバ連通部110と同様
に、樹脂材料からなる被膜層121を含む積層膜120
が設けられている。本実施形態では、この位置決め連通
部130の積層膜120は、被膜層121と弾性膜50
とで構成され、弾性膜50が被膜層121によって固定
されるため、弾性膜50が剥がれ落ちて異物が発生する
ことがない。
【0064】なお、このリザーバ形成基板30には、封
止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基
板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性
が低く可撓性を有する材料、例えば、厚さが6μmのポ
リフェニレンスルフィド(PPS)フィルムからなり、
この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が封止
されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材
料、例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)
等で形成される。この固定板42のリザーバ100に対
向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口となっ
ているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する
封止膜41のみで封止され、内部圧力の変化によって変
形可能な可撓部34となっている。
【0065】このような本実施形態のインクジェット式
記録ヘッドは、図示しない外部インク供給手段からイン
クを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至
るまで内部をインクで満たした後、図示しない外部の駆
動回路からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応す
るそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧
を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体膜70
をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の
圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
【0066】次に、このような本実施形態のインクジェ
ット式記録ヘッドの製造工程について、図4〜図7を参
照して説明する。
【0067】まず、図4(a)に示すように、流路形成
基板10の一方面に弾性膜50を形成する。具体的に
は、例えば、厚さが220[μm]の流路形成基板10
となるシリコン単結晶基板を約1100[℃]の拡散炉
で熱酸化することにより、流路形成基板10の一方面に
酸化シリコンからなる弾性膜50を形成する。
【0068】次に、図4(b)に示すように、スパッタ
リングで下電極膜60を弾性膜50の全面に形成後、下
電極膜60をパターニングして全体パターンを形成す
る。この下電極膜60の材料としては、白金(Pt)等
が好適である。これは、スパッタリング法やゾル−ゲル
法で成膜する後述の圧電体膜70は、成膜後に大気雰囲
気下又は酸素雰囲気下で600〜1000[℃]程度の
温度で焼成して結晶化させる必要があるからである。す
なわち、下電極膜60の材料は、このような高温、酸化
雰囲気下で導電性を保持できなければならず、殊に、圧
電体膜70としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用
いた場合には、酸化鉛の拡散による導電性の変化が少な
いことが望ましく、これらの理由から白金が好適であ
る。
【0069】次に、図4(c)に示すように、圧電体膜
70を成膜する。この圧電体膜70は、結晶が配向して
いることが好ましい。例えば、本実施形態では、金属有
機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥し
てゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物か
らなる圧電体膜70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用
いて形成することにより、結晶が配向している圧電体膜
70とした。圧電体膜70の材料としては、チタン酸ジ
ルコン酸鉛系の材料がインクジェット式記録ヘッドに使
用する場合には好適である。なお、この圧電体膜70の
成膜方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリング
法で形成してもよい。
【0070】さらに、ゾル−ゲル法又はスパッタリング
法等によりチタン酸ジルコン酸鉛の前駆体膜を形成後、
アルカリ水溶液中での高圧処理法にて低温で結晶成長さ
せる方法を用いてもよい。
【0071】何れにしても、このように成膜された圧電
体膜70は、バルクの圧電体とは異なり結晶が優先配向
しており、且つ本実施形態では、圧電体膜70は、結晶
が柱状に形成されている。なお、優先配向とは、結晶の
配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の
方向に向いている状態をいう。また、結晶が柱状の薄膜
とは、略円柱体の結晶が中心軸を厚さ方向に略一致させ
た状態で面方向に亘って集合して薄膜を形成している状
態をいう。勿論、優先配向した粒状の結晶で形成された
薄膜であってもよい。なお、このように薄膜工程で製造
された圧電体層の厚さは、一般的に0.2〜5[μm]
である。
【0072】次に、図4(d)に示すように、上電極膜
80を成膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料で
あればよく、アルミニウム、金、ニッケル、白金、イリ
ジウム等の多くの金属や、導電性酸化物等を使用でき
る。本実施形態では、イリジウムをスパッタリングによ
り成膜している。
【0073】次に、図5(a)に示すように、圧電体膜
70及び上電極膜80のみをパターニングして、各圧力
発生室12に対向する領域に圧電素子300を形成す
る。なお、本実施形態では、インク連通孔13に対応す
る領域にも圧電素子を構成する各層を残すようにした。
なお、インク連通孔13に対応する領域の各層は、圧電
素子300とは不連続となるようにパターニングする。
【0074】次に、図5(b)に示すように、リード電
極90を形成する。具体的には、例えば、金(Au)等
からなるリード電極90を流路形成基板10の全面に亘
って形成すると共に、各圧電素子300毎にパターニン
グする。
【0075】以上が膜形成プロセスである。このように
して膜形成を行った後、図5(c)に示すように、前述
したアルカリ溶液によるシリコン単結晶基板の異方性エ
ッチングを行い、圧力発生室12、インク供給路14及
びインク連通孔13を同時に形成する。
【0076】なお、本実施形態では、積層膜120の最
下層、すなわち、最も流路形成基板10側の層が弾性膜
50であり、この弾性膜50が耐エッチング性を有する
材料からなるため、流路形成基板10を弾性膜50に達
するまでエッチングすることにより流路形成基板10を
貫通するインク連通孔13を容易に形成することができ
る。
【0077】また、インク連通孔13に対応する領域に
弾性膜50及び圧電素子300を構成する各層が残され
ているため、エッチングの際に圧電素子300側にアル
カリ溶液が流れ込むことがなく、圧電素子300が破壊
されるのを防止することができる。
【0078】次に、図6(a)に示すように、流路形成
基板10とリザーバ形成基板30とを接着剤25によっ
て接着する。具体的には、流路形成基板10の位置決め
孔15を塞いでいる弾性膜50を機械的に除去して位置
決め連通部130を形成した後、流路形成基板10の位
置決め孔15とリザーバ形成基板30の位置決め孔33
とに位置決め部材140を挿入し、流路形成基板10と
リザーバ形成基板30とを所定位置に位置決めした状態
で接着する。
【0079】このとき、図6(b)に示すように、流路
形成基板10とリザーバ形成基板30とを接着するため
の接着剤25が、リザーバ形成基板30のリザーバ部3
1内まではみ出すことによって被膜層121が形成され
る。
【0080】また、リザーバ部31と同様に、位置決め
孔33内に接着剤25がはみ出すことによって被膜層1
21が形成され、位置決め連通部130の内周縁部に対
応する領域に被膜層121と弾性膜50とからなる積層
膜120が形成される。これにより、位置決め貫通部1
30の弾性膜50が被膜層121によって固定されて一
体化するため、その後の組立て工程で破断片などの異物
の発生を防止することができる。
【0081】なお、このような被膜層121は、流路形
成基板10とリザーバ形成基板30とを接着する接着剤
25で形成されたものに限定されず、勿論、この接着剤
25とは別途設けるようにしてもよい。
【0082】次に、図7(a)に示すように、ノズルプ
レート20の位置決め孔22に位置決め部材140を挿
入して所定位置に位置決めし、接着剤26によって流路
形成基板10の圧力発生室12側にノズルプレート20
を接着する。
【0083】その後、図7(b)に示すように、リザー
バ部31とインク連通孔13とが連通するリザーバ連通
部110を形成する。すなわち、弾性膜50、下電極膜
60、圧電体膜70及び上電極膜80の各層に、例え
ば、リザーバ部31側から針状の孔あけ治具150によ
って機械的に力を加えることにより、これらの各層を破
壊して除去する。このとき、被膜層121が設けられて
いる部分の各層はこの被膜層121によって固定されて
いるため、弾性膜50等の上記各層は被膜層121に沿
って除去される。そして、リザーバ連通部110の内周
縁部には、被膜層121と、弾性膜50、下電極膜6
0、圧電体膜70及び上電極膜80とからなる積層膜1
20が形成される(図3参照)。
【0084】このように、被膜層121を形成した後に
リザーバ連通部110を形成することにより、弾性膜5
0、下電極膜60、圧電体膜70及び上電極膜80は、
被膜層121に沿って除去されて破断面が比較的平坦に
なる。すなわち、リザーバ連通部110の内面が比較的
平坦となるため、リザーバ100内のインクの流れが阻
害されることがなく、安定したインク吐出特性が得られ
る。また、リザーバ連通部110の内周縁部に残った積
層膜120は、被膜層121によって固定されているた
め、印刷時等に欠けて異物が発生することがなく、ノズ
ル詰まり等による吐出不良の発生を防止することができ
る。
【0085】なお、その後は、図示しないが、リザーバ
形成基板30上にコンプライアンス基板40を接合する
ことにより、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド
となる。
【0086】また、実際には、このような一連の工程に
よって、一枚のウェハ上に多数のチップを同時に形成
し、プロセス終了後、図1に示すような一つのチップサ
イズの流路形成基板10毎に分割する。
【0087】このため、流路形成基板10とリザーバ形
成基板30とを接着剤25で接着する際に、接着剤25
をリザーバ形成基板30の外周縁部に亘ってはみ出させ
て、リザーバ形成基板30の外周縁部にも被膜層を形成
するようにしてもよい。これにより、ウェハを各流路形
成基板10毎に比較的きれいに分割することができ、そ
のときに破断片等の異物が発生するのを防止することが
できる。そして、この場合、各流路形成基板10毎に分
割した後には、リザーバ形成基板30の外周縁部にも被
膜層を有する積層膜が残ることになる。
【0088】(実施形態2)図8は、実施形態2に係る
インクジェット式記録ヘッドの拡大断面図である。
【0089】本実施形態は、積層膜120の欠け等によ
る異物の発生をより確実に防止した例であり、図8に示
すように、リザーバ連通部110の積層膜120を樹脂
材料からなる保護膜160で覆うようにした以外は、実
施形態1と同様である。
【0090】これにより、積層膜120からの異物がイ
ンクに混入して、ノズル詰まりを発生させることがな
い。また、この保護膜160によってリザーバ100内
のインクの流れがよりスムーズになるため、インク吐出
特性を向上することができる。
【0091】(他の実施形態)以上、本発明の各実施形
態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的
構成は上述したものに限定されるものではない。
【0092】例えば、上述した各実施形態は、成膜及び
リソグラフィプロセスを応用することにより製造できる
薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿
論これに限定されるものではなく、例えば、基板を積層
して圧力発生室を形成するもの、あるいはグリーンシー
トを貼付もしくはスクリーン印刷等により圧電体層を形
成するもの、又は水熱法等の結晶成長により圧電体層を
形成するもの等、各種の構造のインクジェット式記録ヘ
ッドに本発明を採用することができる。
【0093】このように、本発明は、その趣旨に反しな
い限り、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドに応
用することができる。
【0094】また、これら各実施形態のインクジェット
式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するイン
ク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成し
て、インクジェット式記録装置に搭載される。図9は、
そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図であ
る。
【0095】図9に示すように、インクジェット式記録
ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、イ
ンク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着
脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1
Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けら
れたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
【0096】そして、駆動モータ6の駆動力が図示しな
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ3に沿
ってプラテン8が設けられている。このプラテン8は図
示しない紙送りモータの駆動力により回転できるように
なっており、給紙ローラなどにより給紙された紙等の記
録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送される
ようになっている。
【0097】なお、液体噴射ヘッドとしてインクを吐出
するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式
記録装置を一例として説明したが、本発明は、広く液体
噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものであ
る。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画
像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー
等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッ
ド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレ
ー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バ
イオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等
を挙げることができる。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、流路形
成基板の貫通部と接合基板に設けられる貫通部とが連通
する連通部の内周縁部に対応する領域に樹脂材料からな
る被膜層を含む積層膜を設けるようにしたので、被膜層
によって積層膜の他の層が固定されるため、積層膜に欠
けが生じて異物が発生するのを防止することができる。
【0099】したがって、液体中に異物が入り込むこと
がなく、ノズル詰まり等の吐出不良を防止でき、常に良
好な液体吐出特性を確保することができるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの平面図及び断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの要部を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態2に係るインクジェット式記
録ヘッドの要部を示す拡大断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るインクジェット式記
録装置の概略図である。
【符号の説明】 10 流路形成基板 12 圧力発生室 13 インク連通孔 15,22,33 位置決め孔 20 ノズルプレート 21 ノズル開口 30 リザーバ形成基板 31 リザーバ部 50 弾性膜 60 下電極膜 70 圧電体膜 80 上電極膜 90 リード電極 100 リザーバ 110 リザーバ連通部 120 積層膜 121 被膜層 130 位置決め連通部 160 保護膜 300 圧電素子
フロントページの続き Fターム(参考) 2C057 AF72 AF93 AG12 AG29 AG44 AG55 AN01 AP02 AP13 AP14 AP22 AP23 AP25 AP34 AP52 AQ02 AQ06 BA03 BA14

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズル開口が穿設されたノズルプ
    レートと、前記ノズル開口に連通する圧力発生室が画成
    される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振
    動板を介して設けられた下電極、圧電体層及び上電極か
    らなる圧電素子とを具備する液体噴射ヘッドにおいて、 前記流路形成基板の前記圧電素子側に接合される接合基
    板を有すると共に、前記流路形成基板に設けられる貫通
    部と前記接合基板に設けられる貫通部とが連通する連通
    部を有し、且つ該連通部の内周縁部に対応する領域に樹
    脂材料からなる被膜層を含む積層膜を有することを特徴
    とする液体噴射ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記連通部が、各圧
    力発生室に共通する液室であるリザーバを介して前記圧
    力発生室に液体を供給するための液体供給部を含むこと
    を特徴とする液体噴射ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記連通部の内周縁
    部に設けられた積層膜が樹脂材料からなる保護膜によっ
    て覆われていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記連
    通部が、前記流路形成基板に設けられた位置決め孔と前
    記接合基板に設けられた位置決め孔とを連通する位置決
    め連通部を含むことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記積
    層膜が、前記流路形成基板と前記接合基板との接合面の
    当該接合基板の外周縁部に亘ってさらに設けられている
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記被
    膜層が、前記流路形成基板と前記接合基板とを接合する
    接着剤からなることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記被
    膜層が、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系又はシリ
    コン系の樹脂材料からなることを特徴とする液体噴射ヘ
    ッド。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記積
    層膜が、前記振動板及び前記圧電素子を構成する層の一
    部を含むことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかにおいて、前記圧
    力発生室及び前記貫通部がシリコン単結晶基板にエッチ
    ングにより形成され、前記圧電素子の各層が成膜及びリ
    ソグラフィ法により形成されたものであることを特徴と
    する液体噴射ヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記積層膜の最下
    層が、耐エッチング性を有する材料からなることを特徴
    とする液体噴射ヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の何れかの液体噴射ヘ
    ッドを具備する液体噴射装置。
  12. 【請求項12】 複数のノズル開口が穿設されたノズル
    プレートと、前記ノズル開口に連通する圧力発生室が画
    成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に
    振動板を介して設けられた下電極、圧電体層及び上電極
    からなる圧電素子と、前記流路形成基板の前記圧電素子
    側に接合される接合基板とを具備し、且つ前記流路形成
    基板に設けられる貫通部と前記接合基板に設けられる貫
    通部とが連通する連通部を有する液体噴射ヘッドの製造
    方法において、 前記流路形成基板の前記圧電素子側の面に前記接合基板
    を接着剤によって接着すると共に前記連通部の内周縁部
    に対応する領域に樹脂材料からなる被膜層を形成する工
    程と、前記流路形成基板に設けられる貫通部と前記接合
    基板に設けられる貫通部とを連通させて前記連通部を形
    成する工程とを有することを特徴とする液体噴射ヘッド
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12において、前記流路形成基
    板に前記接合基板を前記接着剤によって接着する際に、
    この接着剤を前記連通部に対向する領域まではみ出させ
    ることによって前記連通部の内周縁部に対応する領域に
    前記被膜層を形成することを特徴とする液体噴射ヘッド
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項12又は13において、機械的
    又はレーザ加工によって前記連通部を形成することを特
    徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項12〜14の何れかにおいて、
    前記流路形成基板の前記圧電素子とは反対側の面に前記
    ノズルプレートを接着した後に、前記連通部を形成する
    ことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項12〜15の何れかにおいて、
    前記連通部を形成するまでの一連の工程を、複数の流路
    形成基板が一体的に形成されたウェハの状態で行うと共
    に、前記連通部を形成後に前記ウェハを各流路形成基板
    に分割する工程を有し、且つ前記被膜層を形成する工程
    では、前記連通部の内周縁部に対応する領域と共に前記
    流路形成基板と前記接合基板との接合面の当該接合基板
    の外周縁部に亘って前記被膜層をさらに設けることを特
    徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
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