JP2003341056A - 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置 - Google Patents
液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置Info
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Abstract
外部環境に起因する破壊を容易に且つ確実に防止し、製
造工程を簡略化すると共に圧電素子の耐電圧を向上する
ことができる液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液
体噴射装置を提供する。 【解決手段】 ノズル開口21に連通する圧力発生室1
2が画成される流路形成基板10と、該流路形成基板1
0に振動板50、60を介して設けられる下電極60、
圧電体層70及び上電極80からなる圧電素子300と
を具備する液体噴射ヘッドにおいて、前記圧電素子30
0が前記振動板50、60上に接着剤を介さずに成膜及
びリソグラフィ法により直接形成された薄膜で構成され
ると共に、前記流路形成基板10の前記圧電素子300
側の当該圧電素子300から引き出された引き出し配線
90上に接合基板30を絶縁性の接着剤122を介して
接合すると共に前記圧電素子300の側面のみを少なく
とも前記圧電体層80が露出しないように前記接合基板
30を接合する接着剤122からなる接着層121で覆
うことで圧電素子300を封止する。
Description
る液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置
に関し、特に、インク滴を吐出するノズル開口と連通す
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を介
して圧電素子を設けて圧電素子の変位によりインク滴を
吐出させるインクジェット式記録ヘッド及びその製造方
法並びにインクジェット式記録装置に関する。
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、た
わみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの
2種類が実用化されている。
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必
要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
録ヘッドとして、圧電素子を振動板上に接着剤を介して
接着したインクジェット式記録ヘッドが提案されている
(例えば、特許文献1〜3参照)。
と振動板とを接着剤を介して接着すると、圧電素子と接
着剤との界面結合が不十分であるため、圧電素子の繰り
返し変形によって圧電素子が振動板から剥離し易いとい
う問題を解決するため、圧電素子が振動板から剥離し難
くするために、圧電素子と振動板との接着に用いる接着
剤の量を増やすと共に、接着剤を圧電素子の側面に大き
くせり上げるようにした構成が開示されている。
せり上げるという従来の構成では、絶縁性接着剤を用い
ると導電性が悪くなり圧電素子に対する印加電圧を高め
る必要が生じて圧電素子の耐久性を阻害し、また、導電
性の接着剤を用いると、導電性の接着剤は接着強度が弱
く圧電素子の接着には不適当であるという問題があり、
特許文献1では、この問題を解決するために振動板上に
カップリング剤の薄膜を形成し、このカップリング剤と
圧電素子との隙間ないしは周囲に絶縁性接着剤を注入し
て接着するようにしている。
された流路形成基板に高剛性の金属板からなる補強板が
接合又は接着され、この補強板上に圧電素子の一方の電
極(下電極)が補強板に電気的に導通するように接着剤
を介して接着する構成が開示されている。そして、開示
された発明は、圧電素子の一方の電極が補強板に直接接
触するように接合するために、圧電素子の側面と補強板
との境界で画成された角部に接着剤を設けて両者を接着
するものである。
に振動板がエポキシ系接着剤を介して接合され、この振
動板上に圧電素子がエポキシ系接着剤を介して接合さ
れ、圧電素子上にFPCが導電性接着剤で接合されてい
る構成が開示されている。この圧電素子とFPCとを接
合する際に用いた導電性接着剤が圧電素子の側面にはみ
出して圧電素子の両電極が短絡しない様に、圧電素子及
び振動板の側面を、流路形成基板と振動板との接着及
び、振動板と圧電素子との接着に用いられたエポキシ系
接着剤をはみ出させて、その表面張力により覆うもので
ある。
生室の形状に合わせて貼付し、これを焼成するという比
較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作り付ける方法も
あるが、圧電素子を振動板上に接着するという構成で
は、たわみ振動を利用する関係上、ある程度の面積が必
要となり、高密度配列が困難であるという問題がある。
べく、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な
圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法
により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発
生室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案
されている(例えば、特許文献4参照)。
作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、か
つ簡便な手法で圧電素子を高密度に作り付けることがで
きるばかりでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆
動が可能になるという利点がある。
流路形成基板の圧電素子側の面には、この圧電素子を封
止する圧電素子保持部を有する封止基板が接合されてお
り、この圧電素子保持部を不活性ガス等で密封すること
によって圧電素子の外部環境に起因する破壊が防止され
ている。
頁、第2図)
4頁、第1及び第8図)
3頁、第3及び第5図)
[0013]、第3図)
及び高密度化したインクジェット式記録ヘッドではヘッ
ド面積を広く確保できないため、封止基板に設けられた
圧電素子保持部と外部とを連通して圧電素子保持部内に
不活性ガス等を充填及び密封するための封止孔が微少と
なってしまい、完全に密封するのがとても困難であると
いう問題がある。
ヘッドでは、圧電素子の厚みを薄くするために上電極と
下電極との間隔が狭くなり、圧電素子端面の電極露出部
分の沿面放電が発生し、圧電素子の耐電圧が低下すると
いう問題もある。
開口の高密度化を図るため、振動板を流路形成基板上に
接着剤を用いずに、成膜により形成して薄膜とする構成
もあるが、圧電素子の側面と振動板との境界で画成され
た角部において、振動板にクラックが発生し易く、圧力
発生室内のインクが圧電素子側にクラックを介して流出
し、圧電素子が破壊されてしまうという問題がある。
るインクジェット式記録ヘッドだけではなく、勿論、イ
ンク以外を吐出する他の液体噴射ヘッドにおいても、同
様に存在する。
の破壊を防止すると共に、圧電素子の外部環境に起因す
る破壊を容易に且つ確実に防止し、製造工程を簡略化す
ると共に圧電素子の耐電圧を向上することができる液体
噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置を提供
することを課題とする。
明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室が
画成される流路形成基板と、該流路形成基板に振動板を
介して設けられる下電極、圧電体層及び上電極からなる
圧電素子とを具備する液体噴射ヘッドにおいて、前記圧
電素子が前記振動板上に接着剤を介さずに成膜及びリソ
グラフィ法により直接形成された薄膜で構成されると共
に、前記流路形成基板の前記圧電素子側には、当該圧電
素子から引き出された引き出し配線上に接合基板が絶縁
性の接着剤を介して接合されており、前記圧電素子の側
面のみが、少なくとも前記圧電体層が露出しないように
前記接合基板を接合する接着剤からなる接着層で覆われ
ていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
層を露出しないように接着層で覆うことによって圧電素
子の外部環境に起因する破壊を容易に且つ確実に防止す
ることができると共に圧電素子の耐電圧を向上すること
ができる。また、圧電素子を覆う接着層に流路形成基板
と接合基板とを接合する際に用いた接着剤を使用するこ
とによって製造工程を簡略化することができる。さら
に、圧電素子の側面と振動板との境界により画成された
角部に対応する振動板にクラックが生じるのを防止する
と共に、クラックが生じても接着層によりクラックを封
止するため、圧力発生室からの液体により圧電素子が破
壊されるのを確実に防止できる。
て、前記接着層が前記圧電素子の側面と前記振動板との
境界で画成された角部に表面張力により形成されている
ことを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
により角部に亘って接着層を形成することによって容易
に且つ確実に圧電体層の側面を覆うことができる。
において、前記接着層が前記上電極の側面にも設けられ
ていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
側面も覆うことで圧電素子の沿面放電及び圧電素子の外
部環境に起因する破壊を確実に防止することができる。
の態様において、前記接着剤のガス透過率が、1×10
−3Pa・m3/sec以下であることを特徴とする液
体噴射ヘッドにある。
の接着剤を用いた接着層を形成することで確実に外部環
境に起因する破壊を防止することができる。
の態様において、前記接着剤が熱硬化性の接着剤である
ことを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
を用いることにより圧電素子の側面が容易且つ確実に覆
われる。
の態様において、前記引き出し配線が、前記圧電素子の
一部で構成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド
にある。
基板と接合基板との間に狭持された圧電素子の側面に伝
わらせることができる。
の態様において、前記引き出し配線が、前記上電極上か
ら前記流路形成基板上まで延設されたリード電極である
ことを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
基板と接合基板との間に狭持されたリード電極の側面に
伝わらせることができる。
の態様において、前記振動板が前記流路形成基板上に接
着剤を介さずに直接形成されていることを特徴とする液
体噴射ヘッドにある。
基板上に直接形成することで、振動板を流路形成基板に
接合する際の振動板の破壊や、製造工程の煩雑化を防止
できる。
の態様において、前記振動板が前記下電極を含むことを
特徴とする液体噴射ヘッドにある。
より圧力発生室の容積を確実に変化させることができる
と共に、振動板を下電極で補強することができ、圧電素
子の変形による振動板の破壊を防止できる。
かの態様において、前記圧力発生室がシリコン単結晶基
板に異方性エッチングにより形成されていることを特徴
とする液体噴射ヘッドにある。
開口を有する液体噴射ヘッドを大量に且つ比較的容易に
製造することができる。
れかの態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とす
る液体噴射装置にある。
防止して耐久性及び信頼性を向上した液体噴射装置を実
現することができる。
ノズル開口に連通する圧力発生室が画成される流路形成
基板と、該流路形成基板の一方面側に設けられた振動板
上に接着剤を介さずに成膜及びリソグラフィ法により形
成された薄膜である下電極、圧電体層及び上電極からな
る圧電素子と、前記流路形成基板の前記圧電素子側の面
に接合された接合基板とを具備する液体噴射ヘッドの製
造方法において、前記流路形成基板上及び前記圧電素子
から引き出された引き出し配線上に接着剤を介して前記
接合基板を当接し、当該接着剤をその表面張力によって
前記引き出し配線の側面に伝わらせて前記圧電素子の側
面の少なくとも前記圧電体層が露出しないように当該接
着剤で覆うと共に前記流路形成基板と前記接合基板とを
接合することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法に
ある。
に用いられた接着剤によって圧電体層の側面を露出しな
いように覆うことにより、製造工程を簡略化すると共に
確実に圧電素子を覆って圧電素子の沿面放電及び外部環
境に起因する破壊を防止することができる。また、圧電
素子の側面と振動板との境界により画成された角部に対
応する振動板にクラックが生じるのを防止すると共に、
クラックが生じても接着層によりクラックを封止するた
め、圧力発生室からの液体により圧電素子が破壊される
のを確実に防止できる。
おいて、前記接着剤が熱硬化性の接着剤であることを特
徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
剤で覆うことによって、圧電体層の側面を容易に且つ確
実に覆った接着層を形成することができる。
において、前記接着剤を加熱して硬化させることによ
り、当該接着剤を前記引き出し配線の側面に伝わらせて
前記圧電体層を覆うことを特徴とする液体噴射ヘッドの
製造方法にある。
ることで、接着剤の粘度を一時的に低下させて圧電体層
の側面に容易に伝わらせて確実に覆うことができる。
何れかの態様において、前記接着剤のガス透過率が、1
×10−3Pa・m3/sec以下であることを特徴と
する液体噴射ヘッドの製造方法にある。
率の接着剤を用いた接着層を形成することで確実に外部
環境に起因する破壊を防止することができる。
ずに、成膜及びリソグラフィ法により設けられた圧電素
子を有し、且つその側面を絶縁性接着剤からなる接着層
で覆うことにより、圧電素子の外部環境に起因する破壊
を容易に且つ確実に防止することができると共に、圧電
素子の耐電圧を向上することができる。また、圧電素子
の側面を覆う接着層として、流路形成基板と接合基板と
を接合する際に用いた接着剤を使用することで製造工程
を簡略化することができる。さらに、薄膜の振動板及び
薄膜の圧電素子を用いて圧電素子を高密度に配設して
も、接着層によって振動板にクラック等の破壊が発生す
るのを防止すると共に、クラックが発生しても接着層に
よって圧力発生室内の液体が圧電素子側に流れ出るのを
確実に防止して、圧電素子の液体に起因する破壊を防止
することができるという特有の効果を有するものであ
る。
強板上)に圧電素子を接着剤を介して接着し、この接着
剤を圧電素子の側面に設ける構成が開示されているが、
これらの圧電素子の側面に設けられた接着剤は、圧電素
子を振動板上又は補強板上に接合する際に用いた接着剤
が側面まではみ出したものであり、また、圧電素子と振
動板との接合強度の向上、圧電素子の電極を直接補強板
に接触させるため、又はFPCと圧電素子とを確実に絶
縁するために設けるものであり、本発明の接着剤とは目
的が相違し、構成上において明らかに相違する。また、
これらの先行技術からは、圧電素子の外部環境に起因す
る破壊を防止するために圧電素子を封止するため、又は
圧電素子の沿面放電を防止するために接着剤を圧電素子
の側面に設けるという構成は示唆されない。
を介さずに形成して高密度配設した構造は開示されず、
また、振動板上に成膜及びリソグラフィ法により形成し
た圧電素子の側面を接着剤で覆う構成も開示されていな
い。このような構成及び効果は、上述した従来技術の構
成を組み合わせても容易に発明することができるもので
はない。
て詳細に説明する。 (実施形態1)図1は、本発明の実施形態1に係るイン
クジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であり、図2
(a)はインクジェット式記録ヘッドの上面図、図2
(b)は流路形成基板の上面図であり、図3(a)はイ
ンクジェット式記録ヘッドの圧電素子の長手方向の断面
図、図3(b)は図3(a)のA−A′断面図である。
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなり、その一方面には予め熱酸化により形成した二酸
化シリコンからなる、厚さ1〜2μmの薄膜からなる弾
性膜50が形成されている。この流路形成基板10に
は、その他方面側から異方性エッチングすることによ
り、複数の隔壁によって区画された圧力発生室12が形
成されている。また、各列の圧力発生室12の長手方向
外側には、後述する接合基板であるリザーバ形成基板3
0に設けられるリザーバ部31と連通孔51を介して連
通し、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザー
バ100を構成する連通部13が形成されている。ま
た、この連通部13は、インク供給路14を介して各圧
力発生室12の長手方向一端部とそれぞれ連通されてい
る。
結晶基板のエッチングレートの違いを利用して行われ
る。例えば、本実施形態では、シリコン単結晶基板をK
OH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々に侵食されて
(110)面に垂直な第1の(111)面と、この第1
の(111)面と約70度の角度をなし且つ上記(11
0)面と約35度の角度をなす第2の(111)面とが
出現し、(110)面のエッチングレートと比較して
(111)面のエッチングレートが約1/180である
という性質を利用して行われる。かかる異方性エッチン
グにより、二つの第1の(111)面と斜めの二つの第
2の(111)面とで形成される平行四辺形状の深さ加
工を基本として精密加工を行うことができ、圧力発生室
12を高密度に配列することができる。
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングす
ることにより形成されている。ここで、弾性膜50は、
シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵
される量がきわめて小さい。また各圧力発生室12の一
端に連通する各インク供給路14は、圧力発生室12よ
り浅く形成されており、圧力発生室12に流入するイン
クの流路抵抗を一定に保持している。すなわち、インク
供給路14は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中ま
でエッチング(ハーフエッチング)することにより形成
されている。なお、ハーフエッチングは、エッチング時
間の調整により行われる。
力発生室12を配列密度に合わせて最適な厚さを選択す
ればよく、圧力発生室12の配列密度が、例えば、1イ
ンチ当たり180個(180dpi)程度であれば、流
路形成基板10の厚さは、220μm程度であればよい
が、例えば、200dpi以上と比較的高密度に配列す
る場合には、流路形成基板10の厚さは100μm以下
と比較的薄くするのが好ましい。これは、隣接する圧力
発生室12間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高く
できるからである。
各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通
するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が
接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。な
お、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.05〜
1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5
〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、
又は不錆鋼などからなる。ノズルプレート20は、一方
の面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコ
ン単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も
果たす。また、ノズルプレート20は、流路形成基板1
0と熱膨張係数が略同一の材料で形成するようにしても
よい。この場合には、流路形成基板10とノズルプレー
ト20との熱による変形が略同一となるため、熱硬化性
の接着剤等を用いて容易に接合することができる。
る圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口21の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノ
ズル開口21は数十μmの直径で精度よく形成する必要
がある。
側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.2μm
の下電極膜60と、厚さが例えば、約0.5〜5μmの
圧電体層70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極
膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電
素子300を構成している。ここで、圧電素子300
は、下電極膜60、圧電体層70、及び上電極膜80を
含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか
一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層7
0を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。
そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極
及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加
により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本
実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電
極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極とし
ているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支
障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧
電体能動部が形成されていることになる。また、ここで
は、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により
変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと
称する。なお、上述した例では、圧電素子300の下電
極膜60と弾性膜50とが振動板として作用する。
圧電素子300を駆動するための外部配線110が設け
られており、この外部配線110と圧電素子300と
は、圧電素子300から外部配線110まで引き出され
た引き出し配線を介して電気的に接続されている。本実
施形態では、引き出し配線として、上電極膜80の長手
方向一端部近傍から流路形成基板10の一端部近傍まで
延設した、例えば、金(Au)等からなるリード電極9
0を設けた。
とも圧電体層70の表面が露出しないように覆う接着層
121が設けられている。本実施形態では、接着層12
1を上電極80の側面も覆うように設けた。詳しくは、
接着層121は、本実施形態では、圧電体層70及び上
電極膜80の側面と下電極膜80及び弾性膜50との境
界で画成された角部、及びリード電極90の側面と弾性
膜50の側面との境界で画成された角部に亘って設けら
れている。
路形成基板10上、すなわち、下電極膜60上、弾性膜
50上及びリード電極90上には、リザーバ100の少
なくとも一部を構成するリザーバ部31を有するリザー
バ形成基板30が接着剤によって形成された接合層12
2を介して接合されている。このリザーバ部31は、本
実施形態では、リザーバ形成基板30を厚さ方向に貫通
して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、
上述のように流路形成基板10の連通部13と連通され
て各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ1
00を構成している。
00に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害
しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けら
れている。このようなリザーバ形成基板30としては、
流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、
ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本
実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン
単結晶基板を用いて形成した。
流路形成基板10との接合に用いられる接着剤として
は、導電性の接着剤を用いると並設されたリード電極9
0同士や、リード電極90と下電極膜60とが短絡して
しまうため、リード電極90同士及びリード電極90と
下電極膜60とが電気的に絶縁されるように絶縁性の接
着剤を用いる必要がある。このような絶縁性の接着剤と
しては、例えば、エポキシ系接着剤等の熱硬化性の接着
剤を挙げることができる。
用いたリザーバ形成基板30と流路形成基板10との接
合では、流路形成基板10とリザーバ形成基板30とを
接着剤を塗布した状態で当接させて接着剤を加熱する
と、接着剤は粘度が低下し、その表面張力によって流路
形成基板10上のリード電極90の側面と弾性膜50と
の境界で画成された角部を伝って圧電素子300の側面
を覆う。このように接着剤を加熱することで、圧電素子
300の側面に接着層121を形成すると共に流路形成
基板10とリザーバ形成基板30とを接合層122を介
して接合することができる。
式記録ヘッドによれば、流路形成基板10とリザーバ形
成基板30との接合に用いられる接着剤によって形成さ
れた接着層121により、圧電素子300の側面の少な
くとも圧電体層70が露出しないように覆うことによ
り、圧電素子300の特に圧電体層70の端面の沿面放
電を防止して圧電素子300の耐電圧を向上すると共に
圧電素子300の外部環境に起因する破壊を容易且つ確
実に防止し、且つ製造工程を簡略化することができる。
高密度配設すると共に、ノズル開口21を高密度とする
ため、弾性膜50及び下電極膜60からなる振動板を薄
膜で構成すると共に、圧電素子300を接着剤を介して
の接着ではなく成膜により形成しているので、圧電素子
300の変形によって圧電素子300の側面と下電極膜
60とで画成される領域の振動板にクラックが発生し易
い。このようなクラックが発生しやすい圧電素子300
の側面に対向する振動板上に接着層121を設けること
によって振動板の剛性を向上してクラックの発生を防止
することができると共に、振動板にクラックが生じて
も、接着層121によりクラックを封止して、圧力発生
室12のインクがクラックを介して圧電素子300側に
流れ出るのを防止することができ、圧電素子300のイ
ンクによる破壊を確実に防止することができる。
は、接着層121によって圧電素子300の外部環境に
起因する破壊を確実に防止するために、ガス透過率が1
×10 −3Pa・m3/sec以下の接着剤を用いるの
が好ましい。また、接着層121は、接着剤の表面張力
によって圧電素子300の側面を覆って形成されるた
め、接着層121の表面の傾斜角度は同一となる。
ングにより形成した際に、各圧電素子300の並設方向
の側面に角度のばらつきが発生したとしても、接着層1
21によって全ての圧電素子300の外形が実質的に同
一となり、各圧力発生室12から吐出されるインクの吐
出量及び吐出速度等のインク吐出特性を安定させること
ができる。
30の圧電素子保持部32は、圧電体層80の側面を接
着層121で覆って圧電素子300の外部環境に起因す
る破壊を防止するため、圧電素子保持部32を封止して
密封する必要はないが、圧電素子保持部32を密封する
ことで圧電素子300の外部環境に起因する破壊をさら
に確実に防止することができる。
には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライ
アンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41
は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6
μmポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)
からなり、この封止膜41によってリザーバ部31の一
方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の
硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼
(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザー
バ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去され
た開口部43となっているため、リザーバ100の一方
面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
央部外側のコンプライアンス基板40上には、リザーバ
100にインクを供給するためのインク導入口44が形
成されている。さらに、リザーバ形成基板30には、イ
ンク導入口44とリザーバ100の側壁とを連通するイ
ンク導入路36が設けられている。このような本実施形
態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部
インク供給手段と接続したインク導入口44からインク
を取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至る
まで内部をインクで満たした後、駆動回路からの記録信
号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極
膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜5
0、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させる
ことにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル
開口21からインク滴が吐出する。
式記録ヘッドの製造方法は、特に限定されないが、その
一例を図4〜図6を参照して説明する。図4〜図6は、
圧力発生室12の長手方向の一部を示す断面図である。
まず、図4(a)に示すように、流路形成基板10とな
るシリコン単結晶基板のウェハを約1100℃の拡散炉
で熱酸化して二酸化シリコンからなる弾性膜50を形成
する。
リング法で下電極膜60を弾性膜50の全面に形成後、
下電極膜60をパターニングして全体パターンを形成す
る。この下電極膜60の材料としては、白金(Pt)等
が好適である。これは、スパッタリング法やゾル−ゲル
法で成膜する後述の圧電体層70は、成膜後に大気雰囲
気下又は酸素雰囲気下で600〜1000℃程度の温度
で焼成して結晶化させる必要があるからである。すなわ
ち、下電極膜60の材料は、このような高温、酸化雰囲
気下で導電性を保持できなければならず、殊に、圧電体
層70としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いた
場合には、酸化鉛の拡散による導電性の変化が少ないこ
とが望ましく、これらの理由から白金が好適である。
70を成膜する。この圧電体層70は、結晶が配向して
いることが好ましい。例えば、本実施形態では、金属有
機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥し
てゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物か
らなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用
いて形成することにより、結晶が配向している圧電体層
70とした。圧電体層70の材料としては、チタン酸ジ
ルコン酸鉛系の材料がインクジェット式記録ヘッドに使
用する場合には好適である。なお、この圧電体層70の
成膜方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリング
法で形成してもよい。さらに、ゾル−ゲル法又はスパッ
タリング法等によりチタン酸ジルコン酸鉛の前駆体膜を
形成後、アルカリ水溶液中での高圧処理法にて低温で結
晶成長させる方法を用いてもよい。
体層70は、バルクの圧電体とは異なり結晶が優先配向
しており、且つ本実施形態では、圧電体層70は、結晶
が柱状に形成されている。なお、優先配向とは、結晶の
配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の
方向に向いている状態をいう。また、結晶が柱状の薄膜
とは、略円柱体の結晶が中心軸を厚さ方向に略一致させ
た状態で面方向に亘って集合して薄膜を形成している状
態をいう。勿論、優先配向した粒状の結晶で形成された
薄膜であってもよい。なお、このように薄膜工程で製造
された圧電体層の厚さは、一般的に0.2〜5μmであ
る。次に、図4(d)に示すように、上電極膜80を成
膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料であればよ
く、アルミニウム、金、ニッケル、白金等の多くの金属
や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態では、白
金をスパッタリングにより成膜している。
70及び上電極膜80のみをエッチングして圧電素子3
00のパターニングを行う。次に、図5(b)に示すよ
うに、リード電極90を形成する。具体的には、例え
ば、金(Au)等からなるリード電極90を流路形成基
板10の全面に亘って形成すると共に、各圧電素子30
0毎にパターニングする。以上が膜形成プロセスであ
る。このようにして膜形成を行った後、前述したアルカ
リ溶液によるシリコン単結晶基板の異方性エッチングを
行い、図5(c)に示すように、圧力発生室12、連通
部13及びインク供給路14等を形成する。
板30とを接合層122によって接合すると共に、圧電
体層70及び上電極膜80の側面に接着層121を形成
する。詳しくは、まず、図6(a)に示すように、予め
圧電素子保持部32及びリザーバ部31等が形成された
リザーバ形成基板30の底面に接着剤120を塗布し
て、流路形成基板10上に接着剤120を介して当接さ
せる。
120を加熱することによって圧電素子300の側面に
接着層121を形成すると共に流路形成基板10とリザ
ーバ形成基板30とを接合層122を介して接合する。
詳しくは、接着剤120を硬化するために加熱すると、
接着剤120の硬化する温度に達する前に接着剤120
の粘度が低下し、接着剤120の表面張力によって流路
形成基板10上の弾性膜50とリード電極90とによっ
て画成された角部に接着剤120が流出し、流れ出た接
着剤120で圧電体層70及び上電極膜80の側面と下
電極膜60及び弾性膜50との境界で画成された角部が
覆われる。この後、接着剤120が硬化し、流路形成基
板10とリザーバ形成基板30とを接合する接合層12
2と、圧電素子300の外部環境に起因する破壊を防止
する接着層121とが同一の接着剤120で同時に形成
される。これにより、製造工程を簡略化すると共に製造
コストを低減することができる。
板30とを接合する接着剤120を用いて圧電素子30
0の外部環境に起因する破壊を防止すると共に圧電素子
300の耐電圧を向上させる接着層121を形成するよ
うにしたため、圧電素子保持部32を密封する密封工程
が不要となり、製造工程を簡略化することができる。な
お、その後は、図6(c)に示すように、流路形成基板
10のリザーバ形成基板30とは反対側の面にノズル開
口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共
に、リザーバ形成基板30上にコンプライアンス基板4
0を接合することにより、本実施形態のインクジェット
式記録ヘッドが形成される。
び異方性エッチングによって一枚のウェハ上に多数のチ
ップを同時に形成し、プロセス終了後、図1に示すよう
な一つのチップサイズの流路形成基板10毎に分割す
る。そして、分割した流路形成基板10に、リザーバ形
成基板30及びコンプライアンス基板40を順次接着し
て一体化し、インクジェット式記録ヘッドとする。
1を説明したが、勿論、本発明は、これらに限定される
ものではない。例えば、上述した実施形態1では、圧電
素子300と外部配線110とを電気的に接続する引き
出し配線を上電極膜80の長手方向一端部近傍から流路
形成基板10の一端部近傍まで延設したリード電極90
とし、リザーバ形成基板30を並設されたリード電極9
0上に接合するようにしたが、外部配線110と圧電素
子300とを電気的に接続する引き出し配線は特にこれ
に限定されず、例えば、圧電素子の圧電体層及び上電極
膜を流路形成基板の端部近傍まで延設して、延設した圧
電素子の一部を引き出し配線としてもよい。ここで、こ
のような例を図7に示す。なお、図7は、インクジェッ
ト式記録ヘッドの他の例を示す圧力発生室の長手方向の
断面図である。
弾性膜50上には、圧電体層70A及び上電極膜80A
が流路形成基板10の端部近傍まで延設されて圧電素子
300Aを構成している。このように延設された上電極
膜80Aには、外部配線110が直接電気的に接続され
ており、さらに、リザーバ形成基板30は、圧電素子3
00Aの圧力発生室12に相対向する領域の圧電体能動
部と外部配線110に接続された延設された端部との間
の並設された上電極膜80A上に接合されている。すな
わち、圧電素子300の流路形成基板10の端部近傍ま
で延設された圧電体層70A及び上電極膜80Aが圧電
素子300の引き出し配線となっている。
とも圧電体層70Aが露出しないように覆う接着層12
1が形成されている。この接着層121は、流路形成基
板10とリザーバ形成基板30との接合時に、接着剤が
流路形成基板10とリザーバ形成基板30との間に狭持
された、延設された圧電素子300の側面を伝わらせて
形成することができる。このような構成のインクジェッ
ト式記録ヘッドとしても、上述した実施形態1と同様の
効果を得ることができる。
成基板10上に接合される接合基板としてリザーバ形成
基板30を例示したが、流路形成基板上の圧電素子の引
き出し配線上に接着剤を介して接合される接合基板であ
れば特にこれに限定されない。また、例えば、上述の実
施形態1では、成膜及びリソグラフィプロセスを応用し
て製造される薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを例
にしたが、勿論これに限定されるものではなく、例え
ば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成され
る厚膜型のインクジェット式記録ヘッドにも本発明を採
用することができる。さらに、上述した実施形態1で
は、流路形成基板10とリザーバ形成基板30とを接合
する際に、圧電素子保持部32を同時に密封するように
したが、後から行ってもよい。このような構成にするこ
とにより、より確実な密封が可能となる。
式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するイン
ク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成し
て、インクジェット式記録装置に搭載される。図8は、
そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図であ
る。図8に示すように、インクジェット式記録ヘッドを
有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給
手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に
設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載
したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャ
リッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記
録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブ
ラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出する
ものとしている。
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に
沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ロ
ーラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シ
ートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
ッドとして、印刷媒体に所定の画像や文字を印刷するイ
ンクジェット式記録ヘッドを一例として説明したが、勿
論、本発明は、これに限定されるものではなく、例え
ば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用い
られる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED
(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極
材噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機
物噴射ヘッド等、他の液体噴射ヘッドにも適用すること
ができる。
ある。
板の上面図である。
る。
す断面図である。
す断面図である。
す断面図である。
る。
の概略斜視図である。
プレート、21 ノズル開口、30 リザーバ形成基
板、31 リザーバ部、32 圧電素子保持部、40
コンプライアンス基板、60 下電極膜、70、70A
圧電体層、80、80A 上電極膜、90 リード電
極、100 リザーバ、110 外部配線、120 接
着剤、121 接着層、122 接合層、300、30
0A 圧電素子
Claims (15)
- 【請求項1】 ノズル開口に連通する圧力発生室が画成
される流路形成基板と、該流路形成基板に振動板を介し
て設けられる下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電
素子とを具備する液体噴射ヘッドにおいて、 前記圧電素子が前記振動板上に接着剤を介さずに成膜及
びリソグラフィ法により直接形成された薄膜で構成され
ると共に、前記流路形成基板の前記圧電素子側には、当
該圧電素子から引き出された引き出し配線上に接合基板
が絶縁性の接着剤を介して接合されており、前記圧電素
子の側面のみが、少なくとも前記圧電体層が露出しない
ように前記接合基板を接合する接着剤からなる接着層で
覆われていることを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 【請求項2】 請求項1において、前記接着層が前記圧
電素子の側面と前記振動板との境界で画成された角部に
表面張力により形成されていることを特徴とする液体噴
射ヘッド。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、前記接着層が
前記上電極の側面にも設けられていることを特徴とする
液体噴射ヘッド。 - 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記接
着剤のガス透過率が、1×10−3Pa・m3/sec
以下であることを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記接
着剤が熱硬化性の接着剤であることを特徴とする液体噴
射ヘッド。 - 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記引
き出し配線が、前記圧電素子の一部で構成されているこ
とを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記引
き出し配線が、前記上電極上から前記流路形成基板上ま
で延設されたリード電極であることを特徴とする液体噴
射ヘッド。 - 【請求項8】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記振
動板が前記流路形成基板上に接着剤を介さずに直接形成
されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 【請求項9】 請求項1〜8の何れかにおいて、前記振
動板が前記下電極を含むことを特徴とする液体噴射ヘッ
ド。 - 【請求項10】 請求項1〜9の何れかにおいて、前記
圧力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチングに
より形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 【請求項11】 請求項1〜10の何れかの液体噴射ヘ
ッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。 - 【請求項12】 液滴を吐出するノズル開口に連通する
圧力発生室が画成される流路形成基板と、該流路形成基
板の一方面側に設けられた振動板上に接着剤を介さずに
成膜及びリソグラフィ法により形成された薄膜である下
電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子と、前記流
路形成基板の前記圧電素子側の面に接合された接合基板
とを具備する液体噴射ヘッドの製造方法において、 前記流路形成基板上及び前記圧電素子から引き出された
引き出し配線上に接着剤を介して前記接合基板を当接
し、当該接着剤をその表面張力によって前記引き出し配
線の側面に伝わらせて前記圧電素子の側面の少なくとも
前記圧電体層が露出しないように当該接着剤で覆うと共
に前記流路形成基板と前記接合基板とを接合することを
特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。 - 【請求項13】 請求項12において、前記接着剤が熱
硬化性の接着剤であることを特徴とする液体噴射ヘッド
の製造方法。 - 【請求項14】 請求項12又は13において、前記接
着剤を加熱して硬化させることにより、当該接着剤を前
記引き出し配線の側面に伝わらせて前記圧電体層を覆う
ことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。 - 【請求項15】 請求項12〜14の何れかにおいて、
前記接着剤のガス透過率が、1×10−3Pa・m3/
sec以下であることを特徴とする液体噴射ヘッドの製
造方法。
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JP2015171809A (ja) * | 2014-02-18 | 2015-10-01 | セイコーエプソン株式会社 | 液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置 |
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