JP2002059410A - 無機質硬化体の製造方法 - Google Patents

無機質硬化体の製造方法

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JP2002059410A
JP2002059410A JP2000249959A JP2000249959A JP2002059410A JP 2002059410 A JP2002059410 A JP 2002059410A JP 2000249959 A JP2000249959 A JP 2000249959A JP 2000249959 A JP2000249959 A JP 2000249959A JP 2002059410 A JP2002059410 A JP 2002059410A
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inorganic
mold
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cured
plate
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JP2000249959A
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Masahito Yamamoto
雅人 山本
Takao Uchiumi
崇雄 内海
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反りが少ない無機質硬化体や、成形体の付着
し難い型を使用したり、凹凸模様を施した型面を使用し
ても反ったり加熱時間が大幅に増加しない無機質硬化体
の製造方法を提供することである。 【解決手段】 二酸化珪素および酸化アルミニウムから
なる反応性無機質粉体と、アルカリ金属珪酸塩と、水と
からなに無機質硬化性組成物を型に入れ、加熱硬化さ
せ、成形体1となした後に、この成形体1の反りを直
し、乾燥するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無機質硬化体の製造
方法に関する。特に、外壁材等の建築材料に適した無機
質硬化体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無機質硬化体としては、特公平4
−45471号公報に記載されているように、二酸化珪
素および酸化アルミニウムからなる反応性無機質粉体
と、アルカリ金属珪酸塩と、水とからなる無機質硬化性
組成物を型の中に入れ、この型の周囲から加熱空気や水
蒸気等の熱媒体で加熱して硬化させる方法が知られてい
る。又、特開平11−71165号公報には、無機質硬
化体を速く製造するために、上記無機質硬化体の製造方
法における加熱温度や加熱時間を制御することが記載さ
れている。又、特開平11−58341号公報には、下
面にゴム等の付着し難い材質で型面を取り付けた型を使
用することが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記無機質硬
化体の製造方法で外壁材等の建築材料を製造すると、種
々な問題が発生することが判明した。この問題の第一
は、製造された無機質硬化体が反っていて、種々な問題
が発生するということである。例えば、この無機質硬化
体が外壁材である場合には、この外壁材が反っている
と、建物の躯体等に取り付け難くなるし、無理に取り付
けたりすると、外壁材にひびが入ったり、外壁材が破損
する。
【0004】この無機質硬化体が反るという問題の原因
は、次に示すものであろうと推測される。即ち、上記方
法では、無機質硬化体を速く製造するために、無機質硬
化性組成物を型の中に入れ、型の周囲から加熱している
が、この加熱する際に、種々な理由によって、無機質硬
化性組成物の温度上昇速度が部分的に異なる。例えば、
無機質硬化性組成物や型の厚みの差や、型からの距離の
差や、熱媒体の型に当たる量や速度等の差等によって温
度上昇速度が異なる。
【0005】このように無機質硬化性組成物の温度の上
昇速度が部分的に異なると、反応の速度が異なるので、
部分的に収縮の程度が異なり、型から取り出したときに
は、既に、成形体が反った状態になっていて、このまま
乾燥して、反った無機質硬化体となる。この成形体の反
りは、無機質硬化体を速く製造しようと加熱温度を高く
する程大きくなる。
【0006】第二の問題は、この無機質硬化性組成物を
型の中で加熱し硬化させると、この成形体が型の表面に
付着して、取り出す際に型に付着した表面が剥離すると
いうことである。かかる問題を解決しようと、型の表面
に離型剤を塗布したが、余り効果がないばかりか、暫
く、型を使用していると、この離型剤がなくなり全く効
果がなくなる。従って、型面に度々離型剤を塗布する必
要がある。
【0007】第三の問題は、無機質硬化体を外壁材等の
建築材として使用する場合には、外壁材の表面に凹凸模
様を施すことが好ましいので、この無機質硬化体の表面
に凹凸模様を施す際に、無機質硬化性組成物の型面に凹
凸模様を設けた型を使用しているが、かかる型を使用す
ると、凹部に入った成形体は、その他の部分より型から
外れ難く、無理に型から外そうとすると成形体の表面が
剥離するという問題がある。
【0008】かかる問題を解決するために、上記特開平
11−58341号公報に記載あるように、合成樹脂や
ゴム等の成形体の付着し難い材質で型面を製造し、この
型面を型の底に取り付けたところ成形体が型に付着し難
くなったが、この合成樹脂やゴム等は熱伝導度が小さい
ので、硬化させるための加熱時間が大幅に増加し、生産
性が低下するという問題と、凹凸模様を施した型面の部
分的な厚みの差によって生ずる温度差が大きくなって反
りが大きくなるという問題が発生する。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記問題、即
ち、反りが少ない無機質硬化体や、成形体が付着し難い
型を使用したり、凹凸模様を施した型面を取り付けた型
を使用しても反ったり加熱時間が大幅に増加しない無機
質硬化体の製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになしたものであって、請求項1記載の発明
は、二酸化珪素および酸化アルミニウムからなる反応性
無機質粉体と、アルカリ金属珪酸塩と、水とからなる無
機質硬化性組成物を型の中に入れ、加熱硬化させ、脱型
して成形体となした後に、この成形体の反りを直し、乾
燥するものである。
【0011】本発明に使用する二酸化珪素および酸化ア
ルミニウムからなる反応性無機粉体としては、SiO2
5〜85重量%とAl2 3 95〜15重量%からなる
組成が好ましい。かかる反応性無機質粉体としては、フ
ライアッシュ、メタカオリン、カオリン、ムライト、コ
ランダム、アルミナ系研磨材を製造する際に発生するダ
スト、粉砕焼成ボーキサイド等がある。又、これ等の粉
体をそのまま使用してもよいが、活性化させるために、
溶射処理、粉砕処理、粉砕分級、機械的エネルギーを作
用させるとよい。
【0012】この活性化させるための溶射処理として
は、セラミックコーティイグに適用する溶射技術を応用
することができる。この溶射処理は、材料粉末を200
0〜16000℃の温度で溶融し、30〜800m/秒
の速度で噴射するものが好ましい。かかる溶射処理をす
る方法としては、プラズマ溶射法、高エネルギーガス溶
射法、アーク溶射法等がある。得られる活性処理された
粉体の比表面積は0.1〜100m2 /gが好ましい。
【0013】又、粉砕、分級としては、従来公知の任意
の方法を採用することができる。かかる方法としては、
篩、比重、風力、湿式沈降等による分級、ジェットミ
ル、ロールミル、ボールミルによる粉砕等が挙げられ
る。これ等の手段は併用されてもよい。又、機械的エネ
ルギーを作用させる方法としては、ボール媒体ミル、媒
体攪拌型ミル、ローラミル等で処理する方法があり、作
用させる機械的エネルギーとしては、小さいと粉体を活
性化し難く、大きいと装置への負荷が大きいので、0.
5〜30kwh/kgが好ましい。
【0014】フライアッシュは、焼成されたものでもよ
い。焼成温度は、低いとフライアッシュの黒色が残り、
製品が黒くなり、製品を他の色に着色し難くなるし、高
いと無機質硬化性組成物の中のアルカリ金属珪酸塩との
反応性が低くなるので、400℃〜1000℃が好まし
い。本発明に使用するアルカリ金属珪酸塩とは、M2
・nSiO2 (M=K、Na、Liから選ばれる1種以
上の金属)で表される塩であって、nの値は小さ過ぎる
と緻密な発泡体が得られず、大きくなると水溶液の粘度
が上昇し混合が困難になるので、nの値は0.05〜
2.5が好ましく、更に好ましくは0.5〜2.5であ
る。
【0015】このアルカリ金属珪酸塩は水溶液で添加さ
れるのが好ましい。この水溶液の濃度は、特に限定され
ないが、薄くすると反応性無機質粉体との反応性が低下
し、濃くなると固形分が生じやすくなる。かかる理由
で、アルカリ金属塩の濃度は10〜60重量%が好まし
い。このアルカリ金属珪酸塩水溶液の製造方法は、アル
カリ金属珪酸塩をそのまま加熱下で水に溶解してもよい
が、n値の小さいアルカリ金属珪酸塩水溶液に珪砂、珪
石分等のSiO2 成分をnが所定の量となるように加
圧、加熱下で溶解する方が溶解し易いので好ましい。
【0016】このアルカリ金属珪酸塩の量は少なくなる
と硬化が十分になされず、多くなると得られる無機質硬
化体の耐水性が低下する。かかる理由で、アルカリ金属
珪酸塩の量は、反応性無機質粉体100重量部に対して
0.2〜450重量部がよく、好ましくは10〜350
重量部、更に、好ましくは20〜250重量部である。
本発明に使用する水は、上記アルカリ金属珪酸塩水溶液
として添加されてもよいし、独立して添加されてもよ
い。水の量が少ないと十分硬化しなかったり、混合が困
難となるし、多くなると無機質硬化体の強度が低下し易
くなるので、上記反応性無機質粉体100重量部に対し
て45〜1000重量部が好ましく、更に好ましくは、
50〜500重量部である。
【0017】更に必要に応じて、発泡剤を添加してもよ
い。発泡剤としては、過酸化物(過酸化水素、過酸化ソ
ーダ、過酸化カリ、過ほう酸ソーダ)、金属粉末(M
g、Ca、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Z
n、Al、Ga、Sn、Si、フェロシリコン)等が用
いられ、多過ぎると発泡ガスが過剰となり破泡し、少な
過ぎると発泡倍率が小さ過ぎて発泡体を添加する意味を
失うので0.1〜10重量部が好ましい。
【0018】過酸化水素を発泡剤に用いるときには、安
全性と安定した発泡を考慮して水溶液として用いるのが
好ましい。金属粉末を用いる場合には、安定した発泡を
得るために、粒径が200μm以下であることが好まし
い。本発明においては必要に応じて発泡助剤を添加して
もよい。発泡助剤は発泡を均一に生じさせるものなら特
に限定されず、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩や、
シリカゲル、ゼオライト、活性炭、アルミナ粉末等の多
孔質粉体等がある。これ等は単独で使用してもよいし、
2種以上を混合して使用してもよい。この発泡助剤の量
は多くなると無機質硬化性組成物の粘度が上昇し破泡が
発生し易くなるので上記反応性無機質粉体100重量部
に対して10重量部以下が好ましい。
【0019】更に、本発明においては、必要に応じて無
機質充填材を添加してもよい。無機質充填材は、水に溶
解せず、無機質硬化性組成物の硬化反応を阻害せず、ア
ルカリ金属珪酸塩と反応しないものであれば、特に限定
されない。かかる無機質充填材としては、珪砂、川砂、
ジルコンサンド、結晶質アルミナ、岩石粉末、火山灰、
シリカフラワー、シリカヒューム、ベントナイト、ワラ
ストナイト、マイカ等の天然鉱物、炭酸カルシウム、珪
藻土等が挙げられる。これ等は単独で添加されてもよい
し、2種以上を併用してもよい。
【0020】この無機質充填材は平均粒径が小さくなる
と、無機質硬化性組成物の粘度が上昇し、高倍率の発泡
体が得られず、大きくなると発泡が不安定になるので、
0.01〜1000μmの粒径のものが好ましい。又、
この無機質充填材の量が多くなると、得られる無機質硬
化体の強度が低下するので、上記反応性無機質粉体10
0重量部に対して700重量部以下が好ましい。
【0021】更に、本発明においては、補強繊維を添加
してもよい。補強繊維としては、無機質硬化体に付与し
たい性能に応じたもの、例えば、ビニロン繊維、ポリア
ミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、カ
ーボン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、チタン酸カリ
ウム繊維、鋼繊維等を適宜選択して使用する。上記補強
繊維の繊維径は、細くなると混合時に凝縮し、交絡によ
りファイバーボールが形成され易くなり、最終的に得ら
れる無機質硬化体の強度が改善されず、太くなるか又は
短くなると、無機質硬化体の引っ張り強度等の補強効果
が小さく、又、長くなると繊維の分散性及び配向性が低
下するので、繊維径1〜500μm、繊維長1〜15m
mが好ましい。又、補強繊維の添加量が多くなると分散
性が低下するので、反応性無機質粉体100重量部に対
して10重量部以下が好ましい。
【0022】更に、無機質硬化体の軽量化を図る目的で
シリカバルーン、パーライト、フライアッシュバルー
ン、シラスバルーン、ガラスバルーン、発泡焼成粘土等
の無機質発泡体、ポリスチレン、フェノール樹脂、ウレ
タン樹脂、ポリエステル等の合成樹脂の発泡体や塩化ビ
ニリデンバルーン、アクリルバルーン等の有機質発泡体
を添加してもよい。これ等は単独で添加してもよいし、
2種以上併用してもよい。
【0023】更に、必要に応じて、アルミナセメント、
γ−アルミナ、溶射されたアルミナ、アルミン酸アルカ
リ金属塩または水酸化アルミニウム等を添加してもよ
い。本発明においては、無機質硬化性組成物を型の中に
入れて加熱硬化するが、この加熱は、反応性無機質粉体
と、アルカリ金属塩と、水とを混合して無機質硬化性組
成物とした後、1時間内に昇温を開始し、昇温開始後2
0分以下の時間で60℃以上になるように加熱し、この
温度以上で更に10分間以上、例えば30分間保持して
十分硬化させるとよい。
【0024】請求項1記載の発明においては、成形体の
反りを直しているが、かかる成形体の反りを直す手段と
しては種々ある。例えば、反りのない成形体の表面とほ
ぼ同じ形状の面や平板の上に静置し、自重によって反り
を直したり、反りのない成形体の表面とほぼ同じ面や平
板に強制的に押して、反りを直す方法等がある。
【0025】請求項2記載の発明は、二酸化珪素および
酸化アルミニウムからなる反応性無機質粉体と、アルカ
リ金属珪酸塩と、水とからなる無機質硬化性組成物を型
の中に入れ、加熱硬化させ、脱型して成形体となした後
に、この成形体の反りを直した状態に保持して、乾燥す
るものである。この請求項2記載の発明においては、成
形体の反りを直した状態に保持して乾燥しているが、か
かる手段としては、種々ある。
【0026】例えば、反りのない成形体の表面とほぼ同
じ形状の面や平板の上に載せて、自重によって反りを直
した状態にして乾燥してもよいし、反りのない成形体と
ほぼ同じ面や平板に力を加えて強制的に押し付けて、反
りを直した状態にして乾燥する方法等がある。この際、
載せたり押し付ける面には、乾燥時に出る水蒸気を放出
し易くしたり、加熱する空気等の加熱媒体を無機質硬化
性組成物に接触する面積を多くするために、多くの隙間
を設けることが好ましい。好ましい面は、格子状の桟や
平行な短冊状の桟で構成される棚である。
【0027】請求項3記載の発明は、二酸化珪素および
酸化アルミニウムからなる反応性無機質粉体と、アルカ
リ金属珪酸塩と、水とからなる無機質硬化性組成物を型
の中に入れて加熱硬化させる無機質硬化体の製造方法で
あって、前記型には、無機質硬化性組成物との間に、合
成樹脂フィルム、不織布、合成樹脂板、ゴム板、フッ素
樹脂を含浸させたガラスクロスの群から選ばれた離型材
が設けられているものである。
【0028】この請求項3記載の発明に使用する型に
は、無機質硬化性組成物との間に合成樹脂フィルム、不
織布、合成樹脂板、ゴム板、フッ素樹脂を含浸させたガ
ラスクロスの群から選ばれた離型材が設けられている
が、かかる手段としては種々ある。例えば、上記離型材
の片面に粘着剤層を設け、この粘着剤層で型に粘着させ
たり、離型材を接着剤で型面に接着させ、この型の中に
スラリー状の無機質硬化性組成物を流し込んで型面と無
機質硬化性組成物の間に離型材を設ける方法がある。
【0029】更に型に、離型材を敷いたり単に付着した
後に、この型の中にスラリー状の無機質硬化性組成物を
流し込んで型と無機質硬化性組成物との間に離型材を設
ける方法もある。請求項4記載の発明は、二酸化珪素お
よび酸化アルミニウムからなる反応性無機質粉体と、ア
ルカリ金属珪酸塩と、水とからなる無機質硬化性組成物
を型の中に入れて加熱硬化させる無機質硬化体の製造方
法であって、前記型には、無機質硬化性組成物との間
に、鉄板と、合成樹脂フィルム、不織布、合成樹脂板、
ゴム板、フッ素樹脂を含浸させたガラスクロスの群から
選ばれた離型材とを重合させた重合板が、離型材の面を
無機質硬化性組成物に当接させて、設けられているもの
である。
【0030】この請求項4記載の発明に使用する型に
は、無機質硬化性組成物との間に、鉄板と合成樹脂フィ
ルム、不織布、合成樹脂板、ゴム板、フッ素樹脂を含浸
させたガラスクロスの群から選ばれた離型材とを重合さ
せた重合板を設けているが、かかる重合板を製造する手
段としては種々ある。例えば、上記離型材の片面に粘着
剤層を設けていて、この離型材を鉄板に粘着させて重合
板とする方法や、離型材を鉄板に接着剤で接着させた
り、ラミネートして重合板とする方法等がある。更に型
に、重合板を敷いたり単に付着したり、離型材と鉄板を
重ねた状態に付着した後に、この型の中にスラリー状の
無機質硬化性組成物を流し込んで型と無機質硬化性組成
物との間に離型材を設ける方法もある。
【0031】請求項5記載の発明は、二酸化珪素および
酸化アルミニウムからなる反応性無機質粉体と、アルカ
リ金属珪酸塩と、水とからなる無機質硬化性組成物を型
の中に入れて加熱硬化させる無機質硬化体の製造方法で
あって、前記型は、容器と蓋とからなり、この蓋の無機
質硬化性組成物が当接する面には、ゴムまたは合成樹脂
製の型面が取り付けられているものである。
【0032】この請求項5に記載されている型面とは、
無機質硬化体の表面を形成する型の面のことである。無
機質硬化体が外壁材等の建築材料である場合には、外壁
材の屋外側が表面であって、通常、この屋外側に凹凸模
様が施され、屋内側、即ち、裏面はそれほど美麗にする
必要がなく、凹凸模様等を施さない。従って、この無機
質硬化体の凹凸模様の表面を形成する型面には、凹凸模
様が設けられている。又、請求項3〜5記載の発明に使
用する合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリプロピレン、ポリプロピレンテレ
フタレート、珪素樹脂等がよい。
【0033】(作用)請求項1記載の発明では、二酸化
珪素および酸化アルミニウムからなる反応性無機質粉体
と、アルカリ金属珪酸塩と、水とからなる無機質硬化性
組成物を型の中に入れ、加熱硬化させ、脱型して成形体
となした後に、この成形体の反りを直し、乾燥するの
で、加熱硬化時から脱型までに発生した成形体の反りが
直った状態で、そのまま変形することなく乾燥され、反
りの少ない無機質硬化体が得られる。
【0034】請求項2記載の発明では、二酸化珪素およ
び酸化アルミニウムからなる反応性無機質粉体と、アル
カリ金属珪酸塩と、水とからなる無機質硬化性組成物を
型の中に入れ、加熱硬化させ、脱型して成形体となした
後に、この成形体の反りを直した状態に保持して乾燥す
るので、加熱硬化時から脱型までに発生した成形体の反
りが直った状態に保持されたまま乾燥され、反りの少な
い無機質硬化体が得られる。
【0035】請求項3記載の発明では、型には、無機質
硬化体との間に、合成樹脂フィルム、不織布、合成樹脂
板、ゴム板、フッ素樹脂を含浸させたガラスクロスの群
から選ばれた離型材が設けられているので、この離型材
が設けられている面は、無機質硬化性組成物と接着せ
ず、無機質硬化性組成物が硬化した成形体を脱型する際
に、成形体のみを簡単に型から簡単に取り出すことがで
き、成形体が破損しない。しかも、離型材は、型に離型
剤を塗布したものより厚いので、離型性能の効果が長期
間衰えず、この離型材を設けた型を長期間使用すること
ができる。
【0036】請求項4記載の発明では、型には、無機質
硬化性組成物との間に、鉄板と、合成樹脂フィルム、不
織布、合成樹脂板、ゴム板、フッ素樹脂を含浸させたガ
ラスクロスの群から選ばれた離型材とを重合させた重合
板が、離型材の面を無機質硬化性組成物に当接させて、
設けられているので、この離型材は、無機質硬化性組成
物に接着せず、無機質硬化性組成物が硬化した成形体を
脱型する際に、離型材と成形体との間で剥離し、成形体
のみを簡単に型から取り出すことができ、成形体が破損
しない。
【0037】尚、型面に重合板が添えられているだけの
場合には、型から成形体に重合板が付着した状態に取り
出されることがあるが、かかる場合でも、離型材は無機
質硬化性組成物と接着してないので、成形体から重合板
を簡単に剥がすことができる。
【0038】請求項5記載の発明は、型は容器と蓋とか
らなり、この蓋の無機質硬化性組成物が当接する面に
は、ゴムまたは合成樹脂製の型面が取り付けられてい
る。一般に、型を加熱する際には、型の下方や周囲から
加熱されるエネルギー量が多く、型の上側から加熱され
るエネルギー量は少ない。そして、この請求項5記載の
発明では、上記のように、蓋の無機質硬化性組成物が当
接する面には、ゴムまたは合成樹脂製の型面が設けられ
ていて、この型の下面や周囲には熱伝導度の悪いゴムま
たは合成樹脂製の型面を設けなくともよい。従って、こ
の型の下面や周囲から無機質硬化性組成物を加熱するこ
とができ、無機質硬化体を速く製造することができる。
【0039】しかも、蓋の無機質硬化性組成物が当接す
る面には、ゴムまたは合成樹脂製の型面が設けられてい
るので、無機質硬化性組成物の表面に、このゴムまたは
合成樹脂製の型面によって美麗な凹凸模様を施すことが
できるし、このゴムまたは合成樹脂が無機質硬化性組成
物に付着しないので、脱型する際に、この無機質硬化性
組成物が硬化した成形体が破損しない。又、ゴムまたは
合成樹脂製の型面が加熱するエネルギー量の少ない蓋に
設けられているので、この型面の温度が、型の底面に型
面が取り付けられたときより低く、従って、劣化の程度
が少なく、長時間使用できる。
【0040】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例で説明する。 (実施例1)本発明の一実施例を示す。
【0041】(1)二酸化珪素および酸化アルミニウム
からなる反応性無機質粉体の製造メタカオリン(エンゲ
ルハード社製のSATINTONE SP 33、平均
粒径3.3ミクロン、比表面積13.9m2 /g)10
0重量部、トリエタノールアミン25重量%とエタノー
ル75重量%の混合溶液0.5重量部をウルトラファイ
ンミルAT−20(三菱重工業社製、ジルコニアボール
直径10mm使用、ボール充填率85体積%)に供給
し、25kwh/kgの機械的エネルギーを作用させて
反応性無機質粉体を製造した。尚、作用させた機械的エ
ネルギーは、ウルトラファインミルに供給さた電力を処
理粉体単位重量当たりで表した。
【0042】(2)無機質硬化性組成物の製造 (1)で製造した反応性無機質粉体100重量部、アル
カリ金属珪酸塩(SiO2 /K2 O=1.4の珪酸カリ
ウムの45重量%水溶液)75重量部、水85重量部、
ワラストナイト(カキウチ(株)製)100重量部、ビ
ニロン繊維(クラレ社製、商品名:RM182×3)2
重量部、珪石粉(増岡窯業原料(株)製、商品名:錦印
磁選珪砂)100重量部、ステアリン酸亜鉛(堺化学社
製、商品名:Sz−2000)3重量部をミキサーで均
一に混合した後、発泡剤(Si:キンセイマティック社
製、商品名:#600)0.08重量部を添加した後、
ミキサーで混合し、スラリー状の無機質硬化性組成物を
製造した。
【0043】(3)無機質硬化体の製造 底面に凹凸模様のある金属製の型(サイズ:2800×
900×30(mm)の板状体)に、(2)で製造した
スラリー状の無機質硬化性組成物を流し込み、必要に応
じて材料を展開したり、脱泡のため振動をかける。その
後、金属板で蓋をし、85℃の熱盤プレスで加熱したと
ころ約15分で無機質硬化性組成物の温度がほぼ85℃
になった。この後、ほぼ30分間、この状態を保って十
分硬化させた後、脱型して成形体を得た。
【0044】このときの成形体の一端から他端に糸を張
り、中央部の反りを測定したところ8mmであった。脱
型した後、水平面の上に凸面を上にして10分間静置し
た後、乾燥室の中に移動させて乾燥して無機質硬化体を
製造した。製造した無機質硬化体の反りを上記と同様に
して測定したところ、4mmであった。
【0045】(実施例2)図1は本発明の他の実施例を
示すもので、無機質硬化体を乾燥させている状態を示す
正面図である。図1において、1は成形体であり、2は
複数の桟21がほぼ平行に設けられた反り矯正棚であ
る。
【0046】実施例1と同様にして、スラリー状の反応
性無機質組成物を製造した。このスラリー状の反応性無
機質組成物を金属製の型(サイズ:2800×900×
30(mm)の板状体)に流し込み、材料の展開と脱泡
のため振動をかける。その後、金属板で蓋をし、85℃
の熱盤プレスで加熱したところ約15分で無機質硬化性
組成物の温度がほぼ85℃になった。この後、ほぼ30
分間、この状態を保って十分硬化させた後、脱型して成
形体1を得た。
【0047】このときの成形体1の一端から他端に糸を
張り、中央部の反りを測定したところ8mmであった。
脱型した後、凸面を上にし、図1に示すように、反り矯
正棚2の上の載せて、この成形体1を8本の桟21で支
えて、10分間静置した後、成形体1を乾燥室に移動さ
せて乾燥して無機質硬化体を製造した。製造した無機質
硬化体の反りを測定したところ3.5mmであった。
【0048】(実施例3)図2は本発明の別の実施例を
示すもので、無機質硬化体を乾燥させている状態を示す
正面図である。図2において、1aは成形体であり、2
aは平板状の反り矯正板である。
【0049】実施例1とほぼ同じ方法でスラリー状の反
応性無機質組成物を製造した。このスラリー状の反応性
無機質組成物を金属製の型(サイズ:2800×900
×30(mm)の板状体)に流し込み、材料の展開と脱
泡のため振動をかける。その後、金属板で蓋をし、85
℃の熱盤プレスで加熱したところ約15分で無機質硬化
性組成物の温度がほぼ85℃になった。この後、ほぼ3
0分間、この状態を保って十分硬化させた後、脱型して
成形体1aを製造した。
【0050】このときの成形体1aの一端から他端に糸
を張り、中央部の反りを測定したところ8mmであっ
た。脱型した後、図2に示すようにを上にして反り矯正
板2aの上に10分間静置した後、乾燥室に移動させて
乾燥して無機質硬化体を製造した。製造した無機質硬化
体の反りを測定したところ4mmであった。
【0051】(実施例4)図3は本発明の更に別の実施
例を示すもので、無機質硬化体を乾燥させている状態を
示す斜視図である。図3において、1bは成形体であ
り、2bは平板状の反り矯正板であり、3bは錘であ
る。
【0052】実施例1とほぼ同じ方法でスラリー状の反
応性無機質組成物を製造した。このスラリー状の反応性
無機質組成物を金属製の型(サイズ:2800×900
×30(mm)の板状体)に流し込み、材料の展開と脱
泡のため振動をかける。その後、金属板で蓋をし、85
℃の熱盤プレスで加熱したところ約15分で無機質硬化
性組成物の温度がほぼ85℃になった、この後ほぼ30
分間、この状態を保って十分硬化させた後、脱型して成
形体1bを製造した。このときの成形体1bの一端から
他端に糸を張り、中央部の反りを測定したところ8mm
であった。
【0053】その後、図3に示すように、凸面を上にし
て、反り矯正板2bの上に置き、6個の20kgの錘3
bを載せて強制的に反りを直した状態で10分間静置す
る。このときの反りを測定したところほぼ0mmであっ
た。この後、錘を取り外し、乾燥室に移動させて乾燥し
て無機質硬化体を製造した。乾燥した無機質硬化体の反
りを測定したところ3mmであった。
【0054】(実施例5)図4は本発明の更に別の実施
例を示すもので、無機質硬化体を乾燥させている状態を
示す正面図である。図4において、1cは成形体であ
り、4cは複数の桟41cがほぼ平行に設けられた乾燥
棚である。
【0055】実施例1とほぼ同じ方法でスラリー状の反
応性無機質組成物を製造した。このスラリー状の反応性
無機質組成物を金属製の型(サイズ:2800×900
×30(mm)の板状体)に流し込み、材料の展開と脱
泡のため振動をかける。その後、熱盤プレスで加熱し硬
化を促進させた後、脱型して成形体1cを製造した。こ
のときの成形体1cの一端から他端に糸を張り、中央部
の反りを測定したところ8mmであった。
【0056】その後、図4に示すように、この成形体1
cを乾燥棚4cの上に、凸部を上にして載せて9本の桟
41cで支持し、自重で反りを直した状態にし、この状
態を保ったまま熱風を上下から吹き付けて乾燥して無機
質硬化体を製造した。この無機質硬化体の反りを測定し
た所2mmであった。
【0057】(比較例1)図5は実施例1〜実施例5と
比較するための比較例を示すもので、無機質硬化体を乾
燥させている状態を示す正面図である。
【0058】図5において、1dは成形体であり、2d
は反りより若干大きな距離(ほぼ1cm)を隔てて立設
された2枚の立板21dを備えた乾燥装置である。実施
例1とほぼ同じ方法でスラリー状の反応性無機質組成物
を製造した。このスラリー状の反応性無機質組成物を、
実施例1と同様に、金属製の型(サイズ:2800×9
00×30(mm)の板状体)に流し込み、材料の展開
と脱泡のため振動をかけ、熱盤プレスで加熱し硬化を促
進させた後、脱型して成形体1dを製造した。
【0059】このときの成形体1dの一端から他端に糸
を張り、中央部の反りを測定したところ8mmであっ
た。その後、図5に示すように、反りより大きな距離
(ほぼ1cm)を隔てて立設された2枚の立板21dを
備えた乾燥装置2dの中に入れて、成形体1dに外力が
かからない状態に、この2枚の立板21dの間に成形体
1dを立てて、乾燥した。
【0060】乾燥した無機質硬化体の反りを測定したと
ころ8mmであった。この実施例1〜4と比較例1とを
比較すると判るように、予め、反りを矯正して乾燥する
と、反りが少なくなり、極めて効果がある。又、実施例
5と比較例1と比較すると判るように、反りを直した状
態で乾燥すると、更に効果がある。
【0061】(実施例6)図6は本発明の更に別の実施
例を示すもので、(イ)は型の斜視図、(ロ)は型面に
粘着剤層を設けた塩化ビニル樹脂フィルムを貼り付けた
状態を示す斜視図、(ハ)はスラリー状の反応性無機質
組成物を流し込んだ状態を示す斜視図、(ニ)は蓋をし
た状態を示す斜視図である。
【0062】図6において、5eはステンレス製の型で
あり、この型5eのサイズは2800×900×30
(mm)の板状体である。6eは粘着層を有するフィル
ムであり、7eは無機質硬化性組成物であり、8eは鋼
板の表面にフッ素樹脂をラミネートした蓋である。
【0063】(1)二酸化珪素および酸化アルミニウム
からなる反応性無機質粉体の製造 メタカオリン(エンゲルハード社製のSATINTON
E SP 33、平均粒径3.3ミクロン、比表面積1
3.9m2 /g)100重量部、トリエタノールアミン
25重量%とエタノール75重量%の混合溶液0.5重
量部をウルトラファインミルAT−20(三菱重工業社
製、ジルコニアボール直径10mm使用、ボール充填率
85体積%)に供給し、25kwh/kgの機械的エネ
ルギーを作用させて反応性無機質粉体を製造した。尚、
作用させた機械的エネルギーは、ウルトラファインミル
に供給さた電力を処理粉体単位重量当たりで表した。
【0064】(2)無機質硬化性組成物の製造 (1)で得られた反応性無機鉄粉体100重量部、アル
カリ金属珪酸塩(SiO2 /K2 O=1.4の珪酸カリ
ウムの45重量%水溶液)75重量部、水85重量部、
発泡剤(Si:キンセイマティック社製、商品名:#6
00)0.08重量部をミキサーで混合し、無機質硬化
性組成物のスラリーを得る。
【0065】(3)無機質硬化体の製造 図6(イ)に示すステンレス製の型5eの型面に、図6
(ロ)に示すように、粘着層を有する塩化ビニル樹脂フ
ィルム6eを貼り付ける。この型5eの中に、図6
(ハ)に示すように、スラリー状の無機質硬化性組成物
7eを流し込み、必要に応じて材料を展開したり、脱泡
のため振動をかける。その後、図6(ニ)に示すよう
に、鋼板の表面にフッ素樹脂をラミネートした蓋7e
(川鉄鋼板株式会社製、商品名:レヂノラミF)で、フ
ッ素樹脂面を無機質硬化性組成物7eに当接させる状態
にして、蓋をする。
【0066】その後、85℃の熱盤プレスで加熱したと
ころ約15分で無機質硬化性組成物の温度がほぼ85℃
になった。この後ほぼ30分間、この状態を保って硬化
させて成形体を製造した。この型5eを熱盤プレスから
外し、ひっくり返し、型4eを引き上げたところ簡単に
成形体から型4eを外すことができた。又、成形体を上
に持ち上げたところ、成形体から蓋7eが外れ、簡単に
蓋7eを取り外すことができた。この成形体を平板の上
に載せて乾燥したところ破損のない良好な無機質硬化体
が得られた。
【0067】(実施例7)この実施例7を実施例6と比
較すると、鋼板の表面にフッ素樹脂をラミネートした蓋
の替わりにPET(ポリエチレンテレフタレート)フィ
ルムで無機質硬化製組成物の上を覆い、この上から鋼板
で蓋をすることが異なり、その他は実施例6とほぼ同じ
である。この実施例7は、実施例6とほぼ同じ作用・効
果があり、良好な無機質硬化体が得られた。
【0068】(実施例8)この実施例8を実施例6と比
較すると、鋼板の表面にフッ素樹脂をラミネートした蓋
の替わりにフッ素樹脂を含浸させたガラスクロス(中興
化成工業(株)製:商品名ファブリックGタイプ)で無
機質硬化製組成物の上を覆い、この上から鋼板で蓋をす
ることが異なり、その他は実施例6とほぼ同じである。
この実施例8は実施例6とほぼ同じ作用・効果があり、
良好な無機質硬化体が得られた。
【0069】(比較例2)この比較例2を実施例6と比
較すると、型がステンレス製であり、粘着剤層を有する
フィルムが貼り付けられてないこと、フッ素樹脂ラミネ
ート鋼板の蓋の替わりに鋼製の蓋を使用することが異な
り、その他は実施例6とほぼ同じ方法で無機質硬化体を
製造した。この比較例では、この成形体を型から外した
り、成形から蓋を剥がすことが困難で、欠けた成形体し
か得られなかった。従って、この成形体を乾燥しても良
好な無機質硬化体は製造できなかった。
【0070】(実施例9)図7は本発明の更に別の実施
例を示すもので、蓋をしている状態を示す断面図であ
る。図7において、5fはステンレス製の型である。7
fは無機質硬化性組成物であり、この無機質硬化性組成
物7fは、実施例6に使用したスラリー状の無機質硬化
性組成物である。8fは蓋であり、この蓋8fの下面に
はゴム製の型面85fが設けられている。尚、この型5
fのサイズは2800×900×30(mm)の板状体
である。
【0071】このスラリー状の無機質硬化性組成物7f
を、図7に示すように、型5fの中に流し込み、型面8
5fを無機質硬化性組成物7fに押さえ付けて蓋8fを
しながら、材料を展開したり、脱泡のため振動をかけ
る。その後、85℃の熱盤プレスで加熱したところ約1
5分で無機質硬化性組成物の温度がほぼ85℃になっ
た。この後に、ほぼ45分間間、この状態を保って硬化
させて成形体とした。45分経過すると、この型5fを
熱盤プレスから外して成形品を取り出して、平板の上に
載せて乾燥したところ良好な無機質硬化体が得られた。
【0072】この実施例9では、無機質硬化製組成物が
ほぼ85℃になった後に、5分毎に無機質硬化組成物を
取り出して、成形品の曲げ強度を、JIS−A−542
2に規定された方法で測定して硬化の程度を測定した。
結果を表1に示す。
【0073】(比較例3)図8は本発明の更に別の実施
例を示すもので、蓋をしている状態を示す断面図であ
る。
【0074】図8において、5gはステンレス製の型で
あり、この型5gの底面には、ゴム製の型面55gが設
けられている。尚、この型5gのサイズは2800×9
00×30(mm)の板状体である。7gは無機質硬化
性組成物であり、この無機質硬化性組成物7gは、実施
例6に使用したスラリー状の無機質硬化性組成物であ
る。8gは蓋である。
【0075】この比較例3を実施例9と比較すると、上
記の型5gと蓋8gの構造が異なる。即ち、実施例9で
は型面が蓋に取り付けられているが、この実施例では型
5fの底面に取り付けられている。その他は殆ど同じで
あるので説明を省略する。この比較例3でも、無機質硬
化製組成物がほぼ85℃になった後に、5分毎に無機質
硬化組成物を取り出して、成形品の曲げ強度を、JIS
−A−5422に規定された方法で測定して硬化の程度
を測定した。結果を実施例9と共に、表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】この実施例9と比較例3とから判るよう
に、実施例9では、硬化の目安となる曲げ強度が65k
gf/cm2 (64MPa)になるまでの時間がほぼ1
5分であるが、比較例3では30分を要する。即ち、実
施例9のように、蓋に型面を取り付けても、型面を取り
付けない場合とほぼ同じ位速く硬化し、型の底に型面を
取り付けたより15分も速く硬化が終了する。従って、
型の底に型面を取り付けるより無機質硬化体の生産効率
が向上する。又、実施例9では蓋にゴム製の型面が設け
られているので、この型面の温度が型の底面に取り付け
たときより低く、従って、劣化の程度が少なくなり、ほ
ぼ倍の時間、型を使用することができた。
【0078】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、二酸化珪素およ
び酸化アルミニウムからなる反応性無機質粉体と、アル
カリ金属珪酸塩と、水とからなる無機質硬化性組成物を
型の中に入れ、加熱硬化させ、脱型して成形体となした
後に、この成形体の反りを直し、乾燥するから、加熱硬
化時から脱型までに発生した成形体の反りが直った状態
で、そのまま変形することなく乾燥され、反りが少ない
無機質硬化体が得られる。
【0079】請求項2記載の発明は、二酸化珪素および
酸化アルミニウムからなる反応性無機質粉体と、アルカ
リ金属珪酸塩と、水とからなる無機質硬化性組成物を型
の中に入れ、加熱硬化させ、脱型して成形体となした後
に、この成形体の反りを直した状態に保持して、乾燥す
るから、加熱硬化時から脱型までに発生した成形体の反
りが直った状態に保持されたまま乾燥され、反りの少な
い無機質硬化体が得られる。
【0080】請求項3記載の発明は、型には、無機質硬
化体との間に、合成樹脂フィルム、不織布、合成樹脂
板、ゴム板、フッ素樹脂を含浸させたガラスクロスの群
から選ばれた離型材が設けられているので、無機質硬化
性組成物が硬化した無機質硬化体を脱型する際に、簡単
に型から取り出すことができ、破損することがない。
【0081】請求項4記載の発明は、型には、無機質硬
化性組成物との間に、鉄板と、合成樹脂フィルム、不織
布、合成樹脂板、ゴム板、フッ素樹脂を含浸させたガラ
スクロスの群から選ばれた離型材とを重合させた板が、
離型材の面を無機質硬化性組成物に当接させて、設け設
けられているので、無機質硬化性組成物が硬化した無機
質硬化体を脱型する際に、簡単に型から取り出すことが
でき、破損することがない。
【0082】請求項5記載の発明は、型は容器と蓋とか
らなり、この蓋の無機質硬化性組成物が当接する面に
は、ゴムまたは合成樹脂製の型面が取り付けられている
から、この型の下面や周囲から無機質硬化性組成物を加
熱することができ、製造速度が低下せず、無機質硬化体
を速く製造することができるし、又、無機質硬化性組成
物の表面に、このゴムまたは合成樹脂製の型面によって
美麗な凹凸模様を施すことができるし、このゴムまたは
合成樹脂は無機質硬化性組成物に付着せず、脱型する際
に、無機質硬化体が破損しない。更に、この請求項5記
載の発明は、ゴムまたは合成樹脂製の型面が、蓋の無機
質硬化性組成物が当接する面に設けられているので、型
の底面に設けられているより使用中の劣化の程度が少な
く、型を長時間使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の他の実施例を示すもので、無機質硬化
体を乾燥させている状態を示す正面図である。
【図2】本発明の別の実施例を示すもので、無機質硬化
体を乾燥させている状態を示す正面図である。
【図3】本発明の更に別の実施例を示すもので、無機質
硬化体を乾燥させている状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の更に別の実施例を示すもので、無機質
硬化体を乾燥させている状態を示す正面図である。
【図5】実施例1〜実施例5と比較するための比較例を
示すもので、無機質硬化体を乾燥させている状態を示す
正面図である。
【図6】本発明の更に別の実施例を示すもので、(イ)
は型の斜視図、(ロ)は型に、型面に粘着剤層を設けた
合成樹脂フィルムを貼り付けた状態を示す斜視図、
(ハ)はスラリー状の反応性無機質組成物を流し込んだ
状態を示す斜視図、(ニ)は蓋をした状態を示す斜視図
である。
【図7】本発明の更に別の実施例を示すもので、蓋をし
ている状態を示す断面図である。
【図8】実施例9と比較するための比較例を示すもの
で、蓋をしている状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c、1d 成形体 2 矯正棚 2a、2b 矯正板 21 桟 3b 錘 4c 乾燥棚 4d 乾燥装置 41c 桟 41d 立板 5e、5f、5g 型 55g 型面 6e 合成樹脂フィルム 7e、7f 無機質硬化性組成物 8e、8f 蓋 85f 型面
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C04B 28/26 C04B 14:10) Z 14:10) B28B 11/00 Z Fターム(参考) 4G012 MB02 PA04 PA06 PA15 PA24 PB02 PB06 PB15 PB18 PC01 PC12 4G053 AA07 AA15 BB17 BF04 CA10 CA16 CA21 CA23 DA03 EB01 EB05 4G055 AA01 BA41

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化珪素および酸化アルミニウムから
    なる反応性無機質粉体と、アルカリ金属珪酸塩と、水と
    からなる無機質硬化性組成物を型の中に入れ、加熱硬化
    させ、脱型して成形体となした後に、この成形体の反り
    を直し、乾燥することを特徴とする無機質硬化体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 二酸化珪素および酸化アルミニウムから
    なる反応性無機質粉体と、アルカリ金属珪酸塩と、水と
    からなる無機質硬化性組成物を型の中に入れ、加熱硬化
    させ、脱型して成形体となした後に、この成形体の反り
    を直した状態に保持して、乾燥することを特徴とする無
    機質硬化体の製造方法。
  3. 【請求項3】 二酸化珪素および酸化アルミニウムから
    なる反応性無機質粉体と、アルカリ金属珪酸塩と、水と
    からなる無機質硬化性組成物を型の中に入れて加熱硬化
    させる無機質硬化体の製造方法であって、前記型には、
    無機質硬化性組成物との間に、合成樹脂フィルム、不織
    布、合成樹脂板、ゴム板、フッ素樹脂を含浸させたガラ
    スクロスの群から選ばれた離型材が設けられていること
    を特徴とする無機質硬化体の製造方法。
  4. 【請求項4】 二酸化珪素および酸化アルミニウムから
    なる反応性無機質粉体と、アルカリ金属珪酸塩と、水と
    からなる無機質硬化性組成物を型の中に入れて加熱硬化
    させる無機質硬化体の製造方法であって、前記型には、
    無機質硬化性組成物との間に、鉄板と、合成樹脂フィル
    ム、不織布、合成樹脂板、ゴム板、フッ素樹脂を含浸さ
    せたガラスクロスの群から選ばれた離型材とを重合させ
    た重合板が、離型材の面を無機質硬化性組成物に当接さ
    せて、設けられていることを特徴とする無機質硬化体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 二酸化珪素および酸化アルミニウムから
    なる反応性無機質粉体と、アルカリ金属珪酸塩と、水と
    からなる無機質硬化性組成物を型の中に入れて加熱硬化
    させる無機質硬化体の製造方法であって、前記型は、容
    器と蓋とからなり、この蓋の無機質硬化性組成物が当接
    する面には、ゴムまたは合成樹脂製の型面が取り付けら
    れていることを特徴とする無機質硬化体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014040332A (ja) * 2012-08-21 2014-03-06 Nippon Concrete Ind Co Ltd ジオポリマ組成物およびその製造方法

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