JP2002055550A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002055550A
JP2002055550A JP2000244725A JP2000244725A JP2002055550A JP 2002055550 A JP2002055550 A JP 2002055550A JP 2000244725 A JP2000244725 A JP 2000244725A JP 2000244725 A JP2000244725 A JP 2000244725A JP 2002055550 A JP2002055550 A JP 2002055550A
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Tomoyuki Okada
知幸 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加圧ローラとフイルムの滑りが生じ、搬送され
るシートが送られなくなり、加圧ローラによる擦れや、
部分加熱による定着ムラ、機内構造物に接触して画像不
良となることがあった。またフイルムの回転が停止する
と、フイルムが部分加熱され、部分的に変形したフイル
ムでは、シートとの接触面積が変化して、定着ムラが発
生するという課題があった。 【解決手段】画像形成部と前記定着部とのシート搬送経
路周辺に配置され、シートのたわみを検知するたわみセ
ンサ検出部を有する画像形成装置において、前記たわみ
検出部の検出タイミングによって前記シートの搬送状態
を監視するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フイルム加熱方式
の加熱装置を定着装置の熱源として備えた電子写真装置
・静電記録装置などの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、便宜上、複写機プリンタ等の画像
形成装置において、シートとしての被記録材に形成され
た未定着画像(未定着トナー画像)を該被記録材に加熱
定着させる定着装置(加熱装置)を例にして説明する。
【0003】画像形成装置において、電子写真プロセス
・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等の適宜の画像
形成プロセス手段部で被記録材(転写材シート・エレク
トロファックスシート・静電記録紙・OHPシート・印
刷用紙・フォーマット紙などのシート)に転写方式ある
いは直接方式にて形成担持させた目的の画像情報の未定
着トナー画像を、被記録材面に永久固着画像として加熱
定着させる定着装置としては熱ローラ方式の装置が広く
用いられていた。近時はクイックスタートや省エネルギ
ーの観点からフイルム加熱方式の装置が実用化されてい
る。また電磁誘導加熱方式の装置も提案されている。 a)熱ローラ方式の定着装置 これは、定着ローラ(加熱ローラ)と加圧ローラとの圧
接ローラ対を基本構成とし、このローラ対を回転させ、
該ローラ対の相互圧接部である定着ニップ部に画像定着
すべき未定着トナー画像を形成担持させた被記録材を導
入して挟持搬送させて、定着ローラの熱と、定着ニップ
部の加圧力にてトナー画像を被記録材面に熱圧定着させ
るものである。
【0004】定着ローラは、一般に、アルミニウムの中
空金属ローラを基体(芯金)とし、その内空に熱源とし
てのハロゲンランプを挿入配設してあり、ハロゲンラン
プの発熱で加熱され、外周面が所定の定着温度に維持さ
れるようにハロゲンランプヘの通電が制御されて温調さ
れる。
【0005】特に、最大4層のトナー画像層を十分に加
熱溶融させて混色させる能力が要求される、フルカラー
の画像形成を行う画像形成装置の定着装置としては、定
着ローラの芯金を高い熱容量を有するものにし、またそ
の芯金外周にトナー画像を包み込んで均一に溶融するた
めのゴム弾性層を具備させ、そのゴム弾性層を介してト
ナー画像の加熱を行っている。また、加圧ローラ内にも
熱源を具備させて加圧ローラも加熱・温調する構成にし
たものもある。
【0006】しかし、熱ローラ方式の定着装置は画像形
成装置の電源をオンにして同時に定着装置の熱源である
ハロゲンランプに通電を開始しても、定着ローラの熱容
量が大きく、定着ローラ等が冷え切っている状態時から
所定の定着可能温度に立ち上がるまでにはかなりの待ち
時間(ウエイトタイム)を要し、クイックスタート性に
欠ける。また画像形成装置のスタンバイ状態時(非画像
出力時)も何時でも画像形成動作が実行できるようにハ
ロゲンランプに通電して定着ローラを所定の温調状態に
維持させておく必要があり、電力消費量が大きい等の問
題があった。
【0007】また、上述のフルカラーの画像形成装置の
定着装置のように特に熱容量の大きな定着ローラを用い
るものにおいては、温調と定着ローラ表面の昇温とに遅
延が発生するため、定着不良や光沢ムラやオフセット等
の問題が発生していた。 b)フィルム加熱方式の定着装置 フィルム加熱方式の定着装置は、例えば特開昭63−3
13182号公報・特開平2−157878号公報・特
開平4−44075号公報・特開平4−204980号
公報等に提案されている。
【0008】即ち、加熱体としてのセラミックヒータ
と、加圧部材としての加圧ローラとの間に耐熱性フィル
ム(定着フィルム)を挟ませて定着ニップ部を形成さ
せ、該定着ニップ部のフィルムと加圧ローラとの間に画
像定着すべき未定着トナー画像を形成担持させた被記録
材を導入してフィルムと一緒に挟持搬送させることで定
着ニップ部においてセラミックヒータの熱をフィルムを
介して被記録材に与え、また定着ニップ部の加圧力にて
未定着トナー画像を被記録材面に熱圧定着させるもので
ある。
【0009】このフィルム加熱方式の定着装置は、セラ
ミックヒータ及びフィルムとして低熱容量の部材を用い
てオンデマンドタイプの装置を構成することができ、画
像形成装置の画像形成実行時のみ、熱源としてのセラミ
ックヒータに通電して所定の定着温度に発熱させた状態
にすればよく、画像形成装置の電源オンから画像形成実
行可能状態までの待ち時間が短く(クイックスタート
性)、スタンバイ時の消費電力も大幅に小さい(省電
力)等の利点がある。
【0010】ただ、大きな熱量が要求されるフルカラー
画像形成装置や高速機種用の定着装置としては熱量的に
難点がある。 c)電磁誘導加熱方式の定着装置 実開昭51−109739号公報には、磁束により定着
ローラに電流を誘導させてジュール熱によって発熱させ
る誘導加熱定着装置が開示されている。これは、誘導電
流の発生を利用することで直接定着ローラを発熱させる
ことができて、ハロゲンランプを熱源として用いた熱ロ
ーラ方式の定着装置よりも高効率の定着プロセスを達成
している。
【0011】しかしながら、磁場発生手段としての励磁
コイルにより発生した交番磁束のエネルギーが定着ロー
ラ全体の昇温に使われるため放熱損失が大きく、投入エ
ネルギーに対する定着エネルギーの密度が低く効率が悪
いという欠点があった。
【0012】そこで、定着に作用するエネルギーを高密
度で得るために発熱体である定着ローラに励磁コイルを
接近させたり、励磁コイルの交番磁束分布を定着ニップ
部近傍に集中させたりして、高効率の定着装置が提案さ
れた。
【0013】図15は、励磁コイルの交番磁束分布を定
着ニップ部に集中させて効率を向上させた電磁誘導加熱
方式の定着装置の一例の概略構成を示したもので、図1
5において、10は電磁誘導発熱層(導電体層、磁性体
層、抵抗体層)を有する、電磁誘導発熱性の回転体とし
ての円筒状の定着フイルムである。16は横断面略半円
弧状樋型のフイルムガイド部材であり、円筒状定着フィ
ルム10はこのフィルムガイド部材16の外側にルーズ
に外嵌させてある。15はフィルムガイド部材16の内
側に配設した磁場発生手段であり、励磁コイル18とE
型の磁性コア(芯材)17とからなる。
【0014】30は弾性加圧ローラであり、定着フィル
ム10を挟ませてフィルムガイド部材16の下面と所定
の圧接力をもって所定幅の定着ニップ部Nを形成させて
相互圧接させてある。上記磁場発生手段15の磁性コア
17は定着ニップ部Nに対応位置させて配設してある。
【0015】上記加圧ローラ30は駆動手段Mにより矢
示の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ30
の回転駆動による該加圧ローラと定着フィルム10の外
面との摩擦力で該定着フィルムに回転力が作用して、こ
の定着フィルム10の内面が定着ニップ部Nにおいてフ
ィルムガイド部材16の下面に密着して摺動しながら矢
示の時計方向に、加圧ローラ30の回転周速度にほぼ対
応した周速度をもってフィルムガイド部材16の外回り
を回転状態になる(加圧ローラ駆動方式)。
【0016】フィルムガイド部材16は、定着ニップ部
Nへの加圧、磁場発生手段15としての励磁コイル18
と磁性コア17の支持、定着フィルム10の支持、この
定着フィルム10の回転時の搬送安定性を図る役目をす
る。このフィルムガイド部材16は磁束の通過を妨げな
い絶縁性の部材であり、高い荷重に耐えられる材料が用
いられる。
【0017】励磁コイル18は不図示の励磁回路から供
給される交番電流によって交番磁束を発生する。交番磁
束は定着ニップ部Nの位置に対応しているE型の磁性コ
ア17により該定着ニップ部に集中的に分布し、その交
番磁束は定着ニップ部Nにおいて定着フィルム10の電
磁誘導発熱層に渦電流を発生させる。この渦電流は電磁
誘導発熱層の固有抵抗によって電磁誘導発熱層にジュー
ル熱を発生させる。
【0018】この定着フィルム10の電磁誘導発熱は交
番磁束を集中的に分布させた定着ニップ部Nにおいて集
中的に生じて該定着ニップ部が高効率に加熱される。定
着ニップ部Nの温度は、不図示の温度検知手段を含む温
調系により検出され、この検出温度に基づいて励磁コイ
ル18に対する電流供給が制御されることで所定の温度
が維持されるように温調される。
【0019】而して、加圧ローラ30が回転駆動され、
それに伴って円筒状の定着フィルム10がフィルムガイ
ド部材16の外回りを回転し、励磁回路から励磁コイル
18への給電により上記のように定着フィルム10が電
磁誘導発熱して、定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上
がって温調された状態において、不図示の画像形成手段
部から搬送された未定着トナー画像tが形成された被記
録材Pが定着ニップ部Nの定着フィルム10と加圧ロー
ラ30との間に画像面を上向き、即ち定着フィルム面に
対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面が定
着フィルム10の外面に密着して該定着フィルムと一緒
に該定着ニップ部を挟持搬送されていく。この定着ニッ
プ部Nを定着フィルム10と一緒に被記録材Pが挟持搬
送されていく過程において、定着フィルム10の電磁誘
導発熱で加熱されて被記録材P上の未定着トナー画像t
が加熱定着される。被記録材Pは定着ニップ部Nを通過
すると、回転定着フィルム10の外面から分離して排出
搬送されていく。
【0020】ところで、電子写真方式における画像形成
装置の定着装置は加熱方式であるため、画像形成装置を
始動し印字を開始する前より印字中または印字後の温度
は同じではない。前述のa)熱ローラ方式の定着装置、
b)フィルム加熱方式の定着装置、及びc)電磁誘導加
熱方式の定着装置ともに、加圧ローラによる回転駆動を
行っているが、この温度変化に伴い、加圧ローラの外周
が変化することにより回転駆動速度は変動する。
【0021】近年、画像形成装置の小型化に伴い、現像
剤による画像形成部から、前述の定着装置までの物理的
距離が短くなっている。定着装置の回転駆動速度が大き
くなると、被記録材Pを引っ張る形になり安定した画像
形成に支障をきたす。
【0022】また定着装置の回転駆動速度が小さくなる
と、画像形成後の被記録材Pが定着装置との間でたるみ
(以下「ループ」と呼ぶ)を生じてしまい、被記録材P
が機内構造物に接触してしまい、高品質な画像を形成で
きなくなる。
【0023】これを回避するために画像形成部と定着装
置との間に被記録材Pのループを検知するたわみ検出部
としてのループセンサを設けてループ状態を監視し、定
着速度を変化させることで、画像形成部と定着装置との
速度差を吸収するしくみを用いた画像形成装置が提案さ
れている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな画像形成装置で特に、b)フイルム加熱方式の定着
装置、及びc)電磁誘導加熱方式の定着装置の加圧ロー
ラの回転による摩擦によってフイルムを駆動する定着装
置においては、加圧ローラとフイルムの滑りが生じ、加
圧ローラが空回りすることがあり、フイルムの回転が停
止するとともに、搬送される転写材が送られなくなり、
加圧ローラによる擦れや、部分加熱による定着ムラ、機
内構造物に接触して画像不良となることがあった。しか
し、フイルムの滑りによる上記画像不良は、排紙部に排
紙検知センサを設けることで検出可能な場合があるが、
一時的なフイルム滑りだけで通紙できた場合などは画像
不良に対してなんら知る手だてがないという課題があっ
た。
【0025】本発明は従来のような課題を解消するため
になされたもので、被記録材のたわみ(滞留)が起こっ
ているものと判断することにより、フイルムの滑りによ
る画像不良の発生を検知することができる画像形成装置
を得ることを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の構成を有
することを特徴とする画像形成装置である。 (1).シートに未定着画像を形成する画像形成部と、
この未定着画像をシートに加熱固定する定着部と、前記
画像形成部と前記定着部とのシート搬送経路周辺に配置
され、シートのたわみを検知するたわみ検出部とを有す
る画像形成装置において、前記たわみ検出部の検出タイ
ミングによって前記シートの搬送状態を監視することを
特徴とする。 (2).(1)の画像形成装置において、前記たわみ検
出部の検出時間によって前記定着部におけるシートの搬
送状態を監視し、シートのたわみ量が所定量を上回った
と判断される場合に、これを報知することを特徴とす
る。 (3).(1)の画像形成装置において、前記たわみ検
出部の検出時間によって前記定着部におけるシートの搬
送状態を監視し、シートのたわみ量が所定量を上回った
と判断される場合に、前記定着部でシートの搬送むらが
あったとしてこれを報知することを特徴とする。 (4).(1)の画像形成装置において、前記たわみ検
出部における検出タイミングがあらかじめ定めた所定の
タイミングと異なる場合に、シートの搬送異常としてこ
れを報知することを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】(第1の実施例) (1)画像形成装置 図1は本発明の第1の実施例による画像形成装置の一例
を示す概略構成図で、本例の画像形成装置は電子写真カ
ラープリンタである。図1において、101は有機感光
体やアモルファスシリコン感光体でできた感光体ドラム
(像担持体)であり、矢示の反時計方向に所定のプロセ
ススピード(周速度)で回転駆動される。この感光体ド
ラム101はその回転過程で帯電ローラ等の帯電装置1
02で所定の極性・電位の一様な帯電処理を受ける。
【0028】次いでその帯電処理面にレーザ光学箱(レ
ーザスキャナー)110から出力されるレーザ光103
による、目的の画像情報の走査露光処理を受ける。レー
ザ光学箱110は不図示の画像読み取り装置等の画像信
号発生装置からの目的画像情報の時系列電気デジタル画
素信号に対応して変調(オン/オフ)したレーザ光10
3を出力して、回転感光体ドラム101面に走査露光し
た目的画像情報に対応した静電潜像を形成する。109
はレーザ光学箱110からの出力レーザ光を感光体ドラ
ム101の露光位置に偏向させるミラーである。
【0029】フルカラー画像形成の場合は、目的のフル
カラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成
分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜
像が4色カラー現像装置104のうちのイエロー現像器
104Yの作動でイエロートナー画像として現像され
る。そのイエロートナー画像は感光体ドラム101と中
間転写体ドラム105との接触部(或いは近接部)であ
る1次転写部T1において中間転写体ドラム105の面
に転写される。中間転写体ドラム105面に対するトナ
ー画像転写後の回転感光体ドラム101面はクリーナ1
07により転写残りトナー等の付着残留物の除去を受け
て清掃される。
【0030】上記のような帯電・走査露光・現像・一次
転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画
像の第2の色分解成分画像(例えばマゼンタ成分画像、
マゼンタ現像器104Mが作動)、第3の色分解成分画
像(例えばシアン成分画像、シアン現像器104Cが作
動)、第4の色分解成分画像(例えば黒成分画像、黒現
像器104BKが作動)の各色分解成分画像について順
次実行され、中間転写体ドラム105面にイエロートナ
ー画像・マゼンタトナー画像・シアントナー画像・黒ト
ナー画像の都合4色のトナー画像が順次重ねて転写され
て、目的のフルカラー画像に対応したカラートナー画像
が合成形成される。
【0031】中間転写体ドラム105は、金属ドラム1
05a上に中抵抗の弾性層105bと高抵抗の表層10
5cを有するもので、感光体ドラム101に接触して或
いは近接して該感光体ドラムと略同じ周速度で矢示の時
計方向に回転駆動され、中間転写体ドラム105の金属
ドラム105aにバイアス電位を与えて感光体ドラム1
01との電位差で該感光体ドラム側のトナー画像を該中
間転写体ドラム面側に転写させる。
【0032】上記の中間転写体ドラム面に合成形成され
たカラートナー画像は、前記中間転写体ドラム105と
転写ローラ106との接触ニップ部である二次転写部T
2において、この二次転写部T2に不図示の給紙部から
所定のタイミングで送り込まれた被記録材Pの面に転写
されていく。転写ローラ106は被記録材Pの背面から
トナーと逆極性の電荷を供給することで中間転写体ドラ
ム105面側から被記録材P側へ合成カラートナー画像
を順次に一括転写するもので、以上の各構成要素により
画像形成部が構成されている。
【0033】二次転写部T2を通過した被記録材Pは中
間転写体ドラム105の面から分離されて定着装置(加
熱装置)100へ導入され、未定着トナー画像の加熱定
着処理を受けてカラー画像形成物として機外の不図示の
排紙トレーに排出される。定着装置100については次
の(2)項で詳述する。
【0034】被記録材Pに対するカラートナー画像転写
後の中問転写体ドラム105はクリーナ108により転
写残りトナー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて清掃
される。このクリーナ108は常時は中問転写体ドラム
105に非接触状態に保持されており、中間転写体ドラ
ム105から被記録材Pに対するカラートナー画像の二
次転写実行過程において中間転写体ドラム105に接触
状態に保持される。
【0035】また転写ローラ106も常時は中間転写体
ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写
体ドラム105から被記録材Pに対するカラートナー画
像の二次転写実行過程において中間転写体ドラム105
に被記録材Pを介して接触状態に保持される。
【0036】本例装置は、白黒画像などモノカラー画像
のプリントモードも実行できる。また両面画像プリント
モード、或いは多重画像プリントモードも実行できる。
【0037】両面画像プリントモードの場合は、定着装
置100を出た1面目画像プリント済みの被記録材Pは
不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されて再び二
次転写部T2へ送り込まれて2面に対するトナー画像転
写を受け、再度、定着装置100に導入されて2面に対
するトナー画像の定着処理を受けることで両面画像プリ
ントが出力される。
【0038】多重画像プリントモードの場合は、定着装
置100を出た1回目画像プリント済みの被記録材Pは
不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されずに再び
二次転写部T2へ送り込まれて1回目画像プリント済み
の面に2回目のトナー画像転写を受け、再度、像加熱装
置100に導入されて2回目のトナー画像の定着処理を
受けることで多重画像プリントが出力される。 (2)定着装置(加熱装置)100 図2は上記定着装置100の要部の横断側面模型図で、
図3は図2の要部の正面模型図、図4は図2の要部の縦
断正面模型図である。本例の定着装置100は前記図1
5に示した従来の定着装置と同様に、円筒状の電磁誘導
発熱性フイルムを用いた、加圧ローラ駆動方式、電磁誘
導加熱方式の定着装置である。図15の定着装置と共通
の構成部材・部分には同一の符号を付して再度の説明を
省略する。
【0039】磁場発生手段は磁性コア17a・17b・
17c及び励磁コイル18からなる。磁性コア17a・
17b・17cは高透磁率の部材であり、フェライトや
パーマロイ等といったトランスのコアに用いられる材料
がよく、より好ましくは100kHz以上でも損失の少
ないフェライトを用いるのがよい。励磁コイル18には
図5に示すように、給電部18a・18bに励磁回路2
7を接続してある。この励磁回路27は20kHzから
500kHzの高周波をスイッチング電源で発生できる
ようになっている。励磁コイル18は励磁回路27から
供給される交番電流(高周波電流)によって交番磁束を
発生する。
【0040】16a,16bは横断面略半円弧状樋型の
フイルムガイド部材であり、開口側を互いに向かい合わ
せて略円柱体を構成し、外側に円筒状の電磁誘導性発熱
フイルムである定着フイルム10をルーズに外嵌させて
ある。前記フイルムガイド部材16aは、磁場発生手段
としての磁性コア17a・17b・17cと励磁コイル
18を内側に保持している。
【0041】また、フイルムガイド部材16aには、図
4に示すように紙面垂直方向長手の良熱伝導部材40が
ニップ部Nの加圧ローラ30との対向両側で、定着フイ
ルム10の内側に配設してある。
【0042】本例においては、良熱伝導性部材40にア
ルミニウムを用いている。前記良熱伝導性部材40は熱
伝導率kがk=240[W・m-1・K-1]であり、厚さ
1[mm]である。
【0043】また、良熱伝導性部材40は磁場発生手段
である励磁コイル18と磁性コア17a・17b・17
cから発生する磁場の影響を受けないように、この磁場
の外に配設してある。具体的には、良熱伝導性部材40
を励磁コイル18に対して磁性コア17cを隔てた位置
に配設し、励磁コイル18による磁路の外側に位置させ
て良熱伝導性部材40に影響を与えないようにしてい
る。
【0044】22はフイルムガイド部材16bの内面平
面部に当接させて配設した横長の加圧用剛性ステイであ
る。19は磁性コア17a・17b・17c及び励磁コ
イル18と加圧用剛性ステイ22の間を絶縁するための
絶縁部材である。
【0045】フランジ部材23a・23bはフイルムガ
イド部材16a,16bのアセンブリの左右両端部に外
嵌し、前記左右位置を固定しつつ回転自在に取り付け、
定着フイルム10の回転時に該定着フイルムの端部を受
けて、この定着フイルム10のフイルムガイド部材長手
に沿う寄り移動を規制する役目をする。
【0046】加圧部材としての加圧ローラ30は、芯金
30aと、前記芯金周りに同心一体にローラ状に成形被
覆させた、シリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂な
どの耐熱性・弾性材層30bとで構成されており、芯金
30aの両端部を装置の不図示のシャーシ側板金間に回
転自由に軸受け保持させて配設してある。
【0047】加圧用剛性ステイ22の両端部と装置シャ
ーシ側のバネ受け部材29a・29bとの間にそれぞれ
加圧バネ25a・25bを縮設することで加圧用剛性ス
テイ22に押し下げ力を作用させている。これによりフ
イルムガイド部材16aの下面と加圧ローラ30の上面
とが定着フイルム10を挟んで圧接して所定幅の定着ニ
ップ部Nが形成される。
【0048】加圧ローラ30は駆動手段Mにより矢示の
反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ30と定
着フイルム10の外面との摩擦力で該定着フイルムに回
転力が作用し、前記定着フイルム10の内面が定着ニッ
プ部Nにおいて良熱伝導性部材40の下面に密着して摺
動しながら、矢示の時計方向に加圧ローラ30の回転周
速度にほぼ対応した周速度をもってフイルムガイド部材
16a,16bの外回りを回転状態になる。
【0049】この場合、定着ニップ部Nにおける良熱伝
導性部材40の下面と定着フイルム10の内面との相互
摺動摩擦力を低減化させるため、定着ニップ部Nの良熱
伝導性部材40の下面と定着フイルム10の内面との間
に耐熱性グリスなどの潤滑剤を介在させる、あるいは良
熱伝導性部材40の下面を潤滑部材で被覆することもで
きる。これは、良熱伝導性部材40としてアルミニウム
を用いた場合のように表面滑り性が材質的によくない或
いは仕上げ加工を簡素化した場合に、摺動する定着フイ
ルム10に傷をつけて該定着フイルムの耐久性が悪化す
ることを防ぐものである。
【0050】良熱伝導性部材40は長手方向の温度分布
を均一にする効果があり、例えば、小サイズ紙を通紙し
た場合、定着フイルム10での非通紙部の熱量が良熱伝
導性部材40へ伝熱し、良熱伝導部材10における長手
方向の熱伝導により、非通紙部の熱量が小サイズ紙通紙
部へ伝熱される。これにより、小サイズ紙通紙時の消費
電力を低減させる効果も得られる。
【0051】また、図5に示すように、フイルムガイド
部材16aの周面に、その長手に沿い所定の間隔を置い
て凸リブ部16eを形成具備させ、フイルムガイド部材
16aの周面と定着フイルム10の内面との接触摺動抵
抗を低減させて該定着フイルムの回転負荷を少なくして
いる。このような凸リブ部はフイルムガイド部材16b
にも同様に形成具備することができる。
【0052】図6は交番磁束の発生の様子を模式的に表
した図であり、(a)は電磁誘導発熱層1及び磁性コア
17a,17b,17cに導かれた交番磁束cの状態
図、(b)はその交番磁束の一部を表すグラフ図であ
る。
【0053】磁性コア17a・17b・17cに導かれ
た交番磁束Cは、磁性コア17aと磁性コア17bとの
間、そして磁性コア17aと磁性コア17cとの間にお
いて定着フイルム10の電磁誘導発熱層1(図8参照)
に渦電流を発生させる。この渦電流は電磁誘導発熱層1
の固有抵抗によって電磁誘導発熱層1にジュール熱(渦
電流損)を発生させる。
【0054】ここでの発熱量Qは電磁誘導発熱層1を通
る磁束の密度によって決まり、図6(b)のグラフ図に
示すような分布を示す。この図6(b)のグラフ図は、
縦軸が磁性コア17aの中心を0とした角度θで表した
定着フイルム10における円周方向の位置を示し、横軸
が定着フイルム10の電磁誘導発熱層1での発熱量Qを
示す。ここで、発熱域Hは最大発熱量をQとした場合、
発熱量がQ/e以上の領域と定義する。これは、定着に
必要な発熱量が得られる領域である。
【0055】定着ニップ部Nの温度は、不図示の温度検
知手段を含む温調系により励磁コイル18に対する電流
供給が制御されることで所定の温度が維持されるように
温調される。26は定着フイルムを検知するサーミスタ
などの温度センサであり、本例においては温度センサ2
6で測定した定着フイルム10の温度情報をもとに定着
ニップ部Nの温度を制御するようにしている。
【0056】而して、定着フイルム10が回転し、励磁
回路27から励磁コイル18への給電により、上記のよ
うに定着フイルム10の電磁誘導発熱がなされて、定着
ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態
において、画像形成手段部から搬送された未定着トナー
画像tの形成された被記録材Pが、定着ニップ部Nの定
着フイルム10と加圧ローラ30との間に画像面を上向
き、即ち定着フイルム面に対向して導入され、定着ニッ
プ部Nにおいて画像面が定着フイルム10の外面に密着
して該定着フイルムと一緒に該定着ニップ部を挟持搬送
されていく。
【0057】この定着ニップ部Nを定着フイルム10と
一緒に被記録材Pが挟持搬送されていく過程において、
定着フイルム10の電磁誘導発熱で加熱されて被記録材
P上の未定着トナー画像tが加熱定着される。被記録材
Pは定着ニップ部Nを通過すると、定着フイルム10の
外面から分離して排出搬送され、この被記録材上の加熱
定着トナー画像は定着ニップ部通過後、冷却して永久固
着像となる。
【0058】本例においては、図2に示すように、定着
フイルム10の発熱域H(図6)の対向位置に、暴走時
に励磁コイル18への給電を遮断するための温度検知素
子であるサーモスイッチ50を配設している。
【0059】図7は本例で使用した安全回路の回路図で
ある。温度検知素子であるサーモスイッチ50は十24
Vの直流(DC)電源とリレースイッチ51と直列に接
続されており、サーモスイッチ50が切れると、リレー
スイッチ51への給電が遮断され、リレースイッチ51
が動作し、励磁回路27への給電が遮断されることによ
り、励磁コイル18への給電を遮断する構成をとってい
る。サーモスイッチ50はOFF動作温度を220℃に
設定した。
【0060】また、サーモスイッチ50は定着フイルム
10の発熱域Hに対向して該定着フイルム10の外面に
非接触に配設した。サーモスイッチ50と定着フイルム
10との間の距離は略2mmとした。これにより、定着
フイルム10にサーモスイッチ50の接触による傷が付
くことがなく、耐久による定着画像の劣化を防止するこ
とができる。
【0061】本例によれば、装置故障による定着装置暴
走時、前記図15に示した従来の定着装置のような定着
ニップNで発熱する構成とは違い、定着ニップ部Nの入
り口側上部で発熱するため、定着ニップ部Nに被記録材
Pが挟まった状態で定着装置が停止し、励磁コイル18
に給電が続けられ、定着フイルム10が発熱し続けた場
合でも、被記録材Pが挟まっている定着ニップ部Nでは
発熱していないために、被記録材Pが直接加熱されるこ
とがない。また、発熱量が多い発熱域Hには、サーモス
イッチ50が配設してあるため、サーモスイッチ50が
220℃を感知して、サーモスイッチが切れた時点で、
リレースイッチ51により励磁コイル18への給電が遮
断される。
【0062】本例によれば、被記録材Pの発火温度は約
400℃近辺であるため、被記録材Pが発火することな
く、定着フィルムの発熱を停止することができる。温度
検知素子としてサーモスイッチのほかに温度ヒューズを
用いることもできる。
【0063】本例ではトナーに低軟化物質を含有させた
トナーを使用したため、定着装置にオフセット防止のた
めのオイル塗布機構を設けていないが、低軟化物質を含
有させていないトナーを使用した場合には、オイル塗布
機構を設けてもよい。また、低軟化物質を含有させたト
ナーを使用した場合にもオイル塗布や冷却分離を行って
もよい。 A)励磁コイル18 励磁コイル18はコイル(線輸)を構成させる導線(電
線)として、一本ずつがそれぞれ絶縁被覆された銅製の
細線を複数本束ねたもの(束線)を用い、これを複数回
巻いて励磁コイルを形成している。本例では10ターン
巻いて励磁コイル18を形成している。
【0064】絶縁被覆は定着フイルム10の発熱による
熱伝導を考慮して耐熱性を有する被覆を用いるのがよ
い。たとえば、アミドイミドやポリイミドなどの被覆を
用いるとよい。励磁コイル18は外部から圧力を加えて
密集度を向上させてもよい。励磁コイル18の形状は、
図2のように発熱層1の曲面に沿うようにしている。本
例では定着フイルム10の発熱層1と励磁コイル18と
の間の距離は略2mmになるように設定した。
【0065】励磁コイル保持部材19の材質としては絶
縁性に優れ、耐熱性がよいものがよい。例えば、フェノ
ール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹
脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹
脂、LCP樹脂などを選択するとよい。
【0066】磁性コア17a,17b,17c及び励磁
コイル18と、定着フイルム10の発熱層1の間の距離
はできる限り近づけた方が、磁束の吸収効率が高いので
あるが、この距離が5mmを越えると、この効率が著し
く低下するため5mm以内にするのがよい。また、5m
m以内であれば、定着フイルム10の発熱層1と励磁コ
イル18の距離が一定である必要はない。励磁コイル1
8の励磁コイル保持部材19からの引出線18a・18
b(図5)については、励磁コイル保持部材19から外
の部分について束線の外側に絶縁被覆を施している。 B)定着フイルム10 図8は本例における定着フイルム10の層構成模型図で
ある。本例の定着フイルム10は、電磁誘導発熱性の基
層となる金属フイルム等でできた発熱層1と、その外面
に積層した弾性層2と、その外面に積層した離型層3の
複合構造のものである。発熱層1と弾性層2との間の接
着、弾性層2と離型層3との間の接着のため、各層間に
プライマー層(不図示)を設けてもよい。略円筒形状で
ある定着フイルム10において発熱層1が内面側であ
り、離型層3が外面側である。前述したように、発熱層
1に交番磁束が作用することで該発熱層に渦電流が発生
して発熱する。その熱が弾性層2・離型層3を介して定
着フイルム10を加熱し、前記定着ニップ部Nを通る被
記録材Pを加熱して未定着トナー画像tの加熱定着がな
される。 a.発熱層1 発熱層1はニッケル、鉄、強磁性SUS、ニッケル−コ
バルト合金といった強磁性体の金属を用いるとよい。非
磁性の金属でも良いが、より好ましくは磁束の吸収の良
いニッケル、鉄、磁性ステンレス、コバルト−ニッケル
合金等の金属が良い。その厚みは次の式で表される表皮
深さより厚くかつ200μm以下にすることが好まし
い。表皮深さσ[m]は、励磁回路の周波数f[Hz]
と透磁率μと固有抵抗ρ[Ωm]で σ=503×(ρ/fμ)1/2 と表される。
【0067】これは電磁誘導で使われる電磁波の吸収の
深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強
度は1/e以下になっており、逆にいうと殆どのエネル
ギーはこの深さまでで吸収されている(図10)。発熱
層1の厚さは好ましくは1〜100μmがよい。発熱層
1の厚みが1μmよりも小さいとほとんどの電磁エネル
ギーが吸収しきれないため効率が悪くなる。また、発熱
層が100μmを超えると剛性が高くなりすぎ、また屈
曲性が悪くなり回転体として使用するには現実的ではな
い。従って、発熱層1の厚みは1〜100μmが好まし
い。 b、弾性層2 弾性層2は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシ
リコーンゴム等で耐熱性がよく、熱伝導率がよい材質で
ある。弾性層2の厚さは10〜500μm好ましい。こ
の弾性層2は定着画像品質を保証するために必要な厚さ
である。
【0068】カラー画像を印刷する場合、特に写真画像
などでは被記録材P上で大きな面積に渡ってベタ画像が
形成される。この場合、被記録材Pの凹凸あるいは未定
着トナー画像層の凹凸に加熱面(離型層3)が追従でき
ないと加熱ムラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない部
分で画像に光沢ムラが発生する。伝熱量が多い部分は光
沢度が高く、伝熱量が少ない部分では光沢度が低い。弾
性層2の厚さとしては、10μm以下では被記録材Pあ
るいは未定着トナー画像層の凹凸に追従しきれず画像光
沢ムラが発生してしまう。また、弾性層2が1000μ
m以上の場合には該弾性層の熱抵抗が大きくなり、クイ
ックスタートを実現するのが難しくなる。より好ましく
は弾性層2の厚みは50〜500μmがよい。
【0069】弾性層2の硬度は、硬度が高すぎると、被
記録材Pあるいは未定着トナー画像層の凹凸に追従しき
れず画像光沢ムラが発生してしまう。そこで、弾性層2
の硬度としては60°(JIS−A)以下、より好まし
くは45°(JIS−A)以下がよい。
【0070】弾性層2の熱伝導率λに関しては、 6×10-4〜2×10-3[ca1/cm・sec・de
g] がよい。
【0071】熱伝導率λが6×10-4〔ca1/cm・
sec・deg]よりも小さい場合には、熱抵抗が大き
く、定着フイルムの表層(離型層3)における温度上昇
が遅くなる。
【0072】熱伝導率λが2×-3[ca1/cm・se
c・deg]よりも大きい場合には、硬度が高くなりす
ぎたり、圧縮永久歪みが悪化する。
【0073】よって、熱伝導率λは6×10-4〜2×1
-3[ca1/cm・sec・deg]がよい。より好
ましくは8×10-4〜1.5×10-3[ca1/cm・
sec・deg]がよい。 c.離型層3 離型層3はフッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリ
コーンゴム、フッ素ゴム、ジリコーンゴム、PFA,P
TFE,FEP等の離型性かつ耐熱性のよい材料を選択
することができる。
【0074】離型層3の厚さは1〜100μmが好まし
い。離型層3の厚さが1μmよりも小さいと、塗膜の塗
ムラで離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足する
といった問題が発生する。また、離型層が100μmを
超えると、熱伝導が悪化するという問題が発生し、特に
樹脂系の離型層の場合は硬度が高くなりすぎ、弾性層2
の効果がなくなってしまう。
【0075】また、図9に示すように、定着フイルム1
0の構成において、発熱層1のフイルムガイド面側(発
熱層1の弾性層2とは反対面側)に断熱層4を設けても
よい。断熱層4としては、フッ素樹脂・ポリイミド樹脂
・ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹
脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹
脂、FEP樹脂などの耐熱樹脂がよい。
【0076】また、断熱層4の厚さとしては10〜10
00μmが好ましい。断熱層4の厚さが10μmよりも
小さい場合には断熱効果が得られず、また、耐久性も不
足する。一方、1000μmを超えると磁性コア17a
・17b・17c及び励磁コイル18から発熱層1の距
離が大きくなり、磁束が十分に発熱層1に吸収されなく
なる。断熱層4は、発熱層1に発生した熱が定着フイル
ム10の内側に向かわないように断熱できるので、断熱
層4がない場合と比較して被記録材P側への熱供給効率
が良くなる。よって、消費電力を抑えることができる。
【0077】図11は本実施例におけるたわみ検出部と
してのループセンサ部の説明図である。図11におい
て、71はフォトインタラプタ、72はガイド支点、7
3は揺動式入口ガイド支点、74は制御CPUであり、
この制御CPU74はフォトインタラプタ71の出力信
号に基づいてシートの搬送状態を監視する監視部74
a、この監視部74aの出力に基づいてたわみ量、つま
りループ量が所定量を上回ったことを判断する判断部7
4b、この判断部74bからループ量が所定量R0を上
回ったことの判断信号の供給を受けると、報知手段とし
ての表示パネル75を作動させて、その旨を報知させる
とともに画像形成部のホストコンピュータ(図示せず)
に停止指示を行う制御部74cとを有する。
【0078】上記ループセンサ部は、画像形成部と定着
装置の間の搬送経路に設けられ、現像剤で現像された被
記録材Pが定着装置100へ入るとき、被記録材Pがル
ープP0を形成すると、揺動式入口ガイド72が揺動式
入口ガイド支点73を支点として図1右上方へ揺動す
る。このときフォトインタラプタ71の光を遮断するこ
とになり、ループの発生が検知される構成である。フォ
トインタラプタ71は光反射型センサ、プッシュスイッ
チ、タクトスイッチなどの位置検出が可能なセンサであ
ればどのようなものでも良い。
【0079】次に、図13、図14を参照してループ制
御及び、滑り検知方法について説明する。図13の制御
説明図において、細線は滑りの無い場合、太線は滑りの
あった場合のループ量を示すグラフである。T1はルー
プ検知時刻及び、定着装置100の高速駆動開始時刻,
T2は定着装置100の通常駆動開始時刻、T1nは滑
りの無い場合にループ状態を検知した時刻、T1sは滑
りのあった場合にループ状態を検知した時刻である。△
Tnは滑りの無い場合の正常印字状態におけるT2〜T
1n時間、△Tsは滑りがあった場合のT2〜T1s時
間である。
【0080】同様に図14の制御説明図において、細線
は滑りの無い場合、太線は滑りのあった場合のループ量
を示すグラフである。T1はループ検知時刻及び定着装
置100の高速駆動開始時刻、T2は定着装置100の
通常駆動開始時刻、△Tnは滑りの無い場合の正常印字
状態におけるT2〜T1n時間、△Tsは滑りがあった
場合のT2〜T1s時間である。
【0081】図13、図14とも、ループを減少させる
ために、定着装置100を高速駆動した時刻T1を起点
として、制御CPU74によってあらかじめ定められた
時間後に該制御CPUが定着装置100を通常駆動に戻
す時刻がT2である。△Tnと△Tsを比較すると、い
ずれの場合も △Tn>△Ts である。
【0082】これより、制御系固有の△Tnを求めてお
くことで、ループ制御において滑り検知を行うことがで
きる。具体的な制御方法としては、T2の通常駆動開始
時刻にタイマーをセットし、次にループが検知された時
刻との時間間隔が所定の時間より短かった場合を滑り有
りとすればよい。
【0083】本実施例では、滑り有りの場合、画像不良
があったとして、これを制御SPU74ヘ報知するする
と、制御CPU74の制御部74cは、その旨を表示パ
ネル75に表示するとともに画像形成装置のホストコン
ピュータヘ報知する。ユーザは報知情報に基づいて印字
データを再送することが可能となる。また、滑り検知の
状態を制御CPU74が把握できることにより、定着装
置100の自己診断機能のひとつとして実現することが
できる。
【0084】
【実施例2】実施例1の画像形成装置において、定着装
置100における滑りを検知するループ制御方法の第2
の実施例を説明する。
【0085】実施例1では、 △Tn=T2〜T1n △Ts=T2〜T1s としたが、本実施例2では、 △Tn=T1〜T1n △Ts=T1〜T1s とする。
【0086】これにより、定着装置の駆動切替えタイミ
ングをモニターしておく必要がなく、検知タイミングで
あるT1,T1n及びT1sの時刻のみモニターしてお
けばよい。さらに、ループセンサ部を構成するフォトイ
ンタラプタ71からの情報のみで、滑り検知が可能であ
るため、ループセンサ部にて滑り検知をすべて行うこと
も可能である。検知タイミングの周期だけを判断とする
ことで良く、時定数を持った計時回路でも良い。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、新
規に検出手段を設けることなく、既存のたわみ検出部と
してのループセンサを用いて、定着装置におけるシート
の滑りを検知することができ、シートに形成される画像
不良をも検知することができ該画像不良を報知すること
が可能になり、ユーザに再印字を促すこともできるた
め、ユーザビリティが向上する。また、滑りによる画像
不良を検知することができ、画像形成装置の自己診断機
能を高め、ユーザに対して高品質な画像を提供する上
で、従来にない信頼性の高い画像形成装置を提供するこ
とが可能という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の概略構成図である。
【図2】加熱装置としての定着装置の要部の横断側面模
型図である。
【図3】同じく要部の正面模型図である。
【図4】同じく要部の横断正面模型図である。
【図5】磁場発生手段と励磁回路の関係を示した図であ
る。
【図6】磁場発生手段と発熱量Qの関係を示した図であ
る。
【図7】安全回路を示した図である。
【図8】電磁誘導発熱性の定着フイルムの層構成模型図
である。
【図9】電磁誘導発熱性の定着フイルムの層構成模型図
である。
【図10】発熱層深さと電磁波強度の関係を示したグラ
フ図である。
【図11】画像形成装置の概略構成図である。
【図12】電流共振のスイッチング部である。
【図13】本発明の実施例1のループ制御説明図であ
る。
【図14】本発明の実施例2のループ制御説明図であ
る。
【図15】従来の加熱装置としての定着装置の横断側面
模型図である。
【符号の説明】
1 発熱層 2 弾性層 3 雛型層 4 断熱層 10 定着フイルム 16 フイルムガイド 17 磁性コア 18 励磁コイル 19 励磁コイル保持部材 23a・23b 定着フイルム端部の規制・保持用フラ
ンジ部材 26 温度検知素子(サーミスタ) 27 励磁回路 30 加圧部材としての加圧ローラ 50 サーモスイッチ 71 フォトインタラプタ 72 揺動式入口ガイド 73 揺動入りロガイド支点 74 制御CPU 75 表示パネル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シートに未定着画像を形成する画像形成部
    と、この未定着画像をシートに加熱固定する定着部と、
    前記画像形成部と前記定着部とのシート搬送経路周辺に
    配置され、シートのたわみを検知するたわみ検出部とを
    有する画像形成装置において、前記たわみ検出部の検出
    タイミングによって前記シートの搬送状態を監視するこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】請求項1の画像形成装置において、前記た
    わみ検出部の検出時間によって前記定着部におけるシー
    トの搬送状態を監視し、シートのたわみ量が所定量を上
    回ったと判断される場合に、これを報知することを特徴
    とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】請求項1の画像形成装置において、前記た
    わみ検出部の検出時間によって前記定着部におけるシー
    トの搬送状態を監視し、シートのたわみ量が所定量を上
    回ったと判断される場合に、前記定着部でシートの搬送
    むらがあったとしてこれを報知することを特徴とする画
    像形成装置。
  4. 【請求項4】請求項1の画像形成装置において、前記た
    わみ検出部における検出タイミングがあらかじめ定めた
    所定のタイミングと異なる場合に、シートの搬送異常と
    してこれを報知することを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7758044B2 (en) 2006-07-10 2010-07-20 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus, sheet conveying device, and sheet conveying method

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7758044B2 (en) 2006-07-10 2010-07-20 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus, sheet conveying device, and sheet conveying method

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