JP2002054567A - 往復動式圧縮機 - Google Patents

往復動式圧縮機

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JP2002054567A
JP2002054567A JP2000247063A JP2000247063A JP2002054567A JP 2002054567 A JP2002054567 A JP 2002054567A JP 2000247063 A JP2000247063 A JP 2000247063A JP 2000247063 A JP2000247063 A JP 2000247063A JP 2002054567 A JP2002054567 A JP 2002054567A
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JP
Japan
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valve
disk
suction valve
piston
suction
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Withdrawn
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JP2000247063A
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English (en)
Inventor
Kenji Nakajima
健次 中嶋
Jiro Yasuda
治郎 安田
Tatsuya Kitahata
達也 北畑
Junichi Sakurai
順一 櫻井
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Keihin Corp
Original Assignee
Keihin Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】往復動式圧縮機において、ピストンに設けられ
た吸入口を開閉自在に覆う吸入弁の耐久性を確保すると
ともに、該吸入弁の開度を流体の吸入量に応じて調整す
る。 【解決手段】ピストン16の第1および第2円盤部74
a、74bには、中央部から一端部側に偏在して吸気口
(吸入口)94a〜94cが設けられている。また、第
1および第2円盤部74a、74bの他端部側には、吸
入弁98の開閉部100が該第1または第2円盤部74
a、74bから離間する方向と逆方向に指向して低くな
る傾斜が設けられている。この傾斜が存在することによ
り、該他端部と、吸気口94a〜94cを開閉自在に覆
う吸入弁98が有する連結部104とが互いに離間す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、往復動式圧縮機に
関し、一層詳細には、吸入弁の耐久性を確保することが
可能で、しかも、流体の吸入量に応じて吸入弁の開度を
調整することが可能な往復動式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用空調装置は、通常、凝縮器、蒸
発器および圧縮機等を備えている。外部から導入された
エアは、蒸発器へと送られ、該蒸発器のチューブ内を流
通する液状冷媒と互いに熱交換される。その結果、エア
は潜熱を奪われることにより冷却され、この冷却された
エアが自動車の車内冷房に供される。一方、液状冷媒は
気化してガス状冷媒となる。
【0003】ガス状冷媒は、次いで、圧縮機により高温
・高圧状態にされる。その後、凝縮器へと送気され、該
凝縮器にて冷却されることにより凝縮して液状冷媒とな
る。ガス状冷媒が圧縮機により高温・高圧状態にされる
ことにより、凝縮器における該ガス状冷媒の凝縮が比較
的容易に起こるようになる。そして、液状冷媒が蒸発器
に送液された後、上記のサイクルが繰り返されることに
より自動車の車内冷房が連続的に行われる。
【0004】上記したような作用を営む圧縮機として
は、往復動式圧縮機が例示されるが、その中でも特に、
斜板に嵌合されたピストンが前記斜板の回転動作に伴い
シリンダ内を往復動作する、いわゆる斜板式圧縮機が広
汎に使用されている。
【0005】ここで、一般的な斜板式圧縮機が備えるピ
ストンの長手方向概略断面図を図16に示すとともに、
その正面図を図17に示す。このピストン1において
は、円盤部2の中央部から一端部側に偏在して吸気口
3、3が設けられており、これら吸気口3、3は、吸入
弁4により開閉される。
【0006】なお、吸入弁4は、貫通孔5に通されたリ
ベット6が円盤部2に設けられたリベット穴7に嵌合さ
れることによってピストン1に保持されている。
【0007】吸気口3、3を通過したガス状冷媒は、該
吸気口3、3内の圧力とシリンダ8における圧縮室8a
内の圧力とに所定の差が生じた場合に吸入弁4の開閉部
4a(図17参照)を押し開く。これによりガス状冷媒
が圧縮室8a(図16参照)に導入される。
【0008】なお、この際、吸入弁4の開閉部4aは、
図18に示すように、2本のアーム部4b、4b(図1
7参照)が撓むことにより円盤部2から離間する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】吸入弁4の開閉部4a
の円盤部2からの離間距離は、アーム部4b、4bのば
ね定数に依存する。すなわち、アーム部4b、4bのば
ね定数が小さいほど開閉部4aの離間距離が大きくな
る。
【0010】ところで、ガス状冷媒の圧縮室8aへの導
入量を増加させようとする場合、開閉部4aの離間距離
を大きくして1回の吸入量を増加させる必要がある。こ
れを達成するためには、上記から諒解されるように、吸
入弁4としてアーム部4b、4bのばね定数が小さいも
のを使用すればよい。
【0011】しかしながら、ばね定数が過剰に小さいア
ーム部4b、4bは塑性変形を生じ易く、このために開
閉部4aが吸気口3、3を閉塞することができなくなる
という不具合が生じることがある。この場合、ガス状冷
媒の一部が吸気口3、3内を逆流するので、圧縮室8a
内に導入されたガス状冷媒を効率よく圧縮することがで
きなくなる等の不都合を招く。
【0012】また、アーム部4b、4bが塑性変形され
ることにより該アーム部4b、4bが損傷に至る場合も
ある。すなわち、アーム部4b、4bのばね定数を小さ
くした場合、吸入弁4の耐久性を確保することが困難と
なる。
【0013】このような事態を回避するために、吸入弁
4として、ばね定数が大きなアーム部4b、4bを有す
るものを使用することが通例となっている。しかしなが
ら、この場合、開閉部4aの円盤部2からの離間距離を
大きくすることができない。すなわち、ガス状冷媒の吸
入量を増加させることは困難である。
【0014】このように、吸入弁4の耐久性を確保しな
がらガス状冷媒の吸入量を増加させることには著しい困
難を伴っている。
【0015】本発明は上記した問題を解決するためにな
されたもので、ばね定数が大きな吸入弁であっても容易
に吸気口から離間させることが可能であり、このために
吸入弁の耐久性を確保することが可能であるとともにガ
ス状冷媒の吸入量を増加させることが可能で、しかも、
吸入弁の円盤部からの離間距離をガス吸入量に応じて調
整することが可能な往復動式圧縮機を提供することを目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、シリンダ内をピストンが往復動作する
ことにより流体を圧縮する往復動式圧縮機において、前
記ピストンは、吸入口が中央部より一端部側に偏在して
貫通形成されているとともに前記吸入口を開閉自在に覆
う吸入弁が傾動自在に支持された円盤部を有し、前記吸
入弁が前記吸入口を閉塞している際には、該吸入弁と前
記円盤部の他端部側とが互いに離間していることを特徴
とする。
【0017】この往復動式圧縮機では、吸入弁が流体に
より押圧された際に、該吸入弁がまず傾動することによ
り吸入口が開放される。すなわち、吸入弁を撓ませるこ
となく吸入口を容易に開放することができる。このた
め、該吸入弁としてばね定数の大きなもの、すなわち、
高剛性のものを使用することができるので、吸入弁の耐
久性を確保することができる。
【0018】流体の吸入量がさらに増加される場合に
は、吸入弁が撓む。すなわち、吸入弁の円盤部からの離
間は段階的に行われる。換言すれば、流体の吸入量に応
じて吸入弁の開度を調整することができる。
【0019】前記離間は、例えば、前記円盤部の他端部
側を、前記開閉部が前記円盤部から離間する方向と逆方
向に指向して低くなるように傾斜させることにより達成
することができる。
【0020】この場合、前記円盤部の他端部側の傾斜角
度を傾斜途中で変化させることが好ましい。これにより
吸入弁の円盤部からの離間がさらに多段階となるので、
吸入弁の開度を様々に調整することができるからであ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る往復動式圧縮
機につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照し
て詳細に説明する。
【0022】本実施の形態に係る往復動式圧縮機を図1
に示す。この往復動式圧縮機10においては、所定の角
度で傾斜した状態で回転軸12に固定された円盤状の斜
板14が回転動作することに伴い、該斜板14に嵌合さ
れたピストン16がシリンダ18内を往復動作する。す
なわち、この往復動式圧縮機10はいわゆる斜板式圧縮
機であり、自動車用空調装置においてガス状冷媒(流
体)を蒸発器から凝縮器へと送気するためのものとして
好適に使用される。
【0023】この往復動式圧縮機10のケーシングは、
リアハウジング20、リアシリンダブロック22、フロ
ントシリンダブロック24およびフロントハウジング2
6が図1における左方からこの順序で連結されてなり、
リアハウジング20とリアシリンダブロック22との
間、およびフロントシリンダブロック24とフロントハ
ウジング26との間にはバルブプレート28、28がそ
れぞれ介装されている。そして、両バルブプレート2
8、28とリアシリンダブロック22およびフロントシ
リンダブロック24とにより、図1のII−II線矢視
概略断面図である図2に示すように、72°の角度で互
いに離間した5本のシリンダ18がケーシングの内部に
形成される。勿論、ピストン16は全てのシリンダ18
内に配置されている。
【0024】フロントハウジング26(図1参照)の一
端面の中央には中空円筒部30が突出形成されており、
該中空円筒部30の外周壁部には電磁クラッチ32がベ
アリング33を介して回転自在に嵌合されている。ま
た、リアシリンダブロック22には導入ポート34およ
び導出ポート36が形成されており、かつリアシリンダ
ブロック22とフロントシリンダブロック24には、流
路38を介して導出ポート36に連通する室40が形成
されている。
【0025】一方、リアシリンダブロック22、フロン
トシリンダブロック24およびフロントハウジング26
には貫通孔42、44、46がそれぞれ形成されてお
り、回転軸12はこれら貫通孔42、44、46を通る
ことによりケーシング内に収容されている。なお、リア
シリンダブロック22およびフロントシリンダブロック
24の各貫通孔42、44と回転軸12との間にはラジ
アルベアリング48、48がそれぞれ介装されており、
回転軸12はこれらラジアルベアリング48、48を介
してリアシリンダブロック22およびフロントシリンダ
ブロック24に回転自在に支持されている。また、フロ
ントハウジング26の貫通孔46と回転軸12との間
は、シール部材50によりシールがなされている。
【0026】フロントハウジング26の貫通孔46は、
該貫通孔46に比して小径な小貫通孔52を介して中空
円筒部30の中空部と連通している。回転軸12の一端
部は、この小貫通孔52を通って中空円筒部30の外部
に突出することによりフロントハウジング26に支持さ
れている。この突出した回転軸12の一端部にはボルト
穴54が形成されており、該ボルト穴54に螺着された
ボルト56により回転軸12と電磁クラッチ32を構成
するハブ58とが互いに連結されている。
【0027】回転軸12の中央部には第1〜第4ディス
ク60、62、64、66が嵌合されており、かつ第1
ディスク60と第2ディスク62との間には第1スラス
トベアリング68、第2ディスク62と第3ディスク6
4との間には斜板14、第3ディスク64と第4ディス
ク66との間には第2スラストベアリング70がそれぞ
れ介装されるとともに回転軸12に嵌合されている。
【0028】斜板14の円盤部は、リアシリンダブロッ
ク22、フロントシリンダブロック24および両バルブ
プレート28、28により形成されるシリンダ18内ま
で延在している。そして、この円盤部には半球状シュー
72、72を介してピストン16が嵌合されており、後
述するように、斜板14が回転動作することに伴ってピ
ストン16がシリンダ18内を往復動作する。
【0029】ピストン16は、図3に示されるように、
略左右対称である。このピストン16は、第1および第
2円盤部74a、74bと、該第1および第2円盤部7
4a、74bからそれぞれ延在してテーパ状に縮径した
テーパ部76、76および半球状溝77、77が形成さ
れたシュー受部78、78を有する第1および第2吸気
部80a、80bと、シュー受部78、78同士を連結
する連結部82とが一体的に構成されてなる。なお、第
1吸気部80aと第2吸気部80bとは、シュー受部7
8、78同士が互いに対向しかつ所定の間隔で離間する
ように配置されている。
【0030】連結部82の最大高さは、斜板14の逃げ
を確保するために、各シュー受部78の半球状溝77の
図3における中心よりやや下方となるように設定されて
いる。
【0031】この連結部82からは、図4に示すよう
に、第1および第2円盤部74a、74bの直径方向と
平行にウェブ部84が突出しており、該ウェブ部84
は、第1円盤部74aから第2円盤部74bに亘って橋
架されている。すなわち、第1および第2円盤部74
a、74bはウェブ部84を介して互いに一体的に連結
されており、これによりピストン16の剛性が向上され
ている。
【0032】ウェブ部84の高さは、連結部82と同一
高さに設定されている(図3参照)。ウェブ部84を連
結部82に比して高くした場合、斜板14の逃げを確保
するために、該ウェブ部84におけるシュー受部78、
78同士の間の部位を切り欠く等の後加工が必要となる
からである。
【0033】第1および第2円盤部74a、74bの側
周壁部には溝86、86がそれぞれ設けられており、該
溝86、86にはリング状シール部材88、88が嵌合
されている。第1および第2円盤部74a、74bの厚
みは、このリング状シール部材88、88よりやや大き
い程度である。
【0034】また、図3およびピストン16の正面図で
ある図5から諒解されるように、第1および第2吸気部
80a、80bのテーパ部76、76の上方から第1お
よび第2円盤部74a、74bに至るまで、ケーシング
(図1参照)の導入ポート34から導入されたガス状冷
媒をバルブプレート28、28に形成された吐出口9
2、92へと送気するための通路である吸気口94a〜
94cが貫通形成されている。この場合、テーパ部7
6、76を避けることなく吸気口94a〜94cを設け
ることができるので、該吸気口94a〜94cの形状や
位置を自在に設定することができる。したがって、テー
パ部76、76を設けることに伴ってガス状冷媒のシリ
ンダ18への吸入効率が低下することはない。
【0035】吸気口94a〜94cの第1および第2円
盤部74a、74b側の開口、すなわち、ガス状冷媒の
出口には、吸入弁98が開閉自在に配設されている(図
5参照)。この吸入弁98は、図6に示すように、吸気
口94a〜94cを開閉する開閉部100と、該開閉部
100の両下端部から延在する第1および第2アーム部
102a、102bと、該第1および第2アーム部10
2a、102bを互いに連結する連結部104と、該連
結部104から立ち上がった固定部106とを有し、こ
のうち、固定部106には貫通孔108が形成されてい
る。
【0036】この貫通孔108には、リベット110
(図1、図3、図4および図5参照)の胴部が通されて
おり、該胴部は、ピストン16に設けられたリベット穴
112(図1および図3参照)に嵌合されている。この
嵌合により、吸入弁98、98が第1および第2円盤部
74a、74bに連結されている。また、各吸入弁98
はリベット110の塑性変形された頭部113により第
1および第2円盤部74a、74bに指向して常時押圧
されており、これにより該吸入弁98の回り止めがなさ
れている。
【0037】ここで、図3から諒解されるように、第1
および第2円盤部74a、74bにおける吸気口94a
〜94cが形成されていない側の端部は、リベット穴1
12を起点として、開閉部100が第1および第2円盤
部74a、74bから離間する方向と逆方向に指向して
傾斜しており、このために該端部と吸入弁98とは互い
に離間している。
【0038】図7に示すように、この端部は、まず角度
αで傾斜し、次に角度βで傾斜している。すなわち、こ
の端部の傾斜角度は傾斜途中で変化している。このた
め、後述するように、吸入弁98の開閉部100は、第
1または第2円盤部74a、74bから3段階で離間す
る。
【0039】第1および第2吸気部80a、80b(図
3参照)のシュー受部78、78の半球状溝77、77
には半球状シュー72、72の半球部が収容されてお
り、該半球状シュー72、72の平面部同士は斜板14
の円盤部を介して対向している(図1参照)。すなわ
ち、斜板14は2個の半球状シュー72、72で挟持さ
れており、これによりピストン16が斜板14に嵌合さ
れている。
【0040】両バルブプレート28、28には、上記し
たように、シリンダ18内で圧縮されたガス状冷媒を吐
出するための吐出口92、92がそれぞれ形成されてい
る。各シリンダ18とフロントハウジング26およびリ
アハウジング20の各室40とは、これら吐出口92、
92により連通されている。
【0041】各吐出口92の形状は、リベット110の
頭部に比してやや大きく形成されている。すなわち、ピ
ストン16が死点に到達した場合、図1に示すように、
リベット110の頭部は遊びがある状態で吐出口92に
挿入される。
【0042】吐出口92の室40側の開口には、図8に
示すように、吐出弁116が配置されている。この吐出
弁116は、円環部118と、該円環部118からそれ
ぞれ延在してかつ互いに72°離間した5本の枝部12
0と、各枝部120の先端部に形成された円状部122
とを一体的に有する。円環部118の中央には大貫通孔
124が形成されており、フロントハウジング26側の
吐出弁116における該大貫通孔124には回転軸12
が通されている。また、該大貫通孔124の周囲にはピ
ン125(図1参照)を通すためのピン孔126が設け
られている。一方、各円状部122は、各シリンダ18
の吐出口92を開閉自在に覆っている。
【0043】吐出弁116の外側には、図9に示すよう
に、吐出弁用バルブストッパ128が配置されている。
該吐出弁用バルブストッパ128は、小円環部130
と、該小円環部130から一体的に延在して互いに72
°離間した5本の枝部132とを有し、吐出弁116の
枝部120(図8参照)は、バルブプレート28、28
と吐出弁用バルブストッパ128の枝部132との間に
介装されている。
【0044】各枝部132は、吐出弁116の枝部12
0と円状部122との境界に対応する位置からフロント
ハウジング26またはリアハウジング20の室40側に
指向して屈曲し、かつ円状部122の端部に対応する位
置からバルブプレート28、28側に指向して屈曲した
屈曲部134を有する(図1および図9参照)。吐出弁
116の円状部122(図8参照)がバルブプレート2
8、28から離間した際、該円状部122は、吐出弁用
バルブストッパ128(図9参照)の屈曲部134に当
接して支持される。
【0045】また、吐出弁用バルブストッパ128の枝
部132同士は、該枝部132と一体的な大円環部13
6により互いに全て連結されている。この大円環部13
6には、ボルト孔137が設けられた複数個の固定部1
38が突出形成されている。すなわち、フロントシリン
ダブロック24とフロントハウジング26との間または
リアシリンダブロック22とリアハウジング20との間
に介装された吐出弁用バルブストッパ128は、ボルト
孔137を通ってフロントハウジング26からリアハウ
ジング20までを連結する図示しないボルトによりケー
シングに位置決め固定される。
【0046】さらに、吐出弁用バルブストッパ128の
小円環部130には、吐出弁116の円環部118のピ
ン孔126に対応する位置にピン孔140が設けられて
いる。これら両ピン孔126、140を通ったピン12
5(図1参照)がフロントシリンダブロック24とフロ
ントハウジング26、またはリアシリンダブロック22
とリアハウジング20に螺着されることにより、吐出弁
116がケーシングに位置決め固定される。
【0047】リアハウジング20の各室40およびフロ
ントハウジング26の各室40は流路38に連通してお
り、かつ該流路38は導出ポート36に連通している。
すなわち、各室40は流路38を介して導出ポート36
に連通しており、導入ポート34から往復動式圧縮機1
0内に導入されたガス状冷媒は、シリンダ18内にてピ
ストン16で圧縮された後、吐出口92、室40を介し
て導出ポート36から導出される。
【0048】フロントハウジング26の中空円筒部30
の外周壁部に嵌合された電磁クラッチ32(図1参照)
は、回転軸12を回転動作または回転停止させるための
機器である。
【0049】この電磁クラッチ32は、上記したハブ5
8と、該ハブ58にボルト141を介して連結されたク
ラッチ板142と、ロータ144と、該ロータ144内
に収容された電磁石コイル146とを具備して構成され
ている。このうち、ロータ144の側周壁部には図示し
ないベルトが装着されており、該ベルトは自動車用内燃
機関(図示せず)を構成する駆動軸(図示せず)にも装
着されている。また、ハブ58には、上記したように、
ボルト56を介して回転軸12が連結されている。
【0050】電磁石コイル146への通電または通電停
止は、自在に設定することができる。後述するように、
電磁石コイル146へ通電または通電停止することによ
り、回転軸12を回転動作または停止させることができ
る。
【0051】本実施の形態に係る往復動式圧縮機10は
基本的には以上のように構成されるものであり、次にそ
の作用について説明する。
【0052】まず、図示しない自動車用内燃機関を付勢
することにより該自動車用内燃機関を構成する駆動軸
(図示せず)を回転動作させる。その結果、前記ベルト
の作用によりロータ144(図1参照)が回転付勢され
る。
【0053】ここで、電磁石コイル146への通電がな
されていない場合、クラッチ板142がロータ144に
引き寄せられることはない。このため、クラッチ板14
2とロータ144とが互いに離間した状態を維持するの
で、ロータ144が回転動作することに伴いクラッチ板
142およびハブ58が回転動作することはない。した
がって、回転軸12が回転動作することはない。
【0054】この際、往復動式圧縮機10のケーシング
内にガス状冷媒が導入されることはない。したがって、
図10に示すように、吸気口94a〜94cは吸入弁9
8の開閉部100により閉塞される。一方、吸入弁98
の連結部104は、第1または第2円盤部74a、74
bから離間している。
【0055】電磁石コイル146(図1参照)に通電が
なされた場合、磁力の発生により該電磁石コイル146
にクラッチ板142が引き寄せられ、その結果、クラッ
チ板142がロータ144に当接する。したがって、ロ
ータ144の回転動作に伴ってクラッチ板142および
ハブ58が回転動作し、これにより回転軸12が回転動
作される。この場合、斜板14も回転動作し、これによ
りピストン16がシリンダ18内を往復動作するに至
る。
【0056】図示しない蒸発器から導入ポート34を介
してケーシングの内部に導入されたガス状冷媒は、図示
しない供給通路を介してシリンダ18内に供給され、次
いで、ピストン16の第1および第2円盤部74a、7
4bに設けられた吸気口94a〜94cに到達して貯留
される。そして、ピストン16が後退動作することによ
り、第1または第2円盤部74a、74bとバルブプレ
ート28、28の間、すなわち、圧縮室が負圧となる
と、吸入弁98が圧力差によってガス状冷媒により押圧
される。
【0057】吸入弁98は、この押圧によって、図11
に示すように、まず角度αだけ傾動する。すなわち、開
閉部100が角度αをもって第1または第2円盤部74
a、74bから離間する。この離間に伴い、ガス状冷媒
が圧縮室に導入される。
【0058】吸気口94a〜94c内と圧縮室との圧力
差が高くなると、吸入弁98は、図12に示すように、
上記に続いて角度βだけさらに傾動する。その結果、開
閉部100は、角度(α+β)をもって第1または第2
円盤部74a、74bから離間することになる。この傾
動に伴い、さらに多量のガス状冷媒が圧縮室に導入され
る。一方、連結部104は端部に当接する。
【0059】前記圧力差がさらに高くなると、図13に
示すように、第1および第2アーム部102a、102
b(図5および図6参照)が該第1および第2アーム部
102a、102bと連結部104との連結箇所を起点
として撓む。これにより開閉部100が吸気口94a〜
94cから一層大きく離間する。すなわち、第1および
第2アーム部102a、102bが撓むことに伴い、一
層多量のガス状冷媒が圧縮室に導入される。
【0060】以上から諒解されるように、第1および第
2円盤部74a、74bに傾斜した端部が存在する場
合、開閉部100の第1または第2円盤部74a、74
bからの離間は、まず吸入弁98が傾動し、次に第1お
よび第2アーム部102a、102bが撓むことにより
遂行される。このため、傾斜した端部が存在しないため
に吸入弁4が傾動することができない上記従来技術に係
るピストン1(図16参照)に比して開閉部100を大
きく離間させることができる。
【0061】換言すれば、ピストン1とピストン16と
で吸入弁4および吸入弁98の離間距離を互いに等しく
する場合、ピストン16においては、吸入弁98のばね
定数を吸入弁4に比して大きくすることができる。この
ため、吸入弁98の耐久性が確保される。具体的には、
吸入弁98の肉厚を吸入弁4に比して大きくすればよ
い。
【0062】また、傾斜した端部の傾斜角度を途中で変
化させることにより、開閉部100が段階的に第1また
は第2円盤部74a、74bから離間する。したがっ
て、開閉部100の離間距離をガス状冷媒の吸入量に応
じて変化させることができる。
【0063】吸気口94a〜94c(図1参照)を通過
したガス状冷媒は、圧縮室に導入された後、該圧縮室内
でピストン16の前進動作により圧縮される。例えば、
図1においては、リアシリンダブロック22側の圧縮室
にガス状冷媒が導入されるとともにフロントシリンダブ
ロック24側の圧縮室で圧縮されたガス状冷媒が導出さ
れている状態が示されている。
【0064】この圧縮に伴い、圧縮室内の圧力が第2円
盤部74b側の吸気口94a〜94c内の圧力に比して
高くなるので、第2円盤部74b側の吸入弁98の開閉
部100が第2円盤部74bに指向して押圧される。そ
の結果、第2円盤部74b側の吸気口94a〜94cが
開閉部100により閉塞される。
【0065】すなわち、図1に示される場合、圧縮室に
てガス状冷媒が圧縮される際、第2円盤部74bに形成
された吸気口94a〜94cは吸入弁98の開閉部10
0により閉塞されている。このため、ガス状冷媒が吸気
口94a〜94cを逆流することがないので、ガス状冷
媒を効率よく圧縮することができる。
【0066】なお、ピストン16が死点に到達した際、
リベット110の頭部は吐出口92に遊びがある状態で
挿入される。このため、リベット110の頭部のために
ピストン16の死点を後退させる必要はない。したがっ
て、リベット110が存在することにより圧縮効率が低
下することはない。
【0067】図1において、シリンダ18のフロントシ
リンダブロック24側の圧縮室に供給され、かつ圧縮さ
れたガス状冷媒は、バルブプレート28に設けられた吐
出口92から室40へ導出される。この際、吐出弁11
6がガス状冷媒に押圧されて開き、吐出弁用バルブスト
ッパ128の枝部132の屈曲部134に当接する。
【0068】ガス状冷媒は、さらに、流路38を介して
導出ポート36へと送気され、次いで、該導出ポート3
6から図示しない凝縮器へと送気される。
【0069】なお、図1において、フロントシリンダブ
ロック24側の圧縮室に供給されたガス状冷媒が圧縮さ
れて室40へと導出される一方で、次に圧縮・導出され
るガス状冷媒がリアシリンダブロック22側の圧縮室に
導入される。
【0070】そして、斜板14が1/2回転動作する
と、斜板14の円盤部は、図14に示されるように図1
と逆位相となる。その結果、ピストン16が図14にお
ける右端へと移動し、これに伴いリアシリンダブロック
22側の圧縮室に導入されたガス状冷媒が圧縮・導出さ
れるとともに、次に圧縮・導出されるガス状冷媒がフロ
ントシリンダブロック24側の圧縮室に導入される。す
なわち、1本のシリンダ18においては、回転軸12が
1回転することに伴ってガス状冷媒の吸入・排気が営ま
れる。
【0071】勿論、第1円盤部74a側の吸入弁98に
おいても、上記第2円盤部74b側の吸入弁98と同様
に、該吸入弁98が傾動した後に第1および第2アーム
部102a、102bが撓むことにより開閉部100が
段階的に第1円盤部74aから離間する。このため、開
閉部100の離間距離がガス状冷媒の吸入量に応じて調
整されるとともに、該吸入弁98の耐久性を確保するこ
とができる。
【0072】なお、上記した実施の形態においては、第
1および第2円盤部74a、74bの端部を傾斜させる
ことにより該端部と吸入弁98の連結部104とを互い
に離間させているが、図15に示すように、段部180
を設けて端部と吸入弁98の連結部104とを互いに離
間させるようにしてもよい。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る往復
動式圧縮機によれば、流体が吸入されない際、吸入口が
中央部より一端部側に偏在して貫通形成された円盤部の
他端部側と、前記吸入口を開閉自在に覆う吸入弁とが互
いに離間するようにピストンが構成されている。したが
って、ガス状冷媒等の流体が吸入口から導出される際、
まず、吸入弁が傾動して円盤部の他端部側に当接するこ
とにより吸入口が開放される。
【0074】このように、吸入弁を傾動させることによ
り該吸入弁を円盤部から容易に離間させることができる
ので、該吸入弁として厚肉なもの、すなわち、ばね定数
の大きなものを使用することができる。このため、吸入
弁の耐久性を確保することができるという効果が達成さ
れる。
【0075】しかも、吸入弁は傾動した後に撓む。すな
わち、吸入弁は段階的に円盤部から離間する。このた
め、吸入弁の円盤部からの離間距離、すなわち、吸入弁
の開度を、流体の吸入量に応じて調整することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る往復動式圧縮機の縦断面概
略構成図である。
【図2】図1のII−II線矢視概略断面図である。
【図3】図1の往復動式圧縮機が有するピストンの要部
拡大一部縦断面図である。
【図4】図3に示すピストンの概略平面図である。
【図5】図3に示すピストンの概略正面図である。
【図6】前記ピストンに連結された吸入弁の概略正面図
である。
【図7】図3の要部拡大説明図である。
【図8】吐出口の開口に配置された吐出弁の全体構成説
明図である。
【図9】図8の吐出弁が開いた際に該吐出弁の円状部に
当接して支持する吐出弁用バルブストッパの全体構成説
明図である。
【図10】吸入弁が吸気口を閉塞している状態を示す要
部拡大縦断面図である。
【図11】吸入弁が傾動して開閉部が円盤部から離間
し、吸気口が開放された状態を示す要部拡大縦断面図で
ある。
【図12】図11に続き吸入弁がさらに傾動した状態を
示す要部拡大縦断面図である。
【図13】吸入弁のアーム部が撓んだ状態を示す要部拡
大縦断面図である。
【図14】シリンダ内においてピストンが図1と逆位相
となった状態を示す要部縦断面図である。
【図15】別の形状のピストンの要部拡大縦断面図であ
る。
【図16】従来技術に係る斜板式圧縮機が備えるピスト
ンの長手方向概略断面図である。
【図17】図16のピストンの概略正面図である。
【図18】吸入弁のアーム部が撓んだ状態を示す要部拡
大縦断面図である。
【符号の説明】
10…往復動式圧縮機 12…回転軸 14…斜板 16…ピストン 18…シリンダ 28…バルブプレ
ート 32…電磁クラッチ 34…導入ポート 36…導出ポート 72…半球状シュ
ー 74a、74b…円盤部 76…テーパ部 80a、80b…吸気部 84…ウェブ部 92…吐出口 94a〜94c…
吸気口(吸入口) 98…吸入弁 100…開閉部 102a、102b…アーム部 104…連結部 116…吐出弁 128…吐出弁用
バルブストッパ 142…クラッチ板 144…ロータ 146…電磁石コイル 180…段部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北畑 達也 宮城県角田市角田字流197−1 株式会社 ケーヒン角田開発センター内 (72)発明者 櫻井 順一 宮城県角田市角田字流197−1 株式会社 ケーヒン角田開発センター内 Fターム(参考) 3H003 AA03 AB05 AB07 AC03 CB00 3H076 AA07 BB26 CC12 CC20 CC31 CC92

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ内をピストンが往復動作すること
    により流体を圧縮する往復動式圧縮機において、 前記ピストンは、吸入口が中央部より一端部側に偏在し
    て貫通形成されているとともに前記吸入口を開閉自在に
    覆う吸入弁が傾動自在に支持された円盤部を有し、 前記吸入弁が前記吸入口を閉塞している際には、該吸入
    弁と前記円盤部の他端部側とが互いに離間していること
    を特徴とする往復動式圧縮機。
  2. 【請求項2】請求項1記載の往復動式圧縮機において、
    前記円盤部の他端部側は、前記開閉部が前記円盤部から
    離間する方向と逆方向に指向して低くなるように傾斜し
    ていることを特徴とする往復動式圧縮機。
  3. 【請求項3】請求項2記載の往復動式圧縮機において、
    前記円盤部の他端部側の傾斜角度が傾斜途中で変化して
    いることを特徴とする往復動式圧縮機。
JP2000247063A 2000-08-16 2000-08-16 往復動式圧縮機 Withdrawn JP2002054567A (ja)

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