JP2002053957A - 成膜方法および成膜装置 - Google Patents

成膜方法および成膜装置

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JP2002053957A
JP2002053957A JP2000236418A JP2000236418A JP2002053957A JP 2002053957 A JP2002053957 A JP 2002053957A JP 2000236418 A JP2000236418 A JP 2000236418A JP 2000236418 A JP2000236418 A JP 2000236418A JP 2002053957 A JP2002053957 A JP 2002053957A
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film
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Mitsuharu Sawamura
光治 沢村
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜厚制御モニターと特性モニターを用いて高
精度な膜厚制御を行なう。 【解決手段】 蒸発源11の上方には製品基板を保持す
るドーム12が設けられ、その中心部に配設された膜厚
制御モニター基板14を用いて成膜中の膜厚をモニター
するとともに、成膜後の最終膜厚Dmを計測し、さらに
特性モニター基板13上の積層膜における膜厚Dsから
実測ツーリング(実測膜厚比)Ds/Dmを求めて、こ
の値に基づいて次層以後の膜厚制御モニターにおける制
御波長を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶プロジェクタ
ーやTVカメラ等に用いられるダイクロ膜(色分解用光
学素子)等、高性能でしかも製造安定性が要求される光
学多層膜の成膜方法および成膜装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイクロ膜等の高機能な光学多層
膜の成膜における膜厚制御には、光学式の膜厚制御モニ
ターが用いられる。この膜厚制御モニターは、各層を成
膜するモニター基板、モニター基板交換機構、投光部、
制御波長フィルター交換部、受光部、強度計測部を有
し、各層の膜厚を計測しながら成膜を行なうものであ
る。
【0003】しかし、近年、より高精度の膜厚制御を行
なうために、製品そのもの、または製品を代用するモニ
ター基板(特性モニター基板)上の積層膜の光学特性を
測定し、その結果に基づいて、製品の最終目標特性に近
づくように初期目標膜厚(または屈折率)を修正制御す
る方法が提案されている(特開平7−72307号公報
参照)。
【0004】あるいは、製品に代わってその特性を計測
する特性モニターと従来の膜厚制御モニターを併用し、
特性モニターの光学特性の結果から膜厚制御モニターに
より修正目標膜厚(または屈折率)を制御する方法が提
案されている(特開平5−255850号公報参照)。
【0005】前者はスパッタ法の例であるが、レートが
比較的安定しており時間制御で膜厚を制御できるため、
修正目標膜厚を得るのに有効と思われる。後者は蒸着法
の例であり、従来の膜厚制御モニターに加えて、積層特
性を得るための特性モニター(固定)を設け、目標膜厚
を修正制御することで製品特性の向上、安定化を行なう
ことが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、特に特開平5−255850号公報に
記載された膜厚制御の場合、目標特性からの誤差を小さ
くするよう、特性モニターの計測結果に応じて初期目標
膜厚を修正して順次成膜することが述べられているが、
実際の成膜時には、成膜条件の変動のために膜厚制御モ
ニターによる膜厚制御に誤差が発生するという未解決の
課題がある。
【0007】本発明は上記従来の技術の有する未解決の
課題に鑑みてなされたものであり、膜厚制御モニターに
用いる制御波長を修正することで、光学多層膜の成膜中
の成膜条件の変動に起因する膜厚制御の誤差を大幅に低
減し、高品質なダイクロ膜等を安定製造できる成膜方法
および成膜装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の成膜方法は、所定の制御波長をもつ単色光
を用いて光学多層膜の複数層のそれぞれの膜厚を成膜中
に膜厚制御モニター基板上で計測する膜厚制御モニター
による膜厚制御工程と、白色光を用いて前記膜厚制御モ
ニター基板上の各層の成膜後の膜厚Dmを計測する工程
と、前記複数層のうちの少なくとも1層が特性モニター
基板上に積層された状態でその積層膜の光学特性を計測
する特性モニターによって各層の膜厚Dsを計測する工
程と、前記膜厚制御モニターによる前記膜厚Dmと前記
特性モニターによる前記膜厚Dsから得られた実測膜厚
比Ds/Dmに基づいて、次層以後の膜厚制御のための
前記制御波長を変更する工程を有することを特徴とす
る。
【0009】また、所定の制御波長をもつ単色光を用い
て光学多層膜の複数層のそれぞれの膜厚を成膜中に膜厚
制御モニター基板上で計測する膜厚制御モニターによる
膜厚制御工程を有し、先行する光学多層膜製造サイクル
において得られた膜厚制御モニターと特性モニターの実
測膜厚比Ds/Dmに基づいて、各層の前記膜厚制御モ
ニターの前記制御波長を変更することを特徴とする成膜
方法でもよい。
【0010】また、所定の制御波長をもつ単色光を用い
て光学多層膜の複数層のそれぞれの膜厚を成膜中に膜厚
制御モニター基板上で計測する膜厚制御モニターによる
膜厚制御工程と、白色光を用いて前記膜厚制御モニター
基板上の各層の成膜後の膜厚Dmを計測する工程と、前
記複数層のうちの少なくとも1層が特性モニター基板上
に積層された状態でその積層膜の光学特性を計測する特
性モニターによって各層の膜厚Dsを計測する工程と、
前記特性モニターの計測結果に基づいて次層またはそれ
以後の目標光学膜厚を設計修正するとともに、前記膜厚
制御モニターによる前記膜厚Dmと前記特性モニターに
よる前記膜厚Dsから得られた実測膜厚比Ds/Dmに
基づいて、次層以後の膜厚制御のための前記制御波長を
変更する工程を有することを特徴とする成膜方法でもよ
い。
【0011】本発明の成膜装置は、所定の制御波長の単
色光を用いて光学多層膜の複数層のそれぞれの膜厚を成
膜中に膜厚制御モニター基板上で計測するとともに、白
色光によって前記膜厚制御モニター基板上の各層の成膜
後の膜厚Dmを検知する膜厚制御モニター手段と、前記
複数層のうちの少なくとも1層が特性モニター基板上に
積層された状態でその積層膜の光学特性から各層の膜厚
Dsを計測する特性モニター手段と、前記膜厚制御モニ
ター基板上の前記膜厚Dmと前記特性モニター基板上の
前記膜厚Dsから得られた実測膜厚比Ds/Dmに基づ
いて、前記膜厚制御モニター手段の前記制御波長を変更
する制御手段を有することを特徴とする。
【0012】膜厚制御モニター手段と特性モニター手段
が、同一の測定系を用いるものであるとよい。
【0013】
【作用】各層ごとに予め制御波長を設定して単色光によ
る膜厚制御モニターを行なっても、製品基板上に成膜さ
れる膜の屈折率が成膜条件の変動によって変化したとき
には、膜厚制御モニターの単色光の反射率や透過率が変
わるため、膜厚制御に大きな誤差を生じる。そこで、膜
厚制御モニター基板上の各層の成膜後の膜厚Dmと、特
性モニター基板上の積層膜の光学特性から得られた膜厚
Dsの比、一般的にツーリングと呼ばれる膜厚比Ds/
Dmを各層ごとに実測し、次層の成膜工程におけるツー
リングを上記実測値に修正し、新たに設定された膜厚制
御モニター基板上の目標膜厚に合わせて次層以後の膜厚
制御のための膜厚制御モニターの制御波長を変更する。
【0014】特性モニター基板による計測結果に基づい
て次層またはそれ以後の目標光学膜厚を設計修正すると
ともに、上記の方法で制御波長を変更すれば、より一層
高精度な膜厚制御を行なうことができる。
【0015】成膜中にツーリングを実測する替わりに、
先行する光学多層膜製造サイクルにおいて実測されたツ
ーリングを用いて制御波長を変更する方法を採用すれ
ば、より簡単な工程で高精度な膜厚制御を行なうことが
できる。
【0016】このようにして各層ごとに適切な制御波長
を選ぶことで、膜厚制御の精度を大幅に向上できる。こ
れによって、極めて高性能なダイクロ膜等を安定製造す
ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0018】図1は第1の実施の形態による成膜装置を
示すもので、これは、真空室10の底部に設けられた蒸
発源11と、その上方に配設された製品基板保持用のド
ーム12と、ドーム12の中心部に設けられた特性モニ
ター基板13および膜厚制御モニター基板14を有す
る。
【0019】特性モニター手段は、ドーム12に保持さ
れた製品基板に積層された膜の光学特性を計測して、屈
折率や膜厚を検知するもので、前記特性モニター基板1
3、投受光部15、計測部16によって構成され、測定
値は演算部を含む制御手段17に取り込まれる。
【0020】膜厚制御モニター手段は、特定された制御
波長の単色光によって成膜中の各層の膜厚を計測して膜
厚制御を行なうもので、前記膜厚制御モニター基板1
4、モニター交換機能を含む投受光部18、計測部19
によって構成され、測定値は前記演算部に取り込まれ
る。
【0021】光学多層膜(例えばダイクロ膜)の必要特
性を得る場合、膜厚制御モニターにおいて複数の膜厚制
御モニター基板のうちのどの基板で何層、どの制御波長
を使用するかが重要である。
【0022】蒸着赤ダイクロ(プリズムタイプ、接合面
入射角45度)の一設計例による定数と制御波長を表1
に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1において、層数は基板側からの層番号
を示し、奇数層はAl2 3 層、偶数層はTiO2 層を
示す。dは物理膜厚(nm)、588nは波長588n
mでの屈折率、588真ndは波長588nmでの真空
中の光学膜厚(nm)を示す。S/Mは特性モニター基
板と膜厚制御モニター基板の間に予め設定された膜厚比
(以下、「ツーリング」という。)を示し、特性モニタ
ー基板の膜厚は製品光学多層膜の各層の膜厚を反映する
ように設定してある。
【0025】ツーリングは単層膜の大気中の特性比較か
ら予め実験的に求めた値で、通常、成膜中のツーリング
は一定であると仮定して制御波長を決定する。制御波長
は初期目標光学膜厚を得るための膜厚制御モニターの単
色光の波長であり、モニター番号は各層の成膜に用いる
ための膜厚制御モニター基板の番号(例えばモニター番
号1は第1層、第3層、第15層、第17層に用いる膜
厚制御モニター基板)である。
【0026】表1の条件に基づき赤ダイクロ膜を制作す
ると、後述する比較例に示すようにS成分の透過率の真
空中目標特性形状と成膜後の真空中仮想特性形状(入射
角0度の特性モニターの測定値を45度に変換)は一致
しない。このように一致しない要因として、膜厚制御モ
ニター基板側では、光量やノイズからくる膜厚制御精度
の不足、制御波長の設定誤差等が予想される。蒸発源側
では、蒸発分布の変動、蒸発速度の変動等が予想され
る。また、特性モニター基板側では、測定精度不足によ
る膜定数の導出誤差が予想される。
【0027】検討の結果、特性モニター基板上の特性の
初期目標特性からのズレは、膜厚制御モニター基板側に
起因する誤差、蒸発源側に起因する誤差および特性モニ
ター基板側に起因する誤差を含めたツーリングの設定値
が要因であることを見出した。
【0028】そこで、膜厚を制御する膜厚制御モニター
と積層膜の反射(または透過)特性を測光する特性モニ
ターの両方を用いる成膜装置において、成膜中は膜厚制
御モニターの単色制御波長で膜厚を制御し、成膜後は白
色光で膜厚制御モニター基板上に成膜された膜特性を測
定して膜定数(屈折率Nm、膜厚Dm)を求めるととも
に、特性モニター基板上に成膜された積層膜の光学特性
から膜定数(屈折率Ns、膜厚Ds)を求め、前層の実
測膜厚比である実測ツーリング(Ds/Dm)と膜厚制
御モニター基板上の既成膜層の定数を考慮して、膜厚制
御モニター基板上の次層の目標膜厚を決めて、これに対
応する単色制御波長を求めて膜厚制御を行なうことが重
要であることを見出した。
【0029】さらに、蒸発源側の突発的な変動要因が無
い安定した成膜条件下では、成膜中の各層の実測ツーリ
ングは一定の変化傾向を示すため、先行する光学多層膜
製造サイクルにおいて実測されたツーリングを用いるこ
とも有効であることを見出した。
【0030】すなわち、先行する製品サイクルにおいて
求められた各層ごとの実測ツーリング(Ds/Dm)と
膜厚制御モニター基板上の既成膜層の定数を考慮して、
膜厚制御モニター基板上の次層の目標膜厚に対応する単
色制御波長を決めて膜厚制御を行なってもよい。
【0031】また、成膜途中に特性モニターの計測結果
に基づいて設計修正により変更した修正目標光学膜厚を
合わせて用いることも有効であることを見出した。
【0032】すなわち、膜厚を制御する膜厚制御モニタ
ーと積層膜の反射(または透過)特性を測光する特性モ
ニターの両方を用いる成膜装置において、成膜中は膜厚
制御モニターの単色制御波長で各層の膜厚を制御し、成
膜後は白色光で膜厚制御モニター基板上に成膜された膜
特性を測定して膜定数(屈折率Nm、膜厚Dm)を求め
るとともに、特性モニター基板上に成膜された積層膜の
膜特性から膜定数(Ns、Ds)を求める。前記定数を
固定して次層以降の光学膜厚を目標特性に合わせて再設
計し、次層あるいはそれ以降の層の修正目標光学膜厚を
決定し、さらに、前層の実測ツーリング(Ds/Dm)
と膜厚制御モニター基板上の既成膜層の定数を考慮し
て、膜厚制御モニター基板上の次層の目標膜厚を決め、
対応する単色制御波長を求めて膜厚制御を行なうことに
よって、より一層高精度な膜厚制御を行なうことができ
ることを見出した。
【0033】さらに、蒸発源側の突発的な変動要因が無
い安定した成膜条件下では、先行する光学多層膜製造サ
イクルにおいて求められた各層の実測ツーリングを用い
ることも有効であることを見出した。
【0034】すなわち、特性モニター基板上の積層膜の
定数を固定して次層以降の光学膜厚を目標特性に合わせ
て再設計し、次層あるいはそれ以降の層の修正目標光学
膜厚を決定したうえで、予め求められた各層ごとの実測
ツーリング(Ds/Dm)と膜厚制御モニター基板上の
既成膜層の定数を考慮して、膜厚制御モニター基板上の
次層の目標膜厚を決め、対応する単色制御波長を求めて
膜厚制御を行なうことも有効であることを見出した。
【0035】(実施例1)表1を初期目標、条件とし
て、特性モニター基板上の積層膜の膜定数と膜厚制御モ
ニター基板上の1層目の膜定数を求めて、両者のツーリ
ング(Ds/Dm)を実測し、この実測ツーリングに基
づき膜厚制御モニター基板上の次層の制御波長を修正す
るという手順を繰り返して成膜した。表2にこの時の特
性モニター基板上の積層膜の定数およびツーリングを示
す。
【0036】
【表2】
【0037】表2において、選択Tが膜厚制御モニター
基板上の前層の実測ツーリング(実S/M)を選択した
ものであり、制御波長をこの値に基づいて修正した。モ
ニター番号1、2の膜厚制御モニター基板の1層目の選
択Tは表1のツーリング(S/M)を採用した。実S/
Mは、膜厚制御モニター上の各層の成膜後求めたツーリ
ングの実測値である。
【0038】図2にこの時のS成分真空中目標特性と成
膜後の真空中仮想S成分特性(入射角0度の特性モニタ
ーの測定値を45度に変換)を示す。後述する比較例1
(図3参照)に対して、540nm近傍の透過率の低下
が改善されているのが分かる。
【0039】(実施例2)実施例1で求めた実S/Mの
値は検討の結果略再現性があることがわかった。そこで
この値を選択Tとして制御波長を決定し、実S/Mは比
較のために求めるだけとして、実施例1と同様に成膜を
行なった。特性モニターによる計測結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】成膜時に求めた実S/Mは僅かに選択Tと
異なるが、略傾向は一致していた。この時のS成分真空
中目標特性と成膜後の真空中仮想S成分特性(入射角度
0度の特性モニターの測定値を45度に変換)を図4に
示す。比較例1に対して、540nm近傍の透過率の低
下が改善されているのが分かる。
【0042】(実施例3)実施例1と同様に、表1を初
期目標、条件として、特性モニター基板上の膜定数と膜
厚制御モニター基板上の膜定数を求め、定数を固定して
次層以降の光学膜厚を目標特性に合わせて再設計し、次
層あるいはそれ以降の層の修正目標光学膜厚を決定した
うえで、前層の実測ツーリング(Ds/Dm)と膜厚制
御モニター基板上の既成膜層の定数を考慮して、膜厚制
御モニター基板上の次層の目標膜厚を決め、対応する単
色制御波長を修正するという手順を繰り返して成膜し
た。表4にこの時得られた特性モニターの定数、ツーリ
ングを示す。
【0043】
【表4】
【0044】表4において、選択Tが前層の実測ツーリ
ング(実S/M)を選択したものであり、成膜後、次層
以降の修正目標光学膜厚を決定するため再設計を行な
い、そのうえで、前記実測ツーリングを用いて制御波長
を決定した。なお、モニター番号1、2の膜厚制御モニ
ター基板上の1層目の選択Tは表1のツーリング(S/
M)を採用した。
【0045】図5にこの時のS成分真空中目標特性と成
膜後の真空中仮想S成分特性(入射角度0度の特性モニ
ターの測定値を45度に変換)を示す。図3の比較例1
に対して、540nm近傍の透過率の低下が改善されて
いるのが分かる。また、実施例1に対して、再設計して
目標光学膜厚を修正するため、半値波長、半値波長近傍
の透過率の傾斜がより初期目標値に近いという改善点が
ある。
【0046】(実施例4)実施例3で求めた実S/Mの
値は検討の結果略再現性があることが分かった。そこで
この値を選択Tとして、実施例3と同様に次層以降の修
正目標光学膜厚を決定するため再設計を行ない、前記選
択Tを用いて制御波長を決定した。実S/Mは比較のた
めに求めるだけとして、実施例3と同様に成膜を行なっ
た。結果を表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】図6にこの時のS成分真空中目標特性と成
膜後の真空中仮想S成分特性(入射角度0度の特性モニ
ターの測定値を45度に変換)を示す。図3の比較例1
に対して、540nm近傍の透過率の低下が改善されて
いるのが分かる。また、実施例1に対して、再設計して
目標光学膜厚を修正するため、半値波長、半値波長近傍
の透過率の傾斜がより初期目標値に近いという改善点が
ある。
【0049】(比較例1)表1に示す目標値、条件で成
膜を行なった。すなわち、同一真空中で成膜された特性
モニター基板上の単層膜と膜厚制御モニター基板上の単
層膜の大気中での膜定数の比較からツーリングを求め、
成膜中の各層のツーリングは一定であると仮定し、これ
を選択Tとして表1の制御波長を用いて膜厚制御を行な
った。この時得られた結果を表6に示す。
【0050】
【表6】
【0051】表6から分かるように、各層の実測ツーリ
ング(実S/M)は予想されたツーリング(選択T)の
ように一定とはならず、その結果、図3に示すように5
30nm近傍の透過率が低下する不充分な特性となっ
た。
【0052】図7は第2の実施の形態による成膜装置を
示す。特性モニターと膜厚制御モニターは、双方とも、
各モニター基板の反射率(または透過率)を測定する分
光器を用いるものであり、波長を固定すれば、任意波長
での膜厚変化に応じた光量変化を測定できる。誤差のな
い膜厚制御を行なうには、膜厚制御モニター基板と特性
モニター基板の実測ツーリングを精度よく求めることが
重要であり、このためには、同一の測定系を用いること
が好ましい。
【0053】そこで、図7に示すように、膜厚制御モニ
ター基板24を駆動部21により特性モニター基板23
の位置に移動可能に構成し、双方の測定値を同一測定系
である投受光部15、計測部16を経て、演算部を含む
制御手段17に取り込んで処理する。真空室10、蒸発
源11、ドーム12等は図1の装置と同様であるから、
同一符号で表わし説明は省略する。
【0054】しかしながら、特に多層成膜を行なう場合
は複数の膜厚制御モニター基板が必要であるから、図8
に示すような治具を用いるのが望ましい。これは、昇
降、回転可能なホルダ30の中心に特性モニター基板3
3、周辺の同一円周上に6枚の膜厚制御モニター基板3
4を有する。モニター光は昇降、回転可能なファイバー
35により各モニター基板33、34上に導かれる。
【0055】成膜中は膜厚制御モニター基板34上で膜
厚変化に伴なう単色光の反射率変化を測定し、所定の反
射率を検知した時点で各層の成膜を終了する。次に、白
色光に切り替え、膜厚制御モニターの定数を求める。続
いて、開口手段36を経て同時に成膜された特性モニタ
ー基板33上にファイバー35を移動し、特性モニター
の定数を求める。その後、ファイバー35を膜厚制御モ
ニター基板上の定位置に戻し、ホルダ支え棒37と干渉
しないように引き上げ、ホルダ30を回転させてモニタ
ー交換を行ない、再度ファイバー35を膜厚制御モニタ
ー上の定位置に戻す。
【0056】この操作を繰り返すことにより、同一測定
系を用いて膜厚制御モニターと特性モニターを行なうこ
とができる。
【0057】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。
【0058】膜厚制御モニターにおける制御波長を各層
ごとに修正することで、より高精度な膜厚制御を行なう
ことができる。これによって、高品質なダイクロ膜等の
光学多層膜を安定製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による成膜装置を示す模式図
である。
【図2】実施例1のダイクロ膜のS成分光学特性を示す
グラフである。
【図3】比較例1のダイクロ膜のS成分光学特性を示す
グラフである。
【図4】実施例2のダイクロ膜のS成分光学特性を示す
グラフである。
【図5】実施例3のダイクロ膜のS成分光学特性を示す
グラフである。
【図6】実施例4のダイクロ膜のS成分光学特性を示す
グラフである。
【図7】第2の実施の形態による成膜装置を示す模式図
である。
【図8】図7の装置の一変形例を示すもので、(a)は
その断面図、(b)は底面図である。
【符号の説明】
10 真空室 11 蒸発源 12 ドーム 13、23、33 特性モニター基板 14、24、34 膜厚制御モニター基板 17 制御手段 30 ホルダ 35 ファイバー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の制御波長をもつ単色光を用いて光
    学多層膜の複数層のそれぞれの膜厚を成膜中に膜厚制御
    モニター基板上で計測する膜厚制御モニターによる膜厚
    制御工程と、白色光を用いて前記膜厚制御モニター基板
    上の各層の成膜後の膜厚Dmを計測する工程と、前記複
    数層のうちの少なくとも1層が特性モニター基板上に積
    層された状態でその積層膜の光学特性を計測する特性モ
    ニターによって各層の膜厚Dsを計測する工程と、前記
    膜厚制御モニターによる前記膜厚Dmと前記特性モニタ
    ーによる前記膜厚Dsから得られた実測膜厚比Ds/D
    mに基づいて、次層以後の膜厚制御のための前記制御波
    長を変更する工程を有する成膜方法。
  2. 【請求項2】 所定の制御波長をもつ単色光を用いて光
    学多層膜の複数層のそれぞれの膜厚を成膜中に膜厚制御
    モニター基板上で計測する膜厚制御モニターによる膜厚
    制御工程と、白色光を用いて前記膜厚制御モニター基板
    上の各層の成膜後の膜厚Dmを計測する工程と、前記複
    数層のうちの少なくとも1層が特性モニター基板上に積
    層された状態でその積層膜の光学特性を計測する特性モ
    ニターによって各層の膜厚Dsを計測する工程と、前記
    特性モニターの計測結果に基づいて次層またはそれ以後
    の目標光学膜厚を設計修正するとともに、前記膜厚制御
    モニターによる前記膜厚Dmと前記特性モニターによる
    前記膜厚Dsから得られた実測膜厚比Ds/Dmに基づ
    いて、次層以後の膜厚制御のための前記制御波長を変更
    する工程を有する成膜方法。
  3. 【請求項3】 所定の制御波長をもつ単色光を用いて光
    学多層膜の複数層のそれぞれの膜厚を成膜中に膜厚制御
    モニター基板上で計測する膜厚制御モニターによる膜厚
    制御工程を有し、先行する光学多層膜製造サイクルにお
    いて得られた膜厚制御モニターと特性モニターの実測膜
    厚比Ds/Dmに基づいて、各層の前記膜厚制御モニタ
    ーの前記制御波長を変更することを特徴とする成膜方
    法。
  4. 【請求項4】 特性モニターの計測結果に基づいて次層
    またはそれ以後の目標光学膜厚を設計修正することを特
    徴とする請求項3記載の成膜方法。
  5. 【請求項5】 所定の制御波長の単色光を用いて光学多
    層膜の複数層のそれぞれの膜厚を成膜中に膜厚制御モニ
    ター基板上で計測するとともに、白色光によって前記膜
    厚制御モニター基板上の各層の成膜後の膜厚Dmを検知
    する膜厚制御モニター手段と、前記複数層のうちの少な
    くとも1層が特性モニター基板上に積層された状態でそ
    の積層膜の光学特性から各層の膜厚Dsを計測する特性
    モニター手段と、前記膜厚制御モニター基板上の前記膜
    厚Dmと前記特性モニター基板上の前記膜厚Dsから得
    られた実測膜厚比Ds/Dmに基づいて、前記膜厚制御
    モニター手段の前記制御波長を変更する制御手段を有す
    る成膜装置。
  6. 【請求項6】 膜厚制御モニター手段と特性モニター手
    段が、同一の測定系を用いるものであることを特徴とす
    る請求項5記載の成膜装置。
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