JP2002053642A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents
半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置Info
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Abstract
し、成形時間の短縮、金型汚れの低減を図ることのでき
る半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】フェノール樹脂および無機質充填剤ととも
に、エポキシ樹脂成分として、下記の(A)成分を含有
する半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。(A)ビ
フェニル骨格を有するエポキシ樹脂(X)と、下記の一
般式(1)で表される、150℃におけるICI粘度が
0.4Pa・s以上であるジシクロペンタジエン骨格を
有するエポキシ樹脂(Y)とからなる混合エポキシ樹
脂。 【化1】
Description
ん、硬化性および流動性に優れた半導体封止用エポキシ
樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置に関するもの
である。
等の半導体素子は、コスト,量産性の観点から、プラス
チックを用いた樹脂封止型の半導体装置が主流になって
いる。この種の樹脂封止には、従来からエポキシ樹脂組
成物が用いられており良好な成績を収めている。例え
ば、上記エポキシ樹脂組成物によりパッケージングされ
た半導体装置を表面実装する際には、赤外リフロー、ベ
ーパーフェイズリフロー、半田浸漬の半田工程が採用さ
れているが、これら実装工程では、半導体装置は220
〜260℃の高温に曝されることとなる。従って、エポ
キシ樹脂組成物によりパッケージングされた半導体装置
は、その内部にまで浸入した水分が急激に気化して封止
樹脂部分にクラックが形成され、それが外部にまで達
し、半導体装置の信頼性を著しく低下させてしまうとい
う問題が発生する。このため、上記半田実装時のような
高温での実装における優れた耐性が要求されている。
ロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂を主剤とし
た、低吸湿化および低弾性率化を図った半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物が提案されている。
シクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂を主剤と
したエポキシ樹脂組成物は、低吸湿化および低弾性率化
を図ることはできるものの、硬化性に劣るため、半導体
素子を樹脂封止する際の成形時間が長くなり、成形サイ
クルが低下する、また金型が早く汚れるため成形を連続
して行うことが困難になるという欠点を有している。ま
た、高粘度タイプのジシクロペンタジエン骨格を有する
エポキシ樹脂を用いると、硬化性は改善される傾向にあ
るもののそれでも充分であるとはいい難いものである。
さらに、高粘度タイプのジシクロペンタジエン骨格を有
するエポキシ樹脂を用いた場合、成形時にワイヤー流れ
やダイシフト等の問題が発生し易い。
もので、高い耐半田性はもちろん、優れた硬化性と流動
性を有し、成形時間の短縮、金型汚れの低減を図ること
のできる半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを
用いた半導体装置の提供を目的とする。
め、本発明は、下記の(A)〜(C)成分を含有する半
導体封止用エポキシ樹脂組成物を第1の要旨とする。 (A)ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂(X)と、
下記の一般式(1)で表される、150℃におけるIC
I粘度が0.4Pa・s以上であるジシクロペンタジエ
ン骨格を有するエポキシ樹脂(Y)とからなる混合エポ
キシ樹脂。
シ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半導体
装置を第2の要旨とする。
優れた硬化性および流動性を有するとともに、低吸湿化
および低弾性率化が図られる封止材料を得るために一連
の研究を重ねた。その結果、150℃におけるICI粘
度が特定値以上のジシクロペンタジエン骨格を有するエ
ポキシ樹脂と、流動性に優れたビフェニル型エポキシ樹
脂を併用した混合エポキシ樹脂を用いると、所期の目的
が達せられることを見出し本発明に到達した。
両者の重量混合割合を特定の範囲に設定すると、低吸湿
性、低弾性化が図られ、耐半田性に優れるとともに成形
時の硬化性に優れキュアサイクルを短縮することができ
るようになる。また、成形時の樹脂粘度が低いため、ワ
イヤー流れやダイシフト等の成形時のトラブルが生じ難
くなることを突き止めた。
体形状の金属水酸化物を用いると、優れた難燃性が付与
されるとともに従来の難燃剤である臭素化エポキシ樹脂
やアンチモン化合物の使用と比較すると臭素の影響がな
く半導体素子やアルミニウム配線の腐食等が生じず耐湿
信頼性が向上して長寿命になり、また、環境汚染等の問
題が生じないという効果が得られるようになる。さら
に、従来のような平板状の結晶形状ではなく上記特殊な
多面体の結晶形状を有するため、流動性に優れており成
形性が一層向上するようになることを突き止めた。
果が高いために極微量の添加量で所望の難燃効果を得る
ことができることから、流動性および成形性に優れた封
止材料を得ることができるようになる。
形状の金属水酸化物とは、図2に示すような、六角板形
状を有するもの、あるいは、鱗片状等のように、いわゆ
る厚みの薄い平板形状の結晶形状を有するものではな
く、縦,横とともに厚み方向(c軸方向)への結晶成長
が大きい、例えば、板状結晶のものが厚み方向(c軸方
向)に結晶成長してより立体的かつ球状に近似させた粒
状の結晶形状、例えば、略12面体,略8面体,略4面
体等の形状を有する金属水酸化物をいい、通常、これら
の混合物である。もちろん、上記多面体形状は、結晶の
成長のしかた以外にも、粉砕や摩砕等によっても多面体
の形は変化し、より立体的かつ球状に近似させうること
ができる。この多面体形状の金属水酸化物の結晶形状を
表す走査型電子顕微鏡写真(倍率50000倍)の一例
を図1に示す。
体形状のものを例にしてさらに詳細に説明する。すなわ
ち、上記金属水酸化物の一例である8面体形状のもの
は、平行な上下2面の基底面と外周6面の角錐面とから
なり、上記角錐面が上向き傾斜面と下向き傾斜面とが交
互に配設された8面体形状を呈している。
平板形状の結晶形状を有するものは、例えば、結晶構造
としては六方晶系であり、図3に示すように、ミラー・
ブラベー指数において(00・1)面で表される上下2
面の基底面10と、{10・0}の型面に属する6面の
角筒面11で外周が囲まれた六角柱状である。そして、
〔001〕方向(c軸方向)への結晶成長が少ないた
め、薄い六角柱状を呈している。
は、図4に示すように、結晶成長時の晶癖制御により、
(00・1)面で表される上下2面の基底面12と、
{10・1}の型面に属する6面の角錘面13で外周が
囲まれている。そして、上記角錘面13は、(10・
1)面等の上向き傾斜面13aと、(10・−1)面等
の下向き傾斜面13bとが交互に配設された特殊な晶癖
を有する8面体形状を呈している。また、c軸方向への
結晶成長も従来のものに比べて大きい。図4に示すもの
は、板状に近い形状であるが、さらにc軸方向への結晶
成長が進み、晶癖が顕著に現れて等方的になったものを
図5に示す。このように、本発明の金属水酸化物は、正
8面体に近い形状のものも含むものである。すなわち、
基底面の長軸径と基底面間の厚みとの比率(長軸径/厚
み)は、1〜9が好適である。この長軸径と厚みとの比
率の上限値としてより好適なのは、7である。なお、上
記ミラー・ブラベー指数において、「1バー」は、「−
1」と表示した。
が、外周を囲む6つの面が、{10・1}に属する角錘
面であることは、つぎのことからわかる。すなわち、多
面体形状の金属水酸化物の結晶を、c軸方向から走査型
電子顕微鏡で観察すると、この結晶は、c軸を回転軸と
する3回回転対称を呈している。また、粉末X線回折に
よる格子定数の測定値を用いた(10・1)面と{10
・1}の型面との面間角度の計算値が、走査型電子顕微
鏡観察における面間角度の測定値とほぼ一致する。
末X線回折における(110)面のピークの半価幅B
110 と、(001)面のピークの半価幅B001 との比
(B110/B001 )が、1.4以上である。このことか
らも、c軸方向への結晶性が良いことと、厚みが成長し
ていることが確認できる。すなわち、従来の水酸化マグ
ネシウム等の結晶では、c軸方向への結晶が成長してお
らず、(001)面のピークがブロードで半価幅B001
も大きくなる。したがって(B110 /B001 )の価は、
小さくなる。これに対し、多面体形状の金属水酸化物で
は、c軸方向の結晶性が良いために、(001)面のピ
ークが鋭く、細くなり、半価幅B001 も小さくなる。し
たがって(B110 /B001 )の価が大きくなるのであ
る。
しく説明する。
は、2種類のエポキシ樹脂からなる混合エポキシ樹脂
(A成分)と、フェノール樹脂(B成分)と、無機質充
填剤(C成分)を用いて得られるものであり、通常、粉
末状あるいはこれを打錠したタブレット状になってい
る。または、エポキシ樹脂組成物を溶融混練した後、略
円柱状等の顆粒体に成形した顆粒状、さらにシート状に
成形したシート状の封止材料となっている。
ポキシ樹脂(A成分)のうち、一方は、下記の一般式
(1)で表される特定のジシクロペンタジエン骨格を有
するエポキシ樹脂であり、低吸湿性を示すものである。
性および硬化性という点から、水素原子が特に好まし
い。
有するエポキシ樹脂としては、ICI粘度計で測定され
る150℃での粘度が0.4Pa・s以上でなければな
らない。特に好ましくは0.6〜1.0Pa・sの範囲
である。すなわち、150℃での粘度が0.4Pa・s
未満では、優れた硬化性を奏することができないからで
ある。
格を有するエポキシ樹脂としては、エポキシ当量が26
0〜300、軟化点が70〜90℃のものが好ましく、
特に好ましくはエポキシ当量が270〜290、軟化点
が80〜90℃である。
方のエポキシ樹脂成分は、ビフェニル骨格を有するエポ
キシ樹脂であり、例えば、下記の一般式(3)で表され
るものがあげられる。
る、−H(水素)または炭素数1〜5のアルキル基のう
ち、上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基等の直鎖状また
は分岐状の低級アルキル基があげられ、特にメチル基が
好ましく、上記R1 〜R4 は互いに同一であっても異な
っていてもよい。なかでも、低吸湿性および反応性とい
う観点から、上記R1 〜R4 が全てメチル基である下記
の式(4)で表される構造のビフェニル型エポキシ樹脂
を用いることが特に好適である。
の、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂(X)とジシ
クロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂(Y)の重
量混合割合(X/Y)は、X/Y=5/5〜8/2の範
囲に設定することが好ましい。特に好ましくはX/Y=
7/3〜8/2の範囲である。すなわち、重量混合割合
(X/Y)が上記範囲を外れる、例えば、ビフェニル骨
格を有するエポキシ樹脂(X)が8を超え多くなると、
流動性には優れるものの、低吸湿性および低弾性率性に
劣るようになる傾向がみられ、逆にビフェニル骨格を有
するエポキシ樹脂(X)が5未満と少なくなると、低吸
湿性および低弾性率性に優れるものの流動性および硬化
性に劣る傾向がみられるからである。
合エポキシ樹脂以外に、他のエポキシ樹脂を用いてもよ
い。上記他のエポキシ樹脂としては、特に限定するもの
ではなく従来公知のものが用いられる。例えば、ビスフ
ェノールA型,フェノールノボラック型,クレゾールノ
ボラック型等があげられる。これらは単独でもしくは2
種以上併せて用いられる。
際の、A成分である混合エポキシ樹脂の占める割合は、
エポキシ樹脂成分全体中70〜100重量%の範囲に設
定することが好ましく、特に好ましくはエポキシ樹脂成
分全体中90〜100重量%の範囲である。すなわち、
A成分である混合エポキシ樹脂の占める割合が70重量
%を下回ると、本発明の効果である、優れた耐半田性お
よび硬化性、さらに低吸湿化および低弾性率化を図るこ
とが困難となるからである。
用いられるフェノール樹脂(B成分)は、エポキシ樹脂
の硬化剤として作用するものであれば特に限定するもの
ではなく従来公知の各種のフェノール樹脂が用いられ
る。例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラ
ック、ビスフェノールA型ノボラック、ナフトールノボ
ラック、フェノールアラルキル樹脂、ジシクロペンタジ
エン骨格を有するフェノール樹脂等があげられる。これ
らフェノール樹脂は単独でもしくは2種以上併せて用い
られる。
ール樹脂(B成分)との配合割合は、エポキシ樹脂成分
中のエポキシ基1当量に対してフェノール樹脂中の水酸
基当量を0.7〜1.3の範囲に設定することが好まし
い。より好ましくは0.9〜1.1の範囲に設定するこ
とである。
ェノール樹脂(B成分)とともに用いられる無機質充填
剤(C成分)としては、特に限定するものではなく従来
公知の各種充填剤があげられる。例えば、石英ガラス粉
末、タルク、シリカ粉末、アルミナ粉末、炭酸カルシウ
ム、窒化ホウ素、窒化ケイ素およびカーボンブラック粉
末等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併
せて用いられる。そして、上記無機質充填剤として、得
られる硬化物の線膨張係数を低減できるという点からシ
リカ粉末を用いることが好ましい。なかでも、シリカ粉
末として溶融シリカ粉末、とりわけ球状溶融シリカ粉末
を用いることが樹脂組成物の良好な流動性という点から
特に好ましい。また、上記無機質充填剤において、その
平均粒径が10〜70μmの範囲であることが好まし
く、より好ましくは10〜50μmである。すなわち、
上記無機質充填剤の平均粒径が上記範囲内であると、エ
ポキシ樹脂組成物の良好な流動性が得られるようになる
からである。また、上記シリカ粉末としては、場合によ
りシリカ粉末を摩砕処理してなる摩砕シリカ粉末を用い
ることもできる。
半導体封止用エポキシ樹脂組成物全体の60〜92重量
%となるよう設定することが好ましい。特に好ましくは
70〜90重量%である。
体形状の金属水酸化物を用いてもよい。上記多面体形状
の金属水酸化物は、下記の一般式(2)で表されるもの
で、いわゆる結晶形状が多面体形状を有するものであ
る。
に関して、式(2)中の金属原子を示すMとしては、M
g,Ca,Sn,Tiからなる群から選ばれた少なくと
も一種があげられる。
酸化物中のもう一つの金属原子を示すQとしては、M
n,Fe,Co,Ni,CuおよびZnからなる群から
選ばれた少なくとも一種があげられる。
金属水酸化物は、例えば、金属水酸化物の製造工程にお
ける各種条件等を制御することにより、縦,横とともに
厚み方向(c軸方向)への結晶成長が大きい、所望の多
面体形状、例えば、略12面体,略8面体,略4面体等
の形状を有する金属水酸化物を得ることができる。
化物は、その一例として結晶外形が略8面体の多面体構
造を示し、アスペクト比が1〜8程度、好ましくは1〜
7、特に好ましくは1〜4に調整されたもので、例え
ば、式(2)中の、M=Mg,Q=Znの場合について
述べると、つぎのようにして作製することができる。す
なわち、まず、水酸化マグネシウム水溶液に硝酸亜鉛化
合物を添加し、原料となる部分金属水酸化物を作製す
る。ついで、この原料を、800〜1500℃の範囲
で、より好ましくは1000〜1300℃の範囲で焼成
することにより、複合化金属酸化物を作製する。この複
合化金属酸化物は、m(MgO)・n(ZnO)の組成
で示されるが、さらにカルボン酸、カルボン酸の金属
塩、無機酸および無機酸の金属塩からなる群から選ばれ
た少なくとも一種が上記複合化金属酸化物に対して約
0.1〜6mol%共存する水媒体中の系で強攪拌しな
がら40℃以上の温度で水和反応させることにより、M
g1-X ZnX (OH)2 (Xは0.01〜0.5の正の
数)で示される、本発明の多面体形状を有する金属水酸
化物を作製することができる。
た方法で得られる部分金属水酸化物だけでなく、例え
ば、共沈法によって得られる金属水酸化物,水酸化マグ
ネシウムとZnの混合物,酸化マグネシウムとZn酸化
物の混合物,炭酸マグネシウムとZn炭酸塩との混合物
等も用いることができる。また、水和反応時の攪拌は、
均一性や分散性の向上、カルボン酸、カルボン酸の金属
塩、無機酸および無機酸の金属塩からなる群から選ばれ
た少なくとも一種との接触効率向上等のため、強攪拌が
好ましく、さらに強力な高剪断攪拌であればなお好まし
い。このような攪拌は、例えば、回転羽根式の攪拌機に
おいて、回転羽根の周速を5m/s以上として行うのが
好ましい。
ものではないが、好ましくはモノカルボン酸、オキシカ
ルボン酸(オキシ酸)等があげられる。上記モノカルボ
ン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、吉草酸、カプロン酸、アクリル酸、クロトン酸等が
あげられ、上記オキシカルボン酸(オキシ酸)として
は、例えば、グリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、
α−オキシ酪酸、グリセリン酸、サリチル酸、安息香
酸、没食子酸等があげられる。また、上記カルボン酸の
金属塩としては、特に限定されるものではないが、好ま
しくは酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛等があげられる。そ
して、上記無機酸としては、特に限定されるものではな
いが、好ましくは硝酸、塩酸等があげられる。また、上
記無機酸の金属塩としては、特に限定されるものではな
いが、好ましくは硝酸マグネシウム、硝酸亜鉛等があげ
られる。
体的な代表例としては、Mg1-X NiX (OH)
2 〔0.01<X<0.5〕、Mg1-X ZnX (OH)
2 〔0.01<X<0.5〕等があげられる。これら金
属水酸化物の市販品の例としては、例えば、タテホ化学
工業社製のエコーマグがあげられる。
は、平均粒子径が0.5〜3μmの範囲であることが好
ましく、その最大粒径が10μm以下であることが好ま
しい。特に好ましくは最大粒径が6μm以下である。す
なわち、最大粒径が10μmを超えると、難燃性を有す
るために多くの量を必要とするようになる傾向がみられ
るからである。
比表面積が2.0〜4.0m2 /gの範囲であることが
好ましい。なお、上記比表面積の測定は、BET吸着法
により測定される。
物のアスペクト比は、通常1〜8、好ましくは1〜7、
特に好ましくは1〜4である。ここでいうアスペクト比
とは、金属水酸化物の長径と短径との比で表したもので
ある。すなわち、アスペクト比が8を超えると、この金
属水酸化物を含有する樹脂組成物が溶融したときの粘度
低下に対する効果が乏しくなる。そして、本発明の半導
体封止用エポキシ樹脂組成物の構成成分として用いられ
る場合には、一般的に、アスペクト比が1〜4のものが
用いられる。
の金属水酸化物とともに従来の薄平板形状の金属水酸化
物を併用することができる。そして、本発明の半導体封
止用エポキシ樹脂組成物が溶融したときの粘度低下およ
び流動性の効果の発現という点から、用いられる金属水
酸化物全体(従来の薄平板形状を含む)中の、多面体形
状の金属水酸化物の占める割合を30〜100重量%の
範囲に設定することが好ましい。すなわち、多面体形状
の金属水酸化物の占める割合が30重量%未満では樹脂
組成物の粘度低下の効果および流動性の向上効果が乏し
くなる。
む金属水酸化物の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体の
1〜30重量%、特には2〜28重量%の範囲に設定す
ることが好ましく、この含有量の範囲内でその優れた難
燃化効果を発揮することができる。すなわち、上記金属
水酸化物が1重量%未満では難燃化効果が不充分とな
り、30重量%を超えると、エポキシ樹脂組成物硬化体
中の塩素イオン濃度が高くなるということから耐湿信頼
性が低下する傾向がみられるからである。
樹脂組成物には、上記A〜C成分および金属水酸化物以
外に、硬化促進剤、顔料、離型剤、表面処理剤、可撓性
付与剤等を必要に応じて適宜に添加することができる。
の、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)
ウンデセン−7、トリエチレンジアミン等の三級アミノ
類、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリ
フェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテト
ラフェニルボレート等のリン系化合物等があげられる。
化チタン等があげられる。また、上記離型剤としては、
ポリエチレンワックス、パラフィンや脂肪酸エステル、
脂肪酸塩等があげられる。
カップリング剤等のカップリング剤があげられる。ま
た、上記可撓性付与剤としては、シリコーン樹脂やブタ
ジエン−アクリロニトリルゴム等があげられる。
樹脂組成物では、上記各成分に加えてさらに有機系難燃
剤、あるいは赤燐系難燃剤である赤燐化合物を併用して
もよい。上記難燃剤を併用すると、例えば、上記多面体
形状を有する金属水酸化物を含有する金属水酸化物の使
用量を低減させることができ好ましい。上記有機系難燃
剤としては、含窒素有機化合物、含リン有機化合物、ホ
スファゼン系化合物等があげられるが、特に含窒素有機
化合物が好ましく用いられる。
メラミン誘導体、シアヌレート誘導体、イソシアヌレー
ト誘導体等の複素環骨格を有する化合物があげられる。
これら有機系難燃剤は単独でもしくは2種以上併せて用
いられる。
酸化物と予め機械的に混合した後配合してもよいし、有
機系難燃剤を溶剤に溶解してこれに前記金属水酸化物を
添加して脱溶剤し表面処理したものを用いてもよい。
記金属水酸化物の使用量(多面体形状の金属水酸化物と
場合により使用される従来の薄平板形状の金属水酸化物
の合計量)の1〜10重量%の範囲に設定することが好
ましい。特に好ましくは1〜5重量%である。
末、あるいはこの赤燐粉末表面を各種有機物,無機物で
保護コートした赤燐粉末をあげることができる。そし
て、上記赤燐化合物の含有量は、上記有機系難燃剤の場
合と同様、前記金属水酸化物の使用量(多面体形状の金
属水酸化物と場合により使用される従来の薄平板形状の
金属水酸化物の合計量)の1〜100重量%の範囲に設
定することが好ましい。
シ樹脂組成物において、前記A〜C成分を含む各成分の
好適な組み合わせは、つぎのとおりである。すなわち、
A〜C成分とともに、前記多面体形状の金属水酸化物お
よび赤燐化合物を用いることが好ましい。さらに、上記
多面体形状の金属水酸化物を用いる場合、離型性が低下
する傾向がみられることから、ワックス類、特に酸価3
0以上(通常の上限値は200)という高酸価のポリエ
チレン系ワックスまたはエステル系ワックスを用いるこ
とが好ましい。あるいは、上記多面体形状の金属水酸化
物とともに難燃剤として赤燐化合物を併用することが好
ましい。
成物は、例えばつぎのようにして製造することができ
る。すなわち、まず、ビフェニル骨格を有するエポキシ
樹脂と前記ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ
樹脂を所望の混合割合となるよう混合して混合エポキシ
樹脂(A成分)を準備し、これとともにフェノール樹脂
(B成分),無機質充填剤(C成分)および多面体形状
の金属水酸化物,赤燐化合物ならびに必要に応じて他の
添加剤を所定の割合で配合する。つぎに、この混合物を
ミキシングロール機等の混練機を用いて加熱状態で溶融
混練し、これを室温に冷却する。そして、公知の手段に
よって粉砕し、必要に応じて打錠するという一連の工程
によって目的とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物を
製造することができる。
組成物の混合物を混練機に導入して溶融状態で混練した
後、これを略円柱状の顆粒体に連続的に成形するという
一連の工程によって顆粒状の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物を製造することができる。
成物の混合物をパレット上に受け入れし、これを冷却
後、プレス圧延,ロール圧延,あるいは溶媒を混合した
ものを塗工してシート化する等の方法によりシート状の
半導体封止用エポキシ樹脂組成物を製造することができ
る。
キシ樹脂組成物(粉末状,タブレット状,顆粒状等)を
用いての半導体素子の封止方法は、特に限定するもので
はなく、通常のトランスファー成形等の公知の成形方法
によって行うことができる。
シ樹脂組成物を用いて、例えば、つぎのようにしてフリ
ップチップ実装による半導体装置を製造することができ
る。すなわち、上記シート状半導体封止用エポキシ樹脂
組成物を、接合用バンプを備えた半導体素子の電極面側
に、あるいは、回路基板のバンプ接合部側に配置し、上
記半導体素子と回路基板とをバンプ接合するとともに両
者を樹脂封止による接着封止を行うことによりフリップ
チップ実装して半導体装置を製造することができる。
明する。
るビフェニル型エポキシ樹脂〔式(3)中のR1 〜R4
が全てメチル基:エポキシ当量192〕
されるジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂
〔エポキシ基当量290、軟化点88℃、式(1)中の
Rは全てH、1分子当たりの平均官能基数3.5、IC
I粘度(150℃)0.85Pa・s〕
されるジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂
〔エポキシ基当量260、軟化点60℃、式(1)中の
Rは全てH、1分子当たりの平均官能基数2.3、IC
I粘度(150℃)0.06Pa・s〕
ク樹脂(水酸基当量107、軟化点85℃)
ル樹脂(水酸基当量174℃、軟化点70℃)
μm以上2.0μm未満61重量%、粒径2.0μm以
上25重量%
有率94%の赤燐系化合物(燐化学工業社製、ノーバエ
クセル140)
融シリカ粉末
(5,4,0)ウンデセン−7
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
ワックス(酸価17)
表2に示す各成分を同表に示す割合で配合し、ミキシン
グロール機(温度100℃)で3分間溶融混練を行い、
冷却固化した後粉砕して目的とする粉末状エポキシ樹脂
組成物を得た。
例のエポキシ樹脂組成物を用い、その硬化体の難燃性を
評価した。すなわち、各エポキシ樹脂組成物を用い、1
75℃×2分間、後硬化175℃×5時間の条件で厚み
1/16インチの試験片を成形した。そして、この成形
品について、UL94 V−0規格の方法に従って難燃
性を評価した。なお、合格とは94−V0合格を意味す
る。
よび比較例のエポキシ樹脂組成物を用い、175℃にお
けるゲルタイム、175℃での熱時硬度およびフローテ
スター粘度の各評価試験に供した。
ルタイム測定法に従って測定した。すなわち、規定温度
(175℃)の熱平板上に試料(200〜500mg)
を載せ、撹拌しながら熱平板上に薄く引き伸ばし、試料
が熱平板上に溶融した時点から硬化するまでの時間を読
み取りゲル化時間とした。
秒の条件で成形した直後、ショアーD硬度計を用いて、
熱時の硬度を測定した。
脂組成物を2g精秤し、タブレット状に打錠成形した。
そして、これを高化式フローテスターのポット内に入
れ、10kgの荷重をかけて測定した。溶融したエポキ
シ樹脂組成物がダイスの穴(直径1.0mm×10m
m)を通過して押し出されるときのピストンの移動速度
からサンプルの溶融粘度を求めた。
たエポキシ樹脂組成物を用い、半導体素子をトランスフ
ァー成形(条件:175℃×2分)し、175℃×5時
間で後硬化することにより半導体装置を得た。この半導
体装置は、80ピンQFP(クワッドフラットパッケー
ジ、サイズ:20×14×2mm)であり、ダイパッド
サイズは8×8mmである。
を用い非破壊にて評価した。その測定評価後、内部剥離
の生じた個数(10個中)をカウントした。そして、上
記測定後、良品をつぎに示す半田試験に供した。すなわ
ち、良品の半導体装置を用いて、120℃×1時間のプ
リベーク後、これを85℃/85%RH×168時間吸
湿させた後、240℃の半田浴に10秒間浸漬するとい
う評価試験(耐半田クラック性)を行った。そして、ク
ラックが発生した個数(10個中)を測定した。
せて示す。
の溶融粘度が低くかつ熱時硬度が高く硬化性に優れ、さ
らに内部剥離および耐半田クラック性試験においても良
好な結果が得られたことがわかる。
くかつ硬化性にも優れているが内部剥離が生じ耐半田ク
ラック性に劣っている。また、比較例2,3品は、熱時
硬度が低く硬化性に劣っており、フローテスター粘度が
特に高かった。
格を有するエポキシ樹脂と、150℃におけるICI粘
度が特定値以上のジシクロペンタジエン骨格を有するエ
ポキシ樹脂との混合エポキシ樹脂(A成分)を含有する
半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。このため、優
れた樹脂流動性および硬化性を有するとともに、低吸湿
化および低弾性率化も図られるようになり、得られる半
導体装置は優れた耐半田性を備えたものとなる。したが
って、従来のように、硬化性に劣ることに起因した問
題、例えば、成形サイクルの低下や、連続成形性が困難
となるという問題を解決することができる。
両者の重量混合割合を特定の範囲に設定すると、低吸湿
性、低弾性化が図られ、耐半田性に優れるとともに成形
時の硬化性に優れキュアサイクルを短縮することができ
るようになる。また、成形時の樹脂粘度が低いため、ワ
イヤー流れやダイシフト等の成形時のトラブルが生じ難
くなる。
体形状の金属水酸化物を用いると、優れた難燃性が付与
されるとともに従来の難燃剤である臭素化エポキシ樹脂
やアンチモン化合物の使用と比較すると臭素の影響がな
く半導体素子やアルミニウム配線の腐食等が生じず耐湿
信頼性が向上して長寿命になり、また、環境汚染等の問
題が生じないという効果が得られるようになる。さら
に、従来のような平板状の結晶形状ではなく上記特殊な
多面体の結晶形状を有するため、流動性に優れており成
形性が一層向上するようになる。
果が高いために極微量の添加量で所望の難燃効果を得る
ことができることから、流動性および成形性に優れた封
止材料を得ることができるようになる。
の結晶形状の一例を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率5
0000倍)である。
角板状形状を示す斜視図である。
り、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記の(A)〜(C)成分を含有するこ
とを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 (A)ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂(X)と、
下記の一般式(1)で表される、150℃におけるIC
I粘度が0.4Pa・s以上であるジシクロペンタジエ
ン骨格を有するエポキシ樹脂(Y)とからなる混合エポ
キシ樹脂。 【化1】 (B)フェノール樹脂。 (C)無機質充填剤。 - 【請求項2】 上記(A)成分である混合エポキシ樹脂
の、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂(X)とジシ
クロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂(Y)の重
量混合割合(X/Y)が、X/Y=5/5〜8/2の範
囲である請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物。 - 【請求項3】 下記の一般式(2)で表される多面体形
状の金属水酸化物を含有する請求項1または2記載の半
導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化2】 - 【請求項4】 赤燐化合物を含有する請求項1〜3のい
ずれか一項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の半
導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封
止してなる半導体装置。
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