JP2002053085A - 建設機械用走行体の遊動輪支持装置 - Google Patents

建設機械用走行体の遊動輪支持装置

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JP2002053085A
JP2002053085A JP2000239496A JP2000239496A JP2002053085A JP 2002053085 A JP2002053085 A JP 2002053085A JP 2000239496 A JP2000239496 A JP 2000239496A JP 2000239496 A JP2000239496 A JP 2000239496A JP 2002053085 A JP2002053085 A JP 2002053085A
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support device
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Yoshiaki Sekiguchi
良明 関口
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラックフレームの遊動輪支持構造物を改良
し、製作コストの低減や耐久性の向上を図る。 【解決手段】 本発明の遊動輪支持装置28は、トラッ
クフレームの箱形支持構造物において両側の軸受ガイド
プレート42を圧延形鋼材により成形し、その形状を両
側で共通のものとしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば、油圧ショベ
ル、ブルドーザ等の無端状の履帯を有する建設機械用走
行体の遊動輪支持装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】建設機械用の走行体に用いられる
無端状の履帯は、例えば走行用モータのスプロケットと
遊動輪との間に掛け回されている。履帯の内周には走行
方向に延びるトラックフレームが配設されており、この
トラックフレームは例えば、その前端部に遊動輪を格納
して支持するための遊動輪支持装置を有している。遊動
輪支持装置は、遊動輪の車軸に設けられた軸受部材を介
して遊動輪を回転自在に支持し、走行中の遊動輪への荷
重を負担する。また遊動輪は、履帯に適度な張力を与え
るために外側へ向けて付勢力を与えられており、それ
故、遊動輪支持装置は軸受部材を走行方向に摺動自在に
案内することで走行中の履帯の変形に伴う遊動輪の走行
方向への変位を許容している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した遊動輪支持装
置は従来、圧延形鋼部材(例えば山形鋼)や平板鋼部材
を使用し、これらを互いに直角または鋭角の状態に組み
合わせて溶接(例えばT継手溶接)した箱形構造を有し
ている。このため、その製作には多数の部材点数を要す
るほか、これらを仮付けする治具を用いて溶接する必要
があるため多大な工数と費用を要する。
【0004】また遊動輪には、走行駆動力や地面凹凸等
の乗り越え反力等が履帯を介して加わるため、このとき
生じる横荷重や縦荷重は軸受部材と形鋼部材または平板
鋼部材との間の摩擦摺動部に集中する。この摩擦摺動部
は特に、悪路走行時等に激しく接触し合って過大な負荷
を受けるため、極端な場合は形鋼部材の変形や溶接部の
破断等を招くことがある。
【0005】更に、上述した摩擦摺動部はその構造上、
形鋼部材や平板鋼部材のコーナ部分に位置しており、縦
荷重および横荷重に対してそれぞれ独立した別個の摺動
面にて荷重を分担する必要がある。このような荷重分担
構造では、荷重に対し軸受部材が鋼部材のコーナ部分に
強く押し付けられることから、特に横方向への荷重に対
してコーナ部分からの応力集中が生じやすい。このた
め、応力集中の繰り返しによる軸受部材の変形や破損、
また、軸受部材と車軸との間に介装されているオイルシ
ール損傷によるオイル漏れ等を誘発するおそれがある。
【0006】そこで本発明では、部材点数や溶接工数の
低減により製作コストを低下し、また、構造的な改良に
より耐久性を向上させた建設機械用走行体の遊動輪支持
装置の提供を目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明(請求項1)は無端状の履帯を有する建設機
械用走行体の遊動輪を履帯の内周にて回転自在に支持す
る建設機械用走行体の遊動輪支持装置において、遊動輪
の車軸の両端部に嵌め合わされて遊動輪を挟み込む一対
の軸受部材と、走行体のトラックフレームに形成され、
走行方向に関して軸受部材を摺動自在に案内するととも
に、遊動輪が受ける荷重に抗して軸受部材を支持する支
持溝と、この支持溝の両縁に沿って形成され、軸受部材
が支持溝内に受け入れられた状態で軸受部材に当接し、
この当接状態にて軸受部材の軸方向への変位を拘束する
ストッパとを備えており、そのトラックフレームは、支
持溝およびストッパを一体に形成する圧延形鋼材を含む
ことを特徴とする。
【0008】上述の遊動輪支持装置によれば、軸受部材
の支持構造が単品の圧延形鋼材のみにより実現されるの
で、従来使用していた形鋼部材や平板鋼部材の組み合わ
せにより支持溝およびストッパを構成する必要がない。
請求項2に係る本発明の遊動輪支持装置の場合、その圧
延形鋼材は遊動輪の両側に一対をなして設けられてお
り、これら両側一対の圧延形鋼材が同一形状を有してい
る。このような圧延形鋼材は両側で共通部品として使用
可能であり、部品管理や製作に要する手間が簡略化され
る。
【0009】請求項3に係る本発明の遊動輪支持装置で
は、その圧延形鋼材は支持溝を形成するべく断面コ字形
状に成形されたチャンネル部位と、このチャンネル部位
を挟んで上下にそれぞれ設けられ、遊動輪の側面に沿っ
て延びる上下のプレート部位とを含み、そのプレート部
位の下方は、その下端に向けて次第に幅を縮小させるべ
く両側の鉛直線からそれぞれ等しい角度θ1,θ2だけ内
側に切り落とされた形状をなしており、且つ、これら切
り落としの起点がその下端から何れも等しい距離H1
2に設定されている。このような圧延形鋼材は特に、
その下側のプレート部位において同一の寸法を与えられ
ており、遊動輪の両側で容易に部材の共通化が可能であ
る。
【0010】請求項4に係る本発明の遊動輪支持装置で
は、圧延形鋼材の支持溝とストッパとの間をつなぐ部位
が、その圧延型成形の過程において断面円弧形状を与え
られている。従って、横方向への荷重に対して軸受部材
がストッパに強く押し付けられても、ストッパと支持溝
との間にエッジが存在しないため、上述した応力集中が
発生しない。
【0011】また、本発明(請求項5)は、無端状の履
帯を有する建設機械用走行体の遊動輪を履帯の内周にて
回転自在に支持する建設機械用走行体の遊動輪支持装置
において、遊動輪の車軸の両端部に嵌め合わされて遊動
輪を挟み込む一対の軸受部材と、走行体のトラックフレ
ームに形成され、走行方向に関して軸受部材を摺動自在
に案内するとともに遊動輪が受ける荷重に抗して軸受部
材を支持する支持溝と、この支持溝の両縁に沿って形成
され、軸受部材が支持溝内に受け入れられた状態で軸受
部材に当接し、この当接状態にて軸受部材の軸方向への
変位を拘束するストッパと、支持溝とストッパとの間に
確保され、軸受部材の摺動に伴いその外面に摺接するコ
ーナ部とを備えており、コーナ部と軸受部材の外面とが
互いに連続した面接触をもって摺動可能な形状を有して
いる。
【0012】請求項5の遊動輪支持装置によれば、支持
溝内の上下摺動面とストッパの摺動面とがコーナ部を介
して連続的に連なって形成される。また、コーナ部の摺
動面は遊動輪が受ける横荷重および縦荷重を適度に分散
して負担し、軸受部材への負荷を低減する。請求項6に
係る遊動輪支持装置では、そのトラックフレームはスト
ッパおよびコーナ部を一体に形成するべく曲げ加工され
た鋼板材を含み、この鋼板材の組み合わせにより支持溝
が形成されている。このような鋼板材を使用すれば、2
つの鋼板材の折り曲げた一片を互いに対向させて容易に
支持溝を形成することができるので、その使用によりト
ラックフレームの構成部材を減少し、また溶接工数を低
減することができる。
【0013】また、請求項7に係る遊動輪支持装置の場
合、コーナ部および軸受部材の外面が何れも円弧面に形
成されている。従って、軸受部材の摺動面における応力
集中が回避され、その負荷が低減される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を用い本発明の実施の
形態について説明する。図1は、建設機械の一例として
油圧ショベルを示している。油圧ショベルはクローラ型
の走行体2上に旋回体4を備えており、そのベースフレ
ーム6上に運転室8、そして、この運転室8から操作さ
れるフロント作業機構10が設けられている。なお、フ
ロント作業機構10はブーム12を有するほか、図示省
略したアームおよびバケット、そして、これらを回動さ
せる油圧シリンダ等から構成されている。
【0015】走行体2は左右一対のクローラを備え、そ
れぞれ無端状の履帯14を有している。履帯14の内周
にはトラックフレーム16が配設され、走行体2の走行
方向、つまり、前後方向に延びている。また左右のトラ
ックフレーム16はセンタフレーム18を介して相互に
連結されており、このセンタフレーム18上に旋回装置
20が配置されている。
【0016】走行体2はトラックフレーム16の後端側
に走行用モータ22を装備しており、そのスプロケット
24と遊動輪26との間に履帯14が掛け回されてい
る。トラックフレーム16の前端側には遊動輪支持装置
28が装備されており、遊動輪26を履帯14の内周に
て回転自在に支持している。図2および図3は遊動輪支
持装置28の第1実施例を詳細に示しており、図3は図
2中のIII−III線に沿う縦断面を示す。遊動輪26の車
軸30には、その両端部にそれぞれ両側一対の軸受部材
32が嵌め合わされており、遊動輪26を両側から挟み
込んでいる。なお、遊動輪26のハブと軸受部材32と
の間には図示しないオイルシールリングが介装され、車
軸30と遊動輪26との間に供給される潤滑油をシール
している。
【0017】遊動輪支持装置28の構造は、遊動輪26
の両側で一対をなす軸受ガイドプレート34とサイドア
ッパプレート36およびサイドロワプレート38とから
構成される。これら軸受ガイドプレート34、サイドア
ッパおよびロワプレート36,38はそれぞれ両側で同
一形状を有している。軸受ガイドプレート34には単品
の圧延形鋼材が使用されており、また、サイドアッパお
よびロワプレート36,38には平板鋼曲げ部材が使用
されている。
【0018】図3に示すように、軸受ガイドプレート3
4はその縦方向でみて中央部に断面コ字形状のチャンネ
ル部位40と、このチャンネル部位40を挟み、遊動輪
26の側面に沿って上下方向に延びる上下のプレート部
位42,44とを有している。チャンネル部位40は軸
受ガイドプレート34の幅方向に形成され、トラックフ
レーム16と同様に走行体2の走行方向に延びている。
【0019】サイドアッパプレート36は、図3に示す
ように不等辺の山形断面に直角曲げ加工されており、そ
の短辺側の先端が遊動輪26の両側で水平方向に対向す
るべく配置されている。またサイドアッパプレート36
の短辺側は上方のプレート部位42に対してT継手溶接
され、その長辺側はチャンネル部位40の底に重ね継手
溶接されている。
【0020】また、図3に示すようにサイドロワプレー
ト38は平角から直角までの間で曲げ加工されており、
その一方が垂直姿勢でチャンネル部位40の底に重ね継
手溶接され、その他方が下方のプレート部位44に対し
て斜めに突き合わせ溶接されている。ここで、図2に示
すように軸受ガイドプレート34の下方のプレート部位
44およびサイドロワプレート38は、何れもその下部
領域が両側から切り落とされた形状に加工されている。
具体的には、下方のプレート部位44はその下端に向け
て次第に幅を縮小させるべく両側の鉛直線からそれぞれ
等しい角度θ1,θ2だけ内側に切り落とし加工されてお
り、これら切り落としの起点は下端から何れも等しい距
離H1,H2に設定されている。また、サイドロワプレー
ト38も同様に両側の鉛直線から角度θ1,θ2だけ内側
に切り落とし加工され、その起点はプレート部位44に
おける切り落としの起点と高さ方向でみて合致すべく位
置付けられている。
【0021】トラックフレーム16の前端にはリヤ支持
プレート46が取り付けられており、上述した両側の軸
受ガイドプレート36、サイドアッパプレート36およ
びサイドロワプレート38は何れもリヤ支持プレート4
6に溶接される。また、両側のサイドアッパプレート3
6はトッププレート48を介して相互に連結され、とも
にリヤ支持プレート46に溶接されてアイドラ支持構造
物、つまり、遊動輪支持装置28が全体として箱形に組
み合わされている。リヤ支持プレート46の下部は、下
方のプレート部位42およびサイドロワプレート38の
切り落とし加工に合わせた角度θ2にて前方へ曲げ加工
されており、これらの小端面に合致した状態で溶接され
ている。遊動輪26は軸受部材32に両側から挟み込ま
れた状態で遊動輪支持装置28内に格納され、その際、
両側の軸受部材32がそれぞれ対応する軸受ガイドプレ
ート34におけるチャンネル部位40の内側に挿入され
る。
【0022】チャンネル部位40は、その内側にて軸受
部材32を走行方向に摺動自在に案内することができ
る。より詳しくは、チャンネル部位40は、その内側に
軸受部材32を受け入れた状態で上下の摺動面を案内す
るとともに、遊動輪26が受ける縦荷重に抗して軸受部
材32を支持する支持溝を構成している。両側の軸受部
材32は二股状のヨーク50を介して連結され、図示し
ないアジャスタ機構により前方への付勢力を受けてい
る。アジャスタ機構は遊動輪26を履帯14の内周に押
し付けて張力を保持し、また、走行時の履帯14の変形
に追従して遊動輪26の前後方向への変位を許容する。
【0023】軸受ガイドプレート34における上下のプ
レート部位42,44は、チャンネル部位40の内側に
軸受部材32が受け入れられた状態で軸受部材32の外
面に当接することにより、軸受部材32の軸方向への変
位を拘束するストッパを構成している。このようなスト
ッパ構造により、走行時の遊動輪26に対する横方向へ
の荷重がトラックフレーム16に伝達される。なお、図
3に示しているように、本実施の形態では上下のプレー
ト部位42,44と軸受部材32との間に適当なクリア
ランスが確保されている。
【0024】上述のように、両側の軸受ガイドプレート
34、サイドアッパプレート36およびサイドロワプレ
ート38は互いに同一形状に加工されることから、これ
らを両側で共通部材とすることができる。また、軸受ガ
イドプレート34におけるチャンネル部位40と上下の
プレート部位42,44とが一体的に圧延成形されるこ
とから、従来構造のようにこれらを別部材として溶接に
より組み合わせる必要がなく、それ故、部材点数および
溶接工数の大幅な低減が可能である。
【0025】更に、軸受ガイドプレート34におけるチ
ャンネル部位40と上下のプレート部位42,44との
間をつなぐコーナ部52の形状に着目すれば、その圧延
成形の過程で断面円弧形状に加工されている。このた
め、従来は箱形の溶接構造物と軸受部材32との間の接
触部が直角または鋭角の部材を用いたものであったのに
対し、第1実施例では圧延時の円弧形状(R形状)をそ
のまま利用している。従って、走行時に軸受部材32と
軸受ガイドプレート34との間で発生する荷重負荷を軸
受部材32だけに集中させない構造が実現される。これ
により、軸受部材32に対する負荷が大幅に低減され、
その破損や変形、油漏れ等の不具合の発生が未然に防止
される。なお、コーナ部52の外面における半径R
1は、これに対応する軸受部材34の外面における半径
2と同じかそれ以上に設定されている必要がある。ま
た、軸受ガイドプレート34の板厚Tに対し、半径R1
はその3分の1以上(R1≧T/3)に設定されている
ことが好ましい。
【0026】次に、本発明の第2実施例を説明する。図
4および図5は遊動輪支持装置28の第2実施例を詳細
に示しており、図5は図4中のV−V線に沿う縦断面を
示している。第2実施例の遊動輪支持装置28の構造的
な特徴は、上述した第1実施例の軸受ガイドプレート3
4に代えてアッパ軸受ガイドプレート54,55および
ロワ軸受ガイドプレート56,57を使用し、これらを
平板鋼板材のプレス曲げ加工品により成形したことにあ
る。また、第1実施例では遊動輪26の両側にサイドア
ッパおよびロワプレート36,38をそれぞれ使用して
いるが、第2実施例では上下一体のサイドプレート5
8,60を使用している。
【0027】本実施例2では図5に示すように、アッパ
軸受ガイドプレート54,55の大きさが遊動輪26の
内側と外側とで異なっており、それに合わせて内側のサ
イドプレート58と外側のサイドプレート60との大き
さもまた異なっている。具体的には、内側のアッパ軸受
ガイドプレート54は不等辺の山形断面に直角曲げ加工
されており、その長辺側が垂直姿勢に配置されている。
これに対し、外側のアッパ軸受ガイドプレート55は略
等辺の山形断面に曲げ加工され、その一辺側が垂直姿勢
に配置されている。なお、内側のロワ軸受ガイドプレー
ト56と外側のロワ軸受ガイドプレート57とは同一の
形状とすることができ、何れも不等辺の山形断面に直角
曲げ加工されて長辺側が垂直姿勢に配置されている。
【0028】内側のサイドプレート58の上部は直角に
曲げ加工されて遊動輪26に向けて水平に延びており、
また、その下部は平角から直角の間の角度で曲げ加工さ
れ、遊動輪26に近接するべく斜め下方に延びている。
一方、外側のサイドプレート60は、その上下を部分的
に平角から直角の間で曲げ加工され、それぞれ遊動輪2
6に近接するべく斜め上下方向に延びている。
【0029】上述した内側のアッパ軸受ガイドプレート
54とロワ軸受ガイドプレート56とは、互いにその短
辺側が平行となるように間隔を存して組み合わされ、こ
れら短辺側は水平姿勢でサイドプレート58の内面にT
継手溶接されている。外側のアッパ軸受ガイドプレート
55は、その一辺側が水平姿勢に配置されてロワ軸受ガ
イドプレート57の短辺側と平行に配置されている。こ
れら一辺側と短辺側もまた互いに間隔を存して組み合わ
され、サイドプレート59の内面にT継手溶接されてい
る。なお、上述した内側のアッパ軸受ガイドプレート5
4の長辺側はサイドプレート58の上部にT継手溶接さ
れており、また、サイドプレート56の下部はロワ軸受
ガイドプレート56の長辺側に対して斜めに突き合わせ
溶接されている。そして、外側のアッパ軸受ガイドプレ
ート55の垂直姿勢をなす一辺側は、外側サイドプレー
ト60の上部に対し斜めに突き合わせ溶接され、また、
サイドプレート60の下部はロワ軸受ガイドプレート5
7の長辺側に対して斜めに突き合わせ溶接されている。
【0030】第2実施例においても同様に、ロワ軸受ガ
イドプレート56,57およびサイドプレート58,6
0は、何れもその下部領域が両側から切り落とされた形
状に加工されている。なお、切り落としの角度や寸法等
は、上述した第1実施例の場合と同様に両側の部品を共
通化するため統一することができる。また、第2実施例
においてもトラックフレーム16の前端にリヤ支持プレ
ート62が取り付けられており、上述した両側のアッパ
およびロワ軸受ガイドプレート54〜57、サイドプレ
ート58およびサイドプレート60は何れもリヤ支持プ
レート62に溶接される。また、両側のサイドプレート
58,60はトッププレート64を介して相互に連結さ
れ、ともにリヤ支持プレート62に溶接されて全体とし
て箱形に組み合わされている。リヤ支持プレート62の
下部もまた、ロワ軸受ガイドプレート56,57および
サイドプレート58,60の切り落とし加工に合わせた
角度にて前方へ曲げ加工され、これらの小端面に合致し
た状態で溶接される。
【0031】第2実施例においても同様に、遊動輪26
は軸受部材66に両側から挟み込まれた状態で遊動輪支
持装置28内に格納される。第2実施例の場合、両側の
軸受部材66がそれぞれ内側のロワおよびアッパ軸受ガ
イドプレート54,56と外側のロワおよびアッパ軸受
ガイドプレート55,57の間に挿入される。上述した
ように平行に組み合わされた短辺側、一辺側等は、これ
らの間にて軸受部材66を走行方向に摺動自在に案内す
ることができる。すなわち、ロワおよびアッパ軸受ガイ
ドプレート54,56と外側のロワおよびアッパ軸受ガ
イドプレート55,57は、これらの間に軸受部材66
を受け入れた状態で上下の摺動面を案内するとともに、
遊動輪26が受ける縦荷重に抗して軸受部材66を支持
する支持溝を構成する。なお、ヨーク50による遊動輪
26の連結およびアジャスタ機構による付勢等には第1
実施例と同様の技術が用いられている。
【0032】また第2実施例の場合、ロワおよびアッパ
軸受ガイドプレート54,56と外側のロワおよびアッ
パ軸受ガイドプレート55,57における垂直姿勢の長
辺側、一辺側等は、上述した水平姿勢の短辺側、一辺側
等の間に軸受部材66が受け入れられた状態で軸受部材
66の外面に当接することにより、その軸方向への変位
を拘束するストッパを構成する。このようなストッパ構
造もまた、走行時の遊動輪26に対する横方向への荷重
をトラックフレーム16に伝達することができる。
【0033】ここで、図5に示すようにロワおよびアッ
パ軸受ガイドプレート54〜57は半径R3にて曲げ加
工されており、それ故、第2実施例では支持溝とストッ
パとの間に円弧面のコーナ部68が形成される構造とな
っている。またコーナ部68に対応する各軸受部材66
の摺動面70も半径R4の円弧面に加工されており、こ
れらコーナ部68と摺動面70とが互いに面接触をもっ
て摺動可能に形成されている。このため、従来は箱形の
溶接構造物と軸受部材66との間の接触部が直角または
鋭角の部材を用いたものであったのに対し、第2実施例
では走行時に軸受部材66とロワおよびアッパ軸受ガイ
ドプレート54〜57との間で発生する荷重負荷を軸受
部材66だけに集中させない構造が実現される。これに
より、軸受部材66に対する負荷が大幅に低減されてそ
の破損や変形、油漏れ等の不具合の発生が未然に防止さ
れる。
【0034】なお、コーナ部68における曲げ半径R3
は、ロワおよびアッパ軸受ガイドプレート54〜57の
板厚tに対して1:1〜1.2程度が好ましく、また、
これに対応する軸受部材66の摺動面70における半径
4は半径R3と同じかそれよりも小さく設定されている
必要がある。また第2実施例においても、ロワおよびア
ッパ軸受ガイドプレート54〜57を平板鋼板の曲げ加
工により形成していることから、従来構造に比較して部
材点数が低減され、また、その溶接工数の低減も可能で
ある。
【0035】本発明は上述した第1および第2実施例に
よる実施の形態のみに制約されるものではなく、種々の
変形が可能である。例えば、第1実施例では圧延形鋼材
として軸受ガイドプレート34の構成をチャンネル部位
40および上下のプレート部位42,44としている
が、各プレート部位42,44は更に、その上下端にフ
ランジ部等を有していてもよい。また、箱形支持構造物
においてサイドアッパおよびロワプレート36,38を
別体としているが、これらを一枚の平板鋼板材から曲げ
加工により一体成形してもよい。この場合の接合は上下
のプレート部位42,44と平板鋼板材との溶接のみと
するか、チャンネル部位40の底に平板鋼板材をプラグ
溶接して強度を確保することができる。
【0036】また、第2実施例ではコーナ部68および
摺動面70の形状を円弧面としているが、これらは他の
二次曲面状であってもよい。その他、本実施の形態にお
いて例示した角度θ1,θ2、高さ寸法H1,H2および半
径R1〜R4は特に限定がなく、本発明を適用する実施の
態様において好ましい数値を適宜採用することができ
る。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の建設機械
用走行体の遊動輪支持装置によれば、トラックフレーム
の製作部材点数および溶接工数が低減され、その製作コ
ストが大幅に引き下げられる。また、請求項2の遊動輪
支持装置のように遊動輪の両側で部品を共通化していれ
ば、より安価なトラックフレームを供給することができ
る。
【0038】更に請求項3の遊動輪支持装置のように部
品の形状を規格化すれば、その設計および製作コストを
も容易に低減することができる。請求項4の遊動輪支持
装置は軸受部材への負荷を軽減し、その耐久性を向上さ
せる。請求項5の建設機械用走行体の遊動輪支持装置に
よれば、遊動輪の軸受部材への負荷が大きく軽減され、
その耐久性や信頼性を長期間に亘って保証することがで
きる。
【0039】また請求項6の遊動輪支持装置によれば、
トラックフレームの製作部材点数および溶接工数を低減
化し、その製作コストを削減することができる。更に請
求項7の遊動輪支持装置のように滑らかな円弧状をもっ
て摺動面を形成していれば、部材の摺動もよりスムーズ
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】建設機械としての油圧ショベルを示した側面図
である。
【図2】トラックフレームにおける遊動輪支持装置の第
1実施例を詳細に示した側面図である。
【図3】図2中、III−III線に沿う縦断面図である。
【図4】遊動輪支持装置の第2実施例を詳細に示した側
面図である。
【図5】図4中、V−V線に沿う縦断面図である。
【符号の説明】
2 走行体 14 履帯 16 トラックフレーム 26 遊動輪 28 遊動輪支持装置 32 軸受部材 34 軸受ガイドプレート 54,55 アッパ軸受ガイドプレート 56,57 ロワ軸受ガイドプレート 66 軸受部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無端状の履帯を有する建設機械用走行体
    の遊動輪を前記履帯の内周にて回転自在に支持する建設
    機械用走行体の遊動輪支持装置において、 前記遊動輪の車軸の両端部に嵌め合わされて前記遊動輪
    を挟み込む一対の軸受部材と、 前記走行体のトラックフレームに形成され、前記走行体
    の走行方向に関して前記軸受部材を摺動自在に案内する
    とともに、前記遊動輪が受ける荷重に抗して前記軸受部
    材を支持する支持溝と、 前記支持溝の両縁に沿って形成され、前記軸受部材が前
    記支持溝内に受け入れられた状態で前記軸受部材に当接
    し、この当接状態にて前記軸受部材の軸方向への変位を
    拘束するストッパとを備え、 前記トラックフレームは、前記支持溝および前記ストッ
    パを一体に形成する圧延形鋼材を含むことを特徴とする
    建設機械用走行体の遊動輪支持装置。
  2. 【請求項2】 前記圧延形鋼材は前記遊動輪の両側に一
    対をなして設けられており、これら両側一対の圧延形鋼
    材が同一形状を有することを特徴とする請求項1に記載
    の建設機械用走行体の遊動輪支持装置。
  3. 【請求項3】 前記圧延形鋼材は、 前記支持溝を形成するべく断面コ字形状に成形されたチ
    ャンネル部位と、 前記チャンネル部位を挟んで上下にそれぞれ設けられ、
    前記遊動輪の側面に沿って延びる上下のプレート部位と
    を含み、 前記プレート部位の下方は、その下端に向けて次第に幅
    を縮小させるべく両側の鉛直線からそれぞれ等しい角度
    θ1,θ2だけ内側に切り落とされた形状をなしており、
    且つ、これら切り落としの起点が前記下端から何れも等
    しい距離H1,H2に設定されていることを特徴とする請
    求項1に記載の建設機械用走行体の遊動輪支持装置。
  4. 【請求項4】 前記圧延形鋼材の前記支持溝と前記スト
    ッパとの間をつなぐ部位は、その圧延型成形の過程にお
    いて断面円弧形状を与えられていることを特徴とする請
    求項1に記載の建設機械用走行体の遊動輪支持装置。
  5. 【請求項5】 無端状の履帯を有する建設機械用走行体
    の遊動輪を前記履帯の内周にて回転自在に支持する建設
    機械用走行体の遊動輪支持装置において、 前記遊動輪の車軸の両端部に嵌め合わされて前記遊動輪
    を挟み込む一対の軸受部材と、 前記走行体のトラックフレームに形成され、前記走行体
    の走行方向に関して前記軸受部材を摺動自在に案内する
    とともに、前記遊動輪が受ける荷重に抗して前記軸受部
    材を支持する支持溝と、 前記支持溝の両縁に沿って形成され、前記軸受部材が前
    記支持溝内に受け入れられた状態で前記軸受部材に当接
    し、この当接状態にて前記軸受部材の軸方向への変位を
    拘束するストッパと、 前記支持溝と前記ストッパとの間に確保され、前記軸受
    部材の摺動に伴いその外面に摺接するコーナ部とを備
    え、 前記コーナ部と前記軸受部材の外面とが互いに連続した
    面接触をもって摺動可能な形状を有することを特徴とす
    る建設機械用走行体の遊動輪支持装置。
  6. 【請求項6】 前記トラックフレームは前記ストッパお
    よび前記コーナ部を一体に形成するべく曲げ加工された
    鋼板材を含み、この鋼板材の組み合わせにより前記支持
    溝が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の
    建設機械用走行体の遊動輪支持装置。
  7. 【請求項7】 前記コーナ部および前記軸受部材の外面
    は、何れも円弧面に形成されていることを特徴とする請
    求項5に記載の建設機械用走行体の遊動輪支持装置。
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