JP2002052540A - 積層金型の生産方法 - Google Patents

積層金型の生産方法

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JP2002052540A
JP2002052540A JP2000242405A JP2000242405A JP2002052540A JP 2002052540 A JP2002052540 A JP 2002052540A JP 2000242405 A JP2000242405 A JP 2000242405A JP 2000242405 A JP2000242405 A JP 2000242405A JP 2002052540 A JP2002052540 A JP 2002052540A
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steel plate
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cut
core mold
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JP2000242405A
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Wataru Iida
亘 飯田
Kikujiro Toda
菊次郎 戸田
Masaki Nishimura
正貴 西村
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Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動化が容易なコア金型とキャビティ金型を
同時に生産する技術を実現する。 【解決手段】 金属シート4を積層して積層金型18、
20を生産する方法である。第1工程(S1)では、各
金属シート4をコア金型形成部3とキャビティ金型形成
部5に切断するにあたって、両者3、5が分離しないよ
うに未切断部6を残して切断する。第2工程(S4)で
は、未切断部6を残して切断された金属シート4を所定
位置に積層する。第3工程(S6)では、積層された金
属シート4の未切断部6を切断する。上記3つの工程を
所定回数繰返して、コア金型20とキャビティ金型18
を同時に生産する。コア金型形成部3とキャビティ金型
形成部5をそれぞれに積層する必要がなく、すべての金
属シートを同一位置に搬送して積層すればよい。一層あ
たり2回搬送する必要もなければ、層ごとに搬送位置を
変える必要もない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、金型を生産する
技術に関する。特に、金属シートを積層して金型を生産
する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】 金属シートを積層して金型を生産する
技術が開発されている。1985年4月のプロシーディ
ングズオブトゥエンティフィフスインターナショナルマ
シンツールデザインリサーチカンファランス(Proc. of
25th International Machine Tool Design Research Co
nference, (1985, 4))の505頁から510頁に、その
技術が記載されている。本明細書に添付する図3に従来
の積層金型の生産方法を模式的に示す。
【0003】最初に、金属シート34にレーザ光32を
照射して金属シート34を切断する(ステップS1
2)。ここではレーザ光32が輪郭38にそって照射さ
れ、金属シート34は、輪郭38の内側シート33と外
側シート35に切断される。切断後に内側シート33と
外側シート35が分離され(ステップS14)、外側シ
ート35は積層される(ステップS16)。図示10は
積層ホルダーであり、外側シート35の矩形の外輪郭が
積層シート毎にずれることなく積層されるように案内す
る。一方、内側シート33の下面に接着剤を塗布し(ス
テップS14)、接着剤が塗布された内側シート33
を、先に積層されている外側シート35の内側輪郭内に
嵌め込む(ステップS16)。この結果、内側シート3
3も積層される。内側シート33の下面には接着剤が塗
布されているので、積層された内側シート33群は積層
された位置関係で一体化する。ステップS12からステ
ップS16の工程を必要な枚数分だけ繰返した後、内側
シート33が積層されて形成されるコア金型50と、外
側シート35が積層されて形成されるキャビティ金型4
8とを分離する(ステップS18)。キャビティ金型4
8とコア金型50を分離する前に、積層された位置関係
でそれぞれを一体化しておく。一体化の手法には各種手
法が存在し、例えば積層体を加圧しながら真空の高温環
境下におくことで積層された金属シート同士を拡散接合
した後で、キャビティ金型48とコア金型50を分離す
る。
【0004】ここで、ステップS12の輪郭38は、コ
ア金型50ないしはキャビティ金型48の横断面形状に
等しくされており、しかも、積層される金属シートの積
層高さにあわせてその横断面形状が選択されているの
で、この手法で意図した金型形状が実現される。この手
法では、積層後にキャビティ金型48とコア金型50を
分離する為に、分離可能な形状でなければ生産できな
い。図3に示すコア金型50の場合、上方に行くほど横
断面形状が縮小するものでなければ分離できない。しか
しながら、金型の場合、抜き勾配が必要とされることか
ら、キャビティ金型48とコア金型50を分離できない
金型があったとしてもそのような金型は極めて特殊であ
る。従って、大抵の金型はこの手法で生産することがで
きる。積層金型48、50は、その用途に応じてさらに
加工される。積層によって生じる階段形状が許されない
場合には、仕上加工によって階段形状が除去される。こ
の場合にも、積層することでおおよその形状が得られて
いるので、全体の加工時間は短くてすむ。この明細書で
は、仕上加工することで金型となる仕上加工前の積層体
と、積層しただけで金型となる積層体の両者を共通的に
金型という。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 この生産手法は、金
型を短時間で生産する極めて優良な方法である。しかし
ながら、内側シート33の積層処理過程を自動化しづら
いという問題を有する。外側シート35については、ス
テップS16に示されるように、同一位置に搬送して積
層すればよく、自動化が容易である。しかしながら、内
側シート33は、シート毎に形状が相違し、また、位置
も異なることから極めて自動化が難しい。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用と効果】 本発明
は、容易に自動化できる積層金型生産方法を提供するこ
とを目的とする。この発明の積層金型生産方法は、図1
に模式的に示すように、金属シート4を積層して積層金
型18、20を生産する方法である。第1工程(S2)
では、各金属シート4をコア金型形成部3とキャビティ
金型形成部5に切断するにあたって、両者3、5が分離
しないように未切断部6を残して切断する。第2工程
(S4)では、未切断部6を残して切断された金属シー
ト4を所定位置に積層する。第3工程(S6)では、積
層された金属シート4の未切断部6を切断する。そし
て、上記3つの工程を所定回数繰返して、コア金型20
とキャビティ金型18を同時に生産する。
【0007】この方法では、積層工程(第2工程)に先
立って、各金属シート4をコア金型形成部3とキャビテ
ィ金型形成部5に切断するが(第1工程)、両者が分離
しないように、完全には切断せずに未切断部6を残す。
この未切断部6は積層後に切断される(第3工程)。こ
の方法によると、コア金型形成部3とキャビティ金型形
成部5をそれぞれに積層する必要がなく、ステップS4
に示されるように、すべての金属シートを同一位置に搬
送して積層すればよい。一層あたり2回搬送する必要も
なければ、層ごとに搬送位置を変える必要もない。一
方、未切断部6は、積層後で次の金属シートが積層され
る前に切断される。この結果、積層完了時にコア金型用
の積層体とキャビティ金型用の積層体は完全に分離して
おり、両者の分離に手間取ることもない。また、分離時
に未切断部を無理やり破壊して分離する場合には生じる
傷も生じない。さらに、全く切断されていない金属シー
トをまず積層し、積層後に最上層に積層されている1枚
の金属シートをコア金型形成部3とキャビティ金型形成
部5に切断すると、切断時に生じる切りくずやバリやド
ロス等が意図せずに堆積して金型形状を乱すことがあ
る。これに対して、本発明の方法では、積層後には未切
断部分のみを切断するのでかかる問題が生じない。積層
後に未切断部のみを切断する程度では、切断によって生
じる切りくずやバリやドロス等が金型の形状に与える影
響は小さい。なお、キャビティ金型18とコア金型20
に分離する前に、内側積層体(コア金型となる)と外側
積層体(キャビティ金型となる)のそれぞれを、一体化
させておくことが望ましい。このためには、各種手法が
とり得、たとえば、積層の都度にそれまでに積層されて
いる積層体に溶接していく方法、あるいは、積層後に積
層体を貫通するアイボルト21等を利用して一体化させ
る方法等がとり得る。アイボルト21を利用すると、ク
レーン等を利用して分離する作業がやりやすくなる。
【0008】
【発明の実施の形態】 最初に、実施例で説明する生産
方法の主要な特徴を明記する。 (形態1) レーザ光による切断部工程後で積層工程前
に、ドロス(レーザ加工により生じた切断部近辺のバリ
や付着物をいう)除去工程を設ける。 (形態2) 積層後に、新たに積層された金属シート
を、それまでに積層されている積層体に溶接する。 (形態3) 分離された積層金型をスミ肉溶接する。
【0009】
【発明の実施例】(実施例) 以下、本発明を具現化し
た実施例を説明する。図2は積層金型を生産する自動化
ラインの一実施例を示した図である。この自動化ライン
では、鋼板を積層してコア金型とキャビティ金型を同時
に生産する。このラインは、鋼板素材ストック棚84、
鋼板素材供給ステーション86、レーザ加工機88、バ
リ取り機92、複合加工機94、スミ肉溶接機100を
有する。
【0010】鋼板素材ストック棚84は、コア金型とキ
ャビティ金型を形成する鋼板80を保管する棚である。
鋼板素材ストック棚84は、鋼板80群を積載するテー
ブル81を有する。テーブル81は図示されていないア
クチュエータによって、矢印111、110、112方
向に移動することができる。テーブル81は複数存在
し、テーブルごとに載置する鋼板種類が相違する。任意
のテーブルを選択して矢印112に沿って図示右方向に
移動させることで、任意の種類の鋼板群を鋼板素材供給
ステーション86に送り込む。鋼板素材供給ステーショ
ン86は、鋼板素材ストック棚84から供給された鋼板
80群を、1枚ずつ後工程に供給する装置である。鋼板
素材供給ステーション86は、複数のアーム87群を有
する。アーム87群の下端には吸着口が形成されてい
る。その吸着口は可撓性ホースによって図示されていな
い小型コンプレッサに接続されている。小型コンプレッ
サの吸気管に発生する負圧が吸着口に伝えられたときに
アーム87の下端に鋼板80が吸着され、小型コンプレ
ッサの排気管に発生する正圧が吸着口に伝えられたとき
にアーム87の下端から鋼板80が解放される。アーム
87は矢印114、118方向に移動することができ
る。鋼板素材供給ステーション86は、フォーク85を
有する。フォーク85は図示されていないアクチュエー
タによって、矢印116方向に移動することができる。
また、アーム87とフォーク85は、同時に、矢印11
8方向に移動することができる。
【0011】レーザ加工機88は、テーブル89を有す
る。テーブル89には、前述したフォーク85が鋼板8
0を運び易いように、複数の凸部が設けられている。複
数の凸部間にフォーク85が侵入することができる。テ
ーブル89は図示されていないアクチュエータによっ
て、矢印120方向に移動することができる。レーザ加
工機88は、レーザヘッド90を有する。レーザヘッド
90は、鋼板80の材質、厚さ等に合わせて、照射強度
等を任意に設定することができる。レーザヘッド90
は、図示されていないアクチュエータによって、矢印1
24、126方向に移動することができる。鋼板80の
矢印120方向の移動と、レーザヘッド90の矢印12
4方向の移動が複合することで、レーザヘッド90は、
鋼板80を任意の形状に切断することができる。
【0012】バリ取り機92は、バリ取りローラ93群
を有する。本実施例では、4本のバリ取りローラ93を
有する。図2に良く示されるように、上下2本のバリ取
りローラの間を鋼板80が通過することができる。この
間隔は、鋼板80の厚さに応じて任意に設定することが
できる。また、バリ取り機92は、フォーク99を有す
る。フォーク99は図示されていないアクチュエータに
よって、矢印130、132方向に移動することができ
る。
【0013】複合加工機94は、テーブル98を有す
る。テーブル98には、積層体90を運び出し易いよう
に、複数の凸部が設けられている。テーブル98は図示
されていないアクチュエータによって、矢印138方向
に移動することができる。また、テーブル98は矢印1
36方向に昇降することができる。複合加工機94は、
レーザヘッド95を有する。レーザヘッド95は、鋼板
80の材質、厚さ等に合わせて、照射強度等を任意に設
定することができる。また複合加工機94は、エンドミ
ル96、ブラシ97を有する。レーザヘッド95、エン
ドミル96、ブラシ97は、図示されていないアクチュ
エータによって、それぞれ前後左右上下に移動すること
ができる。
【0014】本実施例の自動ラインは、更に、スミ肉溶
接機100を有する。スミ肉溶接機100は、テーブル
106を有する。テーブル106には、積層体90を運
び込み、また、運び出し易いように、複数の凸部が設け
られている。テーブル106は図示されていないアクチ
ュエータによって、矢印142方向に移動することがで
きる。また、テーブル106は矢印144方向に昇降す
ることができる。スミ肉溶接機100は、溶接ヘッド1
04を有する。溶接ヘッド104は、鋼板80の材質、
厚さ等に合わせて、溶接時のビード等を任意に設定する
ことができる。溶接ヘッド104は図示されていないア
クチュエータによって、前後左右上下に移動することが
できる。
【0015】以下、本実施例の自動ラインで、コア金型
とキャビティ金型を生産するときの作用を説明する。複
数枚の鋼板80群を鋼板素材ストック棚84のテーブル
81上に積載する。複数枚の鋼板80群を積載したテー
ブル81が、図2中左(矢印111方向)に移動後、図
2中下(矢印110方向)に移動する。その後、テーブ
ル81が、図2中右(矢印112方向)に移動して、複
数枚の鋼板80群を鋼板素材供給ステーション86に送
り込む。
【0016】鋼板素材供給ステーション86のアーム8
7群が、図2中下(矢印114方向)に移動する。アー
ム87下端が鋼板80に接したら、アーム87群の下端
に設けられた吸着口に負圧が伝えられる。すると、アー
ム87の下端に1枚の鋼板80が吸着される。鋼板80
を吸着後、アーム87群は図示されていないアクチュエ
ータによって、1枚の鋼板80を図2中右(矢印118
方向)に移動させる。
【0017】鋼板80を吸着したアーム87群がテーブ
ル89上に達する前に、アーム87と共に移動するフォ
ーク85は、矢印116方向に移動して高さが調節さ
れ、先にテーブル89に配設させられているミクロジョ
イント加工後の鋼板の下面下にもぐりこむ。テーブル8
9には、複数の凸部が設けられているので、その複数の
凸部間にフォーク85が侵入することができる。その
後、フォーク85は、図2中上(矢印116方向)に移
動して、先にテーブル89に配設させられていたミクロ
ジョイント加工後の鋼板を支持する。フォーク85が前
記ミクロジョイント加工後の鋼板を支持した後、鋼板8
0を吸着したアーム87群は、新たな鋼板80をレーザ
加工機88のテーブル89上に移動させる。その後アー
ム87群は図2中下(矢印122方向)に移動する。鋼
板80の下面がテーブル89の凸部に達したら、正圧が
吸着口に伝えられる。すると、アーム87の下端から鋼
板80が解放されて、鋼板80はテーブル89に配設さ
せられる。このとき、ミクロジョイント加工後の鋼板を
支持しているフォーク85は、図2中91の位置にあ
る。
【0018】アーム87群が鋼板80を解放後、フォー
ク85の高さが調整されて図2中右(矢印128方向)
に移動して、ミクロジョイント加工後の鋼板をバリ取り
機92に移動させる。その後、アーム87群とフォーク
85は、鋼板素材供給ステーション86に戻る。
【0019】レーザ加工機88のテーブル89上に配設
された鋼板80は、所望形状の輪郭に沿って切断され
る。即ち、レーザヘッド90からのレーザ光によってミ
クロジョイント加工される。ここで言うミクロジョイン
ト加工とは、鋼板80が輪郭に沿ってほぼ切断され、内
側シートと外側シートにほぼ切り分けられているもの
の、完全には切断線が連続しておらず、随所に未切断部
6(第1図参照)が残され、ほぼ切断された内側シート
と外側シートが未切断部6によってなおも分離しないで
相対的位置関係を維持する状態に切断することを言う。
【0020】ミクロジョイント加工された鋼板80は、
前記したように、フォーク85によってバリ取り機92
に送り込まれる。鋼板80がバリ取り機92の4本のバ
リ取りローラ93間を通過する間に、レーザ切断により
切断部に生じたドロスは完全に除去される。バリ取りロ
ーラ93間を通過した鋼板80は、フォーク99によっ
て支持される。鋼板80を支持したフォーク99の高さ
が調整された後に(矢印130)、図2中右(矢印13
2方向)に移動して、ミクロジョイント加工されてバリ
取りされた後の鋼板80を複合加工機94のテーブル9
8上に移動させる。
【0021】フォーク99によって支持された鋼板が、
テーブル98上に積層されている積層体の上方に達する
と、積層体の左側端縁(バリ取り機92側)に沿って上
下動自在に配置されているストップピン(図示されてい
ない)が、フォーク99の隙間を通って上昇する。この
状態でフォーク99がバリ取り機92側に戻ると、鋼板
はストップピンに当接して戻れないことからフォーク9
9からはずれ、外れた鋼板80は積層体の一番上の鋼板
上に積層される。このストッパピンはテーブル98に上
下動自在に取り付けられており、フォーク99が接近す
る間は下降しており、離脱するときに上昇する。積層体
は、このストッパピンを位置決めのガイドとして一定の
位置で積層される。テーブル98には、ホルダー193
が適切な位置に設けられているので、常に、鋼板80を
所定位置に積層することができ、鋼板80がずれてしま
うことはない。フォーク99は、鋼板80をテーブル9
8の上に積層させたらバリ取り機92側の所定位置に戻
る。なお、上記の抜き取り方式に代えて、フォーク99
を傾けて鋼板80を斜め下降に滑らせて積層させても良
い。この場合にも、テーブル98の適所にホルダー19
3を設けておけば、鋼板80を所定位置に積層すること
ができる。
【0022】複合加工機94のテーブル98上に配設さ
れた鋼板80は、レーザヘッド95からのレーザ光によ
って未切断部6(図1参照)が切断される。レーザ加工
機88で実施したミクロジョイント加工の軌跡は予め設
定されているので、複合加工機94では、その軌跡に合
わせて未切断部6のみを切断する。この段階で鋼板80
は複数の領域(内側シートと外側シート)に完全に分断さ
れる。なお、金型の形状によっては、1枚の鋼板内に、
複数の内側シートが切断されることがある。レーザヘッ
ド95は、鋼板80の材質、厚さ等に合わせて、照射強
度等が適切に調整されている。従って、未切断部の切断
時に切断ドロスは殆ど生じない。また、未切断部は相対
的位置が変化しない程度の最低限の切断部であり、未切
断部のレーザ切断による熱歪み等の影響は無視できる程
度のものである。複合加工機94には、ブラシ97が設
けられている。従って、未切断部のレーザ切断により切
断ドロスが生じたとしても、ブラシ加工によってその切
断ドロスは完全に除去される。
【0023】本実施例では、未切断部の切断の直前に、
内側シートと外側シートのそれぞれが、その下方にすで
に形成されている積層体に溶接される。即ち、レーザヘ
ッド95からのレーザ光によってスポット溶接される。
レーザヘッド95からのレーザ光は、未切断部の切断
と、スポット溶接の両者に用いられる。スポット溶接時
には、鋼板80の材質や厚さ等に合わせてレーザ光の照
射幅や照射強度等が溶接に適切な値に調整されている。
従って、スポット溶接しても、盛り上がりや凹みは殆ど
生じない。更に、複合加工機94には、エンドミル96
が設けられている。スポット溶接により盛り上がりが生
じたとしても、その後に実行されるエンドミル加工によ
ってその盛り上がりは完全に除去される。
【0024】上記工程(ミクロジョイント加工、バリと
り、積層、未切断部の切断、溶接)を所定回数繰返した
後、コア金型とキャビティ金型とを分離する。コア金型
もキャビティ金型も、複合加工機94によって、完全に
分別された内側シート群と外側シート群が積層されて形
成されたものである。従って、複合加工機94のテーブ
ル98上にあるコア金型とキャビティ金型のうち、上側
にある方を例えばクレーン等を利用して上方に移動させ
ると(この場合にはアイボルト21を利用するのが好ま
しい)、コア金型とキャビティ金型をきれいに分離する
ことができる。このラインでは、コア金型とキャビティ
金型とを同時に生産することができる。
【0025】本実施例の自動化ラインでは、コア金型と
キャビティ金型の生産後に、スミ肉溶接を行う。図示さ
れていないリフトによって、コア金型又はキャビティ金
型を複合加工機94からスミ肉溶接機100に移動させ
る。スミ肉溶接機100のテーブル106に配設された
コア金型102は、溶接ヘッド104によって、スミ肉
溶接が行われる。コア金型102の形状及び必要なスミ
肉溶接部軌跡は、予め設定されているので、スミ肉溶接
機100では、その軌跡に合わせてスミ肉溶接を行うこ
とができる。溶接ヘッド104は、積層金型の材質、形
状等に合わせて、溶接時のビード等を適切に調整するこ
とができる。キャビティ金型にも同様にスミ肉溶接を行
うことができる。
【0026】上述したように、本実施例の積層金型の生
産方法を使用した自動化ラインでは、コア金型とキャビ
ティ金型を同時に生産することができる。
【0027】なお、本実施例では、未切断部の切断の直
前に、スポット溶接を行っているが、この形態に限られ
ない。未切断部の切断の直後や切断と同時にスポット溶
接を行っても構わない。また、未切断部の切断毎にスポ
ット溶接を行わなくても良い。積層体を生産した後に積
層体の全体をボルト等により固定する形態であっても良
い。
【0028】積層前にミクロジョイント加工を行わず、
切断前の鋼板を積層した後に鋼板を切断する方法では、
積層金型を生産することが困難である。これを、図4を
用いて説明する。ステップS22で用意された鋼板64
を、ホルダー10によって、積層位置が定まるように積
層する(ステップS24)。次に、積層された鋼板64
を、輪郭線68に沿ってレーザ光74によって切断する
(ステップS26)。この形態の場合、積層後に鋼板6
4を切断する。従って、積層後のレーザ加工部が非常に
多い。たとえレーザヘッドの照射幅や照射強度等が、鋼
板64の材質や厚さ等に合わせて適切に調整されていて
も、レーザ切断による切断ドロスの発生を無視すること
はできない。また、切断する鋼板64の下にある積層体
に生じる熱歪み等の影響も無視することはできない。ブ
ラシ加工やエンドミル加工によって切断ドロスを除去し
きれない。その結果、鋼板64の積層枚数が増えるに従
って、鋼板64は正しく積層できなくなる。鋼板64を
積層後にその鋼板64を切断する方法では、積層金型の
生産は困難である。図5は、ミクロジョイント加工した
鋼板を積層し、積層後に未切断部を切断しないで積層を
続ける場合を示す。この方法でも、積層するシートが紙
のようなものであり、コア部のみが必要であってキャビ
ティ部は不必要な場合、不必要なキャビティ部を除去し
ながら未切断部を破壊していくことができる。しかしな
がら、この方法は金属シートに対しては無理であり、コ
ア金型のみが必要な場合にも採用することができない。
本発明の方法は、コア金型とキャビティ金型を同時に生
産できる利点を有するものの、コア金型のみが必要な場
合にも有用である。
【0029】ミクロジョイント加工をし、所定位置に積
層し、その後に未切断部を切断する順序を採用した方法
は、非常に優れた積層型生産方法である。上記に示した
実施例はあくまで発明の実施例を例示したものにすぎ
ず、特許請求の範囲に記載の中で、様々な態様で実施で
きる。発明の範囲は実施例に限られるものでない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の金型の生産方法を模式的に示した図
である。
【図2】 実施例の自動化ラインを示した図である。
【図3】 従来例を模式的に示した図である。
【図4】 比較例を模式的に示した図である。
【図5】 比較例を模式的に示した図である。
【符号の説明】
4:金属シート4 3:コア金型形成部 5:キャビティ金型形成部 6:未切断部 S4:積層工程 S6:未切断部切断工程 18:積層キャビティ金型 20:積層コア金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 正貴 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 Fターム(参考) 4E050 JA01 JB10 JC02 JD01 JD03 JD06 4F202 CA30 CB01 CD18 CD30

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属シートを積層して積層金型を生産す
    る方法において、 各金属シートを、コア金型形成部とキャビティ金型形成
    部に切断するにあたって、両者が分離しないように未切
    断部を残して切断する第1工程と、 未切断部を残して切断された金属シートを所定位置に積
    層する第2工程と、 積層された金属シートの未切断部を切断する第3工程
    と、 上記3つの工程を所定回数繰返して、コア金型とキャビ
    ティ金型を同時に生産する積層金型の生産方法。
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