JP2002051911A - 電気ポット - Google Patents

電気ポット

Info

Publication number
JP2002051911A
JP2002051911A JP2000241033A JP2000241033A JP2002051911A JP 2002051911 A JP2002051911 A JP 2002051911A JP 2000241033 A JP2000241033 A JP 2000241033A JP 2000241033 A JP2000241033 A JP 2000241033A JP 2002051911 A JP2002051911 A JP 2002051911A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot water
water supply
amount
electric
electric pot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000241033A
Other languages
English (en)
Inventor
Kohei Imai
高平 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tiger Vacuum Bottle Co Ltd
Original Assignee
Tiger Vacuum Bottle Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tiger Vacuum Bottle Co Ltd filed Critical Tiger Vacuum Bottle Co Ltd
Priority to JP2000241033A priority Critical patent/JP2002051911A/ja
Publication of JP2002051911A publication Critical patent/JP2002051911A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 精度の良好な定量給湯を行わせうことが可能
であり、また使い勝手の向上した電気ポットを提供す
る。 【解決手段】 受け容器に注がれる給湯量が、設定湯量
Wtよりも所定の量Wfだけ少ない時点Aに達したことが判
別されると、単位時間当たりの給湯量(出湯流量)が低
下するように電動ポンプの動作状態を変更する。これに
より、電動ポンプ停止時からの例えばオーバーシュート
量等がより少なくなる。この結果、設定湯量Wtに合わせ
たより精度の良好な定量給湯を行うことができる。ま
た、当初は電動ポンプのフル能力に近い状態での給湯を
行うことで、設定湯量Wtに達するまでの全体的な給湯時
間も極力短かくなって使い勝手も向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保温中の湯を給湯
するための電動ポンプを備えた電気ポットに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電気ポットは一般家庭にも広く普及し使
用されている。このような電気ポットは、内容器に注水
された水を沸騰するまで加熱して保温する機能を備え、
また、手動で操作されるエアーポンプ、または電気的に
駆動される電動ポンプを内蔵させて、給湯を行うように
構成されている。
【0003】ところで、電動ポンプを内蔵させた電気ポ
ット(以下、電動給湯式ポットという)においては、ユ
ーザーが所望の湯量を設定して給湯を開始させる操作を
行うと、給湯量が設定湯量に達した時点で給湯を自動的
に停止させる機能、いわゆる定量給湯機能を備えた電気
ポットが種々提案されている。
【0004】例えば実開平4−3638号公報には、電
動ポンプを作動させたときに給湯配管を流れる湯の流速
を検出する流速検知機構を設け、検出された流速から単
位時間当たりの給湯量と、設定湯量を得るまでに必要な
電動ポンプの動作時間とを順次求めて、電動ポンプの作
動を制御するように構成された電気ポットが開示されて
いる。
【0005】なお、このような電動給湯式ポットに内蔵
される電動ポンプとしては、一般に、例えば内容積が2
00ml程度の通常のコーヒーカップなどの受け容器への
給湯時間が5〜7秒程度になるように、最大吐出流量が
35〜40ml/sec程度の能力を有するものが採用されて
いる。定量給湯時には、このような電動ポンプを上記し
た最大吐出流量が得られる通電条件で駆動し、そしてこ
の状態を継続して、設定湯量に見合った時点で停止させ
る制御が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の定
量給湯では、設定湯量に対応して求められた動作時間の
全体を通して、電動ポンプをその最大吐出流量が得られ
る条件で駆動しているため、設定湯量に合致した精度の
良い給湯量を得難いという問題を有している。
【0007】つまり、例えば前記公報記載の電気ポット
では、流速検知機構での検出流速に基づいて電動ポンプ
の動作時間が求められているが、こうして求められる動
作時間には、例えば流速検出誤差や、内容器に貯留され
ている湯量の変化に応じた電動ポンプでの吐出流量の変
動等に起因する誤差が含まれる。
【0008】また、仮に受け容器に実際に注がれた給湯
量を検出し得るセンサを設け、設定湯量に達した時点を
より正確に検出できるように構成することも考えられる
が、この場合でも、電動ポンプの停止と同時にそれまで
の給湯経路内の湯の流れが瞬間的に停止することはな
く、その直前での流速に応じてある程度の流れ状態が継
続し、いわゆるオーバーシュート量が生じる。
【0009】したがって、前記した誤差時間の間で最大
吐出流量に応じた給湯量の増減が生じ、また、最大吐出
流量に応じたオーバーシュート量が生じて、精度の良い
定量給湯が行われ難いものとなっている。
【0010】本発明は、上記した問題点に鑑みなされた
もので、その目的は、より精度の良好な定量給湯を行わ
せうことが可能であり、また、使い勝手の向上した電気
ポットを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の請求項
1の電気ポットは、湯が貯留される電気ポット本体内に
給湯用の電動ポンプを備え、受け容器に注がれた給湯量
が設定湯量に達したときに電動ポンプの駆動を停止させ
て定量給湯を行うように形成した電気ポットであって、
給湯量が設定湯量よりも所定量だけ少ない量に達した時
に、単位時間当たりの給湯量が低下するように電動ポン
プの動作状態を変更する定量給湯制御手段を設けている
ことを特徴としている。
【0012】このような構成の電気ポットにおいては、
設定湯量に達する前に単位時間当たりの給湯量(出湯流
量)を少なくしているため、例えば前記した誤差時間に
おける給湯量やオーバーシュート量はより少ない量に抑
えられる。この結果、設定湯量Wtに合わせたより精度の
良好な定量給湯を行うことが可能となる。しかも、出湯
流量を少なくした給湯状態は、設定湯量に達する前の所
定の期間だけに制限され、当初は電動ポンプのフル能力
に近い状態での給湯を行うことで、設定湯量に達するま
での全体的な給湯時間も極力短くなって使い勝手も向上
する。
【0013】請求項2の電気ポットは、請求項1の電気
ポットにおいて、電気ポット本体における給湯口の下側
に受け容器が載置される容器置き台を設け、この容器置
き台に、受け容器に注がれる給湯量に応じた重量変化を
検出する重量センサを設けていることを特徴としてい
る。
【0014】この構成の電気ポットにおいては、受け容
器に実際に注がれた湯量の変化を重量センサで検出する
ので、例えば電動ポンプの吐出流量が前記のように変動
しても、設定湯量に対応する停止時点をより正確に検出
することができる。したがって、これによってもさらに
精度の良い定量給湯を行わせることが可能となる。
【0015】請求項3の電気ポットは、請求項2の電気
ポットにおいて、容器置き台を電気ポット本体とは別体
で形成していることを特徴としている。
【0016】このように、容器置き台を電気ポット本体
とは別体にし、この容器置き台を電気ポット本体から離
して独立に持ち運べる構成にすれば、これに内蔵されて
いる重量センサを利用して、定量給湯時以外にも、例え
ば各種食材等を載せてその重さを計る秤(はかり)とし
て、任意の位置で使用し得るようにすることができる。
したがって、これによってさらに使い勝手を向上させる
ことができる。
【0017】請求項4の電気ポットは、請求項2の電気
ポットにおいて、容器置き台を電気ポット本体と一体に
形成していることを特徴としている。
【0018】すなわち、容器置き台が電気ポット本体と
は別体の前記構成では、容器置き台に電池等を収納させ
て電気ポット本体とは別に電源を供給する構成や、さら
に電気ポットと信号の送受信を行うための構成等を設け
る必要があるが、容器置き台を電気ポット本体と一体に
形成した構成では、容器置き台に上記のような電池を収
納させる構成や信号送受信のための構成を設ける必要が
ないので、全体的な製作費をより安価なものとすること
ができる。
【0019】請求項5の電気ポットは、請求項1から4
のいずれかの電気ポットにおいて、受け容器から湯が溢
れて受け容器の外側を流下した湯に感応する溢れ検知手
段を設けると共に、この溢れ検知手段で湯の溢れ状態が
検知された時に、電動ポンプの駆動を停止する制御を前
記定量給湯制御手段が行うように形成していることを特
徴としている。
【0020】この構成によれば、受け容器の内容積より
も大きな量が仮にユーザーによって設定されたような場
合でも、受け容器から湯が溢れると自動的に給湯が停止
されるので、安全性が向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しつつ詳細に説明する。図2に本実施形態
に係る電気ポットを示している。この電気ポットは、湯
水を沸騰するまで加熱して貯留する電気ポット本体(以
下、単に本体と略記する)1と、後述する定量給湯を行
う際に使用される容器置き台2とを設けて構成されてい
る。
【0022】本体1は、内部に上方から凹入する貯湯空
間3aを有する器体3と、貯湯空間3aの上方を覆う蓋
体4とを備え、器体3は、胴部外装体としての筒状の外
ケース5と、貯湯空間3aを囲う内容器6と、これら外
ケース5と内容器6との各上端側を相互に連接する肩ケ
ース7とから形成されている。外ケース5と肩ケース7
とはそれぞれ合成樹脂製で、肩ケース7により、器体3
の上部側外装体が構成されている。また、器体3におけ
る上部前面側は、嘴状に前方(同図において左方)に膨
出する注湯部8として形成されている。
【0023】内容器6は、それぞれステンレス鋼板等を
用いて形成された金属製の内筒9と外筒10とによって
形成され、内筒9に囲われる空間が上記した貯湯空間3
aとなっている。なお内筒9の上端側には、断面台形状
に径方向内側に凹入する絞り部9aが設けられ、この部
位での開口面積をその下側の貯湯空間3aよりも小さく
することで、上方への放熱を抑えて保温性を向上させた
構成になっている。
【0024】外筒10は、内筒9の胴部と底板部の外周
側とを外側から囲う形状に形成され、内筒9に例えば溶
接等によって気密に接合されている。そして、これら内
筒9と外筒10との間の密閉空間6aを真空排気する組
立てが行われて、この空間6aが真空断熱空間となって
いる。このように本実施形態の電気ポットは、真空二重
構造で内容器6が形成されていることによって、さらに
優れた保温性を備えている。
【0025】内筒9の底板部は、その外周側における外
筒10との接合部位よりも内側が上方へ段差状に凹入す
るように形成されている。その中央部下面に、サーミス
タ等からなる底センサ11が下側から当接するように配
置されている。この底センサ11によって、内筒9の底
板部の温度、すなわち貯湯空間3aに貯留されている湯
水の温度が検出される。
【0026】また、上記した段差状の凹入部内に、底セ
ンサ11を囲うドーナツ形状の電気ヒータ12が取付け
られている。この電気ヒータ12は、抵抗加熱式のヒー
タ線を雲母板(マイカ板)に挟んだ構造のマイカヒータ
を設けて構成され、このマイカヒータを、例えばアルミ
ニウムメッキ鋼板等の金属板で上下から挟み込んだ構成
になっている。なお、上記マイカヒータは、三枚のマイ
カ板を積層した構造になっており、これらマイカ板間
に、後述する沸騰用ヒータ64と保温用ヒータ65との
2系統のヒータ回路が設けられている。
【0027】上記凹入部の下側には、この凹入部を覆う
遮熱板13が取付けられている。そして、この遮熱板1
3の下側に、電動ポンプ14と電装品箱15とが前後に
並べて配置されている。この電装品箱15内に、後述す
る定量給湯制御手段としての機能を兼用するマイコン6
3等が搭載された制御回路基板16が収納されている。
なお、外ケース5の下端開口部にはこれを覆う底蓋17
が設けられている。外ケース5は、底蓋17の周縁を囲
う回転座18を介して底蓋17上に載置された組立状態
となっている。
【0028】電動ポンプ14には、その吸引口14a
に、電気ヒータ12と遮熱板13との各前面側の切欠穴
を貫通して内筒9の底板部から垂下する第1給湯管21
が接続されている。また、電動ポンプ14の吐出口14
bに、器体3の前面側に向かう第2給湯管22と、その
前端から外ケース5と内容器6との間を上方に向かって
延びる第3給湯管23とが順次接続され、この第3給湯
管23の上端に、前記注湯部8内に固定された略逆U字
形状の第4給湯管24が接続されている。
【0029】一方、注湯部8には、後述する湯口カバー
25が上下にスライド自在に組付けられ、この湯口カバ
ー25に給湯口管26が固定されている。この給湯口管
26は、前端側に、湯口カバー25の下壁面を貫通して
下方に開口する給湯口26aを備え、この給湯口26a
よりも後方は、湯口カバー25の下壁面に沿って後方に
延びる水平管部26bと、この水平管部26bの後端か
ら、注湯部8のほぼ中央を上方に延びる垂直管部26c
とを有する略L字状に形成されている。この垂直管部2
6cに、上記第4給湯管24における前端側で下方に垂
下する垂直管部24aを上方から挿入し、軸方向の相対
移動が可能な状態にして組立てられている。
【0030】これにより、貯湯空間3aの底部から、図
中矢印で示すように給湯口管26下端の給湯口26aに
至る給湯経路が形成されている。また、第4給湯管24
と給湯口管26との接続領域を上記のような二重管構造
とすることにより、給湯口管26が図示の位置から図中
二点鎖線で示す位置へと下降しても、第4給湯管24と
給湯口管26との各内部流路の連通状態が上記接続領域
で維持されるように構成されている。
【0031】なお、第3給湯管23は透明ガラス管から
成り、その外周面に水位目盛りが印刷されて液量表示管
として形成されている。外ケース5は、水位目盛りに沿
う一部領域が透明に形成されて、上記水位目盛りを前方
から視認し得るようになっている。また、第4給湯管2
4には転倒止水弁27および傾倒止水弁28がそれぞれ
装着されている。
【0032】前記蓋体4は、図3に示すように、上面外
装体を形成する上ケース31と、この上ケース31の下
側を覆うようにこの上ケース31に固定された下ケース
32と、この下ケース32の略中央部に下側から取付け
られた下部成形体33と、この下部成形体33を下側か
ら覆う内蓋34とを設けて形成されている。上ケース3
1および下ケース32と下部成形体33とはそれぞれ合
成樹脂製であり、内蓋34は例えばステンレス鋼板など
の金属薄板で形成されている。
【0033】上ケース31は上方凸状にゆるやかに湾曲
した断面形状で形成されている。この上ケース31のほ
ぼ中央に押し板35が装着され、この押し板35の下側
に、ベローズ36aを設けて形成されたベローズポンプ
(エアーポンプ)36が配置されている。このベローズ
ポンプ36が非動作状態(図示の状態)のときには、こ
のベローズポンプ36の中央下端側に設けられている流
路切換弁36bにより、ベローズ36a内がその下側の
空間から遮断された状態で保持される。
【0034】この状態で、貯湯空間3aは、内蓋34お
よび下部成形体33を貫通する器内連通路37と、下ケ
ース32および下部成形体33間に設けられている第1
通路38と、この第1通路38の下側に形成されている
第2通路39と、下ケース32および下部成形体33間
における後方側に設けられている蒸気通路40とを順次
通して外部に連通するように構成されている。したがっ
て、貯湯空間3a内で発生する蒸気は、この連通経路を
通して外部に放出され器内圧の上昇が防止される。な
お、上記器内連通路37内には転倒止水弁41が装着さ
れている。
【0035】一方、この状態から押し板35を下方に押
す操作が行われると、その操作の開始当初に流路切換弁
36bも一体的にわずかに下降する。これによって、ベ
ローズ36a内が第1通路38に連通すると共に、この
第1通路38と第2通路39との連通が遮断された状態
に切換わる。この結果、第1通路38は外部への連通が
遮断され、したがって、以降の押し板35の下降動作に
伴い、ベローズ36a内で圧縮されるエアーが、第1通
路38から器内連通路37を通して貯湯空間3a内に供
給される。これによって、本実施形態の電気ポットで
は、前記した電動ポンプ14を作動させずとも、押し板
35を押す手動操作で貯湯空間3a内の湯の給湯を行い
得るようにもなっている。
【0036】上記蓋体4は、前記肩ケース7の後端側
(図において右端側)に設けられたヒンジ受け42にヒ
ンジピン43を介して開閉自在かつ着脱自在に支持され
ている。一方、前端側には、この蓋体4を閉位置(図示
の位置)で器体3にロックするための蓋体ロック機構4
4が設けられている。このロック機構44は、上ケース
31に沿って取付けられた蓋開閉レバー45を操作する
ことによってロック状態が解除され、蓋体4が開けられ
るようになっている。
【0037】なお、前記押し板35の下端側外周には、
この押し板35の下降を阻止する状態と、許容する状態
とを周方向の回転によって切換える押し板ロック用筒体
46が配置されている。この筒体46における紙面手前
側から上方に延びる操作部(図示せず)の上端が、押し
板35の側方に位置する手動給湯ロックつまみ46a
(図4参照)として形成されている。
【0038】上記蓋体4の前方を囲う注湯部8は、その
上面が操作表示部として形成されている。すなわち、こ
の注湯部8の上面下側にスイッチ基板51が設けられ、
このスイッチ基板51上に、注湯部8の上壁面を通して
上方から表示内容が視認される液晶パネル52が取付け
られている。この液晶パネル52には、図4に示すよう
に例えば保温中の湯温等が表示される。そして、この液
晶パネル52の両側に、前記した電動ポンプ14を作動
させて給湯するための給湯キー53a、この電動ポンプ
14による給湯に対する電気的なロック状態を解除する
ためのロック解除キー53b、再沸騰キー53c、定量
キー53d、保温選択キー53e等の各種操作キーが配
置されている。
【0039】再沸騰キー53cは沸騰加熱運転の運転モ
ードを選択するためのもので、このキー53cの押下操
作を繰返すことによって、液晶パネル52に表示されて
いる選択マーク「△」の表示位置が液晶パネル52の上
辺側で左右に移動する。この操作で、液晶パネル52の
上辺に沿って記載されている例えば「沸騰」に対応する
位置に選択マーク「△」を位置させると、保温運転中の
お湯を再沸騰させる運転が開始され、沸騰が検出される
とすぐに保温運転に切換えられる。「カルキ抜き」が選
択されると、再沸騰運転を開始して沸騰が検出された後
も、カルキ抜きのために所定の時間だけ沸騰状態を継続
し、その後に保温運転に切換えられる。また、「おやす
み6」や「おやすみ9」が選択されると、6時間後、或
いは9時間後に湯が沸き上がるように、所定の時間経過
を待って沸騰加熱運転を自動的に開始する制御が行われ
る。
【0040】保温選択キー53eは、沸騰加熱運転を終
了した後の保温運転の運転モードを選択するためのもの
で、このキー53eの押下操作を繰返すことによって、
液晶パネル52に表示されている選択マーク「▽」が、
液晶パネル52の下辺側で左右に沿って移動する。この
選択マークを、液晶パネル52の下辺に沿って記載され
ている例えば「98」や「90」に各々対応する位置に
位置させると、湯温を98℃や90℃で保持するように
前記した電気ヒータ12への通電を制御する保温運転が
行われる。
【0041】さらに本実施形態の電気ポットは、内容器
6を真空二重構造とすることで優れた保温性能を備えて
いることから、沸騰後には電気ヒータ12への通電を行
わずとも湯温の低下が充分に抑えられる。そこで、ユー
ザーが選択し得る保温運転モードとして、「まほうび
ん」の保温モードが設けられている。これが選択される
と、電気ヒータ12による通電加熱は行われず、上記真
空二重構造による保温効果のみで保温する状態に切換わ
る。これを選択しても湯温は長時間にわたって充分に高
温に保持され、しかも電力消費は大きく軽減される。
【0042】なお、液晶パネル52の下側には、沸騰加
熱運転中や保温運転中にそれぞれ点灯するLEDから成
る沸騰運転表示ランプ54a、保温運転表示ランプ54
bがさらに設けられている。定量キー53dの機能につ
いては、前記した容器置き台2の構成と共に後で詳しく
説明する。
【0043】上記構成の電気ポットにおいては、内容器
6内に注水し、蓋体4を閉じて器体3に後述する電源プ
ラグ60bが接続されると、前記した再沸騰キー32d
による「おやすみ6」や「おやすみ9」のモード選択が
ない場合には、電気ヒータ12への通電がすぐに開始さ
れて内容器6内の水が加熱される。そして、沸騰が検出
されると、カルキ抜きのために所定の時間だけ沸騰状態
を継続し、この時間経過後に、ブザー(図示せず)を作
動して湯沸かし運転が終了したことを報知し、同時に、
所定の保温温度に保持する保温運転に自動的に切換えら
れる。
【0044】この保温中の湯の給湯は、上述した説明か
ら明らかなように、押し板35に対する手動給湯操作
と、給湯キー53aに対する電動給湯操作とをユーザー
が適宜選んで行うことが可能である。手動給湯を行う場
合には、まず手動給湯ロックつまみ46aをそのロック
位置からロック解除位置へとスライドさせて押し板35
のロック状態を解除し、この押し板35を押すことによ
って、前記ベローズポンプ36から供給されるエアーに
よって貯湯空間3a内が加圧される。これにより、内容
器6内に貯留されている湯が給湯口26aから出湯され
る。
【0045】一方、電動給湯を行う場合には、まず、ロ
ック解除キー53bを押して電気的なロック状態を解除
し、次いで給湯キー53aを押すことで、この給湯キー
53aが押し続けられている間、電動ポンプ14が作動
されてほぼ一定流量で湯が給湯口26aから出湯され
る。
【0046】図5には、上記構成の電気ポットにおける
制御ブロック図を示している。電源コード60の差込み
プラグ60aが例えばAC100Vの商用電源のコンセント
(図示せず)に差し込まれ、そして、この電源コード6
0のマグネットプラグ60bが本体1に接続されると、
ヒューズ61を通して上記の商用電源が本体1に給電さ
れ、この商用電源は、電源回路62によって所定の直流
定電圧に変換されて、運転制御装置としての機能を有す
るマイコン63に供給される。
【0047】このマイコン63に底センサ11や各操作
キー53a〜53eが接続されている。これら操作キー
53a〜53eでの操作により設定された各運転モード
で、沸騰加熱運転時や保温運転時には、ヒューズ61を
介して商用電源に接続されている沸騰用ヒータ64や沸
騰用ヒータ65への通電が、それぞれリレー回路66や
トライアック67を介して、マイコン63によって制御
される。同時に、前記沸騰運転表示ランプ54aや保温
運転表示ランプ54bの点灯制御が行われる。また、沸
騰加熱運転を終了し保温運転に切換わる時にはブザー6
8を作動させて、沸騰完了が音によってユーザーに報知
される。
【0048】なお、商用電源の給電ラインLmには、ヒュ
ーズ61通過後の位置に分圧回路69がさらに接続さ
れ、この分圧回路69を通して商用交流電源のゼロクロ
ス信号がマイコン63に入力される。沸騰用ヒータ64
への通電を制御するためのリレー回路66のON/OF
Fの切換えをゼロクロス信号にタインミグを合わせて行
う制御等がマイコン63によって行われる。
【0049】一方、ロック解除キー53bの操作に続い
て給湯キー53aの押下操作が行われると、この間、マ
イコン63によって電動ポンプ14への通電が継続され
て、前記した電動給湯が行われる。
【0050】そして本実施形態の電気ポットでは、上記
のような電動給湯を行う際、給湯量が所定量に達した時
点で給湯を自動的に停止させる定量給湯モードでの給湯
運転(以下、単に定量給湯という)をユーザーが選択し
得るように構成されており、以下、この定量給湯のため
の構成および手順について説明する。
【0051】この定量給湯を行わせる場合、ユーザー
は、まず前記図2に示すように、本体1における注湯部
8の下側に前記容器置き台2を置き、この置き台2上
に、例えばコーヒーカップ等の受け容器70を載せる操
作を行う。
【0052】この容器置き台2は、偏平箱形の基台71
と、この基台71の上方に配置された逆円錐台形状のテ
ーパ状受け皿72と、このテーパ状受け皿72の上端側
周縁で水平に支持された円板状の水平受け皿73とを設
けて構成されている。この水平受け皿73上に受け容器
70が載置される。
【0053】テーパ状受け皿72は、その下面に、基台
71の上壁面を貫通して下方に垂下する複数の脚部72
a…が一体形成されている。一方、基台71内に回路基
板74が収納されており、この回路基板74上には、水
平受け皿73およびテーパ状受け皿72の中心線上の位
置に、例えば歪ゲージや圧電素子等から成る重量センサ
75が取付けられている。また、この重量センサ75上
に略円形の伝達板76が配置されている。この伝達板7
6は、その下面中心に形成されている下方突起部76a
が、重量センサ75に上方から当接した状態で水平に保
持され、そしてこの伝達板76の周縁に、テーパ状受け
皿72の各脚部72a…の下端が上方から当接して、こ
のテーパ状受け皿72が支持されている。
【0054】このような構成により、受け容器70やテ
ーパ状受け皿72・水平受け皿73・伝達板76のトー
タル重量が重量センサ75で検出され、さらに、この状
態から受け容器70に湯が注がれるときの重量変化が重
量センサ75によって検出されるようになっている。
【0055】上記水平受け皿73には、上下に貫通する
多数の孔73a…が形成されている。また、テーパ状受
け皿72の中央下端に、溢れ検知手段としての温度セン
サ77が水密状に取付けられている。仮に、受け容器7
0に注がれた湯が溢れた場合に、これが上記孔73a…
を通してテーパ状受け皿72へと流下し、さらに、この
受け皿72のテーパ壁面に沿って中央の温度センサ77
側に集まることになる。こうして湯が触れた温度センサ
77によって室温からの急激な温度上昇が検出され、こ
れが、溢れ検知信号として、前記したマイコン63に送
信されるようになっている。なお、テーパ状受け皿72
の底部に集まった湯は、図示してはいないが、例えば紙
面奥側に至る排出流路を通して、別途設けられている排
湯受け容器内へとテーパ状受け皿72内から流出してい
くようになっている。
【0056】上記基台71の前面上部側は傾斜状に形成
され、この部位は、定量給湯時の操作表示部78として
形成されている。すなわち、この傾斜状壁面の内側にス
イッチ基板79が設けられ、このスイッチ基板79に、
図示してはいないが、本体1の注湯部8に設けられてい
る前記した液晶パネル52や定量キー53d・給湯キー
53a・ロック解除キー53bと同様の表示パネルおよ
びスイッチ類が設けられている。
【0057】なお、この基台71内には、上記スイッチ
基板79や表示パネルに給電するための例えばリチウム
電池などが収納されるようになっている。すなわち、こ
の容器受け台2は、本体1から離して個別に持ち運び、
例えば各種食材料の重さを計る秤(はかり)として利用
し得るようにも構成され、上記表示パネルにこのときの
秤量値が表示されるようになっている。
【0058】一方、基台71の後面と、本体1の外ケー
ス5における底部前面との相対向する部位に、例えば赤
外線送受信器やマグネット式接点等から成る信号送受信
ユニット80・81が各々設けられている。定量給湯を
行わせるときに、容器置き台2を、同図に示されている
ように本体1の外ケース5に前方から近接もしくは密着
する位置に置くことで、上記ユニット80・81を介し
て、図5に示すように、容器置き台2における重量セン
サ75や温度センサ77での各検出信号、また、上述し
た操作表示部78における各操作キーを操作したときの
操作信号が本体1側のマイコン63に送信される。ま
た、容器置き台2側との間で上記のような信号受信が可
能となることで、容器置き台2が本体1の前に置かれ定
量給湯の準備状態になっていることを、マイコン63で
判別するように構成されている。
【0059】なお、前記図2に示すように、容器置き台
2上に乗せた受け容器70の上端から給湯口26aまで
の間隔が広い場合には、注湯部8の下部側に上下にスラ
イド自在に取付けられている湯口カバー25を両側から
指先で挟み、これを押し下げることで、図中二点鎖線で
示すように、給湯口26aを受け容器70に上方から近
づけることが可能である。これにより、給湯時に給湯口
26aを通して流下する湯が受け容器70の底壁に当た
るときの流速を極力小さくすることができ、受け容器7
0内から外方への湯の飛び散りが防止される。
【0060】上記湯口カバー25は、図6に示すよう
に、前端側が断面円弧状に形成され、また、上端が開口
した縦長の略直方体形状に形成されている。後面側は、
給湯口26aよりも下方に垂下する形状の被案内面25
aとして形成されている。一方、本体1の外ケース5に
おける注湯部8よりも下側で、やや後方に湾曲した前面
壁5aには、その中央に、後方に段差状に凹入させた案
内面5bが設けられている。この案内面5bに湯口カバ
ー25の被案内面25aを嵌着させて、この湯口カバー
25が、上記案内面5bに沿って上下にスライド自在に
組付けられている。なお、案内面5bには、その中央
に、複数の円形穴を上下に連ねた位置決め用スリット5
cが形成されている。この位置決め用スリット5cに、
図2に示すように、湯口カバー25の被案内面25aに
突設されたピン25bが嵌入された組付状態となってい
る。これによって、湯口カバー25を指先で挟んで上下
動させる際に、位置決め用スリット5cの各円形穴の位
置毎に節度感が付与され、所望の位置で指先を離すこと
で、その高さ位置で湯口カバー25およびこれに固定さ
れている給湯口管26が保持される。
【0061】このように、容器置き台2上に受け容器7
0を載せ、また、給湯口26の高さを調整した後、ユー
ザーは、本体1における注湯部8上面、或いは容器置き
台2前面の操作表示部78で定量給湯を行わせるための
キー操作を行うことになるが、いずれの場合でも、その
操作は互いに同様であるので、以下では、前記図4を参
照して、注湯部8での操作を例に挙げて説明する。
【0062】本体1に電源プラグを接続した当初は、定
量給湯のクリア状態となっている。このクリア状態で、
同図に示されている定量キー53dを押すと、液晶パネ
ル52に「定量」の文字と選択マーク「┏」とが表示さ
れる。そして、このキー53dの押下操作を繰返すこと
によって、選択マーク「┏」が、液晶パネル52の左辺
に沿って記載されている例えば「200ml」に対応する
位置から、その下側の「400ml」「600ml」の各文
字に各々対応する位置に順次移動する。そして、例えば
選択マーク「┏」を「400ml」に位置させ、この状態
でロック解除キー53bを押し、さらにこれに続けて給
湯キー53aを押すことによって、後述する定量給湯の
制御が開始される。
【0063】なお、選択マーク「┏」が最下段の「60
0ml」に位置する状態でさらに定量キー53dを押す
と、「定量」の文字と選択マーク「┏」とが消え、これ
によって、定量給湯モードがクリアされて前記したクリ
ア状態に戻り、後述する定量給湯制御も中断される。こ
のクリア状態において、ロック解除キー53bに続けて
給湯キー53aを押せば、この給湯キー53aを押し続
けている間、前記したように一定流量での出湯が継続さ
れる。
【0064】図7に、定量キー53dが押されて液晶パ
ネル52に「定量」の文字表示を行わせた後に開始され
る前記マイコン63での制御手順を示している。このと
きユーザーは、定量キー53dの押下操作に続けて、前
記したように、所望する給湯量の選択を行い、次いで、
ロック解除キー53b・給湯キー53aの押下操作を行
うことになる。そこでまず、ロック解除キー53bが押
され、これによるON信号がステップS1において検出
されると、次いで、ステップS2において給湯キー53
aが押された時のON信号が入力されるまで待機する。
【0065】この間、ステップS3では、ロック解除キ
ー53bがONされてからの経過時間を所定時間t1(例
えば20秒)と比較し、この時間t1以内に給湯キー53a
が押された時にステップS2からS4に移行して、上記
した給湯量の選択操作で最終的に選択された湯量(以
下、設定湯量という)Wtの読込みを行なう。また、容器
置き台2内の重量センサ75で、この時点で検出されて
いる重量(以下、初期重量という)W0の読込みを行って
(S5)、電動ポンプ14の駆動を開始する(S6)。
このときのモータ回転数は、電動ポンプ14の最大吐出
能力、例えば35〜40ml/sec程度の流量が得られる回
転数N1に設定されている。
【0066】こうして給湯が開始されると、以降は、ス
テップS7・S8において、給湯キー53aの押下操作
が中止された否か、また、前記した溢れ検知信号が発生
されたか否かを監視しながら、ステップS9において、
重量センサ75での検出重量Wを逐次読込み、この検出
重量Wから初期重量W0を引いて求められる給湯量(W−
W0)が、設定湯量Wtから所定の湯量Wf(例えば100m
l)を引いた量(Wt−Wf)に達したことが判別されるま
で、上記の給湯状態を継続する。
【0067】例えば、設定湯量Wtが400mlのときに
は、これからWf(=100ml)を引いた300mlに達する
まで、上記したほぼ最大流量での給湯を継続するのであ
る。なお、湯水の比容積はほぼ1ml/gであるので、重量
センサ75で検出される「重量」変化についても、これ
に「ml」の容積単位を付記している。
【0068】上記給湯状態を継続して給湯量(W−W0)
が(Wt−Wf)に達したことがステップS9で判別される
と、このステップからS10に移行して、電動ポンプ1
4のモータ回転数を、例えば前記回転数N1の半分のN2に
低下させる制御を行う。こうして出湯流量を最大出湯能
力の半分程度に低下させた給湯状態に変更し、以降、ス
テップS11・S12において、前記同様に給湯キー5
3aの押下操作の中止や、溢れ検知信号の有無を監視し
ながら、ステップS13において、その後に逐次検出さ
れる重量センサ75での検出重量Wから、各々初期重量
W0を引いた給湯量(W−W0)が、設定湯量Wtに達したこ
とが判別されるまで、上記の給湯状態を継続する。
【0069】給湯量(W−W0)が設定湯量Wtに達すれ
ば、電動ポンプ14への通電を停止して給湯を停止させ
(S14)、また、電気的なロック状態に復帰させる制
御(S15)を行って、電動給湯運転の終了をブザーで
報知する(S16)。その後のステップS17〜19
は、設定量の湯が注がれた前記受け容器70の取り出し
を促す制御である。すなわち、所定時間t2(例えば10
秒)が経過する間に(S18)、重量センサ75での検
出重量Wが低下しない場合には(S17)、容器置き台
2上に受け容器70が乗せられたままと判断してブザー
を鳴らし(S19)、このときの定量給湯制御を終了す
る。
【0070】なお、前記ステップS7・S11で給湯キ
ー53aの押下操作が中止されたことが判別されると、
それぞれ、ステップS20に移行し、電動ポンプ14を
OFFにして給湯を停止すると共に、ロック状態に復帰
させて(S21)、このときの制御を終了する。つま
り、ユーザーは、受け容器70の容量を正確に把握せず
に、その容量よりも多い湯量を選択してしまうことも想
定される。そこで、上記の定量給湯制御はユーザーが給
湯キー53aを押し続けていることが前提になってお
り、この場合に、受け容器70内に注がれていく湯が溢
れそうになった時には給湯キー53aから指先を離すこ
とで、設定湯量Wtに達する前でも給湯を停止できるよう
になっている。
【0071】また、前記ステップS8・S12で溢れ検
知信号が発生されたことが判別されると、このときも、
それぞれステップS20に移行し、給湯を停止してロッ
ク状態に復帰させる制御を行い、このときの給湯制御を
終了する。
【0072】一方、前記ステップS3において、ロック
解除キー53bが押された後、所定時間t1(=20秒)が
経過しても給湯キー53aが押されなかったことが判別
されると、この時は電動給湯を取り止めたものと判断し
てステップS21に移行し、ロック状態に復帰させて制
御を終了する。つまり、ロック解除状態のままで放置さ
れていると、その後に給湯キー53aに不用意に手が触
れただけで高温湯が給湯口26aから吐出される。した
がって、上記のように所定時間t1経過後にはロック状態
に自動復帰させる制御を行うことによって、安全性が損
なわれないようになっている。
【0073】図1に、前記のように設定湯量Wtに達する
前に電動ポンプ14のモータ回転数を変更して定量給湯
を行う際の給湯量および出湯流量の変化を示している。
すなわち、電動ポンプ14に通電して給湯が開始される
と、当初は電動ポンプ14の最大吐出能力に近い出湯流
量(例えば40ml/s)での給湯が行われ、これに応じ
て、受け容器70内に注がれる給湯量は時間に比例して
ほぼ直線的に増加していく。
【0074】そして、給湯量が設定湯量Wtから所定量Wf
を引いた量に達したことが検出されると、この時点Aで
出湯流量が上記の例えば半分になるように電動ポンプ1
4への通電を制御し、この状態で設定湯量Wtに達するま
で給湯が継続される。そして、設定湯量Wtに達したこと
が判別されると電動ポンプ14への通電を停止して、給
湯運転を終了する。このような制御によれば、設定湯量
Wtに達する直前で出湯流量を少なくしているため、設定
湯量Wtに合わせてより精度の良好な定量給湯を行うこと
ができる。
【0075】つまり、例えば設定湯量Wtに達したことが
判別された時点で電動ポンプ14を停止させても、それ
まで、本体1における給湯経路内の湯の流れが瞬間的に
停止するものではなく、その直前での流速に応じてある
程度の流れ状態が継続し、これによって、いわゆるオー
バーシュート量が生じる。また、例えばマイコン63に
おける重量センサ75での検出重量Wの読込みは、通
常、所定のサンプリング時間間隔毎に行われ、この場合
に、給湯量が設定湯量Wtに合致した時点での検出重量W
の読込みは行われずに、その後に設定湯量Wtを超えた時
点で検出重量Wの読込みが行われて、この時点で電動ポ
ンプ14の停止信号が発生される場合が生じる。
【0076】このような場合でも、本実施形態の電気ポ
ットにおいては、設定湯量Wtに達する直前で出湯流量を
少なくしているため、上記したオーバーシュート量も少
なくなり、また、停止信号の遅れが生じても、この間の
給湯量もより小さく抑えられる。この結果、設定湯量Wt
に合わせたより精度の良好な定量給湯を行うことが可能
となっている。しかも出湯流量を少なくした給湯状態
は、設定湯量Wtに達する前の所定の期間だけに制限さ
れ、当初は電動ポンプ14のフル能力に近い給湯が行わ
れるので、設定湯量Wtに達するまでの全体的な給湯時間
も極力短くなって使い勝手も向上する。
【0077】一方、電動ポンプ14への通電条件を一定
としても、例えば通電開始時における立ち上がり期間で
は流量が変動し、また、定常駆動状態においても、例え
ば沸騰直後の湯が電動ポンプ14中に吸い込まれる際に
湯中に蒸気が発生する場合があり、このような蒸気の巻
き込みが生じると、電動ポンプ14の吐出流量が低下す
る。したがって、仮に、電動ポンプ14の吐出流量を一
定として設定湯量Wtに見合う動作時間を予め求め、電動
ポンプ14の動作時間を制御して定量給湯を行わせる構
成では、上記のような吐出流量の変動によって、精度の
良い定量給湯を行えない。
【0078】これに対し、本実施形態の電気ポットにお
いては、受け容器70に実際に注がれた湯量の変化を重
量センサ75で検出するので、電動ポンプ14の吐出流
量が上記のように変動しても、設定湯量Wtに対応した停
止時点をより正確に検出することが可能である。したが
って、これによってもさらに精度の良い定量給湯を行わ
せることができる。
【0079】またこの場合に、給湯口26aの直下位置
に置かれた受け容器70に湯が注がれる際の重量変化か
ら、設定湯量Wtに達したか否かが判別される。このと
き、給湯口26aから流下する湯量に応じた押圧力が受
け容器70に作用する。したがって、この押圧力は、実
際に受け容器70に注がれた湯量に対しての検出誤差と
なるが、上記では、特に設定湯量Wtに達するときの流量
が少なくされていることによって、この検出誤差も極力
小さく抑えられる。したがって、これによっても精度の
良好な定量給湯が可能になっている。
【0080】さらに、本実施形態の電気ポットにおいて
は、湯口カバー25を上下にスライドさせて、給湯口2
6aを受け容器70に近づけた状態で給湯できるように
なっている。これによって、受け容器70へと流下する
ときの流速が抑えられ、この結果、前記したように、湯
が外方に飛び散ることが防止されると共に、流速に応じ
て受け容器70に作用する下方への押圧力も小さくな
る。したがって、これによっても受け容器70内への給
湯量の変化を重量センサ75でさらに正確に検出するこ
とができ、定量給湯時の精度を向上させることができ
る。
【0081】また本実施形態の電気ポットは、容器置き
台2が本体1とは別体で構成され、この容器置き台2
は、定量給湯時以外にも、前記したように、各種食材等
を載せてその重さを計る秤(はかり)としても利用でき
るので、これによってさらに利便性が向上する。さらに
本実施形態の電気ポットにおいては、受け容器70から
湯が溢れたことが検知されると給湯が自動的に停止され
るようになっているので、安全性も向上したものとなっ
ている。
【0082】以上にこの発明の具体的な実施形態につい
て説明したが、この発明は上記形態に限定されるもので
はなく、この発明の範囲内で種々変更することが可能で
ある。例えば上記形態では、給湯量が設定湯量Wtから所
定量Wfを引いた量に達したことが検出された時点Aで、
出湯流量をそれまでの例えば半分になるように電動ポン
プ14への通電を制御する例を挙げたが、上記時点A以
降、設定湯量に達するまでの間、図1中に一点鎖線で示
すように、所定の時間間隔毎に段階的に低下させる制御
を行うことや、二点鎖線で示すように、所定の低下速度
で連続的に少なくしている制御等を行う構成とすること
も可能である。このような制御によって、設定湯量Wtへ
の到達時点における出湯流量がより少ない状態になるよ
うにすることができるので、さらに精度の良好な定量給
湯を行わせることができる。
【0083】また上記実施形態では、前記図4に示した
ように、液晶パネル52の側方に記載されている「20
0ml」「400ml」「600ml」のうちから、所望の湯
量をユーザーが選択するように構成した例を挙げたが、
例えば液晶パネル52における保温温度が表示されてい
る数値表示領域で、所望の湯量を設定するような構成と
することも可能である。すなわち、定量スイッチ53d
を押し続けることで、表示されている数値が次第に増加
するように形成し、定量スイッチ53dから指先を離し
た時の数値が設定湯量として前記マイコン63に読み込
まれるような構成とすることができる。
【0084】また上記実施形態では、図7におけるステ
ップS7・S11で給湯キー53aの押下操作が中止さ
れたか否かを監視する処理ステップを設けた制御構成を
例に挙げたが、これらの処理ステップを設けない構成と
しても良い。すなわち、この場合には、給湯キー53a
が押され、給湯が開始された後には、これから指先を離
した後も、溢れ検知の監視制御はこれを継続しながら、
設定湯量に達するまで給湯状態が継続されることになっ
て操作が簡単になる。
【0085】一方、上記実施形態では容器置き台2を本
体1とは別体で構成したが、図8に示すように、容器置
き台2が本体1に一体的に連結された構成としても良
い。すなわち、例えば同図の場合には、基台71の後端
側の壁面を、本体1における外ケース5の前面壁5a
に、凹凸係合構造91や締結ビス92によって固定する
ことによって、容器置き台2が本体1と一体化構成され
ている。
【0086】この場合には、連結領域に形成した連通開
口93を通して電源供給配線や信号線等を配設すること
ができ、したがって、容器置き台2に電池等を別途収納
させる必要はなく、また、前記した信号送受信ユニット
80・81も不要になるので、全体的な製作費をより安
価なものとすることができる。
【0087】また、容器置き台2については、例えば図
9に示すように、基台71の前面側に上方に起立する起
立部71aを形成し、この起立部71aにおける前面上
部側に前記操作表示部78を設け、その内側にスイッチ
基板79を配置した構造等とすることも可能である。こ
のように構成することで、操作表示部78での操作性
や、表示パネルに対する視認性を向上させることができ
る。さらに、この起立部71aの高さを、受け皿72上
に置かれた受け容器70の上端位置より高く設定し、受
け容器70の前方を覆うように形成することによって、
受け容器70に湯が注がれる際に湯の飛び散りが万一生
じる場合、上記起立部71aがはねよけとして機能する
ことになり、これによって安全性がさらに向上する。
【0088】図10には、さらに安全性を向上させるこ
とを意図した制御手順の一例を示している。すなわち、
前記図7に示した定量給湯制御と同様の制御手順におい
て、ステップS5とS6との間にステップS31が挿入
されており、このステップS31では、ステップS5で
の初期重量W0の読込みに続いて、この重量W0が、受け皿
重量よりも大きいか否かを判別する。これによって、容
器置き台2上にコーヒーカップなどの受け容器70が載
せられていることを確認して、ステップS6以降の手順
で、給湯を開始するのである。
【0089】ここで、受け皿重量とは、受け容器70が
載せられていないときの前記テーパ状受け皿72・水平
受け皿73・伝達板76のトータル重量であり、これを
予め求めて記憶させている。したがって、ステップS5
で検出された初期重量W0が受け皿重量とほぼ同等の場合
には、受け容器70が載せられていないことが判別さ
れ、このときには、ステップS32でエラー報知の制
御、、すなわち、電気的なロック状態に復帰させ、ブザ
ーを鳴らす制御が行われる。これにより、ユーザーが受
け容器70を容器置き台2上に載せるのを忘れて給湯キ
ー53aを押しても湯の出湯が無いので、さらに安全性
が向上する。
【0090】一方、前記実施形態においては、溢れ検知
を行うために、温度センサ77から成る溢れ検知手段を
設けて構成した例を示したが、この検知手段を、例えば
溢れた湯が触れたときの電気抵抗の変化を検出する抵抗
体等によって構成することも可能である。さらに、図1
1に示すように、重量センサ75での検出重量変化から
ソフト的に溢れ検知を判別するような構成とすることも
可能である。
【0091】すなわち、図7に示したステップS8(及
びステップS12)での「溢れ検知」に代えて、同11
に示す制御手順では、ステップS7とS9との間に、S
41〜S43の制御が挿入されている。S6において給
湯が開始された後、S41において所定のサンプリング
時間ts(例えば1秒)が経過すると、重量センサ75で
の検出重量Wの読込みを行い(S42)、次いでS43
において、この検出重量Wから前回の検出重量を引いた
値が所定の値ΔW1よりも大きいか否かを判別する。
【0092】受け容器70からの湯の溢れ状態や、また
受け容器70が倒れた状態などの異常が無く、給湯口2
6aを通して流下する湯が受け容器70内に注がれてい
る状態では、前記図1に示したように、給湯量はほぼ時
間に比例して増加していく。これに対し、上記のような
異常が発生すると、給湯口26aからの湯はそのままテ
ーパ状受け皿72の下方へと流下して排出される。した
がって、重量センサ75での検出重量Wは殆ど増加しな
い状態となる。
【0093】そこで、電動ポンプ14の駆動状態に見合
った単位時間当たりの出湯量から上記値ΔW1を設定して
おき、図11におけるステップS41〜S43の手順に
て、所定のサンプリング時間ts毎の検出重量Wの増加を
確認しながら給湯を継続するのである。なお、S43に
おいて所定の増加が判別されなかったときには、S44
において、電動ポンプ14を停止し、ロック状態に復帰
してブザーを鳴らすエラー報知の制御が行われる。この
ようにソフト的な溢れ検知を行う構成とすれば、前記し
た温度センサ等から成るセンサ類を別途必要としないの
で、さらに全体の製作費を安価なものとすることができ
る。
【0094】一方、前記実施形態では、受け容器70へ
の給湯量を検出するために重量センサ75を設けて構成
したが、請求項1の範囲においては、電動ポンプ14の
停止時点を求めるために、例えば電動ポンプでの吐出能
力から設定湯量に見合った電動ポンプの動作時間を算出
し、或いは前記公報記載のように、本体1内の給湯経路
中を流れる湯の流速を検出する流速検出機構を設け、そ
の検出流速から電動ポンプの動作時間を求め、各々その
動作時間をタイマで計時して定量給湯を行うなどのその
他の電気ポットにも本発明を適用して構成することが可
能である。
【0095】また前記実施形態では、本体1に電動ポン
プ14とエアーポンプ36とを設けた、いわゆる電動給
湯/エアー給湯併用式の電気ポットを例に挙げたが、電
動ポンプのみを備える電動給湯式電気ポットにも本発明
を適用することが可能である。また上記では、内容器6
を真空二重構造で構成した電気ポットを例に挙げて説明
したが、その他の断熱仕様の電気ポットにも本発明を適
用して構成することが可能である。
【0096】
【発明の効果】以上のように、本発明の電気ポットにお
いては、設定湯量に達する前に単位時間当たりの給湯量
(出湯流量)を少なくする制御が行われるので、例えば
電動ポンプ停止時からのオーバーシュート量等がより少
なくなる。この結果、設定湯量に合わせたより精度の良
好な定量給湯を行うことができ、また、当初は電動ポン
プのフル能力に近い状態での給湯を行うようにすること
で、設定湯量に達するまでの全体的な給湯時間も極力短
することができて使い勝手も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における電気ポットでの定
量給湯時の出湯流量および給湯量の時間変化を示すチャ
ートである。
【図2】上記電気ポットの全体構成を示す縦断面図であ
る。
【図3】電気ポット本体の上部側の構成を示す要部縦断
面図である。
【図4】電気ポット本体の平面図である。
【図5】上記電気ポットの制御ブロック図である。
【図6】電気ポット本体の分解斜視図である。
【図7】上記電気ポットでの定量給湯時における制御手
順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施形態における電気ポットの構
成を示す一部切欠要部側面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態における電気ポッ
トの構成を示す一部切欠要部側面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態における電気ポ
ットでの定量給湯時における制御手順を示すフローチャ
ートである。
【図11】本発明のさらに他の実施形態における電気ポ
ットでの定量給湯時における制御手順を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 本体(電気ポット本体) 2 容器置き台 14 電動ポンプ 26a 給湯口 63 マイコン(定量給湯制御手段) 70 受け容器 75 重量センサ 77 温度センサ(溢れ検知手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B002 AA14 AA16 AA18 BA04 BA07 BA44 BA59 CA12 CA13 CA32 CA37 CA50 4B055 AA35 BA36 BA37 BA67 CA13 CA64 CA75 CA82 CB02 CB09 CB18 CC17 CC28 CD02 CD07 CD27 CD33 CD44 CD55 CD61 CD62 DA02 DB04 EA05 GA14 GB18 GB45 GC31 GC36 GD02 GD04 GD06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湯が貯留される電気ポット本体内に給湯
    用の電動ポンプを備え、受け容器に注がれた給湯量が設
    定湯量に達したときに電動ポンプの駆動を停止させて定
    量給湯を行うように形成した電気ポットであって、 給湯量が設定湯量よりも所定量だけ少ない量に達した時
    に、単位時間当たりの給湯量が低下するように電動ポン
    プの動作状態を変更する定量給湯制御手段を設けている
    ことを特徴とする電気ポット。
  2. 【請求項2】 電気ポット本体における給湯口の下側に
    受け容器が載置される容器置き台を設け、この容器置き
    台に、受け容器に注がれる給湯量に応じた重量変化を検
    出する重量センサを設けていることを特徴とする請求項
    1の電気ポット。
  3. 【請求項3】 容器置き台を電気ポット本体とは別体で
    形成していることを特徴とする請求項2の電気ポット。
  4. 【請求項4】 容器置き台を電気ポット本体と一体に形
    成していることを特徴とする請求項2の電気ポット。
  5. 【請求項5】 受け容器から湯が溢れて受け容器の外側
    を流下した湯に感応する溢れ検知手段を設けると共に、
    この溢れ検知手段で湯の溢れ状態が検知された時に、電
    動ポンプの駆動を停止する制御を前記定量給湯制御手段
    が行うように形成していることを特徴とする請求項1か
    ら4のいずれかの電気ポット。
JP2000241033A 2000-08-09 2000-08-09 電気ポット Pending JP2002051911A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000241033A JP2002051911A (ja) 2000-08-09 2000-08-09 電気ポット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000241033A JP2002051911A (ja) 2000-08-09 2000-08-09 電気ポット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002051911A true JP2002051911A (ja) 2002-02-19

Family

ID=18732296

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000241033A Pending JP2002051911A (ja) 2000-08-09 2000-08-09 電気ポット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002051911A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010527660A (ja) * 2007-05-25 2010-08-19 ブレヴィル ピーティーワイ リミテッド コードレス台座とのデータ通信

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010527660A (ja) * 2007-05-25 2010-08-19 ブレヴィル ピーティーワイ リミテッド コードレス台座とのデータ通信

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2008101189B4 (en) Improved temperature sensor for an electric heating appliance
EP3415059B1 (en) Waffle maker capable of displaying waffle crispness and control system thereof
KR100297066B1 (ko) 취반기
JP2005347217A (ja) 電磁調理器
AU2019100677C4 (en) Baby mode for a heating vessel
JPH08187176A (ja) 電気湯沸し器
JP2002051911A (ja) 電気ポット
JP3412468B2 (ja) 炊飯器
JP3052854B2 (ja) 電気貯湯容器
JPH0740339Y2 (ja) 電気貯湯容器
AU2010292990B2 (en) Electric kettle
JPH10165301A (ja) 炊飯器
JP4591200B2 (ja) 電気貯湯容器
AU2010200571B2 (en) Improved temperature sensor for an electric heating appliance
JPH03114421A (ja) 電気貯湯容器
JP2643845B2 (ja) 電気炊飯器
JPH0634745Y2 (ja) 電気貯湯容器
JPS6247317A (ja) 調理器
JP3613252B2 (ja) 電気ポット
JP5125208B2 (ja) 電気給湯装置
JP2003125931A (ja) 電気ポット
JP2005046516A (ja) 電気貯湯容器
JPH0298325A (ja) 電気貯湯容器
KR20050039944A (ko) 다용도 취사기구
JPH10328028A (ja) 電気ポット

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040120