JP2002049148A - 可視光重合組成物、感光感熱記録材料、及び画像記録方法 - Google Patents

可視光重合組成物、感光感熱記録材料、及び画像記録方法

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JP2002049148A
JP2002049148A JP2000234293A JP2000234293A JP2002049148A JP 2002049148 A JP2002049148 A JP 2002049148A JP 2000234293 A JP2000234293 A JP 2000234293A JP 2000234293 A JP2000234293 A JP 2000234293A JP 2002049148 A JP2002049148 A JP 2002049148A
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京子 花▲崎▼
Yuichi Fukushige
裕一 福重
Shintaro Washisu
信太郎 鷲巣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光領域で画像記録ができ、地肌の白色度
が良好で、コントラストが高い画像を形成できる感光感
熱記録材料及び画像記録方法、それに用いられる可視光
重合組成物を提供する。 【解決手段】 熱応答性マイクロカプセルに内包された
発色成分Aと、熱応答性マイクロカプセル外部に、少な
くとも、同一分子内に重合性基と該発色成分Aと反応し
て発色する部位とを有する実質的に無色の化合物Bと、
可視光吸収色素と、有機ボレート化合物と、フタル酸エ
ステル、脂肪族二塩基酸エステル、塩素化パラフィン、
エポキシ化合物、リン酸エステル、トリメリット酸エス
テル、スルホンアミド化合物、アミド化合物、及び炭化
水素化合物からなる群から選択される化合物とを含有す
る感光感熱記録層を備えた感光感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視光重合組成
物、感光感熱記録材料及び画像記録方法に関し、詳しく
は、重合後又は画像形成後に可視光吸収色素による着色
度合いを低減できる可視光重合組成物、感光感熱記録材
料及び画像記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】小型で安価なレーザーを用いて感光感熱
記録材料に高精細な画像を記録するためには、感光感熱
記録層中にレーザー光の波長域である可視光領域に吸収
を有する色素を導入しなければならない。
【0003】しかし、可視光領域に吸収を有する色素を
使用すると地肌が着色し、画像のコントラストが低下す
るので、これを防止するために、画像形成後に感光感熱
記録材料に光を照射してこの色素による着色度合いを低
減しているが、そのために長時間が必要であり、画像形
成の高速化を妨げていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、可視
光領域で画像記録ができ、地肌の白色度が良好で、コン
トラストが高い画像を形成できる感光感熱記録材料、そ
れに用いられる可視光重合組成物、及び前記感光感熱記
録材料を用いた画像記録方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、重合性モノ
マーと、重合開始剤としての有機ボレート化合物及び可
視光吸収色素とを含む感光感熱記録層に特定の化合物を
添加することにより、短時間にこの色素による着色度合
いを低減できることを見い出し、本発明を完成した。本
発明は以下のとおりである。
【0006】<1> 重合性モノマーと、可視光吸収色
素と、有機ボレート化合物と、フタル酸エステル、脂肪
族二塩基酸エステル、塩素化パラフィン、エポキシ化合
物、リン酸エステル、トリメリット酸エステル、スルホ
ンアミド化合物、アミド化合物、及び炭化水素化合物か
らなる群から選択される化合物と、を含有することを特
徴とする可視光重合組成物。
【0007】<2> 前記有機ボレート化合物1重量部
に対して、前記群から選択される化合物を0.1〜15
重量部含有することを特徴とする<1>に記載の可視光
重合組成物。
【0008】<3> 支持体上に、熱応答性マイクロカ
プセルに内包された発色成分Aと、熱応答性マイクロカ
プセル外部に、少なくとも、同一分子内に重合性基と該
発色成分Aと反応して発色する部位とを有する実質的に
無色の化合物Bと、可視光吸収色素と、有機ボレート化
合物と、フタル酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、
塩素化パラフィン、エポキシ化合物、リン酸エステル、
トリメリット酸エステル、スルホンアミド化合物、アミ
ド化合物、及び炭化水素化合物からなる群から選択され
る化合物とを含有する感光感熱記録層を設けたことを特
徴とする感光感熱記録材料。
【0009】<4> 支持体上に、熱応答性マイクロカ
プセルに内包された発色成分Aと、熱応答性マイクロカ
プセル外部に、該発色成分Aと反応して発色する実質的
に無色の化合物Cと、同一分子内に重合性基と該発色成
分Aと化合物Cとの反応を抑制する部位とを有する実質
的に無色の化合物Dと、可視光吸収色素と、有機ボレー
ト化合物と、フタル酸エステル、脂肪族二塩基酸エステ
ル、塩素化パラフィン、エポキシ化合物、リン酸エステ
ル、トリメリット酸エステル、スルホンアミド化合物、
アミド化合物、及び炭化水素化合物からなる群から選択
される化合物とを含有する感光感熱記録層を設けたこと
を特徴とする感光感熱記録材料。
【0010】<5> 感光感熱記録材料を画像様に露光
して潜像を形成し、該露光後に該感光感熱記録材料を加
熱して該潜像に応じて画像を形成した後、該感光感熱記
録材料の全面を露光して該画像を定着させる画像形成方
法において、感光感熱記録材料として<3>又は<4>
に記載の感光感熱記録材料を使用することを特徴とする
画像記録方法。
【0011】<6> 前記感光感熱記録材料の全面を露
光するときに前記感光感熱記録材料を加熱することを特
徴とする<5>に記載の画像記録方法。
【0012】<7> 画像を形成した後全面露光して該
画像を定着させるまでの間の前記感光感熱記録材料の温
度が40℃を下回らないことを特徴とする<5>に記載
の画像記録方法。
【0013】<3>の感光感熱記録材料は、画像様に露
光すると、露光部の可視光吸収色素が光を吸収し、これ
により有機ボレート化合物が局所的かつ効率的にラジカ
ルを発生させ、マイクロカプセル外部にある重合性基を
有する化合物Bが、発生したラジカルにより重合反応を
起こして硬化し、潜像が形成される。次いで、加熱する
ことにより未露光部分に存在する前記化合物Bが感光感
熱記録材料内を移動し、カプセル内の発色成分Aと反応
し発色する。
【0014】すなわち、この感光感熱記録材料は、硬化
した露光部では発色せず、硬化されなかった未露光部が
発色し画像を形成するポジ型の感光感熱記録材料であ
る。
【0015】一方、<4>の感光感熱記録材料は、画像
様に露光すると、露光部の可視光吸収色素が光を吸収
し、これにより有機ボレート化合物が局所的かつ効率的
にラジカルを発生させ、マイクロカプセル外部にある重
合性基を有する前記化合物Dが、発生したラジカルによ
り重合して硬化し、潜像が形成される。この潜像(硬化
部)の持つ膜性に依存して、前記化合物Cが移動し、カ
プセル内の発色成分Aと反応して画像を形成する。
【0016】すなわち、この感光感熱記録材料は、硬化
しなかった未露光部では発色せず、硬化した露光部が発
色して画像を形成するネガ型の感光感熱記録材料であ
る。
【0017】上記の機構は明確ではないが、露光により
マイクロカプセル外部に存在する化合物Dが重合される
一方、露光部分に共存する化合物Cは、形成された重合
体には全く取り込まれず、むしろ化合物Dとの相互作用
が低下して、拡散速度の高い移動可能な状態で存在す
る。
【0018】一方、未露光部の化合物Cは、共存する化
合物Dにトラップされて存在するため、加熱した際、露
光部における化合物Cが優先的に記録材料内で移動し、
マイクロカプセル内の発色成分Aと反応するが、露光部
の化合物Cは、加熱してもカプセル壁を透過できず、発
色成分Aと反応せず、発色に寄与できないためと考えら
れる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、詳細に説
明する。
【0020】本発明の可視光重合組成物は、重合性モノ
マーと、可視光吸収色素と、有機ボレート化合物と、フ
タル酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、塩素化パラ
フィン、エポキシ化合物、リン酸エステル、トリメリッ
ト酸エステル、スルホンアミド化合物、アミド化合物、
及び炭化水素化合物からなる群から選択される化合物
と、を含有する。
【0021】重合性モノマーは不飽和結合を有する化合
物であり、後述するマイクロカプセル中の発色成分と反
応して発色する部位と重合性基とを同一分子内に有する
実質的に無色の化合物B、マイクロカプセル中の発色成
分と反応して発色する実質的に無色の化合物とマイクロ
カプセル中の発色成分との反応を抑制する部位と重合性
基とを同一分子内に有する実質的に無色の化合物Dが挙
げられる。
【0022】可視光吸収色素としては、可視光領域に最
大吸収波長を有する分光増感化合物が挙げられ、中でも
可視光領域に最大吸収波長を有する分光増感色素が好ま
しい。可視光吸収色素を使用することにより、本発明の
可視光重合組成物の分光感度を可視光領域に得ることが
できる。本発明の可視光重合組成物の感度を上げるに
は、用いる光源から照射される光の波長がその最大吸収
波長と一致するか近傍になるように可視光吸収色素が選
択される。
【0023】分光増感色素としては、「Researc
h Disclogure,Vol.200,1980
年12月、Item 20036」や「増感剤」(p.1
60〜p.163、講談社;徳丸克己・大河原信/編、1
987年)等に記載された公知の化合物を使用すること
ができる。
【0024】具体的には、特開昭58−15603号に
記載の3−ケトクマリン化合物、特開昭58−4030
2号に記載のチオピリリウム塩、特公昭59−2832
8号、同60−53300号に記載のナフトチアゾール
メロシアニン化合物、特公昭61−9621号、同62
−3842号、特開昭59−89303号、同60−6
0104号に記載のメロシアニン化合物が挙げられる。
【0025】また、「機能性色素の化学」(1981
年、CMC出版社、p.393〜p.416)や「色材」
(60〔4〕212−224(1987))等に記載さ
れた色素も挙げることができ、具体的には、カチオン性
メチン色素、カチオン性カルボニウム色素、カチオン性
キノンイミン色素、カチオン性インドリン色素、カチオ
ン性スチリル色素が挙げられる。
【0026】また、クマリン(ケトクマリンまたはスル
ホノクマリンも含まれる。)色素、メロスチリル色素、
オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等のケト色
素;非ケトポリメチン色素、トリアリールメタン色素、
キサンテン色素、アントラセン色素、ローダミン色素、
アクリジン色素、アニリン色素、アゾ色素等の非ケト色
素;アゾメチン色素、シアニン色素、カルボシアニン色
素、ジカルボシアニン色素、トリカルボシアニン色素、
ヘミシアニン色素、スチリル色素等の非ケトポリメチン
色素;アジン色素、オキサジン色素、チアジン色素、キ
ノリン色素、チアゾール色素等のキノンイミン色素等も
分光増感色素に含まれる。
【0027】分光増感色素は、一種単独で用いてもよい
し、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】可視光吸収色素は、可視光重合組成物の総
重量(固形分)に対し、0.1〜5重量%の範囲で使用
することが好ましく、0.5〜2重量%の範囲で使用す
ることがより好ましい。
【0029】有機ボレート化合物は可視光吸収色素と共
に重合開始剤として使用される。有機ボレート化合物と
しては、可視光吸収色素としては機能しない有機ボレー
ト化合物(以下、「ボレート化合物I」という場合があ
る。)と可視光吸収色素としても機能する分光増感色素
系有機ボレート化合物(以下、「ボレート化合物II」
という場合がある。)が挙げられる。ボレート化合物I
Iを使用する場合には可視光吸収色素を省略できる。
【0030】ボレート化合物Iの具体例としては、特開
昭62−143044号、特開平9−188685号、
特開平9−188686号、特開平9−188710
号、特願平11−36308号明細書の段落番号[01
54]〜段落番号[0163]に記載の化合物が挙げら
れるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】ボレート化合物IIとしては、前記「機能
性色素の化学」(1981年、CMC出版社、p.393
〜p.416)や「色材」(60〔4〕212−224
(1987))等に記載されたカチオン性色素から得る
ことのできる分光色素系有機ボレート化合物を挙げるこ
とができる。
【0032】ボレート化合物IIの原料であるカチオン
性色素は可視光領域に最大吸収波長を有するものであれ
ば、いずれも好適に用いることができる。中でも、カチ
オン性のメチン色素、ポリメチン色素、トリアリールメ
タン色素、インドリン色素、アジン色素、キサンテン色
素、シアニン色素、ヘミシアニン色素、ローダミン色
素、アザメチン色素、オキサジン色素またはアクリジン
色素等が好ましく、カチオン性のシアニン色素、ヘミシ
アニン色素、ローダミン色素またはアザメチン色素がよ
り好ましい。
【0033】ボレート化合物IIは、有機カチオン性色
素と有機ホウ素化合物アニオンとを用い、欧州特許第2
23,587A1号に記載の方法を参考にして得ること
ができる。カチオン性色素から得られるボレート化合物
IIの具体例としては、前記特願平11−36308号
明細書の段落番号[0168]〜段落番号[0174]
に記載の化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0034】高い感度と十分な消色性を得る観点から、
可視光吸収色素と有機ボレート化合物との組み合わせ
は、上記分光増感化合物とボレート化合物Iとの組合わ
せ(1)、または上記ボレート化合物Iとボレート化合
物IIとの組合わせ(2)であることが好ましい。
【0035】分光増感色素と有機ボレート化合物との使
用比率は、高感度化と十分な消色性を得る点で非常に重
要であり、上記組合わせ(1)の場合、光重合反応に必
要な分光増感化合物/ボレート化合物Iの比(=1/
1:モル比)に加え、重合後に残存する分光増感化合物
を十分に消色するのに必要な量のボレート化合物Iを有
することが十分な高感度化と消色性能を得る点から特に
好ましい。
【0036】即ち、分光増感色素/ボレート化合物Iの
比は、1/1〜1/50の範囲で使用することが好まし
く、1/1.2〜1/30の範囲で使用することがより
好ましいが、1/1.2〜1/20の範囲で使用するこ
とが最も好ましい。上記の比が、1/1未満では十分な
重合反応性と消色性を得ることができず、1/50を越
えると、塗布適性が劣化するため好ましくない。
【0037】また、組合わせ(2)の場合には、ボレー
ト化合物Iとボレート化合物IIとを、ボレート部位が
色素部位に対して等モル比以上となるように組合わせて
用いることが、十分な高感度化と消色性能を得る点から
特に好ましい。
【0038】具体的には、ボレート化合物I/ボレート
化合物IIの比は、1/1〜50/1の範囲で使用する
ことが好ましく、1.2/1〜30/1の範囲で使用す
ることがより好ましいが、1.2/1〜20/1の範囲
で使用することが最も好ましい。上記の比が、1/1未
満ではラジカルの発生が少なく、十分な重合反応性と消
色性能が得られず、50/1を越えると、十分な感度を
得られなくなるため好ましくない。
【0039】分光増感色素と有機ボレート化合物との総
量は、重合性モノマーの使用量に対し、0.1〜10w
t%の範囲で使用することが好ましく、0.1〜5wt
%の範囲で使用することがより好ましいが、0.1〜1
wt%の範囲で使用することが最も好ましい。上記使用
量が、0.1wt%未満では重合を効率的に行えず、1
0wt%を越えると、保存安定性が低下するとともに、
塗布適性が低下するため好ましくない。
【0040】また、本発明の可視光重合組成物は、フタ
ル酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、塩素化パラフ
ィン、エポキシ化合物、リン酸エステル、トリメリット
酸エステル、スルホンアミド化合物、アミド化合物、及
び炭化水素化合物からなる群から選択される化合物を含
有する。これらは消色性を向上させるために使用され
る。
【0041】フタル酸エステルとしては、フタル酸ジブ
チル、フタル酸イソデシル、フタル酸ジウンデシル等が
挙げられる。
【0042】脂肪族二塩基酸エステルとしては、アジピ
ン酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、
アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジ2−エチルヘ
キシル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル等が挙げられ
る。
【0043】塩素化パラフィンとしては、50%塩素化
ポリエチレン、50%塩素化ポリプロピレン、45%塩
素化ポリエチレン、45%塩素化ポリプロピレン、41
%塩素化ポリエチレン、41%塩素化ポリプロピレン等
が挙げられる。
【0044】エポキシ化合物としては、エポキシヘキサ
ヒドロフタル酸ジ2−エチルヘキシル、エポキシヘキサ
ヒドロフタル酸ジn−オクチル、エポキシヘキサヒドロ
フタル酸ジエポキシステアリル、エポキシ化脂肪酸エス
テル、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等が挙げ
られる。
【0045】リン酸エステルとしては、リン酸トリクレ
ジル等が挙げられる。
【0046】トリメリット酸エステルとしては、トリメ
リット酸トリイソデシル、トリメリット酸トリn−オク
チル等が挙げられる。
【0047】スルホンアミド化合物としては、N−ブチ
ルベンゼンスルホンアミド、及び以下の化合物等が挙げ
られる。
【0048】
【化1】
【0049】アミド化合物としては、以下の化合物等が
挙げられる。
【0050】
【化2】
【0051】炭化水素化合物は極性基を有しないもので
あり、以下の化合物等が挙げられる。
【0052】
【化3】
【0053】これらの化合物の使用量は有機ボレート化
合物1重量部に対して0.1〜15重量部であることが
好ましく、2〜10重量部であることがより好ましい。
これらの化合物の量が0.1重量部未満だと消色効果が
得にくく、15重量部を越えると塗布適性が劣化するた
め好ましくない。
【0054】本発明の可視光重合組成物は感光感熱記録
材料に利用することができる。本発明の感光感熱記録材
料は支持体上に感光感熱記録層を備える。また、本発明
の感光感熱記録材料は、公知のその他の層、例えば、保
護層、中間層、UV吸収層、アンチハレーション層、ス
ベリ層、アンチスタチック層、カール防止層等を備える
ことができる。
【0055】感光感熱記録層は、熱応答性マイクロカプ
セルに内包された発色成分Aと、熱応答性マイクロカプ
セル外部に、少なくとも、同一分子内に重合性基と該発
色成分と反応して発色する部位とを有する実質的に無色
の化合物Bと、可視光吸収色素と、有機ボレート化合物
と、フタル酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、塩素
化パラフィン、エポキシ化合物、リン酸エステル、トリ
メリット酸エステル、スルホンアミド化合物、アミド化
合物、及び炭化水素化合物からなる群から選択される化
合物とを含有する。あるいは感光感熱記録層は、熱応答
性マイクロカプセルに内包された発色成分Aと、熱応答
性マイクロカプセル外部に、該発色成分Aと反応して発
色する実質的に無色の化合物Cと、同一分子内に重合性
基と該発色成分Aと化合物Cとの反応を抑制する部位と
を有する実質的に無色の化合物Dと、可視光吸収色素
と、有機ボレート化合物と、フタル酸エステル、脂肪族
二塩基酸エステル、塩素化パラフィン、エポキシ化合
物、リン酸エステル、トリメリット酸エステル、スルホ
ンアミド化合物、アミド化合物、及び炭化水素化合物か
らなる群から選択される化合物とを含有する。
【0056】可視光吸収色素、有機ボレート化合物、フ
タル酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、塩素化パラ
フィン、エポキシ化合物、リン酸エステル、トリメリッ
ト酸エステル、スルホンアミド化合物、アミド化合物、
及び炭化水素化合物としては、前述のものが挙げられ、
その使用量も前述のとおりである。
【0057】発色成分Aとしては、実質的に無色の電子
供与性無色染料またはジアゾニウム塩化合物が挙げられ
る。
【0058】上記電子供与性無色染料としては、従来よ
り公知のものを使用することができ、例えば、特願平1
1−36308号明細書の段落番号[0051]〜段落
番号[0059]に記載の電子供与性化合物、同明細書
の段落番号[0060]に記載のシアン、マゼンタ、イ
エローの各発色色素用の電子供与性無色染料が挙げられ
る。感光感熱記録材料がフルカラー記録材料である場
合、前記電子供与性化合物と前記シアン、マゼンタ、イ
エローの各発色色素用の電子供与性無色染料は組み合わ
せて使用される。また、特開平3−87827号や特開
平4−211252号に記載の電子供与性無色染料も使
用できる。
【0059】上記電子供与性無色染料は、感光感熱記録
層中に0.1〜1g/m2 の範囲で使用することが好ま
しく、0.1〜0.5g/m2 の範囲で使用することが
より好ましい。上記使用量が、0.1g/m2 未満で
は、十分な発色濃度を得ることができず、1g/m2
超えると、塗布適性が劣化するため好ましくない。
【0060】また、発色成分Aがジアゾニウム塩化合物
である場合、ジアゾニウム塩化合物としては、下記式で
表される化合物を挙げることができる。
【0061】Ar−N2 + - 〔式中、Arは芳香族環基を表し、X- は酸アニオンを
表す。〕 このジアゾニウム塩化合物は加熱によりカプラーとカッ
プリング反応を起こして発色したり、また光によって分
解する化合物である。Ar部分の置換基の位置や種類に
よって、その最大吸収波長を制御することが可能であ
る。
【0062】本発明に用いられるジアゾニウム塩化合物
の最大吸収波長λmax は、450nm以下であることが
効果の点から好ましく、290〜440nmであること
がより好ましい。また、本発明において用いられるジア
ゾニウム塩化合物は、炭素原子数が12以上で、水に対
する溶解度が1%以下で、かつ酢酸エチルに対する溶解
度が5%以上であることが望ましい。
【0063】本発明の画像記録方法に好適に使用しうる
ジアゾニウム塩化合物の具体例としては、前記特願平1
1−36308号明細書の段落番号[0064]〜段落
番号[0075]に例示されたもの等が挙げられるが、
これに限定されるものではない。
【0064】本発明において、ジアゾニウム塩化合物
は、単独で用いてもよいし、さらに色相調整等の諸目的
に応じて、2種以上を併用することもできる。
【0065】上記ジアゾニウム塩化合物は、感光感熱記
録層中に0.01〜3g/m2 の範囲で使用することが
好ましく、0.02〜1.0g/m2 がより好ましい。
0.01g/m2 未満では、十分な発色性を得ることが
できず、3g/m2 を超えると、感度が低下したり、定
着時間を長くする必要が生じるため好ましくない。
【0066】上記発色成分Aはマイクロカプセルに内包
される。マイクロカプセルを形成する方法としては、従
来公知の方法を用いることができる。
【0067】例えば、米国特許第2800457号、同
28000458号に記載の親水性壁形成材料のコアセ
ルベーションを利用した方法、米国特許第328715
4号、英国特許第990443号、特公昭38−195
74号、同42−446号、同42−771号等に記載
の界面重合法、米国特許第3418250号、同366
0304号に記載のポリマー析出による方法、米国特許
第3796669号に記載のイソシアネートポリオール
壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号に記
載のイソシアネート壁材料を用いる方法、米国特許第4
001140号、同4087376号、同408980
2号に記載の尿素−ホルムアルデヒド系、尿素ホルムア
ルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、
米国特許第4025455号に記載のメラミン−ホルム
アルデヒド樹脂、ヒドロキシブロビルセルロース等の壁
形成材料を用いる方法、特公昭36−9168号、特開
昭51−9079号に記載のモノマーの重合によるin
−situ法、英国特許第952807号、同9650
74号に記載の電解分散冷却法、米国特許第31114
07号、英国特許第930422号に記載のスプレード
ライング法等が挙げられる。
【0068】マイクロカプセル化する方法はこれらに限
定されるものではないが、本発明の感光感熱記録材料に
おいては、特に、発色成分Aをカプセルの芯となる疎水
性の有機溶媒に溶解または分散させ調製した油相と、水
溶性高分子を溶解した水相とのいずれかにマイクロカプ
セル壁前駆体を添加し、油相と水相を混合し、ホモジナ
イザー等の手段により乳化分散した後、加温することに
よりその油滴界面でマイクロカプセル壁前駆体を重合し
て、高分子物質のマイクロカプセル壁を形成させる界面
重合法を採用することが好ましい。この方法によれば、
短時間内に均一な粒径のカプセルを形成することがで
き、感光感熱記録材料の生保存性を向上させることがで
きる。
【0069】高分子物質の具体例としては、ポリウレタ
ン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカー
ボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹
脂、ポリスチレン、スチレンメタクリレート共重合体、
スチレン−アクリレート共重合体等が挙げられる。中で
も、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエス
テル、ポリカーボネートが好ましく、ポリウレタン、ポ
リウレアが特に好ましい。上記の高分子物質は、2種以
上併用して用いることもできる。
【0070】例えば、ポリウレタンをカプセル壁材とし
て用いる場合には、マイクロカプセル壁前駆体として
は、多価イソシアネート、及びこれと反応するポリオー
ルやポリアミンを使用することができる。
【0071】上記多価イソシアネート及びそれと反応す
る相手のポリオール、ポリアミンとしては、米国特許第
3281383号、同3773695号、同37932
68号、特公昭48−40347号、同49−2415
9号、特開昭48−80191号、同48−84086
号に記載されているものを使用することができる。
【0072】有機溶媒としては、一般に、高沸点溶媒の
中から適宜選択することができ、例えば、リン酸エステ
ル、フタル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル、その他のカルボン酸エステル、脂肪酸ア
ミド、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニ
ル、塩素化パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジアリ
ルエタン、アルキルジフェニルエタン、アルキルジフェ
ニルメタン、トリクレジルフォスフェート、マレイン酸
エステル、アジピン酸エステル、常温で固体の化合物、
オリゴマーオイル、ポリマーオイル等が挙げられる。
【0073】具体的には、特開昭59−178451〜
同59−178455号、同59−178457号、同
60−242094号、同63−85633号、特開平
6−194825号、同7−13310号〜同7−13
311号、同9−106039号及び特願昭62−75
409号に記載の有機溶剤が挙げられる。
【0074】電子供与性無色染料またはジアゾニウム塩
化合物をカプセル中に溶液状態で内包させる場合、電子
供与性無色染料またはジアゾニウム塩化合物を溶媒に溶
解した状態でカプセル化すればよく、溶媒は電子供与性
無色染料100重量部に対して、1〜500重量部の範
囲で使用することが好ましい。
【0075】また、電子供与性無色染料またはジアゾニ
ウム塩化合物の前記溶媒に対する溶解性が劣る場合に
は、これらの化合物を溶解しやすい低沸点溶媒を補助的
に併用することもできる。この低沸点溶媒としては、例
えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、
酢酸ブチル、メチレンクロライド等が挙げられる。
【0076】一方、水相には水溶性高分子を溶解した水
溶液を使用する。水溶性高分子は分散を均一に、かつ容
易にするとともに、乳化分散した水溶液を安定化させる
分散媒や保護コロイドとして作用する。水溶性高分子
は、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性
高分子の中から適宜選択することができる。
【0077】アニオン性高分子としては、天然、合成の
いずれのものも用いることができ、例えば、−COO
−、−SO2 −基等を有するものが挙げられる。
【0078】具体的には、アラビヤゴム、アルギン酸、
ベクチン等の天然物;カルボキシメチルセルロース、フ
タル化ゼラチン等のゼラチン誘導体、硫酸化デンプン、
硫酸化セルロース、リグニンスルホン酸等の半合成品;
無水マレイン酸系(加水分解物を含む)共重合体、アク
リル酸系(メタクリル酸系)重合体および共重合体、ビ
ニルベンゼンスルホン酸系重合体および共重合体、カル
ボキシ変成ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン等の合成品が挙げられる。
【0079】ノニオン性高分子としては、ポリビニルア
ルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロ
ース等が挙げられる。
【0080】両性高分子としては、ゼラチン等が挙げら
れる。
【0081】これらのうち、ゼラチン、ゼラチン誘導
体、ポリビニルアルコールが好ましい。
【0082】上記水溶性高分子は0.01〜10重量%
の水溶液として用いられる。
【0083】油層及び水相を均一に乳化分散し安定化さ
せるためには、油相あるいは水相の少なくとも一方に界
面活性剤を添加してもよい。界面活性剤は周知の乳化用
界面活性剤が使用可能である。また、油相に界面活性剤
を添加する場合には、界面活性剤の添加量は、油相の重
量に対して0.1%〜5%、特に0.5%〜2%である
ことが好ましい。
【0084】また、水相に含有させる界面活性剤は、ア
ニオン性またはノニオン性の界面活性剤の中から、上記
水溶性高分子と作用して沈殿や凝集を起こさないものを
好適に選択して使用することができる。
【0085】好ましい界面活性剤としては、例えば、ア
ルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫酸ナトリ
ウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリア
ルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル)等を挙げることができる。
【0086】マイクロカプセル中に内包させる成分(発
色成分Aを含む)は、それぞれ別々に乳化分散すること
も、予め混合してから高沸点溶媒に溶解し乳化分散する
ことも可能である。好ましい乳化分散粒子径は1μm以
下である。
【0087】乳化には、高速撹拌、超音波分散等の通常
の微粒子乳化に用いられる手段、例えば、ホモジナイザ
ー、マントンゴーリー、超音波分散機、ディゾルバー、
ケディーミル等の公知の乳化装置を用いることができ
る。
【0088】乳化後は、カプセル壁形成反応を促進させ
るために、乳化物を30〜70℃に加温する。また、反
応中はカプセル同士の凝集を防止するために、加水して
カプセル同士の衝突確率を下げたり、充分な攪拌を行う
等の必要がある。
【0089】また、反応中に改めて凝集防止用の分散物
を添加してもよい。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの
発生が観測され、その発生の終息をもっておよそのカプ
セル壁形成反応の終点とみなすことができる。通常、数
時間反応させることにより、目的の色素を内包したマイ
クロカプセルを得ることができる。
【0090】マイクロカプセルの平均粒子径は、20μ
m以下が好ましく、高解像度を得る観点から5μm以下
であることがより好ましい。形成したマイクロカプセル
が小さすぎると、一定固形分に対する表面積が大きくな
り多量の壁剤が必要となるため、上記平均粒子径は0.
1μm以上であることが好ましい。
【0091】同一分子内に重合性基と前記発色成分Aと
反応して発色する部位とを有する実質的に無色の化合物
Bとしては、発色成分Aが電子供与性無色染料である場
合には重合性基を有する電子受容性化合物が使用され、
発色成分Aがジアゾニウム塩である場合には重合性基を
有するカプラー化合物が使用される。
【0092】重合性基を有する電子受容性化合物、即
ち、同一分子中に電子受容性基と重合性基とを有する化
合物としては、特開平4−226455号に記載の3−
ハロ−4−ヒドロキシ安息香酸、特開昭63−1736
82号に記載のヒドロキシ基を有する安息香酸のメタア
クリロキシエチルエステル、アクリロキシエチルエステ
ル、同59−83693号、同60−141587号、
同62−99190号に記載のヒドロキシ基を有する安
息香酸とヒドロキシメチルスチレンとのエステル、欧州
特許29323号に記載のヒドロキシスチレン、特開昭
62−167077号、同62−16708号に記載の
ハロゲン化亜鉛のN−ビニルイミダゾール錯体、同63
−317558号や前記特願平11−36308号明細
書の段落番号[0082]〜段落番号[0087]や特
開平3−87827号や特開平4−211252号に記
載の電子受容性化合物等が挙げられる。
【0093】これらのうち、下記一般式で表される3−
ハロ−4−ヒドロキシ安息香酸が好ましい。
【0094】
【化4】
【0095】〔式中、Xはハロゲン原子を表し、中でも
塩素原子が好ましい。Yは重合性エチレン基を有する1
価の基を表し、中でもビニル基を有するアラルキル基、
アクリロイルオキシアルキル基またはメタクリロイルオ
キシアルキル基が好ましく、炭素数5〜11のアクリロ
イルオキシアルキル基または炭素数6〜12のメタクリ
ロイルオキシアルキル基がより好ましい。Zは、水素原
子、アルキル基またはアルコキシル基を表す。〕 電子受容性化合物は、使用する電子供与性無色染料1重
量部に対して、0.5〜20重量部の範囲で使用するこ
とが好ましく、3〜10重量部の範囲で使用することが
より好ましい。0.5重量部未満では、十分な発色濃度
を得ることができず、20重量部を超えると、感度が低
下したり、塗布適性が劣化することになり好ましくな
い。
【0096】電子供与性無色染料と電子受容性化合物を
用いた場合、所定の最大着色濃度を得るためには、電子
供与性無色染料と電子受容性化合物の種類を選択した
り、感光感熱記録層の塗設量を調整する。
【0097】また、感光感熱記録層に使用する重合性基
を有するカプラー化合物は、塩基性雰囲気および/また
は中性雰囲気でジアゾニウム塩化合物とカップリングし
て色素を形成するものであり、色相調整等種々の目的に
応じて、複数種を併用して用いることができる。
【0098】カプラー化合物の具体例としては、前記特
願平11−36308号明細書の段落番号[0090]
〜段落番号[0096]に例示されたもの等が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。
【0099】上記カプラー化合物は、感光感熱記録層中
に、0.02〜5g/m2 の範囲で添加することがで
き、効果の点から、0.1〜4g/m2 の範囲で添加す
ることがより好ましい。添加量が0.02g/m2 未満
では発色性に劣るため好ましくなく、5g/m2 を越え
ると、塗布適性が悪くなることから好ましくない。
【0100】また、このカプラー化合物は、ジアゾニウ
ム塩化合物1重量部に対し、0.5〜20重量部の範囲
で用いることが好ましく、1〜10重量部の範囲で用い
ることがより好ましい。0.5重量部未満では、十分な
発色性を得ることができず、20重量部を超えると、塗
布適性が劣化することになり好ましくない。
【0101】発色成分Aと反応して発色する実質的に無
色の化合物Cは重合性基を有しないものであり、発色成
分Aが電子供与性無色染料である場合には、重合性基を
有しない全ての電子受容性化合物、発色成分Aがジアゾ
ニウム塩化合物である場合にはカプラー化合物を使用す
ることができる。
【0102】重合性基を有しない電子受容性化合物とし
ては、例えば、フェノール誘導体、サリチル酸誘導体、
芳香族カルボン酸の金属塩、酸性白土、ベントナイト、
ノボラック樹脂、金属処理ノボラック樹脂、金属錯体等
が挙げられる。
【0103】具体的には、特公昭40−9309号、特
公昭45−14039号、特開昭52−140483
号、特開昭48−51510号、特開昭57−2108
86号、特開昭58−87089号、特開昭59−11
286号、特開昭60−176795号、特開昭61−
95988号、特願平11−36308号明細書の段落
番号[0109]〜段落番号[0110]等に記載され
ている。
【0104】上記重合性基を有しない電子受容性化合物
は、用いる電子供与性無色染料の使用量に対して5〜1
000重量%の範囲で使用することが好ましい。
【0105】重合性基を有しないカプラー化合物は、複
数種を併用することが可能である。
【0106】重合性基を有しないカプラー化合物として
は、カルボニル基の隣にメチレン基を有するいわゆる活
性メチレン化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導
体などを挙げることができ、本発明の目的に合致する範
囲で適宜、選択して使用することができる。
【0107】重合性基を有しないカプラー化合物の詳細
は、特開平4−201483号、特開平7−22336
7号、特開平7−223368号、特開平7−3236
60号、特開平5−278608号、特開平5−297
024号、特開平6−18669号、特開平6−186
70号、特開平7−316280号、特願平8−126
10号、特願平8−30799号、特開平9−2164
68号、特開平9−216469号、特開平9−319
025号、特開平10−35113号、特開平10−1
93801号、特開平10−264532号、特願平1
1−36308号明細書の段落番号[0119]〜段落
番号[0121]等に記載されている。
【0108】重合性基を有しないカプラー化合物は、感
光感熱記録層中に0.02〜5g/m2 の範囲で添加す
ることが好ましく、効果の点から0.1〜4g/m2
範囲で添加することがより好ましい。添加量が0.02
g/m2 未満では十分な発色濃度を得ることができな
ず、5g/m2 を越えると、塗布適性が悪くなることた
め好ましくない。
【0109】同一分子内に重合性基と該発色成分Aと化
合物Cとの反応を抑制する部位とを有する実質的に無色
の化合物Dは、用いる化合物Cに応じて選択され、化合
物Cとして重合性基を有しない電子受容性化合物を用い
る場合、電子供与性無色染料と電子受容性化合物との反
応抑制機能を有し、分子内に少なくとも1個のビニル基
を有する光重合性モノマーが用いられる。
【0110】具体的には、アクリル酸およびその塩、ア
クリル酸エステル類、アクリルアミド類;メタクリル酸
及びその塩、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミ
ド類;無水マレイン酸、マレイン酸エステル類;イタコ
ン酸、イタコン酸エステル類;スチレン類;ビニルエー
テル類;ビニルエステル類;N−ビニル複素環類;アリ
ールエーテル類;アリルエステル類等が挙げられる。
【0111】これらのうち、特に、分子内に複数のビニ
ル基を有する光重合性モノマーを使用することが好まし
く、例えば、トリメチロールプロパンやペンタエリスリ
トール等の多価アルコール類のアクリル酸エステルやメ
タクリル酸エステル;レゾルシノール、ピロガロール、
フロログルシノール等の多価フエノール類やビスフエノ
ール類のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル;
および、アクリレートまたはメタクリレート末端エポキ
シ樹脂、アクリレートまたはメタクリレート末端ポリエ
ステル等が挙げられる。
【0112】中でも、エチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトール
テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキ
シペンタアクリレート、ヘキサンジオール−1,6−ジ
メタクリレートおよびジエチレングリコールジメタクリ
レート等が特に好ましい。
【0113】この光重合性モノマーの分子量は、約10
0〜約5000が好ましく、約300〜約2000がよ
り好ましい。
【0114】上記光重合性モノマーは、重合性基を有し
ない電子受容性化合物1重量部に対して、0.1〜10
重量部の範囲で使用することが好ましく、0.5〜5重
量部の範囲で使用することがより好ましい。0.1重量
部未満では、露光工程で潜像を形成することができず、
10重量部を超えると、発色濃度が低下するため好まし
くない。
【0115】化合物Cとしては重合性基を有しないカプ
ラー化合物を用いる場合、化合物Dとしては、カップリ
ング反応の抑制効果を有する酸性基を有し、金属塩化合
物でない光重合性モノマーが用いられる。
【0116】このような光重合性モノマーとしては、例
えば、前記特願平11−36308号明細書の段落番号
[0128]〜段落番号[0130]に記載のものが挙
げられる。
【0117】上記光重合性モノマーは、重合性基を有し
ないカプラー化合物1重量部に対して、0.1〜10重
量部の範囲で使用することが好ましく、0.5〜5重量
部の範囲で使用することがより好ましい。0.1重量部
未満では、露光しても潜像を形成することができず、1
0重量部を超えると、発色濃度が低下することになり好
ましくない。
【0118】発色成分Aとしてジアゾニウム塩化合物を
用いる場合には、感光感熱記録層はカップリング反応を
促進する目的で、第3級アミン類、ピペリジン類、ピペ
ラジン類、アミジン類、フォルムアミジン類、ピリジン
類、グアニジン類、モルホリン類等の有機塩基を含有す
ることができる。
【0119】これらは、具体的には、特開昭57−12
3086号、特開昭60−49991号、特開昭60−
94381号、特開平9−71048号、特開平9−7
7729号、特開平9−77737号等に記載されてい
る。
【0120】有機塩基の使用量は、特に限定されるもの
ではないが、ジアゾニウム塩1モルに対して、1〜30
モルの範囲で使用することが好ましい。
【0121】さらに、発色反応を促進させる目的で、発
色助剤を加えることもできる。
【0122】発色助剤としては、フェノール誘導体、ナ
フトール誘導体、アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキ
シ置換ナフタレン類、ヒドロキシ化合物、カルボン酸ア
ミド化合物、スルホンアミド化合物等が挙げられる。
【0123】これらの化合物は、カプラー化合物または
塩基性物質の融点を低下させる、或いは、マイクロカプ
セル壁の熱透過性を向上させる作用を有することから、
高い発色濃度が得られるものと考えられる。
【0124】また、本発明の感光感熱記録材料の感光感
熱記録層は重合反応を促進する目的で、さらに助剤とし
て、酸素除去剤(oxygen scavenger)
または活性水素ドナーの連鎖移動剤等の還元剤や連鎖移
動的に重合を促進するその他の化合物を含有することも
できる。
【0125】上記酸素除去剤としては、ホスフィン、ホ
スホネート、ホスファイト、第1銀塩または酸素により
容易に酸化されるその他の化合物が挙げられる。
【0126】具体的には、N−フエニルグリシン、トリ
メチルパルビツール酸、N,N−ジメチル−2,6−ジ
イソプロピルアニリン、N,N,N−2,4,6−ペン
タメチルアニリン酸が挙げられる。さらに、チオール
類、チオケトン類、トリハロメチル化合物、ロフィンダ
イマー化合物、ヨードニウム塩類、スルホニウム塩類、
アジニウム塩類、有機過酸化物、アジド類等も重合促進
剤として有用である。
【0127】感光感熱記録層はバインダーを含有するこ
とができ、バインダーとしては、発色成分をカプセル化
する際に用いる水溶性高分子のほか、ポリスチレン、ポ
リビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリメチ
ルアクリレート,ポリブチルアクリレート,ポリメチル
メタクリレート,ポリブチルメタクリレートやそれらの
共重合体等のアクリル樹脂、フェノール樹脂、スチレン
−ブタジエン樹脂、エチルセルロース、エポキシ樹脂、
ウレタン樹脂等の溶剤可溶性高分子、或いは、これらの
高分子ラテックスを用いることもできる。
【0128】中でも、ゼラチンおよびポリビニルアルコ
ールが好ましい。
【0129】また、感光感熱記録層は、塗布助剤、帯電
防止、スベリ性改良、乳化分散、接着防止等の種々の目
的で、種々の界面活性剤を含有することができる。
【0130】界面活性剤としては、例えば、非イオン性
界面活性剤であるサポニン、ポリエチレンオキサイド、
ポリエチレンオキサイドのアルキルエーテル等のポリエ
チレンオキサイド誘導体やアルキルスルホン酸塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホ
ン酸塩、アルキル硫酸エステル、N−アシル−N−アル
キルタウリン類、スルホコハク酸エステル類、スルホア
ルキルポリオキシエチレナルキルフェニルエーテル類等
のアニオン性界面活性剤、アルキルベタイン類、アルキ
ルスルホベタイン類等の両性界面活性剤、脂肪族あるい
は芳香族第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活
性剤を用いることができる。
【0131】さらに、感光感熱記録層には、これまで述
べた添加剤等のほか、必要に応じて、他の添加剤を添加
することができる。
【0132】例えば、紫外線吸収剤、可塑剤、蛍光増白
剤、マット剤、塗布助剤、硬化剤、帯電防止剤、滑り性
改良剤等を添加することもできる。
【0133】上記各添加剤の代表例は、「Resear
ch Disclosure,Vol.176」(19
78年12月、Item 17643)および「同Vo
l.187」(1979年11月、Item 1871
6)に記載されている。
【0134】硬化剤としては、例えば、写真感光材料の
製造に用いられる「ゼラチン硬化剤」が有用であり、例
えば、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド等のアル
デヒド系の化合物、米国特許第3635718号等に記
載の反応性のハロゲン化合物、米国特許第363571
8号等に記載の反応性のエチレン性不飽和基を有する化
合物、米国特許第3017280号等に記載のアジリジ
ン系化合物、米国特許第3091537号等に記載のエ
ポキシ系化合物、ムコクロル酸等のハロゲノカルボキシ
アルデヒド類、ジヒドロキシジオキサン、ジクロロジオ
キサン等のジオキサン類、米国特許第3642486号
や米国特許第3687707号に記載のビニルスルホン
類、米国特許第3841872号に記載のビニルスルホ
ンブレカーサー類、米国特許第3640720号に記載
のケトビニル類を用いることができ、また、無機硬化剤
として、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、硼酸等も用
いることができる。
【0135】中でも、1,3,5−トリアクロイル−ヘ
キサヒドロ−s−トリアジン、1,2−ピスピニルスル
ホニルメタン、1,3−ビス(ビニルスルホニルメチ
ル)プロパノール−2、ビス(α−ビニルスルホニルア
セトアミド)エタン、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキ
シ−s−トリアジン・ナトリウム塩、2,4,6−トリ
エチレニミノ−s−トリアジンや硼酸等の化合物が好ま
しい。
【0136】上記硬化剤は、バインダーの使用量に対し
て、0.5〜5重量%の範囲で添加することが好まし
い。
【0137】感光感熱記録層の層厚としては、0.1〜
50μmの範囲であることが好ましく、5〜35μmの
範囲であることがより好ましい。
【0138】本発明の感光感熱記録材料は、イエロー、
マゼンタ、シアンの各色相に発色する単色の感光感熱記
録層を積層した感光感熱記録材料とすることができる。
その場合、発色色相の異なる各感光感熱記録層中に異な
る吸収波長を有する可視光吸収色素を使用する。
【0139】本発明の感光感熱記録材料が複数の感光感
熱記録層を有する場合には、各色の感光感熱記録層間に
中間層を設けることができる。中間層は、主にバインダ
ーから構成され、必要に応じて、硬化剤やポリマーラテ
ックス等の添加剤を含有することができる。バインダ
ー、硬化剤等は前述のものを使用することができる。
【0140】本発明の感光感熱記録材料には、必要に応
じて、保護層を設けることができる。保護層は、単層構
造であってもよいし、二層以上の積層構造であってもよ
い。
【0141】上記保護層に用いる材料としては、例え
ば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性
ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共
重合体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱
粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴ
ム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解
物、スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水
分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分
解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリド
ン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダ
などの水溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエン
ゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラ
テックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテック
ス、酢酸ビニルエマルジョン等のラテックス類などが挙
げられる。
【0142】前記保護層に用いる水溶性高分子化合物を
架橋することにより、保存安定性をより一層向上させる
こともできる。この場合、前記架橋に用いる架橋剤とし
ては、公知の架橋剤を使用することができ、具体的には
N−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−
ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グ
ルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼
砂等の無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリンな
どが挙げられる。
【0143】前記保護層には、更に公知の顔料、金属石
鹸、ワックス、界面活性剤などを使用することもでき、
公知のUV吸収剤やUV吸収剤プレカーサーを添加する
こともできる。
【0144】保護層はその粘着性を低減するために硬化
剤を含有することが好ましい。硬化剤としては前述のも
のが挙げられる。
【0145】前記保護層の塗布量としては、0.2〜5
g/m2 が好ましく、0.5〜3g/m2 がより好まし
い。
【0146】本発明の感光感熱記録材料に用いる支持体
としては、紙、コーティッドペーパー、ラミネート紙等
の合成紙;ポリエチレンテレフタレートフィルム、3酢
酸セルロースフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリス
チレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等のフィル
ム;アルミニウム、亜鉛、銅等の金属板;または、これ
らの支持体表面に表面処理、下塗、金属蒸着処理等の各
種処理を施したもの等を挙げることができる。さらに、
「Research Disclosure,Vol.
200」(1980年12月、Item 20036
XVII項)の支持体も挙げることができる。また、弾
性を有するポリウレタンフォームやゴム等のシートを用
いることもできる。
【0147】本発明の感光感熱記録材料は、感光感熱記
録層用塗布液、保護層用塗布液等を前記各構成成分を必
要に応じて溶媒中に溶解したり分散したりすることによ
り調製した後に、各塗布液を順次、支持体上に塗布し、
塗膜を乾燥することで得ることができる。
【0148】感光感熱記録層用塗布液を調製する際、カ
プラー化合物は、その他の成分とともに水溶性高分子を
添加して、サンドミル等により固体分散して用いること
もできるが、適当な乳化助剤とともに乳化し、乳化物と
して用いることもできる。固体分散または乳化方法とし
ては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法、
例えば、特開昭59−190886号、特開平2−14
1279号、特開平7−17145号に記載の方法を使
用することができる。
【0149】塗布液の調製に使用できる溶媒としては、
水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、
メチルセロソルプ、1−メトキシ−2−プロパノール等
のアルコール;メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド等のハロゲン系溶剤;アセトン、シクロヘキサノン、
メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチルセロソル
ブ、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル;トルエン;
キシレン等の単独物、およびこれらの2種以上の混合物
等が挙げられる。中でも、水が特に好ましい。
【0150】これらの塗布液を支持体上に塗布するに
は、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコータ
ー、ロールドクターコーター、リバースロールコータ
ー、トランスファーロールコーター、グラビアコータ
ー、キスロールコーター、カーテンコーター、エクスト
ルージョンコーター等を用いることができる。
【0151】塗布方法は、「Rcscarch Dis
closurc,Vol.200」(1980年12
月,Item 20036 XV項)を参考にできる。
【0152】本発明の感光感熱記録材料が色相の異なる
複数の感光感熱記録層を有する場合には、カラープリン
ター、ラベル、カラープルーフ、コピア(登録商標)、
ファックス、第2原図等に使用することができる。
【0153】また、本発明の感光感熱記録材料は、感光
感熱記録材料を画像様に露光して潜像を形成し、該露光
と同時又は該露光後に該感光感熱記録材料を加熱して該
潜像に応じて画像を形成した後、該感光感熱記録材料の
全面を露光して該画像を定着させる画像形成方法に使用
することができる。
【0154】露光に用いる光源としては、感光感熱記録
層中の可視光吸収色素の吸収帯に含まれる波長の光を照
射可能なものを使用する。具体的には、青色、緑色、赤
色等のレーザー光源またはLEDを用いることが、装置
の簡易小型化、低コスト化、高鮮鋭化を達成しうる点で
好ましい。本発明の感光感熱記録材料が感光波長の異な
る複数の感光感熱記録層を有する場合には、それぞれの
感光感熱記録層中の可視光吸収色素の吸収帯に含まれる
波長の光を照射可能な複数の光源を使用する。
【0155】画像形成時の加熱温度は80〜200℃で
あることが好ましく、85〜130℃であることがより
好ましい。加熱時間は3秒〜1分の範囲が好ましく、5
秒〜30秒の範囲がより好ましい。
【0156】画像の定着に用いることのできる光源とし
ては、水銀灯、超高圧水銀灯、無電極放電型水銀灯、キ
セノンランプ、タングステンランプ、メタルハライドラ
ンプ、蛍光灯等の幅広い光源を好適に用いることができ
る。
【0157】使用する光源は、感光感熱記録材料の感光
感熱記録層中に用いる可視光吸収色素の吸収波長に適合
した波長を有することが好ましい。
【0158】上記光源を用いた光照射の方法としては、
最終的に画像形成後の感光感熱記録材料の感光感熱記録
層全体にほぼ均一の照射光を照射することができる方法
であれば特に限定されるものではなく、感光感熱記録層
全面を一度に照射する方法でも、スキャニング等により
感光感熱記録層を徐々に光照射し最終的に全面を照射す
る方法でもよい。
【0159】この光照射により感光感熱記録層中に残存
する可視光吸収色素による着色を消色でき、ひいては非
画像部の白色性を高めることができ、化学的に安定した
最終画像を得ることができる。また、発色成分Aとして
ジアゾニウム塩化合物を用いた場合には、画像形成後の
感光感熱記録層中に残存するジアゾニウム塩化合物をも
光照射により失活させることができるため、濃度変動、
変色等がない保存性に優れた画像を得ることができる。
【0160】上記光源を用いて光照射する時間は、画像
が定着し、地肌部を十分に消色しうる時間であることが
必要であり、具体的には数秒〜数十分が好ましく、数秒
〜数分がより好ましい。
【0161】なお、消色効果を向上させるためには、画
像形成後感光感熱記録層の表面温度が40℃を下回らな
い間に光照射するか(この場合、定着時の感光感熱記録
層の表面温度の上限値は画像形成時の加熱温度とな
る)、又は感光感熱記録層全面を光照射するときに発色
温度未満の温度で均一に加熱することが好ましい。
【0162】加熱温度は具体的には40〜100℃であ
ることが好ましく、50〜100℃であることがより好
ましい。
【0163】また、本発明の感光感熱記録材料は上記の
画像記録方法のみならず、公知の他の記録方法にも使用
することができる。
【0164】例えば、サーマルヘッド等の加熱装置を用
いた感熱記録や、コントラスト、画像品質向上を目的と
して、国際出願WO95/31754号に記載の3M社
提案のハロゲン化銀感光感熱記録材料にレーザービーム
を照射する際、そのビームスポットが所定の範囲でオー
バーラップするようにする画像記録方法にも使用するこ
とができる。このビームスポットのオーバーラップ範囲
を調整して着色画像濃度を制御しうる。
【0165】また、特開昭60−195568号に記載
のキヤノン(株)提案の記録方法、即ち、記録材料面に
照射するレーザービームの入射角を傾けることにより、
入射ビームが記録材料の感光層界面で反射する反射ピッ
チをビームスポット径より大きくし、記録材料に生ずる
光干渉を防止する技術を用いることにより、より高品質
の画像を得る方法にも使用することができる。この場
合、照射するレーザービームのエネルギーを調整して着
色画像濃度を制御しうる。
【0166】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 (実施例1) <電子供与性無色染料内包マイクロカプセルの調製>酢
酸エチル18.4gに、マゼンタ発色の下記電子供与性
無色染料8.4gを溶解し、カプセル壁材(商品名:タ
ケネートD−110N,武田薬品工業(株)製)14g
とカプセル壁材(商品名:ミリオネートMR400,日
本ポリウレタン工業(株)製)0.4gとを添加した。
【0167】
【化5】
【0168】得られた溶液を、水18gと8%フタル化
ゼラチン52gと下記界面活性剤(1)の10%水溶液
0.3gとの混合液中に添加した後、温度30℃で乳化
分散し、乳化液を得た。次いで、得られた乳化液に水6
4gとジエチレントリアミン0.6gとを加え、攪拌し
ながら60℃に加温し、3時間経過後、固形分が30%
となるように加水し、上記電子供与性無色染料を芯とす
る、平均粒径0.5μmのマイクロカプセル液を得た。
【0169】
【化6】
【0170】<乳化液の調製>下記に示した有機ボレー
ト化合物6重量部と、下記分光増感色素1重量部と、高
感度化を目的とした下記助剤1重量部と、酢酸イソプロ
ピル(水への溶解度約4.3%)125重量部と、フタ
ル酸ジブチル30重量部と、下記重合禁止剤0.4重量
部の混合溶液中に、下記重合性基を有する下記電子受容
性化合物100重量部を添加した。
【0171】得られた溶液を、15%ゼラチン水溶液1
64重量部と、前記界面活性剤(1)の1%水溶液15
7重量部との混合溶液中に添加し、ホモジナイザー(日
本精機(株)製)を用いて10000rpmで5分間乳
化した後、42℃で2.5時間溶媒を除去して、次いで
固形分が30%となるように加水して、乳化液を得た。
【0172】
【化7】
【0173】<感光感熱記録層用塗布液の調製>前記電
子供与性無色染料内包マイクロカプセル1重量部と、乳
化液3.9重量部とを混合し、感光感熱記録層用塗布液
を調製した。 <保護層用塗布液の調製>18%ゼラチン水溶液8.8
重量部と、蒸留水7.0重量部と、下記界面活性剤
(2)の2%水溶液0.4重量部と、下記界面活性剤
(3)の2%水溶液1.2重量部と、2%ビニルスルホ
ン系化合物(硬膜剤)水溶液8.8重量部と、20%ポ
リアクリル酸(日本純薬(株)製、商品名:ジュリマー
AC10LA)1.8重量部と、を混合し、上記保護層
用塗布液を調製した。
【0174】
【化8】
【0175】<感光感熱記録材料の作成>白色顔料を充
填したポリエステルフィルム(ルミラーE−68L,東
レ(株)製)厚さ100μmの支持体上に、コーティン
グバーを用いて、前記感光感熱層用塗布液を塗布層の乾
燥重量が8.4g/m2 になるように塗布、乾燥した。
このときの分光増感色素の塗布量は0.03g/m2
あり、電子供与性無色染料の塗布量は0.46g/m2
であった。この層上に、保護層用塗布液を、乾燥重量が
1.6g/m2 になるように塗布、乾燥して設け、感光
感熱記録材料を得た。 <評価>上記感光感熱記録材料の保護層側から、キセノ
ンランプ(ウシオ電機(株)製)から波長563nmの
光を照射エネルギーが12.2mJ/cm2となるよう
に照射して潜像を形成した後、この感光感熱記録材料を
120℃で15秒間加熱して可視画像を形成し、次いで
キセノンランプを光源として、MCPD3000(大塚
電子(株)製)の発光体測定モードにおける標準白色板
(大塚電子(株)製、商品名Z99009)の反射強度
(ダーク補正値)が分光増感色素の吸収極大波長563
mにおいて0.1となるような光強度で、全光を室温で
照射し、この分光増感色素の吸収強度の経時変化を、相
対反射モードにてMCPD3000の反射測定ユニット
を用いて測定し、光照射を開始してから吸収強度が平衡
に達するまでの時間(以下、消色時間という)と光照射
を開始してから15分経過時の吸収強度を求めた。消色
時間が短い程、感光感熱記録材料の地肌の白色化が迅速
に進むことを示し、また15分経過時の吸収強度が小さ
い程、感光感熱記録材料中の分光増感色素の残存量が少
ないことを示す。結果を表1に示す。 (実施例2)乳化液中のフタル酸ジブチルをアジピン酸
ジ2−エチルヘキシルに変更した以外は実施例1と同様
にして感光感熱記録材料を作成し、評価した。結果を表
1に示す。 (実施例3)乳化液中のフタル酸ジブチルを塩素化ノル
マルパラフィン(旭電化(株)社製、商品名:E−50
0)に変更した以外は実施例1と同様にして感光感熱記
録材料を作成し、評価した。結果を表1に示す。 (実施例4)乳化液中のフタル酸ジブチルをエポキシ化
大豆油(新日本理化(株)社製、商品名:E−2000
H)に変更した以外は実施例1と同様にして感光感熱記
録材料を作成し、評価した。結果を表1に示す。 (実施例5)乳化液中のフタル酸ジブチルをトリクレジ
ルフォスフェートに変更した以外は実施例1と同様にし
て感光感熱記録材料を作成し、評価した。結果を表1に
示す。 (実施例6)乳化液中のフタル酸ジブチルをトリメリッ
ト酸トリイソデシルに変更した以外は実施例1と同様に
して感光感熱記録材料を作成し、評価した。結果を表1
に示す。 (実施例7)乳化液中のフタル酸ジブチルをN−ブチル
スルホンアミドに変更した以外は実施例1と同様にして
感光感熱記録材料を作成し、評価した。結果を表1に示
す。 (実施例8)乳化液中のフタル酸ジブチルをとうもろこ
し油(関東化学(株)社製)に変更した以外は実施例1
と同様にして感光感熱記録材料を作成し、評価した。結
果を表1に示す。 (実施例9)乳化液中のトリクレジルフォスフェートの
量を30重量部から60重量部に変更した以外は実施例
5と同様にして感光感熱記録材料を作成し、評価した。
結果を表1に示す。 (実施例10)乳化液中のトリクレジルフォスフェート
の量を30重量部から90重量部に変更した以外は実施
例5と同様にして感光感熱記録材料を作成し、評価し
た。結果を表1に示す。 (実施例11)定着光を照射するときに感光感熱記録材
料を50℃に加熱した以外は実施例5と同様にして感光
感熱記録材料を作成し、評価した。結果を表1に示す。 (比較例1)乳化液中のフタル酸ジブチルを使用しなか
った以外は実施例1と同様にして感光感熱記録材料を作
成し、評価した。結果を表1に示す。 (比較例2)定着光を照射するときに感光感熱記録材料
を50℃に加熱した以外は比較例1と同様にして感光感
熱記録材料を作成し、評価した。結果を表1に示す。
【0176】
【表1】
【0177】表1から、実施例の感光感熱記録材料の消
色時間は比較例1のそれと比べ大幅に短縮されているこ
とがわかる。また、実施例の感光感熱記録材料の15分
経過時の吸収強度は比較例1のそれと比べ非常に小さ
く、実施例の感光感熱記録材料ではコントラストの高い
画像を得ることが可能であることがわかる。さらに、ト
リクレジルフォスフェートの添加量が60重量部以上の
実施例9、10の方が30重量部の実施例5と比べて、
消色時間も15分経過時の吸収強度も半分、又はそれ以
下になっていることがわかる。また、光照射時に加熱し
た実施例11は加熱しなかった実施例5と比べて消色時
間が大幅に短縮されていることがわかる。また、この実
施例11は光照射時に加熱した比較例2と比較しても消
色時間が3分の1であることがわかる。
【0178】
【発明の効果】本発明によれば、可視光領域で画像記録
ができ、地肌の白色度が良好で、コントラストが高い画
像を形成できる感光感熱記録材料及び画像記録方法、そ
れに用いられる可視光重合組成物、を提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 2/00 C08F 2/48 B41M 5/18 101C 2/44 108 2/48 112 (72)発明者 鷲巣 信太郎 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AB09 AC08 AD01 AD03 BC13 BC42 BC83 BC84 CA39 CA41 CC05 CC13 CC14 CC20 DA10 FA12 FA22 FA30 2H026 AA00 AA07 AA21 BB01 BB24 BB41 DD01 DD03 DD34 DD38 DD42 DD45 DD46 DD48 FF05 4J011 AC08 CA01 CA02 CA08 CC10 PA23 PA24 PA30 PA35 PA37 PA45 PA46 PA86 PB25 PB40 PC02 QA31 QA32 QA34 SA85 VA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性モノマーと、可視光吸収色素と、
    有機ボレート化合物と、フタル酸エステル、脂肪族二塩
    基酸エステル、塩素化パラフィン、エポキシ化合物、リ
    ン酸エステル、トリメリット酸エステル、スルホンアミ
    ド化合物、アミド化合物、及び炭化水素化合物からなる
    群から選択される化合物と、を含有することを特徴とす
    る可視光重合組成物。
  2. 【請求項2】 前記有機ボレート化合物1重量部に対し
    て、前記群から選択される化合物を0.1〜15重量部
    含有することを特徴とする請求項1に記載の可視光重合
    組成物。
  3. 【請求項3】 支持体上に、熱応答性マイクロカプセル
    に内包された発色成分Aと、熱応答性マイクロカプセル
    外部に、少なくとも、同一分子内に重合性基と該発色成
    分Aと反応して発色する部位とを有する実質的に無色の
    化合物Bと、可視光吸収色素と、有機ボレート化合物
    と、フタル酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、塩素
    化パラフィン、エポキシ化合物、リン酸エステル、トリ
    メリット酸エステル、スルホンアミド化合物、アミド化
    合物、及び炭化水素化合物からなる群から選択される化
    合物とを含有する感光感熱記録層を設けたことを特徴と
    する感光感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 支持体上に、熱応答性マイクロカプセル
    に内包された発色成分Aと、熱応答性マイクロカプセル
    外部に、該発色成分Aと反応して発色する実質的に無色
    の化合物Cと、同一分子内に重合性基と該発色成分Aと
    化合物Cとの反応を抑制する部位とを有する実質的に無
    色の化合物Dと、可視光吸収色素と、有機ボレート化合
    物と、フタル酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、塩
    素化パラフィン、エポキシ化合物、リン酸エステル、ト
    リメリット酸エステル、スルホンアミド化合物、アミド
    化合物、及び炭化水素化合物からなる群から選択される
    化合物とを含有する感光感熱記録層を設けたことを特徴
    とする感光感熱記録材料。
  5. 【請求項5】 感光感熱記録材料を画像様に露光して潜
    像を形成し、該露光後に該感光感熱記録材料を加熱して
    該潜像に応じて画像を形成した後、該感光感熱記録材料
    の全面を露光して該画像を定着させる画像形成方法にお
    いて、感光感熱記録材料として請求項3又は4に記載の
    感光感熱記録材料を使用することを特徴とする画像記録
    方法。
  6. 【請求項6】 前記感光感熱記録材料の全面を露光する
    ときに前記感光感熱記録材料を加熱することを特徴とす
    る請求項5に記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 画像を形成した後全面露光して該画像を
    定着させるまでの間の前記感光感熱記録材料の温度が4
    0℃を下回らないことを特徴とする請求項5に記載の画
    像記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102736415A (zh) * 2011-03-31 2012-10-17 太阳油墨制造株式会社 光固化性热固化性树脂组合物、其干膜和固化物以及使用它们的印刷电路板

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