JP2002046666A - クローラ式作業機のトラックリンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラックリンクを分解することなく、トラッ
クシューの磨耗部分を補修することがでるクローラ式作
業機の提供。 【解決手段】 トラックリンク４を構成する複数のトラ
ックシュー５のそれぞれを、トラックシュー本体６と、
このトラックシュー本体６に着脱可能に取り付けられ、
噛合凸部８ａおよび接触部８ｂが一体的に形成される着
脱体８と、この着脱体８をトラックシュー本体６に締結
するボルト９，１０とによって構成する。トラックシュ
ー本体６には、着脱体８を適合させる取付溝部７と、ボ
ルト９，１０が螺合する雌ねじ部９ａ，１０ａとが設け
られている。また、着脱体８には、噛合凸部８ａにボル
ト９を挿入する貫通穴９ｂと、四隅付近にボルト１０を
挿入する貫通穴１０ｂとが設けられている。これによ
り、磨耗しやすい部分、すなわち噛合凸部８ａおよび接
触部８ｂだけを交換するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、クローラ式作業機
に設けられ、複数のトラックシューが無端状に連結され
て、駆動輪と遊動輪に巻き掛けられるトラックリンクに
関する。

【０００２】

【従来の技術】以下、従来のクローラ式作業機のトラッ
クリンクについて図に基づいて説明する。

【０００３】図６は従来のトラックリンクを示す側面
図、図７は図６に示す駆動輪とトラックシューの噛合い
の位置関係を示す説明図、図８は図６に示す駆動輪を示
す斜視図である。

【０００４】従来のトラックリンク１は、例えば図６に
示すように、複数のトラックシュー２が無端状に連結さ
れ、駆動輪３と図示しない遊動輪に巻き掛けられている
ものである。

【０００５】トラックシュー２は、駆動輪３に噛合うよ
うに突起した噛合凸部２ａと、この噛合凸部２ａを挟ん
で対向する部分のそれぞれで、駆動輪３および遊動輪に
接触する平坦状の接触部２ｂとが設けられている。

【０００６】駆動輪３は、図８に示すように、１対の円
盤部３ｂと、これら１対の円盤部３ｂの円周に沿って複
数等間隔に設けられ、これら１対の円盤部３ｂの間で架
け渡された架渡し部３ａとを備えている。

【０００７】これらのトラックシュー２と駆動輪３は、
図６，７に示すように、トラックシュー２の接触部２ｂ
と円盤部３ｂの縁部分とが接触した状態で、トラックシ
ュー２の噛合凸部２ａが架渡し部３ａ間に位置し、駆動
輪３の回転に伴なって回転する架渡し部３ａに噛合凸部
２ａが噛合ようになっている。これにより、駆動輪３の
駆動力がトラックリンク１に伝達されて、クローラ式作
業機が走行する。

【０００８】このようにして、駆動輪３から駆動力を伝
達されるトラックリンク１は、繰り返し行われる走行操
作に伴なって、トラックシュー２の噛合凸部２ａおよび
接触部２ｂが磨耗する。

【０００９】そこで、従来、例えば特開平６−１５６３
３１号公報に示されるトラックリンクでは、トラックシ
ューが、トラックシュー本体と、この本体に着脱可能に
設けられる噛合凸部とを備えている。つまり、噛合凸部
が磨耗した場合には、この噛合凸部をトラックシュー本
体から取り外して新しい噛合凸部に交換できるように
し、これによりトラックリンクの補修作業を簡単にして
いる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】ところが、トラックシ
ューは、噛合凸部だけでなく、接触部も磨耗している場
合がある。つまり、上述の特開平６−１５６３３１号公
報に示されるように噛合凸部だけを新しいものに交換す
るだけでは、接触部に対する噛合凸部の立上り量が、接
触部の磨耗した分だけ大きくなり、これにより駆動輪と
トラックシューが適切に噛合わないことがある。

【００１１】そして、このようにトラックシューと駆動
輪が適切に噛合ってない状態または適切に接触していな
い状態でクローラ式作業機を走行させると、トラックシ
ュー、駆動輪に異常磨耗が生じ、走行できなくなる事態
が生じることがある。

【００１２】そこで、従来では、この事態を防止するた
めの補修作業として、トラックシューの交換、または接
触部の磨耗部分の肉盛り修正を行っていた。しかし、こ
れらいずれの補修作業を行うにしても、トラックリンク
を分解しなければならず、作業が煩雑であるという問題
があった。

【００１３】本発明の目的は、上述の問題を考慮してな
されたもので、トラックリンクを分解することなく、ト
ラックシューの磨耗部分を補修することができるクロー
ラ式作業機のトラックリンクを提供することにある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の請求項１に係る発明ではクローラ式作業
機に備えられ、駆動輪に噛合う噛合凸部と、この噛合凸
部を挟んで対向する部分のそれぞれで、前記駆動輪およ
び遊動輪に接触する接触部とを有するトラックシュー
が、無端状に連結されて、前記駆動輪と前記遊動輪の間
に巻き掛けられるクローラ式作業機のトラックリンクに
おいて、前記トラックシューが、トラックシュー本体
と、このトラックシュー本体に着脱可能に設けられる前
記噛合凸部および前記接触部と、これらの噛合凸部およ
び接触部を前記トラックシュー本体に固定する固定手段
とを備える構成にしている。

【００１５】このように構成した請求項１に係る発明で
は、トラックリンクの補修作業を行うに際し、トラック
シューの磨耗部分、すなわち噛合凸部および接触部を、
固定手段による固定状態を解除して、トラックシュー本
体から取り外す。そして、接触部に対する噛合凸部の立
上り量を適切な値に設定した噛合凸部および接触部を、
固定手段によってトラックシュー本体に取り付ける。

【００１６】これにより、トラックリンクを分解するこ
となく、トラックシューの磨耗部分だけ、すなわち噛合
凸部および接触部だけを交換できるので、トラックリン
クを簡単に補修することができる。

【００１７】また、請求項２に係る発明は、請求項１に
係る発明において、前記噛合凸部および前記接触部が一
体に形成され、前記トラックシュー本体に着脱可能な着
脱体を備えることを特徴としている。

【００１８】また、請求項３に係る発明は、請求項１ま
たは２記載に係る発明において、前記固定手段が、前記
トラックシュー本体に設けられ、前記着脱体が適合する
取付溝部を備えることを特徴としている。

【００１９】また、請求項４に係る発明は、請求項１〜
３のいずれかに係る発明において、油圧ショベルに設け
られることを特徴としている。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、本発明のクローラ式作業機
のトラックリンクの実施形態について図に基づいて説明
する。

【００２１】図１は本発明の一実施形態を示す側面図、
図２は図１に示す実施形態に備えられるトラックシュー
を示す平面図、図３は図２に示すトラックシューＣ部断
面図図、図４は図２に示すトラックシューＢ部断面図、
図５は図２に示すトラックシューＡ部断面図である。

【００２２】本実施形態は、図１に示すように、クロー
ラ式作業機、例えば油圧ショベルに備えられるトラック
リンク４である。このトラックリンク４は、複数のトラ
ックシュー５が無端状に連結され、駆動輪３と図示しな
い遊動輪に巻き掛けられている。

【００２３】上述の駆動輪３は、前述の図６〜８に示す
ものと同じ構成である。すなわち、１対の円盤部３ｂ
と、これら１対の円盤部３ｂの円周に沿って複数等間隔
に設けられ、これら１対の円盤部３ｂ間で架け渡された
架渡し部３ａとを備えている。

【００２４】上述のトラックシュー５は、駆動輪３の架
渡し部３ａに噛合うように突起した噛合凸部８ａと、駆
動輪３の円盤部３ｂの縁部分に接触する平坦状の接触部
８ｂとを備えている。

【００２５】これらのトラックシュー５と駆動輪３は、
トラックシュー５の接触部８ｂと円盤部３ｂの縁部分と
が接触した状態で、トラックシュー５の噛合凸部８ａが
架渡し部３ａ間に位置し、駆動輪３の回転に伴なって回
転する架渡し部３ａに噛合凸部８ａが噛合ようになって
いる。これにより、駆動輪３の駆動力がトラックリンク
４に伝達されて、クローラ式作業機が走行する。

【００２６】このようにして、駆動輪３から駆動力を伝
達されるトラックリンク４は、繰り返し行われる走行操
作に伴なって、トラックシュー５の噛合凸部８ａおよび
接触部８ｂが磨耗する。

【００２７】特に、本実施形態のトラックリンク４で
は、図２〜５に示すように、トラックシュー５は、トラ
ックシュー本体６と、噛合凸部８ａおよび接触部８ｂが
一体的に形成され、トラックシュー本体６に着脱可能に
設けられる着脱体８と、この着脱体８をトラックシュー
本体６に固定する固定手段を備えている。なお、着脱体
８は、焼き入れ硬化処理をしてある。

【００２８】固定手段は、同図２〜５に示すように、ト
ラックシュー本体６に設けられ、着脱体８が適合する取
付溝部７を備えている。また、この取付溝部７に着脱体
８を締結する複数のボルト９，１０と、トラックシュー
本体６に設けられ、ボルト９，１０が螺合する雌ねじ部
９ａ，１０ａと、着脱体８に設けられ、ボルト９，１０
が挿入される貫通穴９ｂ，１０ｂとを備えている。な
お、貫通穴９ｂ，１０ｂのそれぞれは、ボルト９，１０
の頭部が着脱体８の上面から突出しないように形成して
ある。

【００２９】取付溝部７は、着脱体８の側面が当接する
側壁７ｂと、上述の着脱体８の下面が当接する底面７ｃ
と、この底面７ｃに設けられ上述の噛合凸部８ａの下部
が適合する嵌合凸部７ａを備えている。そして、嵌合凸
部７ａの上端面には、上述のボルト９が螺合する上述の
雌ねじ部９ａを設け、また底面７ｃの四隅付近には、上
述のボルト１０が螺合する上述の雌ねじ部１０ａを設け
ている。

【００３０】また、着脱体８には、噛合凸部８ａの下部
に、上述の嵌合凸部７ａに適合する嵌合凹部８ｃを設け
ている。そして、噛合凸部８ａの上端面には、上述のボ
ルト９が挿入される上述の貫通穴９ｂを設け、また着脱
体８の四隅付近は、板厚を厚く形成して、上述のボルト
１０が挿入される上述の貫通穴１０ｂを設けている。

【００３１】このように構成した本実施形態のトラック
リンク４は、トラックシュー５の磨耗部分を補修するに
際して、噛合凸部８ａおよび接触部８ｂを含む着脱体８
を、ボルト９，１０を緩めてトラックシュー本体６から
取り外す。そして、このトラックシュー本体６に、新し
い着脱体８を取り付ける。これにより、磨耗してない新
しい噛合凸部８ａおよび接触部８ｂとすることができ
る。

【００３２】また、着脱体８は、側面が取付溝部７の側
壁７ｂに当接し、その嵌合凹部８ｃが嵌合凸部７ａに嵌
合した状態で、トラックシュー本体６にボルト９，１０
で締結してある。つまり、着脱体８を、固定手段によっ
て取付溝部７の位置に位置決めするとともに、ボルト
９，１０にせん断力を与えないように固定している。

【００３３】このように本実施形態では、トラックリン
ク４を分解することなく、トラックシュー５の磨耗部分
だけ、すなわち噛合凸部８ａおよび接触部８ｂだけを交
換することによって補修することができる。これによ
り、トラックリンク４の補修作業を簡単で効率よく行う
ことができる。

【００３４】また、交換部品は、噛合凸部８ａおよび接
触部８ｂを含む着脱体８だけなので、低いコストで製造
することができる。

【００３５】なお、本実施形態では、トラックシュー５
が、噛合凸部８ａおよび接触部８ｂを一体的に形成した
着脱体８を備える構成を例に挙げた。しかし、本発明は
これに限るものではなく、噛合凸部８ａおよび接触部８
ｂを別体にしてもよい。すなわち、これらの噛合凸部８
ａおよび接触部８ｂのそれぞれの磨耗の程度に応じて、
それぞれに対して肉盛り修正や交換を行うようにしても
よい。

【００３６】

【発明の効果】以上、本発明の各請求項に係る発明で
は、トラックシューに対して噛合凸部および接触部を着
脱可能に設けているので、トラックリンクを分解するこ
となく、磨耗部分の補修を行うことができる。これによ
り、トラックリンクの補修作業を簡単で効率よく行うこ
とができる。

【００３７】また、交換部品は、噛合凸部および接触部
だけなので、低いコストで製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のクローラ式作業機のトラックリンクの
一実施形態を示す側面図である。

【図２】図１に示す実施形態に備えられるトラックシュ
ーを示す平面図である。

【図３】図２に示すトラックシューＣ部断面図である。

【図４】図２に示すトラックシューＢ部断面図である。

【図５】図２に示すトラックシューＡ部断面図である。

【図６】従来のトラックリンクを示す側面図である。

【図７】図６に示す駆動輪およびトラックシューの位置
関係を示す説明図である。

【図８】図６に示す駆動輪を示す斜視図である。

【符号の説明】

３ 駆動輪 ３ａ 架渡し部 ３ｂ 円盤部 ４ トラックリンク ５ トラックシュー ６ トラックシュー本体 ７ 取付溝部 ７ａ 嵌合凸部（固定手段） ７ｂ 側壁（固定手段） ７ｃ 底面（固定手段） ８ 着脱体 ８ａ 噛合凸部 ８ｂ 接触部 ８ｃ 嵌合凹部（固定手段） ９ ボルト（固定手段） ９ａ 雌ねじ部（固定手段） ９ｂ 貫通穴（固定手段） １０ ボルト（固定手段） １０ａ雌ねじ部（固定手段） １０ｂ貫通穴（固定手段）

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 クローラ式作業機に備えられ、駆動輪に
   噛合う噛合凸部と、この噛合凸部を挟んで対向する部分
   のそれぞれで、前記駆動輪および遊動輪に接触する接触
   部とを有するトラックシューが、無端状に連結されて、
   前記駆動輪と前記遊動輪に巻き掛けられるクローラ式作
   業機のトラックリンクにおいて、 前記トラックシューが、トラックシュー本体と、このト
   ラックシュー本体に着脱可能に設けられる前記噛合凸部
   および前記接触部と、これらの噛合凸部および接触部を
   前記トラックシュー本体に固定する固定手段とを備える
   ことを特徴とするクローラ式作業機のトラックリンク。
2. 【請求項２】 前記噛合凸部および前記接触部が一体に
   形成され、前記トラックシュー本体に着脱可能な着脱体
   を備えることを特徴とする請求項１記載のクローラ式作
   業機のトラックリンク。
3. 【請求項３】 前記固定手段が、前記トラックシュー本
   体に設けられ、前記着脱体が適合する取付溝部を備える
   ことを特徴とする請求項１または２記載のクローラ式作
   業機のトラックリンク。
4. 【請求項４】 油圧ショベルに設けられることを特徴と
   する請求項１〜３のいずれかに記載のクローラ式作業機
   のトラックリンク。